JP2002259955A - 画像読取装置 - Google Patents

画像読取装置

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JP2002259955A
JP2002259955A JP2001060568A JP2001060568A JP2002259955A JP 2002259955 A JP2002259955 A JP 2002259955A JP 2001060568 A JP2001060568 A JP 2001060568A JP 2001060568 A JP2001060568 A JP 2001060568A JP 2002259955 A JP2002259955 A JP 2002259955A
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photosensor
voltage
gate
image
double
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JP2001060568A
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English (en)
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Hiroshi Kurosawa
比呂史 黒沢
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Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 指紋のような被検出体固有の特徴を有する明
暗パターンや凹凸パターンを精度良く判別して、正確な
画像パターンの読み取り、ひいては、信頼性の高い指紋
の照合、認証を行うことができる画像読取装置を提供す
る。 【解決手段】 ダブルゲート型フォトセンサ10が2次
元配列されたフォトセンサアレイ100を備えた画像読
取装置において、被検出体(指)の画像パターンを読み
取る本来の読み取り動作に先立って、上記被検出体を走
査し、該被検出体の画像パターンに含まれる特徴部分
(明暗パターンや凹凸パターン)に対応して各フォトセ
ンサから出力される画像出力信号に基づく変位を観測
し、該変位の分布傾向に基づいて、上記画像パターンに
含まれる特徴部分を判別するためのしきい値を設定した
後、本来の画像パターンを読み取る動作を実行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像読取装置に関
し、特に、マトリクス状又はライン状に配列した複数の
フォトセンサを走査して、指等の被検出体の画像パター
ン(指紋)を読み取る画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、印刷物や写真、あるいは、指紋等
の微細な凹凸の形状等を読み取る2次元画像の読取装置
として、例えば、光電変換素子(フォトセンサ)をマト
リクス状又はライン状に配列して構成されるフォトセン
サアレイにより、所定の検知面上に載置、接触された被
検出体を走査して、該被検出体の2次元画像を読み取る
構造のものがある。このようなフォトセンサアレイとし
ては、一般に、CCD(Charge Coupled Device)等の
固体撮像デバイスが用いられている。
【0003】CCDは、周知の通り、フォトダイオード
や薄膜トランジスタ(TFT:ThinFilm Transistor)
等のフォトセンサをマトリクス状又はライン状に配列し
た構成を有し、各フォトセンサの受光部に入射された光
量に対応して発生する電子−正孔対の量(電荷量)を、
水平走査回路及び垂直走査回路により検出して、入射光
の輝度を検知している。このようなCCDを用いたフォ
トセンサシステムにおいては、各フォトセンサを選択状
態にするための選択トランジスタを個別に設ける必要が
あるため、読取画素数が増大するにしたがってシステム
自体が大型化するという問題を有している。
【0004】そこで、近年、このような問題を解決する
ための構成として、フォトセンサ自体にフォトセンス機
能と選択トランジスタ機能とを持たせた、いわゆる、ダ
ブルゲート構造を有する薄膜トランジスタ(以下、「ダ
ブルゲート型フォトセンサ」という)を画像読取装置に
適用して、システムの小型化、及び、画素の高密度化を
図る試みがなされている。
【0005】このようなダブルゲート型フォトセンサを
適用した画像読取装置は、概略、ガラス基板の一面側
に、共通の半導体層に対して上方(上層)及び下方(下
層)に各々トップゲート電極及びボトムゲート電極を備
えたダブルゲート型フォトセンサをマトリクス状あるい
はライン状に配列形成して、フォトセンサアレイを構成
し、例えば、ガラス基板の背面側に設けられた光源から
フォトセンサアレイ上方の検知面に載置された被検出体
に照射光を照射し、該被検出体の画像パターン(明暗パ
ターンや凹凸パターン等)に応じて反射した光が、ダブ
ルゲート型フォトセンサに入射して明暗情報として検出
されることにより、2次元画像を読み取るものである。
【0006】ここで、フォトセンサアレイによる2次元
画像の読み取り動作は、リセットパルスの印加による初
期化終了時から読み出しパルスが印加されるまでの光蓄
積時間において、各ダブルゲート型フォトセンサに入射
する光の量に応じて蓄積されるキャリヤ(正孔)の量に
基づいて、各ダブルゲート型フォトセンサの導通状態が
制御されることにより、予め印加されたプリチャージ電
圧(ドレイン電圧)の放電割合が異なることから、該プ
リチャージ電圧の変位を検出することにより、上記画像
パターンの明暗情報が得られる。なお、ダブルゲート型
フォトセンサ及びフォトセンサアレイの具体的な構成及
び動作については、後述する。
【0007】ところで、上述したような画像読取装置を
指紋読取装置等の高い読み取り精度が要求される機器に
適用した場合、個人の識別、認証の精度を保証するた
め、指紋の明暗パターン(凹凸パターン)を極めて正確
に読み取る必要がある。ここで、被検出体の2次元画像
に含まれる明暗パターンを識別するための手法として
は、一般に、フォトセンサから出力される出力信号と、
予め定められたしきい値とを比較することにより、明領
域と暗領域を判別する手法が採用されている。
【0008】具体的には、上述したダブルゲート型フォ
トセンサからなるフォトセンサアレイを備えた指紋読取
装置においては、図9(a)、(b)に示すように、例
えば、複数のダブルゲート型フォトセンサ201をマト
リクス状に配置したフォトセンサアレイ210の上方に
設けられた検知面210aに載置された指220に対し
て、光源202から光Lpが照射されると、指紋の凹凸
パターン(山部及び谷部)と検知面210aとの接触状
態に応じて散乱、反射した光Lrが、各ダブルゲート型
フォトセンサ201に入射することにより、指紋の凹凸
パターンに対応したキャリヤが蓄積されて、各ダブルゲ
ート型フォトセンサ201の導通状態が決定される。
【0009】すなわち、図10に示すように、指紋22
1の山部(凸部)221aにおいては、指220の皮膚
表層222の半透明層が検知面210aに接触すること
により、検知面210a(フォトセンサアレイ210)
と皮膚表層222との間の界面に屈折率の低い空気層が
なくなる。ここで、皮膚表層222の厚さは、光源20
2から照射される光Lpの波長(可視光の波長上限;8
00nm程度)より厚いため、指紋221の山部221
aに照射された光Lpは、皮膚表層222内を散乱、反
射しながら伝搬する。伝搬された光Lrの一部は、検知
面210aを介して、山部221aに対応する位置に配
置されたダブルゲート型フォトセンサ201に励起光と
して入射されることによりキャリヤが蓄積されるため、
ダブルゲート型フォトセンサ201が十分に導通して、
明情報に対応した出力信号(プリチャージ電圧よりも低
い電圧)が出力される。
【0010】一方、図10に示すように、指紋221の
谷部(凹部)221bにおいては、照射された光Lp
