JP4185357B2 - 半導体光検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可視領域光を検出する半導体光検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カメラの自動露出計などに用いられる半導体光検出装置であって、視感度に近い分光感度を有し、かつ安価なものとしてCdS光導電セルが知られているが、Cdを含むCdS光導電セルは、製造、回収等の点で取り扱いが難しい。そこで、CdS光導電セルの代用品となる半導体光検出装置として、視感度に近い分光感度を有し、かつ安価である、フォトダイオードを適用した半導体光検出装置の開発が要求されている。
【0003】
フォトダイオードを用いて可視領域光を選択的に検出する従来技術として、例えば、特開平8-330621に開示される光学センサがあった。特開平8-330621の光学センサでは、分光感度特性が同一である二つの光検出手段のうちの一つ光検出手段のみが光学フィルタ(可視領域成分カットフィルタ)を具備し、減算手段がそれぞれの光検出手段の出力を減算処理する。
【0004】
【特許文献1】
特開平8-330621
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平8-330621の光学センサには、光検出手段の感度領域中における可視領域外の分光成分全体を透過させかつ可視領域成分全体を遮断する好適な性能を備えた光学フィルタを入手するのが困難であり、そのため所望の分光感度特性を実現できないという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、所望の分光感度特性を実現できる半導体光検出装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の半導体光検出装置は、入射光に含まれる可視領域光を選択的に検出する半導体光検出装置において、可視領域光及び長波長側の可視領域外光に感度を有する半導体結晶からなる基板に形成され、入射した光を電気信号に変換する第1及び第2の光検出領域(フォトダイオード)と、前記第1の光検出領域の出力電気信号と、前記第2の光検出領域の出力電気信号とを比較する信号処理回路とを備え、前記第1及び第2の光検出領域と前記信号処理回路とが、可視領域光及び長波長側の可視領域外光に感度を有する半導体結晶からなる単一の基板に形成され、単一のフォトダイオードである前記第1の光検出領域の光入射面上の異なる領域に分光透過特性の異なる少なくとも2種類の可視領域光を遮断する光学フィルタがそれぞれ配置され、前記信号処理回路が、前記第1の光検出領域の出力電気信号を増幅する増幅回路と、前記第2の光検出領域の出力電気信号から前記増幅回路の出力電気信号を減じることにより入射光に含まれる可視領域光に対応した検出信号を出力する演算回路とを有し、前記演算回路において前記増幅回路の出力と前記第2の光検出領域のアノードとが接続されていることを特徴とする。
【0008】
可視領域光を遮断する光学フィルタ(可視領域成分カットフィルタ)単体が好適な性能を備えたものでなくても、当該光学フィルタと、それとは分光透過特性の異なる他の光学フィルタ(可視領域成分カットフィルタ)とを組み合わせて第1の光検出領域(可視領域外成分に対応する出力を取り除くための補正用光検出部)に適用した上、第1の光検出領域の出力と第2の光検出領域の出力とを比較して可視領域光を検出することにより、所望の分光感度特性を実現することが可能になる。
【0010】
単一の基板に第1及び第2の光検出領域並びに信号処理回路を形成することにより、装置を小型化させることができる。また、増幅回路が第1の光検出領域の出力を増幅させるので、演算回路により処理される第1の光検出領域の出力を維持しつつ、第1の光検出領域の光入射面の面積を小さくすることができる。これにより、装置の更なる小型化が可能となる。
【0011】
本発明の半導体光検出装置は、第1及び第2の光検出領域の周縁部を覆うように遮光膜が形成されたことが好適である。
【0012】
遮光膜で囲まれた領域を各光検出領域の光入射面とすることにより、正確に光入射面の面積を確定することができる。
【0013】
本発明の半導体光検出装置は、光学フィルタは、第1の光検出領域の周縁部を覆う遮光膜と重なるように形成されたことが好適である。
【0014】
