JP4182340B2 - 半導体装置及びその製造方法、回路基板並びに電子機器 - Google Patents

半導体装置及びその製造方法、回路基板並びに電子機器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置及びその製造方法、回路基板並びに電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
【特許文献1】
特開2001−135780号公報
【0004】
【発明の背景】
三次元実装形態の半導体装置が開発されている。また、三次元実装を可能にするため、半導体チップに貫通電極を形成することが知られている。貫通電極は半導体チップを貫通するように形成されるが、半導体チップを割れにくくすることが要求されている。
【0005】
本発明の目的は、信頼性の高い半導体装置及びその製造方法、回路基板並びに電子機器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明に係る半導体装置の製造方法は、(a)集積回路が形成された半導体基板の第1の面に、凹部を、外方に向かって内幅が拡大した開口部を有するように形成すること、
(b)前記凹部の内面に絶縁層を形成すること、
(c)前記絶縁層の内側に導電部を形成すること、及び、
(d)前記半導体基板の前記第1の面とは反対側の第2の面から前記導電部の先端を露出させることを含む。本発明によれば、半導体基板には外方に向かって内幅が拡大した開口部が形成される。これにより、半導体基板を割れにくくすることができるため、信頼性の高い半導体装置を製造することができる。
(2)この半導体装置の製造方法において、
前記(a)工程で、前記凹部を、前記開口部に連通された、ほぼ同じ形状の断面が前記半導体基板の厚み方向に連続する部分を有するように形成してもよい。
(3)この半導体装置の製造方法において、
前記(d)工程で、前記第2の面を削ることを含んでもよい。
(4)この半導体装置の製造方法において、
前記(d)工程で、前記第2の面の一部をエッチングによって除去することを含んでもよい。
(5)この半導体装置の製造方法において、
前記(d)工程で、前記第2の面に、前記導電部が貫通する凸部を形成することを含んでもよい。これによれば、導電部の周囲では半導体基板を厚くすることができる。そのため、半導体基板を割れにくくすることができ、信頼性の高い半導体装置を製造することができる。
(6)この半導体装置の製造方法において、
前記(d)工程で、前記凸部を、側面の母線が外に凹となるように形成してもよい。
(7)この半導体装置の製造方法において、
前記(d)工程で、前記絶縁層の一部を除去することを含んでもよい。
(8)この半導体装置の製造方法において、
前記(a)工程で、前記凹部を、その底面が凹曲面になるように形成し、
前記(c)工程で、前記導電部を、その先端面が凸曲面になるように形成してもよい。これによれば、導電部の先端面の表面積を大きくすることができる。そのため、電気的な接続信頼性の高い半導体装置を製造することができる。
(9)この半導体装置の製造方法において、
前記第1の面には、前記集積回路と電気的に接続されたパッドが形成されていてもよい。
(10)この半導体装置の製造方法において、
前記パッドに貫通穴を形成することをさらに含み、
前記(a)工程で、前記凹部を前記貫通穴とオーバーラップするように形成し、
前記(c)工程で、前記導電部を、前記貫通穴を通り前記パッドを貫通するように形成してもよい。これによれば、パッドと導電部との距離が短くなるため、電気的な特性が安定した、信頼性の高い半導体装置を製造することができる。
(11)この半導体装置の製造方法において、
前記(a)工程は、
(a)前記半導体基板の前記第1の面に前記凹部を形成すること、及び、その後、
(a)前記開口部の内幅が外方に向かって拡大するように、前記半導体基板をエッチングすること、
を含んでもよい。
(12)この半導体装置の製造方法において、
前記半導体基板は、複数の集積回路が形成された半導体ウエハであり、それぞれの前記集積回路に対応して前記凹部を形成し、
前記(d)工程の後に、前記半導体基板を切断することをさらに含んでもよい。これによれば、複数の半導体装置を一括して製造することができるため、生産効率を高めることができる。
(13)本発明に係る半導体装置の製造方法は、上記方法によって製造された複数の半導体装置を積層し、前記導電部を通して電気的接続を図ることを含む。
(14)本発明に係る半導体装置の製造方法は、(a)集積回路と前記集積回路に電気的に接続されたパッドとが形成された半導体基板に、貫通穴を、前記半導体基板の前記パッドが形成された面における開口部の内幅が外方に向かって拡大するように形成すること、
