JP4180290B2 - 画像読取装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像読取装置に関し、特に、複数のセンサがマトリクス状又はライン状に配列されたセンサアレイ上に被写体を載置、接触させて、該センサアレイを走査駆動することにより、被写体の画像パターン(2次元画像)を読み取る画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、印刷物や写真、あるいは、指紋等の微細な凹凸形状等の2次元の画像パターンを読み取る技術として、例えば、光電変換素子(センサ)等をマトリクス状又はライン状に配列して構成されるセンサアレイを走査駆動することにより、該センサアレイ上に設けられた検知面に載置、接触された被写体の画像パターンを読み取る画像読取装置が知られている。
このような画像読取装置は、近年の個人情報や企業情報等の管理や保護、あるいは、防犯等のセキュリティに対する社会的な要求に伴って、指紋等の生体固有の情報を照合することにより個人を識別する、いわゆるバイオメトリック認証技術の分野への応用が盛んに研究、開発されている。
【0003】
ここで、画像読取装置を指紋読取装置等に適用した場合、被写体(例えば、指等の人体の一部)が所定の検知面に載置、接触された状態を検出して、画像読取動作を開始(起動)することにより、画像読取装置のセンサアレイを構成するセンサの素子特性の劣化(例えば、センサを常時駆動させた場合における外光の入射に伴う読取特性の劣化等)を抑制しつつ、適切な画像読取動作を実現する機能(以下、「被写体検出機能」という)を備えたものが知られている。この被写体検出機能を実現する技術としては、一般に、容量検出方式や抵抗検出方式が知られている。
【0004】
容量検出方式による被写体検出機能を備えた画像読取装置(指紋読取装置)としては、例えば、図11に示すように、複数のセンサ10pがマトリクス状に配列されたセンサアレイ100pと、センサアレイ100p上に保護絶縁膜(図示を省略)を介して、該センサアレイ100pの略全域を覆うように形成された電極層30pと、電極層30pに引き出し配線PLpを介して接続され、電極層30pに被写体(指)FGが載置、接触されることによる特有の容量変化を検出して、画像読取装置における画像読取動作を開始するための制御信号SGpを出力する検出回路40pと、引き出し配線PLpと接地電位との間に接続された逆並列ダイオード回路50pと、センサアレイ100pの背面側に配置された面光源(図示を省略)と、を有して構成されている。
【0005】
このような画像読取装置においては、図12(a)に示すように、センサアレイ100pと電極層30pとの間に保護絶縁膜20pが誘電体として介在し、また、センサアレイ100p(センサ10p)が常時接地された回路構成を有しているため、電極層30p上面の検知面に指FG等の被写体が載置、接触されていない状態(非接触状態)であっても、本来的に容量C1を有している。ここで、図12(b)に示すように、指FGを電極層30pに載置、接触させると(接触状態)、センサアレイ100p自体が本来有する上記容量C1に対して、誘電体としての指(人体)FGの接触に起因して容量C2が付加されて変化(C1→C1+C2)を生じるため、この容量変化を検出回路40pにより検出することにより、センサアレイ100p上に指が載置されたことを判断して、指紋の読取動作が開始される。なお、このような被写体の接触状態を容量変化により検出する技術は、例えば、特許第2937046号公報等にも記載されている。
【0006】
ここで、上述した画像読取装置においては、引き出し配線PLpから分岐して逆並列ダイオード回路50pが設けられていることにより、指(人体)FGに帯電していた電荷(静電気)に起因する過大電圧を、電極層30pから引き出し配線PLp及び逆並列ダイオード回路50pを介して、接地電位に放電して除去する機能(以下、「静電気除去機能」という)を有しているので、センサ10pの素子破壊や、検出回路40pにおける静電破壊等を防止又は抑制することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の画像読取装置においては、次に示すような問題を有していた。
すなわち、上述したような容量検知方式の画像読取装置においては、指FG等の被写体が電極層30pに接触していない状態で検出回路40pにより検出される容量C1は、一般に、概ね6000pF程度と比較的高い数値であるのに対して、指FGの接触に起因して付加される容量C2は、概ね100pF程度と極めて低く、接触状態において検出される容量変化が微小であるため、検知回路40pにおける容量変化の検出感度を十分高いものにしなければならず、製品コストの上昇等を招くという問題を有していた。
【0008】
また、上述したような画像読取装置においては、静電気に帯電した指FG等が電極層30pに載置、接触された場合、該静電気による電流が上記引き出し配線PLp及び逆並列ダイオード50pを介して、接地電位に放電されるが、センサアレイ100pを構成する各センサ10pが常時接地された回路構成を有しているため、静電気の一部が各センサ10pを介して接地電位に放電されて、該センサ10pの素子破壊を生じたり、各センサ10pに接続された駆動制御回路(ドライバ)等の周辺回路における静電破壊や誤動作を生じるという問題を有していた。
【0009】