光学フィルタが第1の光検出領域の周縁部を覆う遮光膜と重なるように形成されているので、第1の光検出領域の光入射面に外側から斜めに入射してくる光も、光学フィルタを通過することになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の半導体光検出装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、同一要素には同一符号を用いるものとし、重複する説明は省略する。
【0018】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態の半導体光検出装置1の構造を説明する。図1は、半導体光検出装置1の平面図である。図2は、図1に示す半導体光検出装置1のII−II線に沿った部分断面図である。
【0019】
図1に示すように、半導体光検出装置1は、平面の形状が長方形であり、光入射面側(以下では、半導体検出装置1においてフォトダイオードが形成される側を「光入射面側」又は「上」側という。)の平面中央部に第1フォトダイオード15の光入射面152が形成されている。さらに、第1フォトダイオード15の光入射面152を囲うように第2フォトダイオード17の光入射面172が形成され、第2フォトダイオード17の光入射面172を囲うように信号処理回路30が形成されている。以下に、主として図2を参照して、第1フォトダイオード15及び第2フォトダイオード17の構造を具体的に説明する。
【0020】
シリコン単結晶により構成される基板は下層部にp型の不純物を含むp型基層11を有し、p型基層11の上方にはp型又はn型の不純物を含む半導体層、酸化膜、アルミ膜等が形成されている。
【0021】
p型基層11の上面中央部からn型不純物がドーピングされることにより、p型基層11の上部に、高濃度のn型不純物を含むn+型埋め込み層12が形成されている。n+型埋め込み層12の上に、n型の不純物を含み、エピタキシャル結晶成長されたn型エピタキシャル層13が形成されている。なお、n+型埋め込み層12は本発明の必須の要件ではなく、p型基層11の上面中央部に直接n型エピタキシャル層13が形成されてもよい。
【0022】
n型エピタキシャル層13の上面中央部からp型不純物がドーピングされることにより、n型エピタキシャル層13の上部に、高濃度のp型不純物を含むp+型不純物層150が形成されている。さらに、n型エピタキシャル層13上部に、p+型不純物層150を囲うように、高濃度のp型不純物がドーピングされた環状のp+型不純物層170が形成されている。
【0023】
+型埋め込み層12上のn型エピタキシャル層13に隣接する部分に、高濃度のn型不純物を含むn+型不純物層14が形成されている。n+型不純物層14は適用フォトダイオード(以下では、第1フォトダイオード15と第2フォトダイオード17とを総称して「適用フォトダイオード」という。)のカソードコンタクトとして機能する。
【0024】
n型エピタキシャル層13及びn+型不純物層14等の上面には、絶縁層として機能する酸化膜(熱酸化膜21)が熱酸化により形成されている。
【0025】
熱酸化膜21を貫き、p+型不純物層150と接触するように、アノード電極151が形成されている。また、熱酸化膜21を貫き、p+型不純物層170と接触するように、アノード電極171が形成されている。熱酸化膜21を貫き、n+型不純物層14と接触するように、カソード電極22が形成されている。アノード電極151、アノード電極171及びカソード電極22は、それぞれ、信号処理回路30に配線されている。
【0026】
熱酸化膜21、アノード電極151、アノード電極171及びカソード電極22の上に、CVD(Chemical Vapor Deposition)により、絶縁層として機能するSiO2薄膜(酸化膜23)が形成されている。
【0027】
酸化膜23の上に、p+型不純物層150とp+型不純物層170との間の領域を臨み、かつアノード電極151及びp+型不純物層150の外縁部(外側の周縁部)並びにp+型不純物層170の内縁部(内側の周縁部)と重なるように、環状のAl遮光膜16が形成されている。また、酸化膜23の上に、p+型不純物層170の周辺部を臨み、かつアノード電極171及びp+型不純物層170の外縁部と重なるように、Al遮光膜18が形成されている。
【0028】
