JP4186396B2 - エンジン自動停止始動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は信号待ちなどによる車両の停止、発進に伴って車載エンジンを自動停止、自動始動するエンジン自動停止始動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、停車率の高い市街地走行時の燃費向上等を目的として、信号待ち時等、車両が停車したときにはエンジンを自動停止し、車両の発進時には同エンジンを再始動させるエンジン自動停止始動装置が知られている。
【0003】
一方、車載エンジンの出力軸を動力源とする機関駆動式ポンプから供給される作動油によって各シフト位置の保持及び切り替え制御を行う油圧制御部を備える自動変速機が従来より広く用いられている。このような自動変速機を備える車両においては、信号待ち時等、車両が一時停止している間、その変速機は同ポンプの作動油圧によって発進用のシフト位置にてそのギヤの係合態様を保持する。こうすることで、車両の発進を円滑に行うことが可能となる。
【0004】
しかし、この種の自動変速機に上記エンジン自動停止始動装置を搭載した場合には、当該エンジンの自動停止によって上記機関駆動式ポンプが機能しなくなるため、自動変速機によって発進用のシフト位置に対応するギヤの係合状態を維持することができなくなる。したがって、このような状態でエンジンの再始動が行われると、作動油の油圧が十分に高まった状態で上記発進用のシフト位置に対応するギヤの再度の係合が行われるようにはなるが、このときにはエンジン回転速度もかなり高くなっているため、この係合によってショックが生じるという問題がある。
【0005】
そこで従来は、例えば特開平8−14076号公報にみられるように、エンジンの自動停止中には電動オイルポンプによって調圧された作動油を用いることによって、発進用のシフト位置に対応するギヤの係合状態を保持するものなども提案されている。このように電動オイルポンプを備えることで、エンジン停止中においても作動油の油圧、ひいてはギヤの上記係合状態を保持することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記作動油の温度が低いときにエンジンが自動停止されると、この作動油の粘度が高いために、たとえ上記電動オイルポンプによってその油圧を保持する場合であれ、同作動油の加圧制御に応答遅れが生じるおそれがある。このような状態で、エンジンの再始動が行われると、作動油の油圧が十分に高まらない状態で発進が行われることになるため、発進用のシフト位置に対応するギヤの係合状態への固定制御が十分でなく、ドライバビリティの悪化を招くおそれがある。このため従来は、作動油の温度が低いときには、エンジンの自動停止及び再始動制御を禁止することで、作動油の油圧をエンジン自動停止中も確保しドライバビリティの悪化を回避するような提案もなされている。
【0007】
ただし、上記作動油の温度を検出するセンサは通常、自動変速機の油圧制御を行う油圧制御部に設けられていることが多い。したがってこのような場合、この油圧制御部内の作動油の温度と電動オイルポンプ内の作動油の温度との間に差が生じていたとしてもこの差を検出することはできない。そして、この差は、外気温が低い程大きくなる傾向にある。このため、エンジンの自動停止及び再始動の制御を許可する作動油の温度の設定によっては、ポンプ内の温度が十分でないにもかかわらず同制御を許可してしまうおそれがある。そこで、このような問題を回避するために、エンジンの自動停止及び再始動の制御を許可する作動油の温度を高めに設定することもある。
【0008】
しかし、このように許可条件を設定すると、実際にはエンジンの自動停止及び再始動の制御を行うことのできる場合であっても同制御を禁止してしまう可能性が生じ、燃費の向上という本来の目的が達せられなくなる懸念がある。
【0009】
なお、上記自動変速機を備える車両に限らず、発進用のシフト位置に対応するギヤの係合状態の維持に作動油を用いる変速機を搭載した車両においては、そのエンジン自動停止、再始動に伴うこうした実情も概ね共通したものになっている。
【0010】
