JP4183105B2 - 二成分容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、相互に分離しており、気密栓(Dichtpfropfen) を押し出した後には互いに連通するようになった2つの容器を含む二成分容器で、おのおのの容器が成分を収容するための室を有しており、一方の容器の首に存在するネジ山と、他方の容器と連結するもう一方のネジ山によって当該ネジ山が螺合し、上記気密栓がその止め位置から突き出されるようにして、一方の容器が他方の容器に対してネジ回し可能なものに関する。
【0002】
【従来の技術】
これまでに知られている液体用の二成分容器において、容器と容器の間に気密手段として気密栓が設けられている場合には、この気密栓の構造によって良好な障壁特性(Barriereeigenschaften) でもって薬剤が使用され、一方の室の中にある過酸化物と、他方の室の中にある毛髪染料との間の拡散を防止することができる。この密閉栓が唯一の密閉位置上でしか密閉しないということは、特に、この二成分容器を順序を追って生産(Serienherstellung) する場合において、安全でない密閉をもたらすこととなる。
【0003】
比較的小さくて軽い密閉栓の場合には、使用者は、密閉栓が止め位置から既に押し出されたことを、はっきりと感じることができない。混合する成分が比較的取り扱いにくい場合には、軽い密閉栓は、混合を良くするのにほとんど寄与しない。このことは、使用者が二成分容器を充分に振り動かさない場合に、一層問題である。
【0004】
DE−OS第2329704号から、二成分包装の密閉栓として、球体が知られている。この球体に近接して気密領域が設けられている一方、突き刺すようになった膜の形態であるもう一つの気密手段が存在している。膜は、その腐食及び層剥離に関して不都合であり、このため、毛髪染色用にはあまり適さない。
【0005】
DE−AS第176634号から、2つの室を相互に分離している球体が知られている。この球体は、ピストンの軸方向への移動により液圧が加わることで、その座台から押し出され、その結果、2つの室の間を自由に移動することができるようになる。
【0006】
このような公知の二成分容器は、気密性が不充分であったり、混合を助けるのに不都合であるために、過酸化物と毛髪染料とを予め貯蔵し混合するのには好ましくない性質を有しているという欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような過酸化物と毛髪染料とを予め貯蔵し混合するのに特に適した二成分容器を創作することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、請求項1の特徴部分によって解決される。それによると、本発明の二成分容器では、気密栓が唯一の気密手段であり、しかも室に対して2つの分離した気密領域を有している。
即ち、本発明の二成分容器は、第1の成分を収容するための室6を有し、下方側に開口部を有した上側容器2と、第2の成分を収容するための室7を有し、上方側に開口部を有した下側容器3とを含むものであって、
前記上側容器2と前記下側容器3とが、前記下側容器3の前記開口部を形成している首8の位置に設けられたネジ山11と、前記上側容器2の前記開口部を形成している中間部10に設けられたネジ山4が螺合することによって互いに連結されていること、
前記上側容器2の前記開口部には、当該開口部を密閉可能な実質的に球状体の気密栓5が配置されており、しかも、前記気密栓5の周囲を取り巻いて接する弾性を有した壁15が存在しており、前記気密栓5と前記壁15とが、当該壁15の上側部分に位置したリング状の気密領域13と、当該壁15の下側部分に位置したリング状の気密領域14の2箇所の位置で気密状態にて接していること、及び、
前記下側容器3の首8の上端には、前記気密領域14よりも下側の位置で前記気密栓5の周囲を取り巻いて接する筒状接合部17が設けられており、前記上側容器2又は前記下側容器3の一方を他方の容器に対してネジ締めした際に、前記下側容器3の筒状接合部17が上方へ移動することによって前記気密栓5が上方へ向かって押し出されて、前記室6の密閉状態が解除され、当該室6と前記室7との連通が達成されることを特徴とする。
【0009】
