JP4287320B2 - 固体撮像装置、信号処理装置、カメラ及び分光装置 - Google Patents

固体撮像装置、信号処理装置、カメラ及び分光装置 Download PDF

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Description

本発明は、デジタルカメラなどに用いる固体撮像装置に関し、その固体撮像装置を構成する受光素子の感度を有する波長範囲において、不要とされる波長の光をカットするフィルターおよびそのフィルターを介して生成された電気信号から色信号を生成する技術に関する。
従来、固体撮像装置における色分解手法として、多板方式および単板方式がある。多板方式では、色分解プリズムで画像が色分解され、色分解された画像が三つまたは四つの固体撮像装置で電気信号に変換されて、色信号が得られる。一方、単板方式では、固体撮像装置に形成された三色または四色のオンチップカラーフィルタで画像が色分解され、色分解された画像が一つの固体撮像装置で電気信号に変換されて、色信号が得られる。さらに、単板方式では、色分解される際の色に応じて、原色系と補色系とに分けられる。例えば、原色系では、赤(R)、緑(G)、青(B)の三色に色分解され、補色系では、シアン(Cy)、マゼンタ(Mg)、イエロー(Ye)、緑(G)の四色に色分解される(例えば、非特許文献1参照)。
ここで、固体撮像装置は、多板方式、単板方式に係わらず、光電変換部で、2次元に配列された画素に画像が分割されて電気信号に変換される点で共通する。
従って、以下に、単板方式の固体撮像装置についてのみ説明し、多板方式の固体撮像については説明を省略する。
また、分解する色が異なるのみで、電気信号に変換するまでの方式は共通する為、単板方式の中でも原色系についてのみ説明し、補色系については説明を省略する。
<従来の固体撮像装置の構成>
図15(a)は、従来の固体撮像装置における光電変換部を上面から見た上面図であり、(b)は、切断面J−J'を矢印方向に向かって見た断面図である。
なお、図中では、簡略化して、光電変換部10を構成する多数の画素の集合である画素部のうち一部(水平垂直2×2画素)の画素部のみが示されている。
図15(a),(b)にみられるように、光電変換部10は、2次元に配列された画素から構成される。また、画素部は、画像を構成する最小単位である画素に対応する。
画素1〜4のそれぞれは、拡散プロセスで半導体基板11上に形成される受光素子12、絶縁膜13、及び遮光膜14と、遮光膜14に形成される開口部15と、平坦化のために遮光膜14の上面に形成される絶縁膜16と、オンチップカラーフィルタ製造プロセスで絶縁膜16の上面に形成されるカラーフィルタ17r,17g,17bとから構成される。
ここで、オンチップカラーフィルタ製造プロセスでは、樹脂膜を塗布し、ホトマスクを用いて塗布した樹脂膜を露光し、さらに現像し、染色パターンを形成する。そして、形成した染色パターンを顔料などで染色して、カラーフィルタが形成される。
また、それぞれの画素には、ベイヤ型配列で色が割り当てられ、割り当てられた色のカラーフィルタが、3個で一組とする画素のそれぞれに一色ずつ形成されている。例えば、図中では、画素1,4には、緑色のカラーフィルタ17gが形成され、画素2には、青色のカラーフィルタ17bが形成され、画素3には、赤色のカラーフィルタ17rが形成されている。
さらに、画素1〜4のそれぞれは、カラーフィルタ17r,17g,17bのそれぞれの上方に赤外カットフィルタ18が設けられている。
そして、光電変換部10に入射する光は、赤外カットフィルタ18、さらに各色のカラーフィルタ17r,17g,17bのいずれかを透過した後に、開口部15を通過して、受光素子12で電子に光電変換される。
図16は、受光素子の分光感度特性および人間の目の感受特性を示すグラフである。
同図には、シリコンP−N接合を利用した受光素子の分光特性が分光特性曲線51で示され、人間の目の感受特性が比視感度曲線52で示されている。
分光特性曲線51にみられるように、シリコンP−N接合を利用した受光素子は、可視光から赤外線の波長範囲のうち、取り分け1100nm〜300nmの光に対して感度を有し、そのピークが750nm〜600nmにある。
ここで、可視光は、波長が380nm〜780nmの範囲の電磁波の一種であり、波長の短い部分から、紫、青、緑、橙、赤などの色として人間の目に感じ取られる。また、赤外線は、可視光より波長の長い電磁波の一種であり、可視光に近い部分から、近赤外光(0.78〜3μm)、中赤外光(3〜30μm)、遠赤外光(30μm〜1mm)とされる。
一方、比視感度曲線52にみられるように、人間の目の感受特性を示す視感度は、波長555nmの光(緑色)で最大になり、それより短い波長の光(青色側)ほど、またはそれより長い波長の光(赤色側)ほど小さくなる。
これらの分光特性曲線51および比視感度曲線52から解る事は、デジタルカメラにおいて求められる固体撮像装置は、人間の可視領域での光量測定が重要であるため、可視領域外の赤外線が固体撮像装置の受光素子12に及ぼす影響を出来るだけ除く必要があることである。
従って、光電変換部10では、赤外線フィルター18が設けられている。
また、光電変換部10では、色信号を得るために受光素子12の上方にカラーフィルタ17r,17g,17bのいずれか1つが形成され、さらにその上方に設けられた赤外線フィルタ18と相まって、一定性能の光電変換を実現している。
安藤隆男/菰淵寛仁 著 「固体撮像素子の基礎 −電子の目のしくみ−」 株式会社 日本理工出版会、1999年12月5日、p.183−188
しかしながら、固体撮像装置を製造するにあたり、拡散プロセス以外に、カラーフィルタおよび赤外カットフィルタを形成するオンチップカラーフィルタ製造プロセスを要する。即ち、複数の製造プロセスを要することから、固体撮像装置の製造時間が長くなり、製造コストが高くなるという問題がある。
またさらに、一定性能以上の光電変換部を製造しようとすると、分光特性の精度が良いカラーフィルタおよび赤外カットフィルタを製造する必要がある。即ち、歩留まりが低下し、製造コストが高くなるという問題もある。
本発明は、前述の問題に鑑みてなされたものであり、製造時間を短縮し、コストを下げ、歩留まりを向上させると同時に、従来と同等もしくはそれ以上の高画質化が実現される固体撮像装置、当該固体撮像装置から出力される電気信号から色信号を生成する信号処理装置、当該固体撮像装置が組み込まれたカメラ、及び分光装置を提供することを目的とする。
<解決手段1>
前述の課題を解決するにあたり、本発明に係わる固体撮像装置は、受光した光を電気信号に変換する受光素子の上方に絶縁膜を挟んで形成された遮光膜に、当該受光素子が感度を有する波長範囲内における所定の波長以上の光は遮断され、当該所定の波長未満の光は通過する開口部が設けられているとする。
本発明に係る固体撮像装置は、上述の構成を備えることにより、遮光膜に設けられている開口部がハイパスフィルタとして機能し、所定波長以上の光を遮断することが可能となる。即ち、遮光膜に設けられている開口部が一定の波長より長い波長の光を遮断することによって、赤外カットフィルタやカラーフィルタの省略が可能となり、または赤外カットフィルタの赤外線を遮断する精度を大幅に緩和することや、各カラーフィルタの分光特性を大幅に緩和することが可能となる。
例えば、所定の波長を可視光端の波長として、可視光端の波長を遮断する開口部が遮光膜に設けられている場合、赤外カットフィルタにおいて、赤外線を遮断する精度を大幅に緩和することができる。
というのは、仮に、赤外カットフィルタを赤外線が透過したとしても、赤外カットフィルタを透過した赤外線は、開口部で遮断されることになり、受光素子には到達しないからである。
また、カラーフィルタにおいて、各カラーフィルタを透過すべき可視光より長い波長の分光特性の精度を大幅に緩和しても、同様である。
即ち、赤外カットフィルタの省略または赤外線を遮断する精度を大幅に緩和することができ、また、カラーフィルタの省略または各カラーフィルタの分光特性の精度を大幅に緩和することができることによって、固体撮像装置の製造プロセスの簡素化及び赤外カットカラーフィルタ、カラーフィルタの歩留まりの大幅改善が可能となる。
従って、固体撮像装置の製造時間の短縮、製造コストの低下、歩留まりの向上が図られることになる。
さらに、赤外カットフィルタおよびカラーフィルタの材料特性を緩和し、また材料選択の範囲を拡大することも可能となる。
<解決手段2>
さらに、解決手段1に記載の内容に加えて、撮像される画像を構成する最小単位である画素ごとに前記受光素子が設けられ、それぞれの受光素子の上方に前記開口部が設けられているとしてもよい。
これによって、画素ごとに、受光する光の周波数を限定することが出来る様になるので、各画素のカラーフィルタの省略、または赤外カットフィルタや各カラーフィルタの分光特性を大幅に緩和することが可能となる。
<解決手段3>
さらに、解決手段2に記載の内容に加えて、前記所定の波長に基づいて、前記開口部の形状と寸法とが特定されているとしてもよい。
これによって、開口部の形状と寸法とを変えれば、開口部で遮断される波長を変えることが可能という効果がある。
<解決手段4>
さらに、解決手段3に記載の内容に加えて、前記所定の波長がそれぞれ異なるN(Nは自然数)種類の開口部が、N個の受光素子のそれぞれの上方に1種類ずつ設けられているとしてもよい。
これによって、各受光素子に異なる波長範囲の光により生ずる電荷を集めることができるので、例えば、カラーフィルタの分光特性の精度が緩くても、精度が良いカラーフィルタを通過する周波数の光による電気信号と同等の電気信号を得ることが可能である。
<解決手段5>
さらに、解決手段3に記載の内容に加えて、N(Nは自然数)個の受光素子で受光された光から生成されるN種類の電気信号を構成要素とする列ベクトルを、M(Mは自然数)種類の第1の表色系の色信号を構成要素とする列ベクトルに変換するM×N行列に基づいて、当該N種類の電気信号から当該第1の表色系の色信号を生成するとしてもよい。
これによって、カラーフィルタを利用して得られた光から求めた電気信号、例えば、赤色、緑色、青色の三原色からなる色信号とは異なり、単に、特定の波長範囲の光によって生ずる電荷を集めて生成される電気信号からでも、色信号を生成することができることから、カラーフィルタに依存せずともカラー化を実現することが可能という効果がある。
<解決手段6>
さらに、解決手段5に記載の内容に加えて、前記第1の表色系の色信号を構成要素とする列ベクトルを補正するM×M行列に基づいて、前記N種類の電気信号から生成された前記第1の表色系の色信号に対して色補正を施すとしてもよい。
これによって、生成された色信号が、所望とする色からずれていても、補正して、所望とする色を再現することが可能という効果がある。
<解決手段7>
または、解決手段5に記載の内容に加えて、前記第1の表色系の色信号を構成要素とする列ベクトルを、L(Lは自然数)種類の第2の表色系の色信号を構成要素とする列ベクトルに変換するL×M行列に基づいて、前記N種類の電気信号から生成された前記第1の表色系の色信号を当該第2の表色系の色信号に変換するとしてもよい。
これによって、生成される色信号とは異なる表色系の色信号を生成する必要があっても、生成された色信号から他の表色系の色信号を生成することができ、所望とする表色系の色で再現することが可能という効果がある。