は、検知面210aと谷部221bの空間を満たす空気
層との間の界面を通過し、皮膚表層222に入射して散
乱するが、皮膚表層222は空気より屈折率が高いた
め、所定の角度で散乱した光Lsは皮膚表層222外の
空気層に抜けにくく、谷部221bに対応する位置に配
置されたダブルゲート型フォトセンサ201への入射が
抑制される。これにより、上記キャリヤが十分蓄積され
ないため、ダブルゲート型フォトセンサ201が十分導
通せず、暗情報に対応した出力信号(ほぼプリチャージ
電圧に近似する電圧)が出力される。
【0011】ここで、図5に示すように、ダブルゲート
型フォトセンサ10を2次元配列して構成されるフォト
センサアレイ100を備えたフォトセンサシステムにお
いて、コラムスイッチ131からデータライン103に
供給されるプリチャージ電圧Vpgが、選択されたダブル
ゲート型フォトセンサ10で入射された光量に応じて変
位してなる読み込み電圧Vrdがコラムスイッチ131に
読み込まれるが、電圧の変位(すなわち、プリチャージ
電圧Vpgに対する読み込み電圧Vrdの変位;以下、「変
位電圧」と記す)を検出して、変位に対する読取画素の
数(出現度数;以下、「頻度」と記す)を観測し、該変
位電圧に対する頻度の相関を最小二乗法等の所定の手法
を用いて処理する。このようなフォトセンス処理を外光
が十分暗い環境下で行うことにより、図11に示すよう
に、変位電圧の分布傾向を示す軌線が得られる。
【0012】図11に示す軌線において、極大値Faと
なる変位電圧Vaを含む領域Raは、図10において、
指紋221の山部221aと判断される部分であって、
光源202からフォトセンサアレイ210を介して指2
20に照射された光Lpが、検知面210aに接触する
皮膚表層222に連続的に入射した後、指220内部で
散乱して、その一部の光Lrがダブルゲート型フォトセ
ンサ201へ入射されることにより、プリチャージ電圧
が放電されて比較的大きい変位電圧Vaを中心とし、か
つ、指220に占める山部221aの面積に対応して頻
度が極めて高くなる傾向を示す。
【0013】また、極大値Fbとなる変位電圧Vbを含
む領域Rbは、図10において、指紋221の谷部22
1bと判断される部分であって、光源202からフォト
センサアレイ210を介して指220に照射された光L
pが、谷部221bを構成する空気層を介して皮膚表層
222に入射した後、指220内部で拡散を繰り返して
減衰し、ダブルゲート型フォトセンサ201へ入射され
る光Lrの量が抑制されることにより、ほぼプリチャー
ジ電圧に近似して小さい変位電圧Vbを中心とし、か
つ、指220に占める谷部221bの面積に対応して頻
度が比較的高くなる傾向を示す。
【0014】ここで、指紋221の凹凸パターンを読み
取る場合には、指220が検知面210aにやや押し付
け気味になるように載置されることが多いため、山部2
21aがつぶれて谷部221bに比較して広い範囲(よ
り高い面積比)で検知面210aに接触することから、
谷部221bの領域Rbよりも山部221aの領域Ra
における頻度の方が高く観測される。
【0015】さらに、変位電圧Va、Vbの間にあり、
極小値Fcとなる変位電圧Vcを含む領域Rcは、図1
0において、指紋221の山部221aと谷部221b
との境界領域と判断される部分であって、光源202か
らフォトセンサアレイ210を介して指220に照射さ
れた光Lpが、僅かな空気層を介して皮膚表層222に
入射した後、指220内部で散乱し、ダブルゲート型フ
ォトセンサ201への光Lrの入射が、上記谷部221
bにおける場合ほど阻害されることがなく、プリチャー
ジ電圧が比較的放電されて、変位電圧Vbよりも大きい
変位電圧Vcを中心とし、かつ、指220に占める山部
221aと谷部221b間の僅かな面積に対応して頻度
が極めて低くなる傾向を示す。
【0016】なお、変位電圧Vb以下の領域Rdは、図
9(a)、(b)において、検知面210a上に指22
0が載置されていない領域であって、光源202から放
射された光Lpが、指220に照射されて散乱、反射さ
れることなく、ダブルゲート型フォトセンサ201へ光
Lrが入射することがほとんどないので、プリチャージ
電圧がそのまま保持されて、変位電圧がほとんど変化せ
ず、かつ、指220が載置された領域以外の面積に対応
して頻度が極めて高くなる傾向を示す。
【0017】したがって、図11に示したような変位電
圧の分布傾向を示す軌線において、指紋の山部と谷部と
の間の境界領域(領域Rc)を規定する極小値Fcに対
応する変位電圧Vcをしきい値電圧Vthに設定して、各
ダブルゲート型フォトセンサから出力される出力信号に
基づく変位電圧と、上記しきい値電圧Vthとを比較する
ことにより、指紋の凹凸パターンに対応する明領域及び
暗領域を判別して読み取り、各個人の指紋の照合、認証
を行う動作処理が行われていた。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような指紋等の明暗パターンや凹凸パターンを判別す
る手法においては、次に示すような問題を有していた。
すなわち、図11に示したように、各ダブルゲート型フ
ォトセンサ(読取画素)毎の変位電圧の分布傾向を示す
軌線に基づいて、極小値となる変位電圧をしきい値電圧
Vthとして設定する手法にあっては、一般に、一定の輝
度を有する光源からの照射光を用い、かつ、不特定多数
の被検出体(指)を用いた統計的な傾向から平均的な軌
線を算出して、該軌線における極小値を一義的にしきい
値電圧に設定するという手法を採用していたため、例え
ば、指紋のように各個人毎に固有の特徴を有する被検出
体の明暗パターンや凹凸パターンを精度良く判別して、
正確な画像パターンの読み取り、ひいては、信頼性の高
い指紋の照合、認証を行うことができないという問題を
有していた。
【0019】具体的には、指紋のような被検出体の場
合、山部と谷部の面積比率や高低差、指紋の連続性(途
切れ)や枝分かれ、皮膚表層の柔らかさや光透過率等の
体質的な要因、あるいは、摩擦による指の皮膚表層の摩
耗等の外的要因に基づく個人差によって、上述したダブ
ルゲート型フォトセンサ(読取画素)毎の変位電圧の分
布傾向を示す軌線の形状が異なることになる。
【0020】例えば、皮膚表層の摩耗等により、指紋の
山部と谷部の高低差が小さくなっている場合において
は、山部の面積比率が上昇し、谷部と境界領域との区別
が不明確になることから、図12に示すように、山部に
対応する領域Ra′の極大値Fa′(>Fa)が上昇す
る一方、谷部に対応する領域Rb′の極大値Fb′(<
Fb)が低下するとともに、山部側によりシフトした傾
向を示す。また、山部と谷部の境界領域Rc′において
は、極小値Fc′(>Fc)が上昇するとともに、山部
側によりシフトした傾向を示す。
【0021】この場合、指紋の凹凸パターンを判別する
ために良好なしきい値電圧Vthは、極小値Fc′となる
変位電圧Vc′(>Vc)であるのに対して、上述した
ような極小値Fcとなる変位電圧Vcを一義的にしきい
値電圧に設定するという手法にあっては、各個人毎の指
紋の凹凸パターンを正確に判別することができず、指紋
の照合ミス、誤認証を生じる可能性があった。
【0022】そこで、本発明は、上述したような問題点
に鑑み、指紋のような被検出体固有の特徴を有する明暗
パターンや凹凸パターンを精度良く判別して、正確な画
像パターンの読み取り、ひいては、信頼性の高い指紋の
照合、認証を行うことができる画像読取装置を提供する
ことを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明に係る画像読取装
置は、マトリクス状又はライン状に配列した複数のフォ
トセンサにより所定の検知面上に載置された被検出体を
走査し、該被検出体の2次元画像の各画素に対応して前
記複数のフォトセンサの各々から出力される信号成分に
基づいて、前記2次元画像を読み取る画像読取装置にお
いて、本来の前記2次元画像の読み取り動作に先立っ
て、前記複数のフォトセンサにより前記被検出体を走査
し、該被検出体の2次元画像の各画素に対応して前記複
数のフォトセンサの各々から出力される前記信号成分の