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑み、被写体が検知面に載置されたことを良好に検出して、該被写体の画像パターンの読取動作を誤動作なく確実に開始することができるとともに、被写体に帯電した静電気を十分に除去して素子や周辺回路の破壊等を防止することができる画像読取装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る画像読取装置は、複数のセンサを配列したセンサアレイを備え、該センサアレイ上の検知面に載置された被写体の画像パターンを読み取る画像読取装置において、前記センサアレイに所定の駆動制御信号を供給する駆動制御手段と、前記センサアレイに所定の駆動電圧を供給する電源手段と、前記センサアレイと前記駆動制御手段及び前記電源手段との間に設けられたスイッチ手段と、前記検知面への前記被写体の載置状態を検出する被写体検出手段と、を備え、前記スイッチ手段は、前記被写体検出手段からの制御信号に応じて、前記被写体が前記検知面に載置されたことが検出されたとき、前記センサアレイと前記駆動制御手段及び前記電源手段とを電気的に接続し、前記被写体が前記検知面から離間したことが検出されたとき、前記センサアレイと前記駆動制御手段及び前記電源手段との電気的な接続を遮断して、前記センサアレイをフローティング状態とするように、前記センサアレイと前記駆動制御手段及び前記電源手段との接続状態を切り換え制御することを特徴としている。
【0011】
請求項2記載の画像読取装置は、請求項1記載の画像読取装置において、前記被写体検出手段は、少なくとも、前記検知面に設けられた電極層と、前記電極層の容量変化を検出し、該容量変化に応じた前記制御信号を前記スイッチ手段に出力する容量変化検出回路と、を備えていることを特徴としている。
請求項3記載の画像読取装置は、請求項2記載の画像読取装置において、前記被写体検出手段は、前記電極層の容量の増加を検出した場合に、前記センサアレイと前記駆動制御手段及び前記電源手段とを接続するための前記制御信号を前記スイッチ手段に出力することを特徴としている。
請求項4記載の画像読取装置は、請求項1乃至3のいずれかに記載の画像読取装置において、前記センサアレイ、前記駆動制御手段及び前記電源手段は、各々ユニット化された構成を有し、前記スイッチ手段は、前記センサアレイと前記駆動制御手段及び前記電源手段との接続端子間に介在させるように設けられていることを特徴としている。
【0012】
請求項5記載の画像読取装置は、請求項1乃至4のいずれかに記載の画像読取装置において、前記センサは、半導体層からなるチャネル領域を挟んで形成されたソース電極及びドレイン電極と、少なくとも前記チャネル領域の上方及び下方に各々絶縁膜を介して形成された第1のゲート電極及び第2のゲート電極と、を備え、前記第1のゲート電極又は前記第2のゲート電極のいずれか一方を前記検知面側として、前記駆動制御手段から前記第1のゲート電極及び前記第2のゲート電極に前記駆動制御信号を供給することにより設定される所定の電荷蓄積期間に、前記検知面側から照射された光の量に対応する電荷が前記チャネル領域に発生して蓄積される構成を有し、該蓄積された電荷の量に基づいて出力される電圧により前記検知面に載置された前記被写体の画像パターンを読み取ることを特徴としている。
【0013】
すなわち、複数のセンサ(ダブルゲート型フォトセンサ)がマトリクス状又はライン状に配列されたセンサアレイの上方に設けられた検知面に載置、接触された被写体の画像パターンを読み取る画像読取装置において、少なくとも、センサアレイの上方の略全域に形成され、上記検知面を構成する電極層(透明電極層)と、該電極層における容量変化を観測して、検知面への被写体の載置状態を検出する検出回路(被写体検出手段)と、センサアレイと各ドライバ群(駆動制御手段)及び接地電位(電源手段)との間に設けられ、上記検出回路からの切換制御信号(制御信号)に基づいてON/OFF動作し、センサアレイと各ドライバ群及び接地電位との接続状態を切り換え制御するスイッチ群(スイッチ手段)と、を備え、被写体が検知面に接触していない非接触状態においては、スイッチ群をOFF状態にしてセンサアレイが電気的に切り離された状態に設定し、被写体が検知面に接触した接触状態においては、スイッチ群をON状態にしてセンサアレイと各ドライバ群及び接地電位を接続して、画像読取動作が可能な状態に移行するように制御される。
【0014】
これにより、非接触状態においてセンサアレイに本来的に生じる容量をほとんど0にすることができるので、検知面への被写体の接触に伴う僅かな容量の変化であっても、比較的検出感度の低い検出回路により良好に検出される。
また、検知面への被写体の接触に際して、被写体に静電気が帯電している場合であっても、被写体の接触直後においては、センサアレイが電気的に切り離された状態にあるので、静電気に伴う電流がセンサに流下することなく、所定の放電機構(逆並列ダイオード回路)を介して接地電位に放電される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る画像読取装置の実施の形態について、詳しく説明する。
まず、本発明に係る画像読取装置に適用して良好なセンサの構成について説明する。
本発明に係る画像読取装置に適用されるセンサとしては、CCD(Charge Coupled Device)等の固体撮像デバイスを用いることができる。
【0016】
CCDは、周知の通り、フォトダイオードや薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)等のフォトセンサをマトリクス状に配列した構成を有し、各フォトセンサの受光部に照射された光量に対応して発生する電子−正孔対の量(電荷量)を、水平走査回路及び垂直走査回路により検出し、照射光の輝度を検知するものである。
