JP4185033B2 - 自動車用ドアチェッカ - Google Patents
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図9は、従来の技術の基本構成を説明する図であり、従来の自動車用ドアチェッカCは、ボデイに取付けたチェックプレート201を、ドアDに取付けたケース202内のチェックスプリング203,203や合成樹脂製シュー204,204で押えることで、ドアDをどのような開度でも停止、保持することができるというものである。
また、合成樹脂製シュー204では、ドアDを開閉する際の条件によって、シュー204の揺動のばらつきは大きくなりがちで、粗面な平坦面205に連ねて転がり面207,207を滑面に形成しても、開閉の際に必ずしも転がり面207がチェックプレート201に接触しているとは限らない。つまり、粗面と滑面の境界位置の設定が難しかった。
図1は、本発明の自動車用ドアチェッカを採用したドアの説明図である。
ドア11は、自動車12の右ドアで、インナパネル13と、インナパネル13の前端14に取付けたヒンジ15,16と、ドアチェッカ17とを備え、ドア開度をθ(図2参照)としたときに、ドア開度θを、ほぼ90°に設定したものである。
ヒンジ15,16及びドアチェッカ17を自動車12のサイドボデー21に取付けることで、サイドボデー21に右ドア11を取付ける。
なお、ドア開度θをほぼ90°に設定したが、開度θの値は任意であり、例えば70°に設定してもよい。
ドアチェッカ17は、具体的には、サイドボデー21にブラケット22の取付け部26をボルト27で取付け、取付け部26に連ねて形成した支持部31にチェックプレート23の基端部32を回動自在にピン33で連結し、右ドア11を構成するインナパネル13の前端14の裏面34にシール材35を用いて押圧機構24をボルト36,36(図1参照)で取付け、チェックプレート(アーム部材)23の先端にストッパ部材37を取付けたもので、ストッパ部材37に押圧機構24が当たるまで右ドア11を開くと、ドア開度θは、ほぼ90°となった状態で止まる。
「開閉の中途」とは、ドア開度θが90°以下の場合で、例えば、ドア開度θが60°である。
ストッパ部材37は、金属製のベース部材42に緩衝部材43を取付けたもので、チェックプレート23の芯帯板38の先端に取付けられて、押圧機構24が当たることで、ほぼ90°開いた右ドア(ドア)11を停止させる。
押圧機構24は、対称中心線Sを基準に対称であり、対称中心線Sより図の上側は、チェックプレート(アーム部材)23に沿って移動自在(矢印a1の方向)に配置したホルダ44と、ホルダ44に回転自在(図5の矢印a2の方向)に支点軸45で軸支したカム部材46と、カム部材46をチェックプレート(アーム部材)23に押圧する弾性手段47と、カム部材46がチェックプレート(アーム部材)23を押して右ドア(ドア)11を保持する回転位置をカム部材46の中立位置48としたときに、中立位置48から回されたカム部材46を中立位置48に戻すカム中立保持手段51と、を備え、カム部材46は、チェックプレート(アーム部材)23を押す凸輪郭部52,52(図5参照),52(図5参照)と、凸輪郭部52,52,52に連ねて形成した凹輪郭部53,53(図5参照),53(図5参照)を備え、回転軸心54から凸輪郭部52,52,52までの半径ru(図5、図7(b)参照)より回転軸心54から凹輪郭部53,53,53までの半径rd(図5参照)を小さくしたものである。55はケース、Lcは回転軸心54から押え層41までの距離を示す。
回転位置とは、カム部材46が回動する角度δ(図7参照)の範囲内の何れかの位置である。
回転位置の中立位置48とは、凸輪郭部52がチェックプレート(アーム部材)23に直交する位置であり、角度δが0(ゼロ)の位置である。つまり、図3に示す状態である。
また、カム中立保持手段51はスライダ58を備え、スライダ58は、ホルダ44にスライド自在(矢印a3の方向)に嵌り、弾性手段47の第1の弾性体61の力をカム押し部材57に伝える。具体的には後述する。
弾性手段47は、カム押し部材(ボール)57をチェックプレート23側(図右の矢印a4の方向)へ押す第1の弾性体61を備えた。
第1の弾性体61は、例えば、圧縮ばねである。なお、第1の弾性体61は圧縮ばね以外のばねやゴムを採用することも可能であり、任意である。
第2の弾性体62は、例えば、圧縮ばねである。なお、第2の弾性体62は圧縮ばね以外のばねやゴムを採用することも可能であり、任意である。
