JP2014203877A - 光検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成で、所望の分光感度特性を得ることができる。【解決手段】入射光を電気信号に変換して出力する第1受光素子部11および第2受光素子部12と、第1受光素子部11の受光面11a上に形成された第1エッジフィルター14と、第2受光素子部12の受光面12a上に形成された第2エッジフィルター15と、を備え、第1エッジフィルター14は、短波長側および長波長側のいずれか一方側をカットするカットオン/オフ波長が、所定の第1波長R1であり、第2エッジフィルター15は、一方側をカットするカットオン/オフ波長が、第1波長R1と異なる所定の第2波長R2である。【選択図】図1
Description
入射光を電気信号に変換する受光素子部により、光を検出する光検出装置に関するものである。
従来、この種の光検出装置として、入射した光を電気信号に変換して出力する同質の第1フォトダイオードおよび第2フォトダイオードと、第1フォトダイオードの光入射面側に形成された赤外光透過樹脂膜と、第1フォトダイオードから出力される電気信号を4倍に増幅する増幅回路と、4倍に増幅した電気信号と、第2フォトダイオードから出力された電気信号との差に応じた出力を演算する演算回路と、を備えたものが知られている。赤外光透過樹脂膜は、赤外光のみを選択的に透過させる。一方、第1フォトダイオードは、赤外光透過樹脂膜を介して検出光を受光するので、検出光のうち赤外光に対してのみ感度を有することになる。そして、演算回路により、第2フォトダイオードの電気信号から、第1フォトダイオードの電気信号を減算処理することで、検出光から赤外光を除外した光に対応する出力を得ることができる。このように、検出波長帯域から赤外光を除外することで、視感度に近い分光感度で光検出を行っている。
しかしながら、従来の光検出装置では、検出波長帯域から赤外光を除外することができるものの、これだけでは、光検出装置の分光感度特性が、人間の視覚と同等の理想の分光感度特性(標準比視感度)にならないので、結果、光検出を精度良く行うことができないという問題があった。例えば、図3(a)は、フォトダイオードの分光感度特性の一例を示したグラフであり、図4は、標準比視感度を示したグラフである。理想的には、光検出装置の分光感度特性が標準比視感度と近似することが望ましいが、赤外光を除外しただけでは、光検出装置の分光感度特性と標準比視感度とで、ピーク波長が異なるので、視感度に近い分光感度特性が得られない。また、標準視感度以外にも所望の分光感度特性を得ることができなかった。
本発明は、簡単な構成で、所望の分光感度特性を得ることができる光検出装置を提供することを課題としている。
本発明の光検出装置は、入射光を電気信号に変換して出力する第1受光素子部および第2受光素子部と、第1受光素子部の光入射面上に形成された第1エッジフィルターと、第2受光素子部の光入射面上に形成された第2エッジフィルターと、を備え、第1エッジフィルターは、短波長側および長波長側のいずれか一方側をカットするカットオン/オフ波長が、所定の第1波長であり、第2エッジフィルターは、上記一方側をカットするカットオン/オフ波長が、第1波長と異なる所定の第2波長であることを特徴とする。
この場合、第1波長および前記第2波長は、当該光検出装置の分光感度特性が所望の分光感度特性となるように、当該所望の分光感度特性におけるピーク波長に前後する波長となっていることが好ましい。
一方、第1受光素子部から出力された電気信号に対して前記第2受光素子部から出力された電気信号を減算する減算回路を、更に備えたことが好ましい。
さらに、第1受光素子部および第2受光素子部は、同一の分光感度特性を有していることが好ましい。
またさらに、第1受光素子部および第2受光素子部をそれぞれ複数備え、複数の第1受光素子部と複数の第2受光素子部とは、交互にマトリクス状に配置されていることが好ましい。
また、第1波長および第2波長は、標準比視感度におけるピーク波長に前後する波長となっていることが好ましい。
以下、添付の図面を参照して、本発明の一実施形態に係る光検出装置について説明する。この光検出装置は、半導体製造技術で作製された半導体光検出装置である。また、この光検出装置は、検出光の照度を検出する照度センサー(環境光センサーや明るさセンサー)として用いられることを想定している。なお、本光検出装置は、2つの受光素子部を有し、これらの出力電流信号を演算処理することで、標準比視感度(図4参照)に近い分光感度特性(図3(d)参照)を実現したものである。
