JP4183737B1 - 有機物を含んだ排水の処理方法および処理装置 - Google Patents

有機物を含んだ排水の処理方法および処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】曝気槽で再処理する汚泥を、弱酸性の次亜塩素酸水溶液で可溶化する際、十分に可溶化できると共に、曝気槽に影響を与え無い、排水の処理方法を提供する。
【解決手段】汚泥濃度2000〜30000mg/Lの汚泥に対して、有効塩素濃度が500〜15000mg/L、pH値が4〜7の弱酸性の次亜塩素酸水溶液を100〜3000mg/Lになるように添加して、5分以上かけて可溶化処理を実施する。又は、最下流側の反応槽中のpH値または残留塩素濃度がそれぞれ4〜7、5mg/L以下になるように調整する。可溶化反応装置は、供給される汚泥が順次下流側へ流れるように複数個の反応槽で構成し、最上流側の反応槽において、弱酸性の次亜塩素酸次亜塩素酸水溶液を添加する。
【選択図】図1

Description

本発明は、汚泥の減容化方法および減容化装置に関するもので、さらに詳しくいえば、有機物を含んだ排水を曝気槽を使用して活性汚泥処理する曝気処理工程と、この曝気処理工程の実施により発生する汚泥を次亜塩素酸ソーダ水溶液に希塩酸を混合して得られる弱酸性の次亜塩素酸を添加して攪拌しながら所定時間滞留させて汚泥を可溶化する可溶化処理工程と、この可溶化処理工程の実施により可溶化された汚泥を前記曝気槽に戻して活性汚泥処理する曝気処理工程とからなる、有機物を含んだ排水の処理方法およびこの処理方法の実施に直接使用される処理装置に関するものである。
一般に、有機物を含んだ排水は曝気処理される。そして、曝気処理された排水は沈殿槽に導かれ、沈殿槽において沈殿汚泥と処理水とに分離される。沈殿汚泥の大部分は、返送汚泥として曝気槽に戻され、そして繰り返し曝気処理される。一方、沈殿汚泥の一部は減容化処理される。減容化処理された汚泥は曝気槽に送られ再度曝気処理される。また、沈殿汚泥の一部は、余剰汚泥として廃棄される。本発明は、一般的な汚泥も減容化できるが、特に上記したような沈殿汚泥の一部を減容化処理する点に特徴を有する有機物を含んだ排水の処理方法およびこの処理方法の実施に直接使用される処理装置に関するものである。
有機物を含んだ排水の処理法の一つとして、活性汚泥法が知られている。この活性汚泥法は、従来周知のように、好気性細菌、原生動物等が生息する浮遊性有機汚泥すなわち活性汚泥を曝気槽に供給し、そして十分な空気を送り込むと共に、処理する有機物を含んだ排水を投入して、排水中に含まれる有機物を活性汚泥中に棲息する好気性細菌等の微生物に捕食させる方法である。曝気槽で処理された水と活性汚泥の混合物は、沈殿槽に流下され、そこで活性汚泥と処理水に分離される。処理水は公共水域等に放流される。沈降した活性汚泥は返送汚泥として曝気槽に戻される。この方法によると排水中の有機物は水と炭酸ガスに分解されるので、有機物をほとんど含まない処理水が得られるという利点がある。
しかしながら、好気性細菌等の微生物は曝気槽で大量に増殖するので、そのまま放置すると活性汚泥が増えすぎ、沈殿槽において活性汚泥と処理水の分離ができなくなる。そこで、曝気処理により発生する余剰な活性汚泥は、沈殿槽から余剰汚泥として定期的に引き抜かれている。引き抜かれた余剰汚泥は、例えば脱水装置により脱水ケーキにされ、そして焼却等の処理がなされた後に、処分場等に適宜廃棄されている。ところで、このような処分場は環境の問題等により不足し、また余剰汚泥の処理コストは高騰し、さらには焼却に伴うダイオキシン等の有害物質の発生の問題もあるので、余剰汚泥の減容化が強く求められている。また、このような余剰汚泥の中には、本来水と炭酸ガスに分解されるべき未処理の有機物および細菌等が多量に含まれて残っている。これらの汚泥に含まれている有機物も適切に分解する技術が求められている。
特開2005−305222号公報 特開2007−209889号公報
特許文献1には、沈殿槽から引き抜かれた汚泥にオゾンを添加処理して、再び曝気槽に返送する汚泥の減容化方法が記載されている。汚泥にオゾンを添加すると、汚泥を構成している微生物の細胞壁が酸化により破壊され細胞内部の細胞質が溶出したり、微生物の集合体すなわちフロックが細分化される、いわゆる汚泥の可溶化が起こる。可溶化した汚泥は、細菌等の微生物に捕食されやすいので、再び曝気槽に返送して活性汚泥処理をすることができる。これにより、汚泥を減容化することができるといわれている。また、特許文献1にはオゾンの他に、さらに酸化剤としての次亜塩素酸ソーダ、すなわち次亜塩素酸ナトリウムを添加して汚泥の可溶化を促進させる方法も記載されている。
上記特許文献1の汚泥減容化メカニズムの説明は不充分と思われ、補足説明すると次の通りである。すなわち、活性汚泥には細菌の他、生物難分解性有機物と無機物が存在する。長時間曝気法を実施した活性汚泥においては、細菌は全体の一部でしかない。もちろん無機物はオゾンなどの酸化剤では全く減容化できない。細菌等の微生物と生物難分解性有機物が汚泥減容化の対象物である。微生物は長時間曝気することによって大幅に減少させることができる。実際、排水処理施設では長時間曝気法を採用しているところが少なくない。これは汚泥減容化のために行っているのであり、余剰汚泥は標準法により処理したときの数分の1になる。以上のことから、減容化の課題は生物難分解性有機物ということもできる。
特許文献1に記載の汚泥の減容化方法によっても、汚泥を可溶化して再び曝気槽で活性汚泥処理をすることができるので、汚泥を減容化できる効果は認められる。しかしながら、問題もある。例えば、汚泥を可溶化するためには大量のオゾンを必要とするので、格別に大型のオゾン発生装置を設ける必要がある。また、大量のオゾンを発生させるためには多大な電力を必要とし、初期コストとランニングコストが共に高くなるという問題がある。
そこで、オゾンに代えて次亜塩素酸ソーダで汚泥を可溶化する汚泥の減容化法も考えられた。この方法によると、高価なオゾン発生装置は不要で、安価な次亜塩素酸ソーダを使用できるので、初期コストもランニングコストも安くて済む可能性がある。しかしながら、次亜塩素酸ソーダには次のような4つの問題点があり、当業者にとってオゾンに代えて次亜塩素酸ソーダを採用することは考えにくいという事情がある。
[問題点1]次亜塩素酸ソーダ(NaOCl)は水中では大部分がマイナスイオン(ClO-)で存在し、安定化している。そのため貯蔵にあたっては12%(120000mg/L)あるいは6%塩素濃度とし、アルカリ性にして100%イオン化させている。安定していることは逆にいえば反応性が低いことを意味する。これが決定的な欠点である。