<解決手段8>
さらに、解決手段7に記載の内容に加えて、前記第2の表色系の色信号を構成要素とする列ベクトルを補正するL×L行列に基づいて、前記第1の表色系の色信号から変換された前記第2の表色系の色信号に対して色補正を施すとしてもよい。
これによって、変換された色信号が、所望とする色からずれていても、補正して、所望とする色を再現することが可能という効果がある。
<解決手段9>
または、解決手段3に記載の内容に加えて、前記受光素子は、前記開口部が複数設けられているとしてもよい。
これによって、複数の開口部の下方に設けられている受光素子が受光し得る光量を増加することができるので、固体撮像装置の感度を大幅に増加して、高画質化を実現することが可能という効果がある。
<解決手段10>
さらに、解決手段9に記載の内容に加えて、前記開口部の一部の開口部は所定の波長以上の光は遮断し、当該所定の波長未満の光を通過させ、他の開口部は当該一部の開口部とは異なる所定の波長以上の光は遮断し、当該異なる所定の波長未満の光を通過させることとしてもよい。
これによって、所定波長未満の光を通過させる開口部が複数あることになり、1つの受光素子が受ける光の最長波長付近の光の分光特性を詳細に調整することができるようになる。
従って、受光素子が受ける光の最長波長付近の分光特性が複数種類の最長波長で調整され、所望する波長の光を受光素子は受けることができるようになる。
<解決手段11>
または、解決手段9に記載の内容に加えて、前記開口部は、前記開口部の長手方向の寸法以下の間隔を空けて、長手方向に隣接するように設けられていることとしてもよい。
これによって、画素に設けられる開口部の数が増えて、開口面積が上がり、それとともに感度も上がるという効果がある。
<解決手段12>
または、解決手段9に記載の内容に加えて、前記開口部は、前記開口部の長手方向の寸法以上の間隔を空けて、長手方向に隣接するように設けられていることとしてもよい。
これによって、開口部が通過させる光の波長よりも長い波長の光が開口部を通過することを抑制することが可能という効果がある。
<解決手段13>
または、解決手段3に記載の内容に加えて、前記受光素子毎に、前記開口部を覆う1つのマイクロレンズが形成されていることとしてもよい。
これによって、開口部の光だけでなく遮光膜上の光も開口部に集められて、より多くの光量が受光素子で受光され、高感度化を実現するこが可能という効果がある。また、形成するマイクロレンズの大きさを調整することにより、各受光素子に求められる性能応じて各受光素子に入る光の量を調整することが可能となる。
<解決手段14>
さらに、解決手段3に記載の内容に加えて、前記開口部毎に、前記開口部を覆うマイクロレンズが形成されていることとしてもよい。
これによって、それぞれの開口部に対する集光率を大幅に改善でき、高感度化を実現することが可能という効果がある。また、開口部毎に光の量を調整することが出来るようになり、波長毎に光の量を調整することが可能となる。
<解決手段15>
または、解決手段3に記載の内容に加えて、前記絶縁膜の膜厚は、前記遮光膜に設けられた開口部において最小となる寸法以上であり、前記受光素子により電気信号に変換すべき光の波長以下であるとしてもよい。
これによって、開口部を通過する光の中でも、受光素子に到着するまでに減衰する波長の光(特に、最長波長に近い光)が受光素子に与える影響を小さくすることができ、色の混色の少ない高画質を実現することが可能という効果がある。
<解決手段16>
または、解決手段3に記載の内容に加えて、前記開口部の形状が方形であるならば、当該方形の長辺に基づき前記開口部の寸法が特定され、前記開口部の形状が円形であるならば、当該円形の直径に基づき前記開口部の寸法が特定されることとしてもよい。
これによって、開口部の寸法を容易に特定することが可能という効果がある。
<解決手段17>
または、解決手段3に記載の内容に加えて、前記所定の波長は、前記開口部の上面に形成された媒質内での近赤外光、赤色光、緑色光、青色光のいずれかの波長であるとしてもよい。
これによって、所定の波長がそれぞれ異なる3種類以上の分光信号を実現することができ、色の三原色を実現することができる。これにより、赤外カットフィルタおよびカラーフィルタに依存せずとも、カラー化を実現することが可能という効果がある。
<解決手段18>
または、解決手段2に記載の内容に加えて、それぞれの受光素子の上方に設けられている開口部の形状は、細長い矩形状であり、それらの長手方向は、一方向に揃えられているとしてもよい。
これによって、長手方向に電界を持つ光の偏光成分が受光素子に集められるので、光の乱反射による疑似信号の防止や、所望の偏光された光のみが受光素子で受光され、色信号の混色防止や偏光精度が高められ、高画質化を実現することが可能という効果がある。
<解決手段19>
または、解決手段2に記載の内容に加えて、それぞれの受光素子の上方に設けられている開口部の形状は、細長い矩形状であり、それらの長手方向は、画素ごとに、第1の方向と、第1の方向と交差する第2の方向とのうちいずれか一つの方向に向いているとしてもよい。
これによって、画素に応じて、光の偏光成分を分けることができるので、光の乱反射による疑似信号の防止や、所望の偏光された光のみを受光素子で受光することができる。その結果として、色信号の混色防止や偏光精度を高め、高画質化を実現することが可能という効果がある。
<解決手段20>
前述の課題を解決するにあたり、本発明に係わる信号処理装置は、固体撮像装置から出力されたN(Nは自然数)種類の電気信号を処理する信号処理装置であって、当該N種類の電気信号に属する第1の電気信号と、当該N種類の電気信号に属し当該第1の電気信号に隣接する第2の電気信号との要素間の差を取って、当該N種類の電気信号を構成要素とするベクトルを、M(Mは自然数)種類の第1の表色系の色信号を構成要素とするベクトルに変換する差分行列を保持する差分行列保持手段と、当該差分行列に基づいて、当該N種類の電気信号から当該第1の表色系の色信号を生成する色信号生成手段とを備えるとする。
これによって、固体撮像装置において、赤色、緑色、青色の三原色からなる色信号とは異なり、単に、異なる波長範囲の光が生じさせる電荷を集めて生成されて出力される電気信号からでも、色信号を生成することができることにより、カラーフィルタに依存せずともカラー化を実現することが可能という効果がある。
<解決手段21>
さらに、解決手段20に記載の内容に加えて、前記第1の表色系の色信号を構成要素とするベクトルを補正する補正行列を保持する補正行列保持手段と、当該補正行列に基づいて、前記色信号生成手段で生成された第1の表色系の色信号を補正する色信号補正手段とを備えるとしてもよい。
これによって、生成された色信号が、所望する色からずれた色の光から生成された色信号であっても、補正して、所望する色の色信号を再生成することが可能という効果がある。
<解決手段22>
または、解決手段20に記載の内容に加えて、前記第1の表色系の色信号を構成要素とするベクトルを、L(Lは自然数)種類の第2の表色系の色信号を構成要素とするベクトルに変換する表色系変換行列を保持する表色系変換行列保持手段と、当該表色系変換行列に基づいて、前記色信号生成手段で生成された第1の表色系の色信号を変換して当該第2の表色系の色信号を生成する表色系変換手段とを備えるとしてもよい。
これによって、生成された色信号から他の表色系の色信号を生成することができ、所望とする表色系の色で画像を再現することが可能という効果がある。
<解決手段23>
さらに、解決手段22に記載の内容に加えて、前記第2の表色系の色信号を構成要素とするベクトルを補正する補正行列を保持する補正行列保持手段と、当該補正行列に基づいて、前記表色系変換手段で生成された第2の表色系の色信号を補正する色信号補正手段とを備えるとしてもよい。
これによって、変換された色信号が、所望する色からずれた色の光から生成された色信号であっても、補正して、所望する色の色信号を再生成することが可能という効果がある。
<解決手段24>
前述の課題を解決するにあたり、本発明に係わるカメラは、受光した光を電気信号に変換する受光素子の上方に絶縁膜を挟んで形成された遮光膜に、当該受光素子が感度を有する波長範囲内における所定の波長以上の光は遮断され、当該所定の波長未満の光は通過する開口部が設けられ、撮像される画像を構成する最小単位である画素ごとに当該受光素子が設けられ、それぞれの受光素子の上方に当該開口部が設けられている固体撮像装置を備えるとする。
これによって、赤外カットフィルタの省略または赤外線を遮断する精度を大幅に緩和することができ、また、カラーフィルタの省略または各カラーフィルタの分光特性の精度を大幅に緩和することができることによって、固体撮像装置の製造プロセスの簡素化及び赤外カットカラーフィルタ、カラーフィルタの歩留まりの大幅改善が可能となる。
従って、固体撮像装置の製造時間の短縮、製造コストの低下、歩留まりの向上が図られることになる。
結果として、安価で、高性能なカメラを提供することが可能となる。
<解決手段25>
さらに、解決手段24に記載の内容に加えて、前記固体撮像装置は、前記所定の波長がそれぞれ異なるN(Nは自然数)種類の開口部がN個の受光素子のそれぞれの上方に1種類ずつ設けられ、それぞれの前記所定の波長に基づいて特定される形状と寸法との前記開口部が上方に設けられている当該N個の受光素子のそれぞれで受光された光から生成されるN種類の電気信号を処理する信号処理回路が設けられ、当該信号処理回路は、当該N種類の電気信号に属する第1の電気信号と、当該N種類の電気信号に属し当該第1の電気信号に隣接する第2の電気信号との要素間の差を取って、当該N種類の電気信号を構成要素とするベクトルを、M(Mは自然数)種類の第1の表色系の色信号を構成要素とするベクトルに変換する差分行列に基づいて、当該N種類の電気信号から当該第1の表色系の色信号を生成することとしてもよい。
これによって、開口部の形状と寸法とを変えれば、開口部で遮断される波長を変えることができる。これから、異なる波長範囲の電荷を集めることができる。例えば、カラーフィルタと組み合わせると、カラーフィルタの分光特性の精度が緩くても、カラーフィルタの色ごとに必要とする光を制限することができる。また、赤色、緑色、青色の三原色からなる色信号とは異なり、単に、異なる波長範囲の電荷を集めて生成される電気信号からでも、色信号を生成することができることにより、カラーフィルタに依存せずともカラー化を実現することが可能という効果がある。
<解決手段26>
または、解決手段24に記載の内容に加えて、前記カメラは、さらに、前記固体撮像装置から出力されたN(Nは自然数)種類の電気信号を処理する信号処理装置を備え、前記固体撮像装置は、前記所定の波長がそれぞれ異なるN種類の開口部がN個の受光素子のそれぞれの上方に1種類ずつ設けられ、それぞれの前記所定の波長に基づいて特定される形状と寸法との前記開口部が上方に設けられている当該N個の受光素子のそれぞれで受光された光から生成されるN種類の電気信号を前記信号処理装置に出力し、前記信号処理装置は、当該N種類の電気信号に属する第1の電気信号と、当該N種類の電気信号に属し当該第1の電気信号に隣接する第2の電気信号との要素間の差を取って、当該N種類の電気信号を構成要素とするベクトルを、M(Mは自然数)種類の第1の表色系の色信号を構成要素とするベクトルに変換する差分行列に基づいて、当該N種類の電気信号から当該第1の表色系の色信号を生成することとしてもよい。
