JP3830812B2 - エアバッグカバー一体インスツルメントパネル用のオレフィン系熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

エアバッグカバー一体インスツルメントパネル用のオレフィン系熱可塑性樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、車両のインスツルメントパネルに好適なオレフィン系熱可塑性樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、助手席側のインスツルメントパネルでカバーされた中に収納された衝突安全装置(エアバック)からエアバッグが飛び出す開口部をカバーするエアバックカバーを、インスツルメントパネルの成分と同一の材料で一体に成形することに適したインスツルメントパネル用のオレフィン系熱可塑性樹脂組成物およびそれから成形されてなるエアバックカバー一体インスツルメントパネルに関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
自動車のエアバック装置は、衝突や衝撃を感知して膨張、収縮するエアバックと、エアバックの膨張時にガスを供給するインフレーターよりなっている。そして、このエアバック装置は通常、収納カバー内に収納されている。このような収納カバーは、エアバックカバーとして、エアバックの膨張時に、乗員を傷つける破片を飛散することなく、予め設けられたティアラインと呼ばれる強度的に脆弱な部分で確実に展開しなければならない。
【0003】
近年、自動車に対する安全性能への要求の高まりから、エアバックはハンドルに組み付けられた運転席だけにとどまらず、助手席側へも広がりをみせている。助手席のエアバック装置は、剛性の必要なインスツルメントパネルと低温から高温までの優れた展開性が必要なエアバックカバーとが異なる材質のため、両者は別々に成形され、インスツルメントパネルに組み込まれている。このような成形、組立の方法は、2台の成形機と別々の工程が必要であり、時間とコストもかかるという問題があった。
【0004】
また、特開平10−279745には、インスツルメントパネルとエアバックカバーを二色射出成形機によって逐次成形し、インスツルメントパネルとして一体成形を行う方法が記載されているが、この方法においては2種類の異なった材料が必要であり、コストがかかるといった問題があった。
【0005】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであって、低温から高温までの広い使用温度範囲において、インスツルメントパネルとしての剛性と、エアバックカバーとしての優れた展開性とを合わせ持つ、エアバッグカバー一体インスツルメントパネル用オレフィン系熱可塑性樹脂組成物を得ることを目的としている。
【0006】
【発明の概要】
すなわち本発明は、JIS K7203に準じて測定した曲げ初期弾性率(射出成形平板;厚さ2mm)が500〜1000MPa、ASTM D256に準じて測定した−40℃におけるIzod衝撃試験(射出成形平板;厚さ2mm)が非破壊であり下記(A)〜(E)の成分からなり、
エアバッグカバー部分の成分がインスツルメントパネルの部分の成分と同一の成分で一体的に成形されるに適したエアバッグカバーが一体化されたインスツルメントパネル用の熱可塑性樹脂組成物に関する。
(A)ポリプロピレン樹脂40〜70重量部
(B)ムーニー粘度ML1+4(100℃)が20〜70のエチレン・プロピレン(・非共役ジエン)共重合体ゴム5〜30重量部
(C)ムーニー粘度ML1+4(100℃)が90〜180のエチレン・プロピレン(・非共役ジエン)共重合体ゴム5〜30重量部
(D)MFR(ASTM D1238;190℃、荷重2.16kg)1〜50g/10分のエチレン・オクテン共重合体5〜30重量部
(成分(A)+(B)+(C)+(D)の合計量は100重量部とする)
(E)タルク1〜15重量部
なお、本発明の好ましい態様によれば、ポリプロピレン樹脂(A)は、プロピレンと共に、エチレンおよび他のα-オレフィンから選ばれる少なくとも1種以上の共重合性モノマーとのブロック共重合体である。
また、本発明は、上記のオレフィン系熱可塑性樹脂組成物からなる成形品であり、射出成形によって得られることを特徴とするエアバッグカバー部分の成分がインスツルメントパネルの部分の成分と同一の成分で一体的に成形されたエアバッグカバーが一体化されたインスツルメントパネルに関する。
【0007】
【発明の具体的説明】
