JP4184855B2 - 溶鋼中のCr量調整方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、転炉におけるCr添加方法に関するものであり、高Cr鋼を製造する場合でも、少量スラグ下で行う精錬操業に支障をきたすことなく、高いCr歩留りで溶鋼中のCr量を確保することのできる、有用なCr添加方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
転炉操業工程で溶鋼にCrを添加する方法として、精錬後にFe−Cr系合金を添加する方法が挙げられる。しかし該Fe−Cr系合金は高価であり、かつFe−Cr系合金の一部は、吹錬時に酸化されてスラグ(Cr2O3)となるためCr歩留りが悪く経済的でない。
【0003】
そこで、該Fe−Cr系合金の代わりに安価なCr鉱石を用いることが提案されている。特許文献1には、スラグ中の酸化Crの還元回収において、該還元反応に用いるFe−Siの脱炭、脱窒処理等への悪影響を抑制するため、溶融還元精錬時のスラグ塩基度、スラグ中残留炭素、溶鉄中炭素および溶鉄温度を制御するとともに、精錬終了後のSi量を一定範囲内にしてスラグ中の酸化クロムを回収することが提案されている。
【0004】
また、リサイクルされた酸化クロム含有スラグやクロム鉱石等の酸化クロム原料を用いてステンレス鋼を製造するにあたり、該スラグやクロム鉱石からクロムを効率良く回収する方法が提案されている(例えば、特許文献2〜9)。
【0005】
特許文献10には、溶融還元炉と脱炭炉の2炉を用いずに、炭素還元のみによるクロム未溶解の問題を解消し、脱炭期で用いる造滓剤を低減することができる方法が示されている。また特許文献11には、転炉吹酸脱炭精錬におけるクロム酸化抑制方法として、脱炭初期から中期おける、添加したフェロクロム合金鉄の酸化を効果的に抑制するとともに、脱炭後期で生成したクロム酸化物を溶鋼中に還元回収するための方法が提案されている。
【0006】
特許文献12には、スラグに含まれる酸化クロムを効率良く還元してクロム合金のコストを低減し、スラグの膨張性等の品質を改善して資源化を可能にする方法が示されている。
【0007】
上記技術では、スラグ等の酸化クロムをCr源として有効利用すべく、該スラグやCr鉱石の還元により溶銑中のCr量を確保する方法を検討したり、該Cr鉱石の還元反応の際に生じる問題の解決を図っている。しかしこの様にスラグやCr鉱石のみ使用して溶鋼中のCr量を調整する場合、該Cr量を高めるべくCr鉱石の添加量等を増加させると、スラグ量が増加してCr歩留りが低下する他、該スラグの増加によりフォーミング等が生じて精錬操業に支障をきたす。従って、高いCr歩留りで溶鋼中のCr量を効率よく高めるには更なる改善が求められる。
【0008】
【特許文献1】
特公平4−31015号公報
【特許文献2】
特許第2947063号公報
【特許文献3】
特開平10−46225号公報
【特許文献4】
特開平7−216429号公報
【特許文献5】
特開平8−295914号公報
【特許文献6】
特開平9−31514号公報
【特許文献7】
特開平9−31515号公報
【特許文献8】
特開平9−67608号公報
【特許文献9】
特開平9−87722号公報
【特許文献10】
特開平8−319508号公報
【特許文献11】
特開平11−172317号公報
【特許文献12】
特開2001−294926号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この様な事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、高Cr鋼を製造する場合においても、転炉での少量スラグ下で行う精錬操業に支障をきたすことなく、高いCr歩留りで溶鋼中のCr量を調整することのできる、有用なCr添加方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る転炉におけるCr添加方法とは、吹錬開始後にCr酸化物を添加し、且つ該Cr酸化物の添加後にCr含有合金鉄を投入するところに特徴を有し、前記Cr酸化物として、Cr鉱石またはCr含有スラグを使用することができる。また、