ところで、このようなCCDを用いたフォトセンサシステムにおいては、走査された各フォトセンサを選択状態にするための選択トランジスタを個別に設ける必要があるため、検出画素数が増大するにしたがってシステム自体が大型化するという問題を有している。
【0017】
そこで、近年、このような問題を解決するための構成として、フォトセンサ自体にフォトセンス機能と選択トランジスタ機能とを持たせた、いわゆる、ダブルゲート構造を有する薄膜トランジスタ(以下、「ダブルゲート型トランジスタ」という)が開発され、システムの小型化、及び、画素の高密度化(読取画像の高精細化)を図る試みがなされている。そのため、本発明における画像読取装置においても、このダブルゲート型トランジスタを良好に適用することができる。
【0018】
ここで、本発明に係る画像読取装置に適用可能なダブルゲート型トランジスタによるフォトセンサ(以下、「ダブルゲート型フォトセンサ」と記す)について、図面を参照して説明する。
<ダブルゲート型フォトセンサ>
図1は、ダブルゲート型フォトセンサの概略構成を示す断面構造図である。
【0019】
図1(a)に示すように、ダブルゲート型フォトセンサ10は、励起光(ここでは、可視光)が入射されると電子−正孔対が生成されるアモルファスシリコン等の半導体層(チャネル層)11と、半導体層11の両端にそれぞれ設けられたn+シリコンからなる不純物層17、18と、不純物層17、18上に形成されたクロム、クロム合金、アルミニウム、アルミニウム合金等から選択され、可視光に対して不透明のドレイン電極12及びソース電極13と、半導体層11の上方(図面上方)にブロック絶縁膜14及び上部(トップ)ゲート絶縁膜15を介して形成された酸化スズ(SnO2)膜やITO(Indium-Tin-Oxide:インジウム−スズ酸化物)膜等の透明電極層からなり、可視光に対して透過性を示すトップゲート電極(第1のゲート電極)21と、半導体層11の下方(図面下方)に下部(ボトム)ゲート絶縁膜16を介して形成されたクロム、クロム合金、アルミニウム、アルミニウム合金等から選択され、可視光に対して不透明なボトムゲート電極(第2のゲート電極)22と、を有して構成されている。そして、このような構成を有するダブルゲート型フォトセンサ10は、ガラス基板等の透明な絶縁性基板19上に形成されている。
【0020】
ここで、図1(a)において、トップゲート絶縁膜15、ブロック絶縁膜14、ボトムゲート絶縁膜16、トップゲート電極21上に設けられる保護絶縁膜20及び最上層の透明電極層30は、いずれも半導体層11を励起する可視光に対して高い透過率を有する材質、例えば、窒化シリコンや酸化シリコン、ITO等により構成されることにより、図面上方から入射する光のみを検知する構造を有している。
【0021】
なお、このようなダブルゲート型フォトセンサ10は、一般に、図1(b)に示すような等価回路により表される。ここで、TGはトップゲート電極21と電気的に接続されたトップゲート端子、BGはボトムゲート電極22と電気的に接続されたボトムゲート端子、Sはソース電極13と電気的に接続されたソース端子、Dはドレイン電極12と電気的に接続されたドレイン端子である。
【0022】
次いで、上述したダブルゲート型フォトセンサの駆動制御方法について、図面を参照して説明する。
図2は、ダブルゲート型フォトセンサの基本的な駆動制御方法の一例を示すタイミングチャートであり、図3は、ダブルゲート型フォトセンサの動作概念図であり、図4は、ダブルゲート型フォトセンサの出力電圧の光応答特性を示す図である。ここでは、上述したダブルゲート型フォトセンサの構成(図1)を適宜参照しながら説明する。
【0023】
まず、リセット動作(初期化動作)においては、図2、図3(a)に示すように、ダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート端子TGにパルス電圧(以下、「リセットパルス」と記す;例えば、Vtg=+15Vのハイレベル)φTiを印加して、半導体層11、及び、ブロック絶縁膜14における半導体層11との界面近傍に蓄積されているキャリヤ(ここでは、正孔)を放出する(リセット期間Trst)。
【0024】
次いで、キャリヤ蓄積動作(電荷蓄積動作)においては、図2、図3(b)に示すように、トップゲート端子TGにローレベル(例えば、Vtg=−15V)のバイアス電圧φTiを印加することにより、リセット動作を終了し、キャリヤ蓄積動作による電荷蓄積期間Taがスタートする。電荷蓄積期間Taにおいては、トップゲート電極21側から入射した光量に応じて半導体層11の入射有効領域、すなわち、キャリヤ発生領域で電子−正孔対が生成され、半導体層11、及び、ブロック絶縁膜14における半導体層11との界面近傍、すなわち、チャネル領域周辺に正孔が蓄積される。
【0025】
そして、プリチャージ動作においては、図2、図3(c)に示すように、電荷蓄積期間Taに並行して、プリチャージ信号φpgに基づいてドレイン端子Dに所定の電圧(プリチャージ電圧)Vpgを印加し、ドレイン電極12に電荷を保持させる(プリチャージ期間Tprch)。
次いで、読み出し動作においては、図2、図3(d)に示すように、プリチャージ期間Tprchを経過した後、ボトムゲート端子BGにハイレベル(例えば、Vbg=+10V)のバイアス電圧(読み出し選択信号;以下、「読み出しパルス」と記す)φBiを印加すること(選択状態)により、ダブルゲート型フォトセンサ10をON状態にする(読み出し期間Tread)。
