JP4257768B2 - 2次元画像読取装置の感度調整装置及びその感度調整方法 - Google Patents

2次元画像読取装置の感度調整装置及びその感度調整方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2次元画像読取装置の感度調整装置及びその感度調整方法に関し、特に、フォトセンサを2次元配列して構成されるフォトセンサアレイを備えた2次元画像読取装置の感度調整装置及びその感度調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、印刷物や写真、あるいは、指紋等の微細な凹凸の形状等を読み取る2次元画像の読取装置として、光電変換素子(フォトセンサ)をマトリクス状に配列して構成されるフォトセンサアレイを備えた構造のものがある。このようなフォトセンサアレイとしては、一般に、CCD(Charge Coupled Device)等の固体撮像デバイスが用いられている。
【0003】
CCDは、周知の通り、フォトダイオードや薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)等のフォトセンサをマトリクス状に配列した構成を有し、各フォトセンサの受光部に照射された光量に対応して発生する電子−正孔対の電荷量を、水平走査回路及び垂直走査回路により検出し、照射光の輝度を検知している。
このようなCCDを用いた2次元画像読取装置(フォトセンサシステム)においては、走査された各フォトセンサを選択状態にするための選択トランジスタを個別に設ける必要があるため、画素数が増大するにしたがって、システム自体が大型化するという問題を有している。
【0004】
そこで、近年、このような問題を解決するための構成として、フォトセンサ自体にフォトセンス機能と選択トランジスタ機能とを持たせた、いわゆる、ダブルゲート構造を有する薄膜トランジスタ(以下、「ダブルゲート型フォトセンサ」と記す)を2次元画像読取装置に適用して、システムの小型化、及び、画素の高密度化を図る試みがなされている。
【0005】
このような2次元画像読取装置は、概略、ガラス基板の一面側にトップゲート電極及びボトムゲート電極を備えたダブルゲート型フォトセンサをマトリクス状に形成して、フォトセンサアレイを構成し、例えば、ガラス基板の背面側に設けられた光源から出射された照射光を、フォトセンサアレイの上方に載置された被写体(指等)に照射して指紋等の2次元画像の画像パターンに応じた反射光を、ダブルゲート型フォトセンサにより明暗情報として検出し、上記2次元画像を読み取るものである。
【0006】
ここで、フォトセンサアレイによる画像の読み取り動作は、リセットパルスの印加による初期化終了時から読み出しパルスが印加されるまでの所定の光蓄積期間に、各ダブルゲート型フォトセンサに蓄積されるキャリヤ(正孔)の蓄積量に基づいて、明暗情報が検出される。なお、ダブルゲート型フォトセンサ、及び、フォトセンサアレイの具体的な構成及び動作については、後述する。
【0007】
ところで、上述したようなダブルゲート型フォトセンサ等、各種のフォトセンサを適用した2次元画像読取装置においては、屋内外の環境照度の違いや被写体の種類等、種々の使用環境下で被写体画像を良好に読み取るために、該環境に応じてフォトセンサの読取感度(上記ダブルゲート型フォトセンサにおいては、光蓄積期間)を適切に調整して設定する必要がある。
【0008】
フォトセンサにおける適切な読取感度は、環境照度等の周囲の条件に依存して異なるため、従来においては、環境照度を検出するための回路を別個に設けたり、正規の画像読み取り動作を開始する前に検知面に載置された標準試料等を、読取感度を複数段階に変えて読み取り動作を行い、その検出結果や読取結果に基づいて、環境照度等の周囲の条件に応じた最適な読取感度(光蓄積期間)を求める手法を採用していた。
【0009】
ここで、正規の画像読み取り動作を開始する前の読み取り動作により最適な読取感度を設定する手法としては、例えば、特許3116950号公報等に、フォトセンサ(ダブルゲート型フォトセンサ)をマトリクス状に配列したフォトセンサアレイにおいて、各行毎に読取感度が段階的に異なるように設定して、所定の2次元画像を読み取り、各行毎の明度データから算出されたデータ範囲(ダイナミックレンジ)に基づいて、最適な画像読取状態にある行を判別し、該行に設定された読取感度(光蓄積期間)を最適感度として、正規の被写体画像を読み取る際の感度として採用する手法が記載されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来技術においては、以下に示すような問題を有している。
すなわち、従来技術においては、例えば、上述したような2次元画像読取装置を指紋読取装置等に適用した場合、被写体となる指(又は、人体)の皮膚表層の状態は、個人差(性別や年齢等)や外部環境(温度や湿度等)による変動が大きく、上述した正規の画像読み取り動作を開始する前の読み取り動作による読取感度の設定(調整)方法では、適切な読取感度が設定されない場合があり、指紋照合処理等において誤動作や動作不良を招く可能性を有していた。
【0011】
具体的には、例えば、被写体となる指の皮膚表層が角質化している場合にあっては、該角質化された指紋の隆線(凸部領域)に照射光が照射されると、該隆線部分の輝度が本来よりも高く観測されるため、フォトセンサにより検出される明度データのデータ範囲(ダイナミックレンジ)が大きくなり、読取感度の最適値が適切に設定されなくなる。そのため、本来の被写体画像よりも明るい画像に対応した画像読取感度が設定されることになる。
これにより、本来正常な被写体画像が暗い画像として読み取られて、隆線が途切れがちな画像となり、指紋等の被写体画像の良好な読み取り動作ができず、延いては、指紋の照合精度が低下するという問題を有していた。
【0012】
そこで、本発明は、上述した問題に鑑み、被写体の個体差(個人差)や外部環境に関わらず、適切な画像読取感度を設定して、良好な被写体画像の読み取り動作を実現することができる2次元画像読取装置の感度調整装置及びその感度調整方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の2次元画像読取装置の感度調整装置は、フォトセンサを2次元配列して構成されるフォトセンサアレイを備えた2次元画像読取装置において、前記フォトセンサアレイの画像読取感度を複数段階に変えて指の表面を読み取り、読み取った結果による指紋画像に基づいて前記画像読取感度毎に前記指紋画像の画像パターンに関連する特定の測定量の最大値及び最小値を抽出する測定量比較手段と、前記画像読取感度毎に抽出された前記測定量の最大値と最小値の差分に応じた前記測定量のデータ範囲を算出するデータ範囲算出手段と、前記画像読取感度毎の前記測定量のデータ範囲のうち最大のデータ範囲を有する前記画像読取感度を抽出する手段と、を有して、抽出された前記画像読取感度を標準画像読取感度とする標準読取感度抽出手段と、抽出された前記標準画像読取感度における前記測定量の平均値と所定の基準値とを比較し、前記平均値が前記基準値より小さいとき、前記標準画像読取感度の値を、皮膚表層が角質化した指に対応して予め設定された所定の割増率に応じた分だけ増加させるように補正する読取感度補正手段と、前記補正された前記標準画像読取感度を、指紋画像の正規の読み取り動作における画像読取感度として設定する読取感度設定手段と、を有することを特徴としている。
【0015】
また、請求項2記載の2次元画像読取装置の感度調整装置は、請求項1記載の2次元画像読取装置の感度調整装置において、前記指紋画像の読み取り動作は、前記指紋画像の各行毎に段階的に異なる画像読取感度を、前記フォトセンサアレイに設定して実行されることを特徴としている。また、請求項3記載の2次元画像読取装置の感度調整装置は、請求項1又は2記載の2次元画像読取装置の感度調整装置において、前記特定の測定量は、前記指紋画像の画像パターンに対応した明度データであることを特徴としている。
【0016】
また、請求項記載の2次元画像読取装置の感度調整装置は、請求項乃至のいずれかに記載の2次元画像読取装置の感度調整装置において、前記フォトセンサアレイの画像読取感度は、前記フォトセンサにおける光蓄積期間を調整することにより設定制御されることを特徴としている。また、請求項記載の2次元画像読取装置の感度調整装置は、請求項1乃至のいずれかに記載の2次元画像読取装置の感度調整装置において、前記割増率は、前記2次元画像読取装置の外部から任意に設定されることを特徴としている。