(b)前記貫通穴の内面に絶縁層を形成すること、及び、
(c)前記絶縁層の内側を通り前記半導体基板を貫通するように、貫通電極を形成することを含む。本発明によれば、半導体基板には外方に向かって内幅が拡大した開口部が形成される。これにより、半導体基板が割れにくくなるため、信頼性の高い半導体装置を製造することができる。
(15)この半導体装置の製造方法において、
前記(a)工程で、前記貫通穴を、前記開口部に連通された、ほぼ同じ形状の断面が前記半導体基板の厚み方向に連続する部分を有するように形成してもよい。
(16)この半導体装置の製造方法において、
前記(a)工程は、
(a)前記半導体基板に前記貫通穴を形成すること、及び、その後、
(a)前記開口部の内幅が外方に向かって拡大するように、前記半導体基板をエッチングすること、
を含んでもよい。
(17)この半導体装置の製造方法において、
前記(a)工程で、前記貫通穴を、前記半導体基板の前記パッドが形成された面とは反対側の面における第2の開口部の内幅が外方に向かって拡大するように形成することを含んでもよい。これによれば、さらに割れにくい半導体基板を製造することができるため、信頼性の高い半導体装置を製造することができる。
(18)この半導体装置の製造方法において、
前記(a)工程で、前記貫通穴を、前記開口部及び前記第2の開口部のそれぞれに連通された、ほぼ同じ形状の断面が前記半導体基板の厚み方向に連続する部分を有するように形成してもよい。
(19)この半導体装置の製造方法において、
前記(a)工程は、
(a)前記半導体基板に前記貫通穴を形成すること、及び、その後、
(a)前記開口部及び前記第2の開口部のそれぞれの内幅が外方に向かって拡大するように、前記半導体基板をエッチングすること、
を含んでもよい。
(20)この半導体装置の製造方法において、
前記パッドに第2の貫通穴を形成することをさらに含み、
前記(a)工程で、前記貫通穴を前記第2の貫通穴とオーバーラップするように形成し、
前記(c)工程で、前記貫通電極を、前記第2の貫通穴を通り前記パッドを貫通するように形成してもよい。これによれば、パッドと貫通電極との距離を短くすることができるため、電気的な特性が安定した、信頼性の高い半導体装置を製造することができる。
(21)この半導体装置の製造方法において、
前記半導体基板は、複数の集積回路が形成された半導体ウエハであり、それぞれの前記集積回路に対応して前記貫通穴を形成し、
前記(c)工程の後に、前記半導体基板を切断することをさらに含んでもよい。これによれば、複数の半導体装置を一括して製造することができるため、生産効率を高めることができる。
(22)本発明に係る半導体装置の製造方法は、上記方法によって製造された複数の半導体装置を積層し、前記貫通電極を通して電気的接続を図ることを含む。本発明によれば、各半導体基板が割れにくくなっているため、信頼性の高い半導体装置を製造することができる。
(23)本発明に係る半導体装置は、上記方法によって製造されてなる。
(24)本発明に係る半導体装置は、集積回路と前記集積回路に電気的に接続されたパッドとを有する半導体基板と、
前記半導体基板に形成された貫通穴と、
前記貫通穴の内面に形成された絶縁層と、
前記絶縁層の内側を通り、前記半導体基板を貫通するように形成された貫通電極と、
を含み、
前記貫通穴の前記半導体基板の前記パッドが形成された面における開口部は、その内幅が外方に向かって拡大するように形成されてなる。本発明によれば、半導体基板は外方に向かって内幅が拡大した開口部を有する。そのため、半導体基板が割れにくい、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
(25)この半導体装置において、
前記パッドには第2の貫通穴が形成されてなり、
前記貫通穴は前記第2の貫通穴にオーバーラップするように形成されてなり、前記貫通電極は、前記第2の貫通穴を通り前記パッドを貫通するように形成されていてもよい。これによれば、パッドと貫通電極との距離が短くなるため、電気的な特性が安定する、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
(26)この半導体装置において、
前記貫通穴は、前記開口部に連通された、ほぼ同じ形状の断面が前記半導体基板の厚み方向に連続する部分を有してもよい。
(27)この半導体装置において、
前記半導体基板の第2の面には、前記貫通穴が貫通する凸部が形成されていてもよい。これによれば、貫通穴の周囲では半導体基板が厚くなる。そのため、半導体基板が割れにくい、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
