JP4180852B2 - 部品搭載装置及び部品搭載方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、部品搭載装置及び部品搭載方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、例えばIC、抵抗、コンデンサ等の電子部品(以下、部品と略称する。)を回路基板(以下、基板と略称する。)に搭載する装置として電子部品搭載装置(以下、装置と略称する。)が知られている。
以下、装置の要部構成を図面を参照して説明する。
【0003】
この装置300は、例えば図11に示すように、図示しない基板を搬送経路に沿って搬送する基板搬送部310と、部品(図示略)を供給するフロント側及びリア側部品供給部320と、部品を吸着する複数(例えば、3つ)のノズル331,…と、ノズル331を搭載したヘッドユニット330と、ヘッドユニット330を支持してX軸方向に案内するX軸アーム340と、X軸アーム340を支持してX軸アーム340ごとヘッドユニット330をY軸方向に案内するY軸アーム350と、これら各部を支持する基台360とを備えて概略構成されている。
このうち、ノズル331は、ヘッドユニット330がX軸及びY軸方向に移動するのに伴ってX軸及びY軸方向に移動可能であるとともに、ヘッドユニット330に対し鉛直(Z軸)方向に移動可能、且つ、鉛直軸(θ軸)周りに回動可能となっている。
【0004】
そして、装置300は、部品供給部320の部品上でノズル331を降下させて部品を吸着し、この部品を吸着したノズル331を、上昇させるとともに、基板搬送部310により所定の位置に搬入された基板上に移動させてから降下させ部品の吸着を解除することで、部品の搭載を行う。
なお、所定数の部品が搭載された基板は、基板搬送部310により装置300から搬出されるようになっている。
【0005】
また、図11に示した装置の他に、図12に示す装置400も提案されている。
この装置400は、複数(例えば、4つ)のノズル410、…を各々搭載した二つのヘッドユニット420,420を備えており、これらヘッドユニット420,420によって搭載ステーション430,430上の基板(図示略)に対して部品を各々搭載可能となっている。
なお、この装置400には、部品(図示略)を供給するフロント側及びリア側部品供給部440,440が、各ヘッドユニット420に対応するように二つ設けられている。
【0006】
また、例えば、上記の装置400において、フロント側及びリア側部品供給部440には、複数の部品をその種類毎に格納する複数のフィーダ(パーツカセット)44Aが搬送経路に沿って並んで設けられている。そして、ノズル410は、搬送経路と略平行に略一列となってヘッドユニット420に設けられており、ノズル410の配列間隔(ピッチ)が上記フィーダ44Aのピッチと略等しくなっている。
これにより、例えば3つ(4つ)のノズル410によって、フロント側もしくはリア側部品供給部440の連続するいずれか3つ(4つ)のフィーダ44Aの各部品を同時に吸着保持すること(同時吸着)が可能となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の装置では、基板に部品を搭載していく上で生産性を向上させるため、搭載動作を開始する前に生産プログラムを用いて、部品の吸着順、部品の搭載順、フィーダの配列順等を最適化したマスタースケジュール(静的な理想データ)を作成(構築)するようになっている。そして、このマスタースケジュールに基づいてシミュレーションすることにより、全ての部品の搭載にかかる予定時間を算出し、装置のタクト計算を行っている。
なお、マスタースケジュールとは、基板に搭載される全ての部品について、複数(例えば、3つもしくは4つ)のノズルに同時に吸着された状態となる所定数の部品の吸着・認識・搭載のサイクル(生産動作)を1オーダとした場合に、部品の搭載順に並べられた複数のオーダからなる生産計画のことである。
【0008】
そして、装置は、マスタースケジュールに従って各オーダの生産動作を順次行うようになっている。例えば、マスタースケジュールの中のいずれか一つのオーダでは、複数のノズルで各ノズルに対応する複数のフィーダの各部品を同時吸着した後、各ノズルに吸着された部品の搭載を順次行うようになっている。
【0009】
しかしながら、装置が部品の搭載を行っていく過程で、前記いずれか一つのオーダにおいて、例えばフィーダの取付誤差等によりフィーダのピッチとフィーダに対応するノズルのピッチとが異なっており、複数のノズルでの同時吸着ができないと判断した場合には、マスタースケジュールを展開してサブスケジュール(動的なデータ)を再構築し、計画されている同時吸着を例えばノズルごとの別々の吸着に分けるようになっている。
また、例えば複数のフィーダのうちいずれか一つのフィーダにて部品の部品切れが生じた場合にも、部品切れが生じたフィーダに対応するノズルはその他のノズルとは同時吸着を行えなくなる。
すなわち、本来、複数のノズルが略同時に昇降動作を行うことで同時吸着を行えるようになっているにもかかわらず、上記の要因等により同時吸着が行えなくなると、各ノズルをタイミングをずらして別々に昇降動作させなければならないため、このオーダにおける生産動作にかかる時間が増加することになる。また、例えばフロント側部品供給部の部品の部品切れが生じた場合に、部品切れした部品と同じ部品がリア側部品供給部のいずれかのフィーダに格納されているときには、このリア側部品供給部のフィーダまでヘッドを移動させることになるため、予定外の移動時間がかかることになる。
【0010】
さらに、近年開発された極小部品等ではノズルによる吸着を安定して行えず、この場合、吸着されない部品は部品切れであると判断されてしまう。そのため、例えばティーチング等により吸着位置の調整を行うようになっているが、吸着位置の変更や吸着ミスによる部品切れ等によって、マスタースケジュールに従った順序での吸着が行えなくなり、生産動作に時間がかかることになる。
【0011】
このように、部品の搭載がマスタースケジュールに従って行えなくなると、部品の搭載効率が低下して、基板の生産性が低下することになるが、従来の装置では、生産性の低下が判明したときにその生産性の低下をオペレータに対して報知する方法がなかった。このため、装置による生産が継続されてしまい、生産が終了してから、シミュレーションされた結果と異なり生産性が低下していることをオペレータが認識することになる。
特に、上記のような動作が繰り返し行われると、基板の生産性がさらに低下することになる。
【0012】
また、上記構成の装置は、例えば図13に示すように、複数の装置500、600、700、800が連続して接続された状態で電子部品実装ライン900に備えられる場合もある。この場合、各装置500、600、700、800のマスタースケジュールに基づき各装置のタクトを計算し、その計算結果に基づいて、基板がスムーズに搬送されるように、各装置500、600、700、800にて搭載される部品の数が装置500、600、700、800ごとに決められるようになっている。
しかしながら、上記の要因等によって複数の装置500、600、700、800のうちいずれかの装置(例えば、装置500)による生産性が低下しても、生産性の低下がオペレータに対して報知されないために、生産性が低下した装置よりも搬送方向の下流側に配置されている装置600、700、800全てに影響を及ぼし、電子部品実装ライン900での生産性が低下してしまうといった問題もある。
【0013】
本発明の課題は、基板の生産性の低下を抑制することができる部品搭載装置及び部品搭載方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、例えば図1及び図2に示すように、