【0026】
ここで、読み出し期間Treadにおいては、チャネル領域に蓄積されたキャリヤ(正孔)が逆極性のトップゲート端子TGに印加されたVtg(−15V)を緩和する方向に働くため、ボトムゲート端子BGのVbg(+15V)によりnチャネルが形成され、ドレイン電流に応じてドレイン端子Dの電圧(ドレイン電圧)VDは、図4(a)に示すように、プリチャージ電圧Vpgから時間の経過とともに徐々に低下する傾向を示す。
【0027】
すなわち、電荷蓄積期間Taにおけるキャリヤ蓄積状態が明状態の場合には、図3(d)に示すように、チャネル領域に入射光量に応じたキャリヤ(正孔)が捕獲されているため、トップゲート端子TGの負バイアスを打ち消すように作用し、この打ち消された分だけボトムゲート端子BGの正バイアスによって、ダブルゲート型フォトセンサ10はON状態となる。そして、この入射光量に応じたON抵抗に従って、図4(a)に示すように、ドレイン電圧VDは、低下することになる。
【0028】
一方、キャリヤ蓄積状態が暗状態で、チャネル領域にキャリヤ(正孔)が蓄積されていない場合には、図3(e)に示すように、トップゲート端子TGに負バイアスをかけることによって、ボトムゲート端子BGの正バイアスが打ち消され、ダブルゲート型フォトセンサ10はOFF状態となり、図4(a)に示すように、ドレイン電圧VDが、ほぼそのまま保持されることになる。
【0029】
したがって、図4(a)に示したように、ドレイン電圧VDの変化傾向は、トップゲート端子TGへのリセットパルスφTiの印加によるリセット動作の終了時点から、ボトムゲート端子BGに読み出しパルスφBiが印加されるまでの時間(電荷蓄積期間Ta)に受光した光量に深く関連し、蓄積されたキャリヤが多い場合(明状態)には急峻に低下する傾向を示し、また、蓄積されたキャリヤが少ない場合(暗状態)には緩やかに低下する傾向を示す。そのため、読み出し期間Treadがスタートして、所定の時間経過後のドレイン電圧VD(=Vrd)を検出することにより、あるいは、所定のしきい値電圧を基準にして、その電圧に至るまでの時間を検出することにより、ダブルゲート型フォトセンサ10に入射した光(照射光)の光量が換算される。
【0030】
上述した一連の画像読取動作を1サイクルとして、i+1番目の行のダブルゲート型フォトセンサ10にも同等の処理手順を繰り返すことにより、ダブルゲート型フォトセンサを2次元のセンサシステムとして動作させることができる。
なお、図2に示したタイミングチャートにおいて、プリチャージ期間Tprchの経過後、図3(f)、(g)に示すように、ボトムゲート端子BGにローレベル(例えば、Vbg=0V)を印加した状態(非選択状態)を継続すると、ダブルゲート型フォトセンサ10はOFF状態を持続し、図4(b)に示すように、ドレイン電圧VDは、プリチャージ電圧Vpgに近似する電圧を保持する。このように、ボトムゲート端子BGへの電圧の印加状態により、ダブルゲート型フォトセンサ10の読み出し状態を選択、非選択状態に切り替える選択機能が実現される。
【0031】
<フォトセンサシステム>
次いで、上述したダブルゲート型フォトセンサを所定の形式で配列して構成されるフォトセンサアレイを備えたフォトセンサシステムについて、図面を参照して説明する。ここでは、複数のダブルゲート型フォトセンサを2次元配列して構成されるフォトセンサアレイを示して説明するが、複数のダブルゲート型フォトセンサをX方向に1次元配列してラインセンサアレイを構成し、該ラインセンサアレイをX方向に直交するY方向に移動させて2次元領域を走査(スキャン)するものであってもよいことは言うまでもない。
【0032】
図5は、ダブルゲート型フォトセンサを2次元配列して構成されるフォトセンサアレイを備えたフォトセンサシステムの概略構成図である。
図5に示すように、フォトセンサシステムは、大別して、多数のダブルゲート型フォトセンサ10を、例えば、n行×m列(n、mは任意の自然数)のマトリクス状に配列したフォトセンサアレイ100と、各ダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート端子TG(トップゲート電極21)及びボトムゲート端子BG(ボトムゲート電極22)を各々行方向に接続して伸延するトップゲートライン101及びボトムゲートライン102と、各ダブルゲート型フォトセンサ10のドレイン端子D(ドレイン電極12)を列方向に接続したドレインライン(データライン)103と、ソース端子S(ソース電極13)を列方向に接続するとともに、接地電位に接続されたソースライン(コモンライン)104と、トップゲートライン101に接続されたトップゲートドライバ110と、ボトムゲートライン102に接続されたボトムゲートドライバ120と、ドレインライン103に接続されたコラムスイッチ131、プリチャージスイッチ132、アンプ133からなるドレインドライバ130と、を有して構成されている。
【0033】
ここで、トップゲートライン101は、図1に示したトップゲート電極21とともに、ITO等の透明電極層で一体的に形成され、ボトムゲートライン102、ドレインライン103並びにソースライン104は、それぞれボトムゲート電極22、ドレイン電極12、ソース電極13と同一の励起光に不透明な材料で一体的に形成されている。また、ソースライン104には、後述するプリチャージ電圧Vpgに応じて設定される定電圧Vssが印加されるが、接地電位(GND)であってもよい。
【0034】