(28)この半導体装置において、
前記凸部は、側面の母線が外に凹となるように形成されていてもよい。
(29)この半導体装置において、
前記貫通電極の先端面は凸曲面であってもよい。これによれば、貫通電極の先端面の表面積が大きく、電気的な接続信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
(30)この半導体装置において、
前記貫通穴の前記半導体基板の前記パッドが形成された面とは反対側の面における第2の開口部は、その内幅が外方に向かって拡大するように形成されていてもよい。これによれば、半導体基板がさらに割れにくい、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
(31)この半導体装置において、
前記貫通穴は、前記開口部と前記第2の開口部とに連通された、ほぼ同じ形状の断面が前記半導体基板の厚み方向に連続する部分をさらに有してもよい。
(32)本発明に係る半導体装置は、スタックされてなる、上記の複数の半導体装置を有し、
前記複数の半導体基板は、積層されて前記貫通電極を通して電気的接続が図られてなる。本発明によれば、各半導体基板は割れにくくなっている。そのため、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
(33)本発明に係る回路基板には、上記半導体装置が実装されている。
(34)本発明に係る電子機器は、上記半導体装置を有する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した実施の形態について図面を参照して説明する。ただし、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0008】
(第1の実施の形態)
図1〜図7は、本発明を適用した第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための図である。はじめに、半導体基板10を用意する。図1に示す半導体基板10は、半導体チップの状態で用意してもよく、あるいは、半導体ウエハの状態で用意してもよい。半導体基板10には、少なくとも1つの(半導体チップには1つの、半導体ウエハには複数の)集積回路(例えばトランジスタやメモリを有する回路)12が形成されている。半導体基板10には、複数のパッド14が形成されている。各パッド14は、集積回路12に電気的に接続されている。パッド14を電極パッドと称してもよい。パッド14は、アルミニウムで形成されていてもよい。パッド14の表面の形状は特に限定されないが、矩形であることが一般的である。半導体基板10が半導体ウエハである場合、複数の半導体チップとなる各領域に、2つ以上(1グループ)のパッド14が形成される。
【0009】
半導体基板10には、1層又はそれ以上の層の絶縁膜が形成されていてもよい。図1では、半導体基板10には絶縁膜16,18が形成されている。絶縁膜16上には、パッド14と、集積回路12とパッド14とを電気的に接続する配線(図示せず)が形成されていてもよい。また、他の絶縁膜18がパッド14の表面の少なくとも一部を避けて形成されている。絶縁膜18は、パッド14の表面を覆うように形成した後、その一部をエッチングすることでパッド14の一部を露出させてもよい。エッチングには、ドライエッチング及びウエットエッチングのいずれを適用してもよい。絶縁膜18をエッチングする際に、パッド14の表面をエッチングしてもよい。なお、絶縁膜16は酸化膜によって形成されていてもよい。また、絶縁膜18は、パッシベーション膜と称してもよく、SiN、SiO、ポリイミド樹脂等で形成してもよい。
【0010】
次に、半導体基板10の第1の面20に、凹部22を形成する。半導体基板10のパッド14が形成された面を、第1の面20と称してもよい。凹部22を、ほぼ同じ形状の断面が半導体基板10の厚み方向に連続する部分を有するように形成してもよい。凹部22は、集積回路12の素子及び配線を避けて形成する。凹部22の形成には、エッチング(ドライエッチング又はウエットエッチング)を適用することができる。エッチングは、リソグラフィ工程によってパターニングされたレジスト(図示せず)を形成した後に行ってもよい。図2に示すように、凹部22を、パッド14の貫通穴24とオーバーラップするように形成してもよい。パッド14に貫通穴24を形成した後に、貫通穴24の領域内に凹部22を形成してもよい。パッド14の下に絶縁膜16が形成されている場合、これにも貫通穴26(図2参照)を形成する。貫通穴24(及び貫通穴26)の形成にも、エッチング(ドライエッチング又はウエットエッチング)を適用してもよい。あるいは、凹部22の形成に、レーザ(例えばCOレーザ、YAGレーザ等)を使用してもよい。レーザは、貫通穴24,26の形成に適用してもよい。一種類のエッチャント又はレーザによって、凹部22及び貫通穴24,26の形成を連続して行ってもよい。なお、貫通穴24(及び貫通穴26)と凹部22とを合わせて、凹部ということもできる。