押圧機構24は、既に説明したが、ドア(右ドア)11にケース55を取付け、ケース55にチェックプレート23を通し、ケース55内にホルダ44,44をスライド自在(矢印a3の方向)に収め、ホルダ44,44にそれぞれカム部材46,46を支点軸45,45で取付け、カム部材46,46の凹輪郭部53,53のガイド凹部56,56にボール(カム押し部材)57,57を嵌め、ホルダ44,44にそれぞれスライダ58,58を嵌めてボール(カム押し部材)57,57に接触させ、スライダ58,58とケース本体63との間にそれぞれ圧縮ばね(第1の弾性体)61,61を取付け、ホルダ44,44とケース本体63との間にそれぞれ圧縮ばね(第2の弾性体)62,62を取付け、カム部材46,46でチェックプレート23の樹脂製の押え層41を押圧する。
凸輪郭部52,52,52は、奇数だけ形成するとともに等角度αに形成したものである。等角度αは、この例では、α=120°である。なお、奇数を5に設定すると、当然、α=72°である。
頂点部71は、半径r1で形成したアール(R)部である。頂点部71を半径r1のR部に形成することで、押え層41の摩耗を抑制することができる。
凸輪郭部52は、表面あらさを中程度(例えば、25Ra)に設定した。
凹輪郭部53は、表面あらさを、凸輪郭部52と同じく中程度(例えば、25Ra)に設定した。つまり、アーム部材を押さえる凸輪郭部52の摩擦係数とアーム部材の面を滑る凹輪郭部53の摩擦係数は同じである。
凹輪郭部53,53,53には、それぞれガイド凹部56・・・(・・・は複数を示す。以下同様。)を形成した。
カム部材46に3個の凸輪郭部52,52,52を形成したが、カム部材46に1個の凸輪郭部52を形成することも可能である。
ホルダ44は、既に前述したように、ドアの開閉動作とともに矢印a1の方向に移動しつつ案内部77・・・でチェックプレート(アーム部材)23をドア開度θ(図2参照)だけ回動する。
図6は、本発明の自動車用ドアチェッカの全閉作動の状態を示す図である。
ドア(右ドア)11を全開の状態から閉じる場合、ドア11とともに押圧機構24は距離Ldだけ移動する。その際、チェックプレート23の薄肉部85に押圧機構24が達すると、第2の弾性体(圧縮ばね)62,62によってホルダ44,44は矢印a6,a6のように移動するので、カム部材46,46はチェックプレート23に接触し続けると同時に、チェックプレート23を押し続ける。
また、ドア(右ドア)11を開閉する中途、例えば、距離Leの位置で右ドア11を停止すると、押圧機構24のカム部材46,46はチェックプレート23を押し付けて、右ドア11を保持する。
図7(a)〜(c)は、本発明の自動車用ドアチェッカの作用図であり、(a)はドア11を保持した状態で、例えば、閉めた状態や開けた状態を示す。(b)は開け動作中のドア11を示し、(c)は停止直前の状態を示す。図3を併用して説明する。
図8(a),(b)は、別の実施の形態図であり、図4に対応する図である。(a)はカム押し部材57Bの斜視図、(b)はカム押し部材57Bを用いた押圧機構24Bの断面図である。上記図2〜図5に示す実施の形態と同様の構成については、同一符号を付し説明を省略する。
押圧機構24Bのカム中立保持手段51Bはローラー57Bとガイド凹部56Bとからなる。
カム部材46Bは、凹輪郭部53(図5参照)にローラー57Bの所望の面積に接触するガイド凹部56Bを有する。
スライダ58Bは、円柱部82の端面にローラー57Bの所望の面積に接触する溝部85Bを有する。
Claims (6)
- 自動車のサイドボデーとドア間にアーム部材を配置し、アーム部材を押圧機構で押さえることで、開閉の中途で停止したドアを保持する自動車用ドアチェッカにおいて、
前記押圧機構は、アーム部材に沿って移動自在に配置したホルダと、ホルダに回転自在に軸支したカム部材と、カム部材をアーム部材に押圧する弾性手段と、カム部材がアーム部材を押す回転位置をカム部材の中立位置としたときに、中立位置から回されたカム部材を中立位置に戻すカム中立保持手段と、を備え、
前記カム部材は、中立位置にあるときに、アーム部材を押す凸輪郭部と、凸輪郭部に連ねて形成した凹輪郭部を備え、回転軸心から凸輪郭部までの半径より回転軸心から凹輪郭部までの半径を小さくしたことを特徴とする自動車用ドアチェッカ。 - 前記カム中立保持手段は、凹輪郭部の中央に形成したガイド凹部と、ガイド凹部に嵌るとともに弾性手段からの力が伝達されるカム押し部材とからなることを特徴とする請求項1記載の自動車用ドアチェッカ。
- 前記凸輪郭部は、奇数だけ形成するとともに等角度に形成したことを特徴とする請求項1記載の自動車用ドアチェッカ。
- 前記奇数は、3としたことを特徴とする請求項3記載の自動車用ドアチェッカ。
- 前記弾性手段は、カム押し部材をアーム部材側へ押す第1の弾性体を備えたことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の自動車用ドアチェッカ。
- 前記弾性手段は、ホルダをアーム部材側へ押す第2の弾性体を備えたことを特徴とする請求項1記載の自動車用ドアチェッカ。
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