【0018】
また、請求項記載の2次元画像読取装置の感度調整装置は、請求項記載の2次元画像読取装置の感度調整装置において、前記基準値は、前記抽出された前記画像読取感度における前記測定量のデータ範囲の中間値であることを特徴としている。また、請求項記載の2次元画像読取装置の感度調整装置は、請求項記載の2次元画像読取装置の感度調整装置において、前記基準値は、前記2次元画像読取装置の外部から任意に設定されることを特徴としている。
【0019】
さらに、請求項記載の2次元画像読取装置の感度調整装置は、請求項1乃至のいずれかに記載の2次元画像読取装置の感度調整装置において、前記フォトセンサは、半導体層からなるチャネル領域を挟んで形成されたソース電極及びドレイン電極と、少なくとも前記チャネル領域の上方及び下方に各々絶縁膜を介して形成された第1のゲート電極及び第2のゲート電極とを有し、前記第1のゲート電極又は前記第2のゲート電極のいずれか一方を光照射側として、該光照射側から照射された光の量に対応する電荷が前記チャネル領域に発生、蓄積される構成を有していることを特徴としている。
【0020】
そして、請求項記載の2次元画像読取装置の感度調整方法は、フォトセンサを2次元配列して構成されるフォトセンサアレイを備えた2次元画像読取装置の感度調整方法において、前記フォトセンサアレイの画像読取感度を複数段階に変えて指紋画像を読み取り、読み取った結果による指紋画像に基づいて、前記画像読取感度毎に、前記指紋画像の画像パターンに関連する特定の測定量の最大値及び最小値を抽出して、該測定量のデータ範囲を算出する手順と、前記画像読取感度毎に算出された前記測定量のデータ範囲のうち、最大のデータ範囲を有する前記画像読取感度を標準画像読取感度として抽出する手順と、抽出した前記標準画像読取感度における前記測定量の平均値と所定の基準値とを比較し、前記平均値が前記基準値より小さいとき、前記標準画像読取感度の値を、予め設定された所定の割増率に応じた分だけ増加させるように補正する手順と、前記補正された前記標準画像読取感度を、指紋画像の正規の読み取り動作における画像読取感度として設定する手順と、を有していることを特徴としている。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る2次元画像読取装置の感度調整装置及びその感度調整方法の実施の形態について詳しく説明する。
まず、本発明に係る2次元画像読取装置に適用可能なダブルゲート型フォトセンサについて、図面を参照して説明する。
【0024】
<ダブルゲート型フォトセンサ>
図1は、ダブルゲート型フォトセンサの概略構成を示す構成断面図である。
図1(a)に示すように、ダブルゲート型フォトセンサ10は、励起光(ここでは、可視光)が入射されると電子−正孔対が生成されるアモルファスシリコン等の半導体層(チャネル層)11と、半導体層11の両端にそれぞれ設けられたnシリコンからなる不純物層17、18と、不純物層17、18上に形成されたクロム、クロム合金、アルミ、アルミ合金等から選択され、可視光に対して不透明なソース電極12及びドレイン電極13と、半導体層11の上方(図面上方)にブロック絶縁膜14及び上部(トップ)ゲート絶縁膜15を介して形成されたITO等の透明導電層からなり、可視光に対して透過性を示すトップゲート電極(第1のゲート電極)21と、半導体層11の下方(図面下方)に下部(ボトム)ゲート絶縁膜16を介して形成されたクロム、クロム合金、アルミ、アルミ合金等から選択され、可視光に対して不透明なボトムゲート電極(第2のゲート電極)22と、を有して構成されている。そして、このような構成を有するダブルゲート型フォトセンサ10は、ガラス基板等の透明な絶縁性基板19上に形成されている。
【0025】
ここで、図1(a)において、トップゲート絶縁膜15、ブロック絶縁膜14、ボトムゲート絶縁膜16、及び、トップゲート電極21上に設けられる保護絶縁膜20は、いずれも半導体層11を励起する可視光に対して、高い透過率を有する材質、例えば、窒化シリコンや酸化シリコン等により構成されることにより、図面上方から入射する光のみを検知する構造を有している。
すなわち、ダブルゲート型フォトセンサ10は、半導体層11を共通のチャネル領域として、半導体層11、ソース電極12、ドレイン電極13及びトップゲート電極21により形成される上部MOSトランジスタと、半導体層11、ソース電極12、ドレイン電極13及びボトムゲート電極22により形成される下部MOSトランジスタとからなる2つのMOSトランジスタを組み合わせた構造が、透明な絶縁性基板19上に形成されている。
【0026】
なお、このようなダブルゲート型フォトセンサ10は、一般に、図1(b)に示すような等価回路により表される。ここで、TGはトップゲート電極21と電気的に接続されたトップゲート端子、BGはボトムゲート電極22と電気的に接続されたボトムゲート端子、Sはソース電極12と電気的に接続されたソース端子、Dはドレイン電極13と電気的に接続されたドレイン端子である。
【0027】
次いで、上述したダブルゲート型フォトセンサの駆動制御方法について、図面を参照して説明する。
図2は、ダブルゲート型フォトセンサの基本的な駆動制御方法(1処理サイクル)の一例を示すタイミングチャートであり、図3は、ダブルゲート型フォトセンサの動作概念図であり、図4は、ダブルゲート型フォトセンサの出力電圧の光応答特性を示す図である。ここでは、上述したダブルゲート型フォトセンサの構成(図1)を適宜参照しながら説明する。
【0028】
まず、リセット動作(初期化動作)においては、図2、図3(a)に示すように、ダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート端子TGにパルス電圧(以下、「リセットパルス」と記す;例えば、Vtg=+15Vのハイレベル)φTを印加して、半導体層11、及び、ブロック絶縁膜14における半導体層11との界面近傍に蓄積されているキャリヤ(ここでは、正孔)を放出する(リセット期間Trst)。
【0029】
次いで、光蓄積動作においては、図2、図3(b)に示すように、トップゲート端子TGにローレベル(例えば、Vtg=−15V)のバイアス電圧φTを印加することにより、リセット動作を終了し、キャリヤ蓄積動作による光蓄積期間(電荷蓄積動作)Taがスタートする。光蓄積期間Taにおいては、トップゲート電極21側から入射した光量に応じて半導体層11の入射有効領域、すなわち、キャリヤ発生領域で電子−正孔対が生成され、半導体層11、及び、ブロック絶縁膜14における半導体層11との界面近傍、すなわち、チャネル領域周辺に正孔が蓄積される。
【0030】
そして、プリチャージ動作においては、図2、図3(c)に示すように、光蓄積期間Taに並行して、プリチャージ信号φpgに基づいてドレイン端子Dに所定の電圧(プリチャージ電圧)Vpgを印加し、ドレイン電極13に電荷を保持させる(プリチャージ期間Tprch)。
次いで、読み出し動作においては、図2、図3(d)に示すように、プリチャージ期間Tprchを経過した後、ボトムゲート端子BGにハイレベル(例えば、Vbg=+10V)のバイアス電圧(読み出し選択信号;以下、「読み出しパルス」と記す)φBを印加すること(選択状態)により、ダブルゲート型フォトセンサ10をON状態にする(読み出し期間Tread)。
【0031】
ここで、読み出し期間Treadにおいては、チャネル領域に蓄積されたキャリヤ(正孔)が逆極性のトップゲート端子TGに印加されたVtg(−15V)を緩和する方向に働くため、ボトムゲート端子BGのVbg(+10V)によりnチャネルが形成され、ドレイン電流に応じてドレイン端子Dの電圧(ドレイン電圧)VDは、図4(a)に示すように、プリチャージ電圧Vpgから時間の経過とともに徐々に低下する傾向を示す。
【0032】
すなわち、光蓄積期間Taにおける光蓄積状態が明状態の場合には、図3(d)に示すように、チャネル領域に入射光量に応じたキャリヤ(正孔)が捕獲されているため、トップゲート端子TGの負バイアスを打ち消すように作用し、この打ち消された分だけボトムゲート端子BGの正バイアスによって、ダブルゲート型フォトセンサ10はON状態となる。そして、この入射光量に応じたON抵抗に従って、図4(a)に示すように、ドレイン電圧VDは、低下することになる。