【0011】
次に、図3に示すように、凹部22の開口部23の内幅が外方に向かって拡大するように、半導体基板10をエッチングする。エッチングは、ドライエッチング及びウエットエッチングのいずれで行ってもよい。これによれば、半導体基板10の開口部23の内幅は外方に向かって拡大するように形成される。すなわち、開口部23の開口端部から角が除去される。そのため、開口部23の開口端部のチッピングを防止することができ、信頼性の高い半導体装置を製造することができる。なお、本工程で、凹部22の底面25が凸曲面になるように、半導体基板10をエッチングしてもよい(図3参照)。ただし、先に説明した凹部22を形成する工程で、凹部22を、外方に向かって内幅が拡大した開口部23を有するように形成し、あるいは、底面25が凸曲面になるように形成してもよい。
【0012】
次に、図4に示すように、凹部22の内面に絶縁層28を形成する。絶縁層28は、酸化膜であってもよい。例えば、半導体基板10の基材がSiである場合、絶縁層28はSiOであってもよいしSiNであってもよい。絶縁層28は、凹部22の内壁面に形成する。絶縁層28は、絶縁膜16の貫通穴26の内壁面に形成してもよい。絶縁層28は、絶縁膜(パッシベーション膜)18上に形成してもよい。絶縁層28は、パッド14の貫通穴24の内壁面に形成してもよい。絶縁層28は、パッド14の一部(例えばその上面)を避けて形成する。これにより、後述する導電部40とパッド14との電気的な接続を図ることができる。電極14の表面全体を覆って絶縁層28を形成し、その一部をエッチング(ドライエッチング又はウエットエッチング)して、パッド14の一部を露出させてもよい。エッチングは、リソグラフィ工程によってパターニングされたレジスト(図示せず)を形成した後に行ってもよい。絶縁層28は、凹部22の内壁面の形状に沿うように形成してもよい。
【0013】
次に、図5に示すように、絶縁層28の内側に導電部40を形成する。導電部40は、例えばCuによって形成してもよい。導電部40は、例えば、スパッタリングや無電解メッキによって導電膜(図示せず)を形成した後に、パターニングされたレジスト(図示せず)を形成し、その後、電解メッキを行って導電部40を形成してもよい。最後に、レジスト及び導電膜の一部を除去することで、図5に示す、導電部40を形成してもよい。ただし、導電部40を形成する工程はこれに限られず、既に公知となっているいずれの方法によって、導電部40を形成してもよい。凹部22とパッド14の貫通穴24とがオーバーラップするように形成されている場合、導電部40を、貫通穴24を通りパッド14を貫通するように形成してもよい(図5参照)。これによると、パッド14と導電部40との距離が短くなるため、電気的な特性が安定した、信頼性の高い半導体装置を製造することができる。
【0014】
なお、先端面42が凸曲面になるように、導電部40を形成してもよい。これにより、導電部40の先端面42の表面積を大きくすることができるため、電気的な接続信頼性の高い半導体装置を製造することができる。例えば、凹部22を、底面25が凹曲面となるように形成し、凹部22の内壁面の形状に合わせて導電部40を形成することで、導電部40を、先端面42が凸曲面になるように形成してもよい。あるいは、次の工程(導電部40の先端を半導体基板10の第2の面30から露出させる工程)で、導電部40の先端部をエッチング(あるいは研磨)して、先端面42を凸曲面に形成してもよい。
【0015】
次に、半導体基板10の第2の面(第1の面20とは反対側の面)30から、導電部40の先端を露出させる(図6参照)。これによって、半導体基板10の両面の電気的な導通を図ることができる。例えば、機械研磨で第2の面30を削ることによって、あるいは、エッチングによって第2の面30の一部を除去することによって、導電部40の先端を露出させてもよい。また、機械研磨とエッチングとの両方を用いて、導電部40の先端を露出させてもよい。このとき、凹部22は半導体基板10を貫通するため、半導体基板10には貫通穴50が形成されるといえる。さらに、絶縁層28の一部を除去することで、導電部40の先端を露出させてもよい。絶縁層28は、エッチングによってその一部を除去してもよい。第2の面30から先端が露出した導電部40を、貫通電極と称してもよい。
【0016】