頻度を観測し、該信号成分の頻度傾向に基づいて、前記
2次元画像に含まれる特徴部分を判別するためのしきい
値を設定するしきい値設定手段を備えたことを特徴とし
ている。
【0024】すなわち、所定の形式で配列され、被検出
体を走査するフォトセンサアレイを備えた2次元画像の
画像読取装置において、被検出体の2次元画像を読み取
る本来の読み取り動作に先立って、しきい値設定手段に
より、第1のステップで上記被検出体を走査し、第2の
ステップで被検出体の2次元画像の各画素に対応して各
フォトセンサから出力される信号成分(例えば、出力電
圧の変位)を観測し、第3のステップで該変位の頻度傾
向に基づいて、上記2次元画像に含まれる特徴部分(例
えば、明暗パターンや凹凸パターン)を判別するための
しきい値を設定する。
【0025】これにより、被検出体の2次元画像を読み
取る動作に先立って、被検出体固有の2次元画像に対応
した、上記特徴部分を判別するためのしきい値が設定さ
れるので、本来の被検出体の2次元画像の読取動作の際
に、該しきい値、及び、被検出体の2次元画像の各画素
に対応して各フォトセンサから出力される出力電圧に基
づいて、明暗パターンや凹凸パターンを精度良く判別す
ることができ、被検出体の2次元画像を正確に読み取る
ことができる。したがって、本発明に係る画像読取装置
を、指紋読取装置等の個人認証のための識別装置に適用
することにより、各人固有の認証パターン(指紋等)を
正確に読み取ることができ、信頼性の高い個人の識別、
認証機能を備えたシステムを実現することができる。
【0026】ここで、上述した画像読取装置において、
しきい値設定手段は、複数のフォトセンサのうち、任意
のフォトセンサにより被検出体を走査して、上記信号成
分の頻度を観測するようにしてもよく、これによれば、
被検出体の2次元画像を読み取る本来の読み取り動作に
先立って行われるしきい値の設定処理を、任意の数、あ
るいは、任意の領域のフォトセンサのみを駆動する簡易
かつ迅速な手法により実現することができるとともに、
本来の読み取り動作において2次元画像を正確に読み取
ることができる。
【0027】また、上述した画像読取装置は、上記検知
面を介して、被検出体に対して所定の光を照射する光源
を備え、上記しきい値設定手段は、該光源の輝度を複数
回変更設定して、光源の輝度設定毎に、複数のフォトセ
ンサにより被検出体を走査して、信号成分の頻度を観測
するものであってもよく、これによれば、上記しきい値
を被検出体の2次元画像に、より対応させて設定するこ
とができるので、本来の読み取り動作において2次元画
像をより正確に読み取ることができる。
【0028】なお、上記しきい値は、信号成分の頻度に
基づく最小二乗法により算出される特性曲線に基づいて
設定することができる。これにより、上記信号成分の頻
度傾向(変化傾向)をより的確に把握することができる
ので、上記しきい値を被検出体の2次元画像に、より対
応させて設定することができる。
【0029】さらに、上述した画像読取装置において、
上記フォトセンサは、半導体層からなるチャネル領域を
挟んで形成されたソース電極及びドレイン電極と、少な
くとも前記チャネル領域の上方及び下方に各々絶縁膜を
介して形成された第1のゲート電極及び第2のゲート電
極と、を有し、第1のゲート電極にリセットパルスを印
加してフォトセンサを初期化し、ドレイン電極にプリチ
ャージパルスを印加した後、第2のゲート電極に読み出
しパルスを印加することにより、初期化終了から読み出
しパルスの印加までの電荷蓄積期間に、チャネル領域に
蓄積された電荷に対応する電圧を出力電圧として出力
し、上記画像読取装置は、プリチャージパルスに係る信
号電圧と出力電圧との差分を、上記信号成分として観測
するものであってもよい。
【0030】すなわち、上記フォトセンサは、所定のタ
イミングで第1のゲート電極にリセットパルスを印加す
るとともに、第2のゲート電極に読み出しパルス印加す
ることにより、電荷蓄積期間にチャネル領域に蓄積され
た電荷に対応した電圧を出力する、いわゆる、ダブルゲ
ート型フォトセンサにより構成されている。
【0031】これにより、フォトセンサアレイを構成す
るフォトセンサを薄型、小型化することができるととも
に、読取画素を高密度化して被検出体の2次元画像を高
精細な画像として読み取ることができる。以上のよう
に、本発明に係る画像読取装置及びその駆動制御方法
は、人間の指を被検出体とし、指紋により個人の識別、
認証を行う指紋読取装置等の個人認証のための識別装置
に良好に適用することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る画像読取装
置及びその駆動制御方法の実施の形態について、詳しく
説明する。まず、本発明に係る画像読取装置に適用され
るダブルゲート型フォトセンサの構成について説明す
る。
【0033】<ダブルゲート型フォトセンサ>図1は、
ダブルゲート型フォトセンサの概略構成を示す断面構造
図である。図1(a)に示すように、ダブルゲート型フ
ォトセンサ10は、励起光(ここでは、可視光)が入射
されると電子−正孔対が生成されるアモルファスシリコ
ン等の半導体層(チャネル層)11と、半導体層11の
両端にそれぞれ設けられたnシリコンからなる不純物
層17、18と、不純物層17、18上に形成されたク
ロム、クロム合金、アルミ、アルミ合金等から選択さ
れ、可視光に対して不透明のドレイン電極12及びソー
ス電極13と、半導体層11の上方(図面上方)にブロ
ック絶縁膜14及び上部(トップ)ゲート絶縁膜15を
介して形成されたITO等の透明導電層からなり、可視
光に対して透過性を示すトップゲート電極(第1のゲー
ト電極)21と、半導体層11の下方(図面下方)に下
部(ボトム)ゲート絶縁膜16を介して形成されたクロ
ム、クロム合金、アルミ、アルミ合金等から選択され、
可視光に対して不透明なボトムゲート電極(第2のゲー
ト電極)22と、を有して構成されている。そして、こ
のような構成を有するダブルゲート型フォトセンサ10
は、ガラス基板等の透明な絶縁性基板19上に形成され
ている。
【0034】ここで、図1(a)において、トップゲー
ト絶縁膜15、ブロック絶縁膜14、ボトムゲート絶縁
膜16、及び、トップゲート電極21上に設けられる保
護絶縁膜20は、いずれも半導体層11を励起する可視
光に対して、高い透過率を有する材質、例えば、窒化シ
リコンや酸化シリコン等により構成されることにより、
図面上方から入射する光のみを検知する構造を有してい
る。
【0035】なお、このようなダブルゲート型フォトセ
ンサ10は、一般に、図1(b)に示すような等価回路
により表される。ここで、TGはトップゲート電極21
と電気的に接続されたトップゲート端子、BGはボトム
ゲート電極22と電気的に接続されたボトムゲート端
子、Sはソース電極13と電気的に接続されたソース端
子、Dはドレイン電極12と電気的に接続されたドレイ
ン端子である。
【0036】次いで、上述したダブルゲート型フォトセ
ンサの駆動制御方法について、図面を参照して説明す
る。図2は、ダブルゲート型フォトセンサの基本的な駆
動制御方法の一例を示すタイミングチャートであり、図
3は、ダブルゲート型フォトセンサの動作概念図であ
り、図4は、ダブルゲート型フォトセンサの出力電圧の
光応答特性を示す図である。ここでは、上述したダブル
ゲート型フォトセンサの構成(図1)を適宜参照しなが
ら説明する。
【0037】まず、リセット動作(初期化動作、初期化
ステップ)においては、図2、図3(a)に示すよう
に、ダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート端
子TGにパルス電圧(以下、「リセットパルス」と記
す;例えば、Vtg=+15Vのハイレベル)φTを印加
して、半導体層11、及び、ブロック絶縁膜14におけ
る半導体層11との界面近傍に蓄積されているキャリヤ
(ここでは、正孔)を放出する(リセット期間Trs
t)。
【0038】次いで、光蓄積動作においては、図2、図
3(b)に示すように、トップゲート端子TGにローレ
ベル(例えば、Vtg=−15V)のバイアス電圧φTを