これによって、固体撮像装置と信号処理装置とが組み込まれた単板方式のカメラにおいても、解決手段25に記載の効果と同等の効果がある。
<解決手段27>
または、解決手段24に記載の内容に加えて、前記カメラは、さらに、前記所定の波長がそれぞれ異なるN種類の開口部が受光素子の上方に1種類ずつ設けられているN個の前記固体撮像装置と、前記N個の固体撮像装置からそれぞれ出力されたN(Nは自然数)種類の電気信号を処理する信号処理装置とを備え、前記N個の固体撮像装置のそれぞれは、前記所定の波長に基づいて特定される形状と寸法との前記開口部が上方に設けられている受光素子で受光された光から生成される電気信号を前記信号処理装置にそれぞれ出力し、前記信号処理装置は、当該N種類の電気信号に属する第1の電気信号と、当該N種類の電気信号に属し当該第1の電気信号に隣接する第2の電気信号との要素間の差を取って、当該N種類の電気信号を構成要素とするベクトルを、M(Mは自然数)種類の第1の表色系の色信号を構成要素とするベクトルに変換する差分行列に基づいて、当該N種類の電気信号から当該第1の表色系の色信号を生成することとしてもよい。
これによって、複数の固体撮像装置と信号処理装置とが組み込まれた多板方式のカメラにおいても、解決手段25に記載の効果と同等の効果がある。
<解決手段28>
また、本発明に係る分光装置は、光源からの光路と非平行に存在する遮光部材の光があたる部分に、所定の波長以上の光は遮断され、当該所定の波長未満の光は通過する開口部を設けて、光源からの光を分光する分光手段を備えることを特徴とする。
これによって、遮光部材に設けられている開口部がハイパスフィルタとして機能し、所定波長未満の光が開口部を通過することになるので、入射光がどの開口部を通過したかを調べることによって、入射光の波長の最大値を簡便に測定することが可能となる。
さらに、開口部の大きさを調整することや遮光部材の角度を変えることにより、容易に分光する光の周波数の種類を増やすことが可能となる。
また、開口部の個数を調整することで、通過する光の量を容易に調整することができることから、分光装置の光のSN比を改善することが可能となる。
<解決手段29>
また、前記分光装置は、更に、前記分光手段により分光された光をその強度に応じた電気信号に変換する光検出手段を備えることとしてもよい。
これによって、開口部を通過した光を電気信号に変えることができるので、所定波長未満の光の量を検出することが可能となる。
<解決手段30>
また、前記分光装置は、更に、前記光検出手段によって変換されたN(Nは自然数)種類の電気信号に属する第1の電気信号と、前記N種類の電気信号に属し前記第1の電気信号に隣接する第2の電気信号との要素間の差を取って、前記N種類の電気信号を構成要素とするベクトルを、M(Mは自然数)種類の電気信号を構成要素とするベクトルに変換するM×Nの差分行列を保持する差分行列保持手段と、前記差分行列に基づいて、前記N種類の電気信号から前記M種類の電気信号を生成する信号処理手段とを備えることとしてもよい。
これによって、開口部を通過した光から求めた電気信号に対して、一定のマトリックス演算を行い、特定の波長の光の強度を算出することが出来るので、波長の強度依存性を検出できる装置を容易に作成することが可能となる。
<実施の形態1>
以下、本発明の実施の形態1について、図面を参照しながら説明する。なお、従来の技術と同一の構成要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。また、実施の形態を通して、大体の目安として、赤外線(IR)を780nm〜3μmの光とし、赤色光(R)を610nm付近の光とし、緑色光(G)を540nm付近の光とし、青色光(B)を450nm付近の光とする。
<実施の形態1の概要>
図1は、デジタルカメラで用いられる固体撮像装置の概要を示す斜視図である。
同図にみられるように、デジタルカメラ100で用いられる固体撮像装置101は、従来の固体撮像装置と比べて、受光面を保護する封止ガラスを介して入射した光(以下、入射光と呼称する)が、光電変換部(図中の点ハッチングで示される領域)で電子に光電変換される点は同一である。
しかしながら、赤外カットフィルタ18が省かれ、その代わりに、開口部15の大きさを小さくすることで、赤外光を遮断する点が異なる。これは、開口の長辺寸法に応じた波長以上の電磁波を遮断する導波管の様に、ハイパスフィルターとして開口部15を機能させることに基づいている。
<導波管について>
ここで、マイクロ波帯の代表的な伝送線路である導波管について説明する。なお、マイクロ波も光も、共にマクスウェル方程式に従う電磁波である。
導波管は、壁面が銅などの良導体で作られている中空のパイプであり、断面の形状によって、方形導波管、円形導波管などに分類される。なお、導波管には、断面の構造寸法により特定される遮断周波数があり、それ以下の周波数では信号が伝達できないという性質が一般的に知られている。
例えば、横幅aおよび高さbの方形導波管において、遮断周波数fcは、以下の式(1)で示される。また、遮断周波数に対する波長(以下、遮断波長と呼称する)λcは、以下の式(2)で示される。なお、ここでは、高さbより横幅aが大きい(a>b)とする。また、半径rの円形導波管においては、遮断周波数fcは、以下の式(3)で示され、遮断波長λcは、以下の式(4)で示される。なお、導波管の内部には、誘電率εおよび透磁率μの等方かつ均質な媒質が充填されているものとし、媒質中の平面波の速度vは、以下の式(5)で示される。
Figure 0004287320
以上の点を踏まえて、実施の形態1における固体撮像装置について説明する。
<実施の形態1における固体撮像装置の構成>
図2(a)は、実施の形態1の固体撮像装置における光電変換部を上面から見た上面図であり、(b)は、切断面A−A'を矢印方向に向かって見た断面図である。
なお、図中では、簡略化して、光電変換部110を構成する多数の画素部のうち一部(水平垂直2×2)の画素部のみが示されている。
図2(a),(b)にみられるように、光電変換部110は、開口部115が遮光膜114に形成されている。そして、絶縁膜16を挟んで、カラーフィルタ17r,17g,17bのそれぞれの下部に開口部115が配置されている。そして、従来の光電変換部10においてカラーフィルタ17r,17g,17bのそれぞれの上方に設けられていた赤外カットフィルタ18が省かれている。
受光素子12は、光を受光すると、P−N接合の境界付近で受光した光に応じた電子および正孔を発生する。そして、発生した電子および正孔から、受光した光を効率よく電流に変換する。また、受光素子の感度は、光の波長によって異なり、波長が短いほど表面より浅い位置で効率よく吸収される。なお、P−N接合より離れた所で生成された電子および正孔は、空乏層領域に到達するまでに再結合して消滅することにより、電流の発生には寄与しない。
これにより、長波長の光に対して感度をもたせる場合には、深い位置にP−N接合を形成し、また短波長の光に対して感度をもたせる場合には、シリコン表面付近にP−N接合を形成する必要がある。
以下、一例として、受光素子12は、1000nm〜270nmの波長を有する光に感度をもち、800nm〜700nmにピークがあるフォトダイオードとする。また、絶縁膜13,16は、シリコン酸化膜(SiO2)またはシリコン窒化膜(Si34)とし、遮光膜114は、アルミ膜(Al)またはタングステンシリサイド膜(W−Si)とする。
<開口部の寸法について>
開口部115は、開口部15に比べて開口の寸法を小さくして、その寸法と形状とから特定される遮断波長λc以上の波長の光が遮断される。なお、屈折率Nrの絶縁膜16を介して、波長λiの光が開口部115に入射する際には、絶縁膜16の屈折率を考慮して、絶縁膜16におけるその光の波長λrは、以下の式(6)で示される。
Figure 0004287320
図3は、固体撮像装置の主な材質の屈折率の一覧表を示す図である。
同図にみられるように、一覧表130は、カラム131に材質、カラム132に材質の屈折率が示されている。
例えば、絶縁膜16をシリコン酸化膜(SiO2)とし、外部から絶縁膜16に入射された光の波長が780nm(赤外線)とすると、絶縁膜16を介して開口部115に入射する際には、屈折率は1.46から、その光の波長は約534.25nmになる。そして、開口部115の遮断波長λcが約534.25nm以下ならば、外部から入射した780nmの光は、開口部115で遮断される。
ここで、開口部115の形状を方形とすると、以下の式(7)から、開口部の長辺aが267.12nm以下ならば遮断される。また、開口の形状を円形とすると、以下の式(8)から、開口部の半径rが約228.53nm(直径にして457.07nm)以下ならば遮断されることが示される。
Figure 0004287320
これから、可視光は通過し得るが赤外線(780nm)以上の光は遮断され得るであろう遮断波長λrcと、開口部115の上面に形成された絶縁膜16の屈折率Nrと、開口部115の形状により、目安となる開口部115の寸法が特定されることが示される。
以下、所定の波長以上の光は開口部によって遮断され得るであろう遮断波長λrcと、開口部の上面に形成された媒質の屈折率Nrと、開口部の形状とによって特定される開口部の寸法を遮断寸法とする。そして、開口部の形状が方形であるならば、遮断寸法は、その長辺の寸法を指し、円形であるならば、その半径の寸法を指す。
また、赤色光の波長(610nm)以下の光は通過し得るが赤外線(780nm)以上の光は遮断され得るであろう遮断寸法を赤外線遮断寸法とする。
なお、遮断寸法の上限は、受光素子12が感度を有する波長範囲の最長波長から特定される。これは、開口部の寸法をそれ以上大きくしても、受光素子12が感度を有さない波長の光が受光されるだけであり、結果的には、受光されていないのと同じであることに基づいている。
例えば、最長波長が1000nmならば、開口部の形状が方形の場合には、以上の式(7)から約342.46nmになり、開口部の形状が円形の場合には、約200.68nm(直径にして約401.36nm)になる。これらから、おおよそ、500nmが一つの目安になる。これは、従来の開口部15の寸法が、おおよそ、1500nmであるのに対して、開口部115の寸法が際立って小さいことが示される。以下、この場合における遮断寸法を最長遮断寸法とする。
<実施の形態1における固体撮像装置の分光特性>
以上のように構成された光電変換部110について、その分光特性について説明する。
図4は、実施の形態1における固体撮像装置の分光特性を示すグラフである。
なお、横軸に波長が示され、縦軸に分光感度が示されている。
同図にみられるように、開口部115を通過し得る光の分光特性が分光特性曲線151で示されている。また、参考までに、赤色のカラーフィルタ17rを通過し得る光の分光特性が分光特性曲線152r(図中の破線で示される線)で示され、緑色のカラーフィルタ17gを通過し得る光の分光特性が分光特性曲線152g(図中の一点破線で示される線)で示され、青色のカラーフィルタ17bを通過し得る光の分光特性が分光特性曲線152b(図中の二点破線で示される線)で示されている。