(A)前記Cr酸化物を投入した後、下記式(1)を満たす量(V)の酸素を供給してから前記Cr含有合金鉄を投入し、かつ
(0.28×S−3)≦V≦(0.28×S+10) (但しV≧0) …(1)
{式(1)中、
V:Cr酸化物投入後Cr含有合金鉄投入までの酸素供給量(Nm3/t)
S(%)=[(投入Cr酸化物中のFeO・Cr2O3を形成するCr2O3質量)/
(投入全Cr酸化物をCr2O3と仮定した場合のCr2O3質量)]×100}
(B)Cr含有合金鉄の投入後に酸素を2〜10Nm3/t(Nは標準状態を意味し、tは溶鋼1トンあたりを意味する。以下同じ)供給して吹錬を終了するのがよい。
【0011】
また、前記Cr酸化物の投入量は、Cr純分換算で、下記式(2)を満たすようにするのがよい。
Cr酸化物の投入量(kg/t)=炉内スラグ量(kg/t)×1.46×BCr 2 O 3…(2)
(但し、BCr 2 O 3はスラグ中のCr2O3濃度の最適必要増加分を示し、2〜15質量%の範囲内とする)
尚、前記「Cr歩留り」とは、吹錬において転炉に装入されるCr分のうち、吹止時の溶鋼中に歩留るCr分、即ち[鋼浴中のCr(kg/チャージ)]/[(添加Cr合金鉄+Cr酸化物+溶銑+スクラップ)に含まれるCr(kg/チャージ)]×100(%)をいうものとする(以下、同じ)。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、少量スラグ下で行う転炉精錬で、Cr含有物を添加して溶鋼中のCr量を調整するに際し、比較的Cr濃度の高い鋼を製造する場合でも該操業に支障をきたすことなく、高Cr歩留りで溶鋼中のCr量を調整することのできる方法を確立すべく様々な角度から検討を行った。
【0013】
その結果、特に、
▲1▼従来のようにCr酸化物のみまたはCr含有合金鉄のみを使用するのではなく、酸素吹き込み開始後にCr酸化物を予め投入してスラグ中のCr2O3量を確保した上で、Cr含有合金鉄を投入することが重要であること、
▲2▼Cr歩留りを飛躍的に高めるには、これらCr酸化物とCr含有合金鉄の投入時期としてそれぞれ最適なタイミングが存在すること、具体的には、目標とするCr濃度に応じてスラグ中のCr2O3濃度を適正範囲まで高めた時点で、Cr含有合金鉄を投入するのがよいこと、
▲3▼Cr酸化物は、所定量を投入するのがよいこと
を見出し上記本発明に想到した。以下、本発明で上記要件を規定した理由について詳述する。
【0014】
本発明者らは、上述の通り、Cr酸化物とCr含有合金鉄を併用し、吹錬開始後に(好ましくは吹錬中期以降に)Cr酸化物を予め投入して、溶鋼の目標Cr量と熱平衡状態にあるスラグ中のCr2O3量を確保した上でCr含有合金鉄を投入すれば、精錬操業に支障をきたすことなく高Cr鋼を高Cr歩留りで製造できるとの知見を得た。
【0015】
特にCr歩留りを飛躍的に高めるには、これらCr酸化物とCr含有合金鉄の投入時期としてそれぞれ最適なタイミングが存在し、Cr酸化物およびCr含有合金鉄は、下記の条件を満たすよう投入するのがよいことがわかった。
【0016】
(A)Cr含有合金鉄は、前記Cr酸化物を投入した後、下記式(1)を満たす量(V)の酸素を供給してから投入するのがよい。
【0017】
(0.28×S−3)≦V≦(0.28×S+10) (但しV≧0) …(1)
{式(1)中、
V:Cr酸化物投入後Cr含有合金鉄投入までの酸素供給量(Nm3/t)
S(%)=[(投入Cr酸化物中のFeO・Cr2O3を形成するCr2O3質量)/