通常の使用に際しては大幅に希釈して使用するため、アルカリ性は消える。例えば水道水では塩素濃度を1mg/L程度とするため、消毒前の水道水のpHになる。しかし、汚泥減容化では100mg/L以上であるため、pHが高くなる。
さらに加えて汚泥中のマイナスに帯電している微生物と電気的に反発し合い、微生物を効率よく殺菌、酸化することができない。
[問題点2]従って、次亜塩素酸ソーダの多くは消費されずに残留して、下流側の曝気槽に混入し、曝気槽中の大切な微生物に悪影響を及ぼす可能性が高い。
[問題点3]次亜塩素酸ソーダが有機物と反応すると、有害物質のトリハロメタンが発生する。
[問題点4]次亜塩素酸ソーダの酸化力はオゾンに比べると弱く、汚泥を構成している生物難分解性有機物や微生物は破壊されず、汚泥を十分に減容化できない可能性がある。
次亜塩素酸ソーダの水溶液は弱アルカリ性を示すが、本発明者等は、特許文献2に記載されているように、次亜塩素酸ソーダに酸を添加して、pH4〜7の弱酸性中で汚泥を可溶化した後に活性汚泥処理して汚泥を減容化する、余剰汚泥減容化方法を提案している。次亜塩素酸ソーダ溶液を弱酸性にすると、以下に説明するように上記したような問題点1〜3はほぼ解決される。そして、実際のデータからも汚泥の減容化が十分に行われていることが示され、問題点4で指摘した懸念もある程度払拭されている。
次亜塩素酸ソーダ(NaOCl)を汚泥可溶化に必要な次亜塩素酸相当量を水に溶解した水溶液は、pH9近傍の弱アルカリ性を呈し、次亜塩素酸ソーダはイオン化していない分子(HOCl)と次亜塩素酸イオン(OCl-)とで、下記式で表される化学平衡を保っている。
HOCl ⇔ H+ + OCl-
イオン化されていない次亜塩素酸(HOCl)の濃度は、図3の(ア)にその濃度曲線に示されているように、pH9近傍の領域R1では、約3%であり、残りは全て次亜塩素酸イオン(OCl-)になっている。従って、このような次亜塩素酸ソーダ水溶液をそのまま汚泥に添加しても、問題点1で指摘したように、次亜塩素酸イオンは安定化しており次亜塩素酸の濃度が低く反応が弱い。また、マイナスに帯電している微生物には作用し難く、約3%のイオン化していない次亜塩素酸のみが実質上汚泥に作用するだけで、酸化が十分になされない。未消費の次亜塩素酸イオンは、濃度の平衡を保ちながら、少しずつ殺菌、酸化作用のある次亜塩素酸に変化し、ゆっくりと消費はされる。しかし、次亜塩素酸イオンは安定化しており時間がかかるので、問題点2で指摘されているように消費されないまま次亜塩素酸イオンが曝気槽に混入して悪影響を及ぼす。
特許文献2に記載の弱酸性の次亜塩素酸、すなわちバイオマスター液(BM液)は、次亜塩素酸ソーダ水溶液に希塩酸(HCl)を加えて得られる。このようなバイオマスター液は、図3の(ア)の領域R2に示されているように、イオン化されていない次亜塩素酸の濃度は80%以上となっている。従って、汚泥にバイオマスター液を添加すると、効率よく次亜塩素酸が微生物や生物難分解性有機物に作用して酸化する。反応が進行すると、次亜塩素酸が塩酸に変化するためpHが低下する。pHの低下は次亜塩素酸の割合を100%に近づけるため反応性はさらに向上する。仮に汚泥のpHが高くバイオマスター液を加えた時点でpHが7を越えていても、反応が進むとpHが7以下に低下して反応が加速するようになる。また、効率よく次亜塩素酸が消費されるので、曝気槽に次亜塩素酸が混入する可能性は比較的低くなる。従って、問題点1は解決され、問題点2についても危険性は低くなっている。さらに、弱酸性下においては、アルカリ性下と比べて次亜塩素酸が有機物と反応してトリハロメタンが生成される危険が遙かに小さく、問題点3についての危険性も低い。
特許文献2には記載されていないが、70日間、テストプラントを使用してバイオマスター液で汚泥を可溶化した後に曝気槽に返送して再処理したところ、後で説明する実施例3に示されているように、汚泥の発生量が、バイオマスター液を添加する前の約11〜21%になったことが確認されている。すなわち、問題点4で指摘した懸念に拘わらず、汚泥が顕著に減容化されることが確認された。問題点4の指摘のように、バイオマスター液の主成分である次亜塩素酸は、オゾンに比べると酸化力が弱いが、汚泥の減容化には十分の酸化力を有していることが判明した。バイオマスター液によって処理された汚泥は、再び曝気槽で分解されて活性汚泥処理されるのである。このようにバイオマスター液の次亜塩素酸は、生物難分解性有機物や微生物を部分的に酸化・破壊する。これが曝気槽に戻されたとき、部分的に壊された有機物が生分解性有機物として細菌などに分解される。また壊された細胞は速やかに他の微生物に捕食される。バイオマスター液はこのように部分的酸化分解をする役割を担っており、結果としてわずかな酸化で大きな成果をもたらすのである。
特許文献2に記載の汚泥の減容化方法によっても、安価なバイオマスター液で汚泥を可溶化し、曝気槽で活性汚泥処理して汚泥を大幅に減容化できる利点は認められる。また、曝気槽に返送される可溶化された汚泥中に残留する次亜塩素酸の量は少なく、比較的安全でもある。しかしながら、改良すべき問題点も認められる。
すなわち、特許文献2に記載の汚泥の減容化装置には、引き抜かれた沈殿汚泥にバイオマスター液を添加して可溶化する、次亜塩素酸反応槽すなわちバイオマスター反応槽が設けられているが、次亜塩素酸反応槽の構造に格別の考慮が払われていないので、また次亜塩素酸反応槽内における処理法についても格別に工夫されていないので、バイオマスター液中の次亜塩素酸の一部が未処理のまま下流側の曝気槽に返送されて、曝気槽中の大切な細菌等の微生物に悪影響を及ぼす恐れが完全には無くなっていない。また、添加されるバイオマスター液中の次亜塩素酸のほとんどが汚泥に作用して消費される保証も無い。
また、有機物を含む排水中には油脂あるいは油成分が混入している可能性もあるが、混入している油成分は凝集して排水表面に浮いてしまい、曝気槽中の微生物に捕食させることは難しい。このような油脂塊は、比重は小さく沈殿しにくいので、沈殿槽において沈殿汚泥として引き抜いて、可溶化することできない。特許文献2に記載の汚泥の減容化方法には、このような油脂あるいは油成分を含んでいる排水の処理については格別に考慮されていない。