複数の吸着ノズル(411)を有し移動するヘッドユニット(4)を備え、前記複数の吸着ノズルの並び方向と同方向に並んだ複数のテープフィーダとこれらを位置決め穴により位置決めして固定保持するフィーダバンクとを備えて、回路基板(1)に搭載される部品(例えば、電子部品2)を供給する部品供給部(3)から前記ヘッドユニットの吸着ノズルに吸着保持された部品を回路基板上の所定位置に移動させて搭載する搭載工程を繰り返すことにより、前記回路基板上に複数の部品を搭載させる部品搭載装置(例えば、電子部品搭載装置100)において、
予め、前記複数の吸着ノズルに同時に部品を吸着するように設定された搭載工程を実行した際に、同機種でも電子部品搭載装置毎に異なる、前記フィーダバンクの位置決め穴のピッチ及び前記吸着ノズルのピッチに関する電子部品搭載装置固有データに基づいて、前記吸着ノズルのピッチと部品供給部のフィーダバンクの位置決め穴のピッチとが等しいか否かにより同時吸着が可能かどうか確認すると共に、前記複数の吸着ノズルに同時に部品を吸着できなかった場合に、部品を吸着できなかった吸着ノズル単独で、吸着できなかった部品を再吸着するように制御して部品の搭載を続行させる制御手段(例えば、制御部10)と、
前記制御手段により前記複数の吸着ノズルに同時に部品を吸着せずに部品の搭載を続行したことによって、前記回路基板への部品の搭載における搭載効率が低下したか否かを、判定する第1の判定手段(例えば、制御部10)と、
前記第1の判定手段が前記回路基板への部品の搭載における搭載効率が低下したと判定した場合に、前記搭載効率の低下を報知する第1の報知手段(例えば、シグナルライト9)とを備えることを特徴としている。
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、予め、複数の吸着ノズルに同時に部品を吸着するように設定された搭載工程を実行した際に、電子部品搭載装置固有データに基づいて同時吸着が可能かどうか確認すると共に、複数の吸着ノズルに同時に部品を吸着できなかった場合に、部品を吸着できなかった吸着ノズル単独で、吸着できなかった部品を再吸着するように制御して部品の搭載を続行させる制御手段が備えられる。また、制御手段により複数の吸着ノズルに同時に部品を吸着せずに部品の搭載を続行したことによって、回路基板への部品の搭載における搭載効率が低下したか否かを判定する第1の判定手段が備えられる。さらに、第1の判定手段が回路基板への部品の搭載における搭載効率が低下したと判定した場合に、搭載効率の低下を報知する第1の報知手段が備えられる。すなわち、制御手段により複数の吸着ノズルに同時に部品を吸着せずに部品の搭載を続行したことによって、第1の判定手段により回路基板への部品の搭載における搭載効率が低下したと判定された場合に、第1の報知手段により前記搭載効率の低下が報知されるので、前記搭載効率の低下がオペレータに認識されることになる。従って、例えば、オペレータに対して前記搭載効率の低下に対応する作業が促され、基板の生産性の低下が抑制される。
また、例えば複数の電子部品搭載装置が連続して接続された状態で電子部品実装ラインに備えられる場合に、複数の電子部品搭載装置のうちいずれかの電子部品搭載装置による回路基板への部品の搭載における搭載効率が低下しても、前記搭載効率の低下が報知されてオペレータに認識されることになるので、前記搭載効率が低下した電子部品搭載装置よりも搬送方向の下流側に配置されている電子部品搭載装置全てに影響を及ぼすことがなく、電子部品実装ラインでの基板の生産性の低下が抑制される。
【0016】
請求項2に記載の発明は、例えば図1及び図2に示すように、請求項1に記載の部品搭載装置(例えば、電子部品搭載装置100)において、
前記回路基板(1)への部品(例えば、電子部品2)の搭載にかかる時間を測定する時間測定手段(例えば、タイマー20)と、
前記回路基板への部品の搭載が予め設定された通りに行われた際にかかる基準となる時間を記憶する記憶手段(例えば、記憶部30)とを備え、
前記第1の判定手段(例えば、制御部10)は、前記時間測定手段に測定された時間と前記記憶手段に記憶された前記基準となる時間とを比較して、前記測定された時間と前記基準となる時間との差が所定時間以上となった場合に、前記搭載効率が低下したと判定することを特徴としている。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、回路基板への部品の搭載にかかる時間を測定する時間測定手段と、回路基板への部品の搭載が予め設定された通りに行われた際にかかる基準となる時間を記憶する記憶手段とが備えられる。そして、第1の判定手段により、時間測定手段に測定された時間と記憶手段に記憶された基準となる時間とを比較して、測定された時間と基準となる時間との差が所定時間以上となった場合に、搭載効率が低下したと判定される。従って、複数の吸着ノズルに同時に部品を吸着せずに部品の搭載を続行したことにより、測定された回路基板への部品の搭載にかかる時間と基準となる時間との差が所定時間以上となった場合に、搭載効率の低下が報知されて、前記基準となる時間に対して前記回路基板への搭載にかかる時間が遅くなっていることがオペレータにより認識される。
【0022】
請求項3に記載の発明は、例えば図1及び図2に示すように、
複数の吸着ノズル(411)を有し移動するヘッドユニット(4)を備え、前記複数の吸着ノズルの並び方法と同方向に並んだ複数のテープフィーダとこれらを位置決め穴により位置決めして固定保持するフィーダバンクとを備えて、回路基板(1)に搭載される部品(例えば、電子部品2)を供給する部品供給部(3)から前記ヘッドユニットの吸着ノズルに吸着保持された部品を回路基板上の所定位置に移動させて搭載する搭載工程を繰り返すことにより、前記回路基板上に複数の部品を搭載させる部品搭載装置(例えば、電子部品搭載装置100)を用いた部品搭載方法において、
予め、前記複数の吸着ノズルに同時に部品を吸着するように設定された搭載工程を実行した際に、同機種でも電子部品搭載装置毎に異なる、前記フィーダバンクの位置決め穴のピッチ及び前記吸着ノズルのピッチに関する電子部品搭載装置固有データに基づいて、前記吸着ノズルのピッチと部品供給部のフィーダバンクの位置決め穴のピッチとが等しいか否かにより同時吸着が可能かどうか確認すると共に、前記複数の吸着ノズルに同時に部品を吸着できなかった場合に、部品を吸着できなかった吸着ノズル単独で、吸着できなかった部品を再吸着するように制御して部品の搭載を続行させ、
前記複数の吸着ノズルに同時に部品を吸着せずに部品の搭載を続行したことによって、前記回路基板への部品の搭載における搭載効率が低下したか否かを判定し
前記回路基板への部品の搭載における搭載効率が低下したと判定した場合に、前記搭載効率の低下を報知することを特徴としている。
【0023】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同等の効果を得ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0027】
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態として例示される電子部品搭載装置の要部構成を示す正面図であり、図2は、図1の電子部品搭載装置に備わる制御部の主要制御ブロック図であり、図3は、図1の電子部品搭載装置を示す要部平面図であり、図4は、図1の電子部品搭載装置に備わるヘッドユニットの要部構成を示す拡大正面図である。
【0028】
本発明が適用された第1の実施の形態として例示される電子部品搭載装置100は、例えば図1に示すように、回路基板1に搭載される例えばIC、抵抗、コンデンサ等の電子部品2を供給する部品供給部3からヘッドユニット4に備えられる吸着ノズル411に吸着保持された電子部品2を回路基板1上の所定位置に移動させて搭載する搭載工程を繰り返すことにより、回路基板1上に複数の電子部品2を搭載させるようになっている。