本発明は、この二成分容器が、過酸化物と毛髪染料とを予め貯蔵し混合するのに特に適しているという利点がある。このような両方の分離した気密領域は、気密性を確実なものとするのに役立つ。唯一の気密手段であるこの気密栓は、突き出された後には、上方側にある容器内に残り、しかも、この二成分容器を振り動かした際に、過酸化物と毛髪染料との混合を助ける。
【0010】
この気密栓は、球体又は楕円体の形状を有しており(請求項2)、この対称性の物体上にある気密領域に密接することによって、確実な気密性が得られるようになっている。更に、この気密栓が塊状のものである場合には、二成分容器を振り動かした際の両成分の混合が一層良好なものとなる。リング状に周囲を取り巻く気密領域、特に流路に密着したものが製造可能である。
【0011】
周囲を取り巻く弾性を有した壁で、その弾力性を有した足(Schenkel)が上記気密領域を形成している場合には、この足が融通性をもって元の位置に戻るために、制作許容誤差が大きくても、足が気密栓とぴったりと密接するという利点がある。
【0012】
この気密栓と、首の上縁との間に、筒状接合部(Rohrstutzen) が設けられており、この筒状接合部が、気密栓上の周囲を取り巻く気密部(Dichtung)と密接している場合には、下側にある容器を、上側にある容器の方向へネジ締めすることにより、気密栓が周囲を取り巻く気密部から上方へ向かって、その止め位置から押し出される。更に、この下側に位置する容器は、確実に密閉されることになる。
【0013】
この筒状接合部が、気密栓が突き出された位置において、気密状態となるように気密領域と密接することで(請求項)、下側に位置する容器がネジ締めされて、気密栓が押し出された場合であっても、このようにして簡単な方法で容器内部全体の外側への気密性が達成される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下の実施例により、本発明を詳細に説明する。
図1は、球体の形状である気密栓によって互いに分離されている2つの容器を含む二成分容器の断面図であり、この図において、下側にある容器は、この球体がその止め位置から突き出されるようにして上方に向かってネジ回し可能であり、この球体が唯一の気密手段であり、この球体に接して、これら室を互いに密閉するために、2つの分離した、周囲を取り巻く気密領域が設けられている。
又、図2は、図1に示されている切断面を拡大して示した断面図である。
【0015】
この二成分容器1の場合、2つの個別の容器2、3は、ネジ山4、11によって互いに連結されている。気密栓5が押し出された後で、容器2、3の内容物は互いに混合可能となる。各々の容器2、3は、室6、7を有している。一方の室6が、第一成分としての過酸化物を収容するために設けられている一方、他方の室7は、第二成分としての毛髪染料を収容するのに役立つ。
【0016】
下側にある容器3の首8の位置に、ネジ山11が設けられており、このネジ山11は、中間部(Zwischenstuecks) 10のネジ山4と嵌合する。この中間部10は、嵌め込み連結部6によって容器2と連結している。この下側に位置する容器3は、気密栓5がその止め位置12から上方に向かって突き出されるように、上側に位置する容器2に対してネジ回し可能である。このような塊状の気密栓5は、室6、7の間にある唯一の直接的な気密手段である。この気密栓5は、2つの分離した気密領域13、14を有しており、これら気密領域は、反応性のある成分の間の確実な密閉を保証する。
【0017】
この気密栓5は球体である。この気密領域13、14は環であって、球体の周囲を取り巻いている。この球体の周囲を取り巻き、中間部10に向かい合っている弾性を有した壁15は、下側と上側に向かうリング状の足16を有している。足16はそれぞれ、気密領域13、14を形成している。筒状接合部17は、気密栓5と、首8の上縁18との間に設けられている。この筒状接合部17は、気密栓5と接する位置にて、周囲を取り巻く気密部19と密接している。
【0018】
