JP4183737B1 - 有機物を含んだ排水の処理方法および処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】汚泥濃度2000〜30000mg/Lの汚泥に対して、有効塩素濃度が500〜15000mg/L、pH値が4〜7の弱酸性の次亜塩素酸水溶液を100〜3000mg/Lになるように添加して、5分以上かけて可溶化処理を実施する。又は、最下流側の反応槽中のpH値または残留塩素濃度がそれぞれ4〜7、5mg/L以下になるように調整する。可溶化反応装置は、供給される汚泥が順次下流側へ流れるように複数個の反応槽で構成し、最上流側の反応槽において、弱酸性の次亜塩素酸次亜塩素酸水溶液を添加する。
【選択図】図1
Description
一般に、有機物を含んだ排水は曝気処理される。そして、曝気処理された排水は沈殿槽に導かれ、沈殿槽において沈殿汚泥と処理水とに分離される。沈殿汚泥の大部分は、返送汚泥として曝気槽に戻され、そして繰り返し曝気処理される。一方、沈殿汚泥の一部は減容化処理される。減容化処理された汚泥は曝気槽に送られ再度曝気処理される。また、沈殿汚泥の一部は、余剰汚泥として廃棄される。本発明は、一般的な汚泥も減容化できるが、特に上記したような沈殿汚泥の一部を減容化処理する点に特徴を有する有機物を含んだ排水の処理方法およびこの処理方法の実施に直接使用される処理装置に関するものである。
しかしながら、好気性細菌等の微生物は曝気槽で大量に増殖するので、そのまま放置すると活性汚泥が増えすぎ、沈殿槽において活性汚泥と処理水の分離ができなくなる。そこで、曝気処理により発生する余剰な活性汚泥は、沈殿槽から余剰汚泥として定期的に引き抜かれている。引き抜かれた余剰汚泥は、例えば脱水装置により脱水ケーキにされ、そして焼却等の処理がなされた後に、処分場等に適宜廃棄されている。ところで、このような処分場は環境の問題等により不足し、また余剰汚泥の処理コストは高騰し、さらには焼却に伴うダイオキシン等の有害物質の発生の問題もあるので、余剰汚泥の減容化が強く求められている。また、このような余剰汚泥の中には、本来水と炭酸ガスに分解されるべき未処理の有機物および細菌等が多量に含まれて残っている。これらの汚泥に含まれている有機物も適切に分解する技術が求められている。
[問題点1]次亜塩素酸ソーダ(NaOCl)は水中では大部分がマイナスイオン(ClO-)で存在し、安定化している。そのため貯蔵にあたっては12%(120000mg/L)あるいは6%塩素濃度とし、アルカリ性にして100%イオン化させている。安定していることは逆にいえば反応性が低いことを意味する。これが決定的な欠点である。
通常の使用に際しては大幅に希釈して使用するため、アルカリ性は消える。例えば水道水では塩素濃度を1mg/L程度とするため、消毒前の水道水のpHになる。しかし、汚泥減容化では100mg/L以上であるため、pHが高くなる。
さらに加えて汚泥中のマイナスに帯電している微生物と電気的に反発し合い、微生物を効率よく殺菌、酸化することができない。
[問題点2]従って、次亜塩素酸ソーダの多くは消費されずに残留して、下流側の曝気槽に混入し、曝気槽中の大切な微生物に悪影響を及ぼす可能性が高い。
[問題点3]次亜塩素酸ソーダが有機物と反応すると、有害物質のトリハロメタンが発生する。
[問題点4]次亜塩素酸ソーダの酸化力はオゾンに比べると弱く、汚泥を構成している生物難分解性有機物や微生物は破壊されず、汚泥を十分に減容化できない可能性がある。
HOCl ⇔ H+ + OCl-
