JP2805815B2 - Ni鉱石の溶融還元法 - Google Patents
Ni鉱石の溶融還元法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は炭材を燃料または還元材として用い、Ni鉱
石を転炉型製錬炉炉内において溶融還元し、含Ni溶湯を
得る方法に関する。
石を転炉型製錬炉炉内において溶融還元し、含Ni溶湯を
得る方法に関する。
[従来の技術] 従来、ステンレス鋼の溶製は、スクラップ、FeCr、Fe
Ni等の合金鉄または電解Ni等の原料を電気炉または転炉
で再溶解することにより行われていた。この方法による
と、ステンレス鋼の主要成分であるCr,Niは予め電気炉
等で還元された合金鉄を原料としており、高価な電気エ
ネルギーを使用しているため、経済的な方法ではない。
このような観点から、より経済的にステンレス鋼を製造
する方法としてCr源としてCr鉱石を用い、これを転炉ま
たはその他の製錬炉において溶融還元する方法が提案さ
れている。
Ni等の合金鉄または電解Ni等の原料を電気炉または転炉
で再溶解することにより行われていた。この方法による
と、ステンレス鋼の主要成分であるCr,Niは予め電気炉
等で還元された合金鉄を原料としており、高価な電気エ
ネルギーを使用しているため、経済的な方法ではない。
このような観点から、より経済的にステンレス鋼を製造
する方法としてCr源としてCr鉱石を用い、これを転炉ま
たはその他の製錬炉において溶融還元する方法が提案さ
れている。
一方、Ni源としての安価原料の使用は、FeNi溶解費の
低減を目的とした電気炉におけるFeNi溶湯の直接使用
(鉄と鋼、69(1983)7,p.59),転炉におけるニッケル
マットの溶融還元(特開昭58−104153)、あるいはニッ
ケル酸化物に炭材を混合して成形したものを加熱して予
備還元し、これを転炉型反応容器に装入して溶融還元す
る方法(特開昭60−36613)、さらにはニッケルオキサ
イドの利用(特開昭61−291911)がある。
低減を目的とした電気炉におけるFeNi溶湯の直接使用
(鉄と鋼、69(1983)7,p.59),転炉におけるニッケル
マットの溶融還元(特開昭58−104153)、あるいはニッ
ケル酸化物に炭材を混合して成形したものを加熱して予
備還元し、これを転炉型反応容器に装入して溶融還元す
る方法(特開昭60−36613)、さらにはニッケルオキサ
イドの利用(特開昭61−291911)がある。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、前述の引例は、いずれもNi鉱石を直接
製錬炉に装入して溶融還元するものではない。Ni鉱石
は、Ni成分が2〜3%と低く、Ni鉱石重量の約70%はス
ラグとなるので、溶融還元においては多量のスラグを発
生する。従って、所定のNi濃度の溶湯を得ようとする
と、多量のスラグを発生する。例えば、8%含Ni溶湯を
得る場合は溶湯T当たり2〜3Tのスラグが発生する。こ
れに伴って、 溶融還元の工程で還元材、または熱源として装入さ
れる酸素、炭材により発生する反応ガスによってスロッ
ピングが発生し易く、定常的な操業が困難となり、操業
が不安定となる虞があり、さらには、 スロッピングに伴う設備機器の損傷、 スロッピングに伴うNi歩留の低下、 が顕著になる。
製錬炉に装入して溶融還元するものではない。Ni鉱石
は、Ni成分が2〜3%と低く、Ni鉱石重量の約70%はス
ラグとなるので、溶融還元においては多量のスラグを発
生する。従って、所定のNi濃度の溶湯を得ようとする
と、多量のスラグを発生する。例えば、8%含Ni溶湯を
得る場合は溶湯T当たり2〜3Tのスラグが発生する。こ
れに伴って、 溶融還元の工程で還元材、または熱源として装入さ
れる酸素、炭材により発生する反応ガスによってスロッ
ピングが発生し易く、定常的な操業が困難となり、操業
が不安定となる虞があり、さらには、 スロッピングに伴う設備機器の損傷、 スロッピングに伴うNi歩留の低下、 が顕著になる。
こうした問題があるため、前述の引例では、Ni源とし
てNi鉱石を直接製錬炉に装入せず、何らかの予備処理を
して含有Ni成分の割合を増加させたものを用いている。
てNi鉱石を直接製錬炉に装入せず、何らかの予備処理を
して含有Ni成分の割合を増加させたものを用いている。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、多量の