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであって、具体的には活性汚泥処理により生じる汚泥を可溶化するとき、より安価で取り扱いの簡単なバイオマスター液すなわち次亜塩素酸ソーダ水溶液に希塩酸を混合して得られる弱酸性の次亜塩素酸を使用するにも拘わらず、その後の活性汚泥処理に悪影響を及ぼさない、有機物を含んだ排水の処理方法およびこの方法の実施に使用される処理装置を提供することを目的としている。また、他の発明は、上記のような目的に加えて、有機物を含んだ排水中に油脂あるいは油成分が含まれていても、効率よく排水中の有機物を分解、処理できる、有機物を含んだ排水の処理方法および処理装置を提供することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するために、直列に設けられている複数個の反応槽のうち、最上流の反応槽において、汚泥濃度2000〜30000mg/Lの汚泥に対して、前記濃度の弱酸性の次亜塩素酸水溶液を100〜3000mg/Lになるように添加して攪拌し、順次下流側の反応槽へ送りながら攪拌して、可溶化処理するとき、5分以上かけて連続的に可溶化処理を実施して、最下流側の反応槽中のpH値が4〜7、残留塩素濃度が5mg/L以下になるように構成される。最上流の反応槽において所定の汚泥に所定の濃度の弱酸性の次亜塩素酸水溶液を添加して攪拌し、順次下流側の反応槽へ送りながら攪拌して5分以上かけて可溶化処理を実施することにより、残留次亜塩素酸の濃度および塩酸の濃度を所定の濃度に減らすことができる。次亜塩素酸ソーダに添加する酸には塩酸の他、酢酸、硫酸など各種の酸が使用できるが、塩酸が最も好ましいので、本発明では代表して全て塩酸で記述する。減容化する汚泥は余剰汚泥に限定されない。活性汚泥法では余剰汚泥だけでは汚泥減容化に限界がある。処理量を増やすため曝気槽汚泥の一部や返送汚泥の一部を対象とする。さらに本発明は、曝気槽を設置すれば、他の各種有機汚泥に対しても有用な汚泥減容化方法となる。また、他の発明は、汚泥濃度2000〜30000mg/Lの汚泥に対して、前記濃度の弱酸性の次亜塩素酸水溶液を添加して、可溶化処理するとき、最下流側のpH値が4〜7、残留塩素濃度が5mg/L以下になるように、pH調整液又は残留塩素調整液で調整するように構成される。これにより、可溶化された汚泥をそのまま曝気槽に返送して活性汚泥処理することができるようになる。さらに他の発明は、有機物を含んだ排水に界面活性剤を添加して活性汚泥処理、可溶化処理等を実施するように構成される。
すなわち、請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、有機物を含んだ被処理排水を曝気槽を使用して活性汚泥処理する曝気処理工程と、前記曝気処理工程の実施により発生する汚泥に、次亜塩素酸ソーダ水溶液に希塩酸を混合して得られる、有効塩素濃度が500〜15000mg/L、pH値が4.0〜7.0の弱酸性の次亜塩素酸水溶液を添加して曝気せずに攪拌しながら所定時間滞留させて前記汚泥を可溶化する可溶化処理工程と、前記可溶化処理工程の実施により可溶化された汚泥を再度前記曝気槽に戻して活性汚泥処理する曝気処理工程とからなり、前記可溶化処理工程は、直列に設けられている複数個の反応槽のうち、最上流の前記反応槽に汚泥濃度2000〜30000mg/Lの汚泥を供給すると共に、前記濃度の弱酸性の次亜塩素酸水溶液を塩素濃度100〜3000mg/Lになるように添加して攪拌し、以下順次下流の反応槽へ送り、これらの反応槽においても攪拌して、全体として5分以上かけて連続的に実施し、このとき前記直列に設けられている複数個の反応槽のうち最下流側の前記反応槽中のpH値が4〜7、残留塩素濃度が5mg/L以下になるように構成される。
請求項2に記載の発明は、有機物を含んだ被処理排水を曝気槽を使用して活性汚泥処理する曝気処理工程と、前記曝気処理工程の実施により発生する汚泥に、次亜塩素酸ソーダ水溶液に希塩酸を混合して得られる、有効塩素濃度が500〜15000mg/L、pH値が4.0〜7.0の弱酸性の次亜塩素酸水溶液を添加して曝気せずに攪拌しながら所定時間滞留させて前記汚泥を可溶化する可溶化処理工程と、前記可溶化処理工程の実施により可溶化された汚泥を再度前記曝気槽に戻して活性汚泥処理する曝気処理工程とからなり、前記可溶化処理工程は、直列に設けられている複数個の反応槽のうち、最上流の前記反応槽に、汚泥と、汚泥濃度2000〜30000mg/Lの汚泥に対して、前記濃度の弱酸性の次亜塩素酸水溶液塩素濃度100〜3000mg/Lになるように添加して攪拌し、以下順次下流の反応槽へ送り、これらの反応槽においても攪拌して、全体として5分以上かけて連続的に実施し、このとき前記直列に設けられている複数個の反応槽のうち最下流側の前記反応槽中のpH値が4〜7、残留塩素濃度が5mg/L以下になるように、前記最下流側の反応槽に、pH調整液または残留塩素調整液を添加するように構成される。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の処理方法において、前記可溶化処理工程により可溶化する汚泥は、前記曝気処理工程の実施により得られる汚泥の一部で、残りの汚泥は前記曝気槽に返送して活性汚泥処理するように、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかの項に記載の処理方法において、有機物を含んだ被処理排水にヤシ油脂肪酸を主体とするエステルまたはエーテルからなる界面活性剤を添加して前記各工程を実施するように構成される。
請求項5に記載の発明は、有機物を含んだ被処理排水を活性汚泥処理するための曝気槽と、該曝気槽により処理された汚泥を処理水から分離するための沈殿槽と、該沈殿槽から引き抜かれる汚泥を曝気しないで可溶化するための可溶化反応装置とからなり、前記可溶化反応装置は、供給される汚泥が順次下流側へ流れるように直列に配置されている複数個の反応槽からなり、前記沈殿槽から引き抜かれる汚泥の一部は前記複数個の反応槽の最上流側の反応槽に供給され、前記複数個の反応槽の最下流側の反応槽から出る可溶化された汚泥は再び前記曝気槽に戻されるようになっている処理装置であって、前記複数個の反応槽のそれぞれには攪拌装置が設けられていると共に、前記沈殿槽から引き抜かれる汚泥の一部と、次亜塩素酸ソーダ水溶液に希塩酸を混合して得られる弱酸性の次亜塩素酸水溶液は、前記複数個の反応槽の最上流側の反応槽に供給されるようになっており、
前記反応槽中のpH値と残留塩素濃度は、前記複数個の反応槽の最下流側の反応槽中で計測され、pH値が4〜7、残留塩素濃度が5mg/L以下になるように処理されるように構成される。請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の装置において、前記複数個の反応槽の最下流側の反応槽にはpH計または酸化還元電位計が設けられ、これらの計器により計測される値に基づいて、pH調整液または残留塩素調整液が前記複数個の反応槽の最下流側の反応槽に適宜添加されるように構成される。請求項7に記載の発明は、請求項5または請求項6に記載の装置において、前記曝気槽にはヤシ油脂肪酸を主体とするエステルまたはエーテルからなる界面活性剤が添加された有機物を含んだ排水が供給されるように構成される。