【0033】
一方、光蓄積状態が暗状態で、チャネル領域にキャリヤ(正孔)が蓄積されていない場合には、図3(e)に示すように、トップゲート端子TGに負バイアスをかけることによって、ボトムゲート端子BGの正バイアスが打ち消され、ダブルゲート型フォトセンサ10はOFF状態となり、図4(a)に示すように、ドレイン電圧VDが、ほぼそのまま保持されることになる。
【0034】
したがって、図4(a)に示したように、ドレイン電圧VDの変化傾向は、トップゲート端子TGへのリセットパルスφTの印加によるリセット動作の終了時点から、ボトムゲート端子BGに読み出しパルスφBが印加されるまでの時間(光蓄積期間Ta)に受光した光量に深く関連し、蓄積されたキャリヤが多い場合(明状態)には急峻に低下する傾向を示し、また、蓄積されたキャリヤが少ない場合(暗状態)には緩やかに低下する傾向を示す。そのため、読み出し期間Treadがスタートして、所定の時間経過後のドレイン電圧VD(=Vrd)を検出することにより、あるいは、所定のしきい値電圧を基準にして、その電圧に至るまでの時間を検出することにより、ダブルゲート型フォトセンサ10に入射した光(照射光)の光量が換算される。
【0035】
なお、図2に示したタイミングチャートにおいて、プリチャージ期間Tprchの経過後、図3(f)、(g)に示すように、ボトムゲート端子BGにローレベル(例えば、Vbg=0V)を印加した状態(非選択状態)を継続すると、ダブルゲート型フォトセンサ10はOFF状態を持続し、図4(b)に示すように、ドレイン電圧VDは、プリチャージ電圧Vpgに近似する電圧を保持する。このように、ボトムゲート端子BGへの電圧の印加状態により、ダブルゲート型フォトセンサ10の読み出し状態を選択、非選択状態に切り替える選択機能が実現される。
【0036】
<フォトセンサシステム>
次いで、上述したダブルゲート型フォトセンサを2次元配列して構成されるフォトセンサアレイを備えたフォトセンサシステムについて、図面を参照して説明する。
図5は、ダブルゲート型フォトセンサを2次元配列して構成されるフォトセンサアレイを備えたフォトセンサシステムの概略構成図である。
【0037】
図5に示すように、フォトセンサシステムは、大別して、多数のダブルゲート型フォトセンサ10を、例えば、n行×m列(n、mは正の整数)のマトリクス状に配列したフォトセンサアレイ100と、各ダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート端子TG(トップゲート電極21)及びボトムゲート端子BG(ボトムゲート電極22)を各々行方向に接続して伸延するトップゲートライン101及びボトムゲートライン102と、各ダブルゲート型フォトセンサ10のドレイン端子D(ドレイン電極13)を列方向に接続したドレインライン(データライン)103と、ソース端子S(ソース電極12)を列方向に接続するとともに、接地電位に接続されたソースライン(コモンライン)104と、トップゲートライン101に接続されたトップゲートドライバ110と、ボトムゲートライン102に接続されたボトムゲートドライバ120と、ドレインライン103に接続されたコラムスイッチ131、プリチャージスイッチ132、アンプ133からなるドレインドライバ130と、を有して構成されている。
【0038】
ここで、トップゲートライン101は、図1に示したトップゲート電極21とともに、ITO等の透明導電層で一体的に形成され、ボトムゲートライン102、ドレインライン103並びにソースライン104は、それぞれボトムゲート電極22、ソース電極12、ドレイン電極13と同一の励起光に不透明な材料で一体的に形成されている。また、ソースライン104には、プリチャージ電圧Vpgに応じて設定される定電圧Vssが印加されるが、接地電位(GND)であってもよい。
【0039】
なお、図5において、φtgは、リセット電圧及び光キャリア蓄積電圧のいずれかとして選択的に出力されるパルス信号φT1、φT2、…φTi、…φTnを生成するための制御信号であり、φbgは、読み出し電圧及び非読み出し電圧のいずれかとして選択的に出力されるパルス信号φB1、φB2、…φBi、…φBnを生成するための制御信号であり、φpgは、プリチャージ電圧Vpgを印加するタイミングを制御するプリチャージ信号である。
【0040】
このような構成において、トップゲートドライバ110からトップゲートライン101を介して、トップゲート端子TGに信号φTi(iは任意の正の整数;i=1、2、・・・n)を印加することにより、フォトセンス機能が実現され、ボトムゲートドライバ120からボトムゲートライン102を介して、ボトムゲート端子BGに信号φBiを印加し、ドレインライン103を介して検出信号をドレインドライバ130に取り込んで、シリアルデータ又はパラレルデータからなる出力電圧Voutとして出力することにより、選択読み出し機能が実現される。
【0041】
上述したフォトセンサシステムの駆動制御方法は、基本的には、上述したダブルゲート型フォトセンサの駆動制御方法(図2参照)を1処理サイクルとして、フォトセンサアレイを構成するマトリクスの行数分シリアル(時系列的)に繰り返すことにより実現されるが、例えば、読取精度を高精細化するためにフォトセンサアレイを高密度化した場合には、読み取り動作のための所要時間が増大して、フォトセンサシステムの実用化の面で好ましくない。そこで、ダブルゲート型フォトセンサを用いたフォトセンサシステムにおいては、以下に示すような駆動制御方法を良好に適用することができる。
【0042】
図6は、上述したフォトセンサシステムの駆動制御方法の一例を示すタイミングチャートである。ここでは、図5に示したフォトセンサシステムの構成を適宜参照しながら、駆動制御方法を説明する。
図6に示すように、まず、トップゲートドライバ110からトップゲートライン101を介して、リセットパルスφT1、φT2、…φTk、φTk+1、…(kは正の整数;k=1、2、・・・n−1)を順次印加して、リセット期間Trstをスタートし、各行毎のダブルゲート型フォトセンサ10を初期化する。
【0043】
次いで、リセットパルスφT1、φT2、…φTk、φTk+1、…が順次立ち下がり、リセット期間Trstが終了することにより、光蓄積期間Taがスタートして、各行毎のダブルゲート型フォトセンサ10に入射される光量に応じてチャネル領域に電荷(正孔)が発生し、蓄積される。ここで、図6に示すように、光蓄積期間Ta内に並行して、ドレインドライバ130にプリチャージ信号φpgを印加することにより、プリチャージ期間Tprchをスタートし、ドレインライン103にプリチャージ電圧Vpgを印加して各行毎のダブルゲート型フォトセンサ10のドレイン電極に所定の電圧を保持させるプリチャージ動作が行われる。
【0044】
次いで、光蓄積期間Ta及びプリチャージ期間Tprchが終了したダブルゲート型フォトセンサ10に対して、他の行におけるリセット動作、プリチャージ動作及び読み出し動作のための各信号の印加タイミングと時間的に重ならないタイミングで、各行毎にボトムゲートドライバ120からボトムゲートライン102を介して、読み出しパルスφB1、φB2、…φBk、φBk+1、…を順次印加して、読み出し期間Treadをスタートし、各行毎のダブルゲート型フォトセンサ10に蓄積された電荷に対応するドレイン電圧VD1、VD2、VD3、…VDmの変化を、ドレインドライバ130により、各ドレインライン103を介して同時に検出し、シリアルデータ又はパラレルデータからなる出力電圧Voutとして読み出す。
【0045】
すなわち、本駆動制御方法においては、行毎のリセットパルスφT1、φT2、φT3、…、読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…、及び、プリチャージ信号φpgの印加タイミングの間隔(Tdly)を、次式(1)に示すように、リセットパルスによるリセット期間Trstと、読み出しパルスによる読み出し期間Treadと、プリチャージ信号によるプリチャージ期間Tprchとの合計時間に設定する。
Tdly=Trst+Tprch+Tread ・・・(1)
【0046】