スラグの発生にも拘らず、安定した操業を行うことが出
来、スロッピングに伴う設備機器の損傷、Ni歩留の低下
等の問題が解消できるNi鉱石の溶融還元法を提供しよう
とするものである。
スラグの発生にも拘らず、安定した操業を行うことが出
来、スロッピングに伴う設備機器の損傷、Ni歩留の低下
等の問題が解消できるNi鉱石の溶融還元法を提供しよう
とするものである。
[課題を解決するための手段、作用] 本発明によるNi鉱石の溶融還元法は、Ni鉱石を炭材と
ともに転炉型製錬炉に装入し、脱炭用および2次燃焼用
ノズルを有する上吹き酸素ランスから酸素を吹き込むと
ともに、該製錬炉の炉底に設けられた底吹き羽口および
/または側壁に設けられた横吹き羽口から撹拌ガスを吹
き込んでNi鉱石を溶融還元する方法であって、Ni鉱石を
溶融還元するとき、撹拌用ガス量を0.3Nm3/min.T以上、
3.0Nm3/min.T以下とすること、およびスラグ中のFe成分
(T−Fe)を20%以下とすることを特徴とする。
ともに転炉型製錬炉に装入し、脱炭用および2次燃焼用
ノズルを有する上吹き酸素ランスから酸素を吹き込むと
ともに、該製錬炉の炉底に設けられた底吹き羽口および
/または側壁に設けられた横吹き羽口から撹拌ガスを吹
き込んでNi鉱石を溶融還元する方法であって、Ni鉱石を
溶融還元するとき、撹拌用ガス量を0.3Nm3/min.T以上、
3.0Nm3/min.T以下とすること、およびスラグ中のFe成分
(T−Fe)を20%以下とすることを特徴とする。
溶湯中の[C]は、脱炭用酸素によってCOガスとなっ
て脱炭されるが、このCOガスは2次燃焼用酸素によって
CO2ガスとなる。この脱炭および2次燃焼の反応熱が溶
融還元の主たる熱源であるが、撹拌用の底吹きガスの吹
き込みによって、溶湯およびスラグの撹拌が強化され、
上記酸化反応が促進される。また、スラグ中のFeOが多
い、即ちスラグ中のFe成分(T−Fe)が多いと、スラグ
中のガスが抜け難くなり、スラグボリュームが増加し
て、スロッピングが生じ易くなるという関係があるの
で、上記のようにスラグ中のFe成分(T−Fe)を下げる
とスラグ中のガスが抜け易くなり、スロッピングを低減
することができる。
て脱炭されるが、このCOガスは2次燃焼用酸素によって
CO2ガスとなる。この脱炭および2次燃焼の反応熱が溶
融還元の主たる熱源であるが、撹拌用の底吹きガスの吹
き込みによって、溶湯およびスラグの撹拌が強化され、
上記酸化反応が促進される。また、スラグ中のFeOが多
い、即ちスラグ中のFe成分(T−Fe)が多いと、スラグ
中のガスが抜け難くなり、スラグボリュームが増加し
て、スロッピングが生じ易くなるという関係があるの
で、上記のようにスラグ中のFe成分(T−Fe)を下げる
とスラグ中のガスが抜け易くなり、スロッピングを低減
することができる。
[実施例] 添付の図面を参照しながら、本発明の実施例について
説明する。第1図は本実施例の製錬炉10で、図中、21は
上吹き酸素ランス、22は脱炭用ノズル、23は2次燃焼用
ノズル、24は底吹き羽口、11は溶解したメタルである溶
湯、12はスラグ層、25は原料であるNi鉱石、炭材または
造滓剤を製錬炉10に投入するためのホッパ、26は撹拌ガ
スを供給する供給管である。
説明する。第1図は本実施例の製錬炉10で、図中、21は
上吹き酸素ランス、22は脱炭用ノズル、23は2次燃焼用
ノズル、24は底吹き羽口、11は溶解したメタルである溶
湯、12はスラグ層、25は原料であるNi鉱石、炭材または
造滓剤を製錬炉10に投入するためのホッパ、26は撹拌ガ
スを供給する供給管である。
以上のように構成された製錬炉により、Ni鉱石を溶融
還元して、所定量のNiを含む溶銑を得る方法について説
明する。最初に溶銑を製錬炉10に装入し、次いで、炭材
を装入して上吹き酸素ランス21から送酸し、溶湯11を15
00℃程度に昇温した後、Ni鉱石の製錬炉1への投入を開
始する。底吹き羽口24からの撹拌ガスの吹き込みは、底
吹き羽口24が溶銑により閉塞されないように、溶銑を製
錬炉10へ装入したときから行ない、必要に応じてその吹
き込み量を増大する。装入されたNi鉱石は溶湯中のCに
よって還元される。溶解の熱エネルギーは炭材の酸素に
よる燃焼すなわちC→CO,CO→CO2の反応によって供給さ
れる。脱炭用ノズル22から送酸される酸素は主として浴