以上のように、本発明によると、汚泥の可溶化処理工程に次亜塩素酸ソーダ水溶液に希塩酸を混合して得られる有効塩素濃度が500〜15000mg/L、pH値が4〜7の弱酸性の次亜塩素酸水溶液が使用されるので、オゾンあるいはオゾン水により可溶化する場合に比べて初期設備費およびランニングコストが低いという利点が得られる。このとき、汚泥濃度2000〜30000mg/Lの汚泥に対して、前記濃度の弱酸性の次亜塩素酸水溶液が100〜3000mg/Lになるように添加して、可溶化処理するとき、直列に設けられている複数個の反応槽のうち、最上流の反応槽において汚泥に所定の濃度の弱酸性の次亜塩素酸水溶液を添加して攪拌し、順次下流側の反応槽へ送りながら攪拌して5分以上かけて可溶化処理を実施して、最下流側の前記反応槽中のpH値が4〜7、残留塩素濃度が5mg/L以下になるように構成されているので、残留次亜塩素酸の濃度は所定の濃度まで減っており、可溶化された汚泥をそのまま曝気槽に戻して活性汚泥処理をすることができるという、本発明に特有の効果が得られる。また、5分以上かけて可溶化処理工程を実施するので、次亜塩素酸を汚泥の可溶化に有効に作用させることができる効果も得られる。
また、他の発明によると、汚泥の可溶化処理工程は、汚泥濃度2000〜3000mg/Lの汚泥に対して、前記濃度の弱酸性の次亜塩素酸水溶液が100〜3000mg/Lになるように添加して、直列に設けられている複数個の反応槽内を順次下流側へ送りながら所定時間実施すると共に、前記複数個の反応槽中の最下流側の反応槽中のpH値が4〜7、残留塩素濃度が5mg/L以下になるように、pH調整液又は残留塩素調整液で調整するので、可溶化された汚泥をそのまま曝気槽に戻して活性汚泥処理することができるという、本発明に特有の効果が得られる。
さらには、可溶化処理工程は、直列に設けられている複数個の反応槽内を順次下流側へ送りながら実施するので、連続運転が可能である。特に、バッチ式に処理するときは、反応槽は大きくなり設備費は高く、また汚泥および次亜塩素酸水溶液の供給、停止の制御が困難になるが、本発明によると、連続運転が可能であるので、反応槽は安価になり、汚泥および次亜塩素酸水溶液の供給、停止の制御は簡単になる効果が、さらに得られる。
また、他の発明によると、有機物を含んだ排水にヤシ油脂肪酸を主体とするエステルまたはエーテルからなる界面活性剤を添加して曝気処理工程、可溶化処理工程等を実施するので、油分は乳化され、油分を含んでいても通常の排水と同様に微生物により分解、処理できる効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。本実施の形態に係る有機物を含んだ排水の処理装置は、図1に示されているように、活性汚泥処理装置Aと、汚泥の可溶化装置Bと、バイオマスター生成装置Cとから構成されている。
活性汚泥処理装置Aは、図1のプロセスフロー図に示されているように、概略的には、排水供給管1から有機物を含んだ排水を受け入れる流量調整槽2、この流量調整槽2の下流側に設けられて排水中の有機物を生物学的に分解する曝気槽3、この曝気槽3の下流側に設けられ、汚泥と処理水を分離する沈殿槽4等から構成されている。流量調整槽2の一方にはバイオマスター補助液注入管40が接続されている。この注入管40から、詳しくは後述するように、必要に応じてバイオマスター補助液等の界面活性剤が注入されるようになっている。他端部は図には示されていないが自動堰やポンプ等を介して曝気槽3に接続されている。流量調整槽2は、一種のバッファ用の槽であり、排水供給管1から供給される有機物を含んだ排水は、流量調整槽2により均一化され適切な流量にコントロールされて、下流側の曝気槽3に送られる。
曝気槽3は、従来周知のように、その底部には多数の空気噴出孔が明けられている。これらの空気孔に外部に設けられているブロワから加圧空気が供給されるようになっている。また、曝気槽3内には必要に応じて攪拌羽根が設けられている。このように構成されている曝気槽3の排出端に沈殿槽4が接続されている。曝気槽3内には、好気性細菌等の微生物が生育している。
沈殿槽4は、本実施の形態では重力により汚泥が沈殿する沈殿槽として構成され、全体として漏斗状を呈し、その下端部に沈殿汚泥を引き抜く汚泥引き抜管5が接続されている。汚泥引き抜管5には計量槽6が接続されている。計量槽6の具体的な構造は、図1には示されていないが、箱状を呈する容器から構成されている。この容器の内部は所定の切欠が設けられている複数枚の仕切り板で複数個の室に仕切られ、最下流側の仕切り板に三角堰が形成されている。また、最上流側の室に沈殿槽4から引き抜かれた沈殿汚泥が供給されるようになっている。この最上流側の室には、上下方向にスライドするゲートが設けられ、このゲートの高さ位置は設定高さになるように調整される。このゲートからオーバーフローする沈殿汚泥が汚泥返送管7により曝気槽3に戻されるようになっている。また、三角堰から出る汚泥は、汚泥供給管26により、詳しくは後述する汚泥の可溶化装置Bの方へ送られるようになっている。
本発明の実施の形態に係る汚泥の可溶化装置Bは、複数個、図1に示されている実施の形態では3個の独立した反応槽すなわちバイオマスター反応槽17、18、19から構成されている。さらに詳しく説明すると、3個の反応槽は直列的に接続されて、上流から1段目のバイオマスター反応槽17、2段目のバイオマスター反応槽18、3段目のバイオマスター反応槽19となっている。1段目のバイオマスター反応槽17と2段目バイオマスター槽18との間、および2段目のバイオマスター反応槽18と3段目バイオマスター槽19との間には所定の段差があり、下流側に向かって順次低くなっている。従って、1段目のバイオマスター反応槽17に汚泥が供給されると、1段目のバイオマスター反応槽17内に滞留していた汚泥は、押し出されて第1の接続管21を介して、2段目のバイオマスター反応槽18に送泥され、2段目のバイオマスター反応槽18内に滞留していた汚泥は、同様に押し出されて第2の接続管22を介して、3段目のバイオマスター反応槽19に送泥される。このようなバイオマスター反応槽17、18、19には、それぞれ攪拌翼24、24、24が設けられ、槽内の汚泥は適宜攪拌されるようになっている。なお、攪拌装置は攪拌翼である必要はなく、汚泥ポンプ等による攪拌でもよい。