なお、ここでは、遮光膜114に形成された開口部の特性を示すために、測定時には、開口部の上方に設けられるカラーフィルタ17r,17g,17bは取り除かれている。
分光特性曲線151にみられるように、開口部115は、760nm以上の光を遮断し、感度が現われだす760nm〜750nm付近から光を通過することが示されている。
分光特性曲線152rにみられるように、カラーフィルタ17rは、750nm〜520nmの波長範囲(以下、R錐状体と呼称する)の波長範囲の光を透過させ、それ以外の光をほとんど透過させない。特に、ピークが赤の波長(610nm)付近にあるように、赤の波長付近の光をよく透過させることが示される。
分光特性曲線152gにみられるように、カラーフィルタ17gは、640nm〜450nmの波長範囲(以下、G錐状体と呼称する)の波長範囲の光を透過させ、それ以外の光をほとんど透過させない。特に、ピークが緑の波長(540nm)付近にあるように、緑の波長付近の光をよく透過させることが示される。
分光特性曲線152bにみられるように、カラーフィルタ17bは、570nm〜370nmの波長範囲(以下、B錐状体と呼称する)の波長範囲の光を透過させ、それ以外の光をほとんど透過させない。特に、ピークが青の波長(450nm)付近にあるように、青の波長付近の光をよく透過させることが示される。
<実施の形態1のまとめ>
以上のように、光電変換部110では、カラーフィルタ17r,17g,17bと開口部115とが組み合わされて、入射光のうち可視光は通過し、近赤外光は遮断される。これにより、赤外線カットフィルター18が省かれても、カラーフィルタ17rを通過し得る光の波長領域がR錐状体よりも長波長側に存在しても、その光は遮断される。
なお、実際には、目安とする遮断寸法に基づいて、FDTD(Finite Difference Time Domain)法などの数値解析、および分光測定などの実験によって開口部の寸法が特定される。しかしながら、製造上ある一定の単位でしか微細には加工されないことにより、開口部の寸法は若干前後する。
<実施の形態1におけるその他>
なお、ここでは、780nmの光を例に説明したが、実際には、用途に応じて、対象とする光の波長から遮断波長λrcが特定される。例えば、固体撮像装置で生成される色信号に感度を持たすことにより、790nm、800nmなどの光を対象に遮断波長λrcが特定されるとして、若干の赤外線が受光されるようにしてもよいし、特に、赤外領域を受光することに重きが置かれる赤外線カメラでは、積極的に、1000nmなどの赤外領域の光を対象に遮断波長λrcとするとしてもよい。
なお、赤色光(R)、緑色光(G)、青色光(B)を、CIE(Centre Internationale d'Elairage)のRGB表色系において三原色とされる700nm(R)、546.1nm(G)、435.8nm(B)の単色光としてもよい。
なお、固体撮像装置101は、MOS(Metal Oxide Semiconductor)型固体撮像素子としてもよいし、インタライン転送方式のCCD(Charge Coupled Device)型固体撮像素子としてもよいし、フレーム転送方式のCCD型固体撮像素子としてもよい。
なお、開口部の形状として、正方形、長方形などの方形の代わりに、円形としてもよい。
なお、遮光膜からしみでるエバネッセント波の影響を考慮すると、絶縁膜13の膜厚は、受光素子12が感度を有する波長範囲における最長波長程度としてもよい。

<実施の形態2>
以下、本発明の実施の形態2について、図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態1と同一の構成要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。
<実施の形態2の概要>
実施の形態1においては、近赤外光を遮断することに主眼が置かれていた。実施の形態2においては、さらに、各色ごとに不要とする波長の光を遮断することに主眼が置かれる。
以上の点を踏まえて、実施の形態2における固体撮像装置について説明する。
<実施の形態2における固体撮像装置の構成>
図5(a)は、実施の形態2の固体撮像装置における光電変換部を上面から見た上面図であり、(b)は、切断面B−B'を矢印方向に向かって見た断面図である。
なお、図中では、簡略化して、光電変換部210を構成する多数の画素部のうち一部(水平垂直2×2)の画素部のみが示されている。
図5(a),(b)にみられるように、光電変換部210は、それぞれの遮断寸法が異なる開口部215r,215g,215bが遮光膜214に形成されている。そして、絶縁膜16を挟んで、カラーフィルタ217rの下部には、赤外線遮断寸法の開口部215rが配置され、カラーフィルタ217gの下部には、赤色光遮断寸法の開口部215gが配置され、カラーフィルタ217bの下部には、緑色光遮断寸法の開口部215bが配置されている。
ここで、赤色光遮断寸法とは、緑色光の波長(540nm)以下の光は通過し得るが赤色光の波長(610nm)以上の光は遮断され得るであろう遮断寸法を指す。
ここで、緑色光遮断寸法とは、青色光の波長(450nm)以下の光は通過し得るが緑色光の波長(540nm)以上の光は遮断され得るであろう遮断寸法を指す。
なお、赤外線遮断寸法、赤色光遮断寸法、緑色光遮断寸法の中では、赤外線遮断寸法が最も大きく、赤色光遮断寸法が二番目に大きく、緑色光遮断寸法が最も小さい。
<実施の形態2における固体撮像装置の分光特性>
以上のように構成された光電変換部210について、その分光特性について説明する。
なお、カラーフィルタ217r,217g,217bは、カラーフィルタ17r,17g,17bに比べて、分光特性の精度が緩いとする。
図6は、実施の形態2における固体撮像装置の分光特性を示すグラフである。
同図にみられるように、開口部215rを通過し得る光の分光特性が分光特性曲線251rで示され、開口部215gを通過し得る光の分光特性が分光特性曲線251gで示され、開口部215bを通過し得る光の分光特性が分光特性曲線251bで示されている。また、参考までに、カラーフィルタ217rを通過し得る光の分光特性が分光特性曲線252rで示され、カラーフィルタ217gを通過し得る光の分光特性が分光特性曲線252gで示され、カラーフィルタ217bを通過し得る光の分光特性が分光特性曲線252bで示されている。
なお、ここでは、遮光膜214に形成された開口部の特性を示すことにより、開口部の上方に設けられるカラーフィルタ217r,217g,217bは取り除かれている。
分光特性曲線251rにみられるように、開口部215rは、760nm以上の光を遮断し、感度が現われだす760nm〜750nm付近から光を通過することが示されている。
分光特性曲線251gにみられるように、開口部215gは、650nm以上の光を遮断し、感度が現われだす640nm〜630nm付近から光を通過することが示されている。
分光特性曲線251bにみられるように、開口部215bは、580nm以上の光を遮断し、感度が現われだす580nm〜570nm付近から光を通過することが示されている。
分光特性曲線252rにみられるように、カラーフィルタ217rは、520nm以下の光をほとんど透過させずに、520nm〜750nmの波長範囲(R錐状体)の光を透過させ、特に、ピークが赤色光の波長(610nm)付近にあるように、赤色光の波長付近の光をよく透過させることが示されている。また、R錐状体の長波長側よりも、さらに長波長寄りの光も透過させることが示されている。
分光特性曲線252gにみられるように、カラーフィルタ217gは、450nm以下の光をほとんど透過させずに、450nm〜630nmの波長範囲(G錐状体)の光を透過させ、特に、ピークが緑色光の波長(540nm)付近にあるように、緑色光の波長付近の光をよく透過させることが示されている。また、G錐状体の長波長側よりも、さらに長波長寄りの光も透過させることが示されている。
分光特性曲線252bにみられるように、カラーフィルタ217bは、370nm以下の光をほとんど透過させずに、370nm〜560nmの波長範囲(B錐状体)の光を透過させ、特に、ピークが青色光の波長(450nm)付近にあるように、青色光の波長付近の光をよく透過させることが示されている。また、B錐状体の長波長側よりも、さらに長波長寄りの光も透過させることが示されている。
<実施の形態2のまとめ>
以上のように、開口部215r,215g,215bは、それぞれの色を再現する際に不要とされる光を遮断するハイパスフィルタとして機能する。
例えば、カラーフィルタ217rと開口部215rとを組み合わせると、赤色光の波長付近の光は通過し、赤外線の波長以上の光は遮断される。これは、分光特性曲線251r,252rとから示されるように、カラーフィルタ217rを透過し得る光の波長領域がR錐状体の長波長側より、さらに長波長側に存在しても、開口部215rによって760nm以上の光が遮断される。そして、これにより、図4に示された分光特性曲線152rに近い分光特性が実現される。
同様に、分光特性曲線251g,252gとから示されるように、カラーフィルタ217gと開口部215gとを組み合わせると、緑色光の波長付近の光は通過し、赤色光の波長以上の光は遮断され、図4に示された分光特性曲線152gに近い分光特性が実現される。
また、分光特性曲線251b,252bとから示されるように、カラーフィルタ217bと開口部215bとを組み合わせると、青色光の波長付近の光は通過し、緑色光の波長以上の光は遮断され、図4に示された分光特性曲線152bに近い分光特性が実現される。
<実施の形態2におけるその他>
なお、画素部に割り当てられる色に応じて開口部の形状を変えるとしてもよい。

<実施の形態3>
以下、本発明の実施の形態3について、図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態2と同一の構成要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。
<実施の形態3の概要>
実施の形態2においては、各色ごとに不要とする光を遮断することに主眼が置かれていた。実施の形態3においては、不要とする光を遮断するために小さくした開口部によって減少した感度を増加することに主眼が置かれる。
以上の点を踏まえて、実施の形態3における固体撮像装置について説明する。
<実施の形態3における固体撮像装置の構成>
図7(a)は、実施の形態3の固体撮像装置における光電変換部を上面から見た上面図であり、(b)は、切断面C−C'を矢印方向に向かって見た断面図である。
なお、図中では、簡略化して、光電変換部310を構成する多数の画素部のうち一部(水平垂直2×2)の画素部のみが示されている。
図7(a),(b)にみられるように、光電変換部310は、それぞれの遮断寸法が異なる開口部315r,315g,315bが遮光膜314に形成されている。そして、絶縁膜16を挟んで、カラーフィルタ217rの下部には、赤外線遮断寸法の開口部315rが等間隔で複数配置されている。同様に、カラーフィルタ217gの下部には、赤色光遮断寸法の開口部315gが等間隔で複数配置されている。また、カラーフィルタ217bの下部には、緑色光遮断寸法の開口部315bが等間隔で複数配置されている。
例えば、図中では、カラーフィルタ217rの下部には、4個の開口部315rが等間隔で配置され、カラーフィルタ217gの下部には、9個の開口部315gが等間隔で配置され、カラーフィルタ217bの下部には、16個の開口部315bが等間隔で配置されていることが示されている。