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、作動油を用いて発進用シフト位置を維持する変速機を備えた車両に搭載されて、エンジンの自動停止制御による燃費向上と低温時の同制御の禁止によるドライバビリティの悪化の回避との好適な両立を図ることのできるエンジン自動停止始動装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、エンジン出力によって駆動されるポンプにより加圧された作動油を用いて油圧制御部によって発進用シフト位置保持される油圧式変速機と、当該エンジンの自動停止時に前記作動油の油圧を保持する油圧保持手段とを備える車両に搭載されて前記エンジンの自動停止、再始動を制御する装置であって、前記油圧制御部内の作動油の油温若しくはその相当値を検出する温度検出手段と、外気温若しくはその相当値を検出する参照温度検出手段と、前記温度検出手段によって検出される温度が所定の閾値以下であるとき前記制御を禁止するとともに、前記参照温度検出手段の検出結果に基づいて前記閾値及び前記温度検出手段により検出される温度の少なくとも一方を補正する禁止手段とを備えることをその要旨とする。
【0012】
上記構成によれば、温度検出手段の検出結果と参照温度検出手段の検出結果とを検出することで、油圧保持手段によって調圧された作動油による発進用シフト位置の保持が可能か否かを判断することができるようになる。すなわち、温度検出手段の検出結果のみによってエンジンの自動停止及び再始動を禁止する場合に比べ、上記参照温度検出手段が併せ加味されることで、同自動停止制御を禁止すべきか否かについてのより適切な判断が可能となり、ひいては、ドライバビリティの悪化の回避と燃費の向上との両立を好適に図ることができるようになる。
【0014】
また、上記構成によれば、外気温を検出することとするため、通常車両に設けられているセンサを流用ことができるようになる。
【0016】
さらに、上記構成によれば、温度検出結果によって検出される温度と比較される所定の閾値及び前記温度検出手段により検出される温度の少なくとも一方を参照温度検出手段の検出結果に基づいて補正するために、油圧保持手段によって調圧された作動油による発進用シフト位置の保持が可能か否かを判断して同制御の禁止を決定することができるようになる。
【0017】
請求項記載の発明は、請求項記載の発明において、前記油圧保持手段が電動オイルポンプであることをその要旨とする。
上記構成によれば、油圧保持手段を簡易に構成することができるようになる。
【0018】
請求項記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記変速機が自動変速機であることをその要旨とする。
上記構成によれば、油圧によって制御される自動変速機に請求項1又は2記載の発明を適用することで、これら各請求項に記載の発明の作用効果を好適に奏することができるようになる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるエンジン自動停止始動装置の一実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0020】
図1は、本実施形態の構成の概略を示す図である。本実施形態において、図1に示されるエンジン2の出力は、トルクコンバータ4及び歯車変速機部6によって所定の変更を受けた後、アウトプットシャフト8から出力される。この歯車変速機部6は、遊星歯車機構を複数備えることで、入力される駆動力を前進5段、後進1段にて変速する部分であり、これら遊星歯車機構のギヤの係合状態の維持及び同係合の切り替えは、油圧制御部10によって行われる。
【0021】
この油圧制御部10は、図1に破線にて示されるように、オイルパン12と、同オイルパン12内に収容される作動油を用いて歯車変速機部6を制御するバルブボディ14とを備えている。そして、エンジン2の作動時においては、トルクコンバータ4及び歯車変速機部6間に設けられ、このエンジン2の動力によって駆動されるオイルポンプ16によってオイルパン12内の作動油がバルブボディ14を介して汲み上げられ加圧されてバルブボディ14内に供給される。このように作動油が加圧されるために、この作動油の油圧を利用して遊星歯車機構のギヤの係合制御や切り替え制御を行うことができる。
【0022】