これにより、リセット動作、プリチャージ動作、読み出し動作が時間的に重なって実行されることがなく、さらに、各行毎の処理サイクルの一部を時間的にオーバーラップさせることができるので、全ての行におけるリセット動作が終了する前に読み出し動作を行うことができ、2次元画像の読み出し動作を良好に実行しつつ、読み出し動作に係る処理時間を大幅に短縮することができる。
【0047】
また、このことは、換言すれば、上記間隔(Tdly)を基準単位として、その整数倍の時間を光蓄積期間Taに付加した場合であっても、2次元画像の読み出し動作に係る処理時間を大幅に増大させることなく、読み出し動作を良好に実行することができることを意味している。したがって、各行毎の処理サイクルの一部を時間的にオーバーラップさせつつ、光蓄積時間Taを段階的に変更設定することにより、2次元画像の読取感度を上記間隔(Tdly)を最小単位として任意に調整制御することができ、被検出体に係る画像が暗い場合等においても、読取感度を高くして良好に読み取り動作を行うことができる。
【0048】
<第1の実施形態>
次に、本発明に係る2次元画像読取装置の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に示す実施形態においては、フォトセンサとして、上述したダブルゲート型フォトセンサを適用し、トップゲート電極を第1の電極として電圧を印加することにより、フォトセンス機能を実現するとともに、ボトムゲート電極を第2の電極として電圧を印加することにより、チャネル領域に蓄積された電荷量を読み出す機能を実現するものとして説明する。
【0049】
図7は、本発明に係る2次元画像読取装置の第1の実施形態の全体構成を示すブロック図である。なお、ここでは、図1、図5に示したダブルゲート型フォトセンサ及びフォトセンサシステムの構成を適宜参照しながら説明する。また、図5に示したフォトセンサシステムと同等の構成については、同一の符号を付して、その説明を簡略化又は省略する。
【0050】
図7に示すように、本実施形態に係る2次元画像読取装置は、大別して、図5に示したフォトセンサシステムと同様に、ダブルゲート型フォトセンサ10を2次元配列して構成されるフォトセンサアレイ100と、ダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート端子TGに所定のタイミングで、所定のトップゲート電圧(リセットパルス)を印加するトップゲートドライバ110と、ダブルゲート型フォトセンサ10のボトムゲート端子BGに所定のタイミングで、所定のボトムゲート電圧(読み出しパルス)を印加するボトムゲートドライバ120と、ダブルゲート型フォトセンサ10へのプリチャージ電圧の印加及びドレインライン電圧の読み出しを行うコラムスイッチ131、プリチャージスイッチ132、アンプ133からなるドレインドライバ130と、を備え、さらに、読み出されたドレインライン電圧(アナログ信号)をデジタル信号からなる画像出力信号(画像データ)に変換するアナログ−デジタル変換器(以下、A/Dコンバータと記す)140と、フォトセンサアレイ100による被写体画像の読取動作制御(画像読取動作)、画像データの照合や加工等の所定の処理を実行する外部機能部200とのデータのやり取り等を行うとともに、本発明における正規の画像読み取り動作を開始する前の読み取り動作や読取感度調整動作を実行制御する機能を備えたコントローラ(感度調整装置)150と、読取画像データや読取感度の設定等に関連するデータ等を記憶するRAM160と、を有して構成されている。
ここで、フォトセンサアレイ100、トップゲートドライバ110、ボトムゲートドライバ120、ドレインドライバ130は、図5に示したフォトセンサシステムと同等の構成及び機能を有しているので、その詳細な説明を省略する。
【0051】
コントローラ150は、トップゲートドライバ110及びボトムゲートドライバ120に制御信号φtg、φbgを出力することにより、図2及び図6に示したように、トップゲートドライバ110及びボトムゲートドライバ120の各々から、フォトセンサアレイ100を構成する各ダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート端子TG及びボトムゲート端子BGに所定の信号電圧(リセットパルスφTi、読み出しパルスφBi)を印加する動作を制御する。また、プリチャージスイッチ132にプリチャージ信号φpgを出力することにより、各ダブルゲート型フォトセンサ10のドレイン端子Dにプリチャージ電圧Vpgを印加して、読み取られた被検出体の画像パターンに対応して各ダブルゲート型フォトセンサ10に蓄積された電荷量に応じたドレイン電圧VDを検出する動作を制御する。
【0052】
また、コントローラ150には、ドレインドライバ130により読み出された出力電圧Voutが、A/Dコンバータ140を介してデジタル信号に変換され、画像出力信号として入力される。コントローラ150は、この画像出力信号に対して、所定の画像処理を施したり、RAM160への書き込み、読み出しを行うとともに、画像データの照合や加工等の所定の処理を実行する外部機能部200に対するインタフェースとしての機能をも備えている。
【0053】
さらに、コントローラ150は、後述するように、被検出体の画像パターンを読み取る本来の読み取り動作に先立って、トップゲートドライバ110及びボトムゲートドライバ120に出力する制御信号φtg、φbgを設定制御することにより、フォトセンサアレイ100の各行のダブルゲート型フォトセンサ10から出力される画像出力信号を観測し、外光等の環境照度のみならず、被写体の個体差(個人差)や被写体画像に影響を及ぼす各種の外部環境等に対応して、被写体画像を最適に読み込むことができる画像読取感度、すなわち、ダブルゲート型フォトセンサ10の最適な光蓄積期間Taを設定する機能を有している。
【0054】
そして、外部機能部200は、2次元画像読取装置が適用される用途に応じて、例えば、2次元画像読取装置により取得された画像データに関する画像処理(照合や加工等)を実行する機能のほか、2次元画像読取装置(あるいは、コントローラ150)における動作状態や演算処理結果等をモニタ出力したり、該動作状態や演算処理等を規定するための各種パラメータ(光蓄積期間Taの初期値や、後述する割増率や平均比較値等)を入力設定するための入出力インターフェースとしての機能を備えている。
【0055】
ここで、上記の読取感度調整動作に関わる画像読み取り動作は、通常、正規の画像読み取り動作に先立って行われるものであるため、以降においては、便宜上、この動作を「事前読出動作」と記す。しかしながら、この動作は、必ず正規の画像取り込み動作に先立って行われると限るものではなく、正規の画像取り込み動作の直前とは異なる時点に、単独に動作されるものであってもよい。要するに、読取感度の設定が必要となった時点で実行されるものである。
【0056】
以下に、上述した2次元画像読取装置に適用されるコントローラの具体的にな構成及び動作について、図面を参照して、さらに詳しく説明する。
まず、コントローラの具体的な装置構成について説明する。
図8は、本発明に係る2次元画像読取装置に適用されるコントローラの第1の構成例を示すブロック図である。
【0057】
図8に示すように、本実施形態におけるコントローラ150は、トップゲートドライバ110やボトムゲートドライバ120、プリチャージスイッチ132における動作を制御するデバイスコントローラ151と、RAM160への画像データや書き込み、読み出し等、各種データを管理するデータコントローラ152と、これらのコントローラ151、152を統括し、かつ、外部機能部200とのインターフェースを担うメインコントローラ153と、を有している。
【0058】