【0029】
この電子部品搭載装置100は、例えば、基台5と、電子部品2を供給する部品供給部3と、回路基板1を搬送する基板搬送部6と、電子部品2を吸着保持する複数(例えば、3つ)の吸着ノズル411と、これら吸着ノズル411を搭載したヘッドユニット4と、ヘッドユニット4をX軸方向に往復移動させるX軸アーム部7と、X軸アーム部7をY軸方向に往復移動させるのに伴わせてヘッドユニット4をY軸方向に往復移動させるY軸アーム部8と、シグナルライト9と、これら各構成要素を制御する制御部10(図2参照)とを備えて概略構成されている。
【0030】
このうち、基台5は、例えば、基台本体部51と、基台本体部51上に設けられた略方形状の支持板52とを備え、基台本体部51の下部に設けられた複数(例えば、4つ;なお、図1では手前側の2つのみ図示している)の脚部53によって支えられた状態で床等に設置されている。
なお、支持板51、52は、その面積が基台本体部51上面の面積よりも大きくなるように形成されている。そして、支持板51上に、Y軸アーム部8と、X軸アーム部7と、ヘッドユニット4と、基板搬送部6と、部品供給部3の構成要素が支持されている。
【0031】
Y軸アーム部8は、例えば、X軸アーム部7のY軸方向への往復移動を案内するのに伴わせてヘッドユニット4のY軸方向への往復移動を案内するY軸アーム81と、ヘッドユニット4をY軸方向へ移動させるために駆動する例えば駆動モータ等のY軸駆動部(図示略)と、Y軸駆動部の駆動力をヘッドユニット4に伝動可能な例えばタイミングベルト等のY軸伝動部材(図示略)とを備えている。Y軸アーム81,81は、例えば、支持板52の対辺に沿うように2つ固定されており、水平方向に長尺な部材である。また、各Y軸アーム81の側部には開口部(図示略)が設けられており、これら開口部をくぐらせて、基板搬送部6のローダ61及びアンローダ62(後述)を配設可能となっている。
さらに、これらY軸アーム81,81間には、Y軸アーム81と水平面内において直交するようにX軸アーム部7のX軸アーム(後述)71が架設されている。
【0032】
X軸アーム部7は、ヘッドユニット4のX軸方向への往復移動を案内するX軸アーム71と、ヘッドユニット4をX軸方向へ移動させるために駆動する例えば駆動モータ等のX軸駆動部(図示略)と、X軸駆動部の駆動力をヘッドユニット4に伝動可能な例えばタイミングベルト等のX軸伝動部材(図示略)とを備えている。
【0033】
ヘッドユニット4は、例えば、各吸着ノズル411を搭載する複数(例えば、3つ)のヘッド41,…を備えている。
ヘッド41の各々は、例えば図4に示すように、上記の吸着ノズル411と、吸着ノズル411のZ軸(上下)方向の位置決めを行うZ軸駆動機構412と、各吸着ノズル411のθ軸回転方向の位置決めを行うθ軸駆動機構413とを備えている。
ここで、吸着ノズル411は、そのピッチが部品供給部3のテープフィーダ(後述)311、321のピッチ、正確にはテープフィーダ311、321に格納される電子部品2上の吸着位置のピッチと略等間隔で略一列に並んで設けられている。
【0034】
なお、図示は省略するが、ヘッドユニット4には、さらに、各吸着ノズル411により電子部品2を吸着したり吸着解除したりするために真空を発生させる真空発生部と、各吸着ノズル411のヘッドユニット4に対する位置(Z軸方向及びθ軸回転方向の位置)を検出する検出部と、吸着ノズル411により吸着された電子部品2の吸着姿勢及び吸着位置を認識するための部品認識部とが設けられている。
【0035】
また、各吸着ノズル411は、図示しない交換台にて交換可能とされており、これによって、複数の種類の電子部品2,…に対応するようになっている。
【0036】
なお、基板搬送部6は、例えば、ヘッド41によって電子部品2が搭載される所定位置に回路基板1を前工程搬送装置(図示略)より搬入するローダ61と、電子部品2が搭載された回路基板1を所定位置より後工程搬送装置(図示略)に搬出するアンローダ62とを備えており、これらローダ61及びアンローダ62により搬送経路に沿って回路基板1を搬送するようになっている。
【0037】
部品供給部3は、例えば、基板搬送部6よりも手前側に配設されたフロント側パーツフィーダ部31と、基板搬送部6よりも奥側に配設されたリア側パーツフィーダ部32とを備えている。
フロント側及びリア側パーツフィーダ部31、32は、例えば、吸着ノズル411の並び方向と略同方向に並んだ複数のテープフィーダ311、321と、これら複数のテープフィーダ311、321を位置決めして固定保持するフィーダバンク(図示略)とを備えている。
【0038】
テープフィーダ311、321は、表面に複数の電子部品2が貼り付けられているとともにリール状に巻かれたテープ(図示略)を格納しており、基板搬送部6側の先端部が電子部品2の供給部312、322となっている。
また、テープフィーダ311、321は、後述する生産プログラムに従って、回路基板1への電子部品2の搭載効率が良くなるように、すなわち、複数のヘッド41,…による電子部品2の同時吸着の回数が多くなるように配列されている。
【0039】
また、フィーダバンクは、例えば、各テープフィーダ311、321の先端部が当接される当接板(図示略)と、テープフィーダ311、321のピッチが吸着ノズル411のピッチと略等しくなるように、テープフィーダ311、321の先端部が位置決めされる位置決め穴(図示略)を備えている。
【0040】
シグナルライト9は、例えば、基台5の支持板52のいずれか一つの隅部の上面より略鉛直に上方に延出した軸部91と、この軸部91の上端部に装着された発光部92とを備えている。
【0041】
なお、表示部40は、例えば、モニタ等により構成されており、回路基板1の生産時における電子部品2の搭載にかかる時間等を表示可能となっている。
【0042】
また、制御部10は、ヘッドユニット4、X軸アーム部7、Y軸アーム部8、部品供給部3、基板搬送部6、シグナルライト9、タイマー(時間測定手段;後述)20、記憶部(記憶手段;後述)30、表示部40等の各部を統括的に制御するためのものであるが、例えば、記憶部30に記憶されている各種プログラムの中から指定されたプログラムを記憶部30の作業領域に展開し、このプログラムに従った各種処理を実行する。
例えば、制御部10は、記憶部に記憶されている生産プログラムに従って、各ヘッド41に吸着される電子部品2の回路基板1上の所定の位置への搭載を制御するようになっているが、特に、記憶部30に記憶されている搭載効率低下報知プログラムを実行することで、複数(例えば、3つ)のヘッド41,…に同時に電子部品2,…を吸着(以下、同時吸着という。)せずに電子部品2の搭載を続行したことによって、回路基板1への電子部品2の搭載における搭載効率が低下した場合に、前記搭載効率の低下を報知する搭載効率低下報知処理を行う。
【0043】
また、制御部10は、回路基板1への電子部品2の搭載における搭載効率が低下したか否かを判定する第1の判定手段として機能し、搭載効率低下報知処理において、搭載効率低下判定プログラムを実行することで、複数(例えば、3つ)のヘッド41,…が同時吸着せずに電子部品2の搭載を続行したことによって、測定された搭載時間と記憶部に記憶されている最適生産時間(後述)とを比較して、前記測定された搭載時間と前記最適搭載時間との差が所定時間以上となった場合に、前記搭載効率が低下したと判定するようになっている。
【0044】
さらに、制御部10は、搭載効率低下報知処理において、回路基板1への電子部品2の搭載における搭載効率が低下したと判定した場合に、シグナルライト9を点灯させてオペレータに対して前記搭載効率の低下を報知する第1の報知手段として機能する。