イオン化されていない次亜塩素酸(HOCl)の濃度は、図3の(ア)にその濃度曲線に示されているように、pH9近傍の領域R1では、約3%であり、残りは全て次亜塩素酸イオン(OCl-)になっている。従って、このような次亜塩素酸ソーダ水溶液をそのまま汚泥に添加しても、問題点1で指摘したように、次亜塩素酸イオンは安定化しており次亜塩素酸の濃度が低く反応が弱い。また、マイナスに帯電している微生物には作用し難く、約3%のイオン化していない次亜塩素酸のみが実質上汚泥に作用するだけで、酸化が十分になされない。未消費の次亜塩素酸イオンは、濃度の平衡を保ちながら、少しずつ殺菌、酸化作用のある次亜塩素酸に変化し、ゆっくりと消費はされる。しかし、次亜塩素酸イオンは安定化しており時間がかかるので、問題点2で指摘されているように消費されないまま次亜塩素酸イオンが曝気槽に混入して悪影響を及ぼす。
請求項2に記載の発明は、有機物を含んだ被処理排水を曝気槽を使用して活性汚泥処理する曝気処理工程と、前記曝気処理工程の実施により発生する汚泥に、次亜塩素酸ソーダ水溶液に希塩酸を混合して得られる、有効塩素濃度が500〜15000mg/L、pH値が4.0〜7.0の弱酸性の次亜塩素酸水溶液を添加して曝気せずに攪拌しながら所定時間滞留させて前記汚泥を可溶化する可溶化処理工程と、前記可溶化処理工程の実施により可溶化された汚泥を再度前記曝気槽に戻して活性汚泥処理する曝気処理工程とからなり、前記可溶化処理工程は、直列に設けられている複数個の反応槽のうち、最上流側の前記反応槽に、汚泥と、汚泥濃度2000〜30000mg/Lの汚泥に対して、前記濃度の弱酸性の次亜塩素酸水溶液とを塩素濃度100〜3000mg/Lになるように添加して攪拌し、以下順次下流側の反応槽へと送り、これらの反応槽においても攪拌して、全体として5分以上かけて連続的に実施し、このとき前記直列に設けられている複数個の反応槽のうち最下流側の前記反応槽中のpH値が4〜7、残留塩素濃度が5mg/L以下になるように、前記最下流側の反応槽に、pH調整液または残留塩素調整液を添加するように構成される。
前記反応槽中のpH値と残留塩素濃度は、前記複数個の反応槽の最下流側の反応槽中で計測され、pH値が4〜7、残留塩素濃度が5mg/L以下になるように処理されるように構成される。請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の装置において、前記複数個の反応槽の最下流側の反応槽にはpH計または酸化還元電位計が設けられ、これらの計器により計測される値に基づいて、pH調整液または残留塩素調整液が前記複数個の反応槽の最下流側の反応槽に適宜添加されるように構成される。請求項7に記載の発明は、請求項5または請求項6に記載の装置において、前記曝気槽にはヤシ油脂肪酸を主体とするエステルまたはエーテルからなる界面活性剤が添加された有機物を含んだ排水が供給されるように構成される。
また、他の発明によると、汚泥の可溶化処理工程は、汚泥濃度2000〜3000mg/Lの汚泥に対して、前記濃度の弱酸性の次亜塩素酸水溶液が100〜3000mg/Lになるように添加して、直列に設けられている複数個の反応槽内を順次下流側へ送りながら所定時間実施すると共に、前記複数個の反応槽中の最下流側の反応槽中のpH値が4〜7、残留塩素濃度が5mg/L以下になるように、pH調整液又は残留塩素調整液で調整するので、可溶化された汚泥をそのまま曝気槽に戻して活性汚泥処理することができるという、本発明に特有の効果が得られる。
また、他の発明によると、有機物を含んだ排水にヤシ油脂肪酸を主体とするエステルまたはエーテルからなる界面活性剤を添加して曝気処理工程、可溶化処理工程等を実施するので、油分は乳化され、油分を含んでいても通常の排水と同様に微生物により分解、処理できる効果が得られる。
pH8.1の返送汚泥1Lを2個の容器に採り、塩素濃度3000mg/L、pH6.5のバイオマスター液を一方には100mL、他方には200mL入れ、混合液をろ過し、残留塩素を測定した。その結果を表1に示す。