なお、図5において、φtgは、リセット電圧及び光キャリア蓄積電圧のいずれかとして選択的に出力される信号φT1、φT2、…φTi、…φTnを生成するための制御信号であり、φbgは、読み出し電圧及び非読み出し電圧のいずれかとして選択的に出力される信号φB1、φB2、…φBi、…φBnを生成するための制御信号、φpgは、プリチャージ電圧Vpgを印加するタイミングを制御するプリチャージ信号である。また、図5においては、ダブルゲート型フォトセンサ10のドレイン側又はソース側となる各端子に対して、便宜的にドレイン及びソースの用語を固定的に用いるが、フォトセンサシステム(ダブルゲート型フォトセンサ10)の動作状態に応じて、各端子の機能が切り替わるものであることはいうまでもない。
【0035】
このような構成において、トップゲートドライバ110からトップゲートライン101を介して、トップゲート端子TGに信号φTi(iは任意の自然数;i=1、2、・・・n)を印加することにより、フォトセンス機能が実現され、ボトムゲートドライバ120からボトムゲートライン102を介して、ボトムゲート端子BGに信号φBiを印加し、ドレインライン103を介して検出信号をドレインドライバ130に取り込んで、シリアルデータ又はパラレルデータの出力電圧Voutとして出力することにより、選択読み出し機能が実現される。
【0036】
図6は、上述したようなフォトセンサシステムを適用した画像読取装置(指紋読取装置)の要部断面図である。なお、ここでは、説明及び図示の都合上、フォトセンサシステムの断面部分を表すハッチングを省略する。
図6に示すように、指紋等の画像パターンを読み取る画像読取装置においては、ダブルゲート型フォトセンサ10が形成されたガラス基板等の絶縁性基板19下方側に設けられたバックライト(面光源)BLから照射光Laを入射させ、この照射光Laがダブルゲート型フォトセンサ10(詳しくは、ボトムゲート電極22、ドレイン電極12、ソース電極13)の形成領域を除く、透明な絶縁性基板19と絶縁膜15、16、20を透過して、透明電極層30上面の検知面(指紋検出面)30aに載置された指(被写体)40に照射される。
【0037】
そして、指紋読取装置による指紋の読取動作時においては、指40の皮膚表層41の半透明層が、フォトセンサアレイ100の最上層に形成された透明電極層30に接触することにより、透明電極層30と皮膚表層41との間の界面に屈折率の低い空気層がなくなる。ここで、皮膚表層41の厚さは、650nmより厚いため、指紋42の凸部42aにおいて内部に入射された光Laは、皮膚表層41内を散乱、反射しながら伝搬する。伝搬された光Lbの一部は、透明な電極層30、透明な絶縁膜20、15、14及びトップゲート電極21を透過してダブルゲート型フォトセンサ10の半導体層11に励起光として入射される。このように、指40の凸部42aに対応する位置に配置されたダブルゲート型フォトセンサ10の半導体層11に光が入射されて生成されるキャリヤ(正孔)が蓄積されることにより、上述した一連の駆動制御方法にしたがって、指40の画像パターンを明暗情報として読み取ることができる。
【0038】
また、指紋42の凹部42bにおいては、照射された光Laは、透明電極層30の検知面30aと空気層との間の界面を通過し、空気層の先の指40に到達して皮膚表層41内で散乱するが、皮膚表層41は空気より屈折率が高いため、ある角度で界面に入射された皮膚表層41内の光Lcは空気層に抜けにくく、凹部42bに対応する位置に配置されたダブルゲート型フォトセンサ10の半導体層11への入射が抑制される。
【0039】
このように、透明電極層30としてITO等の透明な導電性材料を適用していることにより、透明電極層30上に載置された指40に照射され、散乱、反射した光が良好に各ダブルゲート型フォトセンサ10の半導体層11に入射されることになるので、指(被写体)40の読取動作における読取感度特性が悪化することがなく、被写体の画像パターン(指紋)の読み取りが良好に行われる。
【0040】
<画像読取装置>
次に、本発明に係る画像読取装置について、具体的な実施の形態を示して説明する。なお、以下に示す実施形態においては、センサとして、上述したダブルゲート型フォトセンサを適用した場合について説明する。
図7は、本発明に係る画像読取装置の一実施形態を示す概略構成図であり、図8は、本実施形態に係る画像読取装置の要部構成図である。なお、ここでは、上述したフォトセンサシステムの構成(図5、図6)を適宜参照しながら説明する。また、図1、図5に示した構成と同等の構成については、同一の符号を付して、その説明を簡略化又は省略する。
【0041】
図7に示すように、本実施形態に係る画像読取装置は、上述した構成を有するダブルゲート型フォトセンサ10がマトリクス状に配列されたフォトセンサアレイ100と、該フォトセンサアレイ100の一面側の略全域に、保護絶縁膜(図示を省略)を介して形成された透明電極層30と、フォトセンサアレイ100(各ダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート端子)とトップゲートドライバ110との間に設けられたスイッチ(以下、便宜的に「トップ側スイッチ」と記す)SWtと、フォトセンサアレイ100(各ダブルゲート型フォトセンサ10のボトムゲート端子)とボトムゲートドライバ110との間に設けられたスイッチ(以下、便宜的に「ボトム側スイッチ」と記す)SWbと、フォトセンサアレイ100(各ダブルゲート型フォトセンサ10のドレイン端子)とドレインドライバ130との間に設けられたスイッチ(以下、便宜的に「ドレイン側スイッチ」と記す)SWdと、フォトセンサアレイ100(各ダブルゲート型フォトセンサ10のソース端子)と接地電位との間に設けられたスイッチ(以下、便宜的に「接地側スイッチ」と記す)SWgと、透明電極層30に引き出し配線PLを介して接続された検出回路40と、引き出し配線PLと接地電位との間に接続された逆並列ダイオード回路50と、センサアレイ100の背面側に配置された面光源(図示を省略)と、を有して構成されている。