印加することにより、リセット動作を終了し、キャリヤ
蓄積動作による光蓄積期間(電荷蓄積動作)Taがスタ
ートする。光蓄積期間Taにおいては、トップゲート電
極21側から入射した光量に応じて半導体層11の入射
有効領域、すなわち、キャリヤ発生領域で電子−正孔対
が生成され、半導体層11、及び、ブロック絶縁膜14
における半導体層11との界面近傍、すなわち、チャネ
ル領域周辺に正孔が蓄積される。
【0039】そして、プリチャージ動作においては、図
2、図3(c)に示すように、光蓄積期間Taに並行し
て、プリチャージ信号φpgに基づいてドレイン端子Dに
所定の電圧(プリチャージ電圧)Vpgを印加し、ドレイ
ン電極12に電荷を保持させる(プリチャージ期間Tpr
ch)。次いで、読み出し動作においては、図2、図3
(d)に示すように、プリチャージ期間Tprchを経過し
た後、ボトムゲート端子BGにハイレベル(例えば、V
bg=+10V)のバイアス電圧(読み出し選択信号;以
下、「読み出しパルス」と記す)φBを印加すること
(選択状態)により、ダブルゲート型フォトセンサ10
をON状態にする(読み出し期間Tread)。
【0040】ここで、読み出し期間Treadにおいては、
チャネル領域に蓄積されたキャリヤ(正孔)が逆極性の
トップゲート端子TGに印加されたVtg(−15V)を
緩和する方向に働くため、ボトムゲート端子BGのVbg
(+15V)によりnチャネルが形成され、ドレイン電
流に応じてドレイン端子Dの電圧(ドレイン電圧)VD
は、図4(a)に示すように、プリチャージ電圧Vpgか
ら時間の経過とともに徐々に低下する傾向を示す。
【0041】すなわち、光蓄積期間Taにおける光蓄積
状態が明状態の場合には、図3(d)に示すように、チ
ャネル領域に入射光量に応じたキャリヤ(正孔)が捕獲
されているため、トップゲート端子TGの負バイアスを
打ち消すように作用し、この打ち消された分だけボトム
ゲート端子BGの正バイアスによって、ダブルゲート型
フォトセンサ10はON状態となる。そして、この入射
光量に応じたON抵抗に従って、図4(a)に示すよう
に、ドレイン電圧VDは、低下することになる。
【0042】一方、光蓄積状態が暗状態で、チャネル領
域にキャリヤ(正孔)が蓄積されていない場合には、図
3(e)に示すように、トップゲート端子TGに負バイ
アスをかけることによって、ボトムゲート端子BGの正
バイアスが打ち消され、ダブルゲート型フォトセンサ1
0はOFF状態となり、図4(a)に示すように、ドレ
イン電圧VDが、ほぼそのまま保持されることになる。
【0043】したがって、図4(a)に示したように、
ドレイン電圧VDの変化傾向は、トップゲート端子TG
へのリセットパルスφTの印加によるリセット動作の終
了時点から、ボトムゲート端子BGに読み出しパルスφ
Bが印加されるまでの時間(光蓄積期間Ta)に受光し
た光量に深く関連し、蓄積されたキャリヤが多い場合
(明状態)には急峻に低下する傾向を示し、また、蓄積
されたキャリヤが少ない場合(暗状態)には緩やかに低
下する傾向を示す。そのため、読み出し期間Treadがス
タートして、所定の時間経過後のドレイン電圧VD(=
Vrd)を検出することにより、あるいは、所定のしきい
値電圧を基準にして、その電圧に至るまでの時間を検出
することにより、ダブルゲート型フォトセンサ10に入
射した光(照射光)の光量が換算される。
【0044】なお、図2に示したタイミングチャートに
おいて、プリチャージ期間Tprchの経過後、図3
(f)、(g)に示すように、ボトムゲート端子BGに
ローレベル(例えば、Vbg=0V)を印加した状態(非
選択状態)を継続すると、ダブルゲート型フォトセンサ
10はOFF状態を持続し、図4(b)に示すように、
ドレイン電圧VDは、プリチャージ電圧Vpgに近似する
電圧を保持する。このように、ボトムゲート端子BGへ
の電圧の印加状態により、ダブルゲート型フォトセンサ
10の読み出し状態を選択、非選択状態に切り替える選
択機能が実現される。
【0045】<フォトセンサシステム>次いで、上述し
たダブルゲート型フォトセンサを所定の形式で配列して
構成されるフォトセンサアレイを備えたフォトセンサシ
ステムについて、図面を参照して説明する。ここでは、
複数のダブルゲート型フォトセンサを2次元配列して構
成されるフォトセンサアレイを示して説明するが、複数
のダブルゲート型フォトセンサをX方向に1次元配列し
てラインセンサアレイを構成し、該ラインセンサアレイ
をX方向に直交するY方向に移動させて2次元領域を走
査(スキャン)するものであってもよいことは言うまで
もない。
【0046】図5は、ダブルゲート型フォトセンサを2
次元配列して構成されるフォトセンサアレイを備えたフ
ォトセンサシステムの概略構成図である。図5に示すよ
うに、フォトセンサシステムは、大別して、多数のダブ
ルゲート型フォトセンサ10を、例えば、n行×m列
(n、mは任意の自然数)のマトリクス状に配列したフ
ォトセンサアレイ100と、各ダブルゲート型フォトセ
ンサ10のトップゲート端子TG(トップゲート電極2
1)及びボトムゲート端子BG(ボトムゲート電極2
2)を各々行方向に接続して伸延するトップゲートライ
ン101及びボトムゲートライン102と、各ダブルゲ
ート型フォトセンサ10のドレイン端子D(ドレイン電
極12)を列方向に接続したドレインライン(データラ
イン)103と、ソース端子S(ソース電極13)を列
方向に接続するとともに、接地電位に接続されたソース
ライン(コモンライン)104と、トップゲートライン
101に接続されたトップゲートドライバ110と、ボ
トムゲートライン102に接続されたボトムゲートドラ
イバ120と、ドレインライン103に接続されたコラ
ムスイッチ131、プリチャージスイッチ132、アン
プ133からなるドレインドライバ130と、を有して
構成されている。
【0047】ここで、トップゲートライン101は、図
1に示したトップゲート電極21とともに、ITO等の
透明導電層で一体的に形成され、ボトムゲートライン1
02、ドレインライン103並びにソースライン104
は、それぞれボトムゲート電極22、ドレイン電極1
2、ソース電極13と同一の励起光に不透明な材料で一
体的に形成されている。また、ソースライン104に
は、後述するプリチャージ電圧Vpgに応じて設定される
定電圧Vssが印加されるが、接地電位(GND)であっ
てもよい。
【0048】なお、図5において、φtgは、リセット電
圧及び光キャリア蓄積電圧のいずれかとして選択的に出
力される信号φT1、φT2、…φTi、…φTnを生
成するための制御信号であり、φbgは、読み出し電圧及
び非読み出し電圧のいずれかとして選択的に出力される
信号φB1、φB2、…φBi、…φBnを生成するた
めの制御信号、φpgは、プリチャージ電圧Vpgを印加す
るタイミングを制御するプリチャージ信号である。
【0049】このような構成において、トップゲートド
ライバ110からトップゲートライン101を介して、
トップゲート端子TGに信号φTi(iは任意の自然
数;i=1、2、・・・n)を印加することにより、フ
ォトセンス機能が実現され、ボトムゲートドライバ12
0からボトムゲートライン102を介して、ボトムゲー
ト端子BGに信号φBiを印加し、ドレインライン10
3を介して検出信号をドレインドライバ130に取り込
んで、シリアルデータ又はパラレルデータの出力電圧V
outとして出力することにより、選択読み出し機能が実
現される。
【0050】ところで、上述したフォトセンサシステム
の駆動制御方法は、基本的には、上述したダブルゲート
型フォトセンサの駆動制御方法(図2参照)を1処理サ
イクルとして、フォトセンサアレイを構成するマトリク
スの行数分シリアル(時系列的)に繰り返すことにより
実現されるが、例えば、読取精度を高精細化するために
フォトセンサアレイを高密度化した場合には、読取動作
のための所要時間が増大して、フォトセンサシステムの
実用化の面で好ましくない。そこで、ダブルゲート型フ
ォトセンサを用いたフォトセンサシステムにおいては、
以下に示すような駆動制御方法を良好に適用することが
できる。