また、コントローラ150は、フォトセンサアレイ100からA/Dコンバータ140を介してデジタル信号として入力される画像出力信号(画像データ)に基づいて、該画像出力信号に含まれる特定の測定量(例えば、明度データ)の大小関係を比較して最大値及び最小値を抽出するとともに、加算器155により算出されるダイナミックレンジ(測定量のデータ範囲)からの最大値となるダイナミックレンジを抽出するデータ比較器(測定量比較手段、読取感度抽出手段)154と、データ比較器154により抽出された測定量の最大値及び最小値の差分からダイナミックレンジを算出する加算器(データ範囲算出手段)155と、A/Dコンバータ140、データ比較器154、加算器155を介して処理された画像出力信号及び処理データを入力とし、これらのデータを必要に応じて、RAM160への書き込みや読み出し、あるいは、データ比較器154や加算器155への再入力、データコントローラ152を介しての外部機能部200への出力等を切換制御するデータセレクタ156と、上記データ比較器154、加算器155及びデータセレクタ156により抽出された最大値となるダイナミックレンジに対応する読取感度に対して、メインコントローラ(読取感度補正手段)153により後述する割増補正を実行する際に用いられる割増率が予め設定された割増設定レジスタ157と、上記割増補正された読取感度(最適読取感度)に基づいてデータコントローラ152から出力される制御信号に基づいて、デバイスコントローラ151からトップゲートドライバ110及びボトムゲートドライバ120に出力する制御信号φtg、φbgのタイミングを設定制御する感度設定レジスタ(読取感度設定手段)159と、を有している。
【0059】
次に、上述したコントローラの概略動作について、図面を参照して説明する。図9は、本実施形態に係る2次元画像読取装置の感度調整装置に適用されるコントローラにより実行される感度調整(設定)処理の一実施形態を示すフローチャートである。また、図10は、本実施形態に係る2次元画像読取装置を指紋読取装置に適用した場合にあって、感度調整処理に適用される事前読出動作において、フォトセンサアレイ(被写体画像)の各行毎に画像読取感度を段階的に変化させて読み込んだ場合の、指紋の画像データの例を示す図であり、図11は、事前読出動作により得られた各行毎の明度データの変化を示すグラフであり、図12は、事前読出動作により得られた各行毎の明度データのダイナミックレンジ(データ範囲)と、行番号−画像読取感度対応テーブルとの関係を示す図である。なお、ここでは、図7、図8に示した2次元画像読取装置の構成を適宜参照しながら説明する。また、明度データ及びそのダイナミックレンジ、光蓄積期間等の各種データについては、代表的な行として、80、104、128、152、176行目についてのみ示す。
【0060】
(手順S11)
図9に示すように、まず、メインコントローラ153は、被写体画像の正規の読み取り動作に先立って、事前読出動作を開始し、データコントローラ152を介して、感度設定レジスタ159に事前読出動作のための画像読取感度を設定するように制御し、被写体画像の事前読出を実行する。
【0061】
ここで、本実施形態に係る感度調整方法に適用される事前読出動作は、通常の画像読込動作と同様に、フォトセンサアレイを構成する各ダブルゲート型フォトセンサに対して、リセット動作→光蓄積動作→プリチャージ動作→読み出し動作の一連の処理を実行することにより行われる。このとき、例えば、図10に示すように、行数256、列数196のマトリクス状にダブルゲート型フォトセンサが配列されたフォトセンサアレイ100において、各行毎に、行番号が大きくなるほど画像読取感度が高くなるように、所定のタイミングでプリチャージ動作及び読み出し動作を繰り返し実行して光蓄積期間を段階的に変化させる。これにより、被写体画像の一回の読込動作により、行毎に異なる読取感度で読み取った画像データが取得される。この各行毎の画像読取感度は、行番号に対応付けて、例えば、テーブル形式(行番号−画像読取感度対応テーブル)でRAM160に記憶される。
【0062】
そのため、行番号が大きくなるほど、外光の影響を受けて指紋の凹凸パターンがかすれて(薄れて)、あるいは、見えなくなる程度に明るい画像として読み取られ(図10上方)、行番号が小さくなるほど、画像読取感度が低く(光蓄積期間が短く)なるように設定されているため、指紋の凹凸パターンが黒ずんで、あるいは、見えなくなる程度に暗い画像として読み取られる(図10下方)。
なお、事前読出動作における具体的な画像読取感度(光蓄積期間)の設定方法については後述する。
【0063】
(手順S12)
上述した事前読出動作により読み込まれた画像データは、ドレインドライバ130のアンプ133及びA/Dコンバータ140を介してデジタル信号に変換され、被写体画像の明暗パターンに対応した明度データ(特定の測定量)としてデータ比較器154に入力される。
【0064】
具体的には、図11に示すように、被写体画像における白と黒との間を、例えば、256階調に設定し、図10に示したようなフォトセンサアレイ100において、例えば、176行目、152行目、128行目、104行目、80行目の各行における列毎のドレイン電圧VDの電圧変化を、0〜255の明度データ値に変換してグラフ化すると、図11(a)に示すように、176行目では感度が高く設定されているため、明度データがほぼ上限(255)に収束してしまい、画像データとして情報が無いに等しい状態になっている。また、図11(b)に示すように、152行目では感度がやや高く設定されているため、一部の列で明度データが上限に到達して、画像データの凹凸パターン(明暗)を全て読み取ることができない。
【0065】
一方、図11(c)に示すように、128行目では全列において明度データが上限(255)又は下限(0)に到達することなく、上限と下限との間に分布している。さらに、図11(d)に示すように、104行目では感度がやや低く設定されているため、明度データは上限と下限との間に分布しているが、一部の列で明度データが下限に到達して画像データの凹凸パターンを全て読み取ることができない。また、図11(e)に示すように、80行目では感度が低く設定されているため、明度データがほぼ下限に収束してしまい、画像データとして情報が無いに等しい状態になっている。
【0066】
(手順S13/手順S14)
そして、図12(a)に示すように、データ比較器154に入力された明度データから、各行毎に最大値を示す明度データ(最も明るい階調画素)、及び、最小値を示す明度データ(最も暗い階調画素)が抽出されて加算器155に出力される。
次いで、加算器155は、各行毎の明度データの最大値及び最小値の差分を演算して、各行毎のダイナミックレンジ(データ範囲)を算出してデータセレクタ156を介してRAM160に記憶する。このようなダイナミックレンジの算出処理を全ての行について実行する。
【0067】
(手順S15)
そして、RAM160に記憶された各行毎のダイナミックレンジをデータセレクタ156を介して読み出し、データ比較器154に入力し、各行毎のダイナミックレンジのうち、最大値を有する行番号を抽出する。
すなわち、図11(a)〜(e)に示した各行毎の明度データの分布変化に基づいて、最大値及び最小値を数値データとして抽出し、その差分からダイナミックレンジ(データ範囲)を演算すると、図12(a)に示すように、176行目及び152行目においては、明度データが上限に到達して最大値が255に固定されているため、データ範囲は最小値に依存することになり、104行目及び80行目においては、明度データが下限に到達して最小値が0に固定されているため、データ範囲は最大値に依存することになる。
【0068】
これに対して、128行目の明度データにおいては、上限、下限のいずれにも到達していないので、ダイナミックレンジは明度データの最大値及び最小値の差分に依存することになり、176行目、152行目、104行目、80行目に比較して、大きなデータ範囲が得られる。すなわち、128行目の明度データは、指紋の凹凸パターンに対応した良好なコントラストを有する画像データであり、最適な画像読取感度が設定されていると判断することができる。
【0069】
(手順S16)
次いで、図12(b)に示すように、最大値となるダイナミックレンジの行番号(128行目)に基づいて、RAM160に記憶された行番号−画像読取感度対応テーブルを参照して、128行に設定されている画像読取感度、すなわち、ダブルゲート型フォトセンサの光蓄積期間T128が抽出される。
(手順S17)
次いで、メインコントローラ153は、抽出された画像読取感度(光蓄積期間)を感度設定レジスタ159に設定する動作に先立ち、割増設定レジスタ157に予め設定されている所定の割増率に基づいて、上記画像読取感度を補正する処理を実行するように、データコントローラ152を制御する。
【0070】
具体的には、上述したように、最大ダイナミックレンジとなる128行目に設定されている画像読取感度が、例えば、光蓄積期間T128=91.2msであり、また、割増設定レジスタ157に予め設定された割増率が32%である場合、感度設定レジスタ159の書き換えに用いられる光蓄積期間は、次式(2)のように、32%割増処理された数値となる。