この中間部10と、下側に位置する容器3との間には、安全用リング20が設けられている。二成分容器からこの安全用リング20を取り外した後には、下側に位置する容器3は、図面に示されているよりも更に、上側に位置する容器2の方向へ向かって上方へネジ締めすることができる。このようなネジ運動により、筒状接合部17が上方へ移動する一方、これによって、気密栓5の気密部19は、その止め位置12から上へ向かって押される。それから、この筒状接合部17が、気密栓7が突き出される位置にまで達すると、筒状接合部17が、下側にある気密領域14と気密状態となるようにして密接する。
【0019】
逆立ちさせた状態の二成分容器1を振り動かしている間に、塊状の球体が、貯蔵された両成分の室6内における充分に良好な混合を実現する。そして、閉鎖キャップ21をネジ回して取り外した後に、取り出し口22を通して、活性のある毛髪染料を適用することができる。
【0020】
【発明の効果】
本発明の二成分容器の場合、唯一の気密手段であるこの気密栓が、2つの分離した気密領域を有しているので、確実な気密性が得られる。しかも、この気密栓は、突き出された後には上方側に位置する容器内に残って、二成分容器を振り動かした際に、両成分の混合を助けるのに役立つ。尚、このような構造を有した本発明の二成分容器は、過酸化物と毛髪染料とを予め貯蔵し混合するのに特に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】球体の形状である気密栓によって互いに分離されている2つの容器を含む、本発明の二成分容器の一例における縦断面図である。
【図2】図1の切断面を拡大して示した断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・・二成分容器
2、3・・・・容器
4・・・・・・ネジ山
5・・・・・・気密栓
6、7・・・・室
8・・・・・・首
10・・・・・・中間部
11・・・・・・ネジ山
12・・・・・・止め位置
13、14・・・気密領域
15・・・・・・壁
16・・・・・・足
17・・・・・・筒状接合部
18・・・・・・上縁
19・・・・・・気密部
20・・・・・・安全用リング
21・・・・・・閉鎖キャップ
22・・・・・・取り出し口

Claims (4)

  1. 第1の成分を収容するための室6を有し、下方側に開口部を有した上側容器2と、第2の成分を収容するための室7を有し、上方側に開口部を有した下側容器3とを含む二成分容器であって、
    前記上側容器2と前記下側容器3とが、前記下側容器3の前記開口部を形成している首8の位置に設けられたネジ山11と、前記上側容器2の前記開口部を形成している中間部10に設けられたネジ山4が螺合することによって互いに連結されていること、
    前記上側容器2の前記開口部には、当該開口部を密閉可能な実質的に球状体の気密栓5が配置されており、しかも、前記気密栓5の周囲を取り巻いて接する弾性を有した壁15が存在しており、前記気密栓5と前記壁15とが、当該壁15の上側部分に位置したリング状の気密領域13と、当該壁15の下側部分に位置したリング状の気密領域14の2箇所の位置で気密状態にて接していること、及び、
    前記下側容器3の首8の上端には、前記気密領域14よりも下側の位置で前記気密栓5の周囲を取り巻いて接する筒状接合部17が設けられており、前記上側容器2又は前記下側容器3の一方を他方の容器に対してネジ締めした際に、前記下側容器3の筒状接合部17が上方へ移動することによって前記気密栓5が上方へ向かって押し出されて、前記室6の密閉状態が解除され、当該室6と前記室7との連通が達成されることを特徴とする二成分容器。
  2. 前記気密栓5が、球体又は楕円体であることを特徴とする請求項1に記載の二成分容器。
  3. 前記気密栓5が押し出される位置において、前記筒状接合部17が前記気密領域14と密接し、容器内部全体の外側への気密性が達成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の二成分容器。
  4. 前記上側容器2と前記下側容器3との間に、使用前のネジ締めを防止するための安全用リング20が設けられており、当該安全用リング20を取り外した後、前記上側容器2又は前記下側容器3の一方を他方の容器に対してネジ締め可能になることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の二成分容器。
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