なお、第2の面30に、導電部40が貫通する凸部32を形成してもよい。このとき、凸部32の先端面から導電部40の先端を露出させてもよい。これによると、半導体基板10を薄くした場合でも、導電部40の周囲では半導体基板10が厚くなり、導電部40の周囲で半導体基板10を割れにくくすることができる。そのため、信頼性の高い半導体装置を製造することができる。凸部32は、例えばエッチングによって第2の面30の一部を除去する際に形成してもよい。このとき、凸部32の形状は特に限定されるものではないが、凸部32の側面の母線が外に凹となるように形成してもよい(図6参照)。言い換えると、凸部32を、基端部(第2の面30側)から先端部に向かって細くなるように形成し、その側面の断面形状が外に向かって凹となるように形成してもよい。これによれば、凸部32の側面を曲面によって形成することができるため、半導体基板10をさらに割れにくくすることができ、信頼性の高い半導体装置を製造することができる。例えば、エッチング時のアンダカットを利用して、かかる形状の凸部32を形成してもよい。
【0017】
以上の工程で、半導体装置1を製造することができる(図6参照)。なお、半導体基板10として半導体ウエハを利用する場合、最後に、該半導体ウエハを個片に切り出す工程を経て、半導体装置1を製造してもよい。
【0018】
半導体装置1は、集積回路12と集積回路12に電気的に接続されたパッド14とを有する半導体基板10を有する。半導体基板10には貫通穴50が形成されてなる。半導体装置1は、貫通穴50の内面に形成された絶縁層28を有する。半導体装置1は、絶縁層28の内側を通り、半導体基板10を貫通するように形成された導電部40(貫通電極と称してもよい)を有する。貫通穴50の半導体基板10のパッド14が形成された面(第1の面20)における開口部23は、その内幅が外方に向かって拡大するように形成されてなる。これによれば、半導体基板10の開口部23の開口端部は角を有しない様に形成されてなる。そのため開口端部のチッピングを防止することができ、半導体基板10が割れにくい、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。なお、貫通穴50は、開口部23に連通された、ほぼ同じ形状の断面が半導体基板10の厚み方向に連続する部分を有してもよい。また、パッド14には貫通穴24が形成されていてもよく、このとき、半導体基板10の貫通穴50は貫通穴24にオーバーラップするように形成されていてもよい。そして、導電部40は、貫通穴24を通りパッド14を貫通するように形成されていてもよい。これによれば、パッド14と導電部40との距離が短く、電気的な特性が安定した信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
【0019】
半導体装置1は、半導体基板10の第2の面に形成された、貫通穴50が貫通する凸部32を有してもよい。これによれば、貫通穴50の周囲で半導体基板10が厚くなる。そのため、半導体基板10が割れにくい、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。なお、凸部32は、側面の母線が外に凹となるように形成されていてもよい。これにより、さらに半導体基板10が割れにくくなるため、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
【0020】
また、導電部40(貫通電極)の先端面42は、凸曲面であってもよい。これによれば、先端面42の表面積が大きく、電気的な信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
【0021】
なお、上述した半導体装置1を積層し、各導電部40(貫通電極)を通して電気的接続を図り、積層された半導体基板を有する半導体装置100を製造してもよい。これにより、信頼性の高い積層型の半導体装置を製造することができる。半導体装置100は、積層された複数の半導体装置1を有する。半導体装置1のそれぞれは、導電部40(貫通電極)を通して電気的接続が図られてなる。半導体装置100は、配線基板200を有してもよく、積層された半導体装置1は配線基板200に搭載されていてもよい(図7参照)。配線基板200には、複数の配線202が形成されていてもよく、また、外部端子204が形成されていてもよい。これにより、回路基板等に実装しやすい半導体装置100を提供することができる。さらに、積層された各半導体装置1の間には、図示しない絶縁層(応力緩和機能を有してもよい)が形成されていてもよい。これにより、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。なお、図8には、本発明を適用した実施の形態に係る半導体装置100が実装された回路基板1000を示す。また、本発明を適用した実施の形態に係る半導体装置を有する電子機器として、図9にはノート型パーソナルコンピュータ2000が、図10には携帯電話3000が、それぞれ示されている。