91.2×(1+0.32)≒120ms ・・・(2)
【0071】
この割増補正処理により、上記手順S16において抽出された最大のダイナミックレンジを示す行の画像読取感度が1.32倍に高くなるように設定される。すなわち、光蓄積期間は1.32倍の時間に延長されることになり、各ダブルゲート型フォトセンサに入射する励起光(可視光)の光量が多くなるように設定される。なお、ここで示した概ね32%の割増率は、本発明の発明者による各種実験の結果、本実施形態に係る感度調整装置及び感度調整方法において、後述するような角質化した指を被写体とする場合であっても、比較的良好に指紋を読み取ることができる画像読取感度に補正することができることが判明した数値である。
【0072】
(手順S18)
そして、データコントローラ152により感度設定レジスタ159を書き換え制御して、上記補正された画像読取感度(光蓄積期間)を設定することにより、事前読出動作に基づく感度調整処理を終了する。この後、上述した事前読出動作及び読取感度調整動作により決定された最適な画像読取感度(光蓄積時間)に基づいて、被写体画像の正規の画像読み取り動作が実行される。
【0073】
次に、上述した2次元画像読取装置の感度調整装置及び感度調整方法を指紋読取装置に適用した場合における指紋の読取画像及び読取感度の具体例について、図面を参照して説明する。ここでは、本実施形態に係る感度調整方法の割増補正処理の有効性を示すために、割増補正処理を行わない場合とを比較して説明する。
【0074】
図13は、上述した感度調整方法において、割増補正処理を行わない画像読取感度に基づいて、正規の画像読み取り動作を行った場合の指紋の読取画像と、該画像読取感度の各列の明度データを示すグラフであり、図14は、上述した感度調整方法において、割増補正処理を行った画像読取感度に基づいて、正規の画像読み取り動作を行った場合の指紋の読取画像と、該画像読取感度の各列の明度データを示すグラフである。ここで、図13(a)、図14(a)は、各々所定の画像読取感度に基づいて、読み取り動作を実行した場合の概略的な被写体画像であって、指紋の隆線(凸部領域)は、白く(又は、白っぽく)表示され、谷線(凹部領域)は黒く(又は、黒っぽく)表示されている。
【0075】
まず、上述した感度調整方法において、割増補正処理を行わなかった場合について説明する。
従来技術において記載したように、2次元画像読取装置を指紋読取装置等に適用した場合にあっては、被写体となる指の皮膚表層の状態に応じて、適切な読取感度が設定されないことがある。すなわち、指の皮膚表層は角質化することが多く、このような場合、指紋の隆線部分から反射する光量が多くなって、局所的に輝度(明度データ)が高く観測されることになる。これにより、角質化していない正常(適正)な指紋を読み取った場合に比較して、光蓄積時間がより短い画像読取感度において、相対的に大きなダイナミックレンジが得られることになり、本来の最適な画像読取感度よりも明るい画像に対応した画像読取感度(本来の最適な光蓄積期間よりも短い光蓄積時間)が設定されることになる。
【0076】
したがって、この画像読取感度に基づいて、正規の指紋読み取り動作を実行すると、本来の最適な光蓄積期間よりも短い光蓄積時間に設定されているため、図13(a)に示すように、被写体画像が暗い画像として読み取られ、隆線部分が途切れがちな画像が得られる。ここで、この被写体画像について任意の行(例えば、81行目)の明度データの分布特性を検討すると、図13(b)に示すように、大きなダイナミックレンジを示す明度データ分布を示すが、これは、角質化した隆線部分の影響で明度データの最大値が突出して高く現れる画素(列)が存在することによるものであり、指紋本来の画像パターン(凹凸パターン)に良好に対応したものではないことが判明した。そのため、指紋の良好な読み取り動作が行われなくなり、例えば、外部機能部200における指紋照合処理の精度が低下する問題を有している。
【0077】
これに対して、本実施形態に係る2次元画像読取装置の感度調整装置及びその感度調整方法においては、上述したような皮膚表層が角質化した指に対して事前読出動作及び読取感度調整動作を行うことにより得られるダイナミックレンジが最大となる画像読取感度(光蓄積期間)に対して、予め設定された所定の割増率(例えば、30%程度)に基づく補正処理を実行することにより、上記図13に示した場合に比較して、より暗い画像に対応した画像読取感度(より長い光蓄積時間)が設定されることになる。これにより、本来の最適な画像読取感度(本来の最適な光蓄積期間)により近似した画像読取感度が設定される。
【0078】
したがって、この画像読取感度に基づいて、正規の指紋読み取り動作を実行すると、図14(a)に示すように、被写体画像が適正な明るさの画像として読み取られ、隆線部分の途切れがほとんどない良好な画像が得られる。ここで、この被写体画像について任意の行(例えば、81行目)の明度データの分布特性を検討すると、図14(b)に示すように、比較的大きなダイナミックレンジを示す明度データ分布を示すとともに、皮膚表層の角質化の影響による明度データの突出は最大値及び最小値のいずれにおいても観測されず、指紋本来の画像パターンに良好に対応した安定した画像が得られていることが判明した。そのため、外部機能部200における指紋照合処理を高い精度で実行することができる。
【0079】
すなわち、本実施形態に係る感度調整装置及び感度調整方法によれば、正規の画像読み取り動作に先立って、実際の被写体を用いて各行毎に画像読取感度を段階的に変化させて事前読出動作を行い、各行毎の明度データのダイナミックレンジに基づいて、最適な画像読取状態にある行を簡易に判別して当該行に設定された画像読取感度(光蓄積期間)を抽出し、所定の割増率に基づく補正処理を実行して最適な画像読取感度として設定することができるので、環境照度の変化により被写体の明るさが変化するような場合や、被写体の個体差(性別や年齢等の個人差)や外部環境(温度や湿度等)による変動要因や変動傾向が存在する場合であっても、感度調整処理を簡易な方法により一義的に実行して、外光等の環境照度や皮膚表層の角質化等の影響を大幅に抑制して最適な画像読取感度を設定することができ、正規の画像読み取り動作において被写体画像を良好に読み取ることができる。
【0080】
なお、本実施形態においては、感度調整処理の具体例として、図11に176行目、152行目、128行目、104行目、80行目のみを代表行として示したが、この場合、感度調整処理をフォトセンサアレイ100を構成する256行全てについて同等の処理を実行しても良いし、図11に示したように、特定の行(図11においては、24行間隔で抽出)について上記処理を実行するものであってもよい。
【0081】
ここで、全ての行について感度調整処理を実行する場合にあっては、各行毎に設定された画像読取感度の中から、より最適な画像読取感度を抽出して、設定することができる。一方、特定の行に対してのみ感度調整処理を実行する場合にあっては、一連の処理動作の対象となるデータ数を大幅に削減してコントローラ150における処理負担を軽減して、処理時間の短縮を図ることができ、迅速に正規の被写体画像の読み取り動作に移行することができる。
【0082】
次に、本実施形態に係る2次元画像読取装置の感度調整装置及びその感度調整方法の変形例について説明する。
上述した実施形態においては、事前読出動作により取得した各行毎の明度データのうち、ダイナミックレンジが最大となる行に設定された画像読取感度(光蓄積期間)に対して、割増設定レジスタ157に予め設定された一定の割増率に基づいて、一律に割増補正処理を実行する手法について示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例として、例えば、割増設定レジスタ157に設定される割増率を2次元画像読取装置(又は、コントローラ150)の外部からの入力操作により、任意に設定できるようにしてもよい。
【0083】