湯中の炭素[C]と反応してCOとなり、2次燃焼用ノズ
ル23から送酸された酸素は前記COと反応してCO2とな
る。上記の2つのノズル22、23を設けたことにより、2
次燃焼比率が向上する。
還元して、所定量のNiを含む溶銑を得る方法について説
明する。最初に溶銑を製錬炉10に装入し、次いで、炭材
を装入して上吹き酸素ランス21から送酸し、溶湯11を15
00℃程度に昇温した後、Ni鉱石の製錬炉1への投入を開
始する。底吹き羽口24からの撹拌ガスの吹き込みは、底
吹き羽口24が溶銑により閉塞されないように、溶銑を製
錬炉10へ装入したときから行ない、必要に応じてその吹
き込み量を増大する。装入されたNi鉱石は溶湯中のCに
よって還元される。溶解の熱エネルギーは炭材の酸素に
よる燃焼すなわちC→CO,CO→CO2の反応によって供給さ
れる。脱炭用ノズル22から送酸される酸素は主として浴
湯中の炭素[C]と反応してCOとなり、2次燃焼用ノズ
ル23から送酸された酸素は前記COと反応してCO2とな
る。上記の2つのノズル22、23を設けたことにより、2
次燃焼比率が向上する。
一般的に使用されるNi鉱石に含まれるFe、Niのメタル
酸化物は30%程度で、その内Ni成分は2〜3%程度であ
る。その他の70%はスラグ分である。スラグにはNi鉱石
によるものの他、炭材等のスラグ分が加わって、Ni鉱石
重量の約8割がスラグになる。したがって、Ni成分8%
程度の浴湯を得るには溶銑トン当たり、2〜3tのスラグ
が生成する。スラグの見掛け密度は、それに含まれるCO
またはCO2ガスによって0.5乃至1.5程度てあるから、そ
の容積は溶湯に比して約20倍にも達する。発生するCOま
たはCO2ガス量が多い場合はスロッピングが生じ、安定
な操業が阻害され、操業の中断または設備機器の損傷、
またはスロッピングに伴う地金流出によるNi歩留低下の
虞がある。
酸化物は30%程度で、その内Ni成分は2〜3%程度であ
る。その他の70%はスラグ分である。スラグにはNi鉱石
によるものの他、炭材等のスラグ分が加わって、Ni鉱石
重量の約8割がスラグになる。したがって、Ni成分8%
程度の浴湯を得るには溶銑トン当たり、2〜3tのスラグ
が生成する。スラグの見掛け密度は、それに含まれるCO
またはCO2ガスによって0.5乃至1.5程度てあるから、そ
の容積は溶湯に比して約20倍にも達する。発生するCOま
たはCO2ガス量が多い場合はスロッピングが生じ、安定
な操業が阻害され、操業の中断または設備機器の損傷、
またはスロッピングに伴う地金流出によるNi歩留低下の
虞がある。
こうした観点から本発明者らはスロッピングの発生要
因について検討した。
因について検討した。
第2図は底吹きガス量とスロッピングの発生頻度との
関係を示すグラフ図である。このときの試験条件は、製
錬炉の溶湯重量は5t、溶湯中の炭素[C]は1〜2%、
送酸量は脱炭用、2次燃焼用の両方の送酸量の合計で2,
500Nm3/Hr、比スラグ量Sは溶湯1T当たり1T(Sの単位
を以下、T/HMTで表す)である。この図に示す通り、底
吹きガス量が0.30Nm3/min.T以上であればスロッピング
は発生しない。この例では底吹きガスのみを使用した
が、横吹きガスを合わせて使用した場合も、その合計が
0.30Nm3/min.T以上であればスロッピングは発生しな
い。上限は3.0Nm3/min.T程度でこれ以上では撹拌効果が
頭打ちになり、生産コストの点からも不利であり、また
スラグ中のガスのホールドアップが多くなって、スロッ
ピングの発生の虞がある。
関係を示すグラフ図である。このときの試験条件は、製
錬炉の溶湯重量は5t、溶湯中の炭素[C]は1〜2%、
送酸量は脱炭用、2次燃焼用の両方の送酸量の合計で2,
500Nm3/Hr、比スラグ量Sは溶湯1T当たり1T(Sの単位
を以下、T/HMTで表す)である。この図に示す通り、底
吹きガス量が0.30Nm3/min.T以上であればスロッピング
は発生しない。この例では底吹きガスのみを使用した
が、横吹きガスを合わせて使用した場合も、その合計が
0.30Nm3/min.T以上であればスロッピングは発生しな
い。上限は3.0Nm3/min.T程度でこれ以上では撹拌効果が
頭打ちになり、生産コストの点からも不利であり、また
スラグ中のガスのホールドアップが多くなって、スロッ
ピングの発生の虞がある。
第3図はスラグ中のFe成分(T−Fe)とスロッピング
