JP4182287B2 - 熱可塑性エラストマー組成物及び成形体 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物及び成形体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐磨耗性および耐傷付性に優れたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物、及び該組成物を用いた成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車の内装部品(アームレスト、シフトノブなど)には柔らかな触感が求められ、従来、軟質塩化ビニル樹脂やウレタン樹脂などが使用されてきた。しかしながら、環境問題への関心が高まり、軟質塩化ビニル樹脂やウレタン樹脂に代えて、オレフィン系熱可塑性エラストマーを用いる検討がなされており、エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合体ゴムとポリプロピレン樹脂とを動的熱処理したオレフィン系熱可塑性エラストマーを自動車内装部品の表皮シートに用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、該オレフィン系熱可塑性エラストマーとポリブテン−1樹脂との組成物を自動車内装部品の表皮層に用いることが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−136205
【特許文献2】
特開平8−34297
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のオレフィン系熱可塑性エラストマーや上記の組成物は、耐摩耗性及び耐傷付性において、十分満足のいくものではなかった。
かかる状況の下、本発明が解決しようとする課題は、耐磨耗性および耐傷付性に優れたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物、及び該組成物を用いてなる成形体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明のうち一の発明は、下記の成分(A)〜(D)を含有し、成分(A)の含有量が10〜85重量%であり、成分(B)の含有量が5〜40重量%であり、成分(C)の含有量が5〜80重量%であり、成分(D)の含有量が0.1〜20重量%である(ただし、成分(A)〜(D)の合計量を100重量%とする。)熱可塑性エラストマー組成物に係るものである。
(A):エチレンから誘導される構造単位と炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンから誘導される構造単位とを含有し、下記式(1)を充足し、120℃以上に融点を有さないエチレン−α−オレフィン系共重合体
y<x (1)
(xは成分(A)中のエチレン単量体単位の含有量(モル%)を表し、yは成分(A)中の炭素原子数4〜20のα−オレフィンの単量体単位の含有量(モル%)を表す。ただし、成分(A)中の全単量体単位の含有量を100モル%とする。)
(B):プロピレン系樹脂
(C):エチレンおよび炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも2種のオレフィンから誘導される構造単位を含有し、下記式(2)を充足し、120℃以上に融点を有さないα−オレフィン系共重合体
y’≧x’ (2)
(x’は成分(C)中のエチレン単量体単位の含有量(モル%)を表し、y’は成分(C)中の炭素原子数4〜20のα−オレフィンの単量体単位の含有量(モル%)を表す。ただし、成分(C)中の全単量体単位の含有量を100モル%とする。)
また、本発明のうち他の発明は、コア部がオレフィン系樹脂であり、表皮部が上記の熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体に係るものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の成分(A)は、エチレンから誘導される構造単位と炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンから誘導される構造単位とを含有し、下記式(1)を充足し、120℃以上に融点を有さないエチレン−α−オレフィン系共重合体である。
y<x (1)
ここで、xは成分(A)中のエチレン単量体単位の含有量(モル%)を表し、yは成分(A)中の炭素原子数4〜20のα−オレフィンの単量体単位の含有量(モル%)を表す。ただし、成分(A)中の全単量体単位の含有量を100モル%とする。
なお、融点は、JIS K 7121に従い、昇温速度および降温速度が5℃/minの条件で測定され、単量体単位の含有量は、NMR分析により求められる。
【0007】
成分(A)において、炭素原子数3〜20のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキサン、1−オクテン、1−デセンなどの直鎖状α−オレフィン;3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテンなどの分岐状α−オレフィンなどがあげられ、プロピレン、1−ブテン、1−オクテンが好ましい。成分(A)は、炭素原子数2〜20のオレフィン以外の単量体から誘導される構造単位を含有していてもよく、該単量体としては、共役ジエンなどがあげられる。該共役ジエンとしては、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンのような鎖状非共役ジエン;シクロへキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラヒドロインデン、5−ビニルノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネンのような環状非共役ジエン;2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリテン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン、1,3,7−オクタトリエン、1,4,9−デカトリエンのようなトリエンなどがあげられ、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエンが好ましい。