【0045】
また、制御部10は、搭載効率低下処理において、タイマー20を制御して、ローダ61により回路基板1が所定位置に搬入されてから、この回路基板1に搭載される電子部品2の搭載が完了するまでの実測時間(回路基板1への部品の搭載にかかる時間)を測定するようになっている。
【0046】
記憶部30は、例えば、半導体メモリなどにより構成されており、制御部10によって実行される各種プログラム及びこれらプログラムの実行に必要な諸データの作業領域等として用いられるとともに、電子部品搭載装置100全体を制御するためのシステムプログラムや、ヘッド41による電子部品2の吸着順及び吸着された電子部品2の回路基板1への搭載順等を規定した生産プログラムや、回路基板1への電子部品2の搭載効率の低下を報知する搭載効率低下報知プログラムや、前記搭載効率が低下したか否かを判定する搭載効率低下判定プログラム等を格納している。
【0047】
また、記憶部30は、例えば、電子部品2が搭載される回路基板1のデータや、例えば各電子部品2の搭載位置のXY座標値、各電子部品2の形状等の部品データや、電子部品搭載装置100の型式、備えられるヘッド41の数、備えられるテープフィーダ311、321の数等に関する同機種の電子部品搭載装置に共通している電子部品搭載装置共通データや、各搭載工程における複数のヘッド41,…に吸着される電子部品2の吸着順を示す搭載工程データや、例えばフィーダバンクの位置決め穴のピッチ、ヘッド41のピッチ等に関する同機種でも電子部品搭載装置毎に異なる電子部品搭載装置固有データや、各テープフィーダ311、321に格納されている電子部品2の種類に関する電子部品種類データや、各テープフィーダ311、321に格納されている電子部品2の数に関する電子部品個数データの他、上記プログラムの実行に必要な諸データ等を格納している。
【0048】
さらに、記憶部30は、例えば、回路基板1への電子部品2の全ての搭載が予め最適に設定された生産プログラムに従って行なわれた際にかかる最適生産時間(基準となる時間)を記憶する記憶手段として機能する。
ここで、最適生産時間は、例えば、生産プログラムに従って、複数のヘッド41,…による電子部品2の同時吸着を行う回数等の電子部品2の吸着条件や、回路基板1に搭載される電子部品2の数や、電子部品2を吸着する際のヘッドユニット4の移動距離や、吸着される電子部品2に対応する吸着ノズル411の交換等に基づいて算出されるようになっている。
【0049】
次に、電子部品搭載装置100が回路基板1へ各種電子部品2を搭載する際に、制御部10により実行される搭載効率低下報知処理について、図面を参照して説明する。
図5は、図1の電子部品搭載装置100による搭載効率低下報知処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【0050】
先ず、電子部品搭載装置100の電源が入れられると、制御部10は、生産プログラムを実行して、ローダ61を制御することで前工程搬送装置より所定位置への回路基板1の搬入を開始する(ステップS1)。
そして、ローダ61による回路基板1の所定位置への搬入が完了すると、制御部10は、タイマー20を制御して、回路基板1への全ての電子部品2の搭載にかかる時間である搭載時間の計測を開始する(ステップS2)。
【0051】
続けて、制御部10は、搭載工程データに基づいて、所定の搭載順で回路基板1に搭載される電子部品2を吸着するために、X軸アーム部7及びY軸アーム部8を制御してヘッドユニット4を部品供給部3上に移動させる(ステップS3)。
【0052】
そして、制御部10は、各ヘッド41のZ軸駆動機構412を制御することで電子部品2の吸着動作を開始する(ステップS4)。
具体的には、このとき、搭載工程データが例えば3つのヘッド41,…にて同時に部品供給部3の例えば3つの連続して並んだテープフィーダ311,…(321,…)の電子部品2,…を吸着するように設定された搭載工程データである場合、制御部10は、電子部品個数データに基づいて、各ヘッド41に吸着される電子部品2が部品供給部3にあるのかどうか、すなわち部品供給部3の各テープフィーダ311、321の電子部品2が部品切れしていないかどうか判定する(ステップS5)。
ここで、制御部10は、部品供給部3の電子部品2が部品切れしていないと判定した場合には(ステップS5;YES)、電子部品搭載装置共通データ及び電子部品搭載装置固有データに基づいて、例えば3つのヘッド41,…による電子部品2の同時吸着が可能かどうか、すなわちヘッドユニット4のヘッド41のピッチと部品供給部3のテープフィーダ311、321のピッチとが等しいかどうかを確認する。
【0053】
そして、制御部10は、ヘッドユニット4のヘッド41のピッチと部品供給部3のテープフィーダ311、321のピッチとが等しいと確認して、前記3つのヘッド41,…による電子部品2の同時吸着が完了したかどうか判定する(ステップS6)。
ここで、制御部10は、例えば、テープフィーダ311、321に格納されている電子部品2の位置ずれ等によって、前記3つのヘッド41,…による電子部品2の同時吸着が完了していないと判定した場合には(ステップS6;NO)、吸着できなかった電子部品2に対応するヘッド41による吸着動作を再度行う(ステップS7)。
【0054】
なお、ステップS5において、制御部10は、3つのうちのいずれかのテープフィーダ311、321の電子部品2が部品切れしていると判定した場合には(ステップS5;NO)、例えば図3(b)に示すように、前記搭載工程データが同じ種類の3つの電子部品2a,2a,2aをヘッド41,…により同時吸着するように設定された搭載工程データである場合、先ず、部品切れしていないテープフィーダ311(321)から所定のヘッド41にて電子部品2を吸着した後、部品切れしているテープフィーダ311(321)に対応するヘッド41を部品切れしていないテープフィーダ311(321)上に移動させて、前記ヘッド41にて部品切れしていないテープフィーダ311(321)からの電子部品2の吸着を再度行うようになっている(ステップS8)。
つまり、制御部10は、3つのヘッド41,…による電子部品2の同時吸着を、2回に分けて実行するように制御する。
【0055】
そして、制御部10は、搭載工程データに基づいて、例えば3つのヘッド41,…に吸着されている電子部品2の回路基板1上の所定位置への搭載動作を開始する(ステップS9)。
この搭載動作では、具体的には、制御部10は、X軸アーム部7及びY軸アーム部8を制御して、各ヘッド41をヘッド41に吸着保持されている電子部品2が搭載される回路基板1上の所定位置に移動させて、Z軸駆動機構412を制御して吸着ノズル411を降下させるとともに、θ軸駆動機構413を制御して所定の搭載角度となるように回転させることで、電子部品2の搭載を行う。
【0056】
その後、制御部10は、回路基板1に搭載される電子部品2を全て搭載したかどうか判定する(ステップS10)。すなわち、制御部10は、全ての搭載工程を実行して、全ての電子部品2を回路基板1上に搭載したかどうか判定する。
ここで、制御部10は、全ての電子部品2を搭載していないと判定した場合には(ステップS10;NO)、ステップS3に移行して、生産プログラムに基づき、各搭載工程におけるヘッド41による電子部品2の回路基板1への搭載動作を行う。
【0057】
そして、上記のようにして、制御部10は、ステップS10において、回路基板1に搭載される電子部品2を全て搭載したと判定するまで(ステップS10;YES)、各搭載工程におけるヘッド41による電子部品2の回路基板1への搭載動作を行っていく。
このようにして、回路基板1への電子部品2の全ての搭載が行われるようになっている。
【0058】
その後、制御部10は、タイマー20を制御して、前記搭載時間の計測を停止する(ステップS11)。