すなわち、例えば、外部機能部200に備えられた入出力インターフェース機器(図示を省略)を操作することにより、任意の割増率を数値データとして入力して、割増設定レジスタ157を書き換え制御する。ここで、割増設定レジスタ157の数値が任意に書き換え制御される具体的な事例としては、被写体が限定されている場合やある程度特定されている場合、例えば、上述したように、2次元画像読取装置を指紋読取装置に適用した構成においては、被写体となる個体(個人)の年齢や性別、気温や湿度等の外部環境が予め把握できている場合には、そのような変動要因や変動傾向に応じた適切な割増率がその都度、あるいは、予め入力設定される。
これにより、個体差や外部環境による影響を抑制しつつ、より最適な画像読取感度を設定することができ、被写体画像を良好に読み取ることができる。
【0084】
<第2の実施形態>
次に、本発明に係る2次元画像読取装置の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。
図15は、本発明に係る2次元画像読取装置に適用されるコントローラの第2の構成例を示すブロック図である。ここで、上述した第1の実施形態(図8)と同等の構成については、同一の符号を付して、その説明を簡略化又は省略する。
【0085】
本実施形態においては、上述した第1の実施形態に係る感度調整方法において、事前読出動作により得られた明度データの分布のうち、最大値となるダイナミックレンジを有する行の画像読取感度(光蓄積期間)を抽出した後、該画像読取感度に対して割増補正処理を実行するか否かを判別することにより、より最適な画像読取感度を設定するように構成されている。
【0086】
具体的には、図15に示すように、本実施形態におけるコントローラ(感度調整装置)150は、上述した第1の実施形態(図8)と同様の構成を有するデバイスコントローラ151、データコントローラ152、メインコントローラ153、データ比較器154、加算器155、データセレクタ156、割増設定レジスタ157、感度設定レジスタ159に加え、上記データ比較器154、加算器155及びデータセレクタ156により抽出された最大値となるダイナミックレンジに対応する読取感度に対して、メインコントローラ(読取感度補正手段)153により割増補正を実行するか否かを判断するための基準値となる平均比較値を保持する平均比較値レジスタ158を有している。ここで、本実施形態においては、平均比較値レジスタ158に保持される平均比較値は、被写体画像の事前読出動作により得られる明度データ分布のうち、最大値となるダイナミックレンジに基づいて一義的に設定される。
【0087】
次に、上述したコントローラの概略動作について、図面を参照して説明する。
図16は、本実施形態に係る2次元画像読取装置の感度調整装置に適用されるコントローラにより実行される感度調整(設定)処理の一実施形態を示すフローチャートである。なお、上述した第1の実施形態(図9)と同等の処理手順については、その説明を簡略化又は省略する。
【0088】
(手順S21〜S26)
図16に示すように、まず、上述した第1の実施形態における手順S11〜S16と同様に、正規の読み取り動作に先立って、各行毎に異なる画像読取感度を設定して被写体画像の事前読出を実行し、被写体画像の明暗パターンに対応した明度データ分布を得る。そして、この明度データ分布から、各行毎に最大値及び最小値を示す明度データを抽出して、該最大値及び最小値の差分を演算して、各行毎のダイナミックレンジを算出してRAM160に記憶する。さらに、RAM160に記憶された各行毎のダイナミックレンジのうち、最大値を有する行番号を抽出し、RAM160に記憶された行番号−画像読取感度対応テーブルを参照して、該行番号に設定されている画像読取感度(光蓄積期間)が抽出される。
【0089】
(手順S27/S28)
次いで、メインコントローラ153は、最大値となるダイナミックレンジを有する行(すなわち、手順S26において、画像読取感度が抽出された行番号)の明度データ(測定データ)について、その平均値を算出するとともに、そのダイナミックレンジ(最大値)の中間値を算出するように、データコントローラ152を制御する。算出された明度データの平均値は、例えば、データセレクタ156を介してRAM160に一旦記憶され、ダイナミックレンジの中間値(平均比較値)は、データセレクタ156及びデータコントローラ152を介して平均比較値レジスタ158に保持される。
【0090】
(手順S29)
次いで、メインコントローラ153は、手順S27において算出され、RAM160に記憶された明度データの平均値、及び、手順S28において算出され、平均比較値レジスタ158に保持された最大値となるダイナミックレンジの中間値との大小関係を比較する処理を実行するように、データコントローラ152を制御する。
【0091】
ここで、図13(a)、(b)に示したように、角質化した指を被写体として読み取った場合においては、明度データ分布に角質化した隆線部分の影響で明度データの最大値が局所的に突出して高く現れる傾向があることから、角質化の影響を受けてダイナミックレンジの最大値と判定された行における、本来の明度データは総じて小さい明度データの集まりであると断定することができる。このことから、最大値となるダイナミックレンジを有する行であっても、その明度データの平均値が小さい場合には、角質化の影響を受けた行であって、本来、最大値となるダイナミックレンジを有する行として抽出されるべきではない不適切な行であると断定することができる。
【0092】
したがって、上述したように、最大値となるダイナミックレンジを有する行における明度データの平均値と、該ダイナミックレンジの中間値とを比較することにより、あるいは、該行における明度データの総加算値と、ダイナミックレンジの中間値を列数倍した乗算値とを比較することにより、明度データの平均値(又は、明度データの総加算値)が、ダイナミックレンジの中間値(又は、中間値を列数倍した乗算値)よりも小さい場合には、不適切な明度データ分布を有する行であり、大きい場合には、適切な明度データ分布を有する行であると判定することができる。
このことに基づいて、手順S29における比較処理の結果、以下のような処理動作を実行する。
【0093】
(手順S30/S31)
メインコントローラ153は、上記手順S29において、最大値となるダイナミックレンジを有する行における明度データの平均値が、該ダイナミックレンジの中間値よりも小さい場合には、抽出された上記ダイナミックレンジが不適切なものであると判断して、割増設定レジスタ157に予め設定された、あるいは、外部機能部200等を介して任意に入力設定された所定の割増率に基づいて、上記ダイナミックレンジを有する行について参照、抽出された画像読取感度を割増補正する処理を実行するように、データコントローラ152を制御する。
【0094】
この割増補正処理により、上記手順S26において抽出された最大値となるダイナミックレンジを有する行の画像読取感度が割増率分だけ高くなるように設定される。すなわち、光蓄積期間が割増率に相当する時間分だけ延長されることになる。
そして、データコントローラ152により感度設定レジスタ159を書き換え制御して、上記補正された画像読取感度(光蓄積期間)を設定する。
【0095】
(手順S32)
一方、上記手順S29において、最大値となるダイナミックレンジを有する行における明度データの平均値が、該ダイナミックレンジの中間値よりも大きい場合には、抽出された上記ダイナミックレンジが適切なものであると判断して、上記割増補正を行うことなく、データコントローラ152により感度設定レジスタ159を書き換え制御して、上記手順S26において抽出された画像読取感度(光蓄積期間)を設定する。
【0096】
したがって、上述したような2次元画像読取装置の感度調整装置及び感度調整方法によれば、正規の画像読み取り動作に先立って実行する事前読出動作により得られる各行毎の明度データのダイナミックレンジに基づいて、最適な画像読取感度(光蓄積期間)を設定する読取感度調整動作において、最大値となるダイナミックレンジを有する行の明度データが、指の角質化等(被写体の個体差や外部環境等の変動要因の変動傾向)の影響を受けた不適切なものであるか否かに応じて、抽出された画像読取感度に対して割増補正処理を実行するか否かを判定することができるので、不適切な画像読取感度に対してのみ、補正処理を実行して適切な画像読取感度を設定することができる。
【0097】
次に、本実施形態に係る2次元画像読取装置の感度調整装置及びその感度調整方法の変形例について説明する。