(投入全Cr酸化物をCr2O3と仮定した場合のCr2O3質量)]×100}
本発明で扱うCr酸化物として、Cr2O3の他に、耐火物としても使用される化学的に非常に安定なFeO・Cr2O3や、これらCr2O3とFeO・Cr2O3の混合物が主要なものとして挙げられる。前記FeO・Cr2O3を投入してスラグ中のCr2O3量を確保するには、下記化学式(3)に示す通り、FeOとの分離反応が必要であり、Cr2O3単体を添加する場合よりも、下記化学式(3)の反応を経る分、スラグ中のCr2O3濃度を高めるのに時間を要する。
【0018】
FeO・Cr2O3→FeO+Cr2O3 …(3)
従って投入するCr酸化物が、Cr2O3を多く含みFeO・Cr2O3の割合が小さいものである場合には、スラグ中のCr2O3濃度を最適値まで早期に高めることができるが、Cr酸化物が、Cr2O3が少なくFeO・Cr2O3の割合が大きいものである場合には、スラグ中のCr2O3量確保に時間を要する。
【0019】
この様に、投入するCr酸化物中のFeO・Cr2O3の割合によって、スラグ中のCr2O3濃度を一定濃度にまで高める所要時間が異なるため、Cr含有合金鉄を投入するスラグ中のCr2O3濃度が最適値となる時期は、投入するCr酸化物に含まれるFeO・Cr2O3の割合に応じて決定するのがよいことを見出した。
【0020】
そこで本発明者らは、Cr酸化物に含まれるFeO・Cr2O3の割合を下記(4)に示す通りS(%)で表現し、該S値の異なるCr酸化物(S=0,50,100)を用いて、Cr酸化物投入後からCr含有合金鉄投入までの酸素供給量とCr歩留りとの関係を調べた。その結果を後述する図5に示す。
【0021】
S(%)=[(投入Cr酸化物中のFeO・Cr2O3を形成するCr2O3質量)/
(投入全Cr酸化物をCr2O3と仮定した場合のCr2O3質量)]×100…(4)
図5から次の様なことがわかる。
【0022】
(a)S=0の場合(Cr酸化物は、Cr2O3からなりFeO・Cr2O3を含まないものである場合)
Cr酸化物を投入した直後にCr含有合金鉄を投入すると、高いCr歩留りを達成できることがわかる。
【0023】
Cr酸化物がこの様にCr2O3からなる場合、該Cr酸化物は投入してすぐに(若干のスラグ中に懸濁するための時間:1分間程度は必要であるが)スラグ中のCr2O3濃度を高めることができるので、該Cr酸化物投入直後にCr含有合金鉄を添加しても、Cr含有合金鉄の酸化ロスはほとんどなく高いCr歩留りを達成できる。
【0024】
一方、過度に酸素を供給した後にCr含有合金鉄を投入すると、図1に示す通りスラグ中のCr2O3濃度増加に伴いスラグ中のT.Fe濃度(スラグ中のFe酸化物であるFeOとFe2O3の合計中の鉄純分濃度)も増大して滓化が促進され、スラグ酸化度の上昇を招き、図5に示す通りCr歩留りが低下するので好ましくない。
【0025】
S=0のCr酸化物の具体例として、例えば高Cr鋼を溶製した後に残るスラグ等が挙げられる。
【0026】
(b)S=100の場合(Cr酸化物は、FeO・Cr2O3からなりCr2O3を含まないものである場合)
Cr酸化物を投入し、上記化学式(3)の反応に要する時間を十分確保した後にCr含有合金鉄を投入すると、高Cr歩留りを達成できることがわかる。上記S=0の場合の様に、Cr酸化物投入直後にCr含有合金鉄を投入すると、上記化学式(3)の反応が十分に進んでおらずスラグのCr2O3量が確保されていないので、投入したCr含有合金鉄が酸化され易く、Cr歩留りが低下するおそれがある。
【0027】
一方、過度に酸素を供給してからCr含有合金鉄を投入すると、上記S=0の場合と同様にスラグの滓化が促進されてCr歩留りが低下するので好ましくない。
【0028】
Cr酸化物(S=100)の具体例として、例えば予備還元処理を施していないCr鉱石や同組成の耐火物廃材等が挙げられる。
【0029】