【0022】
(第2の実施の形態)
以下、本発明を適用した第2の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を説明する。なお、本実施の形態でも、既に説明した内容を可能な限り適用するものとする。
【0023】
図11〜図15は、本発明を適用した、第2の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための図である。はじめに、半導体基板10を用意する(図1参照)。半導体基板10は、既に説明した内容を適用することができる。すなわち、半導体基板10は集積回路12を有する。また、半導体基板10は、集積回路12に電気的に接続されたパッド14を有する。半導体基板10には、絶縁膜16,18が形成されていてもよい。
【0024】
次に、図11に示すように、半導体基板10に貫通穴60を形成する。貫通穴60を形成する方法は、先に説明した、半導体基板10に凹部22を形成する方法のいずれかを適用してもよい。パッド14に貫通穴24(第2の貫通穴と称してもよい)を形成し、その後、パッド14の貫通穴24とオーバーラップするように貫通穴60を形成してもよい。
【0025】
次に、図12に示すように、貫通穴60の開口部の内幅が外方に向かって拡大するように、半導体基板10をエッチングする。貫通穴60の半導体基板10の第1の面20における開口部62及び第2の面30における第2の開口部64の内幅が外方に向かって拡大するように、半導体基板10をエッチングしてもよい(図12参照)。これによれば、開口部62及び第2の開口部64の開口端部から角が除去される。そのため、開口端部でのチッピングを防止することが可能な、信頼性の高い半導体装置を製造することができる。なお、第2の開口部64の内幅を変化させず、開口部62の内幅のみが外方に向かって拡大するように、半導体基板10をエッチングしてもよい。また、貫通穴60を形成する工程で、貫通穴60を、開口部62(あるいは第2の開口部64)の内幅が外方に向かって拡大するように形成してもよい。
【0026】
次に、図13に示すように、貫通穴60の内面に絶縁層66を形成する。絶縁層66として、先に説明した絶縁層28の内容を適用してもよい。本実施の形態では、絶縁層66を第2の面30上を含む領域に形成してもよい(図13参照)。
【0027】
次に、貫通電極70を形成する。貫通電極70は、絶縁層66の内側を通り半導体基板10を貫通するように形成する。例えば、図示しない導電膜を形成した後に、パターニングされたレジスト72を形成し、その後、電解メッキを行って、貫通電極70を形成してもよい(図14参照)。最後に、レジスト72及び導電膜の一部を除去して、図15に示す半導体装置2を製造してもよい。ただし、貫通電極70を形成する工程はこれに限られるものではなく、既に公知となっているいずれの方法を適用してもよい。なお、貫通穴60がパッド14の貫通穴(第2の貫通穴)24とオーバーラップするように形成されている場合、貫通電極70は貫通穴24を通りパッド14を貫通するように形成してもよい。これによれば、パッド14と貫通電極70との距離を短くすることができるため、電気的な特性が安定した、信頼性の高い半導体装置を製造することができる。
【0028】
以上の工程によって、本実施の形態に係る半導体装置2を製造してもよい(図15参照)。なお、半導体基板10として半導体ウエハを利用する場合、最後に、該半導体ウエハを個片に切り出す工程を経て、半導体装置2を製造してもよい。半導体装置2は、集積回路12と集積回路12に電気的に接続されたパッド14とを有する半導体基板10を有する。半導体基板10には貫通穴60が形成されてなる。貫通穴60の内面には絶縁層66が形成されてなる。半導体装置2は、絶縁層66の内側を通り、半導体基板10を貫通するように形成された貫通電極70を有する。貫通穴60の半導体基板10の第1の面20における開口部62は、その内幅が外方に向かって拡大するように形成されてなる。また、半導体基板10の第2の面30における開口部(第2の開口部)64は、その内幅が外方に向かって拡大するように形成されていてもよい。すなわち、開口部62(及び第2の開口部64)の開口端部は角を有しない様に形成されてなる。そのため、開口端部のチッピングを防止することができ、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。なお、貫通穴60は、開口部62(及び第2の開口部64)に連通された、ほぼ同じ形状の断面が半導体基板10の厚み方向に連続する部分を有してもよい。また、貫通電極70を、パッド14を貫通するように形成してもよい。これによれば、パッド14と貫通電極70との距離が短い、電気的な特性が安定した信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