更に、油圧制御部10の作動油を加圧する別の手段として、エンジン2の自動停止制御中に作動する電動オイルポンプ18がトルクコンバータ4近傍に設けられている。そして、この電動オイルポンプ18は、オイルパン12に設けられた連通孔20に接続する吸入ホース22を介してオイルパン12内の作動油を吸入する。更に、電動オイルポンプ18が、吐出ホース24を介して、歯車変速機部6に設けられたライン圧検出用孔26にこの吸入した作動油を吐出することで、バルブボディ14内へ作動油が供給される。
【0023】
これらオイルポンプ16又は電動オイルポンプ18によって加圧された作動油を用いて油圧制御部10によって歯車変速機部6が制御される。ここで、これらオイルポンプ16又は電動オイルポンプ18によって加圧された作動油を用いて油圧制御部10によって制御される歯車変速機部6について、図2及び図3を用いて詳述する。
【0024】
図2は、歯車変速機部6内に設けられたギヤの配置態様を示すスケルトン図である。同図に示されるように、この歯車変速機部6は、副変速機601と主変速機602とを備えている。
【0025】
副変速機601を構成するオーバードライブ用遊星歯車機構610のキャリア611は、先の図1に示すトルクコンバータ4と連結する歯車変速機部6の入力軸600に連結されている。そして、この遊星歯車機構610におけるキャリア611とサンギヤ612との間には、クラッチC0とワンウェイクラッチF0とが設けられている。このワンウェイクラッチF0は、サンギヤ612がキャリア611に対し入力軸600の回転方向を正として相対的に正回転する場合に係合するように設定されている。
【0026】
上記サンギヤ612の回転は、ブレーキB0によって固定される。また、上記遊星歯車機構610を構成するリングギヤ613は、主変速機602への中間入力軸614と連結されている。
【0027】
上記態様にて構成される副変速機601によって、入力軸600の回転速度は同一速度又は、増速されて上記中間入力軸614から出力される。すなわち、クラッチC0又はワンウェイクラッチF0が係合した状態では、遊星歯車機構610が一体的に回転するため、中間入力軸614は入力軸600と同速度で回転する。一方、ブレーキB0を係合させることでサンギヤ612を固定すると、リングギヤ613が入力軸600の回転速度に対して増速されて回転する。
【0028】
一方、主変速機602は、3組の遊星歯車機構620、630、640を備えて構成されており、これらを用いて同主変速機602では後進1段と前進4段とを設定する。以下、この主変速機602の係合態様について説明する。
【0029】
第1の遊星歯車機構620のサンギヤ622と、第2の遊星歯車機構630のサンギヤ632とが互いに一体的に連結されている。また、第1の遊星歯車機構620のリングギヤ623と第2の遊星歯車機構630のキャリア631と第3の遊星歯車機構640のキャリア641とが一体的に連結されている。そして、この第3の遊星歯車機構640のキャリア641は、上記アウトプットシャフト8と連結されている。更に、第2の遊星歯車機構630のリングギヤ633が第3の遊星歯車機構640のサンギヤ642と連結されている。
【0030】
上記第2の遊星歯車機構630のリングギヤ633及び第3の遊星歯車機構640のサンギヤ642と中間入力軸614との間には、前進段にて係合するクラッチC1が設けられている。一方、第1の遊星歯車機構620のサンギヤ622及び第2の遊星歯車機構630のサンギヤ632と中間入力軸614との間には、後進段にて係合するクラッチC2が設けられている。
【0031】
また、上記第1の遊星歯車機構620及び第2の遊星歯車機構630のサンギヤ622及び632は、ブレーキB1によって固定される。更に、これらサンギヤ622と632とには、ワンウェイクラッチF1とブレーキB2とが連結されている。このワンウェイクラッチF1は、同サンギヤ622、632が逆回転するときに係合するように設定されている。
【0032】
更に、上記第1の遊星歯車機構620のキャリア621を固定するブレーキB3、第3の遊星歯車機構640のリングギヤ643を固定するブレーキB4及びワンウェイクラッチF2がそれぞれ設けられている。なお、このワンウェイクラッチF2は、リングギヤ643が逆回転する際に係合するように設定されている。
【0033】