(c)S=50の場合(Cr酸化物は、Cr2O3とFeO・Cr2O3が1:1で混合したものである場合)
この場合には上記S=0の場合とS=100の場合の中間挙動を示す。Cr酸化物(S=50)の具体例として、例えば予備還元処理が完全に施されていない半還元Cr鉱石や、上記S値が0%のCr鉱石とS値が100%のCr鉱石をS値が50%となるように配合したもの等が挙げられる。
【0030】
前記図5の結果をもとに、上記S値とCr酸化物投入後からCr含有合金鉄投入までの酸素供給量との関係を求めた。その結果を図2に示す。
【0031】
図2から、スラグ中のCr2O3濃度を高めて高いCr歩留りを達成するには、Cr酸化物投入後からCr含有合金鉄投入までの酸素供給量をS値に応じて決定すればよいことがわかる。本発明者らは、図2の結果から、Cr酸化物投入後からCr含有合金鉄投入までの酸素供給量(V)を、上記式(1)の範囲内とした。
【0032】
即ち、Cr酸化物投入後からCr含有合金鉄投入までの酸素供給量(V)が(0.28×S−3)Nm3/tに満たない場合には、スラグ中のCr2O3量が十分確保されておらず、この状態でCr含有合金鉄を投入しても該Cr含有合金鉄の酸化ロスが生じ易く高いCr歩留りを達成することができない。より好ましくは、上記式(1)において、前記図5でCr歩留りが最高値となるよう、Cr酸化物投入後の酸素供給量が(0.28×S+2)Nm3/tの時点でCr含有合金鉄を投入するのがよい。
【0033】
一方、過剰に酸素を供給しても、上述した通り滓化促進によりCr歩留りが徐々に低下するため、酸素供給量は(0.28×S+10)Nm3/t以下とするのが好ましい。
【0034】
Cr酸化物として微粉末状(粒径約5mm以下)のものを使用する場合には、上記式(1)を満たす範囲内で酸素供給量を比較的少なくすることができる。該微粉末状のCr酸化物であれば、すぐに溶解してスラグ中のCr2O3濃度を高めたり、上記化学式(3)の反応が促進されるからである。しかし粒径約10mm以上のCr酸化物を投入する場合には、上記式(1)を満たす範囲内で酸素供給量を比較的多くして、該Cr酸化物を十分に溶融させるのがよい。
【0035】
(B)またCr含有合金鉄を投入した後の酸素供給量は2〜10Nm3/tの範囲とするのがよい。
【0036】
転炉精錬では、酸素を吹き込むことで脱炭処理が行われるが、Cr含有合金鉄を投入した後に、多量の酸素を供給すると、添加したCr含有合金鉄中のCrが酸化されてCr2O3となりCr歩留りが低下するので好ましくない。
【0037】
従って、Cr歩留りの向上という観点からは、Cr含有合金鉄投入後の酸素供給時間を短くするのがよく、吹錬末期に投入するのがよい。また、スラグ中のCr2O3からCrへの還元反応は吸熱反応であるため、溶鋼温度が高温となる吹錬末期に該還元反応は優位となる。従って、この吹錬末期にCr含有合金鉄を投入すれば、Crの酸化ロスも抑えられるので、この様な観点からも、Cr含有合金鉄を吹錬末期に投入するのが好ましい。いずれにしても本発明では、Cr含有合金鉄を溶鋼に投入後、吹錬終了までの酸素供給量を10Nm3/t以下とするのがよい。Cr含有合金鉄の酸化を抑制して更にCr歩留りを高めるには、Cr含有合金鉄投入後、吹錬終了までの酸素供給量を8Nm3/t以下とするのがより好ましい。
【0038】
しかし、Cr含有合金鉄投入後の吹錬時間が極端に短い(即ち、吹錬終了までの酸素供給量が少ない)と、次の様な問題が生じる。
【0039】
(i)吹錬終了間際には、転炉ダイナミックコントロール、即ち、吹錬中にサブランスでC濃度と溶鋼温度(T)を直接測定し、数秒毎にC濃度と溶鋼温度(T)を逐次計算表示して吹錬終了の判断が行われるが、この際、吹錬終了直前にCr含有合金鉄を添加すると、吹錬終了の判断基準であるC濃度と溶鋼温度(T)が目標設定値から外れ易くなる。
【0040】