の発生頻度との関係を示すグラフ図である。この図から
解るようにスラグ中のFe成分(T−Fe)が20%を越える
と急激にスロッピングの発生頻度が増大する。
の発生頻度との関係を示すグラフ図である。この図から
解るようにスラグ中のFe成分(T−Fe)が20%を越える
と急激にスロッピングの発生頻度が増大する。
また、Ni源として工業的に使用できるNi鉱石の主脈石
成分は、その産地によって多少ことなるが、FeO(12〜2
0%),SiO2(35〜45%),MgO(17〜25%)であるので、
FeO−SiO2−MgOの3元系状態図により、その溶融温度は
1500℃であることが判る。したがって、スラグ温度を前
記溶融温度1500℃以上とすれば、造滓剤を使用せずにNi
鉱石の溶融還元を行うことができる。造滓剤を使用しな
ければ、当然その分スラグが減少し、スロッピング発生
頻度が低減される。しかし、1750℃を越えると製錬炉を
構成する耐火材が問題となる。
成分は、その産地によって多少ことなるが、FeO(12〜2
0%),SiO2(35〜45%),MgO(17〜25%)であるので、
FeO−SiO2−MgOの3元系状態図により、その溶融温度は
1500℃であることが判る。したがって、スラグ温度を前
記溶融温度1500℃以上とすれば、造滓剤を使用せずにNi
鉱石の溶融還元を行うことができる。造滓剤を使用しな
ければ、当然その分スラグが減少し、スロッピング発生
頻度が低減される。しかし、1750℃を越えると製錬炉を
構成する耐火材が問題となる。
第4図は以上の結果をふまえて、好ましい操業の実施
例を具体的に示すものである。この実施例においては、
2次燃焼比率は0.3以上、溶湯中の[C]は3〜4%で
一定としてある。この図は共通の横軸に時間をとり、縦
軸には、操業工程、溶湯の温度、全体の送酸量、
,はそれぞれNi鉱石、炭材であるコークスの装入
量、比スラグ量および溶湯量、および溶湯中のNi成
分を示したグラフ図である。ここで、〜は第4図の
No.1〜7に対応する数字である。
例を具体的に示すものである。この実施例においては、
2次燃焼比率は0.3以上、溶湯中の[C]は3〜4%で
一定としてある。この図は共通の横軸に時間をとり、縦
軸には、操業工程、溶湯の温度、全体の送酸量、
,はそれぞれNi鉱石、炭材であるコークスの装入
量、比スラグ量および溶湯量、および溶湯中のNi成
分を示したグラフ図である。ここで、〜は第4図の
No.1〜7に対応する数字である。
操業工程では最初に3.1tの溶銑が装入され、続いて
Ni鉱石の溶融還元と排滓が3回繰り返される。溶湯の温
度は溶銑の装入後、直ちにコークスの投入,送酸
、が行われて昇温される。Ni鉱石の装入は,溶湯温
度が上昇して1500℃を超えたところで行われる。送酸量
、Ni鉱石、およびコークスの装入量のグラフで平
坦な部分は、それぞれ2900Nm3/Hr、120kg/min、50kg/mi
nである。
Ni鉱石の溶融還元と排滓が3回繰り返される。溶湯の温
度は溶銑の装入後、直ちにコークスの投入,送酸
、が行われて昇温される。Ni鉱石の装入は,溶湯温
度が上昇して1500℃を超えたところで行われる。送酸量
、Ni鉱石、およびコークスの装入量のグラフで平
坦な部分は、それぞれ2900Nm3/Hr、120kg/min、50kg/mi
nである。
比スラグ量Sは当然排滓の都度低下されるが、その
ピークの値は図中に示されてある通り、0.8T/HMT1.1T/H
MTである。製錬炉内の溶湯量はNi鉱石が溶融還元され
てNiまたはFeが溶湯中に加わり、当初の3.1Tに対して最
終的に5.9Tになった。また、溶湯中のNi成分は、1回
目の排滓時に4.5%Niの高含Ni溶湯が得られ、3回のNi
鉱石の装入で、溶湯中のNi成分は8.15%であった。
ピークの値は図中に示されてある通り、0.8T/HMT1.1T/H
MTである。製錬炉内の溶湯量はNi鉱石が溶融還元され
てNiまたはFeが溶湯中に加わり、当初の3.1Tに対して最
終的に5.9Tになった。また、溶湯中のNi成分は、1回
目の排滓時に4.5%Niの高含Ni溶湯が得られ、3回のNi
鉱石の装入で、溶湯中のNi成分は8.15%であった。
[発明の効果] 本発明によれば、溶銑、Ni鉱石、炭材等の原料が装入
された製錬炉に脱炭用、2次燃焼用の酸素を吹き込み、
炉底または炉壁から撹拌ガスを吹き込んで、撹拌用ガス
量を0.3Nm3/min.T乃至3.0Nm3/min.Tとし、さらにスラグ