上記態様にて構成される副変速機601と主変速機602において、変速段を設定するためのクラッチ及びブレーキの係合態様を図3に示す。図3に示される態様にて上記歯車変速機部6の副変速機601や主変速機602のクラッチやブレーキが係合することで、図1に示したトルクコンバータ4から上記入力軸600を介して歯車変速機部6に供給される動力は、所望の変換を経てアウトプットシャフト8から出力されるようになる。
【0034】
なお、上記クラッチやブレーキのうち、クラッチC0〜C2とブレーキB1〜B4は上記作動油によって油圧制御される。また、車両の一次停止時等においては、発進のためのシフト位置として、第1速(図3に1stと表記)の係合状態が保持される。
【0035】
上記歯車変速機部6内のクラッチやブレーキの係合態様を調整するための上述した油圧制御部10、電動オイルポンプ18をはじめ、エンジン2やトルクコンバータ4は、先の図1に示される電子制御装置(以下、ECUという)30によって制御される。この電子制御装置30では、車両走行にかかる周知の各種制御を行う他、イグニッションスイッチ31や、車両の速度を検出する車速センサ32、アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルセンサ33、ブレーキが踏まれているか否かを検出するブレーキセンサ34、外気温を検出する外気温センサ35、油圧制御部10内の作動油の温度を検出する油温センサ36等の検出結果に基づき、本実施形態におけるエンジンの自動停止始動制御を行う。
【0036】
ここで、本実施形態におけるエンジンの自動停止始動制御について説明する。このエンジン2を自動停止する制御は、通常、信号待ち時等にエンジン2を自動停止制御するために、イグニッションスイッチ31がオンされている状況下、次の条件を満たすときに行われる。すなわち、(ア)車速センサ32の出力信号が車速「0」を示し、且つ、(イ)アクセルセンサ33の出力信号がアクセルペダルが踏み込まれていないことを示し、且つ、(ウ)ブレーキセンサ34の出力信号がブレーキが踏まれていることを示す条件である。
【0037】
上記(ア)〜(ウ)の条件が満たされることでエンジン2の自動停止制御が行われる。ただし、エンジン2の自動停止がなされると、オイルポンプ16による作動油の加圧を行うことができなくなる。そして、油圧制御部10内の作動油の油圧が低下すると、次回の発進のためのシフト位置である先の図3に示す第1速のクラッチやブレーキの係合のうち、作動油の油圧を利用してその係合を維持するクラッチC0及びC1の係合状態を維持できなくなる。このようにエンジン2の自動停止制御に起因して発進用のシフト位置に対応する上記クラッチ等の係合状態を維持できないと、次回の発進時において作動油圧が上昇することでこの係合状態が回復されることになる。しかし、このときにはエンジン2の回転速度がかなり高まっており、クラッチC0に関してはワンウェイクラッチF0を介しているためにこの状態で係合しても問題ないとしても、クラッチC1の係合に起因して車両にショックが伝わるおそれがある。
【0038】
そこで、このようにエンジン2の自動停止時においても油圧制御部10内の作動油の油圧を保持すべく、上述したように同エンジン2の停止時においては電動オイルポンプ18によって作動油圧を保持するようにしている。このように作動油圧を保持することで、エンジン停止時においても歯車変速機部6内のクラッチやブレーキは発進用のシフト(第1速)位置に対応する係合状態を維持するようになる。これにより次回の発進時においてその発進を良好に行うことができる。
【0039】
ところで、油圧制御部10内の作動油の温度が低いときには、この作動油の粘度が高まることでこの作動油の応答性が遅くなるため、電動オイルポンプ18による作動油の油圧の維持が十分になされないおそれがある。このように、エンジン2の停止時に十分な作動油圧を維持できないと、次回の発進時において発進用のシフト位置である第1速に対応するクラッチやブレーキの係合状態のうち、作動油圧を利用する先の図2及び図3に示したクラッチC1がすべるおそれがある。そして発進時においてクラッチC1の係合が十分に維持されないと、ドライバビリティの悪化を招くおそれがある。
【0040】