(ii)Cr含有合金鉄を投入した後に吹錬を十分行うことによって、不純物であるCが脱炭処理され、水分が蒸発し、またTi等の不純物がスラグに捕捉されて除去される。
【0041】
しかし、吹錬終了直前にCr含有合金鉄を添加すると、Cr含有合金鉄中に含まれるこれらの不純物(C、H2O、Ti等)が十分除去されず、溶鋼中に残存したままとなり、上述した様に吹錬終了時のC濃度が目標値から外れるといった不具合が生じる他、該不純物の除去処理を別途行う必要が生じてくる。例えば吹錬終了後に脱ガス工程等を設ける等の必要が生じ、連々鋳を実施する場合等に効率よく作業を進めることができない。
【0042】
(iii)Cr含有合金鉄が十分に攪拌・混合されない状態で吹錬を終了すると、添加したCr含有合金鉄の分散が不均一となって、成分バラツキ等が生じるおそれがある。
【0043】
従って、Cr含有合金鉄を投入した後は、少なくとも2Nm3/tの酸素を供給して吹錬を行い、Cr含有合金鉄中の不純物の除去や攪拌等を行うのがよい。該不純物の除去等や攪拌を十分に行うには、Cr含有合金鉄を投入したのち3Nm3/t以上の酸素を供給して吹錬を行うことがより好ましい。
【0044】
本発明では、この様な適正時期にCr酸化物およびCr含有合金鉄を投入することで、脱燐や脱炭等といった精錬操業に支障をきたすことなく高Cr歩留りで溶鋼中のCr量を確保することができる。
【0045】
図3は、Cr酸化物およびCr含有合金鉄のどちらも本発明で規定する時期に投入した場合(Cr酸化物の投入時期:精錬開始後,Cr含有合金鉄の投入時期:精錬中期以降)と、Cr含有合金鉄のみを規定の時期に投入し、Cr酸化物は精錬開始前に投入した場合(Cr酸化物の投入時期:精錬開始前,Cr含有合金鉄の投入時期:精錬中期以降)について、スラグ中のCr2O3濃度とCr歩留りとの関係を示している。この図3から、本発明で規定する時期にCr酸化物およびCr含有合金鉄を投入することで、高いCr歩留りを達成できることがわかる。
【0046】
Cr酸化物は、上記適正時期に投入することに加えて、Cr純分換算で下記式(2)を満たす量を投入するのがよい。
Cr酸化物の投入量(kg/t)=炉内スラグ量(kg/t)×1.46×BCr 2 O 3…(2)
(但し、BCr 2 O 3はスラグ中のCr2O3濃度の最適必要増加分を示し、2〜15質量%の範囲内とする)
上記Cr酸化物の投入量は、例えば次の様にして求めることができる。通常行う操業下での溶鋼中のCr濃度[Cr]が0.5質量%、スラグ中のFe濃度(T.Fe)が8質量%、スラグ中のCr2O3濃度(Cr2O3)が4質量%であり、目標値として溶鋼中のCr目標濃度[Cr]’を1.0質量%、スラグ中のFe目標濃度(T.Fe)’を10質量%にしようとするとき、スラグ中のCr2O3目標濃度(Cr2O3)’は、平衡状態の関係から求まる下記式(5)より10質量%となる。
【0047】
(Cr2O3) '=[(T.Fe)'/(T.Fe)}×{[Cr]'/ [Cr]}×(Cr2O3) …(5)
従ってBCr2O3(スラグ中のCr2O3濃度の最適必要増加分)は、
BCr2O3=(Cr2O3)'−(Cr2O3)=6(質量%)となる。
【0048】
よって、この場合のCr酸化物の投入量は、[炉内スラグ量(kg/t)×1.46×6] (kg/t)とするのが最適であることがわかる。尚、スラグ中のCr2O3濃度の最適必要増加分(質量%)は、この様に操業条件に応じて適宜設定することができるが、Cr酸化物を過剰に添加するとスラグが酸化性になりやすいので、Cr歩留りの低下の抑制を考慮すると2〜15質量%の範囲内とするのがよい。
【0049】
この様にCr酸化物を適正量投入して、スラグ中のCr2O3濃度を最適濃度にした状態でCr含有合金鉄を投入することによって、より高いCr歩留りを達成することができる。
【0050】