【0008】
成分(A)としては、エチレン−α−オレフィン共重合体(A1)、エチレン−α−オレフィン−共役ジエン共重合体(A2)が好ましく、これらを混合して用いてもよい。また、成分(A)としては、油展エチレン−α−オレフィン系共重合体を用いてもよい。
【0009】
(A1)がプロピレン単量体単位を含有する場合、(A1)中のプロピレン単量体単位の含有量は、柔軟性を高める観点から、(A1)のエチレン単量体単位とプロピレン単量体単位の合計含有量を100重量%として、好ましくは10〜60重量%であり、より好ましくは20〜50重量%である。また、(A2)がプロピレン単量体単位を含有する場合、(A2)中のプロピレン単位単量体の含有量は、柔軟性を高める観点から、(A2)のエチレン単量体単位とプロピレン単量体単位の合計含有量を100重量%として、好ましくは10〜60重量%であり、より好ましくは20〜50重量%である。(A2)のヨウ素価は、耐光性の観点から30以下が好ましい。なお、プロピレン単量体単位の含有量は、赤外分光法により測定される。
【0010】
成分(A)の100℃のムーニー粘度(ML1+4100℃)は、機械的強度を高める観点から、好ましくは5以上であり、より好ましくは20以上である。また、成形体の外観を高める観点から、該粘度は、好ましくは150以下であり、より好ましくは100以下である。なお、成分(A)として油展共重合体を用いた場合の成分(A)のムーニー粘度は伸展油を含めた値とする。なお、該ムーニー粘度は、JIS K 6300に従って、100℃で測定される。
【0011】
成分(A)は公知の方法により製造することができる。また、市販で得られるものを使用することもできる。
【0012】
本発明の成分(B)のプロピレン系樹脂は、120℃以上に融点を有するプロピレン系重合体であり、以下に示すホモポリプロピレン(B1)、プロピレン−エチレンランダム共重合体(B2)及びプロピレン−エチレンブロック共重合体(B3)などをあげることができ、これらは、2種以上組み合わせて用いてもよい。また、成分(B)としては、市販で得られるものを使用することができる。
(B1)はプロピレンの単独重合体である。
(B2)はプロピレンとエチレンがランダムに重合した共重合体であり、エチレン単量体単位の含有量は10重量%以下である。エチレン単位単量体の含有量が過多であると耐熱性が悪くなることがある。
(B3)は第一セグメント及び第二セグメントからなり、第一セグメントがプロピレン単独重合体部であり、第二セグメントはプロピレン−エチレンランダム共重合体部であるブロック共重合体、または、第一セグメント及び第二セグメントからなり、第一セグメントがエチレン単量体単位含有量10重量%以下のプロピレン−エチレンランダム共重合体部であり、第二セグメントは第一セグメントと異なるエチレン単量体単位含有量のプロピレン−エチレンランダム共重合体部であるブロック共重合体である。また、ブロック共重合体中の第二セグメントであるプロピレン−エチレンランダム共重合体部の含有量は70重量部以下であることが、耐熱性の観点から好ましい。
なお、融点は、JIS K 7121に従い、昇温速度および降温速度が5℃/minの条件で測定される。
【0013】
成分(B)のメルトフローレイト(230℃,21.18N)は、成形体の外観を高める観点から、好ましくは0.1g/10min以上であり、より好ましくは1g/10min以上である。また、該メルトフローレイトは、機械的強度を高める観点から、好ましくは150g/10min以下であり、より好ましくは100g/10min以下である。なお、該メルトフローレイトは、JIS K7210に従い、荷重21.18N、温度230℃の条件で測定される。
【0014】
本発明の成分(C)は、エチレンおよび炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも2種のオレフィンから誘導される構造単位を含有し、下記式(2)を充足し、120℃以上に融点を有さないα−オレフィン系共重合体である。
y’≧x’ (2)
ここで、x’は成分(C)中のエチレン単量体単位の含有量(モル%)を表し、y’は成分(C)中の炭素原子数4〜20のα−オレフィンの単量体単位の含有量(モル%)を表す。ただし、成分(C)中の全単量体単位の含有量を100モル%とする。
なお、融点は、JIS K 7121に従い、昇温速度および降温速度が5℃/minの条件で測定され、単量体単位の含有量は、NMR分析により求められる。
【0015】
成分(C)において、炭素原子数3〜20のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキサン、1−オクテン、1−デセンなどの直鎖状α−オレフィン;3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテンなどの分岐状α−オレフィンなどがあげられ、プロピレン、1−ブテン、1−オクテンが好ましい。成分(C)は、炭素原子数2〜20のオレフィン以外の単量体から誘導される構造単位を含有していてもよく、該単量体としては、共役ジエンなどがあげられる。該共役ジエンとしては、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンのような鎖状非共役ジエン;シクロへキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラヒドロインデン、5−ビニルノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネンのような環状非共役ジエン;2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリテン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン、1,3,7−オクタトリエン、1,4,9−デカトリエンのようなトリエンなどがあげられ、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエンが好ましい。