以下、本発明が提供するエアバッグカバーが一体化されたインスツルメントパネルの材料として好適なオレフィン系熱可塑性樹脂組成物の各成分について、具体的に説明する。
【0008】
ポリプロピレン樹脂(A)
本発明で用いられるポリプロピレン樹脂(A)としては、具体的には、以下のような重合体または共重合体が挙げられる。
(1)プロピレン単独重合体
(2)プロピレンを主要なモノマーとし、10モル%以下の他のα- オレフィンおよびエチレンから選ばれるコモノマーとののランダム共重合体
(3)プロピレンを主要なモノマーとし、30モル%以下の他のα- オレフィンおよびエチレンから選ばれるコモノマーとのブロック共重合体
上記のα- オレフィンとしては、具体的には、1-ブテン、4-メチル-1- ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテンなどが挙げられる。
【0009】
その中でも、プロピレンを主要なモノマーとし、30モル%以下の他のα- オレフィンおよびエチレンから選ばれるコノマーとのブロック共重合体が特に好ましい。
上記のようなポリプロピレン樹脂(A)は、単独で、あるいは組合わせて用いることができる。
ポリプロピレン樹脂(A)は、メルトフローレート(MFR;ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重)が、0.01〜100g/10分であることが好ましく、さらに0.3〜70g/10分の範囲にあることが好ましい。
【0010】
本発明に係るオレフィン系熱可塑性樹脂組成物においては、ポリプロピレン樹脂(A)は、ポリプロピレン樹脂(A)、エチレン・プロピレン(・非共役ジエン)共重合体ゴム(B)、(C)およびエチレン・オクテン共重合体(D)の合計量100重量部に対して、40〜70重量部の割合であり、中でも45〜65重量部の割合で好まく用いられる。
【0011】
ポリプロピレン樹脂(A)を上記のような割合で用いると、剛性、耐熱性および成形性に優れたオレフィン系熱可塑性樹脂組成物が得られる。
【0012】
エチレン・プロピレン(・非共役ジエン)共重合体ゴム(B)および(C)
本発明で用いられるエチレン・プロピレン(・非共役ジエン)共重合体ゴム(B)および(C)は、エチレンとプロピレンと必要に応じて非共役ジエンとの共重合体ゴムであって、たとえばエチレン・プロピレン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムが挙げられる。
【0013】
上記非共役ジエンとしては、具体的には、ジシクロペンタジエン、1,4-ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネンなどが挙げられる。中でも、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネンが好ましい。
このような非共役ジエンが共重合しているエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムのヨウ素価は、通常1〜50であり、好ましくは5〜30である。
本発明で用いられるエチレン・プロピレン(・非共役ジエン)共重合体ゴム(B)のムーニー粘度ML1+4(100℃)は20〜70、好ましくは20〜65である。また、エチレン含量は50〜90モル%、好ましくは50〜80モル%である。
【0014】
本発明に係るオレフィン系熱可塑性樹脂組成物においては、エチレン・α-オレフィン系共重合体ゴム(B)は、ポリプロピレン樹脂(A)、エチレン・α-オレフィン系共重合体ゴム(B)、(C)およびエチレン・オクテン共重合体(D)の合計量100重量部に対して、5〜30重量部、好ましくは10〜30重量部の割合で用いられる。
【0015】
このようなエチレン・プロピレン(・非共役ジエン)共重合体ゴム(B)を上記のような割合で用いると、柔軟性および低温衝撃性に優れたオレフィン系熱可塑性樹脂組成物が得られる
本発明で用いられるエチレン・プロピレン(・非共役ジエン)共重合体ゴム(C)のムーニー粘度ML1+4(100℃)は90〜180、好ましくは100〜180である。また、エチレン含量は50〜90モル%、好ましくは60〜90モル%である。
【0016】
本発明に係るオレフィン系熱可塑性樹脂組成物においては、エチレン・α-オレフィン系共重合体ゴム(C)は、ポリプロピレン樹脂(A)、エチレン・α-オレフィン系共重合体ゴム(B)、(C)およびエチレン・オクテン共重合体(D)の合計量100重量部に対して、5〜30重量部、好ましくは10〜30重量部の割合で用いられる。