尚、Cr酸化物の投入量が上記式(2)で規定した量を下回る場合には、スラグ中のCr2O3濃度を、平衡時のCr2O3濃度まで十分に高めることができず、Cr含有合金鉄を投入したときに、該Cr含有合金鉄中のCrの酸化反応が進行し易くCr歩留りを高めることが難しい。好ましくは前記Cr酸化物を少なくとも2kg/t以上投入するのがよい。
【0051】
一方、Cr酸化物の投入量が上記式(2)で規定した量を上回る場合には、スラグ中のCr2O3量が過度に増加し、該Cr2O3濃度の増加に伴い前記図1に示すようにスラグ中のT.Fe濃度(スラグ中のFe酸化物であるFeOとFe2O3の合計中の鉄純分濃度)も増大しスラグが高酸化性となる。一旦、高酸化性のスラグが形成されると、該スラグを低酸化性に迅速に戻すのは、酸素を供給しつつ精錬する酸化精錬では非常に困難である。従ってこの様な状態になると、Cr歩留りが低下するばかりか溶鋼中のCr濃度を十分に高めることもできないので好ましくない。前記Cr酸化物の投入量は多くとも15kg/t以下とするのが好ましい。
【0052】
本発明ではこの様に、スラグ中のCr2O3量確保にFeO・Cr2O3を用いる場合も考慮しているので、前記Cr酸化物としては、該FeO・Cr2O3を比較的多く含むCr鉱石を用いることができる他、Cr濃度の高い鋼種を溶製したときに生じるCr2O3濃度やFeO・Cr2O3濃度の高いスラグをリサイクルして使用することができる。
【0053】
尚、Cr酸化物としてCr鉱石を用いる場合には、粉砕された粉末状のCr鉱石(粒径約1〜5mm)が安価であり、かつ、効率的にスラグ中のCr2O3濃度を高めて、投入するCr含有合金鉄の酸化を確実に抑制できるので好ましい。また、この様な粉末状のCr鉱石を転炉上部から添加すると、溶鋼まで到達せずスラグ中に留まって該スラグと混合するので、塊鉱石の場合より効率的にスラグ中のCr2O3濃度を高めることができる。
【0054】
Cr含有合金鉄については、特にその投入量を限定するものでなく、目標Cr値に併せて適量添加することができる。投入するCr含有合金鉄中の不純物も精錬時に十分除去できるので、該Cr含有合金鉄として、Fe−Cr系合金を用いる場合に、不純物をあまり含まない高級品の他、不純物を比較的多く含むFe−Cr系合金の中級品や低級品を使用することもできる。
【0055】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0056】
<実施例1>
まず、本発明で定める如くCr酸化物とCr含有合金鉄を併用し、Cr酸化物を予め投入してスラグ中のCr2O3量を確保した上でCr含有合金鉄を投入する方法として、Cr酸化物としてCr鉱石を酸素供給積算量が26.3Nm3/tの時期に投入後、7.4Nm3/tの酸素を供給してから、Cr含有合金鉄としてFe−Cr系合金を投入し、該Fe−Cr系合金の投入後に5.6Nm3/tの酸素を供給して吹錬を終了した。
【0057】
またCr酸化物としてCr鉱石のみ用いて溶鋼中のCr量を調整する従来法として、Cr鉱石を酸素供給積算量が5.3Nm3/tの時期に投入後、34.0Nm3/tの酸素を供給して吹錬を終了した。それぞれの方法について、投入するCr鉱石またはFe−Cr系合金量を変化させて、溶鋼中のCr濃度を調整したときのCr歩留りを求めた。いずれの方法もその他の操業条件は下記の通りとした。
【0058】
<操業条件>
吹錬処理に供した溶鋼量:95t(トン)
スラグ量:30kg/t
Cr目標濃度:0.9質量%
吹錬条件について
供給O2積算量:41Nm3/t
吹錬終了時のC目標濃度:0.15質量%
底吹ガス:COガス 0.07Nm3/分・t
この様に夫々の方法でCr量を調整したときの、Cr投入量(投入したCr鉱石またはFe−Cr系合金量のCr純分換算量)とCr歩留りとの関係を図4に示す。
【0059】
この図4から、Cr酸化物のみ用いて溶鋼中Cr量を調整する場合には、Cr投入量を増加させるにつれてCr歩留りが低下するのに対し、本発明の方法によれば、Cr投入量に関係なく高いCr歩留りを達成できることがわかる。