【0029】
なお、上述した複数の半導体装置2を積層し、貫通電極70を通して電気的接続を図り、積層型の半導体装置を製造してもよい(図示せず)。あるいは、半導体装置1,2を複数積層して、積層型の半導体装置を製造してもよい(図示せず)。
【0030】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明を適用した第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。
【図2】 図2は、本発明を適用した第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。
【図3】 図3は、本発明を適用した第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。
【図4】 図4は、本発明を適用した第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。
【図5】 図5は、本発明を適用した第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。
【図6】 図6は、本発明を適用した第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。
【図7】 図7は、本発明を適用した第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。
【図8】 図8は、本発明を適用した実施の形態に係る半導体装置が実装された回路基板を示す図である。
【図9】 図9は、本発明を適用した実施の形態に係る半導体装置を有する電子機器を示す図である。
【図10】 図10は、本発明を適用した実施の形態に係る半導体装置を有する電子機器を示す図である。
【図11】 図11は、本発明を適用した第2の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。
【図12】 図12は、本発明を適用した第2の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。
【図13】 図13は、本発明を適用した第2の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。
【図14】 図14は、本発明を適用した第2の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。
【図15】 図15は、本発明を適用した第2の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。
【符号の説明】
10 半導体基板、 12 集積回路、 14 パッド、 20 第1の面、 28 絶縁層、 30 第2の面、 40 導電部、 42 先端面、 50 貫通穴

Claims (21)

  1. (a)集積回路が形成された半導体基板の第1の面に、凹部を、外方に向かって内幅が拡大した開口部を有するように形成すること、
    (b)前記凹部の内面に絶縁層を形成すること、
    (c)前記絶縁層の内側に導電部を形成すること、及び、
    (d)前記半導体基板の前記第1の面とは反対側の第2の面を削ることで、前記第2の面に凸部を形成し、前記凸部を貫通するように前記第2の面から前記導電部の先端を露出させることを含む半導体装置の製造方法。
  2. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
    前記(a)工程で、前記凹部を、前記開口部に連通された、同じ形状の断面が前記半導体基板の厚み方向に連続する部分を有するように形成する半導体装置の製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2記載の半導体装置の製造方法において、