そして、制御部10は、搭載効率低下判定プログラムを実行することで、計測された搭載時間(実測時間)と記憶部30に記憶されている最適生産時間とを比較する(ステップS12)。
ここで、制御部10は、実測時間の方が最適生産時間よりも所定時間以上大きいと判定した場合に(ステップS13;YES)、回路基板1への電子部品2の搭載における搭載効率が低下したと推定して、シグナルライト9を点灯させてオペレータに対して前記搭載効率の低下を報知する(ステップS14)。
【0059】
その後、制御部10は、アンローダ62を制御して、全ての電子部品2の搭載が完了した回路基板1を所定位置より後工程搬送装置に搬出する(ステップS15)。
【0060】
以上のように、第1の実施の形態の電子部品搭載装置100によれば、測定された回路基板1への電子部品2の搭載にかかる実測時間と最適生産時間との差が所定時間以上となった場合に、回路基板1への電子部品2の搭載効率の低下を報知するので、前記最適生産時間に対して前記実測時間が遅くなっていることをオペレータに対して認識させて、回路基板1への電子部品2の搭載効率の低下をオペレータに認識させることになる。従って、例えばオペレータに対して前記搭載効率の低下に対応する作業を促すことができ、回路基板1の生産性の低下を抑制することができる。
また、例えば複数の電子部品搭載装置が連続して接続された状態で電子部品実装ラインに備えられる場合に、複数の電子部品搭載装置のうちいずれかの電子部品搭載装置による前記搭載効率が低下しても、搭載効率の低下を報知してオペレータに認識させることができ、前記搭載効率が低下した電子部品搭載装置よりも搬送方向の下流側に配置されている電子部品搭載装置全てに影響を及ぼすことがなく、電子部品実装ラインでの回路基板1の生産性の低下を抑制することができる。
【0061】
さらに、搭載工程の各々が終了する毎に、また、回路基板1の各々に搭載される全ての電子部品2の搭載が終了する毎に、回路基板1への電子部品2の搭載効率の低下を報知してオペレータに認識させることができ、例えばオペレータに対して前記搭載効率の低下に対応する作業を促して、回路基板1の生産性の低下を抑制することができる。
【0062】
なお、上記第1の実施の形態では、回路基板1への電子部品2の搭載効率の低下の判定を、回路基板1が一枚生産された後に実測時間と最適生産時間とを比較することで行うようにしたが、これに限られるものではない。例えば、回路基板1を複数枚生産した後、回路基板1を一枚生産する毎に測定された実測時間の中で最短の実測時間を算出して、この算出された最短の実測時間と最適生産時間とを比較することで行うようにしても良いし、また、回路基板1を一枚生産することで測定された実測時間とこの回路基板1に続けて生産される回路基板1の実測時間とを比較することで行うようにしても良いし、さらに、以前に回路基板1の生産動作を行った際に測定された測定時間を記憶部30に記憶しておき、この測定時間と実測時間とを比較することで行うようにしても良い。
【0063】
また、上記第1の実施の形態では、回路基板1への電子部品2の搭載効率の低下をシグナルライト9を点灯させることでオペレータに対して報知するようにしたが、これに限られるものではなく、前記搭載効率の低下を報知する方法は如何なる方法であっても良く、例えば、電子部品搭載装置100に警告音等を発音可能なブザーを備え、前記搭載効率が低下した場合に、制御部10がブザーを制御して警告音等を鳴らすことでオペレータに対して報知するようにしても良い。
【0064】
さらに、回路基板1の生産を行う過程で、制御部10は、いずれかのヘッド41に吸着される電子部品2が生産プログラムに規定されたテープフィーダ311(321)において部品切れしていると判定した場合に、前記吸着される電子部品2が部品供給部3の他のテープフィーダ311(321)に存在するのか否かを判定して、前記電子部品2が他のテープフィーダ311(321)に存在すると判定した際には、このテープフィーダ311(321)までヘッド41を移動させて電子部品2の吸着動作を行うようになっているが、これによりヘッド41の移動時間が増えるため、回路基板1の生産にかかる時間が遅くなることになる。この場合にも、制御部10は、例えば、シグナルライト9を制御してオペレータに対して搭載効率の低下を報知するようにしても良い。
【0065】
また、上記第1の実施の形態において、回路基板1に電子部品2を搭載する方法として、フロント側及びリア側パーツフィーダ31、32における、各々のパーツフィーダ31、32に備えられる電子部品2の種類及び電子部品2を格納するテープフィーダ311、321の配置等を同じにして、例えば、フロント側及びリア側パーツフィーダ31、32のいずれか一方のパーツフィーダ(例えば、フロント側パーツフィーダ31)を用いて回路基板1への電子部品2の搭載を行うようにしても良い。このとき、回路基板1を一枚生産する毎にその搭載時間を測定していき、測定された搭載時間が所定時間よりも大きくなった場合には、回路基板1に搭載される電子部品2を供給するパーツフィーダ31、32を使用していないパーツフィーダ(例えば、リア側パーツフィーダ32)に変更して、電子部品2の回路基板1への搭載を行うようにしても良い。
【0066】
[第2の実施の形態]
図6は、第2の実施の形態として例示される電子部品搭載装置により作成されるマスタースケジュールとサブスケジュールの一例を示す図であり、図7は、第2の実施の形態として例示される電子部品搭載装置に備わるヘッド41とテープフィーダ311(321)の位置関係の一例を示す要部斜視図である。
【0067】
上記第1の実施の形態では、搭載効率低下報知処理を、回路基板1を生産することで計測された実測時間に基づき行うようにしたが、この第2の実施の形態では、回路基板1を生産する前、すなわち電子部品2の回路基板1への搭載が開始される前に行うようになっている。
【0068】
具体的には、制御部10は、電子部品2の回路基板1への搭載を開始する前に、記憶部30に記憶されているマスタースケジュール作成プログラムを実行することで、生産プログラムに基づいて、各搭載工程(オーダ)における電子部品2の吸着順や電子部品2の搭載順等を最適化して、複数の搭載工程を電子部品2の搭載順に並べたマスタースケジュール(図6参照)を作成するようになっている。
なお、作成されたマスタースケジュールは、記憶部30のマスタースケジュール格納領域に格納されるようになっている。
【0069】
また、制御部10は、複数(例えば、4つ)のヘッド41,…で電子部品2を同時吸着する場合のオーダに関する同時吸着オーダデータ(後述)を取得する取得手段として機能し、搭載効率低下処理において、同時吸着データ取得プログラムを実行することで、マスタースケジュール格納領域に格納されているマスタースケジュールのうち複数(例えば、4つ)のヘッド41,…で各ヘッド41に対応する複数(例えば、4つ)のテープフィーダ311,…(321,…)の各電子部品2を同時吸着するオーダの同時吸着オーダデータ(搭載工程データ)を取得するようになっている。
さらに、制御部10は、複数(例えば、4つ)のヘッド41,…にて電子部品2を同時吸着可能か否かを判定する第2の判定手段として機能し、搭載効率低下報知処理において、同時吸着判定プログラムを実行することで、取得された同時吸着オーダデータに対して、記憶部30に記憶されている同機種でも電子部品搭載装置毎に異なる電子部品搭載装置固有データに基づいて、前記同時吸着可能か否かを判定するようになっている。
【0070】
また、制御部10は、回路基板1への電子部品2の搭載を開始する前に回路基板1への電子部品2の搭載にかかる搭載効率の低下を報知する第2の報知手段として機能し、搭載効率低下報知処理において、前記複数(例えば、4つ)のヘッドにて電子部品2を同時吸着できないと判定した場合に、生産性表示プログラムを実行することで、回路基板1への電子部品2の搭載を開始する前に回路基板1への電子部品2の搭載にかかる搭載効率の低下の要因を、表示部40に表示する生産性表示処理を行うようになっている。