一般的に曝気槽の容量は十分大きく、可溶化された汚泥の返送量は小さいので、5分間反応させれば、十分に残留塩素濃度は低くなって曝気槽への影響はほとんどない。しかし、次亜塩素酸が消費される反応は単純でないことが予想され、解明されていない現象を考慮すると、好ましくは15分以上、より好ましくは30分以上反応させると安全性は高まると考えられる。
pHは反応後低下していることが分かる。汚泥のpHが8.1であったが、バイオマスター液によって酸性に変化している。これは酸化反応により塩酸が発生したためである。このpHの低下は反応を加速するため好ましいものである。仮に、塩酸等でpH調整をしていない次亜塩素酸ソーダ水溶液を使う場合、pHは9程度になり、酸化反応は1/30程度に低下すると考えられる。
汚泥濃度約30000mg/Lという極めて高濃度の活性汚泥1Lを2個の容器に採り、バイオマスター液を異なる塩素濃度になるように注入した。注入後の汚泥の塩素濃度が2000mg/Lになるようにバイオマスター液を注入した容器では、汚泥の色が塩素との反応によって次第に白みを増して、汚泥はある程度可溶化された。また、5分後には塩素臭はほとんど無く、残留塩素は5mg/L以下であることが推定された。ただし、全ての汚泥が可溶化されてはいなかった。一方、注入後の汚泥の塩素濃度が3000mg/Lになるようにバイオマスター液を注入した容器では、汚泥は、ほぼ白化した状態になり十分に可溶化はされた。しかしながら、反応の5分後でも塩素臭が残り塩素濃度約10mg/Lであった。これ以上の濃度の汚泥は、可溶化が比較的難しいので、嫌気性分解あるいは焼却などが行われるべきであろう。以上より、次亜塩素酸による汚泥可溶化の対象となる汚泥の汚泥濃度は、上限が30000mg/Lであると考えられる。さらに、残留塩素濃度を考慮すると、汚泥に注入する次亜塩素酸については、バイオマスター液注入後の汚泥中の塩素酸濃度の上限が3000mg/Lだと考えられる。
バイオマスター液注入後の汚泥中の塩素酸濃度の下限については、バルキング状態のときを考慮すべきである。バルキング状態、すなわち活性汚泥が沈殿槽で沈降し難くなる状態が、処理施設でしばしば発生し管理者を悩ますが、この時の沈殿汚泥の濃度は2000〜3000mg/Lと極めて低いものである。多くの実験の中でこのような状態も再現できた。実験によると、このような汚泥に対しては、バイオマスター液注入後の汚泥中の塩素酸濃度100mg/Lで可溶化されることが判明した。従って、処理可能な汚泥の濃度の下限は2000mg/L、バイオマスター液注入後の汚泥中の塩素酸濃度の下限は100mg/Lであると考えられる。
バッチ式の活性汚泥法を行う、200Lの曝気槽兼沈殿槽を、槽A、槽B、槽Cの3槽用意して、最初に、所定量の沈降汚泥と上澄み水とからなる合計70Lの汚泥を、槽A〜Cに入れておいた。槽A〜Cに対して、以下の一連の処理を1日に1回実施した。
まず、槽A〜Cに有機性排水110Lを加えて、22時間曝気する。次いで、曝気を止めて90分間沈殿させた後、各槽に70L汚泥を残して上澄み水を抜く。
槽Bについては、残された汚泥のうち沈降汚泥を10L反応容器に採り、塩素濃度4000mg/L、pH6.5のバイオマスター液を900ml注入して、30分間攪拌して反応させた後、槽Bに戻す。同様に、槽Cについては、残された汚泥のうち沈降汚泥を10L反応容器に採り、塩素濃度4000mg/L、pH6.5のバイオマスター液を1800ml注入して、30分間攪拌して反応させた後、槽Cに戻す。槽Aについては、バイオマスター液の処理は行わない。
槽A〜Cに対して、上記の一連の処理を2週間繰り返して、その間に増減した沈降汚泥量と、引き抜かれた上澄み水に含まれていた浮遊物質、すなわちSSの量を計量して、各槽毎に合計した。そして、実験の開始時の沈降汚泥量を減じて、汚泥の増加量を計算した。