図1に示すように、光検出装置1は、検出光を受光する第1受光素子部11および第2受光素子部12を成す受光素子アレイ13と、第1受光素子部11の受光面(光入射面)11a上に形成された第1エッジフィルター(第1エッジフィルター)14と、第2受光素子部12の受光面(光入射面)12a上に形成された第2エッジフィルター(第2エッジフィルター)15と、を備えている。また、図2に示すように、光検出装置1は、2個の受光素子部11、12からの出力電流信号を演算して出力する演算回路(減算回路)21と、演算回路21から出力された電流信号を増幅して出力する電流アンプ22と、を備えている。
図1に示すように、受光素子アレイ13は、フォトダイオードアレイで構成されており、p型高濃度基板31と、p型高濃度基板31上に形成されたp型低濃度エピタキシャル層32と、p型低濃度エピタキシャル層32上に形成されると共に左右に二分されたn型エピタキシャル層33と、n型エピタキシャル層33上に形成された反射防止シリコン窒化膜34と、を備えている。これらによって、分割されたn型エピタキシャル層33毎の2個の受光素子部(第1受光素子部11および第2受光素子部12)が構成されている。なお、p型高濃度基板31に代えてp型低濃度基板を用い、p型低濃度エピタキシャル層32を省略する構成であっても良い。また、p型低濃度エピタキシャル層32を省略し、p型高濃度基板31上にn型エピタキシャル層33を形成する構成であっても良い。
また、受光素子アレイ13は、受光面11a、12aを避けた領域に形成された第1シリコン酸化膜41と、第1シリコン酸化膜41上に形成され、第1シリコン酸化膜41および反射防止シリコン窒化膜34を貫通するカソード電極42およびアノード電極43と、第1シリコン酸化膜41、カソード電極42およびアノード電極43上に形成された第2シリコン酸化膜44と、第2シリコン酸化膜44上に形成されたアルミ遮光膜45と、アルミ遮光膜45上に形成された保護膜46と、を有している。さらに、カソード電極42とn型エピタキシャル層33との間には、n型高濃度拡散層51が形成されており、アノード電極43とp型低濃度エピタキシャル層32との間には、p型埋め込み層52、p型拡散層53およびp型高濃度拡散層54が形成されている。
第1受光素子部11および第2受光素子部12は、相互に隣接して配設されている。また、第1受光素子部11および第2受光素子部12は、その受光面11a、12aで検出光(入射光)を受光すると共に、その検出光を電流信号に変換して出力する同質のフォトダイオードである。すなわち、第1受光素子部11および第2受光素子部12は、可視光帯域および赤外光帯域に感度を有すると共に、同一の分光感度特性(図3(a)参照)を有している。
第1エッジフィルター14および第2エッジフィルター15は、受光素子部11の受光面11a、12a上に形成された樹脂膜で構成されている。具体的には、樹脂製の感光性フォトレジストに色素(顔料あるいは染料)を混合したもので構成されている。各エッジフィルター14、15は、各受光面11a、12aより若干大きく形成されており、その外縁部がアルミ遮光膜45および保護膜46とオーバーラップしている。
第1エッジフィルター14は、所定の第1波長R1をカットオン波長とするロングパスフィルターである。すなわち、第1エッジフィルター14は、第1波長R1より短い波長をカットし、所定の第1波長R1より長い波長を透過する透過特性(図3(b)参照)を有している。そして、第1受光素子部11は、第1エッジフィルター14を介して検出光を受光するので、結果、第1受光素子部11単体の分光感度特性に、第1エッジフィルター14の透過特性を乗じた分光感度特性(図3(c)参照)を有することになる。なお、カットオン波長を、透過率ピークの50%の波長とする。
第2エッジフィルター15は、所定の第2波長R2をカットオン波長とするロングパスフィルターである。すなわち、第2エッジフィルター15は、第2波長R2より短い波長をカットし、所定の第2波長R2より長い波長を透過する透過特性(図3(b)参照)を有している。そして、第2受光素子部12は、第2エッジフィルター15を介して検出光を受光するので、結果、第2受光素子部12単体の分光感度特性に、第2エッジフィルター15の透過特性を乗じた分光感度特性(図3(c)参照)を有することになる。
図3(b)に示すように、第1波長R1および第2波長R2は、可視光帯域内の波長であり、第2波長R2は第1波長R1より長い波長となっている。また、第1波長R1および第2波長R2は、光検出装置1の分光感度特性が、所望の分光感度特性となるように、当該所望の分光感度特性における感度のピーク波長に前後する波長となっている。ここでは、所望の分光感度特性は、標準比視感度であり、ピーク波長は、最大視感度(555nm)である。すなわち、第1波長R1および第2波長R2は、最大視感度の所定の近傍範囲内で設定されており、第1波長R1は、最大視感度より短い波長に設定され、第2波長R2は、当該最大視感度より長い波長に設定されている。なお、図3(b)の例では異なるが、第1波長R1と最大視感度との差と、第2波長R2と最大視感度との差とが、略同一になることが好ましい。
演算回路21は、第1受光素子部11から出力された電流信号に対し、第2受光素子部12から出力された電流信号を減算して、その差分の電流信号を出力する減算回路である。電流アンプ22は、演算回路21から出力された電流信号を増幅して出力する。電流アンプ22によって出力された電流信号が、光検出装置1の検出信号(検出結果)となる。
これらにより、光検出装置1では、第1受光素子部11および第2受光素子部12により、検出光を受光し、受光した検出光を電流信号に変換して、演算回路21に出力する。そして、演算回路21により、第1受光素子部11からの電流信号に対して、第2受光素子部12からの電流信号を減算し、電流アンプ22に出力する。その後、電流アンプ22により、演算回路21から出力された電流信号を増幅した後、増幅した電流信号を検出信号として出力する。
このように、第1受光素子部11からの電流信号に対し、第2受光素子部12からの電流信号を減算することで、光検出装置1は、第1エッジフィルター14を加味した第1受光素子部11の分光感度特性から、第2エッジフィルター15を加味した第2受光素子部12の分光感度特性を減算した分光感度特性(図3(d)参照)を有する構成となる。よって、光検出装置1の分光感度特性では、第1エッジフィルター14の透過特性におけるカットオン波長R1廻りの勾配(透過カーブ)の影響で、最大視感度の前側(短波長側)で上昇する勾配(上がり勾配)が形成され、第2エッジフィルター15の透過特性におけるカットオン波長廻りの勾配(透過カーブ)の影響で、最大視感度の後側(長波長側)で降下する勾配(下り勾配)が形成される。これらにより、光検出装置1の分光感度特性が、標準比視感度(図4参照)に倣う、最大視感度を頂部とした山形の分光感度特性となる。
以上のような構成によれば、2個の受光素子部11と、各受光素子部11の受光面11a、12aに形成され、カットオン波長が異なる2個のエッジフィルター14、15を有し、2個の受光素子部11、12の出力電流信号を減算して出力する構成により、簡単な構成で所望の分光感度特性を得ることができる。
また、第1エッジフィルター14および第2エッジフィルター15を、樹脂膜で構成することにより、各エッジフィルター14、15を、フォトリソグラフィー技術を利用して、任意の形状に任意の配置で形成することができる。また、誘電体多層膜を用いた場合のように入射光の角度依存性が生じないので、入射光の角度を考慮しなくとも、光検出を精度良く行うことができる。
なお、本実施形態においては、2個の受光素子部11、12を隣接して配置した構成であったが、図5に示すように、各受光素子部11、12をそれぞれ複数個に分割し、複数の第1受光素子部11および複数の第2受光素子部12を、交互にマトリクス状に配置する構成であっても良い。かかる構成によれば、第1受光素子部11側と第2受光素子部12側とで、検出光を偏り無く受光することができるので、光検出を精度良く行うことができる。
また、本実施形態においては、各エッジフィルター14、15として、短波長側をカットするカットオン波長を、第1波長R1または第2波長R2とするロングパスフィルターを用いる構成であったが、各エッジフィルター14、15として、長波長側をカットするカットオフ波長を、第1波長R1または第2波長R2とするショートパスフィルターを用いる構成であっても良い。