【0051】図6は、上述したフォトセンサシステムの
駆動制御方法の一例を示すタイミングチャートである。
ここでは、図5に示したフォトセンサシステムの構成を
適宜参照しながら、駆動制御方法を説明する。図6に示
すように、まず、トップゲートドライバ110からトッ
プゲートライン101を介して、リセットパルスφT
1、φT2、…φTk、φTk+1、…φTn(kは任意
の自然数;k=1、2、・・・n−1)を順次印加し
て、リセット期間Trstをスタートし、各行毎のダブル
ゲート型フォトセンサ10を初期化する。
【0052】次いで、リセットパルスφT1、φT2、
…φTk、φTk+1、…φTnが順次立ち下がり、リセ
ット期間Trstが終了することにより、光蓄積期間Ta
がスタートして、各行毎のダブルゲート型フォトセンサ
10に入射される光量に応じてチャネル領域に電荷(正
孔)が発生し、蓄積される。ここで、図6に示すよう
に、光蓄積期間Ta内に並行して、ドレインドライバ1
30にプリチャージ信号φpgを印加することにより、プ
リチャージ期間Tprchをスタートし、ドレインライン1
03にプリチャージ電圧Vpgを印加して各行毎のダブル
ゲート型フォトセンサ10のドレイン電極に所定の電圧
を保持させるプリチャージ動作が行われる。
【0053】次いで、光蓄積期間Ta及びプリチャージ
期間Tprchが終了したダブルゲート型フォトセンサ10
に対して、他の行におけるリセット動作、プリチャージ
動作及び読み出し動作のための各信号の印加タイミング
と時間的に重ならないタイミングで、各行毎にボトムゲ
ートドライバ120からボトムゲートライン102を介
して、読み出しパルスφB1、φB2、…φBk、φB
k+1、…φBnを順次印加して、読み出し期間Treadを
スタートし、各行毎のダブルゲート型フォトセンサ10
に蓄積された電荷に対応するドレイン電圧VD1、VD
2、VD3、…VDmの変化を、ドレインドライバ13
0により、各ドレインライン103を介して同時に検出
し、シリアルデータ又はパラレルデータからなる出力電
圧Voutとして読み出す。
【0054】すなわち、本駆動制御方法においては、行
毎のリセットパルスφT1、φT2、φT3、…φT
n、読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…φB
n、及び、プリチャージ信号φpgの印加タイミングの間
隔(Tdly)を、次式に示すように、リセットパルスに
よるリセット期間Trstと、読み出しパルスによる読み
出し期間Treadと、プリチャージ信号によるプリチャー
ジ期間Tprchとの合計時間に設定する。Tdly=Trst+
Tprch+Tread ・・・(1)
【0055】これにより、リセット動作、プリチャージ
動作、読み出し動作が時間的に重なって(同時進行的
に)実行されることがなく、さらに、各行毎の処理サイ
クルの一部を時間的にオーバーラップさせることができ
るので、全ての行におけるリセット動作が終了する前に
読み出し動作を行うことができ、2次元画像の読み出し
動作を良好に実行しつつ、読み出し動作に係る処理時間
を大幅に短縮することができる。
【0056】また、このことは、換言すれば、上記間隔
(Tdly)を基準単位として、その整数倍の時間を光蓄
積期間Taに付加した場合であっても、2次元画像の読
み出し動作に係る処理時間を大幅に増大させることな
く、読み出し動作を良好に実行することができることを
意味している。したがって、各行毎の処理サイクルの一
部を時間的にオーバーラップさせつつ、光蓄積時間Ta
を段階的に変更設定することにより、2次元画像の読取
感度を上記間隔(Tdly)を最小単位として任意に調整
制御することができ、被検出体に係る画像が暗い場合等
においても、読取感度を高くして良好に読み取り動作を
行うことができる。
【0057】<画像読取装置>次に、本発明に係る画像
読取装置の一実施形態について、図面を参照して説明す
る。ここでは、上述したダブルゲート型フォトセンサを
フォトセンサとして適用した場合について示す。図7
は、本発明に係る画像読取装置の全体構成を示すブロッ
ク図である。なお、ここでは、図1、図5に示した構成
を適宜参照しながら説明する。また、図5に示したフォ
トセンサシステムと同等の構成については、同一の符号
を付して説明する。
【0058】図7に示すように、本発明に係る画像読取
装置は、大別して、図5に示したフォトセンサシステム
と同様に、例えば、ダブルゲート型フォトセンサ10を
2次元配列して構成されるフォトセンサアレイ100
と、ダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート端
子TGにリセットパルスを印加するトップゲートドライ
バ110と、ダブルゲート型フォトセンサ10のボトム
ゲート端子BGに読み出しパルスを印加するボトムゲー
トドライバ120と、ダブルゲート型フォトセンサ10
へのプリチャージ電圧の印加及びドレインライン電圧の
読み出しを行うコラムスイッチ131、プリチャージス
イッチ132、アンプ133からなるドレインドライバ
130と、読み出されたドレインライン電圧(アナログ
信号)をデジタル信号からなる画像出力信号(画像デー
タ)に変換するアナログ−デジタル変換器(以下、A/
Dコンバータと記す)140と、フォトセンサアレイ1
00による被検出体画像の読取動作制御やバックライト
170の点灯制御、外部機能部180とのデータのやり
取り等を行うとともに、上述した一連のリセット動作、
光蓄積動作、プリチャージ動作、読み出し動作に関連す
る各パルス信号の印加タイミングを制御するタイミング
制御機能を備えたコントローラ(しきい値設定手段)1
50と、読取画像データ等を記憶するRAM160と、
例えば、フォトセンサアレイ100の背面側に設けら
れ、検知面に載置された被検出体に対して、所定のタイ
ミングで所定の波長を有する可視光線を発光して、照射
する平面型のバックライト170と、を有して構成され
ている。
【0059】ここで、フォトセンサアレイ100、トッ
プゲートドライバ110、ボトムゲートドライバ12
0、ドレインドライバ130は、図5に示したフォトセ
ンサシステムと略同等の構成及び機能を有しているの
で、その詳細な説明を省略する。
【0060】本実施形態に係るコントローラ150は、
トップゲートドライバ110及びボトムゲートドライバ
120に制御信号φtg、φbgを出力することにより、ト
ップゲートドライバ110及びボトムゲートドライバ1
20の各々から、フォトセンサアレイ100を構成する
各ダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート端子
TG及びボトムゲート端子BGに所定の信号電圧(リセ
ットパルスφTi、読み出しパルスφBi)を印加する
動作を制御する。また、プリチャージスイッチ132に
プリチャージ信号φpgを出力することにより、各ダブル
ゲート型フォトセンサ10のドレイン端子Dにプリチャ
ージ電圧Vpgを印加して、読み取られた被検出体の画像
パターンに対応して各ダブルゲート型フォトセンサ10
に蓄積された電荷量に応じたドレイン電圧VDを検出す
る動作を制御する。
【0061】また、コントローラ150には、ドレイン
ドライバ130により読み出された出力電圧Voutが、
A/Dコンバータ140を介してデジタル信号に変換さ
れ、画像出力信号として入力される。コントローラ15
0は、この画像出力信号に対して、所定の画像処理を施
したり、RAM160への書き込み、読み出しを行うと
ともに、画像データの照合や加工等の所定の処理を実行
する外部機能部180に対するインタフェースとしての
機能をも備えている。
【0062】特に、コントローラ150は、後述するよ
うに、被検出体の画像パターンを読み取る本来の読み取
り動作に先立って、該被検出体を所定の走査方法により
読み取り、各フォトセンサから出力される画像出力信号
の電圧の変位(信号成分)を観測し、該変位電圧の変化
傾向に基づいて、画像パターンの明暗を判別するための
しきい値を設定する機能を備えている。ここで、設定さ
れたしきい値は、例えば、RAM160に一旦保存さ