酸化膜23、Al遮光膜16及びAl遮光膜18の上に、CVD(Chemical Vapor Deposition)により、絶縁層として機能するSiO2薄膜(酸化膜24)が形成されている。
【0029】
アノード電極151、p+型不純物層150、n型エピタキシャル層13、n+型埋め込み層12、n+型不純物層14及びカソード電極22により、第1フォトダイオード15が構成される。酸化膜23の上面のうちAl遮光膜16によって囲まれる領域が、第1フォトダイオード15の光入射面152になる。光入射面152の面積は、後述する光入射面172の面積のc倍である。
【0030】
アノード電極171、p+型不純物層170、n型エピタキシャル層13、n+型埋め込み層12、n+型不純物層14及びカソード電極22により、第2フォトダイオード17が構成される。酸化膜23の上面のうちAl遮光膜16とAl遮光膜18とに挟まれる領域が、第2フォトダイオード17の光入射面172になる。
【0031】
次に、酸化膜24の上に光入射面152を臨むように形成された光学フィルタ(赤外光透過樹脂膜154a及び赤色光透過樹脂膜154b)の構造を説明する。図3は、図2に示す部分断面図における光学フィルタの周辺を拡大した図である。赤外光透過樹脂膜154aは、遮断波長が800nm付近にある可視領域成分カットフィルタとして機能する。他方、赤色光透過樹脂膜154bは、遮断波長が赤色波長付近にある可視領域成分カットフィルタとして機能する。
【0032】
赤外光透過樹脂膜154a及び赤色光透過樹脂膜154bは、光入射面152の二辺と平行な中心点を通る分割線の付近で僅かな間隔を挟んで隣り合うように配置されている。また、赤外光透過樹脂膜154a及び赤色光透過樹脂膜154bは、縁部が光入射面152からはみ出し、Al遮光膜16の内縁部と重なるように配置されている。そのため、光入射面152は、赤外光透過樹脂膜154aを透過した光が入射する領域s1、赤色光透過樹脂膜154bを透過した光が入射する領域s2及び赤外光透過樹脂膜154aと赤色光透過樹脂膜154bとの間隔を通過した光が入射する領域s4の三つの領域に分割される。
【0033】
次に、第1フォトダイオード15、第2フォトダイオード17、赤外光透過樹脂膜154a及び赤色光透過樹脂膜154b、Al遮光膜16及びAl遮光膜18並びに信号処理回路30の機能を詳細に説明する。
【0034】
第2フォトダイオード17は、特定の波長の光について、光入射面172に入射する検出光の強度に比例する電流(電流信号)を発する。ただし、第2フォトダイオード17の感度は検出光の波長によって異なる。一般に、フォトダイオードにおいては、光入射面に入射する光の波長が短いほど、表面から浅い位置で光が半導体結晶に吸収され電子―正孔対を誘起させる。表面から浅い位置で発生した電子―正孔対は、空乏層の電界域に達する前に再結合するものが多いので、電流信号に寄与しにくくなる。そのため、短波長光に対するフォトダイオードの感度は小さくなる。特に、適用フォトダイオードにおいては、シリコン結晶が表面付近で短波長側の可視領域外光を吸収する。また、視感度に準じて短波長側の可視領域外光に対する感度が小さくなるように、pn接合面(p+型不純物層150及びp+型不純物層170の下面とn型エピタキシャル層13との接合面)の深さが調整される。
【0035】
第1フォトダイオード15は、第2フォトダイオード17と同質のものであるが、光入射面152の上方に光学フィルタ(赤外光透過樹脂膜154a及び赤色光透過樹脂膜154b)を備える。光学フィルタは、光入射面152全体に加えて、Al遮光膜16の内縁部を臨むので、光入射面152に外側から斜めに入射してくる光も光学フィルタを通過することになる。また、光入射面152に外側から大きな入射角度で入射してくる光は、光学フィルタを通過しないで光入射面152に入射することになるが、酸化膜24を通過する距離が長くなるので、pn接合面から離れた位置でシリコン結晶に吸収され、第1フォトダイオード15の電流信号には寄与しない。そのため、第1フォトダイオード15は、赤外光透過樹脂膜154a及び赤色光透過樹脂膜154b並びにそれらの間の僅かな隙間を通過した光のみを検出することになる。
【0036】
図7に、光学フィルタが光入射面のみを臨むように形成される場合において、光が光入射面に外側から斜めに入射する様子を示す。図7に示されるように、光学フィルタが光入射面のみを臨むように形成される場合、光入射面に外側から斜めに入射する光は、赤外光透過樹脂膜を通過しないで、光入射面に入射することになる。