バイオマスター液を使わない槽Aの汚泥増加量を100%とすると、槽Bの汚泥増加量は21%であり、槽Cの汚泥増加量は11%であった。なお、SSとして流出した汚泥を加味せず、槽内に残留している沈降汚泥量だけでみると、槽Bにおいては汚泥増加量は17%であり、槽Cでは汚泥増加量が−12%であった。すなわち槽Cでは沈降汚泥の減少が起きた。
実施例3で使用した装置を使用して、実施例3とほぼ同様の条件で実験をした。ただし、槽Bにおいては、反応容器内で10Lの汚泥をバイオマスター液で可溶化する際、30分の反応後の残留塩素濃度が約10〜15mg/Lになるようにバイオマスター液を注入した。また、槽Cにおいては、反応容器内で10Lの汚泥をバイオマスター液で可溶化する際、30分の反応後の残留塩素濃度が約100mg/Lになるようにバイオマスター液を注入した。
上記条件で運転したところ槽B内の汚泥は、一部が若干白くはなったが汚泥としての活性は消滅しなかった。しかしながら、排水処理は十分には行われなくなった。一方、槽C内の汚泥は白化しほぼ運転不可能になった。
その後、槽Bおよび槽Cに可溶化後の汚泥を曝気槽に返す直前に、チオ硫酸ナトリウムを添加して、残留塩素がなくなるようにした。その結果、槽Bは直ちに正常になり、槽Cは7日後に白化が収まってきた。その間、槽Bの汚泥は微増し、槽Cの汚泥増加はほぼゼロであった。
以上のことから、多量のバイオマスター液を注入して反応させたとき、残留塩素が残ったとしても、還元剤で残留塩素を消費させて、安全に曝気槽に返送できることが分かった。
実施例3で使用した装置を使用して、実施例3とほぼ同様の条件で実験をした。ただし、槽Bにおいては、反応容器内で10Lの汚泥をバイオマスター液で可溶化する際、30分の反応後の残留塩素濃度が約10〜15mg/Lになるようにバイオマスター液を注入し、槽Bに戻す前にチオ硫酸ナトリウム水溶液で残留塩素がほぼ0になるようにした。また、槽Cにおいては、反応容器内で10Lの汚泥をバイオマスター液で可溶化する際、30分の反応後の残留塩素濃度が約100mg/Lになるようにバイオマスター液を注入し、槽Cに戻す前にチオ硫酸ナトリウム水溶液で残留塩素がほぼ0になるようにした。
上記の処理を繰り返してpHを測定した。
C バイオマスター液生成装置
1 排水供給管 3 曝気槽
4 沈殿槽 5 汚泥引き抜管
6 計量槽 7 汚泥返送管
11、11a バイオマスター反応槽
12 バイオマスター液生成装置 13 給水管
14 次亜塩素酸ソーダ槽 15 塩酸槽
17 1段目バイオマスター反応槽
18 2段目バイオマスター反応槽
19 3段目バイオマスター反応槽
21、22 接続管
24 攪拌翼 26 汚泥供給管
27 バイオマスター液注入管 29 可溶化汚泥返送管
31 監視用pH計 33 pH調整液タンク
34 残留塩素調整液タンク
51、52 仕切壁
54、55、56 バイオマスター反応室
Claims (7)
- 有機物を含んだ被処理排水を曝気槽を使用して活性汚泥処理する曝気処理工程と、前記曝気処理工程の実施により発生する汚泥に、次亜塩素酸ソーダ水溶液に希塩酸を混合して得られる、有効塩素濃度が500〜15000mg/L、pH値が4.0〜7.0の弱酸性の次亜塩素酸水溶液を添加して曝気せずに攪拌しながら所定時間滞留させて前記汚泥を可溶化する可溶化処理工程と、前記可溶化処理工程の実施により可溶化された汚泥を再度前記曝気槽に戻して活性汚泥処理する曝気処理工程とからなり、
前記可溶化処理工程は、直列に設けられている複数個の反応槽のうち、最上流側の前記反応槽に、汚泥濃度2000〜30000mg/Lの汚泥を供給すると共に、前記濃度の弱酸性の次亜塩素酸水溶液を塩素濃度100〜3000mg/Lになるように添加して攪拌し、以下順次下流側の反応槽へと送り、これらの反応槽においても攪拌して、全体として5分以上かけて連続的に実施し、