れ、上述した被検出体の画像パターンの読み取りの際に
読み出されて、画像パターンの明暗情報を判別する処理
に適用される。
【0063】<画像読取装置の駆動制御方法>次に、本
実施形態に係る画像読取装置の駆動制御方法の一例につ
いて、図面を参照して説明する。なお、以下に示す各動
作(手順S11〜S14)は、本来(正規)の被検出体
の画像パターンを読み取る動作(手順S15)に先立っ
て、上述したコントローラ150により制御される。
【0064】図8は、本発明に係る画像読取装置の駆動
制御方法の一例を示すフローチャートである。なお、こ
こでは上述したフォトセンサシステム及び画像読取装置
の構成(図5、図7)、従来技術に示した被検出体の画
像パターンの読み取り原理(図10)及び画像出力信号
の変位電圧の分布傾向(図11、図12)を適宜参照し
ながら説明する。また、具体例として、本実施形態に係
る画像読取装置を指紋読取装置に適用した場合について
示す。
【0065】(手順S11)図8に示すように、まず、
指紋の認証登録の対象となっている個人の指(被検出
体)を、上述したダブルゲート型フォトセンサ10から
なるフォトセンサアレイ100の上方に設けられた検知
面に載置し、フォトセンサアレイ100の背面側に設け
られたバックライト170から、フォトセンサアレイ1
00を構成する透明な層を介して、該指に対して一定の
輝度及び所定の波長を有する光(可視光)を照射するこ
とによって、指紋の凹凸パターン(山部及び谷部)に応
じて散乱、反射した反射光が、マトリクス状に配置され
た各ダブルゲート型フォトセンサ10に入射する。
【0066】これにより、各ダブルゲート型フォトセン
サ10に指紋の凹凸パターンに対応したキャリヤが蓄積
され、各ダブルゲート型フォトセンサ10の導通状態が
決定されることにより、予め各ダブルゲート型フォトセ
ンサ10のドレイン端子に印加されたプリチャージ電圧
の一部が放電されて、ドレイン電圧(プリチャージ電
圧)が変化するので、フォトセンサアレイ100を構成
する各ダブルゲート型フォトセンサ10を順次走査する
ことにより、指紋の凹凸パターンに対応した電圧(ドレ
イン電圧)を有する画像出力信号が出力される(第1の
ステップ)。
【0067】具体的には、図10に示した場合と同様
に、指紋の山部(凸部)においては、バックライト17
0から照射された光が、連続的に指の皮膚表層内に入射
して、散乱、反射しながら伝搬し、その光の一部が検知
面を介して、山部に対応する位置に配置されたダブルゲ
ート型フォトセンサ10の半導体層に励起光として入射
されることにより、キャリヤが蓄積されて該ダブルゲー
ト型フォトセンサ10が十分に導通してプリチャージ電
圧が放電されるので、低い電圧を有する画像出力信号
(明情報に対応;図4(a)参照)がドレインドライバ
130により検出される。
【0068】一方、指紋の谷部(凹部)においては、バ
ックライト170から照射された光が、一旦、検知面と
谷部の空間を満たす空気層を通過して、皮膚表層に入射
して散乱するが、皮膚表層から空気層へ光が出射しにく
いため、谷部に対応する位置に配置されたダブルゲート
型フォトセンサ10の半導体層への励起光の入射が抑制
されることにより、キャリヤが十分蓄積されず、ダブル
ゲート型フォトセンサ10が十分導通しないので、プリ
チャージ電圧の放電は僅かに止まり、ほぼプリチャージ
電圧に近似する高い電圧を有する画像出力信号(暗情報
に対応;図4(a)参照)がドレインドライバ130に
より検出される。
【0069】ここで、本手順S11における被検出体
(指)の凹凸パターンの読取動作は、図5に示したフォ
トセンサアレイ100を構成するダブルゲート型フォト
センサ10の全て(m×n個)を使用するものはなく、
任意の数、あるいは、任意の位置のダブルゲート型フォ
トセンサ10のみ、例えば、マトリクス状に配置された
ダブルゲート型フォトセンサ10のうち、1乃至複数個
おきに位置するダブルゲート型フォトセンサ10のみ、
あるいは、指が載置されている領域のダブルゲート型フ
ォトセンサ10のみ、予め設定された極一部の領域のダ
ブルゲート型フォトセンサ10のみを、上述したフォト
センサシステムの駆動制御方法に従って駆動し、画像出
力信号を検出する。
【0070】(手順S12)次いで、上述した任意のダ
ブルゲート型フォトセンサ10の各々において検出され
た画像出力信号の電圧(ドレイン電圧)と、プリチャー
ジチャージ動作において各ダブルゲート型フォトセンサ
10に印加されたプリチャージ電圧との差分、すなわ
ち、ドレイン電圧の変位(変位電圧)を算出し、各変位
電圧毎のダブルゲート型フォトセンサ10の個数(頻
度)を観測する(第2のステップ)。これにより、変位
電圧に対する頻度の分布が得られる。
【0071】(手順S13)次いで、手順S12におい
て得られた変位電圧に対する頻度の分布に対して、最小
二乗法を適用して処理することにより、図11、図12
に示したような変位電圧の分布傾向を示す軌線が得られ
る。これにより、軌線から検出される極大値(図11に
おけるFa、Fb)から指紋の山部及び谷部を示す分布
領域(Ra、Rb)が判明するとともに、極小値(図1
1におけるFc)から指紋の山部と谷部の境界を示す分
布領域(Rc)が判明する。
【0072】ここで、本手順S13により得られる変位
電圧の分布傾向を示す軌線は、上述した従来技術におい
て示したような、不特定多数の被検出体(指)を用いた
統計的な傾向から得られる平均的な軌線とは異なり、指
紋の認証登録の対象となっている特定個人の指紋の凹凸
パターンに対応した固有のものとなる。したがって、本
手順S13により得られる軌線は、厳密には、図11に
示された軌線とは異なる変位電圧の分布傾向を有してい
ることになる。
【0073】(手順S14)次いで、手順S13におい
て得られた変位電圧の分布傾向を示す軌線に基づいて、
極小値となる変位電圧を抽出し、この変位電圧をしきい
値電圧Vthとして設定する。これにより、指紋の認証登
録の対象となっている特定個人の指紋の凹凸パターンに
対応したしきい値電圧Vthが設定される(第3のステッ
プ)。
【0074】ここで、手順S13において得られた変位
電圧の分布傾向を示す軌線において、複数の極小値が抽
出された場合には、該軌線から指紋の山部と谷部に対応
する一対の極大値を抽出し、該極大値に対応する変位電
圧間に存在する極小値に対応する変位電圧を上記しきい
値電圧Vthと認定する。一対の極大値に対応する変位電
圧間に複数の極小値が存在する場合には、一対の極大値
のうち、頻度の低い極大値(すなわち、谷部に対応する
極大値)を基準として、該頻度の低い極大値に対して頻
度の差が最も大きくなる極小値に対応する変位電圧を上
記しきい値電圧Vthと認定する。
【0075】(手順S15)次いで、本来の被検出体
(指)の画像パターンを読み取る動作を実行する。すな
わち、指紋の照合、認証の対象となっている個人の指
を、フォトセンサアレイ100の上方に設けられた検知
面に載置し、フォトセンサアレイ100の背面側に設け
られたバックライト170から光(可視光)を照射する
ことによって、指紋の凹凸パターン(山部及び谷部)に
応じて、マトリクス状に配置された各ダブルゲート型フ
ォトセンサ10にキャリヤが蓄積され、各ダブルゲート
型フォトセンサ10の導通状態が決定されるので、フォ
トセンサアレイ100を構成するm×n個の全てのダブ
ルゲート型フォトセンサ10を順次走査することによ
り、指紋の凹凸パターンに対応した電圧(ドレイン電
圧)を有する画像出力信号が出力される。
【0076】次いで、プリチャージチャージ動作におい
て各ダブルゲート型フォトセンサ10に印加されたプリ
チャージ電圧に対する、ダブルゲート型フォトセンサ1
0の各々において検出された画像出力信号の電圧(ドレ
イン電圧)の変位(変位電圧)を算出し、各変位電圧と
上記しきい値電圧Vthとを比較することにより、該変位
電圧が検出されたダブルゲート型フォトセンサ10(読
取画素)が、指紋の凹凸パターンの山部(明領域)に属
するのか、あるいは、谷部(暗領域)に属するのかを判
別して、フォトセンサアレイ100の全域における画像
パターンを読み取る。
【0077】(手順S16)次いで、手順S15におい