【0037】
酸化膜23の上面のうち光入射面152及び光入射面172の周辺部は、Al遮光膜16及びAl遮光膜18で覆われる。Al遮光膜16及びAl遮光膜18は、光を透過させないので、酸化膜23の上面のうち光入射面152及び光入射面172の周辺部に入射する光が、電流信号に変換されるのを防止する。そのため、光入射面152及び光入射面172とそれらの周辺部との境界が明確になるので、光入射面152及び光入射面172への入射光量を正確に制御することができる。
【0038】
図8は、信号処理回路30のブロック図である。信号処理回路30は、第1フォトダイオード15の電流信号をk倍に増幅させる増幅回路32を備える。また、信号処理回路30は、増幅回路32の出力と第2フォトダイオード17のアノードとを接続している。このため、第2フォトダイオード17の信号から、増幅回路32により増幅された第1フォトダイオード15の信号を電流信号の状態で減算処理をすることができる。そのため、演算回路の回路面積が小さくなり、装置を小型化できる。
【0039】
次に、半導体光検出装置1の作用を説明する。
【0040】
検出光が半導体光検出装置1の検出領域(Al遮光膜18で囲われる領域)全体に照射されると、第1フォトダイオード15は、光学フィルタを透過して光入射面152に入射する検出光の強度に比例する電流I1を出力する。他方、第2フォトダイオード17は、光入射面172に入射する検出光に比例する電流I2を出力する。
【0041】
増幅回路32が第1フォトダイオード15から出力される電流I1をk倍に増幅し、増幅回路32の出力と第2フォトダイオード17のアノードとを接続することにより、演算回路が第2フォトダイオード17から出力される電流I2と、電流I1をk倍に増幅した電流との差に応じた出力を演算する。
【0042】
上述のとおり、光入射面152は、赤外光透過樹脂膜154aを透過した光が入射する領域s1、赤色光透過樹脂膜154bを透過した光が入射する領域s2及び赤外光透過樹脂膜154aと赤色光透過樹脂膜154bとの間隔を通過した光が入射する領域s4の三つの領域に分割される。そのため、演算回路の出力の入射光波長に対する特性R(λ)は次の式(1)ないし(4)により表される。
R(λ)∝I2(λ)[1―ck{α11(λ)+α22(λ)+α4}]・・・(1)
α1=s1/s0・・・(2)
α2=s2/s0・・・(3)
α4=s4/s0・・・(4)
λ:入射光波長
I2(λ):第2フォトダイオード17の出力
c:光入射面152の光入射面172に対する面積比
k:増幅回路32による第1フォトダイオード15の出力の増幅度
0:光入射面152の面積
1(λ):赤外光透過樹脂膜154aの分光透過率
2(λ):赤色光透過樹脂膜154bの分光透過率
【0043】
第2フォトダイオード17の出力から第1フォトダイオード15の出力を減算処理することにより、半導体光検出装置1における赤色ないし赤外光よりも長波長の光に対する感度を取り除くことができる。また、前述のように、適用フォトダイオードは視感度に準じて短波長側の可視領域外光に対する感度が小さくなるので、半導体光検出装置1は概ね可視領域の光に対してのみ感度を有することになる。さらに、ck、α1、α2、α4の値を微調整することにより、半導体光検出装置1に所望の分光感度特性(例えば、ピーク波長が550nmであり、ピーク波長に対して左右の分光感度の総和(積分値)が同じである(色温度に対する出力変動がゼロである)分光感度特性)を持たせることができる。
【0044】
半導体光検出装置1では、第1フォトダイオード15の光入射面152の面積を、第2フォトダイオード17の光入射面172の面積のc倍に縮小することにより、半導体光検出装置1の表面の面積を小さくしつつ、増幅回路32が第1フォトダイオード15の出力を適当に設定された増幅度で増幅することにより、高い精度で検出波長帯から赤外光を除外した検出信号を得ることができる。
【0045】
半導体光検出装置1では、単一の基板に第1フォトダイオード15、第2フォトダイオード17及び信号処理回路30が集積され、また第1フォトダイオード15と第2フォトダイオード17とが互いに隣接するように形成されるので、装置が小型化される。
(第2実施形態)
第2実施形態の半導体光検出装置2の構造は、光入射面152上の光学フィルタの構造を除いて、第1実施形態の半導体光検出装置1の構造と同じである。図4は、半導体光検出装置2における光入射面152上の光学フィルタの構造を示す図(部分断面図)である。この光学フィルタの構造を説明する。