また、開口部間の距離を短くすると、画素部に配置され得る開口部の数が増えて、開口面積が上がり、それとともに感度も上がる。しかし、開口部間が狭くなり長波長の光が透過されやすくなる。これから、隣接する開口部間の距離は、感度を優先するならば、遮光膜314に形成されるそれぞれの開口部に対する遮断寸法以下とし、長波長の光の混入を防止するならば、遮断寸法以上とし、目的に応じて特定される。
<実施の形態3のまとめ>
以上のように、それぞれの受光素子12の上方に同一の開口部が2つ以上設けられることにより、受光素子が受光し得る光量を増加し、感度を大幅に増加し得る。
<実施の形態3におけるその他>
なお、絶縁膜13の膜厚は、開口部315rにおいて減衰する光の影響を小さくするならば、赤外線遮断寸法と同程度とし、開口部315bにおいて減衰する光の影響を小さくするならば、緑色光遮断寸法と同程度としてもよい。

<実施の形態4>
以下、本発明の実施の形態4について、図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態3と同一の構成要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。
<実施の形態4の概要>
実施の形態3においては、開口部を小さくすることによって減少した感度を増加することに主眼が置かれた。実施の形態4においては、それぞれの画素部に属する遮光膜に遮断寸法がそれぞれ異なる2種類以上の開口部を形成することで、それぞれの画素部に設けられた開口部を通過する光の分光特性を調整することに主眼が置かれる。
以上の点を踏まえて、実施の形態4における固体撮像装置について説明する。
<実施の形態4における固体撮像装置の構成>
図8(a)は、実施の形態4の固体撮像装置における光電変換部を上面からみた上面図であり、(b)は、切断面D−D'を矢印方向に向かってみた断面図である。
なお、図中では、簡略化して、光電変換部410を構成する多数の画素部のうち一部(水平垂直2×2)の画素部のみが示されている。
図8(a),(b)にみられるように、光電変換部410は、それぞれの遮断寸法が異なる開口部415r,415g,415bと、それぞれの遮断寸法が異なる開口部416r,416g,416bとが組み合わされて遮光膜414に形成されている。そして、絶縁膜16を挟んで、カラーフィルタ217rの下部には、赤外線遮断寸法の開口部415rと開口部416rとが一定の間隔で複数配置されている。カラーフィルタ217gの下部には、赤色光遮断寸法の開口部415gと開口部416gとが一定の間隔で複数配置されている。カラーフィルタ217bの下部には、緑色光遮断寸法の開口部415bと開口部416bとが一定の間隔で複数配置されている。
なお、開口部416rは、開口部415rと比べて、感度を優先するならば一回り大きくし、また、長波長の光の混入を抑制するならば一回り小さくし、目的に応じて特定される。同様に、開口部415gを基準にして、開口部416gの大きさが目的に応じて特定され、また、開口部415bを基準にして、開口部416bの大きさが、目的に応じて特定される。
例えば、図中では、カラーフィルタ217rの下部には、2個の開口部415rと、開口部415rと比べて一回り小さい2個の開口部416rとが一定の間隔で配置されている。同様に、カラーフィルタ217gの下部には、5個の開口部415gと、開口部415gと比べて一回り小さい4個の開口部416gとが一定の間隔で配置されている。また、カラーフィルタ217bの下部には、4個の開口部415bと、開口部415bと比べて一回り小さい12個の開口部416bとが一定の間隔で配置されていることが示されている。
<実施の形態4における固体撮像装置の分光特性>
以上のように構成された光電変換部410について、その分光特性について説明する。
図9は、実施の形態4における固体撮像装置の分光特性を示すグラフである。
同図にみられるように、開口部415rと開口部416rとを通過し得る光の分光特性が分光特性曲線451rで示され、開口部415gと開口部416gとを通過し得る光の分光特性が分光特性曲線451gで示され、開口部415bと開口部416bとを通過し得る光の分光特性が分光特性曲線451bで示されている。また、参考までに、図4で示された、分光特性曲線152r(図中の破線で示される線)、分光特性曲線152g(図中の一点破線で示される線)、分光特性曲線152b(図中の二点破線で示される線)も示されている。
なお、ここでは、遮光膜414に形成された開口部の特性を示すことにより、開口部の上方に設けられるカラーフィルタ217r,217g,217bは取り除かれている。
分光特性曲線451rにみられるように、開口部415rと開口部416rとの組み合わせは、760nm以上の光を遮断し、R錐状体の長波長側の斜面曲線に沿う形で、感度が現われだす760nm〜750nm付近から光を通過することが示されている。
分光特性曲線451gにみられるように、開口部415gと開口部416gとの組み合わせは、650nm以上の光を遮断し、G錐状体の長波長側の斜面曲線に沿う形で、感度が現われだす640nm〜630nm付近から光を通過することが示されている。
分光特性曲線451bにみられるように、開口部415bと開口部416bとの組み合わせは、580nm以上の光を遮断し、B錐状体の長波長側の斜面曲線に沿う形で、感度が現われだす580nm〜570nm付近から光を通過することが示されている。
<実施の形態4のまとめ>
以上のように、カラーフィルタ217rと、開口部415rと、開口部416rとを組み合わせると、赤色光の波長付近の光は通過し、赤外線の波長以上の光は遮断される。さらに、開口部416rによって感度または混入が調整されることにより、図4に示された分光特性曲線152rに、より近い分光特性が実現される。
同様に、カラーフィルタ217gと、開口部415gと、開口部416gとを組み合わせると、緑色光の波長付近の光は通過し、赤色光の波長以上の光は遮断される。さらに、開口部416gによって感度または混入が調整されることにより、図4に示された分光特性曲線152gに、より近い分光特性が実現される。
また、カラーフィルタ217bと、開口部415bと、開口部416bとを組み合わせると、青色光の波長付近の光は通過し、緑色光の波長以上の光は遮断される。さらに、開口部416bによって感度または混入が調整されることにより、図4に示された分光特性曲線152bに、より近い分光特性が実現される。
<実施の形態4におけるその他>
なお、開口部415r,416rのそれぞれは、赤外線遮断寸法を挟む前後の寸法としてもよい。同様に、開口部415g,416gのそれぞれは、赤色光遮断寸法を挟む前後の寸法としてもよいし、開口部415b,416bのそれぞれは、緑色光遮断寸法を挟む前後の寸法としてもよい。
なお、絶縁膜13の膜厚は、開口部415rにおいて減衰する光の影響を小さくするならば、赤外線遮断寸法と同程度とし、開口部416bにおいて減衰する光の影響を小さくするならば、緑色光遮断寸法と同程度としてもよい。
なお、長辺と直径とが同一の方形形状の開口部と円形形状の開口部とを組み合わせて複数形成されるとしてもよい。また、長辺と直径とが異なる方形形状の開口部と円形形状の開口部とを組み合わせて複数形成されるとしてもよい。
<実施の形態5>
以下、本発明の実施の形態5について、図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態1と同一の構成要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。
<実施の形態5の概要>
実施の形態1においては、入射光の偏光成分を分けることについて主眼が置かれていなかった。実施の形態5においては、開口部の形状を矩形として、その開口部の短辺の寸法によって入射光の偏光成分を分けることに主眼が置かれる。
以上の点を踏まえて、実施の形態5における固体撮像装置について説明する。
<実施の形態5における固体撮像装置の構成>
図10(a)は、実施の形態5の固体撮像装置における光電変換部を上面から見た上面図であり、(b)は、切断面E−E'を矢印方向に向かって見た断面図である。
なお、図中では、簡略化して、光電変換部510を構成する多数の画素部のうち一部(水平垂直2×2)の画素部のみが示されている。
図10(a),(b)にみられるように、光電変換部510は、細長い矩形状の開口部515が遮光膜514に形成されている。
<導波管中の電磁波について>
ここで、長辺aおよび短辺bの開口部515を方形導波管に見た立てて、方形導波管中の電磁波について説明する。なお、方形導波管の管壁は完全導体であり、その内部には、誘電率ε、透磁率μの等方かつ均質な媒質が充填されているとする。
一般に、方形導波管の内部を伝搬する電磁波は、TE波(Transverse Electric Wave)またはTM波(Transverse Magnetic Wave)となることが知られている。
ここで、TE波(またはH波とも呼称する)とは、伝搬方向の電界がゼロである電磁波を指し、TM波(またはE波とも呼称する)とは、伝搬方向の磁界がゼロである電磁波を指す。
以下、TE波およびTM波について個別に説明する。なお、導波管の長辺aに沿う方向をx方向、短辺bに沿う方向をy方向、TE波またはTM波が導波管の内部を伝搬する方向をz方向として、各方向の電磁界の成分をEx,Ey,Ez,Hx,Hy,Hzと記す。また、角周波数をωとし、z方向の波数をγとする。
<TE波の場合>
先ず、導波管の内部を伝搬する電磁波がTE波である場合には、z方向の磁界Hzは、以下の式(9)で示される波動方程式を満たす。
Figure 0004287320
さらに、完全導体壁面では電界の接線成分がゼロである境界条件を示す式(10)のもとで式(9)を解いて求められた式(11)(Hz)から、導波管の断面内の電磁界は、式(12)で示される。なお、m,nは、同時にゼロにならない非負の整数である。
Figure 0004287320
以下、TE波に属する固有モードをTEモードあるいはHモードと呼称し、m,nに対応する固有モードをTEmnモードあるいはHmnモードと呼称する。
ここで、固有モードとは、Ex,Ey,Ez,Hx,Hy,Hzの組を指す。なお、固有モードに対するkcを固有値(または遮断定数)と呼称する。
<TM波の場合>
次に、導波管の内部を伝搬する電磁波がTM波である場合には、z方向の電界Ezは、以下の式(13)で示される波動方程式を満たす。
Figure 0004287320
さらに、完全導体表面における電界がゼロである境界条件を示す式(14)のもとで式(13)を解いて求められた式(15)(Ez)から、導波管の断面内の電磁界は、式(16)で示される。なお、m,nは、正の整数である。
Figure 0004287320
以下、TM波に属する固有モードをTMモードあるいはEモードと呼称し、m,nに対応する固有モードをTMmnモードあるいはEmnモードと呼称する。
<導波管の伝送特性>
続いて、導波管の伝送特性について説明する。
方形導波管においてTEmnモードおよびTMmnモードの遮断波長λc(mn)は、以下の式(17)で示される。そして、式(17)で示される様に、固有モードごとに特定される遮断波長λc(mn)以下の光であれば、開口部515を通過し得る。これから、開口部515は、多重モード導波管とみなされる。