そこで、本実施形態においては、先の図1に示した油温センサ36によって検出される油圧制御部10内の作動油の温度が所定値以下であるときには、エンジンの自動停止制御を禁止するようにしている。更に、油温センサ36によって検出される作動油の温度と電動オイルポンプ18内の作動油の温度との間には差が生じることがあり、この差は外気温が低い程顕著になるという点を考慮して、前記所定値を外気温センサ35の検出結果に基づいて変更するようにしている。
【0041】
このように作動油の温度が所定値以下であるときにエンジンの自動停止制御を禁止し、しかもこの所定値を外気温に基づいて補正するようにすることで、エンジンの自動停止制御による燃費向上と低温時の同制御の禁止によるドライバビリティの悪化の回避との両立を最適化するとができるようになる。
【0042】
図4に外気温と上記所定値(許可油温)との関係を示す。すなわち、外気温が「−40℃」以上「−20℃」未満であればエンジン自動停止制御を禁止する所定値を「50℃」とし、外気温が「−20℃」以上「0℃」未満であれば同所定値を「35℃」とするなどする。この関係は、先の図1に示したECU30内のメモリにマップとして記憶されている。
【0043】
ここで、こうしたエンジン停止制御の許可又は禁止を判断する手順について、図5を用いて説明する。図5は、この判断手順を示す概念的なフローチャートであり、実際にはこの判断は、所定期間毎に割込みで実行されるルーチンにおいて、上述したエンジン自動停止制御のための条件(ア)〜(ウ)等の判断を行うルーチン内に組み込まれるようにすることが望ましい。
【0044】
このエンジン停止制御の実行又は禁止の判断に際しては、まず外気温がα℃に満たないか否かが判断される。この判断は、油温が所定値より大きいなら問題なくエンジンの自動停止制御を行ってもよい温度領域に外気温があるか、あるいは上記マップを参照した判断を行う温度領域に外気温があるかの判断である。
【0045】
そして、ステップ10において外気温がα℃以上であると判断されると、ステップ20において上記油温センサ36によって検出される油温がβ℃より大きいか否かが判断される。そしてβ℃より大きい場合には、先のステップ10の判断と合せて発進用のシフトにかかるクラッチ等の係合状態を上記電動オイルポンプ18によって十分維持することができると判断されるため、ステップ50においてエンジン自動停止制御が許可されこのルーチンは終了される。また、ステップ20において油温がβ℃に満たない場合は上記電動オイルポンプ18によるシフトの維持が困難であると判断されるため、ステップ20においてエンジン自動停止制御を禁止し、このルーチンは終了される。
【0046】
一方、ステップ10において外気温がα℃に満たないと判断されると、ステップ40において油温が上記マップに記憶されている所定値(許可油温)より大きいか否かが判断される。そして、作動油の油温が許可油温より大きい場合には発進用のシフトにかかるクラッチ等の係合状態を上記電動オイルポンプ18によって十分維持することができると判断されるため、ステップ50においてエンジンの自動停止制御が許可され、このルーチンは終了される。また、ステップ40において作動油の油温が許可油温以下である場合には上記発進用のシフトにかかるクラッチ等の係合状態を維持することが困難であると判断されるため、ステップ60においてエンジンの自動停止制御が禁止され、このルーチンが終了される。
【0047】
以上説明した本実施形態によれば、油温センサ36によって検出される油温が所定値に満たないときエンジン自動停止制御を禁止するとともに、この所定値を外気温センサ35によって検出される外気温に応じて変更することで、エンジンの自動停止制御による燃費向上と低温時の同制御の禁止によるドライバビリティの悪化の回避との両立を最適化することができる。
【0048】
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記実施形態における外気温とエンジン自動停止制御を禁止する所定値(許可油温)との関係(図4)は、これに限られない。
【0049】
・更に、図5に示すステップ10にかかる設定、すなわちマップを利用する外気温の上限の設定はこれを行わなくてもよく、ステップ40以降の処理によってエンジン自動停止制御の判断を完結することもできる。
【0050】