このような1段目のバイオマスター反応槽17の上方には、汚泥供給管26と、バイオマスター液生成装置12から配管されたバイオマスター液注入管27とがそれぞれ開口している。これらの管26、27により、1段目のバイオマスター反応槽17内に汚泥が供給されると共にバイオマスター液が注入される。最下流側の3段目のバイオマスター反応槽19には、可溶化汚泥送泥管29が接続され、可溶化された汚泥が曝気槽3に返送されるようになっている。このように構成されている反応槽の、最上流側の1段目のバイオマスター反応槽17内に本実施の形態によると、監視用pH計31が設けられている。また、3段目のバイオマスター反応槽19には、図1には示されていないが、pH計と酸化還元電位計とが設けられ、これらの計器により、可溶化された汚泥のpHと酸化還元電位が計測されるようになっている。これらの計測値に基づいて、必要に応じてpH調整液タンク33、あるいは残留塩素調整液タンク34からpH調整液タンクあるいは残留塩素調整液が注入されるようになっている。なお、pH計と酸化還元電位計は常時手動でチェックするならば、必ずしも設置しなくても良い。この場合は手動で流量を設定する。
バイオマスター液生成装置Cは、図1に示されている実施の形態によると、バイオマスター液生成装置12、次亜塩素酸ソーダ槽14、塩酸槽15等から構成されている。このバイオマスター液生成装置12に、給水管13からは例えば水道水を、次亜塩素酸ソーダ槽14から次亜塩素酸ソーダを、そして塩酸槽15から希塩酸をそれぞれ供給すると、後で説明するように所定濃度のバイオマスター液が生成される。次亜塩素酸ソーダ槽14と塩酸槽15には、それぞれの薬液タンク14’、15’から亜塩素酸ソーダと希塩酸が適宜補給されるようになっている。
次に、本実施の形態に係る有機物を含んだ排水の処理装置の作用について説明する。本実施の形態によると、システム制御盤すなわち制御装置SCを備えているので、有機物を含んだ排水の供給量、汚泥の沈殿槽4から曝気槽3への戻し量、汚泥の1番目のバイオマスター反応槽17への供給量、汚泥の1〜3番目のバイオマスター反応槽17〜19中に滞留する時間、各管路に設けられているポンプP、Pの起動および停止、また各管路に介装されている開閉弁V、Vの操作、バイオマスター反応槽17〜19中のpH値、酸化還元電位等が設定値になるような調整液の供給量等が制御装置SCにより自動的に制御されるが、一部は手動的に操作するように実施することもできる。以下、説明を簡単にするために主として手動的に操作する例について説明する。
定常運転に入った状態から説明する。有機物を含んだ排水が流量調整槽2に流入すると、排水は流量調整槽2で適切な流量にコントロールされて曝気槽3に送られる。曝気槽3において、従来周知のように活性汚泥により処理される。すなわち、ブロワから供給される空気が気泡状に噴出して活性汚泥中の微生物に酸素を供給するので、排水中に含まれる有機物は微生物に捕食され、水と二酸化炭素に分解される。微生物は細胞分裂して増殖するので、増殖した微生物は分解されていない有機物等と共に、フロックを形成して新たな汚泥となる。このようにして発生した汚泥は、処理水と共に次の沈殿槽4に送られる。
沈殿槽流入口において、必要に応じて凝集剤を注入する。フロック等は凝集し、例えば重力により汚泥と処理水とに分離される。このような重力分離により、沈殿槽4の上方位置では上澄み水すなわち処理水が得られる。処理水はほとんど有機物を含んでいないので河川等に適宜排水する。一方、沈殿した汚泥は、沈殿槽4の底部に設けられた汚泥引き抜管5から計量槽6に引き抜かれる。
計量槽6のゲートは、所定高さに駆動されているので、三角堰からは所定量宛の沈殿汚泥がオーバーフローし、汚泥供給管26を介して次の汚泥の可溶化装置Bに送られる。一方、ゲートをオーバーフローした沈殿汚泥は、汚泥返送管7から曝気槽3に返送汚泥として返送される。これにより、有機物濃度が適正に保たれ、活性汚泥の活性は低下しない。他の余剰汚泥は余剰汚泥貯留槽8に送られて、脱水された後に処分場等に適宜搬送される。
排水供給管1から流量調整槽2に流入する排水に油脂あるいは油成分が含まれているときには、バイオマスター補助液供給管40からバイオマスター補助液などの界面活性剤を適量供給する。このバイオマスター補助液は、ヤシ油脂肪酸を主体とするエステルまたはエーテルである。バイオマスター補助液は優れた界面活性性を有するので、排水の表面に凝集している油脂を分散させ、排水中に一様に混濁あるいは乳化させる。従って、細菌等の微生物は油脂を効率よく分解することができる。
計量槽6から排出される可溶化する汚泥は、汚泥の可溶化装置Bの1段目のバイオマスター反応槽17に供給される。このとき、バイオマスター液も1段目のバイオマスター反応槽17に注入される。
バイオマスター液は、バイオマスター液生成装置12によって次のように生成されている。12%以下の次亜塩素酸ソーダ水溶液と、35%の塩酸を9%まで希釈しこれを混合して、有効塩素濃度が500〜15000mg/Lになるように水で希釈されて生成されている。15000mg/L以上になると取扱が難しくなる。このようにして生成されるバイオマスター液は、pH値は4.0以上7.0未満の弱酸性の次亜塩素酸水溶液である。上記のようにしてバイオマスター液を生成するとき、pH値が4.0以下になると塩素ガスが発生する危険があるので、バイオマスター液生成時には、pHをチェックしなければならない。
このようなバイオマスター液は、汚泥の性状や浮遊物質すなわちSSの濃度、汚泥を可溶化させたい度合等によっても異なるが、汚泥1Lに対して例えば100〜200mLのバイオマスター液を1段目のバイオマスター反応槽17に注入する。
1段目のバイオマスター反応槽17において、攪拌翼24によって汚泥とバイオマスター液とが攪拌される。バイオマスター液中の次亜塩素酸は既に説明されているように、汚泥中の生物難分解性有機物や細菌等を酸化し可溶化する。消費された次亜塩素酸は希塩酸に変化する。1段目のバイオマスター反応槽17内で所定時間滞留して可溶化が進んだ汚泥は、未消費の次亜塩素酸を含むバイオマスター液と共に、第1の接続管21から2段目のバイオマスター反応槽18に送られる。このとき、攪拌翼24によって槽内は混合されており、送られた汚泥と注入されたバイオマスター液は、ショートして2段目のバイオマスター反応槽18に送られることはなく、十分に反応した後に送泥されることになる。しかし、反応槽内が完全に混合されていても、短時間で流出する部分は存在する。これは連続式である以上やむを得ないことである。そこで、反応槽は多段に設置されている。すなわち、図示の実施の形態では3個の反応増から構成されている。反応槽の数は多いほど短時間で流出する部分は少なくなるが、最低3個以上の反応槽で実施すると、問題はなくなる。
2段目のバイオマスター反応槽18でも同様に、攪拌翼24によって汚泥とバイオマスター液とが攪拌される。2段目のバイオマスター反応槽18内で所定時間滞留すると、次亜塩素酸の大部分が消費されて、汚泥の可溶化も十分に行われる。その後、第2の接続管22から3段目のバイオマスター反応槽19に送泥される。