【0017】
このようなエチレン・プロピレン(・非共役ジエン)共重合体ゴム(C)を上記のような割合で用いると、柔軟性および機械的強度に優れたオレフィン系熱可塑性樹脂組成物が得られる
また、上記のようなエチレン・α-オレフィン系共重合体(B)および(C)は、単独で、あるいは2種以上を組合わせても用いることができる。
【0018】
エチレン・オクテン共重合体(D)
本発明に係るエチレン・オクテン共重合体(D)とは、エチレンとオクテンとの共重合によって得られるものであって、エチレン含有量50〜90モル%、好ましくは55〜85モル%のものである。
【0019】
本発明で用いられるエチレン・オクテン共重合体(D)のMFR(ASTM D1238;190℃、荷重2.16kg)は1〜50g/10分、好ましくは5〜45g/10分である。
【0020】
本発明に係るオレフィン系熱可塑性樹脂組成物においては、エチレン・オクテン共重合体(D)は、ポリプロピレン樹脂(A)、エチレン・プロピレン(・非共役ジエン)共重合体ゴム(B)、(C)およびエチレン・オクテン共重合体(D)の合計量100重量部に対して、5〜30重量部、好ましくは5〜25重量部の割合で用いられる。
【0021】
エチレン・オクテン共重合体(D)を上記のような割合で用いると、柔軟性に優れるとともに線膨張係数の小さいオレフィン系熱可塑性樹脂組成物が得られる。
【0022】
タルク(E)
本発明に係るタルク(E)は通常樹脂およびゴムに使用されるタルクであり、平均粒子径が1〜5μm程度のものである。
【0023】
本発明に係るオレフィン系熱可塑性樹脂組成物においては、タルク(E)は、ポリプロピレン樹脂(A)、エチレン・プロピレン(・非共役ジエン)共重合体ゴム(B)、(C)およびエチレン・オクテン共重合体(D)の合計量100重量部に対して、1〜15重量部、中でも1〜10重量部、好ましくは3〜10重量部の割合で用いられる。
【0024】
タルク(E)を上記のような割合で用いると、剛性に優れるとともに線膨張係数の小さいオレフィン系熱可塑性樹脂組成物が得られる。
【0025】
その他の成分
本発明においては、オレフィン系熱可塑性樹脂組成物中に、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、公知の軟化剤、耐熱安定剤、老化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、充填材、着色剤、滑剤などの添加剤を配合することができる。
【0026】
軟化剤には鉱物油系軟化剤、合成軟化剤等があるが、本発明においては、鉱物油系軟化剤が好ましく用いられる。鉱物油系軟化剤は、通常ゴムに使用されるパラフィン系、ナフテン系、芳香族系等の公知の鉱物油系軟化剤が適当である。
【0027】
本発明において、鉱物油系軟化剤は、ポリプロピレン樹脂(A)、エチレン・プロピレン(・非共役ジエン)共重合体ゴム(B)、(C)およびエチレン・オクテン共重合体(D)の合計量100重量部に対して、通常1〜40重量部であり、好ましくは5〜30重量部の割合で用いられる。
【0028】
軟化剤を上記のような割合で用いると、流動性および柔軟性に優れるオレフィン系熱可塑性樹脂組成物が得られる。また、軟化剤を40重量部より多量に添加すると機械的強度が低下することがある。
【0029】
本発明においては、これらの軟化剤はオレフィン系熱可塑性樹脂組成物の製造時に、その他の原料とともに添加しても良いし、エチレン・プロピレン(・非共役ジエン)共重合体ゴム(B)あるいは(C)に伸展油としてあらかじめ、添加されていても良い。
【0030】
オレフィン系熱可塑性樹脂組成物の調製
本発明に係るオレフィン系熱可塑性樹脂組成物は、上記のポリプロピレン樹脂(A)、エチレン・プロピレン・(非共役ジエン)共重合体ゴム(B)、(C)、エチレン・オクテン共重合体(D)、タルク(E)および必要に応じて添加される軟化剤や安定剤などの成分とを、上述した特定の割合で配合し、動的な熱処理を行なうことにより調製することができる。
【0031】
動的な熱処理は、ミキシングロール、インテンシブミキサー(たとえばバンバリーミキサー、ニーダー)、一軸または二軸押出機などの混練装置を用いて行なわれるが、非開放型の混練装置中で行なうことが好ましい。また、動的な熱処理は、窒素等の不活性ガス中で行なうことが好ましい。
【0032】