・更に、マップを用いる代わりにエンジン自動停止制御を禁止する所定値(許可油温)を従属変数、外気温を独立変数とする関数演算等によって、検出される外気温に応じた所定値を都度算出するようにしてもよい。
【0051】
・上記実施形態においては、作動油の温度を直接検出したが、例えば、作動油の代わりにエンジン2の水温等、作動油の温度の相当値を検出するようにしてもよい。
【0052】
・更に、外気温以外の第2の温度又はその相当値を検出するようにしてもよい。そして、作動油の温度又はその相当値を第2の温度又はその相当値で評価するなどして、この第2の温度又はその相当値と作動油の温度又はその相当値とに基づいてエンジン自動停止制御の禁止の判断をするなどしてもよい。
【0053】
・上記実施形態における電動オイルポンプ18等の配置態様については任意である。要は、作動油の流動経路内において外気温に依存した温度分布が生じる構造を備えていれば、自動変速機の制御等のために油温又はその相当値を検出する手段によって検出される油温と、外気温等の参照温度又はその相当値とに基づくエンジン自動停止制御の禁止の判断は有効である。
【0054】
・更に、オイルポンプ16の停止時に作動油の油圧を確保する手段としては、電動オイルポンプにも限られない。
・上記実施形態において用いた自動変速機の構成や各シフトの設定については任意である。
【0055】
・また、自動変速機を用いた車両にも限られず、発進用のシフト位置に対応するクラッチやブレーキの係合状態の保持に作動油を用いる構成を有するものであれば、本発明は有効である。
【0056】
・その他、エンジン自動停止制御を行う油温以外の条件等も、上述したものに限られず、適宜変更して実施してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるエンジン自動停止・始動装置の一実施形態の概略構成を模式的に示す図。
【図2】同実施形態における歯車変速機部内のクラッチ等の配置態様を示すスケルトン図。
【図3】同実施形態における各シフト位置に対応したクラッチ等の係合態様を示す図。
【図4】同実施形態におけるエンジン停止制御を禁止する所定値と外気温との関係を定義する図。
【図5】同実施形態におけるエンジン停止制御の実行の有無の判断手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
B0〜B4…ブレーキ、C0〜C2…クラッチ、F0〜F2…ワンウェイクラッチ、2…エンジン、4…トルクコンバータ、6…歯車変速機部、8…アウトプットシャフト、10…油圧制御部、12…オイルパン、14…バルブボディ、16…オイルポンプ、18…電動オイルポンプ、20…連通孔、22…吸入ホース、24…吐出ホース、26…ライン圧検出用孔、30…電子制御装置、31…イグニッションスイッチ、32…車速センサ、33…アクセルセンサ、34…ブレーキセンサ、35…外気温センサ、36…油温センサ、600…入力軸、601…副変速機、602…主変速機、610、620、630、640…遊星歯車機構、611、621、631、641…キャリア、612、622、632、642…サンギヤ、613、623、633、643…リングギヤ、614…中間入力軸。

Claims (3)

  1. エンジン出力によって駆動されるポンプにより加圧された作動油を用いて油圧制御部によって発進用シフト位置保持される油圧式変速機と、当該エンジンの自動停止時に前記作動油の油圧を保持する油圧保持手段とを備える車両に搭載されて前記エンジンの自動停止、再始動を制御する装置であって、
    前記油圧制御部内の作動油の油温若しくはその相当値を検出する温度検出手段と、
    外気温若しくはその相当値を検出する参照温度検出手段と、
    前記温度検出手段によって検出される温度が所定の閾値以下であるとき前記制御を禁止するとともに、前記参照温度検出手段の検出結果に基づいて前記閾値及び前記温度検出手段により検出される温度の少なくとも一方を補正する禁止手段と、
    を備えることを特徴とするエンジン自動停止始動装置。
  2. 前記油圧保持手段が電動オイルポンプである請求項1記載のエンジン自動停止始動装置。
  3. 前記変速機が自動変速機である請求項1又は2記載のエンジン自動停止始動装置。
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