このとき前記直列に設けられている複数個の反応槽のうち最下流側の前記反応槽中のpH値が4〜7、残留塩素濃度が5mg/L以下になるようにすることを特徴とする、有機物を含んだ排水の処理方法。 - 有機物を含んだ被処理排水を曝気槽を使用して活性汚泥処理する曝気処理工程と、前記曝気処理工程の実施により発生する汚泥に、次亜塩素酸ソーダ水溶液に希塩酸を混合して得られる、有効塩素濃度が500〜15000mg/L、pH値が4.0〜7.0の弱酸性の次亜塩素酸水溶液を添加して曝気せずに攪拌しながら所定時間滞留させて前記汚泥を可溶化する可溶化処理工程と、前記可溶化処理工程の実施により可溶化された汚泥を再度前記曝気槽に戻して活性汚泥処理する曝気処理工程とからなり、
前記可溶化処理工程は、直列に設けられている複数個の反応槽のうち、最上流側の前記反応槽に、汚泥と、汚泥濃度2000〜30000mg/Lの汚泥に対して、前記濃度の弱酸性の次亜塩素酸水溶液とを塩素濃度100〜3000mg/Lになるように添加して攪拌し、以下順次下流側の反応槽へと送り、これらの反応槽においても攪拌して、全体として5分以上かけて連続的に実施し、
このとき前記直列に設けられている複数個の反応槽のうち最下流側の前記反応槽中のpH値が4〜7、残留塩素濃度が5mg/L以下になるように、前記最下流側の反応槽に、pH調整液または残留塩素調整液を添加することを特徴とする、有機物を含んだ排水の処理方法。 - 請求項1または請求項2に記載の処理方法において、前記可溶化処理工程により可溶化する汚泥は、前記曝気処理工程の実施により得られる汚泥の一部で、残りの汚泥は前記曝気槽に返送して活性汚泥処理する、有機物を含んだ排水の処理方法。
- 請求項1〜3のいずれかの項に記載の処理方法において、有機物を含んだ被処理排水にヤシ油脂肪酸を主体とするエステルまたはエーテルからなる界面活性剤を添加して前記各工程を実施する、有機物を含んだ排水の処理方法。
- 有機物を含んだ被処理排水を活性汚泥処理するための曝気槽と、該曝気槽により処理された汚泥を処理水から分離するための沈殿槽と、該沈殿槽から引き抜かれる汚泥を曝気しないで可溶化するための可溶化反応装置とからなり、
前記可溶化反応装置は、供給される汚泥が順次下流側へ流れるように直列に配置されている複数個の反応槽からなり、前記沈殿槽から引き抜かれる汚泥の一部は前記複数個の反応槽の最上流側の反応槽に供給され、前記複数個の反応槽の最下流側の反応槽から出る可溶化された汚泥は再び前記曝気槽に戻されるようになっている処理装置であって、
前記複数個の反応槽のそれぞれには攪拌装置が設けられていると共に、前記沈殿槽から引き抜かれる汚泥の一部と、次亜塩素酸ソーダ水溶液に希塩酸を混合して得られる弱酸性の次亜塩素酸水溶液は、前記複数個の反応槽の最上流側の反応槽に供給されるようになっており、
前記反応槽中のpH値と残留塩素濃度は、前記複数個の反応槽の最下流側の反応槽中で計測され、pH値が4〜7、残留塩素濃度が5mg/L以下になるように処理されることを特徴とする、有機物を含んだ排水の処理装置。 - 請求項5に記載の装置において、前記複数個の反応槽の最下流側の反応槽にはpH計または酸化還元電位計が設けられ、これらの計器により計測される値に基づいて、pH調整液または残留塩素調整液が前記複数個の反応槽の最下流側の反応槽に適宜添加されるようになっている、有機物を含んだ排水の処理装置。
- 請求項5または請求項6に記載の装置において、前記曝気槽にはヤシ油脂肪酸を主体とするエステルまたはエーテルからなる界面活性剤が添加された有機物を含んだ排水が供給されるようになっている、有機物を含んだ排水の処理装置。
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