本発明のオレフィン系熱可塑性樹脂組成物は、JIS K7203に準じて測定した曲げ初期弾性率(射出成形角板;厚さ2mm)が500〜1000MPaである。曲げ弾性率が500MPaより小さいとインスツルメントパネルとしての剛性に欠け、1000MPaよりも大きいとエアバッグカバーとしての機能に劣る。
【0033】
また、本発明のオレフィン系熱可塑性樹脂組成物は、ASTM D256に準じて測定した−40℃におけるIZOD衝撃試験(射出成形角板;厚さ2mm)が非破壊である。IZOD衝撃強度が破壊であると、低温時のエアバッグカバーの展開性に劣る。
【0034】
さらに、本発明のオレフィン系熱可塑性樹脂組成物は、JIS A7197に準じて測定した−30〜120℃までの線膨張係数(射出成形角板;厚さ3mm)が8×10-5mm/mm/℃より小さい。線膨張係数が8×10-5mm/mm/℃より大きいと、インスツルメントパネルとして高温から低温時の寸法安定性に劣る
さらに、本発明のオレフィン系熱可塑性樹脂組成物は、JIS K6251に準じて測定した引張強度が15〜20MPaである。引張強度が15MPaより小さいとエアバッグカバーとしての展開時、カバーが飛散し安全性に劣り、20MPaより大きいとエアバッグカバーの展開が不可能となる。
【0035】
インスツルメントパネルの製造
本発明に係るインスツルメントパネルは、本発明のオレフィン系熱可塑性樹脂組成物からなる。製造方法としては、熱成形、例えば射出成形により成形される。このインスツルメントパネルは助手席側にエアバックカバーを兼ね備えている。
【0036】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
実施例におけるオレフィン系熱可塑性樹脂組成物の製造に際して用いた原材料を以下に記す。
ポリプロピレン樹脂(A)として、プロピレン・エチレンブロック共重合体(A−1)(エチレン含量 3モル%、MFR(ASTM D 1238、230℃、2.16kg荷重):50g/10分)を用いた。
エチレン・プロピレン(・非共役ジエン)共重合体ゴム(B)として、エチレン・プロピレン共重合体ゴム(B−1)(エチレン含有量:58モル%、ムーニー粘度ML1+4(100℃):40)を用いた。
エチレン・プロピレン(・非共役ジエン)共重合体ゴム(C)として、エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(C−1)(エチレン含有量:78モル%、ヨウ素価:13、ムーニー粘度ML1+4(100℃):145)、あるいは、油展エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(C−2)すなわち、 エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2-ノルボルネン共重合体ゴム(C−1)100重量部に対して、伸展油として鉱物油系軟化剤(パラフィン系オイル;出 光興産(株)社製 商品名PW−380)40重量部を添加したものを用いた。
エチレン・オクテン共重合体(D)として、プロピレン・オクテン共重合体(D−1)プロピレン含量:60モル%、MFR(ASTM D 1238、190℃、2.16kg荷重):35g/10分)を用いた。
タルク(E)として、タルク(松村産業社製 商品名ハイフィラー5000PJ)(E−1)を用いた。
【0037】
【実施例1】
ポリプロピレン樹脂(A−1)と、エチレン・プロピレン共重合体ゴム(B−1)と、エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2-ノルボルネン共重合体ゴム(C−1)と、エチレン・オクテン共重合体(D−1)および、タルク(E−1)とを、表1に示す割合で充分に混合し、L/D=30、スクリュー径50mmの二軸押出機を用いて、窒素雰囲気中、220℃で押出してオレフィン系熱可塑性樹脂組成物のペレットを製造した。
さらに、このオレフィン系熱可塑性樹脂組成物のペレットから射出成形機を用いて、120×150mmで厚さ3mmの角板と物性測定用サンプルの成形を行った。
射出成形性を、以下の指標により角板外観から目視評価した。
【0038】
A・・・フローマークが見られず外観良好である。
B・・・フローマークが若干見られた。
C・・・フローマークがはっきりと見られた。
また、物性測定用サンプルを用いて下記の方法に従って物性を評価した。結果を表1に示す。
【0039】
Figure 0003830812
なお、表1中で、×とあるのは、試験片が折れたことを示す。
【0040】
【実施例2】