中のFe成分(T−Fe)を20%以下とするので、スロッピ
ングが低減され、操業の不安定を解消することができ
る。
された製錬炉に脱炭用、2次燃焼用の酸素を吹き込み、
炉底または炉壁から撹拌ガスを吹き込んで、撹拌用ガス
量を0.3Nm3/min.T乃至3.0Nm3/min.Tとし、さらにスラグ
中のFe成分(T−Fe)を20%以下とするので、スロッピ
ングが低減され、操業の不安定を解消することができ
る。
第1図は本実施例に用いた製錬炉の縦断面図、第2図は
底吹きガス量とスロッピング発生頻度との関係を示すグ
ラフ図、第3図は(T−Fe)とスロッピング発生頻度と
の関係を示すグラフ図、第4図は好ましい操業の実施例
について操業パラメターの時間に対する変化を示したグ
ラフ図である。 10……製錬炉、11……溶湯、12……スラグ層、21……上
吹き酸素ランス、22……脱炭用ノズル、23……2次燃焼
用ノズル、24……底吹き羽口、25……ホッパ。
底吹きガス量とスロッピング発生頻度との関係を示すグ
ラフ図、第3図は(T−Fe)とスロッピング発生頻度と
の関係を示すグラフ図、第4図は好ましい操業の実施例
について操業パラメターの時間に対する変化を示したグ
ラフ図である。 10……製錬炉、11……溶湯、12……スラグ層、21……上
吹き酸素ランス、22……脱炭用ノズル、23……2次燃焼
用ノズル、24……底吹き羽口、25……ホッパ。
Claims (2)
- 【請求項1】Ni鉱石を炭材とともに転炉型製錬炉に装入
し、脱炭用および2次燃焼用ノズルを有する上吹き酸素
ランスから酸素を吹き込むとともに、該製錬炉に設けら
れた底吹き羽口および/または横吹き羽口から撹拌ガス
を吹き込んでNi鉱石を溶融還元する方法であって、Ni鉱
石を溶融還元するとき、撹拌用ガスを0.3Nm3/min.T乃至
3.0Nm3/min.Tとすること、およびスラグ中のFe成分(T
−F−e)を20%以下とすること、を特徴とするNi鉱石
の溶融還元法。 - 【請求項2】Ni鉱石を溶融還元するとき、スラグ温度を
1500℃乃至1750℃とすることを特徴とする請求項1に記
載のNi鉱石の溶融還元法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1098151A JP2805815B2 (ja) | 1989-04-18 | 1989-04-18 | Ni鉱石の溶融還元法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1098151A JP2805815B2 (ja) | 1989-04-18 | 1989-04-18 | Ni鉱石の溶融還元法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02274824A JPH02274824A (ja) | 1990-11-09 |
JP2805815B2 true JP2805815B2 (ja) | 1998-09-30 |
Family
ID=14212170
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1098151A Expired - Fee Related JP2805815B2 (ja) | 1989-04-18 | 1989-04-18 | Ni鉱石の溶融還元法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2805815B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6036613A (ja) * | 1983-08-06 | 1985-02-25 | Nippon Steel Corp | 含ニツケルステンレス素溶鋼の製造方法 |
JPS6227514A (ja) * | 1985-07-30 | 1987-02-05 | Nippon Steel Corp | 酸化物の溶融還元製練法 |
-
1989
- 1989-04-18 JP JP1098151A patent/JP2805815B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02274824A (ja) | 1990-11-09 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |