JP4183581B2 - スリットランプ - Google Patents

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Description

本発明はスリットランプに関する。さらに詳しくは、被検眼に対してスリット照明光を照射し、被検眼でのこの反射光を受光することによって被検眼の所望の部位を撮影するためのスリットランプに関する。
スリットランプは上記のとおりスリット照明光を被検眼に照射して被検眼の所望の部位を撮影するものである。スリットランプは眼科医療において種々の目的に用いられる。つまり、スリットランプは被検眼の種々の部位について種々の対象を撮影するものであるため、これらに応じて多くの撮影方法が適用される。検査者は被検眼の撮影部位や要撮影対象に応じ、自分の経験に則してスリットランプの照明光学系および撮影光学系の各焦点および光軸方向を被検眼の所望の部位に合わせる。さらに、スリット光の形状やサイズを変化させて所望の部位を撮影する。
このように、従来、スリットランプは眼科診療に熟練した者の手動操作を必要としている。すなわち、広い用途を持つスリットランプではあるが未熟者にとっては扱いにくい機器である。
このようなスリットランプは広く用いらている周知の眼科医療装置である(たとえば、特許文献1参照)。
特開2000−262476号公報
前述した現状にかんがみ、本発明は例え経験の少ない検査者であっても操作がし易く、且つコンパクトなスリットランプを提供することを目標としている。
本発明のスリットランプは、
照明光によって被検眼の前眼部を照明するための照明光源およびスリットを有する照明光学系と、
上記照明光の前眼部で反射された反射光による像を撮影するためのカメラを有する撮影光学系と、
合焦光を被検眼に投影する合焦光投影光学系、および、被検眼で反射した合焦光を検出することにより作動位置を検出する合焦検出光学系を有する作動位置検出手段と、
照明光学系、撮影光学系および作動位置検出手段の移動および作動を制御するための制御装置とを備えており、
上記照明光学系および撮影光学系が、その光軸同士の交点を中心に両光軸が所定角度の範囲で旋回するように移動可能に構成されており、
照明光学系および撮影光学系のうちの少なくとも一方が、その旋回範囲の左右両端近傍において、その光路が上記交点方向に縮短するように構成されている。
本発明の他のスリットランプは、
照明光によって被検眼の前眼部を照明するための照明光源およびスリットを有する照明光学系と、
上記照明光の前眼部で反射された反射光による像を撮影するためのカメラを有する撮影光学系と、
合焦光を被検眼に投影する合焦光投影光学系、および、被検眼で反射した合焦光を検出することにより作動位置を検出する合焦検出光学系を有する作動位置検出手段と、
照明光学系、撮影光学系および作動位置検出手段の移動および作動を制御するための制御装置とを備えており、
上記照明光学系および撮影光学系が、その光軸同士の交点を中心に両光軸が所定角度の範囲で旋回するように移動可能に構成されており、
少なくとも上記照明光学系および撮影光学系を収容するハウジングを備えており、上記照明光学系の上記旋回範囲の左右両端の少なくともいずれか一方に対応するハウジングの部分に、照明光学系の照明光源を取り替えるための光源出入口が形成されている。
本発明のさらに他のスリットランプは、
照明光によって被検眼の前眼部を照明するための照明光源およびスリットを有する照明光学系と、
上記照明光の前眼部で反射された反射光による像を撮影するためのカメラを有する撮影光学系と、
合焦光を被検眼に投影する合焦光投影光学系、および、被検眼で反射した合焦光を検出することにより作動位置を検出する合焦検出光学系を有する作動位置検出手段と、
照明光学系、撮影光学系および作動位置検出手段の移動および作動を制御するための制御装置と、
被検眼の前眼部に正面から照明光を照射してその角膜反射光の像を検出することにより装置の被検眼頂点に対する位置合わせをするためのアライメント光学系と、
被検者が固視するための複数個の固視標とを備えており、
上記照明光学系および撮影光学系が、その光軸同士の交点を中心に両光軸が所定角度の範囲で旋回するように移動可能に構成されており、
少なくとも一の固視標が上記アライメント光学系に設置され、他の固視標が上記撮影光学系に設置されている。
本発明のさらに他のスリットランプは、
照明光によって被検眼の前眼部を照明するための照明光源を有する照明光学系と、
上記照明光の前眼部で反射された反射光による像を撮影するためのカメラを有する撮影光学系と、
合焦光を被検眼に投影する合焦光投影光学系、および、被検眼で反射した合焦光を検出することにより作動位置を検出する合焦検出光学系を有する作動位置検出手段と、
照明光学系、撮影光学系および作動位置検出手段の移動および作動を制御するための制御装置と、
制御装置に接続された入出力装置とを備えており、
上記照明光学系および撮影光学系が、その光軸同士の交点を中心に両光軸が所定角度の範囲で旋回するように移動可能に構成されており、
上記入出力装置が表示画面を有しており、該表示画面上に各撮影方法に対応する被検部の画像が表示されたアイコン入力部が形成されており、入力部への入力により上記制御装置が対応する撮影方法に設定された照明光学系、撮影光学系および作動位置検出手段の移動および作動を指令するように構成されている。
本発明のさらに他のスリットランプは、
照明光によって被検眼の前眼部を照明するための照明光源を有する照明光学系と、
上記照明光の前眼部で反射された反射光による像を撮影するためのカメラを有する撮影光学系と、
合焦光を被検眼に投影する合焦光投影光学系、および、被検眼で反射した合焦光を検出することにより作動位置を検出する合焦検出光学系を有する作動位置検出手段と、
照明光学系、撮影光学系および作動位置検出手段の移動および作動を制御するための制御装置と、
制御装置に接続された入出力装置とを備えており、
該入出力装置が表示画面を有しており、
上記照明光学系および撮影光学系が、その光軸同士の交点を中心に両光軸が所定角度の範囲で旋回するように移動可能に構成されており、
上記制御装置が、照明光学系および撮影光学系の静止状態または移動状態において連続撮影しうるように構成されており、上記表示画面に連続撮影された画像が表示されるように構成されている。ここで、連続撮影とは、所定時間間隔で複数ショットの撮影を行う連写と、動画撮影とを総称したものである。
如上のスリットランプにおいて、上記制御装置を、上記照明光学系の光軸方向、上記スリットの形態、照明光学系の照明の明るさ、上記撮影光学系の光軸方向、撮影光学系の撮影倍率、および、上記光軸交点の変位位置の各項目についての複数の設定値から、操作入力に応じて選択しうるように構成するのが好ましい。種々の撮影方法を自動的に実施することができるからである。
上記固視標を光源を有する固視灯から構成し、上記制御装置を、この固視灯の明るさについての複数の設定値から、操作入力に応じて選択しうるように構成するのが好ましい。散瞳を必要とする検査においても被検者にとって眩しくないように固視灯の明るさを変更することができるからである。
本発明によれば、装置全体がコンパクトとなる。また、照明光源の取り替えが容易になる。さらに、被検眼の視軸と撮影方向との異同に応じて固視標を選択しうることはもとより、固視標の移動のために特別の移動手段を設ける必要がない。加えて、経験の少ない者であっても多種ある撮影法から必要なものを容易に選択することが可能である。
添付図面を参照しながら本発明の実施形態にかかるスリットランプを説明する。
図1(a)は本発明のスリットランプの一実施形態を示す概略平面図であり、図1(b)はその概略側面図である。図2は図1のスリットランプの一部の光学系を示す一部断面側面図である。図3は図1のスリットランプにおける各光学系の配置を示す平面図である。図4および図5はそれぞれ合焦光学系の側面を示す図であり、図3のIV−IV線矢視図およびV−V線矢視図である。
図1〜5に示すスリットランプ1は、照明光によって被検眼の前眼部を照明するための照明光学系2と、被検眼Eで反射された反射光による像を撮影するための撮影光学系3とを備えている(図1および図2)。さらに、合焦光を被検眼に投影する合焦光投影光学系4、および、被検眼Eで反射した合焦光を検出する合焦検出光学系5を備えている(図1、図3〜図5)。この合焦光投影光学系4および合焦検出光学系5に後述のアライメント光学系6を加えたものを作動位置検出装置7と呼ぶ。加えて、被検眼Eに固視させることによって被検眼の視軸を一定方向に固定するための複数個の固視灯34を備えている。二個の固視灯34が後述するアライメント光学系6の光軸6aの両側に設置され、他の一個の固視灯34がアライメント光学系6の光軸6a上に設置され、さらに他の一個の固視灯34が撮影光学系3の光軸3a上に設置されている。これらの固視灯34は必要に応じてその明るさを変更することができる。符号37は額当てであり、符号38はあご台である。被検者はその額を額当て37に押し当て、あごをあご台38に乗せることによって顔を固定する。
図1および図3に示すように、照明光学系2と撮影光学系3とはその光軸2a、3a同士が交差するように配置されている。この交点を第一交点C1と呼ぶ。さらに、照明光学系2および撮影光学系3はそれぞれ独立して、この第一交点C1を中心に各光軸2a、3aを第一交点C1に向けた状態で水平面内で旋回可能に構成されている。すなわち、上記両光軸2a、3aのなす角度は変更可能である。したがって、撮影光学系3が旋回すれば上記一個の固視灯34も一体で旋回する。
図3には、各光学系2、3、4、5、6の配置が平面図で示されている。照明光学系2および撮影光学系3についてはそれぞれ旋回によって設定された二つの位置が示されている。照明光学系2について実線が50゜位置であり二点鎖線が0゜位置である。撮影光学系3について実線が20゜位置であり二点鎖線が60゜位置である。かかる構成によって被検眼Eに対する照明方向および撮影方向を変化させることが可能である。この構成は、図示のごとく、照明光学系2を搭載した照明架台8と、撮影光学系3を搭載した撮影架台9とがそれらの先端部で同一旋回軸10の回りに旋回自在に取り付けられていることによって可能となる。すなわち、第一交点C1は旋回軸10の中心軸に一致している。また、図示のごとく装置の左右幅を小さくするために、撮影光学系3は旋回ルートの左右両端(右端のみ図示している)において旋回中心(第一交点)C1に接近するように構成されている。すなわち、撮影光学系3の光路が縮短している。この光路の伸縮機構については後述する。図中の符号40は、各光学系2、3、4、5、6を収容するハウジングを示している。
上記旋回軸10は左右方向(X軸)、上下方向(Y軸)および前後方向(Z軸)それぞれに移動可能な三軸架台11に突設されたものである。三軸架台11は、図2に示すように公知のXYテーブル等を採用したXZ軸移動台11aと、このXZ移動架台11aの上に設置された昇降機能を有するY軸移動台11bとから構成されている。
また、合焦光投影光学系4および合焦検出光学系5の光軸4a、5a同士も交差している。この交点を第二交点C2と呼ぶ。しかし、合焦光投影光学系4および合焦検出光学系5はともに上記三軸架台11に固定されているので、これら光軸4a、5aのなす角度は変化しない。本実施形態では上記第一交点C1と第二交点C2とは一致しているが、後述するように、Z軸方向にわずかにずれていてもよい。
図2に示すように、照明光学系2は被検眼撮影用の照明光源としての可視光ランプ12を有しており、光軸2aに沿って被検眼Eに向けてコンデンサレンズ13、形状可変のスリット14、交換可能なフィルタ15、および、投影レンズ16をその順に備えている。そして、可視光ランプ12からの照明光をミラー30によって被検眼Eに至らせる。撮影光学系3は照明光学系2によって照明された被検眼の部位を撮影するためのもので、カラーCCDカメラ17を有しており、光軸3aに沿って被検眼Eに向けて撮影レンズ18、変倍レンズ19および対物レンズ20を備えている。前述のように、照明光学系2および撮影光学系3の光軸2a、3aは第一交点C1で交差しており、両光学系2、3はこの第一交点C1に焦点が合わされている。したがって、この第一交点C1を被検部位に一致させて撮影を行う。
図4に示すように、合焦光投影光学系4は合焦光光源としての赤外LED21を有しており、光軸4aに沿って被検眼Eに向けてコンデンサレンズ22、視標スリット23および投影レンズ24を備えている。図5に示すように、合焦検出光学系5は被検眼Eの頂点で反射した合焦光を検出するためのものであり、ラインセンサやエリアセンサ等からなる検出センサ25を有し、光軸5a上の被検眼E側に結像レンズ26および可視光カットフィルタ39を備えている。これらの光学系4、5によって被検眼に対するスリットランプ1のZ方向の位置決めを行う。すなわち、三軸架台11を被検眼に対して前後させることにより、両光軸4a、5aの第二交点C2が被検眼Eの頂点に一致したときに合焦点が検出されたことになる。
図2に示すように、アライメント光学系6は被検眼に対するスリットランプ1のXY各方向の位置決めを行うものであり、被検眼の前眼部を照射するアライメント指標光の光源としての赤外LED27を有し、その光軸6a上に平行化レンズ28を有している。そして、ハーフミラー31およびミラー30を介してアライメント指標光を被検眼Eの前眼部に照射する。また、アライメント光学系6はアライメント光源27の被検眼での反射像たる輝点(プルキンエ像)を受光するアライメントセンサとしてのCCD29を有している。上記反射像(反射光)は光軸6aに沿って配置されたミラー30、ハーフミラー31、検出レンズ32およびミラー30を通してCCD29に至る。このプルキンエ像に基づいて上記三軸架台11をXY方向に移動させることによってアライメント光軸6aを角膜頂点に一致させる。前述した固視灯34のうちの二個がアライメント光学系6の光軸6aを挟んだ両側15゜の位置にそれぞれ設置され、一個が光学的にアライメント光学系6の光軸6a上に設置されている。
作動位置検出装置7による作動位置の検出は、合焦動作とアライメント動作とを平行して行うことにより達成される。具体的には、三軸架台11を被検眼Eに向けて(Z方向)前進させる。そして、アライメント光学系6によって上記プルキンエ像を検出することが可能になった時点で三軸架台11をX方向およびY方向にも変位させてアライメントを行う。アライメントを維持しつつ、すなわち、アライメント光軸6aを角膜頂点の所定範囲内(図12および図14に示すアライメント画面51中の円内)に維持しつつ三軸架台11をZ方向に変位させる。上記第二交点C2が被検眼の角膜頂点に一致したときに作動位置が検出されることになり、このときにたとえば、照明光源12を発光させてCCDカメラ17によって撮影部位の画像を撮影する。
図3に示すように、このアライメント光学系6の被検眼Eに至る光軸6aは上記第一交点C1と第二交点C2とを通る。そして、上記合焦光投影光学系4および合焦検出光学系5による合焦点の検出と、このアライメント光学系6によるアライメントとが平行して行われた結果、作動位置が検出されることになる。
前述したごとく、照明光学系2および撮影光学系3はともに独立して第一交点C1を中心に水平面内で旋回可能に構成されている。したがって、被検眼Eに対する照明方向および撮影方向を変えて被検眼の撮影部位を撮影することができる。さらに、照明光のスリット形状を変化させて、たとえば、スリット幅、スリット長さ、円形や矩形等のスリット外形を変化させて被検眼を照明することができる。また、撮影対象に応じて照明光学系の可視光ランプ12の明るさを変化させることもできる。照明光学系2のフィルタ15を異なる種類のもの、たとえば、散乱フィルタ、グリーンフィルタ、ブルーフィルタ等に交換することによって異なる照明光を被検眼に照射することができる。撮影光学系3の変倍レンズ19(図2)によって撮影倍率を変えることも可能である。もちろん、三軸架台11をXYZそれぞれの方向に移動させること、および、固視灯34の位置を変更することにより、被検眼Eの撮影部位を変更することもできる。スリットランプ1はかかる作用により、被検眼Eの撮影対象に応じて様々な部位を様々な撮影法によって撮影することができる。
図6は撮影光学系3が旋回するのに伴って伸縮する機構を平面図として示している。図7は撮影光学系3が伸長した状態を側面図として示し、図8は撮影光学系3が縮短した状態を側面図として示している。図示のごとく、撮影光学系3を支持する撮影架台9は入れ子式に構成されている。この撮影架台9は図7、8に示すように、二つの板部材9a、9bが重なり合うように光軸3a方向に縮短するものである。第一板部材9aの端部が上記旋回軸10に取り付けられており、第二板部材9bに撮影光学系3の鏡筒9cが取り付けられている。この撮影架台9には板部材9a、9b同士が引き合うように(撮影架台9が縮短するように)付勢する引っ張りばね41が配設されている。図7、8に示すごとく、撮影架台9が伸縮することによってCCDカメラ17から被検眼Eに至る撮影光学系3の光路が伸縮することになる。
上記三軸架台11には図6に示すようなガイドレール42が敷設されており、第二板部材9bの下端にはこのガイドレール42に沿って転動するガイドローラ43が設置されている。図示のごとくこのガイドレール42の平面視形状は、その旋回中間部42aが第一交点C1(旋回軸10)を中心とする円弧状にされ、旋回両端近傍42bが上記円弧から外れて旋回中心C1に接近するような円弧状にされている。全体でほぼ馬蹄形を呈している。かかる構成により、撮影光学系3は旋回して旋回端部に近づくと引っ張りばね41の付勢力によって旋回中心C1に接近し、旋回中間部42aに戻ると引っ張りばね41の付勢力に抗して旋回中心C1から離間する。
このように、撮影光学系3が旋回端部において旋回中心C1に接近する(図3中に太い二点鎖線で示す)ことにより、撮影光学系3の旋回ルートの左右の幅を狭くすることができる。その結果、ハウジング40をコンパクトに形成することができる。このことは図3からも明らかである。たとえば、旋回端部において撮影光学系3が旋回中心C1に接近しない場合、つまり、一の連続した円弧上を旋回した場合には、図3中に細い二点鎖線で示すごとく撮影光学系3が旋回端部においてハウジング40からはみ出すのでその分だけハウジングを大きくしなければならない。上記実施形態の機構ではかかる問題が解消されている。
撮影光学系3の旋回に伴って撮影光学系3の光路が伸縮するとフォーカスと倍率とが変化するのであるが、これを防止するために撮影光軸3a上に進入退避することができるコンバージョンレンズ44が配設されている(図7〜9参照)。本実施形態では、光路が縮短したときに像の拡大(倍率の増大)を相殺する凸レンズのコンバージョンレンズ44が変倍レンズ19のカメラ17側に進入する。旋回中間部において光路が伸長したときにはこのコンバージョンレンズ44が撮影光軸3a上から退避する。
図7、図8および図9にコンバージョンレンズ44の進退機構が示されている。撮影光学系の鏡筒9cにコンバージョンレンズ44を撮影光軸3aに垂直な面内に移動させるための揺動アーム45が配設されている。コンバージョンレンズ44はこの揺動アーム45の先端によって押し引きされることにより、撮影光軸3a上に進入退避させられる。この揺動アーム45の揺動支点45aには揺動復帰手段としての捻りばね45bが取り付けられている。また、上記第一板部材9aの端部には、第二板部材9bが接近したときに揺動アーム45の基端(上記先端とは反対側の端部)に当接して揺動アーム45を揺動させる操作凸部46が形成されている。揺動アーム45の基端近傍に対応する鏡筒9cの部位には、揺動アーム45の一方向の揺動を停止させるストッパ45cが形成されている。かかる進退機構は以下のように作用する。
図7に示すように、観察光学系3が旋回中間部にあって撮影架台9が伸長しているとき(光路が伸長したとき)は、揺動アーム45はその基端が操作凸部46から離間しているので操作力を受けることがない。したがって揺動アーム45は捻りばね45bの復元力によってストッパ45cに当接させられている。この状態ではコンバージョンレンズ44は揺動アーム45に押されて撮影光軸3aから退避している(図9(a)の状態に対応している)。ついで、図8に示すようにフレームが縮短したとき(光路が縮短したとき)、揺動アーム45はその基端が操作凸部46によって押され、捻りばね45bの復元力に抗して揺動する。その結果、揺動アーム45はコンバージョンレンズ44を引くことによって撮影光軸3a上に進入させる(図9(b)の状態に対応している)。なお、図9では、図を見やすくするために変倍レンズ19を二点鎖線で概略的に示している。
以上のごとく本実施形態では、撮影光学系3の光路が縮短したときに凸レンズのコンバージョンレンズ44が撮影光軸3a上に進入するように構成したが、この構成に限定されない。たとえば、光路が伸長したときに凹レンズのコンバージョンレンズを撮影光軸3a上に進入させ、光路が縮短したときに退避させるようにしてもよい。
図10には照明光学系2および撮影光学系3の旋回ルートが外縁の軌跡によって示されている。図中、実線とハッチングで示すのが両光学系2、3の初期位置、すなわち、本装置1の制御が停止しているときの停止位置である。照明光学系2は旋回ルートの端部に停止し、撮影光学系3は装置の光軸上、すなわちアライメント光学系の光軸6a上に停止している。旋回ルートの一端(図中の右端)に至った照明光学系2に対応するハウジング40の部分に、照明光源(可視光ランプ)12を取り替えるための出入口47が形成されており、この出入口47にはヒンジ47aによって開閉蓋48が取り付けられている。また、照明光学系2自身のケース2bには所定角度で延びる固定壁2cが取り付けられている。
上記開閉蓋48には、上記ヒンジ47a部から反対側に連続して延長壁板48aが延設されている。図示のごとく開閉蓋48を外方へ開くと延長壁板48aも一体に回転して照明光学系自身のケース2bに当接する。照明光学系のケース2bが上記開閉蓋48のストッパとしての機能を有すると共に、開閉蓋の延長壁板48aがハウジング40のいわば第二の蓋としての機能を奏する。また、照明光学系の上記固定壁2cもハウジング40のいわば第二の蓋としての機能を奏する。すなわち、照明光源を取り替えるために開閉蓋48を開くと、照明光学系2という必要最小限の部分のみを外部に露出し、その他のハウジング40内部は照明光学系のケース2bと延長壁板48aと固定壁2cとが遮蔽してしまう。
ハウジング40の出入口47は照明光学系2の旋回ルートの一端側にのみ形成しているが、これに限定されず、旋回ルートの両端側に設けてもよい。
本実施形態では、撮影光学系3のみその旋回ルートの端部において旋回中心C1に接近するように構成している。これは、被検眼の視軸に対してなす角を、照明光学系2の光軸に比べて撮影光学系3の光軸の方が大きくなりうるようにしているからである。換言すれば、照明光学系2に比べて撮影光学系3の旋回半径を大きくし、且つ、旋回角度も大きくしているからである。しかし、かかる構成に限定されることはない。たとえば、照明光学系2のみその旋回ルートの端部において旋回中心C1に接近するように構成してもよい。すなわち、被検眼の視軸に対してなす角を、撮影光学系3の光軸に比べて照明光学系2の光軸の方を大きくしてもよい。換言すれば、撮影光学系3に比べて照明光学系2の旋回半径を大きくし、且つ、旋回角度も大きくしてもよい。または、両光学系2、3ともに、それらの旋回ルートの端部において旋回中心C1に接近するように構成してもよい。スリットランプの場合、照明光学系の構成は複雑であり、光路が変化することは望ましくない。したがって本実施形態では撮影光路の伸縮を例にとった。
要するに、表1を参照して後述するように、各種観察法は被検眼視軸と照明光軸2aと撮影光軸3aとの相対関係によって定められるものであり、しかも、被検眼の視軸は固視灯34によって任意の方向に誘導して設定するのであるから、被検眼視軸と照明光軸2aと撮影光軸3aとの相対関係が同じであれば上記点に関しては任意に構成することができる。ハウジング40をコンパクトに、すなわち装置全体をコンパクトにするという目的に沿うように両光学系2、3の旋回ルートを定めればよいということである。
図1に示すように、本スリットランプ1は制御装置33を備えている。この制御装置33は、上記したような照明架台8および撮影架台9の作動、照明光学系2および撮影光学系3の諸作動、作動位置検出装置7の作動、三軸架台11の作動、固視灯34の作動を制御するものである。また、制御装置33には被検眼の撮影対象に対応した種々の撮影法を実行するためのプログラムが格納されている。各撮影法によって上記光学系等の作動がそれぞれ異なっている。
表1に示すように、撮影法としては主に照明方法の違いに基づいて命名されているが、直接照明法、スリット照明法、徹照法および間接照明法を例示している。これらの撮影法を表1を参照しつつ説明する。
Figure 0004183581
直接照明法のなかには、
(1)スリットを用いずに均一な照明で前眼部を照明して撮影する拡散照明法、および、(2)中程度幅のスリット光で撮影部位に対して眼軸の反対側から角膜反射を避けるように照明して広い前眼部病変を撮影する幅広スリット照明法を例示している。
スリット照明法としては、
(3)細いスリット光を撮影光軸(固視方向)に対して斜めから照射し、角膜、前房、水晶体等の光学断面を斜めから撮影する第一の極細スリット照明法、
(4)極細スリット照明法には前眼部表面からの深さの異なる部位を全体にピントよく撮影する第二の極細スリット照明法、さらに、
(5)散瞳した被検眼に細いスリット光を照射して水晶体の光学断面を撮影する第三の極細スリット照明法もある。また、
(6)横から照明光を照射することによって陰影を付け、虹彩や角膜の凹凸を撮影する接線照明法、並びに、
(7)細い照明光を前房を横切るように照射して散乱光により前房の微細な浮遊物を撮影するチンダル照明法を例示している。
徹照法としては、
(8)照明光軸と撮影光軸とを近づけ、照明光束を小さくすることによって虹彩面を避けて瞳孔周辺から眼底を照射し、眼底反射のバックライトで水晶体を撮影する徹照法がある。この場合、被検眼の瞳孔を広げて(散瞳して)撮影するため、固視灯は散瞳用にその明るさを低下させる。被検眼にとって眩しくないようにするためである。
(9)この徹照法とほとんど同じであるが照明光束をほぼ瞳孔中心から眼底に照射して眼底反射のバックライトで虹彩欠損部を撮影する虹彩徹照法がある。
間接照明法としては、
(10)細めのスリット光で撮影部位付近を照らし、その散乱光で軟組織内の異物、角膜裏面の沈着物および新生血管等を撮影する近傍照明法、並びに、
(11)広めのスリット光で強膜を照らすことによる角膜組織内のライトガイド効果を利用して角膜を撮影する強膜散乱法等がある。
表1に示すように、これらの各撮影法には、固視灯34の位置、固視灯の明るさ、照明光学系2の光軸2aの方向、スリット14の形状、フィルタの種類およびその有無、照明光源の明るさ、背景照明の有無、撮影光学系2の光軸2aの方向および撮影倍率、並びに、作動位置が決定した後の照明光学系2および撮影光学系3の第一交点C1のZ方向の位置、撮影方法(記録方法)の各項目のうちのいずれかが異なる値が設定(設定値)されている。このように、各撮影法について予め設定された設定値の組み合わせが設定値列である。
表1における固視灯位置の「撮影正面」とは、撮影光学系に設置された固視灯を点灯するということであり、被検眼の視軸を撮影光軸に沿わせることを意味する。「アライメント光軸鼻側15゜」とは、アライメント光軸6aの左右両側に設置された二個の固視灯34のうち、被検眼から見て鼻側にある固視灯34を点灯することを意味する。固視灯の欄で「散瞳用」とあるのは、前述のごとく被検眼を散瞳して撮影する場合に明るさを低下させた固視灯を意味する。なお、表1中に示されている角度は全てアライメント光学系の光軸6aとなす角度を示している。固視灯34についていえば、固視灯34と第一交点C1とを結ぶ直線がアライメント光学系の光軸6aとなす角度を示している。これらの角度は効果的な撮影ができる値の例示であり、この数値に限定されるものではない。
また、照明光軸の方向および撮影光軸の方向について、「耳側」とは被検眼の視軸に対してその被検眼の耳の方へ傾斜した角度を示している。たとえば、被検眼が右眼であって照明光軸が「耳側30度」であれば、照明光軸はアライメント光軸6aに対して右耳の方へ30度傾斜していることを示している。「鼻側」とは、耳側とは逆の方向である。また、左眼、右眼とは、検査者から見た方向である。
スリット形状について、直径(mm)で表しているのはスリットを用いていない円形の照明光束を示し、幅(mm)で表しているのはスリット光の幅を示している。このスリットのサイズは効果的な撮影ができるサイズの例示であり、この形状や数値に限定されるものではない。
照明光源の明るさは照度を意味している。この明るさは使用する撮影光学系やCCDカメラによってその基準が異なる。そこで、明るさの基準を対象スリットランプの標準照度「H」を決定し、「H」で示す照度を100%としたときに、70%を「M」で示し、20%を「L」で示している。これも効果的な撮影ができる明るさの例示であり、この数値に限定されるものではない。また、徹照法(8)および虹彩徹照法(9)は前述のとおり、照明光束を瞳孔に通して眼底反射のバックライトで撮影するため、照明光の角膜における反射光を除く必要がある。このために、偏光フィルタ(図示しない)を用いた専用の照明光源を用い、撮影光学系にも偏光フィルタ(図示しない)が介装される。
「背景照明」の有無については、撮影法によって観察状況を確認するのが望ましいか否かに応じて決定されている。背景照明とは、撮影部位を避けて斜めからその部位の背景を照らすことによって角膜や水晶体のシルエットを浮き出させる照明法である。
撮影倍率については、「×24」が24倍であって高倍率「H」を示しており、「×12」が12倍であって中倍率「M」を示しており、「×8」が8倍であって低倍率「L」を示している。これも効果的な撮影ができる倍率の例示であり、この数値に限定されるものではない。
撮影位置に関して、被検眼の水晶体や虹彩を撮影する場合、すなわち、幅広スリット照明法(2)、極細スリット照明法(3)(5)、接線照明法(6)、徹照法(8)および虹彩徹照法(9)では、撮影光学系の焦点が角膜頂点に一致した作動位置からさらにZ方向前方の位置を撮影点とする。水晶体や虹彩は角膜表面からわずかに被検眼内部に位置するからである。これ以外に、作動位置が決定した後にさらに三軸架台11をX方向やY方向に移動させることにより、照明光学系2および撮影光学系3を一体で変位させて撮影部位や照明条件を変化させることが可能である。この目的は、当該撮影部位を撮影するのに最適な光学系の位置を設定または探索すること、撮影部位を変更すること、および、反射光を撮影目的の病変部から外すことである。たとえば、本実施形態では、幅広スリット照明法(2)、極細スリット照明法(3)および近傍照明法(10)について、撮影点、すなわち上記第一交点C1をX方向にシフトさせつつ所定時間間隔で7ショット撮影(7連写)したり、ビデオカメラで動画撮影したりする。また、チンダル照明法(7)では撮影点をY方向にシフトさせつつ7連写したり、動画撮影したりする。接線照明法(6)では、撮影位置をシフトさせずに同位置において所定時間間隔で2ショット撮影(2連写)したり、ビデオカメラで動画撮影したりする。これは照明光によって瞳孔の開度が変化する様を観察するためである。これらの連写と動画撮影とを合わせて連続撮影と呼ぶ。
この連続撮影の具体的な作動は、たとえば三軸架台11をX方向またはY方向に移動させつつ僅かに違う撮影部位の画像を複数記録する。その後に検査者が最適な画像を選択する。本実施形態では、これらの目的のために表中に示す方向に 変位量を個々に設定し、所定回数変位させる。しかし、これは効果的な撮影ができる変位方向、変位量、変位回数の例示であり、この数値に限定されるものではない。
以上の設定値が、各撮影法に対応するように制御装置33に記録されている。本制御装置33にはマウスやリモートスイッチ等の入力手段35、および、プリンタやモニタディスプレイ等の出力手段36が接続されている。入力手段35によって撮影法が指定されると、制御装置33はそのプログラムに従って当該撮影法に対応する上記各項目の各設定値どおりに前述した各光学系、光学機器、架台等を自動設定する。入力方法としては、たとえばモニタディスプレイに撮影法等のメニューを表示し、この中から所望の撮影法をマウス等によって選択するものであってもよい。制御装置33は作動位置検出動作および被検眼画像の撮影動作を制御する機能も有しており、さらに、撮影した被検眼の画像を記録する記録部も備えている。モニタ画面の図11〜図14を参照しつつかかるスリットランプ1の上記メニュー表示、操作および動作を説明する。
図11および図12は前述した7連写の撮影法を含む入力画面であり、図13および図14は前述した動画撮影を含む入力画面である。
7連写の撮影法を含む入力画面の場合、まず図11に示す撮影画面における患者データ画面57に患者データを入力する(画面中の右上)。つぎに、検査者は被検者を額当て37およびあご台38に誘導し、被検眼の位置が撮影のための所定位置となるようにこれら37、38を調節する。このとき、あご台38の下に設置された図示しないスイッチによって検査対象(対物レンズを覗いている目)が右眼か左眼かが検出される。ついで、被検眼の観察部位に応じた撮影法を選択してこれを入力する。入力はアイコン部56をクリックすることによっても行うことができる。アイコンには各撮影法によって撮影される代表的な被検部位の像が表示されており、この像に隣接して当該撮影法の名称が表示されている。検査者にとって、慣用の撮影法名称だけではその撮影目的や撮影部位が瞬時に思い浮かばない場合であっても、画像によってこれが可能となりうる。図11のアイコン部56に示される撮影方法は表1に示されたものと対応している。
撮影法を選択した後、撮影準備ボタン58をクリックすると図12に示す撮影準備画面に変わる。この操作と同時に、上記選択操作によって選択された撮影法に対応する光学系等の設定が自動的になされる。たとえば、極細スリット照明法(3)が選択されていると、スリットランプ1は制御装置33により、選択された撮影法に対応する光学系を含む各機器の諸項目の設定値を自動設定し、所定の固視灯を点灯する。すなわち、表1に示された設定値列(3)の通りに設定される。ついで検査者は被検者に固視灯を注視するように指示する。
図12中の右側のアライメント画面51にはアライメント光学系6によって撮影されている被検眼の前眼部が表示される。このアライメント画面51の中心部52がアライメント光学系6の光軸6aが一致している。検査者はあご台38を上下させたりして被検眼上のプルキンエ像がアライメント画面51に入るように被検者を誘導する。プルキンエ像がアライメント画面51に入っていることを検査者が確認した後、撮影ボタン53をクリックする。これにより撮影動作の自動制御が開始される。すなわち、自動的に三軸架台11が移動してアライメント光軸6a(52)をプルキンエ像(角膜頂点)に一致させることによって光軸のXY方向位置合わせを行う。次いで、XYの位置が合った状態(アライメント状態)を維持しつつZ方向の位置合わせを行い、作動位置を設定する。スリットランプ1は前述のごとく選択した極細スリット照明法(3)に従って撮影動作を行う。選択した撮影法による被検眼撮影が完了すると、撮影画像は記録部に記録され、各光学系は初期位置に戻る。ついで、画面が図11に示す撮影画面に変わり、記録画像が出力される。
図11に示すように、撮影画面におけるサムネイル表示部54には被検眼Eに対して装置の光学系をX方向(左右方向)にシフトしながら所定時間間隔で7連写したスリット光による角膜断面の画像が順に示される(番号2〜8)。番号1のサムネイル表示部には、番号2のスリット画像が背景照明による虹彩の像と一体に示されている。像中に現れた○部は瞳孔の像である。大画面55にはサムネイル表示された像のうち任意のものを拡大表示することができる。
図13および図14は前述した動画撮影を含む入力画面である。操作は図11および図12に示す7連写の場合と同じであるので説明を省略する。撮影記録された画像の出力は、図13における大画面55に動画としてなされる。そして、検査者が任意の時点でこの動画を停止し、その画像をプリントアウトすることができる。本実施形態では、動画撮影した像をサムネイル表示するようには構成されていないが、もちろん、所定時間継続する動画を所定時間間隔で複数コマだけサムネイル表示するように構成してもよい。
本実施形態では、第一交点C1と第二交点C2とを一致させている。しかし、スリットランプによって被検眼を撮影する場合、被検眼を横切るスリット光と撮影方向との関係が、上記第一交点C1を角膜頂点からやや前房内へ入った位置とすることが多い。したがって、このように第一交点C1をやや前進させる必要がある撮影法に対しては、記録部に、作動位置が決定した後の照明光学系2および撮影光学系3の一体変位(三軸架台11の移動)の項目として、Z方向の変位量、変位回数を設定しておく。しかし、本発明ではかかる構成に限定されない。たとえば、第一交点C1を第二交点C2(作動位置となる点)より若干前方(たとえば約1.5mm)にずらせて設定しておいてもよい。このようにずらせておくと作動位置が検出されると同時に撮影作動を開始できるからである。
本実施形態では、制御装置33が各撮影法に対応する設定値列(表1)を記録しており、撮影法が選択されることによって設定値に従って各機器の作動を制御している。しかし、本発明はかかる構成に限定されない。たとえば、検査者等が入力手段を用いて各設定値を任意に組み合わせたうえでスリットランプが作動するようにしてもよい。この場合、たとえば、各撮影法に対応する標準的な各設定値がリストされた表等を用い、検査者の意志によってこの設定値を変更して設定できるので好ましい。
本発明のスリットランプによれば、たとえ経験の少ない検査者であっても操作がしやすい。
図1(a)は本発明のスリットランプの一実施形態を示す概略平面図であり、図1(b)はその概略側面図である。 図1のスリットランプの一部の光学系を示す一部断面側面図である。 図1のスリットランプにおける各光学系の配置を示す平面図である。 合焦光投影学系の側面を示す、図3のIV−IV線矢視図である。 合焦検出光学系の側面を示す、図3のV−V線矢視図である 旋回するのに伴って伸縮する撮影光学系の機構を示す平面図であり、図2のVI−VI線断面図でもある。 伸長した状態の撮影光学系を示す側面図であり、図6のVII−VII線断面図でもある。 縮短した状態の撮影光学系を示す側面図であり、図6のVIII−VIII線断面図でもある。 図9(a)は伸長した状態の撮影光学系の光軸を示す光路図であり、図9(b)は縮短してコンバージョンレンズが挿入された状態の撮影光学系の光軸を示す光路図である。 照明光学系および撮影光学系の旋回ルートを各光学系の軌跡によって示す平面図であり、図2のX−X線断面図でもある。 7連写の撮影法を含む入力画面(撮影画面)の例を示す正面図である。 7連写の撮影法を含む撮影準備画面の例を示す正面図である。 動画の撮影法を含む入力画面(撮影画面)の例を示す正面図である。 動画の撮影法を含む撮影準備画面の例を示す正面図である。
符号の説明
1 スリットランプ
2 照明光学系
2a (照明光学系の)光軸
3 撮影光学系
3a (撮影光学系の)光軸
4 合焦光投影光学系
4a (合焦光投影光学系の)光軸
5 合焦検出光学系
5a (合焦検出光学系の)光軸
6 アライメント光学系
7 作動位置検出手段
8 照明架台
9 撮影架台
10 旋回軸
11 三軸架台
11a XZ軸移動台
11b Y軸移動台
12 可視光ランプ
13 コンデンサレンズ
14 スリット
15 フィルタ
16 投影レンズ
17 カラーCCDカメラ
18 撮影レンズ
19 変倍レンズ
20 対物レンズ
21 赤外LED
22 コンデンサレンズ
23 視標スリット
24 投影レンズ
25 検出センサ
26 結像レンズ
27 赤外LED
28 平行化レンズ
29 CCD
30 ミラー
31 ハーフミラー
32 検出レンズ
33 制御装置
34 固視灯
35 入力手段
36 出力手段
37 額当て
38 あご台
39 可視光カットフィルタ
40 ハウジング
41 引っ張りばね
42 ガイドレール
43 ガイドローラ
44 コンバージョンレンズ
45 揺動アーム
46 操作凸部
47 (照明光源の)出入口
48 開閉蓋
51 アライメント画面
52 (アライメント画面の)中心部
53 撮影ボタン
54 サムネイル表示部
55 大画面
56 アイコン部
57 患者データ入力部
58 撮影準備ボタン
C1 第一交点
C2 第二交点

Claims (7)

  1. 照明光によって被検眼の前眼部を照明するための照明光源およびスリットを有する照明光学系と、
    上記照明光の前眼部で反射された反射光による像を撮影するためのカメラを有する撮影光学系と、
    合焦光を被検眼に投影する合焦光投影光学系、および、被検眼で反射した合焦光を検出することにより作動位置を検出する合焦検出光学系を有する作動位置検出手段と、
    照明光学系、撮影光学系および作動位置検出手段の移動および作動を制御するための制御装置とを備えており、
    上記照明光学系および撮影光学系が、その光軸同士の交点を中心に両光軸が所定角度の範囲で旋回するように移動可能に構成されており、
    照明光学系および撮影光学系のうちの少なくとも一方が、その旋回範囲の左右両端近傍において、その光路が上記交点方向に縮短するように構成されてなるスリットランプ。
  2. 照明光によって被検眼の前眼部を照明するための照明光源およびスリットを有する照明光学系と、
    上記照明光の前眼部で反射された反射光による像を撮影するためのカメラを有する撮影光学系と、
    合焦光を被検眼に投影する合焦光投影光学系、および、被検眼で反射した合焦光を検出することにより作動位置を検出する合焦検出光学系を有する作動位置検出手段と、
    照明光学系、撮影光学系および作動位置検出手段の移動および作動を制御するための制御装置とを備えており、
    上記照明光学系および撮影光学系が、その光軸同士の交点を中心に両光軸が所定角度の範囲で旋回するように移動可能に構成されており、
    少なくとも上記照明光学系および撮影光学系を収容するハウジングを備えており、上記照明光学系の上記旋回範囲の左右両端の少なくともいずれか一方に対応するハウジングの部分に、照明光学系の照明光源を取り替えるための光源出入口が形成されてなるスリットランプ。
  3. 照明光によって被検眼の前眼部を照明するための照明光源およびスリットを有する照明光学系と、
    上記照明光の前眼部で反射された反射光による像を撮影するためのカメラを有する撮影光学系と、
    合焦光を被検眼に投影する合焦光投影光学系、および、被検眼で反射した合焦光を検出することにより作動位置を検出する合焦検出光学系を有する作動位置検出手段と、
    照明光学系、撮影光学系および作動位置検出手段の移動および作動を制御するための制御装置と、
    被検眼の前眼部に正面から照明光を照射してその角膜反射光の像を検出することにより装置の被検眼頂点に対する位置合わせをするためのアライメント光学系と、
    被検者が固視するための複数個の固視標とを備えており、
    上記照明光学系および撮影光学系が、その光軸同士の交点を中心に両光軸が所定角度の範囲で旋回するように移動可能に構成されており、
    少なくとも一の固視標が上記アライメント光学系に設置され、他の固視標が上記撮影光学系に設置されてなるスリットランプ。
  4. 照明光によって被検眼の前眼部を照明するための照明光源を有する照明光学系と、
    上記照明光の前眼部で反射された反射光による像を撮影するためのカメラを有する撮影光学系と、
    合焦光を被検眼に投影する合焦光投影光学系、および、被検眼で反射した合焦光を検出することにより作動位置を検出する合焦検出光学系を有する作動位置検出手段と、
    照明光学系、撮影光学系および作動位置検出手段の移動および作動を制御するための制御装置と、
    制御装置に接続された入出力装置とを備えており、
    上記照明光学系および撮影光学系が、その光軸同士の交点を中心に両光軸が所定角度の範囲で旋回するように移動可能に構成されており、
    上記入出力装置が表示画面を有しており、該表示画面上に各撮影方法に対応する被検部の画像が表示されたアイコン入力部が形成されており、入力部への入力により上記制御装置が対応する撮影方法に設定された照明光学系、撮影光学系および作動位置検出手段の移動および作動を指令するように構成されてなるスリットランプ。
  5. 照明光によって被検眼の前眼部を照明するための照明光源を有する照明光学系と、
    上記照明光の前眼部で反射された反射光による像を撮影するためのカメラを有する撮影光学系と、
    合焦光を被検眼に投影する合焦光投影光学系、および、被検眼で反射した合焦光を検出することにより作動位置を検出する合焦検出光学系を有する作動位置検出手段と、
    照明光学系、撮影光学系および作動位置検出手段の移動および作動を制御するための制御装置と、
    制御装置に接続された入出力装置とを備えており、
    該入出力装置が表示画面を有しており、
    上記照明光学系および撮影光学系が、その光軸同士の交点を中心に両光軸が所定角度の範囲で旋回するように移動可能に構成されており、
    上記制御装置が、照明光学系および撮影光学系の静止状態または移動状態において連続撮影しうるように構成されており、上記表示画面に連続撮影された画像が表示されるように構成されてなるスリットランプ。
  6. 上記制御装置が、上記照明光学系の光軸方向、上記スリットの形態、照明光学系の照明の明るさ、上記撮影光学系の光軸方向、撮影光学系の撮影倍率、および、上記光軸交点の変位位置の各項目についての複数の設定値から、操作入力に応じて選択しうるように構成されてなる請求項1〜5のうちのいずれか一の項に記載のスリットランプ。
  7. 上記固視標が光源を有する固視灯から構成されており、上記制御装置が該固視灯の明るさについての複数の設定値から、操作入力に応じて選択しうるように構成されてなる請求項3記載のスリットランプ。
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