3段目のバイオマスター反応槽19では、次亜塩素酸はほとんど残留しておらず、有効塩素濃度は5mg/L以下になっている。従って、ほとんどの汚泥は、これ以上は可溶化されない状態になっている。しかしながら、汚泥の滞留時間にはバラツキがあるので、3段目のバイオマスター反応槽19に送泥される汚泥の中には、1段目のバイオマスター反応槽17と2段目のバイオマスター反応槽18の平均滞留時間よりも短い時間で送泥される汚泥も存在しているので、3段目のバイオマスター反応槽19においても、攪拌翼24によって汚泥を攪拌して、次亜塩素酸を可能な限り消費させる。バイオマスター液中の次亜塩素酸は、注入する割合にもよるが、5分〜30分間でほとんどが消費される。従って、汚泥は、1〜3段目のバイオマスター反応槽17、18、19中で、合計した滞留時間が最低5分間、好ましくは30分間以上とする。処理する汚泥量に応じて、1〜3段目のバイオマスター反応槽17、18、19の必要な容量が決定される。なお、設置スペースに余裕があれば、1〜3段目バイオマスター反応槽17、18、19の容量を大きくして、滞留時間が1時間以上になるようにするのもよい。
上記したように、3段目のバイオマスター反応槽19には、次亜塩素酸はほとんど残留していない。また、反応した次亜塩素酸量と同量の塩酸が発生し、pHが低下する。しかし、曝気槽3に流入する新たな排水量に比べて、返送される可溶化された汚泥は少量である。従って、そのまま曝気槽3に返送してもpHなどの問題はほとんどない。しかしながら、安全のため、3番目のバイオマスター反応槽19に設けられているPH計とORP計(または手計測)により可溶化された汚泥のpHと酸化還元電位が計測される。そして、必要があれば残留塩素調整液すなわちチオ硫酸ナトリウムなどの還元液が注入される。また、所定のpHより低い場合は、水酸化ナトリウム(NaOH)や炭酸ナトリウム(Na2CO3)等のpH調整液がタンク33から注入される。これにより、適正なpH値に調節される。なお、チオ硫酸ナトリウムなど還元剤を使用した場合は、次亜塩素酸の反応が停止するため、反応槽としての働きが無くなる。このように実施するときは、反応槽の数が不足するので、中和槽として1槽を追加することが好ましい。
可溶化され、適当なpH値に調整された汚泥は、3段目のバイオマスター反応槽19から、可溶化汚泥送泥管29を経由して、曝気槽3に返送される。曝気槽で再び活性汚泥によって処理されて、可溶化された汚泥は水と二酸化炭素に分解される。以下、同様に処理して汚泥を減容化する。
本実施の形態に係る汚泥の可溶化装置Bにおいても、汚泥を完全に可溶化できるとは限らない。すなわち、沈殿槽4に次第に分解され難くなった汚泥が溜まることがあり得る。そこで、沈殿槽4から引き抜かれた汚泥の内所定量は、定期的に別に設けられている余剰汚泥貯留槽8に送られて、既に説明したように脱水して、処分場に搬送される。
図2に、第2の実施の形態に係るバイオマスター反応槽11aが示されている。本実施の形態に係るバイオマスター反応槽11aは、1槽で構成されている。当業者には容易に理解されるので、既に説明した第1の実施の形態に係るバイオマスター反応槽11の構成部材と同じ作用効果を奏する部材には、同じ参照番号を付して重複して説明はしないが、本実施の形態によるバイオマスター反応槽11a内には、第1の仕切壁51と、第1の仕切壁51よりも若干低い第2の仕切壁52とが設けられている。従って、バイオマスター反応槽11aは実質的に3槽に区画されて、1段目のバイオマスター反応室54、2段目のバイオマスター反応室55および3段目のバイオマスター反応室56となっている。汚泥はこれらの反応室54〜55を順次流下することになる。第1の実施の形態のバイオマスター反応槽17〜19と同じような作用効果を奏することは明らかである。なお、反応槽は多くすると反応時間が確実となるが、設備費は増える。
本実施の形態に係る排水の処理装置は、色々な変形が可能である。例えば、第1の実施の形態に係るバイオマスター反応槽11は3槽で構成されているが、4槽以上で実施することもできる。もちろん、第2の実施の形態に係るバイオマスター反応槽11bの仕切壁も3枚以上で実施することもできる。また、バイオマスター反応槽11、11aにおいて可溶化された活性汚泥を、曝気槽3とは別の曝気槽で処理することもできる。また、バイオマスター液は、バイオマスター液生成装置によって生成するように説明されているが、予め生成されたバイオマスター液を専用の貯蔵槽に用意しておいて、注入するように実施することもできる。ただし、この場合バイオマスター液は活性が高く分解しやすいので低温管理、貯留日数を短くするなど留意が必要である。さらに本発明は、曝気槽を付加すれば、他の各種有機汚泥に対しても有用な汚泥減容化方法となる。
汚泥とバイオマスター液の適切な反応時間を調べるため、次の実験を行った。
pH8.1の返送汚泥1Lを2個の容器に採り、塩素濃度3000mg/L、pH6.5のバイオマスター液を一方には100mL、他方には200mL入れ、混合液をろ過し、残留塩素を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 0004183737
表1によれば、いずれの容器においても5分でほとんどの次亜塩素酸が反応によって消費され、塩素濃度が約10mg/Lになっていることがわかる。しかし、残りの10mg/Lの残留塩素が十分に消費されるには15分以上、実質的にほぼ全てが消費されるには30分〜60分程度必要であることが分かる。この結果から見ると、次亜塩素酸が消費される反応は単純ではなく複雑であることが窺える。
一般的に曝気槽の容量は十分大きく、可溶化された汚泥の返送量は小さいので、5分間反応させれば、十分に残留塩素濃度は低くなって曝気槽への影響はほとんどない。しかし、次亜塩素酸が消費される反応は単純でないことが予想され、解明されていない現象を考慮すると、好ましくは15分以上、より好ましくは30分以上反応させると安全性は高まると考えられる。
pHは反応後低下していることが分かる。汚泥のpHが8.1であったが、バイオマスター液によって酸性に変化している。これは酸化反応により塩酸が発生したためである。このpHの低下は反応を加速するため好ましいものである。仮に、塩酸等でpH調整をしていない次亜塩素酸ソーダ水溶液を使う場合、pHは9程度になり、酸化反応は1/30程度に低下すると考えられる。
処理可能な汚泥の濃度の範囲、および注入するバイオマスター液の濃度の範囲を調べるため次の実験を行った。