【0060】
<実施例2>
Cr酸化物とCr含有合金鉄の投入時期の関係がCr歩留りに及ぼす影響について調べた。
【0061】
操業は次の様にして行った。即ち、前記S値が0%のCr酸化物として、Cr2O3含有リサイクルスラグを、S値が50%のCr酸化物として、前記Cr2O3含有リサイクルスラグと生クロム鉱石を半々の割合で配合したものを、またS値が100%のCr酸化物として生クロム鉱石を使用し、Cr酸化物投入後Cr含有合金鉄投入までの酸素供給量を変化させた。それ以外は上記実施例1と同様にした。その結果を、Cr酸化物の投入時からCr含有合金鉄の投入までの酸素供給量とCr歩留りとの関係として図5に示す。
【0062】
図5から、Cr酸化物の投入時からCr含有合金鉄の投入までの酸素供給量が本発明で好ましいとする範囲を外れると、Cr歩留りが低下しており、Cr含有合金鉄の投入は、Cr酸化物の投入後、規定量の酸素を供給してから行うのがよいことがわかる。
【0063】
<実施例3>
Cr含有合金鉄投入後の酸素供給量を変化させて、Cr歩留りおよび残存不純物量に与える影響を調べた。
【0064】
操業条件は、Cr含有合金鉄投入後吹錬終了までの酸素供給量を0〜18Nm3/tの範囲で変化させ、Cr酸化物の投入した後Cr含有合金鉄を投入するまでの酸素供給量を2〜6Nm3/tとする以外は、上記実施例1と同様の条件で操業した。この様にして操業したときの、Cr含有合金鉄投入後吹錬終了までの酸素供給量とCr歩留りとの関係を図6に示す。
【0065】
また、Cr含有合金鉄投入後吹錬終了までの酸素供給量と吹錬終了時の溶鋼中の残存不純物量との関係として、図7にCr含有合金鉄投入後吹錬終了までの酸素供給量と吹錬終了時の溶鋼中Ti濃度の関係を示し、図8にCr含有合金鉄投入後吹錬終了までの酸素供給量と吹錬終了時の溶鋼中H(水素)濃度の関係を示し、図9にCr含有合金鉄投入後吹錬終了までの酸素供給量と吹錬終了時の溶鋼中C(炭素)濃度の関係を示す。
【0066】
図6から、Cr含有合金鉄を投入後に多量の酸素を供給すると、Cr歩留りが低下することが分かる。Cr歩留りを90%以上とするには、Cr含有合金鉄を投入後の酸素供給量を10Nm3/t以下に抑える、換言すれば、酸素供給量が10Nm3/tを超えないうちに吹錬操業を終了するのがよいことがわかる。また、図7および図8から、特に安価なCr含有合金鉄に多く含まれている水分やTi等の不純物を十分除去して溶鋼中の残存不純物量を低減するには、Cr含有合金鉄を投入後、吹錬終了までに少なくとも2Nm3/t以上の酸素を供給して吹錬処理を行うのがよいことがわかる。
【0067】
また低C濃度の鋼種を製造する場合には、投入するCr含有合金鉄に含まれるC量が多いと、吹錬終了時のC濃度が目標値より高くなるといった不具合が生じる。従って、図9に示す様に溶鋼中のC量を低減すべく、酸素を供給して吹錬処理を行うのがよいことがわかる。
【0068】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成されており、本発明の方法で転炉にCrを添加すれば、高Cr鋼を製造する場合であっても脱炭や脱燐等といった精錬操業に支障をきたすことなく高Cr歩留りで溶鋼中のCr量を調整することができる。
【0069】
この様な方法を実施することで、更に、Cr酸化物として安価なCr鉱石等をFeO・Cr2O3の割合に関係なく使用した場合にも、高いCr歩留りを達成することができる。また、Cr酸化物を予め投入するため、Fe−Cr系合金等の高価なCr含有合金鉄を使用する場合であっても高いCr歩留りを達成することができ、該Cr含有合金鉄として、C、H2O、Ti等の不純物量の多いFe−Cr系合金等の低級品を使用した場合でも、脱ガス等の工程をあらためて設ける必要なく効率良くCr量を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スラグ中のCr2O3濃度とスラグ中のT.Fe濃度の関係を示したグラフである。