    前記(d)工程で、前記第2の面の一部をエッチングによって除去する半導体装置の製造方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記(d)工程で、前記凸部を、側面の母線が外に凹となるように形成する半導体装置の製造方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記(d)工程で、前記絶縁層の一部を除去することを含む半導体装置の製造方法。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記(a)工程で、前記凹部を、その底面が凹曲面になるように形成し、
    前記(c)工程で、前記導電部を、その先端面が凸曲面になるように形成する半導体装置の製造方法。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記第1の面には、前記集積回路と電気的に接続されたパッドが形成されてなる半導体装置の製造方法。
  8. 請求項7記載の半導体装置の製造方法において、
    前記パッドに貫通穴を形成することをさらに含み、
    前記(a)工程で、前記凹部を前記貫通穴とオーバーラップするように形成し、
    前記(c)工程で、前記導電部を、前記貫通穴を通り前記パッドを貫通するように形成する半導体装置の製造方法。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記(a)工程は、
    (a1)前記半導体基板の前記第1の面に前記凹部を形成すること、及び、その後、
    (a2)前記開口部の内幅が外方に向かって拡大するように、前記半導体基板をエッチングすること、
    を含む半導体装置の製造方法。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記半導体基板は、複数の集積回路が形成された半導体ウエハであり、それぞれの前記集積回路に対応して前記凹部を形成し、
    前記(d)工程の後に、前記半導体基板を切断することをさらに含む半導体装置の製造方法。
  11. 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の方法により製造された複数の半導体装置を積層し、前記導電部を通して電気的接続を図ることを含む半導体装置の製造方法。
  12. 集積回路を有し、前記集積回路に電気的に接続されたパッドを第1の面に有し、前記第1の面とは反対側の第2の面に凸部を有する半導体基板と、
    前記半導体基板に形成された、前記第1の面と前記第2の面を貫通する貫通穴と、
    前記貫通穴の内面に形成された絶縁層と、
    前記絶縁層の内側を通り、前記半導体基板を貫通するように形成された貫通電極と、
    を含み、
    前記貫通穴は前記凸部を貫通し、
    前記貫通穴の前記第1の面における開口部は、その内幅が外方に向かって拡大するように形成されてなる半導体装置。
  13. 請求項12記載の半導体装置において、
    前記パッドには第2の貫通穴が形成されてなり、
    前記貫通穴は前記第2の貫通穴にオーバーラップするように形成されてなり、
    前記貫通電極は、前記第2の貫通穴を通り前記パッドを貫通するように形成されてなる半導体装置。
  14. 請求項12又は請求項13記載の半導体装置において、
    前記貫通穴は、前記開口部に連通された、同じ形状の断面が前記半導体基板の厚み方向に連続する部分を有する半導体装置。
  15. 請求項12から請求項14のいずれか1項に記載の半導体装置において、
    前記凸部は、側面の母線が外に凹となるように形成されてなる半導体装置。
  16. 請求項12から請求項15のいずれか1項に記載の半導体装置において、
    前記貫通電極の先端面は凸曲面である半導体装置。
  17. 請求項12又は請求項13記載の半導体装置において、
    前記貫通穴の前記第2の面における第2の開口部は、その内幅が外方に向かって拡大するように形成されてなる半導体装置。
  18. 請求項17記載の半導体装置において、
    前記貫通穴は、前記開口部と前記第2の開口部とに連通された、同じ形状の断面が前記半導体基板の厚み方向に連続する部分をさらに有する半導体装置。
  19. スタックされてなる、請求項12から請求項18のいずれか1項に記載の複数の半導体装置を有し、
    前記複数の半導体基板は、積層されて前記貫通電極を通して電気的接続が図られてなる半導体装置。
  20. 請求項12から請求項19のいずれか1項に記載の半導体装置が実装されてなる回路基板。
  21. 請求項12から請求項19のいずれか1項に記載の半導体装置を有する電子機器。
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