さらに、本実施形態においては、所望の分光感度特性を、標準比視感度とし、第1波長R1および第2波長R2を、最大視感度に前後した波長とする構成であったが、これに限るものではない。すなわち、最大視感度とは異なる所定の波長をピーク波長(例えば400nm、450nm、500nm、600nm、650nm、700nm、750nm)とした山形の分光感度特性が、所望の分光感度特性である場合、第1波長R1および第2波長R2を、当該ピーク波長に前後した波長とする(図6(a)〜(f)参照)。これにより、所望の分光感度特性に近い分光感度特性が得られる(図6(g)〜(l)参照)。かかる場合、本光検出装置1を、分光器や分光センサーとして用いることができる。
またさらに、本実施形態においては、第1受光素子部11および第2受光素子部12を単一の基板上に形成する構成であったが、第1受光素子部11および第2受光素子部12を別々の基板上に形成する構成であっても良い。
なお、本実施形態においては、分光感度特性が同一の第1受光素子部11および第2受光素子部12を用いたが、分光感度特性が異なる第1受光素子部11および第2受光素子部12を用いても良い。かかる場合、例えば、各受光素子部11の分光感度特性に対応した光学フィルターを、各受光素子部11に付加して、両受光素子部11の分光感度特性を同一にする。
1:光検出装置、 11:第1受光素子部、 11a:受光面、 12:第2受光素子部、 12a:受光面、 14:第1エッジフィルター、 15:第2エッジフィルター
Claims (7)
- 入射光を電気信号に変換して出力する第1受光素子部および第2受光素子部と、
前記第1受光素子部の光入射面上に形成された第1エッジフィルターと、
前記第2受光素子部の光入射面上に形成された第2エッジフィルターと、を備え、
前記第1エッジフィルターは、短波長側および長波長側のいずれか一方側をカットするカットオン/オフ波長が、所定の第1波長であり、
前記第2エッジフィルターは、前記一方側をカットするカットオン/オフ波長が、前記第1波長と異なる所定の第2波長であることを特徴とする光検出装置。 - 前記第1波長および前記第2波長は、当該光検出装置の分光感度特性が所望の分光感度特性となるように、当該所望の分光感度特性におけるピーク波長に前後する波長となっていることを特徴とする請求項1に記載の光検出装置。
- 前記第1受光素子部から出力された電気信号に対して前記第2受光素子部から出力された電気信号を減算する減算回路を、更に備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の光検出装置。
- 前記第1受光素子部および前記第2受光素子部は、単一の基板上に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の光検出装置。
- 前記第1受光素子部および前記第2受光素子部は、同一の分光感度特性を有していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光検出装置。
- 前記第1受光素子部および前記第2受光素子部をそれぞれ複数備え、
前記複数の第1受光素子部と前記複数の第2受光素子部とは、交互にマトリクス状に配置されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光検出装置。 - 前記第1波長および前記第2波長は、標準比視感度におけるピーク波長に前後する波長となっていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の光検出装置。
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JP2016118512A (ja) * | 2014-12-24 | 2016-06-30 | 日置電機株式会社 | 光量測定装置 |
WO2020137967A1 (ja) * | 2018-12-26 | 2020-07-02 | ローム株式会社 | 光学センサおよびそれを搭載した電子機器 |
CN111952401A (zh) * | 2020-08-26 | 2020-11-17 | 合肥工业大学 | 一种基于二碲化钯薄膜/n-型超薄硅范德瓦尔斯异质结的颜色探测器及其制备方法 |
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2013
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