て読み取られた画像パターン(指紋の凹凸パターン)
と、予め登録された特定個人の指紋の画像パターンとを
照合し、今回指紋の照合、認証の対象となっている個人
と、上記特定個人とが同一人物であるか否かを認証する
処理を行う。
【0078】以上のように、本実施例に係る画像読取方
法においては、指紋の初期認証登録時等、指紋の照合、
認証のための本来の被検出体の読取動作に先立って、被
検出体(指)に対して一定の輝度及び波長を有する光を
照射するとともに、任意のダブルゲート型フォトセンサ
のみを駆動して、一回だけ画像パターンを読み取る動作
(サンプリング)を行うことにより検出される画像出力
信号に基づいて、画像パターンに含まれる固有の特徴部
分(指紋の凹凸パターン)を判別するためのしきい値電
圧が設定されるので、本実施例に係るしきい値設定処理
(手順S11〜S14)を、簡易な手法で迅速に行うこ
とができるとともに、指紋の凹凸パターンを良好に判別
して正確に読み取って、信頼性の高い指紋の照合、認証
を行うことができる指紋読取装置を提供することができ
る。
【0079】次に、本実施形態に係る画像読取装置の駆
動制御方法の他の例について説明する。ここで、上述し
た実施例と同等の手順については、説明を簡略化又は省
略する。上述した実施例においては、フォトセンサアレ
イを構成するダブルゲート型フォトセンサのうちの、任
意のダブルゲート型フォトセンサを駆動して出力される
画像出力信号に基づく変位電圧の分布傾向を示す軌線か
ら、画像パターンに含まれる固有の特徴部分(指紋の凹
凸パターン)を判別するためのしきい値電圧を設定する
手法に示したが、本実施例に係る画像読取方法は、より
厳密かつ種々の条件に適応するしきい値電圧を設定する
手法により、指紋の照合、認証の精度を向上させるもの
である。
【0080】(手順S21)具体的には、本実施例に係
る画像読取方法は、上述した実施例の手順S11におい
て、指紋の認証登録の対象となっている個人の指(被検
出体)を、フォトセンサアレイ100の上方に設けられ
た検知面に載置し、フォトセンサアレイ100の背面側
に設けられたバックライト170の発光輝度を設定制御
して、第1の輝度を有する光(可視光)を照射する。こ
れにより、バックライト170の発光輝度(第1の輝
度)及び指紋の凹凸パターン(山部及び谷部)に応じ
て、マトリクス状に配置された各ダブルゲート型フォト
センサ10に所定のキャリヤが蓄積され、各ダブルゲー
ト型フォトセンサ10の導通状態が決定されるので、ダ
ブルゲート型フォトセンサ10を順次走査することによ
り、指紋の凹凸パターンに対応した電圧(ドレイン電
圧)を有する第1の画像出力信号群が出力される。
【0081】次いで、バックライト170の発光輝度を
再度、設定制御して、上記第1の輝度とは異なる他の輝
度を有する光を上記と同一の指に照射して、指紋の凹凸
パターンに対応した電圧を有する他の画像出力信号群を
出力する動作を複数回繰り返す。このとき、コントロー
ラ150は、上記各動作毎にバックライト170に設定
した発光輝度をRAM160に記憶する。
【0082】また、指紋の認証登録の対象となっている
個人の指紋の凹凸パターンの読み取りに際し、駆動され
るダブルゲート型フォトセンサは、フォトセンサアレイ
を構成するm×n個の全てのダブルゲート型フォトセン
サ10であってもよいし、上述した第1の実施例に示し
たように、任意の数又は任意の領域のダブルゲート型フ
ォトセンサであってもよい。
【0083】(手順S22)次いで、上述した実施例の
手順S12、S13において、各輝度毎に検出された画
像出力信号群の電圧(ドレイン電圧)と、プリチャージ
チャージ動作において各ダブルゲート型フォトセンサ1
0に印加されたプリチャージ電圧との変位(変位電圧)
を算出し、各輝度毎に変位電圧毎のダブルゲート型フォ
トセンサ10の個数(頻度)を観測して、変位電圧に対
する頻度の分布が得られる。そして、この変位電圧に対
する頻度の分布に対して、最小二乗法を適用して処理す
ることにより、変位電圧の分布傾向を示す軌線群を得
る。
【0084】(手順S23)次いで、上述した実施例の
手順S14において、上記変位電圧の分布傾向を示す軌
線群において、各々指紋の山部と谷部に対応する一対の
極大値を抽出し、該一対の極大値のうち、頻度の低い極
大値(すなわち、谷部に対応する極大値)を基準とし
て、各一対の極大値に対応する変位電圧間に存在する極
小値のうち、頻度の差が最も大きくなる極小値に対応す
る変位電圧を上記しきい値電圧Vthと認定するととも
に、該極小値(軌線)が得られた発光輝度とを関連付け
てRAM160に記憶する。
【0085】(手順S24)次いで、本来の被検出体
(指)の画像パターンを読み取る動作を実行する。すな
わち、上述した実施例の手順S15において、コントロ
ーラ150により、バックライト170の発光輝度を、
上記しきい値電圧の設定の際に抽出された極小値を有す
る軌線が得られた発光輝度に設定制御し、指紋の照合、
認証の対象となっている個人の指に対して所定の輝度を
有する光(可視光)を照射する。これにより、マトリク
ス状に配置された各ダブルゲート型フォトセンサ10か
ら、指紋の凹凸パターンに対応した電圧(ドレイン電
圧)を有する画像出力信号が出力される。
【0086】そして、プリチャージチャージ動作におい
て各ダブルゲート型フォトセンサ10に印加されたプリ
チャージ電圧に対する、ダブルゲート型フォトセンサ1
0の各々において検出された画像出力信号の電圧(ドレ
イン電圧)の変位(変位電圧)を算出し、各変位電圧と
上記しきい値電圧Vthとを比較することにより、各ダブ
ルゲート型フォトセンサ10(読取画素)が、指紋の凹
凸パターンの山部あるいは谷部のいずれに属するかを判
別して、フォトセンサアレイ100の全域における画像
パターンを読み取る。
【0087】以上のように、本実施例に係る画像読取方
法においては、指紋の初期認証登録時等、指紋の照合、
認証のための本来の被検出体の読取動作に先立って、被
検出体(指)に対して異なる輝度を有する光を順次照射
して、複数回画像パターンを読み取る動作(サンプリン
グ)を行うことにより検出される複数の画像出力信号群
に基づいて得られる軌線群のうち、画像パターンに含ま
れる固有の特徴部分(指紋の凹凸パターン)を最も顕著
に示す軌線に基づいてしきい値電圧が設定されるので、
本来の被検出体の読取動作の際に、当該しきい値電圧の
設定条件となった発光輝度で画像パターンを読み取るこ
とにより、指紋の凹凸パターンを一層良好に判別して正
確に読み取ることができ、より信頼性の高い指紋の照
合、認証を行うことができる。
【0088】なお、上述した実施形態においては、フォ
トセンサとしてダブルゲート型フォトセンサを適用した
場合について示したが、本発明に適用されるフォトセン
サは、このダブルゲート型フォトセンサに限定されるも
のではなく、フォトダイオードやTFT等、他の構成の
フォトセンサを用いたフォトセンサシステムに対しても
同様に適用することができる。上記の実施形態では、光
学式のフォトセンサであったが、例えば、指の凹凸に応
じて変位する容量を読み取り、しきい値を設定した容量
式フォトセンサに応用することもでき、要するに、複数
のフォトセンサの各々から出力される信号成分(電圧や
変位電圧等)を検出し、各信号成分毎のフォトセンサの
個数(頻度)を観測することにより得られる、信号成分
に対する頻度の変化傾向に基づいて、被検出体の2次元
画像に含まれる特徴部分を判別する構成及び手法を有す
るフォトセンサシステムであれば、本発明に係る画像読
取装置を良好に適用することができる。
【0089】
【発明の効果】本発明に係る画像読取装置によれば、所
定の形式で配列され、被検出体を走査するフォトセンサ
アレイを備えた2次元画像の画像読取装置において、被
検出体の2次元画像を読み取る本来の読み取り動作に先
立って、しきい値設定手段により、第1のステップで上
記被検出体を走査し、第2のステップで被検出体の2次
元画像の各画素に対応して各フォトセンサから出力され
る信号成分(例えば、出力電圧の変位)を観測し、第3
のステップで該変位の頻度傾向に基づいて、上記2次元