【0071】
なお、記憶部30には、複数のオーダを電子部品2の搭載順に並べたマスタースケジュールを作成するマスタースケジュール作成プログラムや、前記マスタースケジュールのうち複数(例えば、4つ)のヘッド41,…で電子部品2を同時吸着するオーダに関する同時吸着オーダデータを取得する同時吸着オーダデータ取得プログラムや、複数(例えば、4つ)のヘッド41,…にて同時吸着可能か否かを判定する同時吸着判定プログラムや、回路基板1への電子部品2の搭載効率の低下の要因を表示する生産性表示プログラム等が格納されている。
また、記憶部30は、作成されたマスタースケジュールを格納するためのマスタースケジュール格納領域を形成している。
【0072】
次に、電子部品搭載装置の制御部10により実行される搭載効率低下報知処理について、図面を参照して説明する。
図8は、第2の実施の形態として例示される電子部品搭載装置による搭載効率低下報知処理に係る動作の一例を示すフローチャートであり、図9は、図8に示す搭載効率低下報知処理の続きを示すフローチャートであり、図10は、図8の電子部品搭載装置による生産性表示処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【0073】
先ず、電子部品搭載装置による回路基板1の生産が開始されると、制御部10は、マスタースケジュール作成プログラムを実行して、生産プログラムに基づいて、例えばオーダ番号1〜20からなるマスタースケジュールを作成する(ステップA1)。
そして、制御部10は、作成されたマスタースケジュールに基づきシミュレーションして基板生産におけるタクトを計算することで、各オーダにおける電子部品2の回路基板1への搭載にかかる予定時間であるオーダ時間及び全ての電子部品2の回路基板1への搭載にかかる搭載時間を算出する(ステップA2)。
なお、算出されたオーダ時間及び搭載時間は、記憶部30の時間格納領域に格納されるようになっている。
【0074】
次に、制御部10は、同時吸着データ取得プログラムを実行して、例えば図6に示すように、マスタースケジュール格納領域に格納されているマスタースケジュールのうち複数(例えば、4つ)のヘッド41,…で各ヘッド41に対応する複数(例えば、4つ)のテープフィーダ311,…(321,…)の各電子部品2を同時吸着するオーダの同時吸着オーダデータを取得する(ステップA3)。なお、前記同時吸着オーダデータでは、例えば図6及び図7に示すように、4つのヘッド41a〜41dにて電子部品2の同時吸着動作を行う第1の工程(パケット)と、いずれか一つのヘッド41aにて電子部品2aの認識及び搭載動作を行うとともに残りの3つのヘッド41b〜41dにて電子部品2b〜2dの認識動作を行う第2の工程と、ヘッド41bにて電子部品2bの搭載動作を行う第3の工程と、ヘッド41cにて電子部品2cの搭載動作を行う第4の工程と、ヘッド41dにて電子部品2dの搭載動作を行う第5の工程との5つの工程から構成されている。
【0075】
そして、制御部10は、同時吸着判定プログラムを実行して、取得された同時吸着オーダデータに対して、記憶部30に記憶されている固有データに基づいて、複数のヘッド41,…にて電子部品2を同時吸着可能か否かを判定する(ステップA4)。
ここで、制御部10は、例えば、同時吸着されるヘッド41,…の並び配列に対応するようにテープフィーダ311,…(321,…)が同時吸着できる並び配列になっているにもかかわらず、テープフィーダ311(321)が取り付けられるフィーダバンクの位置決め穴のピッチの誤差等によってテープフィーダ311(321)のピッチとヘッド41のピッチとが異なる場合には、前記複数のヘッド41,…にて電子部品2を同時吸着できないと判定して(ステップA4;NO異常)、生産性表示処理を実行する(ステップA5)。
【0076】
<生産性表示処理>
ステップA5における生産性表示処理においては、制御部10は、生産性表示プログラムを実行することで、回路基板1への電子部品2の搭載を開始する前に、回路基板1へ搭載される電子部品2を複数(例えば、4つ)のヘッド41,…にて同時吸着できない要因を取得して(ステップA51)、取得された要因を例えば表示部40に表示するようになっている(ステップA52)。
このとき、制御部10は、前記同時吸着できないと判定される電子部品2が部品供給部3に存在する場合、前記同時吸着できない要因をテープフィーダ311(321)のピッチとヘッド41のピッチとが異なることであると推定するようになっている。
【0077】
その後、制御部10は、前記同時吸着できない要因を表示することで、オペレータに対してテープフィーダ311(321)のフィーダバンクへの取付位置の変更を促すとともに、回路基板1の生産を続行するか中止するかをオペレータに選択させる(ステップA6)。
ここで、制御部10は、オペレータにより回路基板1の生産中止が選択されると(ステップA6;NO)、回路基板1の生産を中止する。
【0078】
一方、制御部10は、オペレータにより回路基板1の生産の続行が選択されると(ステップA6;YES)、マスタースケジュールを展開してサブスケジュールを例えば記憶部30のサブスケジュール作成領域に作成する(ステップA8)。
ここで、サブスケジュールとは、例えば図6及び図7に示すように、マスタースケジュールにおいて電子部品2を同時吸着できないと判定されたオーダにおける、複数(例えば、4つ)のヘッド41a〜41dによる電子部品2の同時吸着が、例えばヘッド41ごとの電子部品2の別々の吸着に分けられたものである。
具体的には、サブスケジュールは、例えば、いずれか一つのヘッド41aによる電子部品2aの吸着動作を行う第1の工程と、この第1の工程のヘッド41aにより吸着された電子部品2aの認識動作および前記ヘッド41aと異なるヘッド41bによる電子部品2bの吸着動作を行う第2の工程と、この第2の工程のヘッド41bにより吸着された電子部品2bの認識動作および前記ヘッド41bと異なるヘッド41cによる電子部品2cの吸着動作を行う第3の工程と、この第3の工程のヘッド41cにより吸着された電子部品2cの認識動作および前記ヘッド41cと異なるヘッド41dによる電子部品2dの吸着動作を行う第4の工程と、この第4の工程のヘッド41dにより吸着された電子部品2dの認識動作および第1の工程のヘッド41aに吸着されている電子部品2aの搭載動作を行う第6の工程と、第2の工程のヘッド41bにより吸着された電子部品2bの搭載動作を行う第7の工程と、第3の工程のヘッド41cにより吸着された電子部品2cの搭載動作を行う第8の工程と、第4の工程のヘッド41dにより吸着された電子部品2dの搭載動作を行う第9の工程との9つの工程から構成されている。
従って、マスタースケジュールよりもサブスケジュールの方が、処理工程数が多くなり、電子部品2の吸着・認識・搭載動作に時間がかかるようになっている。
【0079】
そして、制御部10は、マスタースケジュールと作成されたサブスケジュールとに基づいて、それぞれのオーダ単位における回路基板1へ電子部品2を吸着して搭載する際の処理工程の配列(回路基板1への電子部品2の搭載におけるタクト)を取得する(ステップA9)。
【0080】
次に、制御部10は、取得されたマスタースケジュールとサブスケジュールとにおけるそれぞれのオーダ単位での前記処理工程の配列を比較する(ステップA10)。
そして、制御部10は、マスタースケジュールとサブスケジュールとにおいて、実行されるオーダにおける前記処理工程の配列が異なる場合には(ステップA10;異常)、例えば、前記異なる処理工程の配列、すなわち複数のヘッド41,…による電子部品2の同時吸着がヘッド41ごとの吸着に分けられた処理工程の配列に基づいて(動的同時吸着ペアの取得)、生産性表示処理を実行する(ステップA11〜A12)。