汚泥濃度約30000mg/Lという極めて高濃度の活性汚泥1Lを2個の容器に採り、バイオマスター液を異なる塩素濃度になるように注入した。注入後の汚泥の塩素濃度が2000mg/Lになるようにバイオマスター液を注入した容器では、汚泥の色が塩素との反応によって次第に白みを増して、汚泥はある程度可溶化された。また、5分後には塩素臭はほとんど無く、残留塩素は5mg/L以下であることが推定された。ただし、全ての汚泥が可溶化されてはいなかった。一方、注入後の汚泥の塩素濃度が3000mg/Lになるようにバイオマスター液を注入した容器では、汚泥は、ほぼ白化した状態になり十分に可溶化はされた。しかしながら、反応の5分後でも塩素臭が残り塩素濃度約10mg/Lであった。これ以上の濃度の汚泥は、可溶化が比較的難しいので、嫌気性分解あるいは焼却などが行われるべきであろう。以上より、次亜塩素酸による汚泥可溶化の対象となる汚泥の汚泥濃度は、上限が30000mg/Lであると考えられる。さらに、残留塩素濃度を考慮すると、汚泥に注入する次亜塩素酸については、バイオマスター液注入後の汚泥中の塩素酸濃度の上限が3000mg/Lだと考えられる。
バイオマスター液注入後の汚泥中の塩素酸濃度の下限については、バルキング状態のときを考慮すべきである。バルキング状態、すなわち活性汚泥が沈殿槽で沈降し難くなる状態が、処理施設でしばしば発生し管理者を悩ますが、この時の沈殿汚泥の濃度は2000〜3000mg/Lと極めて低いものである。多くの実験の中でこのような状態も再現できた。実験によると、このような汚泥に対しては、バイオマスター液注入後の汚泥中の塩素酸濃度100mg/Lで可溶化されることが判明した。従って、処理可能な汚泥の濃度の下限は2000mg/L、バイオマスター液注入後の汚泥中の塩素酸濃度の下限は100mg/Lであると考えられる。
バイオマスター液注入による余剰汚泥減容化の効果を調べるため、下記の実験を行った。
バッチ式の活性汚泥法を行う、200Lの曝気槽兼沈殿槽を、槽A、槽B、槽Cの3槽用意して、最初に、所定量の沈降汚泥と上澄み水とからなる合計70Lの汚泥を、槽A〜Cに入れておいた。槽A〜Cに対して、以下の一連の処理を1日に1回実施した。
まず、槽A〜Cに有機性排水110Lを加えて、22時間曝気する。次いで、曝気を止めて90分間沈殿させた後、各槽に70L汚泥を残して上澄み水を抜く。
槽Bについては、残された汚泥のうち沈降汚泥を10L反応容器に採り、塩素濃度4000mg/L、pH6.5のバイオマスター液を900ml注入して、30分間攪拌して反応させた後、槽Bに戻す。同様に、槽Cについては、残された汚泥のうち沈降汚泥を10L反応容器に採り、塩素濃度4000mg/L、pH6.5のバイオマスター液を1800ml注入して、30分間攪拌して反応させた後、槽Cに戻す。槽Aについては、バイオマスター液の処理は行わない。
槽A〜Cに対して、上記の一連の処理を2週間繰り返して、その間に増減した沈降汚泥量と、引き抜かれた上澄み水に含まれていた浮遊物質、すなわちSSの量を計量して、各槽毎に合計した。そして、実験の開始時の沈降汚泥量を減じて、汚泥の増加量を計算した。
バイオマスター液を使わない槽Aの汚泥増加量を100%とすると、槽Bの汚泥増加量は21%であり、槽Cの汚泥増加量は11%であった。なお、SSとして流出した汚泥を加味せず、槽内に残留している沈降汚泥量だけでみると、槽Bにおいては汚泥増加量は17%であり、槽Cでは汚泥増加量が−12%であった。すなわち槽Cでは沈降汚泥の減少が起きた。
残留塩素が曝気槽に及ぼす影響について調べるため、またチオ硫酸ナトリウム溶液による残留塩素の消費の効果を確認するため、以下の実験を行った。
実施例3で使用した装置を使用して、実施例3とほぼ同様の条件で実験をした。ただし、槽Bにおいては、反応容器内で10Lの汚泥をバイオマスター液で可溶化する際、30分の反応後の残留塩素濃度が約10〜15mg/Lになるようにバイオマスター液を注入した。また、槽Cにおいては、反応容器内で10Lの汚泥をバイオマスター液で可溶化する際、30分の反応後の残留塩素濃度が約100mg/Lになるようにバイオマスター液を注入した。
上記条件で運転したところ槽B内の汚泥は、一部が若干白くはなったが汚泥としての活性は消滅しなかった。しかしながら、排水処理は十分には行われなくなった。一方、槽C内の汚泥は白化しほぼ運転不可能になった。
その後、槽Bおよび槽Cに可溶化後の汚泥を曝気槽に返す直前に、チオ硫酸ナトリウムを添加して、残留塩素がなくなるようにした。その結果、槽Bは直ちに正常になり、槽Cは7日後に白化が収まってきた。その間、槽Bの汚泥は微増し、槽Cの汚泥増加はほぼゼロであった。
以上のことから、多量のバイオマスター液を注入して反応させたとき、残留塩素が残ったとしても、還元剤で残留塩素を消費させて、安全に曝気槽に返送できることが分かった。
曝気槽に対する影響を評価するため、バイオマスター液を日々繰り返し注入したときの、槽内のpHの変化を調べる下記の実験を行った。
実施例3で使用した装置を使用して、実施例3とほぼ同様の条件で実験をした。ただし、槽Bにおいては、反応容器内で10Lの汚泥をバイオマスター液で可溶化する際、30分の反応後の残留塩素濃度が約10〜15mg/Lになるようにバイオマスター液を注入し、槽Bに戻す前にチオ硫酸ナトリウム水溶液で残留塩素がほぼ0になるようにした。また、槽Cにおいては、反応容器内で10Lの汚泥をバイオマスター液で可溶化する際、30分の反応後の残留塩素濃度が約100mg/Lになるようにバイオマスター液を注入し、槽Cに戻す前にチオ硫酸ナトリウム水溶液で残留塩素がほぼ0になるようにした。
上記の処理を繰り返してpHを測定した。
Figure 0004183737
表2に示されているように、処理対象の排水はpHが比較的低いが、処理された各槽A〜CのpHは、ほぼ中性となっている。本来は、バイオマスター液を用いて汚泥減容化を行うと、酸化反応によって発生する塩素によって、曝気槽のpHを少し低下させる。実際に、槽Bおよび槽Cにおいて、反応容器内で10Lの沈降汚泥をバイオマスター液で反応させたとき、反応後のpHはそれぞれ平均5.3と4.3であった。可溶化された汚泥は、このように若干酸性だが、表2の結果を見ると、前述のように各槽はほぼ中性を保っている。バイオマスター液注入による、pH低下の影響は小さく、活性汚泥がダメージを受けるほどではないことが分かる。従って、通常の場合は中和反応は不要と考えられる。ただし、処理前排水のpHも低い場合、中和させることも考慮すべきであろう。
1日の排水量150立方メートルの食品関係排水処理施設にバイオマスター反応槽を設置した。汚泥処理量は毎分5Lとした。バイオマスター反応槽は図1に示されているように3槽からなり、汚泥は連続して可溶化されるようになっている。また、反応時間は約1時間である。汚泥に注入後の塩素濃度が100〜500mg/Lとなるようにバイオマスター液を注入した。その結果立ち上げ後1週間の慣らし運転において、余剰汚泥が20%減少した。