ここで、フォトセンサアレイ100、トップゲートドライバ110、ボトムゲートドライバ120及びドレインドライバ130は、上述したフォトセンサシステムと同等の構成を有しているので、その説明を省略する。
【0042】
検出回路40は、引き出し配線PLを介して、透明電極層30の容量変化を常時観測し、透明電極層30に被写体が載置、接触されることにより生じる特有の容量変化を検出した場合に、上記トップ側スイッチSWt、ボトム側スイッチSWb、ドレイン側スイッチSWd及び接地側スイッチSWgを切り換え制御するための切換制御信号Sswを出力するとともに、画像読取装置における画像読取動作を開始するための制御信号SGを出力する。
また、逆並列ダイオード回路50は、上述した従来技術に示した場合と同様に、透明電極層30上面の検知面に載置、接触された被写体(指)に帯電した静電気を接地電位に放電して、ダブルゲート型フォトセンサ10や検出回路40の静電破壊を防止又は抑制する。
【0043】
トップ側スイッチSWtは、具体的には、図8に示すように、フォトセンサアレイ100を構成するダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート端子TG相互を行方向に接続する複数のトップゲートライン101ごとに個別に設けられたスイッチST1、ST2、・・・STnにより構成され、検出回路40から出力される切換制御信号Sswに基づいて、これらのスイッチST1、ST2、・・・STnが同期して一斉にON状態、もしくは、OFF状態に制御される。
【0044】
また、ボトム側スイッチSWbも同様に、図8に示すように、ダブルゲート型フォトセンサ10のボトムゲート端子BG相互を行方向に接続する複数のボトムゲートライン102ごとに個別に設けられたスイッチSB1、SB2、・・・SBnにより構成され、上記切換制御信号Sswに基づいて動作状態(ON状態又はOFF状態)が制御される。
【0045】
また、ドレイン側スイッチSWdは、図8に示すように、ダブルゲート型フォトセンサ10のドレイン端子D相互を列方向に接続する複数のドレインライン103ごとに個別に設けられたスイッチSD1、SD2、・・・SDmにより構成され、上記切換制御信号Sswに基づいて動作状態(ON状態又はOFF状態)が制御される。
さらに、接地側スイッチSWgは、図8に示すように、ダブルゲート型フォトセンサ10のソース端子S相互を接続するソースライン(コモンライン)104に設けられ、上記切換制御信号Sswに基づいて動作状態(ON状態又はOFF状態)が制御される。
【0046】
したがって、これらのスイッチ群(トップ側スイッチSWt、ボトム側スイッチSWb、ドレイン側スイッチSWd及び接地側スイッチSWg;以下、同様に「スイッチ群」と総称する)は、透明電極層30上面の検知面に被写体が載置、接触されたときに検出回路40から出力される単一の切換制御信号Sswにより、同期してON状態、もしくは、OFF状態のいずれかの動作状態に制御される。
【0047】
また、図8に示すように、上記フォトセンサアレイ100及びトップゲートドライバ110、ボトムゲートドライバ120、ドレインドライバ130、接地電位は、いずれも、ユニット化された構成を有し、予めフォトセンサアレイ100に対して他の構成が端子接続が可能なように、フォトセンサアレイ100には、各トップゲートライン101ごとに外部接続端子Tst1、Tst2、・・・Tstn、各ボトムゲートライン102ごとに外部接続端子Tsb2、Tsb2、・・・Tsbn、各ドレインライン103ごとに外部接続端子Tsd2、Tsd2、・・・Tsdm、ソースライン104に外部接続端子Tsgが各々設けられている。
【0048】
一方、トップゲートドライバ110には各トップゲートライン101(上記外部接続端子Tst1、Tst2、・・・Tstn)に対応して外部接続端子Tt1、Tt2、・・・Ttnが設けられ、ボトムゲートドライバ120には各ボトムゲートライン102(上記外部接続端子Tsb2、Tsb2、・・・Tsbn)に対応して外部接続端子Tb1、Tb2、・・・Tbnが設けられ、ドレインドライバ130には各ドレインライン103(上記外部接続端子Tsd2、Tsd2、・・・Tsdm)に対応して外部接続端子Td1、Td2、・・・Tdmが設けられ、接地電位にはソースライン104(上記外部接続端子Tsg)に対応して外部接続端子Tgが設けられた構成を有している。
【0049】
したがって、本実施形態に係る上記スイッチ群は、各々、フォトセンサアレイ100とトップゲートドライバ110相互、フォトセンサアレイ100とボトムゲートドライバ120相互、フォトセンサアレイ100とドレインドライバ130相互、フォトセンサアレイ100と接地電位相互の端子接続のため、予め設けられた上記外部接続端子間に介挿されるように接続されている。
【0050】
次に、上述したような構成を有する画像読取装置を指紋読取装置に適用した場合の駆動動作について、図面を参照して説明する。
図9は、本実施形態に係る画像読取装置を指紋読取装置に適用した場合において、被写体が検知面に接触した直後の状態を示す概略図であり、図10は、本実施形態に係る画像読取装置を指紋読取装置に適用した場合において、画像読取動作が開始された状態を示す概略図である。