【0016】
成分(C)としては、プロピレン単量体単位を含有する共重合体であるプロピレン系共重合体が好ましく、プロピレンと炭素原子数4〜20のα−オレフィンとの共重合体(C1)、プロピレンと炭素原子数4〜20のα−オレフィンと共役ジエンとの共重合体(C2)がより好ましく、これらを混合して用いてもよい。また、成分(C)としては、油展α−オレフィン系共重合体を用いてもよい。
【0017】
(C1)の炭素原子数4〜20のα−オレフィンの単量体単位の含有量は、柔軟性を高める観点から、(C1)の炭素原子数3〜20のα−オレフィンの単量体単位の含有量を100重量%として、好ましくは1〜90重量%であり、より好ましくは5〜50重量%である。また、(C2)の炭素原子数4〜20のα−オレフィンの単量体単位の含有量は、柔軟性を高める観点から、(A2)の炭素原子数3〜20のα−オレフィンの単量体単位の含有量を100重量%として、好ましくは1〜90重量%であり、より好ましくは10〜50重量%である。(C2)のヨウ素価は、耐光性の観点から30以下が好ましい。なお、プロピレン単量体単位および炭素原子数4〜20のα−オレフィンの単量体単位の含有量は、NMR法により測定される。
【0018】
成分(C)のメルトフローレイト(230℃,98.06N)は、成形体の外観を高める観点から、好ましくは0.01g/10min以上であり、より好ましくは0.1g/10min以上である。また、機械的強度を高める観点から、該メルトフローレイトは、好ましくは50g/10min以下であり、より好ましくは20g/10min以下である。なお、該メルトフローレイトは、JISK7210に従い、荷重98.06N、温度230℃の条件で測定される。
【0019】
成分(C)は公知の方法により製造することができる。また、市販で得られるものを使用することもできる。
【0020】
本発明の成分(D)は、シリコーンオイル及び/又はシリコーンゴムである。シリコーンオイル、シリコーンゴムとしてはストレートシリコン(D1)、変性シリコーン(D2)があげられる。
(D1)としては、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、メチルハイドロジェンシリコーンがある。
(D2)としては、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、メタクリル変性シリコーン、メルカトプ変性シリコーン、フェノール変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、メチルスチリル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シリコーン、高級アルコキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等がある。
シリコーンオイル、シリコーンゴムをオレフィン系樹脂に高濃度に充填したものでもよい。成分(D)として市販で得られるものを使用することができる。
【0021】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物の成分(A)〜(D)の含有量としては、成分(A)の含有量が10〜85重量%であり、成分(B)の含有量が5〜40重量%であり、成分(C)の含有量が5〜80重量%であり、成分(D)の含有量が0.1〜20重量%のものであり、好ましくは、成分(A)の含有量が20〜80重量%であり、成分(B)の含有量が10〜30重量%であり、成分(C)の含有量が5〜60重量%であり、成分(D)の含有量が2〜10重量%である。ただし、成分(A)〜(D)の合計量を100重量%とする。成分(A)が過少であると柔軟性が劣ることがあり、一方成分(A)が過多であると成形体の外観が劣ることがある。成分(B)が過少であると成形体の外観が悪くなることがあり、一方成分(B)が過多であると柔軟性が低下する(硬くなる)ことがある。成分(C)が過少であると耐傷付き性が劣ることがあり、一方成分(C)が過多であると成形体の表面がべたつくことがある。成分(D)が過少であると耐摩耗性が劣ることがあり、一方成分(D)が過多であると成形体の外観が劣ることがある。
【0022】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、有機過酸化物あるいは有機過酸化物と分子構造内に二重結合を2つ以上持った架橋助剤をもちいて動的に熱処理を行ってもよい。該有機過酸化物としては、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ3,5,5−トリメチルシクロヘキサン)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(パーオキシベンゾイル)ヘキシン、ジクミルパーオキサイド等を挙げることができる。また、該架橋助剤としてN,N’−m−フェニレンビスマレイミド、トルイレンビスマレイミド、p−キノンジオキシム、ニトロソベンゼン、ジフェニルグアニジン、トリメチロールプロパン、ジビニルベンゼン等を用いることができる。
【0023】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、必須の成分である(A)〜(D)に加えて、無機フィラー(タルク、炭酸カルシウム、焼成カオリン等)、有機フィラー(繊維、木粉、セルロースパウダー等)、滑剤(脂肪酸アミド等)、酸化防止剤(フェノール系、イオウ系、燐系、ラクトン系、ビタミン系等)、耐候安定剤、紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、アニリド系、ベンゾフェノン系等)、熱安定剤、光安定剤(ヒンダードアミン系、ベンゾエート系等)、顔料等を含有してもよい。耐摩耗性を更に向上させるには無機フィラーを含有すると好ましい。また、無機フィラーと滑剤を含有すると更に好ましい。柔軟な熱可塑性エラストマー組成物を得るには、無機フィラーとして炭酸カルシウムを用いることが好ましい。