実施例6の装置において、第1槽にpH監視装置を設置した。運転中に汚泥が配管内で詰まってバイオマスター反応槽への流入が停止したことがあった。この時反応装置に設置したpH計がpH5以下となり、未消費のバイオマスター液が曝気槽に流入することを止めることが出来た。このように汚泥流入の停止あるいはバイオマスター液の異常流入はpH監視装置によって簡単に検出でき、反応装置を停止出来る。
本発明の実施の形態に係る有機性排水の処理装置を模式的に示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係るバイオマスター反応槽を模式的に示す側面図である。 次亜塩素酸の特性あるいは作用を示す図で、その(ア)は各pHにおける次亜塩素酸ソーダの水溶液中に存在する有効塩素存在百分率を示すグラフ、その(イ)は細菌及び難分解性有機物に次亜塩素酸が作用している様子を模式的に示す図である。
符号の説明
A 活性汚泥処理装置 B 汚泥の可溶化装置
C バイオマスター液生成装置
1 排水供給管 3 曝気槽
4 沈殿槽 5 汚泥引き抜管
6 計量槽 7 汚泥返送管
11、11a バイオマスター反応槽
12 バイオマスター液生成装置 13 給水管
14 次亜塩素酸ソーダ槽 15 塩酸槽
17 1段目バイオマスター反応槽
18 2段目バイオマスター反応槽
19 3段目バイオマスター反応槽
21、22 接続管
24 攪拌翼 26 汚泥供給管
27 バイオマスター液注入管 29 可溶化汚泥返送管
31 監視用pH計 33 pH調整液タンク
34 残留塩素調整液タンク
51、52 仕切壁
54、55、56 バイオマスター反応室

Claims (7)

  1. 有機物を含んだ被処理排水を曝気槽を使用して活性汚泥処理する曝気処理工程と、前記曝気処理工程の実施により発生する汚泥に、次亜塩素酸ソーダ水溶液に希塩酸を混合して得られる、有効塩素濃度が500〜15000mg/L、pH値が4.0〜7.0の弱酸性の次亜塩素酸水溶液を添加して曝気せずに攪拌しながら所定時間滞留させて前記汚泥を可溶化する可溶化処理工程と、前記可溶化処理工程の実施により可溶化された汚泥を再度前記曝気槽に戻して活性汚泥処理する曝気処理工程とからなり、
    前記可溶化処理工程は、直列に設けられている複数個の反応槽のうち、最上流の前記反応槽に汚泥濃度2000〜30000mg/Lの汚泥を供給すると共に、前記濃度の弱酸性の次亜塩素酸水溶液を塩素濃度100〜3000mg/Lになるように添加して攪拌し、以下順次下流の反応槽へ送り、これらの反応槽においても攪拌して、全体として5分以上かけて連続的に実施し、
    このとき前記直列に設けられている複数個の反応槽のうち最下流側の前記反応槽中のpH値が4〜7、残留塩素濃度が5mg/L以下になるようにすることを特徴とする、有機物を含んだ排水の処理方法。
  2. 有機物を含んだ被処理排水を曝気槽を使用して活性汚泥処理する曝気処理工程と、前記曝気処理工程の実施により発生する汚泥に、次亜塩素酸ソーダ水溶液に希塩酸を混合して得られる、有効塩素濃度が500〜15000mg/L、pH値が4.0〜7.0の弱酸性の次亜塩素酸水溶液を添加して曝気せずに攪拌しながら所定時間滞留させて前記汚泥を可溶化する可溶化処理工程と、前記可溶化処理工程の実施により可溶化された汚泥を再度前記曝気槽に戻して活性汚泥処理する曝気処理工程とからなり、
    前記可溶化処理工程は、直列に設けられている複数個の反応槽のうち、最上流の前記反応槽に、汚泥と、汚泥濃度2000〜30000mg/Lの汚泥に対して、前記濃度の弱酸性の次亜塩素酸水溶液塩素濃度100〜3000mg/Lになるように添加して攪拌し、以下順次下流の反応槽へ送り、これらの反応槽においても攪拌して、全体として5分以上かけて連続的に実施し、
    このとき前記直列に設けられている複数個の反応槽のうち最下流側の前記反応槽中のpH値が4〜7、残留塩素濃度が5mg/L以下になるように、前記最下流側の反応槽に、pH調整液または残留塩素調整液を添加することを特徴とする、有機物を含んだ排水の処理方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の処理方法において、前記可溶化処理工程により可溶化する汚泥は、前記曝気処理工程の実施により得られる汚泥の一部で、残りの汚泥は前記曝気槽に返送して活性汚泥処理する、有機物を含んだ排水の処理方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかの項に記載の処理方法において、有機物を含んだ被処理排水にヤシ油脂肪酸を主体とするエステルまたはエーテルからなる界面活性剤を添加して前記各工程を実施する、有機物を含んだ排水の処理方法。
  5. 有機物を含んだ被処理排水を活性汚泥処理するための曝気槽と、該曝気槽により処理された汚泥を処理水から分離するための沈殿槽と、該沈殿槽から引き抜かれる汚泥を曝気しないで可溶化するための可溶化反応装置とからなり、
    前記可溶化反応装置は、供給される汚泥が順次下流側へ流れるように直列に配置されている複数個の反応槽からなり、前記沈殿槽から引き抜かれる汚泥の一部は前記複数個の反応槽の最上流側の反応槽に供給され、前記複数個の反応槽の最下流側の反応槽から出る可溶化された汚泥は再び前記曝気槽に戻されるようになっている処理装置であって、
    前記複数個の反応槽のそれぞれには攪拌装置が設けられていると共に、前記沈殿槽から引き抜かれる汚泥の一部と、次亜塩素酸ソーダ水溶液に希塩酸を混合して得られる弱酸性の次亜塩素酸水溶液は、前記複数個の反応槽の最上流側の反応槽に供給されるようになっており、
    前記反応槽中のpH値と残留塩素濃度は、前記複数個の反応槽の最下流側の反応槽中で計測され、pH値が4〜7、残留塩素濃度が5mg/L以下になるように処理されることを特徴とする、有機物を含んだ排水の処理装置。
  6. 請求項5に記載の装置において、前記複数個の反応槽の最下流側の反応槽にはpH計または酸化還元電位計が設けられ、これらの計器により計測される値に基づいて、pH調整液または残留塩素調整液が前記複数個の反応槽の最下流側の反応槽に適宜添加されるようになっている、有機物を含んだ排水の処理装置。
  7. 請求項5または請求項6に記載の装置において、前記曝気槽にはヤシ油脂肪酸を主体とするエステルまたはエーテルからなる界面活性剤が添加された有機物を含んだ排水が供給されるようになっている、有機物を含んだ排水の処理装置。
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