【0051】
(非接触状態)
まず、上述したような構成を有する指紋読取装置(画像読取装置)において、フォトセンサアレイ100上方の透明電極層30の検知面30aに被写体である指が載置されていない非接触状態(初期状態)では、検出回路40からは切換制御信号Sswが出力されず、フォトセンサアレイ100とドライバ群(トップゲートドライバ110、ボトムゲートドライバ120、ドレインドライバ130;以下、同様に「ドライバ群」と総称する)及び接地電位との間に設けられたスイッチ群は、いずれもOFF状態に制御される。
【0052】
したがって、この非接触状態においては、フォトセンサアレイ100を構成する各ダブルゲート型フォトセンサ10のソース端子S(ソースライン104)が接地電位に接続されていないフローティング状態にあって、透明電極層30とフォトセンサアレイ100間にはほとんど容量が発生しないので、透明電極層30に接続された検出回路40により観測される容量は、概ね0(もしくは、極めて微小な数値)となる。
【0053】
(接触直後)
次いで、上述したような非接触状態にある指紋読取装置において、図9に示すように、検知面30aに指FGが載置、接触されると、その直後の状態では、従来技術に示した場合と同様に、透明電極層30と誘電体である指FGとの間に概ね100pF程度の容量が生じ、検出回路40によりこの容量変化(図中、細矢印)が検出される。ここで、上述したように、本実施形態においては、初期状態において透明電極層30とフォトセンサアレイ100との間に本来的に生じる容量はほぼ0に等しいので、検出回路40の検出感度が比較的低いものであっても、上述した指FGの接触により生じる微小な容量(100pF程度)を相対的に大きな容量値の変化として良好に検出することができる。
【0054】
また、上記指FGの検知面30aへの載置、接触、及び、容量変化の検出に際して、指FGが静電気(電荷)に帯電している場合、上述したように、スイッチ群がOFF状態に制御されていることにより、フォトセンサアレイ100とドライバ群及び接地電位は、電気的に切り離された状態にあるので、電荷はダブルゲート型フォトセンサ10に流下することなく、引き出し配線PL及び逆並列ダイオード回路50を介して、接地電位に放電される(図中、太矢印)。これにより、ダブルゲート型フォトセンサ10やドライバ群、検出回路40における静電破壊や誤動作の発生等を良好に防止又は抑制することができる。
【0055】
(指紋読取動作開始)
そして、上述したように、検出回路40により、検知面30aへの指FGの接触による特有の容量変化が検出されると、図10に示すように、切換制御信号Sswがスイッチ群に出力されてON状態に切り換え制御され、フォトセンサアレイ100とドライバ群及び接地電位が電気的に接続された状態に設定されるとともに、制御信号SGが図示を省略した指紋読取装置のコントローラに出力されて指紋読取動作が開始される。
したがって、指FGが検知面30aに載置、接触された直後においては、極めて短い時間に指FGに帯電した静電気が逆並列ダイオード回路50を介して接地電位に放電されるとともに、指FGの接触に伴う透明電極層30の容量変化が検出され、その後、スイッチ群が切り換え制御されて、指紋読取動作に移行する。
【0056】
なお、指紋読取動作の実行中においても、透明電極層30の容量値は検出回路40により常時観測され(図中、点線矢印)、検知面30aから指FGが離されると、透明電極層30と誘電体である指FGとの接触により生じていた容量(概ね100pF程度)の減少が検出されると、コントローラへの制御信号SGの出力が遮断されて指紋読取動作が停止又は終了されるとともに、上述した初期状態(図9参照)と同様に、スイッチ群への切換制御信号Sswの出力が遮断されてOFF状態に切り換え制御され、フォトセンサアレイ100とドライバ群及び接地電位が電気的に切り離された状態に設定される。また、上記指紋読取動作が終了した場合においても、例えば、コントローラからの制御により切換制御信号Sswの出力が遮断されてスイッチ群がOFF状態に切り換え制御され、上記初期状態に移行する。
【0057】
なお、上述した実施形態においては、センサとしてダブルゲート型フォトセンサを適用した場合について示したが、本発明に適用されるセンサは、このダブルゲート型フォトセンサに限定されるものではなく、フォトダイオードやTFT等、他の構成のフォトセンサを用いたフォトセンサシステムに対しても同様に適用することができる。また、上記の実施形態では、光学式のいわゆるフォトセンサを示したが、例えば、指の凹凸に応じて変位する容量を読み取り、しきい値を設定した容量式センサを適用するものであってもよい。
【0058】
【発明の効果】
本発明に係る画像読取装置によれば、複数のセンサがマトリクス状又はライン状に配列されたセンサアレイ上方の検知面に載置された被写体の画像パターンを読み取る画像読取装置において、上記検知面を構成する電極層と、該電極層における容量変化に応じて、検知面への被写体の載置状態を検出する検出回路と、該検出回路からの切換制御信号に基づいてセンサアレイと各ドライバ群及び接地電位との接続状態を切り換え制御するスイッチ群と、を備え、被写体が検知面に接触していない非接触状態においては、スイッチ群をOFF状態にしてセンサアレイを電気的に切り離した状態に設定してセンサアレイをフローティング状態とし、被写体が検知面に接触した接触状態においては、スイッチ群をON状態にしてセンサアレイと各ドライバ群及び接地電位を接続するように制御することにより、非接触状態においてセンサアレイに本来的に生じる容量をほとんど0にすることができるので、検知面への被写体の接触に伴う僅かな容量の変化であっても、比較的検出感度の低い検出回路により良好に検出することができる。したがって、センサアレイにおける容量変化を常時観測することにより、被写体の載置、接触状態を的確に検出して、画像読取動作を開始することができる画像読取装置を安価かつ簡易な構成により実現することができる。