【0024】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、成分(A)〜(D)を公知の方法、例えば、二軸押出機、バンバリーミキサーなどにより溶融混練することに得ることができる。
【0025】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、多層成形用に好適に用いられる。多層成形体の好ましい具体例として、コア部がオレフィン系樹脂であり、表皮部が本発明の熱可塑性エラストマー組成物からなる二層成形で成形された成形体をあげることができる。表皮部にソフト感を求められる時、熱可塑性エラストマー組成物の硬度(shoreA)は99以下が好ましい。更に好ましくは硬度(shoreA)が90〜60である。また、コア部のオレフィン系樹脂としては、プロピレン系樹脂、エチレン系樹脂等をあげることができる。
【0026】
上記の多層成形体は、たとえば、押出機による共押出、射出成形による多色成形、インサート成形等により得られる。
【0027】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物を用いた成形体は、自動車内装部品に好適に用いられ、具体的にはインスルメントパネル、ドア、アームレスト、グラブレール、シフトノブ、インパネグリップ、サイドブレーキノブ、コンソールボックス、グラスラン、ウェザーストリップ等をあげることができる。
【0028】
【実施例】
以下の実施例によって、本発明をより詳細に説明する。
Figure 0004182287
【0029】
〔II〕測定方法
得られた組成物についてはシリンダー温度220℃、金型温度50℃にて射出成形機を用いて厚さ2mm、150mm×90mmのしぼ付き平板を成形した後、必要な測定を行なった。
(1)耐傷付き性試験:表面性測定機トライボギア(新東科学社製)を用い300gの荷重を載せた引掻針で射出成形したしぼ付きプレートのしぼ面を一定速度で引掻くことにより傷を付け、傷を目視観察により評価した。
○:良好(傷が目立たない)
×:不良(傷が目立つ)
(2)耐摩耗試験:学振摩耗試験機に布(カナキン3号)としぼ付きプレートを取り付け、500gの荷重を載せ、しぼ面を布で200回擦りつけることによる摩耗面を目視観察にて評価を行った。
○:良好(しぼがほとんど摩滅していない。又は、擦り傷が目立たない。)
×:不良(しぼが摩滅して、しぼがほとんど残っていない。又は、擦り傷がかなり目立つ)
【0030】
実施例1、2及び比較例2
表1に示した配合量のA−1、B−1、C−1、D−1と架橋助剤であるトリメチロールプロパントリメタクリレート0.1重量部とをバンバリーミキサーで溶融混練した後、ペレットに加工した。該ペレットと有機パーオキサイドである2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.12重量部とを二軸押出機で動的に熱処理した。得られた組成物を成形し、物性測定を行った。その結果を表1に示す。
【0031】
比較例1
表1に示した配合量のA−2とB−2と架橋助剤であるN,N’−m−フェニレンビスマレイミド0.8重量部とをバンバリーミキサーで溶融混練した後、ペレットに加工した。該ペレットと有機パーオキサイドである2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.32重量部とを二軸押出機で動的に熱処理した。得られた組成物を成形し、物性測定を行った。その結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
Figure 0004182287
【0033】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明により、耐磨耗性および耐傷付性に優れたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物、及び該組成物を用いた成形体を提供することができた。

Claims (4)

  1. 下記の成分(A)〜(D)を含有し、成分(A)の含有量が10〜85重量%であり、成分(B)の含有量が5〜40重量%であり、成分(C)の含有量が5〜80重量%であり、成分(D)の含有量が0.1〜20重量%である(ただし、成分(A)〜(D)の合計量を100重量%とする。)熱可塑性エラストマー組成物。
    (A):エチレンから誘導される構造単位と炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンから誘導される構造単位とを含有し、下記式(1)を充足し、120℃以上に融点を有さないエチレン−α−オレフィン系共重合体
    y<x (1)
    (xは成分(A)中のエチレン単量体単位の含有量(モル%)を表し、yは成分(A)中の炭素原子数4〜20のα−オレフィンの単量体単位の含有量(モル%)を表す。ただし、成分(A)中の全単量体単位の含有量を100モル%とする。)
    (B):プロピレン系樹脂
    (C):エチレンおよび炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも2種のオレフィンから誘導される構造単位を含有し、下記式(2)を充足し、120℃以上に融点を有さないα−オレフィン系共重合体
    y’≧x’ (2)
    (x’は成分(C)中のエチレン単量体単位の含有量(モル%)を表し、y’は成分(C)中の炭素原子数4〜20のα−オレフィンの単量体単位の含有量(モル%)を表す。ただし、成分(C)中の全単量体単位の含有量を100モル%とする。)
    (D):シリコーンオイル及び/又はシリコーンゴム
  2. 成分(C)が、プロピレン系共重合体である請求項1記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  3. コア部がオレフィン系樹脂であり、表皮部が請求項1または2に記載の熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体。
  4. 自動車内装部品である請求項3記載の成形体。
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