実施例1で用いたエチレン・プロピレン・5-エチリデン-2-ノルボルネン共重合体ゴム(C−1)の代わりに油展エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2-ノルボルネン共重合体ゴム(C−2)を用いた以外は実施例1と同様にしてオレフィン系熱可塑性樹脂組成物のペレットを製造した。
さらに、実施例1と同様に射出成形を行い、射出成形性および物性の評価を行った。結果を表1に示す。
【0041】
【比較例1〜6】
ポリプロピレン樹脂(A−1)と、エチレン・プロピレン共重合体ゴム(B−1)と、油展エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2-ノルボルネン共重合体ゴム(C−2)と、エチレン・オクテン共重合体(D−1)および、タルク(E−1)とを、表1に示す割合で充分に混合し、実施例1と同様にしてオレフィン系熱可塑性樹脂組成物のペレットを製造した。
さらに、実施例1と同様に射出成形を行い、射出成形性および物性の評価を行った。結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
Figure 0003830812
Figure 0003830812
【0043】
【発明の効果】
本発明の組成物は、エアバッグカバー部分の成分がインスツルメントパネルの部分の成分と同一の成分で一体的に成形されるに適したエアバッグカバーが一体化インスツルメントパネルの用途に好適である。このようなインスツルメントパネルは、エアバックカバーの部分に求められる曲げ初期弾性率や、Izod衝撃強度を満たし、かつインスツルメントパネルの部分に求められる弾性率、衝撃強度、線膨張率その他の物性を有する成形品とすることができる。
本発明のオレフィン系決可塑性組成物は、適度なエラストマー性を有しており、この材料を用いることにより、インスツルメントパネルの部分とエアバックカバーの部分の構造上のデザインの変更を適宜行うことができ、エアバッグカバーが一体化されたインスツルメントパネルを射出成形などの熱成形により、効率良く製造することができる。
【0044】
従来インスツルメントパネルのエアバッグ用の開口部には、他材料からなるエアバッグカバーをはめ込むため、エアバッグカバーの存在が強調されていたが、本発明により、同一材料によるッグカバー一体インスツルメントパネルとなるので、すっきりとした外観となり、美観にも優れたインスツルメントパネルが得られる。
本発明のエアバッグカバー一体インスツルメントパネルは、インスツルメントパネルとしての剛性とエアバックカバーとしての優れた展開性を合わせ持ち、また、成形外観、引張強度に優れている。

Claims (3)

  1. JIS K7203に準じて測定した曲げ初期弾性率(射出成形平板;厚さ2mm)が500〜1000MPa、ASTM D256に準じて測定した−40℃におけるIzod衝撃試験(射出成形平板;厚さ2mm)が非破壊であり下記(A)〜(E)の成分からなり、
    エアバッグカバー部分の成分がインスツルメントパネルの部分の成分と同一の成分で一体的に成形されるに適したエアバッグカバーが一体化されたインスツルメントパネル用の熱可塑性樹脂組成物。
    (A)ポリプロピレン樹脂40〜70重量部
    (B)ムーニー粘度ML1+4(100℃)が20〜70のエチレン・プロピレン(・非共役ジエン)共重合体ゴム5〜30重量部
    (C)ムーニー粘度ML1+4(100℃)が90〜180のエチレン・プロピレン(・非共役ジエン)共重合体ゴム5〜30重量部
    (D)MFR(ASTM D1238;190℃、荷重2.16kg)1〜50g/10分のエチレン・オクテン共重合体5〜30重量部
    (成分(A)+(B)+(C)+(D)の合計量は100重量部とする)
    (E)タルク1〜15重量部。
  2. ポリプロピレン樹脂(A)がプロピレンと他のα-オレフィンとのブロック共重合体であることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン系熱可塑性樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載のオレフィン系熱可塑性樹脂組成物を射出成形してなることを特徴とするエアバッグカバー部分の成分がインスツルメントパネルの部分の成分と同一の成分で一体的に成形されたエアバッグカバーが一体化されたインスツルメントパネル。
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