【0046】
酸化膜24の上に光入射面152を臨むように赤外光透過樹脂膜154c及び赤色光透過樹脂膜154dが形成されている。赤外光透過樹脂膜154cは、遮断波長が800nm付近にある可視領域成分カットフィルタとして機能する。他方、赤色光透過樹脂膜154dは、遮断波長が赤色波長付近にある可視領域成分カットフィルタとして機能する。
【0047】
赤外光透過樹脂膜154cは、光入射面152の二辺と平行な中心点を通る分割線で分割される光入射面152の片側を覆うように配置されている。さらに、赤外光透過樹脂膜154cは、縁部が光入射面152からはみ出し、Al遮光膜16の内縁部と重なるように配置されている。赤色光透過樹脂膜154dは、光入射面152の全面を覆い、かつ縁部が光入射面152からはみ出し、Al遮光膜16の内縁部と重なるように配置されている。そのため、光入射面152は、赤色光透過樹脂膜154dを透過した光が入射する領域s2と、赤外光透過樹脂膜154c及び赤色光透過樹脂膜154dを通過した光が入射する領域s3との二つの領域に分割される。
【0048】
演算回路の出力の入射光波長に対する特性R(λ)は次の式(5)ないし(7)により表される。
R(λ)∝I2(λ)[1―ck{α22(λ)+α31(λ)T2(λ)}]・・・(5)
α2=s2/s0・・・(6)
α3=s3/s0・・・(7)
λ:入射光波長
I2(λ):第2フォトダイオード17の出力
c:光入射面152の光入射面172に対する面積比
k:増幅回路32による第1フォトダイオード15の出力の増幅度
0:光入射面152の面積
1(λ):赤外光透過樹脂膜154cの分光透過率
2(λ):赤色光透過樹脂膜154dの分光透過率
【0049】
第2フォトダイオード17の出力から第1フォトダイオード15の出力を減算処理することにより、半導体光検出装置2における赤色ないし赤外光よりも長波長の光に対する感度を取り除くことができる。また、前述のように、適用フォトダイオードは視感度に準じて短波長側の可視領域外光に対する感度が小さくなるので、半導体光検出装置2は概ね可視領域の光に対してのみ感度を有することになる。さらに、ck、α1、α3の値を微調整することにより、半導体光検出装置2に所望の分光感度特性(例えば、ピーク波長が550nmであり、ピーク波長に対して左右の分光感度の総和(積分値)が同じである(色温度に対する出力変動がゼロである)分光感度特性)を持たせることができる。
【0050】
(第3実施形態)
第3実施形態の半導体光検出装置3の構造は、光入射面152上の光学フィルタの構造を除いて、第1実施形態の半導体光検出装置1の構造と同じである。図5は、半導体光検出装置3における光入射面152上の光学フィルタの構造を示す図(部分断面図)である。この光学フィルタの構造を説明する。
【0051】
酸化膜24の上に光入射面152を臨むように赤外光透過樹脂膜154e及び赤色光透過樹脂膜154fが形成されている。赤外光透過樹脂膜154eは、遮断波長が800nm付近にある可視領域成分カットフィルタとして機能する。他方、赤色光透過樹脂膜154fは、遮断波長が赤色波長付近にある可視領域成分カットフィルタとして機能する。
【0052】
赤外光透過樹脂膜154eは、光入射面152の二辺と平行な中心点を通る分割線で分割される光入射面152の一方の片側を覆うように配置されている。さらに、赤外光透過樹脂膜154eは、縁部が光入射面152からはみ出し、Al遮光膜16の内縁部と重なるように配置されている。赤色光透過樹脂膜154fは、光入射面152の他方の片側を覆い、かつ一部が赤外光透過樹脂膜154eと重なるように配置されている。さらに、赤色光透過樹脂膜154fは、縁部が光入射面152からはみ出し、Al遮光膜16の内縁部と重なるように配置されている。そのため、光入射面152は、赤外光透過樹脂膜154eを透過した光が入射する領域s1と、赤色光透過樹脂膜154fを透過した光が入射する領域s2と、赤外光透過樹脂膜154e及び赤色光透過樹脂膜154fを通過した光が入射する領域s3との三つの領域に分割される。
【0053】
演算回路の出力の入射光波長に対する特性R(λ)は次の式(8)ないし(11)により表される。
R(λ)∝I2(λ)[1―ck{α11(λ)+α22(λ)+α31(λ)T2(λ)}]・・・(8)