【0059】
また、検知面への被写体の接触に際して、被写体に静電気が帯電している場合であっても、被写体の接触直後においては、センサアレイが電気的に切り離された状態にあるので、静電気に伴う電流がセンサに流下することなく、所定の放電機構(逆並列ダイオード回路)を介して接地電位に放電され、センサや検出回路の静電破壊を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像読取装置に適用可能なダブルゲート型フォトセンサの概略構成を示す断面構造図である。
【図2】ダブルゲート型フォトセンサの基本的な駆動制御方法の一例を示すタイミングチャートである。
【図3】ダブルゲート型フォトセンサの動作概念図である。
【図4】ダブルゲート型フォトセンサの出力電圧の光応答特性を示す図である。
【図5】ダブルゲート型フォトセンサを2次元配列して構成されるフォトセンサアレイを備えたフォトセンサシステムの概略構成図である。
【図6】ダブルゲート型フォトセンサを備えたフォトセンサシステムを適用した画像読取装置(指紋読取装置)の要部断面図である。
【図7】本発明に係る画像読取装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図8】本実施形態に係る画像読取装置の要部構成図である。
【図9】本実施形態に係る画像読取装置を指紋読取装置に適用した場合において、被写体が検知面に接触した直後の状態を示す概略図である。
【図10】本実施形態に係る画像読取装置を指紋読取装置に適用した場合において、画像読取動作が開始された状態を示す概略図である。
【図11】従来技術における被写体検出機能を備えた画像読取装置(指紋読取装置)を示す概略構成図である。
【図12】容量検出方式における被写体の接触状態の検出原理を示す概念図である。
【符号の説明】
10 ダブルゲート型フォトセンサ
30 透明電極層
30a 検知面
40 検出回路
50 逆並列ダイオード回路
100 フォトセンサアレイ
FG 指
SWt トップ側スイッチ
SWb ボトム側スイッチ
SWd ドレイン側スイッチ
SWg 接地側スイッチ
Claims (5)
- 複数のセンサを配列したセンサアレイを備え、該センサアレイ上の検知面に載置された被写体の画像パターンを読み取る画像読取装置において、
前記センサアレイに所定の駆動制御信号を供給する駆動制御手段と、
前記センサアレイに所定の駆動電圧を供給する電源手段と、
前記センサアレイと前記駆動制御手段及び前記電源手段との間に設けられたスイッチ手段と、
前記検知面への前記被写体の載置状態を検出する被写体検出手段と、を備え、
前記スイッチ手段は、前記被写体検出手段からの制御信号に応じて、前記被写体が前記検知面に載置されたことが検出されたとき、前記センサアレイと前記駆動制御手段及び前記電源手段とを電気的に接続し、前記被写体が前記検知面から離間したことが検出されたとき、前記センサアレイと前記駆動制御手段及び前記電源手段との電気的な接続を遮断して、前記センサアレイをフローティング状態とするように、前記センサアレイと前記駆動制御手段及び前記電源手段との接続状態を切り換え制御することを特徴とする画像読取装置。 - 前記被写体検出手段は、少なくとも、前記検知面に設けられた電極層と、前記電極層の容量変化を検出し、該容量変化に応じた前記制御信号を前記スイッチ手段に出力する容量変化検出回路と、を備えていることを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
- 前記被写体検出手段は、前記電極層の容量の増加を検出した場合に、前記センサアレイと前記駆動制御手段及び前記電源手段とを接続するための前記制御信号を前記スイッチ手段に出力することを特徴とする請求項2記載の画像読取装置。
- 前記センサアレイ、前記駆動制御手段及び前記電源手段は、各々ユニット化された構成を有し、前記スイッチ手段は、前記センサアレイと前記駆動制御手段及び前記電源手段との接続端子間に介在させるように設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像読取装置。
- 前記センサは、半導体層からなるチャネル領域を挟んで形成されたソース電極及びドレイン電極と、少なくとも前記チャネル領域の上方及び下方に各々絶縁膜を介して形成された第1のゲート電極及び第2のゲート電極と、を備え、前記第1のゲート電極又は前記第2のゲート電極のいずれか一方を前記検知面側として、前記駆動制御手段から前記第1のゲート電極及び前記第2のゲート電極に前記駆動制御信号を供給することにより設定される所定の電荷蓄積期間に、前記検知面側から照射された光の量に対応する電荷が前記チャネル領域に発生して蓄積される構成を有し、該蓄積された電荷の量に基づいて出力される電圧により前記検知面に載置された前記被写体の画像パターンを読み取ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像読取装置。
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