【0081】
ステップA12における生産性表示処理では、制御部10は、ステップA5におけるものと同様に、テープフィーダ311(321)のピッチとヘッド41のピッチとが異なることが前記同時吸着できない要因と推定して、この結果、マスタースケジュールとサブスケジュールとにおいて各々実行されるオーダにおける前記処理工程の配列が異なるため、回路基板1への電子部品2の搭載効率が低下することをオペレータに対して報知するようになっている。
【0082】
その後、制御部10は、オーダ番号1であるオーダを実行して、このオーダにおいて電子部品2の吸着・認識・搭載にかかる実測時間を取得する(ステップA13〜A14)。
次に、制御部10は、サブスケジュールに従って電子部品2の回路基板1への搭載が行われた場合の予定時間と実際に行われたオーダの実測時間とを比較して(ステップA15)、サブスケジュールで予定された通りに行われていないと判定された場合には(ステップA15;異常)、生産性表示処理を実行する(ステップA16)。
【0083】
ステップA16における生産性表示処理では、制御部10は、ヘッド41による電子部品2の回路基板1への搭載において実際に起こった搭載効率を低下させた(タクトのロスとなる)要因、すなわち、例えばいずれかのヘッド41による電子部品2の吸着ができなかった場合に吸着できなかったものと同じヘッド41にて電子部品2の吸着を再度実行すること(吸着リトライ)や、ヘッド41に吸着された電子部品2が認識できなかった場合に認識できなかった電子部品2の認識を再度実行すること(認識リトライ)等が搭載効率を低下させた要因であると推定して、推定された要因を表示部40に表示するようになっている。
【0084】
そして、制御部10は、全てのオーダの実行が完了したかどうか判定する(ステップA17)。ここで、制御部10は、全てのオーダの実行を完了していないと判定した場合には(ステップA17;NO)、例えばオーダ番号をインクリメントすることで、オーダを次に進めて(ステップA18)、次のオーダにおける電子部品2の吸着・認識・搭載動作を行っていく。
【0085】
そして、上記のようにして、制御部10は、全てのオーダの実行が完了したと判定するまで(ステップA17;YES)、オーダを次に進めていくことで、全オーダにおける電子部品2の吸着・認識・搭載動作を実行する。
【0086】
次に、制御部10は、全オーダを実行することにより、全ての電子部品2の回路基板1への搭載にかかる全搭載時間、すなわち回路基板1の1枚あたりの生産にかかる時間を取得する(ステップA19)。
そして、制御部10は、回路基板1の生産が予め設定された所定枚数に到達したかどうか判定する(ステップA20)。
ここで、制御部10は、回路基板1の生産が所定枚数に到達していないと判定した場合には(ステップA20;NO)、予め作成されたマスタースケジュールに従って電子部品2の回路基板1への搭載が行われた場合の搭載時間と前記取得された回路基板1の1枚の生産にかかる時間とを比較することでその差を算出して、生産性表示処理を行う(ステップA7〜A5)。
【0087】
ステップA7、A5における生産性表示処理では、制御部10は、前記算出された回路基板1の1枚の生産にかかる時間と前記搭載時間との差を表示部40に表示して、オペレータに対して回路基板1の生産を続行するか中止するかを選択させる(ステップA6)。
ここで、制御部10は、オペレータにより回路基板1の生産の続行が選択されると、上記のようにして、回路基板1への電子部品2の搭載を行っていく。
【0088】
そして、制御部10は、ステップA20において、回路基板1の生産が所定枚数に到達した判定した場合には(ステップA20;YES)、回路基板1の所定枚数の生産にかかった時間(全基板実行時間)を取得して(ステップA21)、生産性表示処理を実行する(ステップA22)。
【0089】
ステップA22における生産性表示処理では、制御部10は、前記取得された全基板実行時間と予めマスタースケジュールに従って電子部品2の回路基板1への搭載が行われた場合の予定時間との差を表示部40に表示するともに、前記全基板実行時間が前記予定時間よりも大きくなった場合には搭載効率が低下した要因を表示部40に表示するようになっている。
なお、このとき表示される前記搭載効率の低下の要因は、例えば、制御部10によって、いずれかのオーダにて同時吸着できなかった電子部品2が部品供給部3にあると判定された場合には前記複数のヘッド41,…が電子部品2を同時に吸着するのを失敗したこと、すなわちテープフィーダ311(321)のピッチとヘッド41のピッチとが異なることであり、いずれかのオーダにて同時吸着できなかった電子部品2が部品供給部3にないと判定された場合には電子部品2の回路基板1への搭載を行っていく過程で前記吸着できなかった電子部品2が部品切れしてしまったと推定されるようになっている。
そして、制御部10は、それぞれ推定された搭載効率の低下の要因を表示部40に表示することで、オペレータに対して所定の対応作業を促すようになっている。
【0090】
以上のように、第2の実施の形態の電子部品搭載装置によれば、回路基板1への電子部品2の搭載を開始する前に、複数のヘッド41,…にて電子部品2を同時吸着できずに回路基板1への電子部品2の搭載にかかる搭載効率の低下を報知するので、回路基板1への電子部品2の搭載を開始する前に、前記搭載効率の低下をオペレータに認識させることになる。従って、例えばオペレータに対して前記搭載効率の低下に対応する作業を促して、回路基板1の生産性の低下を抑制することができる。
また、例えば複数の電子部品搭載装置が連続して接続された状態で電子部品実装ラインに備えられる場合に、複数の電子部品搭載装置のうちいずれかの電子部品搭載装置において前記複数のヘッド41,…に同時に電子部品2を吸着できないと判定しても、回路基板1への電子部品2の搭載を開始する前に、回路基板1への電子部品2の搭載における搭載効率の低下を報知してオペレータに認識させることができる。これにより、前記搭載効率が低下した電子部品搭載装置よりも搬送方向の下流側に配置されている電子部品搭載装置全てに影響を及ぼすことがなく、電子部品実装ラインでの回路基板1の生産性の低下を抑制することができる。
【0091】
また、回路基板1への全ての電子部品2の搭載後、算出された回路基板1の1枚の生産にかかる時間と前記マスタースケジュールに基づく搭載時間との差を表示部40に表示して、オペレータに対して、前記搭載時間に対して回路基板1の1枚の生産にかかる時間がどれ位遅くなっているかを認識させることができる。さらに、回路基板1の所定枚数の生産後、回路基板1の所定枚数の生産にかかった全基板実行時間と予めマスタースケジュールに従って電子部品2の回路基板1への搭載が行われた場合の予定時間との差を表示部40に表示して、オペレータに対して、前記予定時間に対して全基板実行時間がどれ位遅くなっているかを認識させることができる。従って、オペレータに対して搭載効率の低下を認識させることができる。
【0092】
さらに、生産性表示処理を実行することにより、推定された搭載効率の低下の要因を表示部40に表示するので、オペレータに対して搭載効率の低下の要因を認識させることができる。従って、例えばオペレータに前記搭載効率の低下の要因に対応する作業を促して、回路基板1の生産性の低下を抑制することができる。
【0093】
なお、上記第2の実施の形態では、ステップA12における生産性表示処理において、回路基板1への電子部品2の搭載効率の低下の要因を、マスタースケジュールとサブスケジュールとにおいて各々実行されるオーダにおける前記処理工程の配列が異なることとしたが、これに限られるものではない。例えば、マスタースケジュールとサブスケジュールとにおいて、吸着される各電子部品2に対応するヘッド41が異なる場合にはヘッド41の移動時間が異なることになるため、各電子部品2に対応するヘッド41が異なることを前記搭載効率の低下の要因とするようにしても良い。