α1=s1/s0・・・(9)
α2=s2/s0・・・(10)
α3=s3/s0・・・(11)
λ:入射光波長
I2(λ):第2フォトダイオード17の出力
c:光入射面152の光入射面172に対する面積比
k:増幅回路32による第1フォトダイオード15の出力の増幅度
0:光入射面152の面積
1(λ):赤外光透過樹脂膜154eの分光透過率
2(λ):赤色光透過樹脂膜154fの分光透過率
【0054】
第2フォトダイオード17の出力から第1フォトダイオード15の出力を減算処理することにより、半導体光検出装置3における赤色ないし赤外光よりも長波長の光に対する感度を取り除くことができる。また、前述のように、適用フォトダイオードは視感度に準じて短波長側の可視領域外光に対する感度が小さくなるので、半導体光検出装置3は概ね可視領域の光に対してのみ感度を有することになる。さらに、ck、α1、α2、α3の値を微調整することにより、半導体光検出装置3に所望の分光感度特性(例えば、ピーク波長が550nmであり、ピーク波長に対して左右の分光感度の総和(積分値)が同じである(色温度に対する出力変動がゼロである)分光感度特性)を持たせることができる。
【0055】
(第4実施形態)
第4実施形態の半導体光検出装置4の構造は、光入射面152上の光学フィルタの構造を除いて、第1実施形態の半導体光検出装置1の構造と同じである。図6は、半導体光検出装置4における光入射面152上の光学フィルタの構造を示す図(部分断面図)である。この光学フィルタの構造を説明する。
【0056】
酸化膜24の上に光入射面152を臨むように赤外光透過樹脂膜154g及び赤色光透過樹脂膜154hが形成されている。赤外光透過樹脂膜154gは、遮断波長が800nm付近にある可視領域成分カットフィルタとして機能する。他方、赤色光透過樹脂膜154hは、遮断波長が赤色波長付近にある可視領域成分カットフィルタとして機能する。
【0057】
赤外光透過樹脂膜154gは、光入射面152の中央部を占めるように設置されている。赤色光透過樹脂膜154hは、所定の間隔を挟んで赤外光透過樹脂膜154gを囲むように配置されている。さらに、赤色光透過樹脂膜154hは、外縁部が光入射面152からはみ出し、Al遮光膜16の内縁部と重なるように配置されている。そのため、光入射面152は、赤外光透過樹脂膜154gを透過した光が入射する領域s1、赤色光透過樹脂膜154hを透過した光が入射する領域s2及び赤外光透過樹脂膜154gと赤色光透過樹脂膜154hとの間隔を通過した光が入射する領域s4の三つの領域に分割される。
【0058】
演算回路の出力の入射光波長に対する特性R(λ)は上記の式(1)ないし(4)により表される。ただし、T1(λ)は赤外光透過樹脂膜154gの分光透過率を表し、T2(λ)は赤色光透過樹脂膜154hの分光透過率を表す。
【0059】
第2フォトダイオード17の出力から第1フォトダイオード15の出力を減算処理することにより、半導体光検出装置4における赤色ないし赤外光よりも長波長の光に対する感度を取り除くことができる。また、前述のように、適用フォトダイオードは視感度に準じて短波長側の可視領域外光に対する感度が小さくなるので、半導体光検出装置4は概ね可視領域の光に対してのみ感度を有することになる。さらに、ck、α1、α2、α4の値を微調整することにより、半導体光検出装置4に所望の分光感度特性(例えば、ピーク波長が550nmであり、ピーク波長に対して左右の分光感度の総和(積分値)が同じである(色温度に対する出力変動がゼロである)分光感度特性)を持たせることができる。
【0060】
なお、第1の光検出領域(第1フォトダイオード)と第2の光検出領域(第2フォトダイオード)との位置関係は、上述の配置に限定されるものではない。例えば、別の実施形態として、半導体光検出装置5が考えられる。図9は、半導体光検出装置5の平面図を示す。図9に示されるとおり、半導体光検出装置5は、半導体光検出装置1と同じく平面の形状が長方形であり、光入射面側の平面内に、第1フォトダイオード(光学フィルタを備えるフォトダイオード)の光入射面51と第2フォトダイオード(光学フィルタを備えないフォトダイオード)の光入射面52とが長方形の領域を占めるように形成されている。当該長方形の領域の一角に、正方形の第1フォトダイオードの光入射面51が形成され、当該長方形の領域のその他の部分に、光入射面51の二辺を囲うように、第2フォトダイオードの光入射面52が形成されている。さらに、第1フォトダイオード及び第2フォトダイオードを囲うように、信号処理回路53が形成されている。