画像に含まれる特徴部分(例えば、明暗パターンや凹凸
パターン)を判別するためのしきい値が設定されるの
で、本来の被検出体の2次元画像の読取動作の際に、該
しきい値、及び、被検出体の2次元画像の各画素に対応
して各フォトセンサから出力される出力電圧に基づい
て、明暗パターンや凹凸パターンを精度良く判別するこ
とができ、被検出体の2次元画像を正確に読み取ること
ができる。したがって、本発明に係る画像読取装置を、
指紋読取装置等の個人認証のための識別装置に適用する
ことにより、各人固有の認証パターン(指紋等)を正確
に読み取ることができ、信頼性の高い個人の識別、認証
機能を備えたシステムを実現することができる。
【0090】ここで、上述した画像読取装置において、
しきい値設定手段は、複数のフォトセンサのうち、任意
のフォトセンサにより被検出体を走査して、上記信号成
分の頻度を観測するようにしてもよく、これによれば、
被検出体の2次元画像を読み取る本来の読み取り動作に
先立って行われるしきい値の設定処理を、任意の数、あ
るいは、任意の領域のフォトセンサのみを駆動する簡易
かつ迅速な手法により実現することができるとともに、
本来の読み取り動作において2次元画像を正確に読み取
ることができる。
【0091】また、上述した画像読取装置は、上記検知
面を介して、被検出体に対して所定の光を照射する光源
を備え、上記しきい値設定手段は、該光源の輝度を複数
回変更設定して、光源の輝度設定毎に、複数のフォトセ
ンサにより被検出体を走査して、信号成分の頻度を観測
するものであってもよく、これによれば、上記しきい値
を被検出体の2次元画像に、より対応させて設定するこ
とができるので、本来の読み取り動作において2次元画
像をより正確に読み取ることができる。
【0092】なお、上記しきい値は、信号成分の頻度に
基づく最小二乗法により算出される特性曲線に基づいて
設定することができる。これにより、上記信号成分の頻
度傾向(変化傾向)をより的確に把握することができる
ので、上記しきい値を被検出体の2次元画像に、より対
応させて設定することができる。
【0093】さらに、上述した画像読取装置において、
上記フォトセンサは、半導体層からなるチャネル領域を
挟んで形成されたソース電極及びドレイン電極と、少な
くとも前記チャネル領域の上方及び下方に各々絶縁膜を
介して形成された第1のゲート電極及び第2のゲート電
極と、を有するダブルゲート型フォトセンサにより構成
され、第1のゲート電極にリセットパルスを印加してフ
ォトセンサを初期化し、ドレイン電極にプリチャージパ
ルスを印加した後、第2のゲート電極に読み出しパルス
を印加することにより、初期化終了から読み出しパルス
の印加までの電荷蓄積期間に、チャネル領域に蓄積され
た電荷に対応する電圧を出力電圧として出力し、上記画
像読取装置は、プリチャージパルスに係る信号電圧と出
力電圧との差分を、上記信号成分として観測するもので
あってもよい。
【0094】これにより、フォトセンサアレイを構成す
るフォトセンサを薄型、小型化することができるととも
に、読取画素を高密度化して被検出体の2次元画像を高
精細な画像として読み取ることができる。以上のよう
に、本発明に係る画像読取装置及びその駆動制御方法
は、人間の指を被検出体とし、指紋により個人の識別、
認証を行う指紋読取装置等の個人認証のための識別装置
に良好に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像読取装置に適用されるダブル
ゲート型フォトセンサの概略構成を示す断面構造図であ
る。
【図2】ダブルゲート型フォトセンサの基本的な駆動制
御方法の一例を示すタイミングチャートである。
【図3】ダブルゲート型フォトセンサの動作概念図であ
る。
【図4】ダブルゲート型フォトセンサの出力電圧の光応
答特性を示す図である。
【図5】ダブルゲート型フォトセンサを2次元配列して
構成されるフォトセンサアレイを備えたフォトセンサシ
ステムの概略構成図である。
【図6】フォトセンサシステムの駆動制御方法の一例を
示すタイミングチャートである。
【図7】本発明に係る画像読取装置の全体構成を示すブ
ロック図である。
【図8】本発明に係る画像読取装置の駆動制御方法の一
例を示すフローチャートである。
【図9】従来技術におけるダブルゲート型フォトセンサ
を備えた指紋読取装置の概略構成図である。
【図10】従来技術におけるダブルゲート型フォトセン
サを備えた指紋読取装置の要部断面図である。
【図11】ダブルゲート型フォトセンサから出力される
画像出力信号に基づく変位電圧の分布傾向を示す分布特
性図である。
【図12】従来技術における問題点を説明するための変
位電圧の分布傾向を示す分布特性図である。
【符号の説明】
10 ダブルゲート型フォトセンサ 100 フォトセンサアレイ 110 トップゲートドライバ 120 ボトムゲートドライバ 130 コラムスイッチ 150 コントローラ 160 RAM 170 バックライト 180 外部機能部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マトリクス状又はライン状に配列した複
    数のフォトセンサにより所定の検知面上に載置された被
    検出体を走査し、該被検出体の2次元画像の各画素に対
    応して前記複数のフォトセンサの各々から出力される信
    号成分に基づいて、前記2次元画像を読み取る画像読取
    装置において、 本来の前記2次元画像の読み取り動作に先立って、前記
    複数のフォトセンサにより前記被検出体を走査し、該被
    検出体の2次元画像の各画素に対応して前記複数のフォ
    トセンサの各々から出力される前記信号成分の頻度を観
    測し、該信号成分の頻度傾向に基づいて、前記2次元画
    像に含まれる特徴部分を判別するためのしきい値を設定
    するしきい値設定手段を備えたことを特徴とする画像読
    取装置。
  2. 【請求項2】 前記しきい値設定手段は、前記複数のフ
    ォトセンサのうち、任意のフォトセンサにより前記被検
    出体を走査して、前記信号成分の頻度を観測することを
    特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
  3. 【請求項3】 前記画像読取装置は、前記検知面を介し
    て、前記被検出体に対して所定の光を照射する光源を備
    え、 前記しきい値設定手段は、前記光源の輝度を複数回変更
    設定して、該光源の輝度設定毎に、前記複数のフォトセ
    ンサにより前記被検出体を走査して、前記信号成分の頻
    度を観測することを特徴とする請求項1又は2記載の画
    像読取装置。
  4. 【請求項4】 前記しきい値設定手段は、前記信号成分
    の頻度に基づく最小二乗法により算出される特性曲線に
    基づいて、前記しきい値を設定することを特徴とする請
    求項1乃至3のいずれかに記載の画像読取装置。
  5. 【請求項5】 前記フォトセンサは、半導体層からなる
    チャネル領域を挟んで形成されたソース電極及びドレイ
    ン電極と、少なくとも前記チャネル領域の上方及び下方
    に各々絶縁膜を介して形成された第1のゲート電極及び
    第2のゲート電極と、を有し、 前記第1のゲート電極にリセットパルスを印加して前記
    フォトセンサを初期化し、前記ドレイン電極にプリチャ
    ージパルスを印加した後、前記第2のゲート電極に読み
    出しパルスを印加することにより、前記初期化終了から
    前記読み出しパルスの印加までの電荷蓄積期間に、前記
    チャネル領域に蓄積された電荷に対応する電圧を出力電
    圧として出力し、 前記画像読取装置は、前記プリチャージパルスに係る信
    号電圧と前記出力電圧との差分を、前記信号成分として
    観測することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに
    記載の画像読取装置。
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