【図2】Cr酸化物投入後からCr含有合金鉄投入までの酸素供給量(V)とS値との関係を示したグラフ(スラグ量が40kg/t以下の場合)である。
【図3】Cr含有合金鉄投入時のスラグ中のCr2O3濃度とCr歩留りとの関係を、Cr酸化物の投入時期別に示したグラフである。
【図4】本発明法または従来法で溶鋼中Cr量を調整した場合の、Cr投入量とCr歩留りの関係を示したグラフである。
【図5】Cr酸化物の投入時からCr含有合金鉄の投入までの酸素供給量とCr歩留りとの関係を示すグラフである。
【図6】Cr含有合金鉄(Fe−Cr系合金)投入後吹錬終了までの酸素供給量とCr歩留りとの関係を示したグラフである。
【図7】Cr含有合金鉄(Fe−Cr系合金)投入後吹錬終了までの酸素供給量と吹錬終了時の溶鋼中のTi濃度との関係を示したグラフである。
【図8】Cr含有合金鉄(Fe−Cr系合金)投入後吹錬終了までの酸素供給量と吹錬終了時の溶鋼中のH(水素)濃度との関係を示したグラフである。
【図9】Cr含有合金鉄(Fe−Cr系合金)投入後吹錬終了までの酸素供給量と吹錬終了時の溶鋼中のC(炭素)濃度との関係を示したグラフである。
Claims (5)
- 転炉精錬で、Cr酸化物およびCr含有合金鉄を投入して溶鋼中のCr量を調整する方法であって、
前記Cr酸化物を投入し、溶鋼の目標Cr量と熱平衡状態にあるスラグ中のCr2O3量が確保されるように酸素を供給した上でCr含有合金鉄を投入し、酸素を2〜10Nm3/t(tは溶鋼1トンあたりを意味する。以下同じ)の範囲に制御して吹錬を終了することを特徴とする溶鋼中のCr量調整方法。 - 前記Cr酸化物として、Cr鉱石またはCr含有スラグを使用する請求項1に記載の溶鋼中のCr量調整方法。
- 前記Cr酸化物の投入後前記Cr含有合金鉄の投入までに供給される前記酸素の供給量(V)は、Cr酸化物に含まれるFeO・Cr2O3の割合に応じて、下記式(1)を満たすように制御する請求項1または2に記載の溶鋼中のCr量調整方法。
(0.28×S−3)≦V≦(0.28×S+10)(但しV≧0)…(1)
{式(1)中、
V:Cr酸化物投入後Cr含有合金鉄投入までの酸素供給量(Nm3/t)
S(%)=[(投入Cr酸化物中のFeO・Cr2O3を形成するCr2O3質量)/
(投入全Cr酸化物をCr2O3と仮定した場合のCr2O3質量)]×100} - 前記酸素供給量(V)は10Nm3/t以下であって、前記式(1)においてS=0である請求項3に記載の溶鋼中のCr量調整方法。
- 前記Cr酸化物の投入量を、Cr純分換算で下記式(2)を満たすようにする請求項1〜4のいずれかに記載の溶鋼中のCr量調整方法。
Cr酸化物の投入量(kg/t)
=炉内スラグ量(kg/t)×1.46×BCr 2 O 3 …(2)
(但し、BCr 2 O 3は、下式より算出されるスラグ中のCr2O3濃度の最適必要増加分を示し、2〜15質量%の範囲内とする)
B Cr 2 O 3
=スラグ中のCr 2 O 3 目標濃度(Cr 2 O 3 )’−スラグ中のCr 2 O 3 濃度(Cr 2 O 3 )
ここで、
スラグ中のCr 2 O 3 目標濃度(Cr 2 O 3 )’
={(T.Fe)’/(T.Fe)}×{[Cr]’/[Cr]}×(Cr 2 O 3 )
…(5)
式(5)中、
(T.Fe)’はスラグ中のFe目標濃度を、
(T.Fe)はスラグ中のFe濃度を、
[Cr]’は溶鋼中のCr目標濃度を、
[Cr]は溶鋼中のCr濃度を、
(Cr 2 O 3 )はスラグ中のCr 2 O 3 濃度を、
それぞれ意味する。
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