【0061】
図10に、本発明の半導体光検出装置における分光感度特性の例を示す。図10において、横軸は入射光波長を、縦軸は第2フォトダイオード(第2の光検出領域)の出力を基準とする相対感度を示す。650nmから800nmの波長帯では、主として赤色光透過樹脂膜を透過した光に対する第1フォトダイオード(第1の光検出領域)の出力により、分光感度の一部が取り除かれている。800nm以上の波長帯では、赤外光透過樹脂膜及び赤色光透過樹脂膜の双方において透過率が高いので、ほぼ完全に分光感度が取り除かれている。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明により、半導体光検出装置において所望の分光感度特性を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】半導体光検出装置1の平面図である。
【図2】図1に示す半導体光検出装置1のII−II線に沿った部分断面図である。
【図3】図2に示す部分断面図における光学フィルタの周辺を拡大した図である。
【図4】半導体光検出装置2における光入射面152上の光学フィルタの構造を示す図(部分断面図)である。
【図5】半導体光検出装置3における光入射面152上の光学フィルタの構造を示す図(部分断面図)である。
【図6】半導体光検出装置4における光入射面152上の光学フィルタの構造を示す図(部分断面図)である。
【図7】光学フィルタが光入射面のみを臨むように形成される場合において、光が光入射面に外側から斜めに入射する様子を示す図である。
【図8】信号処理回路30のブロック図である。
【図9】半導体光検出装置5の平面図である。
【図10】本発明の半導体光検出装置における分光感度特性の例を示す図である。
【符号の説明】
1、2、3、4、5…半導体光検出装置、11…p型基層、12…n+型埋め込み層、13…n型エピタキシャル層、14…n+不純物層、15…第1フォトダイオード、150…p+型不純物層、151…アノード電極、152…光入射面、154a、154c、154e…赤外光透過樹脂膜、154b、154d、154f…赤色光透過樹脂膜、17…第2フォトダイオード、170…p+型不純物層、171…アノード電極、172…光入射面、16、18…Al遮光膜、21…熱酸化膜、22…カソード電極、23、24…酸化膜、30…信号処理回路、32…増幅回路、34…演算回路、36…電流アンプ、5…半導体光検出装置、51、52…光入射面、53…信号処理回路。

Claims (3)

  1. 入射光に含まれる可視領域光を選択的に検出する半導体光検出装置において、
    可視領域光及び長波長側の可視領域外光に感度を有する半導体結晶からなる基板に形成され、入射した光を電気信号に変換する第1及び第2の光検出領域(フォトダイオード)と、
    前記第1の光検出領域の出力電気信号と、前記第2の光検出領域の出力電気信号とを比較する信号処理回路とを備え、
    前記第1及び第2の光検出領域と前記信号処理回路とが、可視領域光及び長波長側の可視領域外光に感度を有する半導体結晶からなる単一の基板に形成され、
    単一のフォトダイオードである前記第1の光検出領域の光入射面上の異なる領域に分光透過特性の異なる少なくとも2種類の可視領域光を遮断する光学フィルタがそれぞれ配置され、
    前記信号処理回路が、
    前記第1の光検出領域の出力電気信号を増幅する増幅回路と、
    前記第2の光検出領域の出力電気信号から前記増幅回路の出力電気信号を減じることにより入射光に含まれる可視領域光に対応した検出信号を出力する演算回路とを有し、
    前記演算回路において前記増幅回路の出力と前記第2の光検出領域のアノードとが接続されている
    ことを特徴とする半導体光検出装置。
  2. 前記第1及び第2の光検出領域の周縁部を覆うように遮光膜が形成された
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体光検出装置。
  3. 前記光学フィルタは、前記第1の光検出領域の周縁部を覆う前記遮光膜と重なるように形成された
    ことを特徴とする請求項2に記載の半導体光検出装置。
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