ここで、多重モード導波管とは、複数の固有モードが伝搬可能な領域で用いられる導波管を指す。
Figure 0004287320
しかしながら、高次モードの光が開口部515を通過しても、受光素子が感度を有する波長範囲における最短波長(270nm)未満の光であるならば、受光素子で受光されないことにより、開口部515を通過しなかったことと等価である。
ここで、高次モードとは、遮断波長が最も長くなる固有モード(以下、基本モードと呼称する)以外の固有モードを指す。
また、式(17)において、m,nはTEモードに対しては同時にゼロにならない正の整数であり、TMモードに対してはともに正の整数である。さらに、長辺aと短辺bとの間でa>bの関係を満たすことにより、式(18)で示されるように、TE10が基本モードになる。そして、式(18)で示される様に、基本モードで導波管の中を伝搬する光(電磁波)は、ある一方向の成分に限られることが示される。
Figure 0004287320
そこで、式(17)において、開口部515を通過し得る第1高次モードの光の波長を最短波長未満とするように短辺bを設定すれば、基本モードの光のみが受光素子で受光されることにより、開口部515は、単一モード導波管とみなし得る。さらに、入射光の偏光成分を分け得る。
例えば、高次モードの遮断波長λc(mn)および基本モードの遮断波長λc(10)との間に、係数αを用いて以下の式(19)で示される関係式が成り立つとする。また、基本モードの遮断波長λc(10)は、方形導波管の長辺aを用いると、以下の式(20)で示される。そして、式(19)−式(20)を式(17)に代入すると、方形導波管の短辺bと長辺aとの間に、以下の式(21)で示される関係式が導出される。
Figure 0004287320
例えば、外部から絶縁膜16を介して赤外線(780nm)未満の光が開口部515に入射し通過する場合には、屈折率(Nr=1.46)を考慮して、λc(10)を780nmとし、λc(11)を390nmとして、式(19),(20)にそれぞれを代入すると、開口部515の長辺aが約267.12nmに対して、短辺bが約154.22nm未満であるならば、390nm以上780nm未満の領域に対して開口部515が単一モード導波管として機能することが示される。また、赤色光の波長(610nm)未満の光が開口部515に入射し通過する場合には、開口部515の長辺aが約208.90nmに対して、短辺bが約173.70nm未満であるならば、390nm以上610nm未満の領域に対して開口部515が単一モード導波管として機能することが示される。同様に、緑色光の波長(540nm)未満の光が開口部515に入射し通過する場合には、開口部515の長辺aが約184.93nmに対して、短辺bが約184.93nm未満であるならば、390nm以上540nm未満の領域に対して開口部515が単一モード導波管として機能することが示される。さらに、青色光の波長(450nm)未満の光が開口部515に入射し通過する場合には、開口部515の長辺aが約154.11nmに対して、短辺bが約154.11nm未満であるならば、390nm以上450nm未満の領域に対して開口部515が単一モード導波管として機能することが示される。
<実施の形態5のまとめ>
以上のように、開口部を細長い矩形状にすることによって、長辺の寸法に応じた電界を持つ光の偏光成分が受光素子12に集められる。これは、一般に、開口部の長辺方向に電界を持つ光は、短辺方向に電界を持つ光よりもが通過し易いからである。これにより、開口部の短辺の寸法によって、入射する光の偏光成分を分けることができ、光の乱反射による擬似信号の防止や、所望の偏光された光のみが受光素子12で受光され、色信号の混色防止や偏光精度が高められ、高画質化が実現され得る。
<実施の形態5におけるその他>
なお、開口部515の長辺の寸法は、赤外線遮断寸法、赤色光遮断寸法、緑色光遮断寸法のいずれか1種類としてもよい。また、1種類の開口部の代わりに、長辺の寸法がそれぞれ異なる3種類の開口部を、それぞれの画素部に配置するとしてもよい。これにより、光電変換部510は、偏光の選択性が改善され、かつ実施の形態2において説明した光電変換部210の様に、3種類(三原色)の色信号が生成される。
なお、長辺の方向がそれぞれ異なる2種類の開口部が遮光膜514に形成され、形成された2種類の開口部がそれぞれの受光素子12の上方に配置されるとしてもよい。これにより、それらの受光素子12で偏光成分の異なる光が受光され得る。
なお、実施の形態3において説明した光電変換部310の様に、一つの受光素子に対して、開口部が複数形成されているとしてもよい。
また、実施の形態4において説明した光電変換部410の様に、2種類の開口部が複数形成されるとしてもよい。この際に、短辺が同一であるとしてもよいし、異なるとしてもよい。

<実施の形態6>
以下、本発明の実施の形態6について、図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態2と同一の構成要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。
<実施の形態6の概要>
実施の形態2においては、各色のカラーフィルタ217r,217g,217bを透過した光のうち、それぞれの色を再現する際に不要とされる光を、それぞれの遮断寸法が異なる3種類の開口部で遮断することに主眼が置かれていた。実施の形態6においては、各色のカラーフィルタ217r,217g,217bが省かれて、その代わりに、遮断寸法がそれぞれ異なる3種類の開口部を通過した光から光電変換された電気信号に信号処理を施して、それぞれの色を再現する際に必要とされるRGB形式の信号を生成することに主眼が置かれる。
以上の点を踏まえて、実施の形態6における固体撮像装置について説明する。
<実施の形態6における固体撮像装置>
図11は、実施の形態6における固体撮像装置の構成を示す機能ブロック図である。
同図にみられるように、固体撮像装置601は、光電変換部610、信号増幅部620、A/D変換部630、信号処理部640とから構成される。
光電変換部610は、実施の形態2で示された光電変換部210からカラーフィルタが省かれたものであり、遮断寸法がそれぞれ異なる開口部を通過した光から光電変換された電気信号を、開口部の遮断寸法ごとに分けて、信号増幅部620に出力する。
図12(a)は、実施の形態6の固体撮像装置における光電変換部を上面から見た上面図であり、(b)は、切断面F−F'を矢印方向に向かって見た断面図である。
なお、図中では、簡略化して、光電変換部610を構成する多数の画素部のうち一部(水平垂直2×2)の画素部のみが示されている。
図12(a),(b)にみられるように、光電変換部610は、光電変換部210と比べて、絶縁膜16を挟んで、遮断寸法がそれぞれ異なる開口部215r,215g,215bの上方に設けられるカラーフィルタ217r,217g,217bが省かれている点が異なる。なお、絶縁膜16も、省かれるとしてもよい。
以下、赤外線遮断寸法の開口部が上方に設けられた受光素子によって光電変換されて生成された電気信号をLICとし、赤色光遮断寸法の開口部が上方に設けられた受光素子によって光電変換されて生成された電気信号をLRCとし、緑色光遮断寸法の開口部が上方に設けられた受光素子によって光電変換されて生成された電気信号をLGCとする。そして、光電変換部610から信号増幅部620に出力される各信号を、LIC,LRC,LGCで表記する。
信号増幅部620は、信号を増幅する増幅器であり、光電変換部610から出力された信号(LIC,LRC,LGC)を増幅してA/D変換部630に出力する。
以下、LICを増幅した信号をALICとし、LRCを増幅した信号をALRCとし、LGCを増幅した信号をALGCとする。そして、信号増幅部620からA/D変換部630に出力される各信号をALIC,ALRC,ALGCで表記する。
A/D変換部630は、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器であり、信号増幅部620から出力された信号(ALIC,ALRC,ALGC)をデジタル信号に変換して信号処理部640に出力する。
以下、ALICから変換されたデジタル信号をDLICとし,ALRCから変換されたデジタル信号をDLRCとし,ALGCから変換されたデジタル信号をDLGCとする。そして、A/D変換部630から信号処理部640に出力される各信号をDLIC,DLRC,DLGCで表記する。
信号処理部640は、デジタル信号を処理するDSP(Digital Signal Processor)であり、A/D変換部630から出力されたデジタル信号(DLIC,DLRC,DLGC)をRGB表色系で示される赤色信号、緑色信号、青色信号に変換して出力する。
以下、DLIC,DLRC,DLGCから、差分処理、補正処理などを施して変換されるRGB表色系で示される赤色信号をRとし、緑色信号をGとし、青色信号をBとする。そして、信号処理部640から出力される各信号をR,G,Bで表記する。
<信号処理部の詳細な構成>
さらに、信号処理部640は、差分行列保持部641、色信号生成部642、補正行列保持部643、及び色信号補正部644とから構成される。
差分行列保持部641は、差分係数から構成される行列(以下、差分行列と呼称する)が保持されている。
ここで、差分係数とは、各信号(DLIC,DLRC,DLGC)に対して差分が取られて色信号が生成されることが示される係数を指す。
色信号生成部642は、差分行列に基づく行列演算を施して、信号処理部640に入力された信号(DLIC,DLRC,DLGC)を、RGB表色系で示される色信号(R,G,B)に変換する。
補正行列保持部643は、補正係数から構成される行列(以下、補正行列と呼称する)が保持されている。
ここで、補正係数とは、各色信号(R,G,B)に対して色補正が施されることが示される係数を指す。
色信号補正部644は、補正行列に基づく行列演算を施して、色信号生成部642で変換された色信号(R,G,B)を理想とされる色信号に補正する。なお、具体的には、カラーテレビやカラー写真などで用いられている色補正であり、詳細な説明は省略する。
以上、RGB表色系の色信号の種類をMとし、信号処理部640に入力される信号の種類をNとすると、差分行列は、M×N行列で示され、補正行列は、M×M行列で示される。
<差分行列の例>
ここで、差分行列の構成例について説明する。なお、説明するにあたり、以下の条件1〜条件5を満たすものとする。
(条件1)受光素子で受光される光は、特定の波長に規格化された光とする。
(条件2)その波長および光量は、受光素子の上方に設けられた開口部の寸法に応じて異なる。
(条件3)規格化された光は、赤色光、緑色光、青色光を加法混色して得られるとする。
(条件4)受光素子で光電変換される電気信号は、規格化された光の波長および受光量とから特定されるとする。
(条件5)紫外線は、固体撮像装置の封止ガラスなどによって減衰され、ほとんど受光されないとする。
また、色信号生成部642において、RGB表色系で示される色信号(R,G,B)からなる列ベクトルは、以下の式(22)で示されるように、信号処理部640に入力された信号(DLIC,DLRC,DLGC)からなる列ベクトルに、差分行列保持部641で保持されている差分行列[D]を掛けて得られる。