【0094】
また、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
【0095】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、回路基板への電子部品の搭載効率の低下を報知するので、前記搭載効率の低下をオペレータに認識させることになり、従って、例えばオペレータに対して前記搭載効率の低下に対応する作業を促すことができ、基板の生産性の低下を抑制することができる。
また、例えば複数の電子部品搭載装置が連続して接続された状態で電子部品実装ラインに備えられる場合に、複数の電子部品搭載装置のうちいずれかの電子部品搭載装置による回路基板への部品の搭載における搭載効率が低下しても、前記搭載効率の低下を報知してオペレータに認識させることになるので、前記搭載効率が低下した電子部品搭載装置よりも搬送方向の下流側に配置されている電子部品搭載装置全てに影響を及ぼすことがなく、電子部品実装ラインでの基板の生産性の低下を抑制することができる。
【0096】
請求項2に記載の発明によれば、複数の吸着ノズルに同時に部品を吸着せずに部品の搭載を続行したことにより、測定された回路基板への部品の搭載にかかる時間と基準となる時間との差が所定時間以上となった場合に、搭載効率の低下を報知して、前記基準となる時間に対して前記回路基板への搭載にかかる時間が遅くなっていることをオペレータに対して認識させることができる。
【0099】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同等の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された第1の実施の形態として例示される電子部品搭載装置の要部構成を示す正面図である。
【図2】図1の電子部品搭載装置に備わる制御部の主要制御ブロック図である。
【図3】図1の電子部品搭載装置を示す要部平面図である。
【図4】図1の電子部品搭載装置に備わるヘッドユニットの要部構成を示す拡大正面図である。
【図5】図1の電子部品搭載装置による搭載効率低下報知処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】本発明が適用された第2の実施の形態として例示される電子部品搭載装置により作成されるマスタースケジュールとサブスケジュールの一例を示す図である。
【図7】本発明が適用された第2の実施の形態として例示される電子部品搭載装置に備わるヘッドとパーツフィーダの位置関係の一例を示す要部斜視図である。
【図8】本発明が適用された第2の実施の形態として例示される電子部品搭載装置による搭載効率低下報知処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【図9】図8に示す搭載効率低下報知処理の続きを示すフローチャートである。
【図10】図8の電子部品搭載装置による生産性表示処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【図11】従来の電子部品搭載装置を示す要部側面図である。
【図12】図11とは異なる従来の電子部品搭載装置を示す要部平面図である。
【図13】従来の電子部品搭載装置が複数連続して接続されて電子部品実装ラインに備えられている状態を概略的に示す図である。
【符号の説明】
100 電子部品搭載装置(部品搭載装置)
1 回路基板
2 電子部品(部品)
3 部品供給部
4 ヘッドユニット
411 吸着ノズル
9 シグナルライト(第1の報知手段)
10 制御部(制御手段、第1の判定手段、第1の報知手段、取得手段、第2の判定手段、第2の報知手段)
20 タイマー(時間測定手段)
30 記憶部(記憶手段)
40 表示部(第2の報知手段)

Claims (3)

  1. 複数の吸着ノズルを有し移動するヘッドユニットを備え、前記複数の吸着ノズルの並び方向と同方向に並んだ複数のテープフィーダとこれらを位置決め穴により位置決めして固定保持するフィーダバンクとを備えて、回路基板に搭載される部品を供給する部品供給部から前記ヘッドユニットの吸着ノズルに吸着保持された部品を回路基板上の所定位置に移動させて搭載する搭載工程を繰り返すことにより、前記回路基板上に複数の部品を搭載させる部品搭載装置において、
    予め、前記複数の吸着ノズルに同時に部品を吸着するように設定された搭載工程を実行した際に、同機種でも電子部品搭載装置毎に異なる、前記フィーダバンクの位置決め穴のピッチ及び前記吸着ノズルのピッチに関する電子部品搭載装置固有データに基づいて、前記吸着ノズルのピッチと部品供給部のフィーダバンクの位置決め穴のピッチとが等しいか否かにより同時吸着が可能かどうか確認すると共に、前記複数の吸着ノズルに同時に部品を吸着できなかった場合に、部品を吸着できなかった吸着ノズル単独で、吸着できなかった部品を再吸着するように制御して部品の搭載を続行させる制御手段と、
    前記制御手段により前記複数の吸着ノズルに同時に部品を吸着せずに部品の搭載を続行したことによって、前記回路基板への部品の搭載における搭載効率が低下したか否かを判定する第1の判定手段と、
    前記第1の判定手段が前記回路基板への部品の搭載における搭載効率が低下したと判定した場合に、前記搭載効率の低下を報知する第1の報知手段とを備えることを特徴とする部品搭載装置。
  2. 請求項1に記載の部品搭載装置において、
    前記回路基板への部品の搭載にかかる時間を測定する時間測定手段と、
    前記回路基板への部品の搭載が予め設定された通りに行われた際にかかる基準となる時間を記憶する記憶手段とを備え、
    前記第1の判定手段は、前記時間測定手段に測定された時間と前記記憶手段に記憶された前記基準となる時間とを比較して、前記測定された時間と前記基準となる時間との差が所定時間以上となった場合に、前記搭載効率が低下したと判定することを特徴とする部品搭載装置。
  3. 複数の吸着ノズルを有し移動するヘッドユニットを備え、前記複数の吸着ノズルの並び方法と同方向に並んだ複数のテープフィーダとこれらを位置決め穴により位置決めして固定保持するフィーダバンクとを備えて、回路基板に搭載される部品を供給する部品供給部から前記ヘッドユニットの吸着ノズルに吸着保持された部品を回路基板上の所定位置に移動させて搭載する搭載工程を繰り返すことにより、前記回路基板上に複数の部品を搭載させる部品搭載装置を用いた部品搭載方法において、
    予め、前記複数の吸着ノズルに同時に部品を吸着するように設定された搭載工程を実行した際に、同機種でも電子部品搭載装置毎に異なる、前記フィーダバンクの位置決め穴のピッチ及び前記吸着ノズルのピッチに関する電子部品搭載装置固有データに基づいて、前記吸着ノズルのピッチと部品供給部のフィーダバンクの位置決め穴のピッチとが等しいか否かにより同時吸着が可能かどうか確認すると共に、前記複数の吸着ノズルに同時に部品を吸着できなかった場合に、部品を吸着できなかった吸着ノズル単独で、吸着できなかった部品を再吸着するように制御して部品の搭載を続行させ、
    前記複数の吸着ノズルに同時に部品を吸着せずに部品の搭載を続行したことによって、前記回路基板への部品の搭載における搭載効率が低下したか否かを判定し
    前記回路基板への部品の搭載における搭載効率が低下したと判定した場合に、前記搭載効率の低下を報知することを特徴とする部品搭載方法。
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