Figure 0004287320
以上、前述の条件1〜条件5に基づくと、信号処理部640に入力された信号(DLIC,DLRC,DLGC)からなる列ベクトルは、以下の式(23)で示されるように、RGB表色系で示される色信号(R,G,B)からなる列ベクトルに、重み行列[W]を掛けて表される。なお、重み行列[W]のそれぞれの要素は、0以上1以下の正の値とする。
Figure 0004287320
ここで、赤外線遮断寸法の開口部が上方に設けられた受光素子で光電変換されて生成される電気信号には、赤外線の寄与がないとする。同様に、赤色光遮断寸法の開口部が上方に設けられた受光素子で光電変換されて生成される電気信号には、赤色光の寄与がないとする。また、緑色光遮断寸法の開口部が上方に設けられた受光素子で光電変換されて生成される電気信号には、緑色光の寄与がないとする。そして、寄与がない光に対しては重みもないものとすると、W21,W31,W32が0になる。
そして、以上の式(23)を、RGB表色系で示される色信号(R,G,B)からなる列ベクトルについて解くと、以下の式(24)で示される差分行列[D]が得られる。
Figure 0004287320
ここで、以上の式(24)から、D11,D22,D33は、正の値であることが示され、D12,D23は、負の値であることが示される。また、D21,D31,D32は0の値であることが示されている。
また、図6または図9などで示された理想に近い分光特性が得られる場合には、即ち、W13およびW23の重みが非常に小さくなり、D13はほぼ0の値になる。そして、この場合には、信号処理部640に入力される信号(DLIC,DLRC,DLGC)に対して、2つの信号間の差分を取るだけで、RGB表色系で示される色信号(R,G,B)が生成され得る。
図13は、理想とする分光特性から大きくズレた場合の分光特性を示すグラフである。
同図にみられるように、赤外線遮断寸法の開口部を通過し得る光の分光特性が分光特性曲線651rで示され、赤色光遮断寸法の開口部を通過し得る光の分光特性が分光特性曲線651gで示され、緑色光遮断寸法の開口部を通過し得る光の分光特性が分光特性曲線651bで示されている。
そして、分光特性曲線651r,651g,651bは、実施の形態2または実施の形態4において示された分光特性曲線から分光感度が大きくズレていることが示されている。
しかしながら、実際には、分光特性曲線651r,651g,651bに示されるように、理想に近い分光特性から大きくズレる場合には、即ち、W13およびW23の重みが無視出来なくなり、D13は0の値になるとは限らない。そして、この場合には、2つの信号間の差分をとるだけでは、RGB表色系で示される色信号(R,G,B)が生成され難く、他の信号からの寄与も含める必要がある。
以上、差分行列は、開口部の形状および寸法、受光素子が有する感度などによって特定される係数から構成される。そして、i=1,2,3,・・・として、主に、差分行列の(i,i)成分は正の値で示され、(i,i+1)成分は負の値で示される。
<実施の形態6のまとめ>
以上のように、遮断寸法がそれぞれ異なる開口部が上方に設けられた受光素子から、遮断寸法に応じた信号が出力されて、受光素子から出力された信号を信号処理部640で差分処理を施すことで、カラーフィルタが省かれた固体撮像装置601においても色信号を生成し得る。
尚、本実施の形態の光電変換部610は、実施の形態3で示された光電変換部310からカラーフィルタが省かれたものでもよく、また、実施の形態4で示された光電変換部410からカラーフィルタが省かれたものでもよい。
<実施の形態6におけるその他>
なお、赤外線遮断寸法、赤色光遮断寸法、緑色光遮断寸法、および青色光遮断寸法の開口部を、4個で一組とする受光素子のそれぞれの上方に1種類ずつ設けて、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、及び紫外線(UV)の四色を生成するとしてもよい。その際には、以下の式(25)に示されるように、受光素子から出力される4種類の信号に対して、信号処理部640で差分処理を施して色信号(R,G,B,UV)を生成すればよい。なお、この場合における差分行列は、4×4行列で示される。
ここで、青色光遮断寸法とは、紫外線(380nm)以下の光は通過し得るが青色光の波長(450nm)以上の光は遮断され得るであろう遮断寸法を指す。
Figure 0004287320
また、最長遮断寸法、赤外線遮断寸法、赤色光遮断寸法、及び緑色光遮断寸法の開口部を、4個で一組とする受光素子のそれぞれの上方に1種類ずつ設けて、赤外線(IR)、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の四色を生成するとしてもよい。その際には、以下の式(26)に示されるように、光電変換部610から出力される4種類の信号に対して、信号処理部640で差分処理を施して色信号(IR,R,G,B)を生成すればよい。
Figure 0004287320
また、最長遮断寸法、赤外線遮断寸法、赤色光遮断寸法、緑色光遮断寸法、及び青色遮断寸法の開口部を、5個で一組とする受光素子のそれぞれの上方に1種類ずつ設けて、赤外線(IR)、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、及び紫外線(UV)の五色を生成するとしてもよい。その際には、以下の式(27)に示されるように、光電変換部610から出力される5種類の信号に対して、信号処理部640で差分処理を施して色信号(IR,R,G,B,UV)を生成すればよい。
Figure 0004287320
さらに、一般化して、n種類の遮断寸法の開口部を、n個で一組とする受光素子のそれぞれの上方に1種類ずつ設けて、m色を生成すとしてもよい。その際には、以下の式(28)に示されるように、光電変換部610から出力されるn種類の信号から、信号処理部640で差分処理を施して、m色の色信号を生成すればよい。なお、この場合における差分行列は、m×n行列で示される。
Figure 0004287320
なお、以下の式(29)で示されるように、色信号生成部642で変換された色信号(R,G,B)を、さらに、補色系の信号(Cy,Mg,Y,G)に変換するとしてもよい。
Figure 0004287320
なお、固体撮像装置601は、光電変換部610、信号増幅部620、A/D変換部630、及び信号処理部640が1チップに集積された素子としてもよいし、それぞれが個別に集積された素子から構成されるとしてもよい。
なお、実施の形態3において説明した光電変換部310の様に、一つの受光素子に対して、開口部が複数形成されているとしてもよいし、さらに、実施の形態4において説明した光電変換部410の様に、2種類の開口部が複数形成されるとしてもよい。
なお、予め差分行列に補正行列を乗算した行列を差分行列保持手段641で保持し、色補正まで施された色信号が色信号生成部642で生成されるとしてもよい。そして、生成された色信号をそのまま外部に出力するとしてもよい。
<実施の形態7>
以下、本発明の実施の形態7について、図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態6と同一の構成要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。
<実施の形態7の概要>
実施の形態6においては、各色のカラーフィルタ217r,217g,217bが省かれて、その代わりに、遮断寸法がそれぞれ異なる3種類の開口部を通過した光から光電変換されて生成された電気信号に信号処理を施して、それぞれの色を再現する際に必要とされるRGB形式の信号を生成することに主眼が置かれていた。実施の形態7においては、より多くの光が開口部に取り込まれることに主眼が置かれる。
以上の点を踏まえて、実施の形態7における固体撮像装置について説明する。
<実施の形態7における固体撮像装置の構成>
図14(a)は、実施の形態7の固体撮像装置における光電変換部を上面から見た上面図であり、(b)は、切断面G−G'を矢印方向に向かって見た断面図である。
なお、図中では、簡略化して、光電変換部710を構成する多数の画素部のうち一部(水平垂直2×2)の画素部のみが示されている。
図13(a),(b)にみられるように、光電変換部710は、遮光膜214の上面に、開口部215rを覆うマイクロレンズ719rと、開口部215gを覆うマイクロレンズ719gと、開口部215bを覆うマイクロレンズ719bとが形成されている。
<実施の形態7のまとめ>
以上のように、遮光膜214の上面に開口部を覆うマイクロレンズを形成することによって、遮光膜214上の光も開口部に集められて、より多くの光量が受光素子で受光され、高感度化が実現され得る。
<実施の形態7におけるその他>
なお、実施の形態3および実施の形態4において説明した光電変換部310および光電変換部410の様に、一つの受光素子に対して複数の開口部が形成される場合には、一つの受光素子にたいして形成された複数の開口部を全て覆う一つのマイクロレンズが遮光膜214の上面に形成されるとしてもよいし、それぞれの開口部を覆う複数のマイクロレンズが形成されるとしてもよい。
なお、マイクロレンズの大きさは、開口部の大きさに応じて異なるとしてもよいし、一律の大きさとしてもよい。
<実施の形態8>
以下、本発明の実施の形態8について、図を参照しながら説明する。
<実施の形態8の概要>
本実施の形態に係る発明は、分光装置である。
図18は、従来から使用されている、プリズムを利用した分光装置の一構成例である。
プリズムを利用した分光装置においては、プリズム1002の屈折率が波長により異なることから、入射光1001がプリズム1002を通過することで、入射光1001を波長ごとに分けることができる。
例では、プリズム1002を通過した光1003が、プリズムから離れた場所に置かれた分光表示板1004にあたる位置座標1005によって、入射光1001の波長を決定している。分光表示板1004の位置座標1005Rに光があたれば、入射光1001は赤、位置座標100Gならば緑、位置座標1005Bならば青であるようにである。
しかし、このような分光装置は、波長を正確に特定することが難しい。というのは、分光表示板にあたる光の位置座標1005は、入射光101とプリズム1002の角度、プリズム0112と分光表示板1004との距離と角度などの複数の要因によって変わることから、このような分光装置は、複数箇所の調整が必要な操作が微妙なものだからである。
従って、分光装置は、調整箇所が少ないほど簡便なものといえる。
またさらに、固体撮像装置を構成する受光素子の光電変換特性の測定においては、受光素子への入射光の周波数及び量を細かく設定することが必要となることから、分光装置は操作の簡単なものが望ましい。
本実施の形態で説明する分光装置は、従来のプリズムを利用した分光装置に比べ、調整箇所が少なく、操作の簡単な分光装置である。
<実施の形態8における分光装置>
図17(a)は、一種類の光に分光する分光装置の一構成例である。図17(b)は、複数の光に分光する分光装置の一構成例である。
複数に分光する場合は、図17(a)の分光装置を複数個設けて、1つの分光装置を作ることになる(図17(b)参照)。
入射光1001が分光板1010に入射すると、分光板に設けられた開口部1013を所定の波長未満の波長の光が通過する。
開口部1013を通過した光1030は、分光表示板1012に到達する。
例えば、開口部1013が方形でその長辺が約230nmである場合には、開口部を通過した光1030は、青色光の波長(450nm付近の光)以下の波長の光となる。
開口部の形状、寸法と通過する周波数との関係は、実施の形態1の説明の通りである。
尚、分光板1010の材料として、例えば、アルミニウム(AL)やタングステン(W)が使用される。
次に、図17(a)の分光表示板の換わりに、光検出部を備えた図17(b)の分光装置、いわゆる分光測定装置について説明する。
この分光測定装置は、寸法が異なる開口部が1つの分光板に設けられており、各開口部(1051、1052,1053)を通過した光は、光検出器(1061、1062、1063)に到達し、光電変換される。
また、各開口部は、それぞれ異なる波長以下の波長の光を通過させるものとし、各開口部の分光特性は、測定してあるものとする。
分光特性を測定したい光1040を各開口部(1051、1052,1053)に入射し、各開口部を通過した光を各光検出器(1061、1062、1063)で検出し、その検出した各電気信号の相互関係から、光1040の分光特性を求める。
例えば、開口部1051を通過する光の波長が、青色光の波長未満であり、開口部1052を通過する光の波長が、緑色光の波長未満であり、開口部1053を通過する光の波長が、赤色光の波長未満であるとする。
この場合、開口部1051を通過する光の分光特性と、開口部1052を通過する光のうちの青色光の波長未満の光の分光特性が同じ場合には、光検出器1062で検出した電気信号から光検出器1061で検出した電気信号を差し引くことにより、緑色光の波長領域の光強度を求めることが出来る。同様に、光検出器1063で検出した電気信号から光検出器1062で検出した電気信号を差し引くことにより、赤色光の波長領域の光強度を求めることが出来る。
実際には、各開口部を通過する光のうちの一定波長以下の光の分光特性を同一にできるような開口部を作成することは、大変難しい。そこで、一定のマトリックス処理を行うことで、必要な光の光強度を求めることが可能となる。
処理の詳細は、実施の形態6の説明の通りである。
<実施の形態8におけるその他>
(1)本実施の形態の分光装置では、一枚の分光板に開口部を設けているが、開口部ごとに分光板を異なるものにすることとしてもよい。
分光装置が複数の分光板で構成される場合は、きめ細かな調整が出来るという利点がある。一方、分光装置が1枚の分光板で構成される場合には、分光板相互の位置調整を省略することができるという利点がある。
(2)複数の開口部を有し、複数の光に分離する分光装置には、近くの開口部を通過した光と混合しないように、光分離版1011を設けることも有用である。
(3)本実施の形態の分光装置では、ある周波数以下の光を通過させる開口部は1つ設けているが、同じ形態の開口部を複数個設けてもよい。
また更に、異なる形態の開口部を設けることとしてもよい。
開口部を複数設けることで、開口部を通過する光の量を大きくすることができ、分光装置または分光測定装置の光のSN比を改善することができる。実施の形態3の説明の通りである。
また、異なる形態の開口部を組合わせることで、必要とする分光特性に近い光を通すことができるようになる。実施の形態4の説明の通りである。
(4)本実施の形態の分光装置では、開口部は方形であるが、他の形状であってもよい。たとえば、円、スリット等である。
本発明を適用することにより、高画質化を実現しつつ、安価な固体撮像装置、カメラ、分光装置等を提供することができる。また、このように、固体撮像装置等の低コスト化の要請を実現しながら、作成プロセスの簡略化による作成期間の短期化、および歩留まりの向上を実現することができる。
デジタルカメラで用いられる固体撮像装置の概要を示す斜視図である。 (a)は、実施の形態1の固体撮像装置における光電変換部を上面から見た上面図であり、(b)は、切断面A−A'を矢印方向に向かって見た断面図である。 固体撮像装置の主な材質の屈折率の一覧表を示す図である。 実施の形態1における固体撮像装置の分光特性を示すグラフである。 (a)は、実施の形態2の固体撮像装置における光電変換部を上面から見た上面図であり、(b)は、切断面B−B'を矢印方向に向かって見た断面図である。 実施の形態2における固体撮像装置の分光特性を示すグラフである。 (a)は、実施の形態3の固体撮像装置における光電変換部を上面から見た上面図であり、(b)は、切断面C−C'を矢印方向に向かって見た断面図である。 (a)は、実施の形態4の固体撮像装置における光電変換部を上面からみた上面図であり、(b)は、切断面D−D'を矢印方向に向かってみた断面図である。 実施の形態4における固体撮像装置の分光特性を示すグラフである。 (a)は、実施の形態5の固体撮像装置における光電変換部を上面から見た上面図であり、(b)は、切断面E−E'を矢印方向に向かって見た断面図である。 実施の形態6における固体撮像装置の構成を示す機能ブロック図である。 (a)は、実施の形態6の固体撮像装置における光電変換部を上面から見た上面図であり、(b)は、切断面F−F'を矢印方向に向かって見た断面図である。 理想とする分光特性から大きくズレた場合の分光特性を示すグラフである。 (a)は、実施の形態7の固体撮像装置における光電変換部を上面から見た上面図であり、(b)は、切断面G−G'を矢印方向に向かって見た断面図である。 (a)は、従来の固体撮像装置における光電変換部を上面から見た上面図であり、(b)は、切断面J−J'を矢印方向に向かって見た断面図である。 受光素子の分光感度特性および人間の目の感受特性を示すグラフである。 (a)は、一種類の光に分光する分光装置の一構成例であり、(b)は、複数の光に分光する分光装置の一構成例である。 プリズムを利用した分光装置の一構成例である。
符号の説明
1,2,3,4 画素
10 光電変換部
11 半導体基板
12 受光素子
13 絶縁膜
14 遮光膜
15 開口部
16 絶縁膜
17r,17g,17b カラーフィルタ
18 赤外カットフィルタ
51 分光特性曲線
52 視感度曲線
100 デジタルカメラ
101 固体撮像装置
110 光電変換部
114 遮光膜
115 開口部
151 分光特性曲線
152r,152g,152b 分光特性曲線
210 光電変換部
214 遮光膜
215r,215g,215b 開口部
217r,217g,217b カラーフィルタ
251r,251g,251b 分光特性曲線
252r,252g,252b 分光特性曲線
310 光電変換部
314 遮光膜
315r,315g,315b 開口部
410 光電変換部
414 遮光膜
416r,416g,416b 開口部
416r,416g,416b 開口部
451r,451g,451b 分光特性曲線
510 光電変換部
514 遮光膜
515 開口部
601 固体撮像装置
610 光電変換部
620 信号増幅部
630 A/D変換部
640 信号処理部
641 差分行列保持部
642 色信号生成部
643 補正行列保持部
644 色信号補正部
651r,651g,651b 分光特性曲線
710 光電変換部
719r,719g,719b マイクロレンズ
1001、1001、1040 入射光
1002 プリズム
1010 分光版
1011 分離版
1012 分光表示板
1013、1051、1052、1053 開口部
1061、1061、1062、1063 光検出部
1030 通過光

Claims (15)

  1. 受光した光を電気信号に変換する受光素子の上方に絶縁膜を挟んで形成された遮光膜に、当該受光素子が感度を有する波長範囲内における所定の波長以上の光は遮断され、当該所定の波長未満の光は通過するように特定された形状と寸法とを有する開口部が設けられている
    ことを特徴とする固体撮像装置。
  2. 撮像される画像を構成する最小単位である画素ごとに前記受光素子が設けられ、それぞれの受光素子の上方に前記開口部が設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
  3. 前記受光素子は、前記開口部が複数設けられている
    ことを特徴とする請求項に記載の固体撮像装置。
  4. 前記開口部の一部の開口部は所定の波長以上の光は遮断し、当該所定の波長未満の光を通過させ、他の開口部は当該一部の開口部とは異なる所定の波長以上の光は遮断し、当該異なる所定の波長未満の光を通過させる
    ことを特徴とする請求項に記載の固体撮像装置。
  5. 前記開口部は、前記開口部の長手方向の寸法以下の間隔を空けて、長手方向に隣接するように設けられている
    ことを特徴とする請求項に記載の固体撮像装置。
  6. 前記開口部は、前記開口部の長手方向の寸法以上の間隔を空けて、長手方向に隣接するように設けられている
    ことを特徴とする請求項に記載の固体撮像装置。
  7. 前記所定の波長がそれぞれ異なるN(Nは自然数)種類の開口部が、N個の受光素子のそれぞれの上方に1種類ずつ設けられている
    ことを特徴とする請求項に記載の固体撮像装置。
  8. 前記受光素子毎に、前記開口部を覆う1つのマイクロレンズが形成されている
    ことを特徴とする請求項に記載の固体撮像装置。
  9. 前記開口部毎に、前記開口部を覆うマイクロレンズが形成されている
    ことを特徴とする請求項に記載の固体撮像装置。
  10. 前記絶縁膜の膜厚は、前記遮光膜に設けられた開口部において最小となる寸法以上であり、前記受光素子により電気信号に変換すべき光の波長以下である
    ことを特徴とする請求項に記載の固体撮像装置。
  11. 前記開口部の形状が方形であるならば、当該方形の長辺に基づき前記開口部の寸法が特定され、前記開口部の形状が円形であるならば、当該円形の直径に基づき前記開口部の寸法が特定される
    ことを特徴とする請求項に記載の固体撮像装置。
  12. 前記所定の波長は、前記開口部の上面に形成された媒質内での近赤外光、赤色光、緑色光、青色光のいずれかの波長である
    ことを特徴とする請求項に記載の固体撮像装置。
  13. それぞれの受光素子の上方に設けられている開口部の形状は、細長い矩形状であり、それらの長手方向は、一方向に揃えられている
    ことを特徴とする請求項2に記載の固体撮像装置。
  14. それぞれの受光素子の上方に設けられている開口部の形状は、細長い矩形状であり、それらの長手方向は、画素ごとに、第1の方向と、第1の方向と交差する第2の方向とのうちいずれか一つの方向に向いている
    ことを特徴とする請求項2に記載の固体撮像装置。
  15. 受光した光を電気信号に変換する受光素子の上方に絶縁膜を挟んで形成された遮光膜に、当該受光素子が感度を有する波長範囲内における所定の波長以上の光は遮断され、当該所定の波長未満の光は通過するように特定された形状と寸法とを有する開口部が設けられ、撮像される画像を構成する最小単位である画素ごとに当該受光素子が設けられ、それぞれの受光素子の上方に当該開口部が設けられている固体撮像装置
    を備えることを特徴とするカメラ。
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