上述した実施形態においては、事前読出動作により取得した各行毎の明度データのうち、最大値となるダイナミックレンジを有する行について参照、抽出された画像読取感度に対して、所定の割増率に基づく割増補正を実行するか否かの判断に際し、該行の明度データの平均値に対する比較対照として、該ダイナミックレンジの中間値を一義的に設定する場合について示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例として、例えば、上記該ダイナミックレンジの中間値を初期値(基準値)として、平均比較値レジスタ158に設定される平均比較値を2次元画像読取装置(又は、コントローラ150)の外部からの入力操作により、任意に変更設定できるようにしてもよい。
【0098】
すなわち、上述した第1の実施形態に示したような割増設定レジスタ157の場合と同様に、例えば、外部機能部200に備えられた入出力インターフェース機器(図示を省略)を操作することにより、任意の平均比較値を数値データとして入力して、平均比較値レジスタ158を書き換え制御する。ここで、平均比較値レジスタ158の数値が任意に書き換え制御される具体的な事例としては、例えば、外部機能部200において実行される指紋照合処理において、該処理が指紋の画像パターンのうち、隆線部分(例えば、図13(a)、図14(a)において、白く観測される部分)を基準として実行されるような場合には、平均比較値レジスタ158に保持される平均比較値を比較的大きな数値に設定して、上述した割増補正処理が実行されやすい状態に設定する。
【0099】
また、他の事例としては、湿度等の外部環境をセンサー等により予め把握できる構成にあっては、湿度が低い場合には、平均比較値レジスタ158に保持される平均比較値を比較的大きな数値に設定して、上述した割増補正処理が実行されやすい状態に設定する。さらに、他の事例としては、IDカード等により被写体となる個体(個人)の特徴を予め把握できる構成にあっては、指紋照合処理による認証確率の低い特徴を有する個体の場合には、平均比較値レジスタ158に保持される平均比較値を比較的大きな数値に設定して、上述した割増補正処理が実行されやすい状態に設定する。
これにより、個体差や外部環境による影響を抑制しつつ、より最適な画像読取感度を設定することができ、被写体画像を良好に読み取ることができる。
【0100】
次いで、上述した各実施形態の事前読出動作に適用することができる画像読取感度(光蓄積期間)の設定方法について、図面を参照して説明する。
図17は、本発明に係る感度調整処理に良好に適用することができる画像読取感度(光蓄積期間)の設定方法の一実施例を示すタイミングチャートである。ここでは、図5、図7に示したフォトセンサシステムの構成を適宜参照しながら説明する。
【0101】
図17に示すように、本実施例に係る画像読取感度の設定方法は、まず、ダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート端子TGを行方向に接続するトップゲートライン101の各々に対して、同時にリセットパルスφT1、φT2、…φTnを印加してリセット期間Trstを同時にスタートし、各行毎のダブルゲート型フォトセンサ10を初期化する。
【0102】
次いで、リセットパルスφT1、φT2、…φTnが同時に立ち下がり、リセット期間Trstが終了することにより、全ての行におけるダブルゲート型フォトセンサ10の光蓄積期間T1、T2、…Tn-1、Tnが一斉にスタートして、各行毎のダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート電極側から入射される光量に応じてチャネル領域に電荷(正孔)が発生し、蓄積される。
【0103】
ここで、各行毎に設定される光蓄積期間T1、T2、…Tn-1、Tnは、図17に示すように、各行毎に所定の遅れ時間Tdelay分ずつ段階的に変化させるように、プリチャージ信号φpg及び読み出しパルスφB1、φB2、…φBnを印加する。
したがって、上述した各実施形態に示したような感度調整処理に先立って行う事前読出動作において、被写体画像を構成する各行毎に異なる読取感度(すなわち、行数分の異なる読取感度)で読み取られた画像データを、1回の被写体画像(一画面)の読み込みにより取得することができる。
【0104】
図18は、本発明に係る感度調整処理に良好に適用することができる画像読取感度(光蓄積期間)の設定方法の他の実施例を示すタイミングチャートである。ここでは、図5、図7に示したフォトセンサシステムの構成を適宜参照しながら説明する。
図18に示すように、本実施例に係る画像読取感度の設定方法は、まず、ダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート端子TGを行方向に接続するトップゲートライン101の各々に対して、所定の遅れ時間Tdelayの時間間隔で順次リセットパルスφT1、φT2、…φTnを印加してリセット期間Trstをスタートし、各行毎のダブルゲート型フォトセンサ10を初期化する。
次いで、リセットパルスφT1、φT2、…φTnが立ち下がり、リセット期間Trstが終了することにより、光蓄積期間TA1、TA2、…TAn-1、TAnが順次スタートして、各行毎にダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート電極側から入射される光量に応じてチャネル領域に電荷(正孔)が発生し、蓄積される。
【0105】
ここで、各行毎に設定される光蓄積期間TA1、TA2、…TAn-1、TAnは、図14に示すように、最後のリセットパルスφTnが立ち下がった後、各行毎に所定の遅れ時間Tdelay分ずつ段階的に変化させるように、プリチャージ信号φpg及び読み出しパルスφBn、φBn−1、…φB2、φB1を印加する。
したがって、このような事前読出動作により、各行毎に設定される光蓄積期間TA1、TA2、…TAn-1、TAn相互が所定の遅れ時間Tdelayの2倍の時間間隔で増加するので、一画面の読み込み動作により行数分以上の感度調整幅で設定された読取感度で読み取られた画像データを取得することができる。
【0106】
なお、本発明に係る感度調整処理に適用される画像読取感度(光蓄積期間)の設定方法は、上述した各実施例に限定されるものではなく、被写体画像を異なる読取感度で画像データを取得できるものであれば、例えば、リセット動作→光蓄積動作→プリチャージ動作→読み出し動作の一連の処理サイクルを読取感度を順次変更して複数回シリアルに繰り返して、異なる読取感度による画像データを取得するものでもあってもよいし、さらに他の方法であってもよいことはいうまでもない。
【0107】
ところで、上述した各実施形態及び各実施例においては、フォトセンサアレイを構成するフォトセンサとして、ダブルゲート型フォトセンサを適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。要するに、フォトセンサアレイを構成するフォトセンサにおいて、画像読み取り動作に先立って読取感度調整動作を行う構成を有しているものであれば、本発明に係る2次元画像読取装置の感度調整装置の構成及び感度調整方法を良好に適用することができる。
【0108】
【発明の効果】
請求項1又は記載の発明によれば、フォトセンサを2次元配列して構成されるフォトセンサアレイを備えたフォトセンサシステムにおいて、画像読取感度を複数段階に変えて指の表面を読み取り、読み取った結果による指紋画像に基づいて画像読取感度毎に指紋画像の画像パターンに関連する特定の測定量の最大値及び最小値を抽出して測定量の最大値と最小値の差分に応じた測定量のデータ範囲を算出し、測定量のデータ範囲のうち最大のデータ範囲を有する画像読取感度を標準画像読取感度として抽出し、抽出した標準画像読取感度における測定量の平均値と所定の基準値とを比較し、平均値が基準値より小さいとき、この標準画像読取感度の値を、皮膚表層が角質化した指に対応して予め設定された所定の割増率に応じた分だけ増加させるように補正した値を指紋画像の正規の読み取り動作における画像読取感度として設定する構成を備えることにより、環境照度や指紋の個体差、外部環境等による変動要因や変動傾向の影響を大幅に抑制して、最適な画像読取感度を設定して、指紋画像を良好に読み取ることができる。
【0110】
請求項2記載の発明によれば、指紋画像の読み取り動作は、指紋画像の各行毎に段階的に異なる画像読取感度を、フォトセンサアレイに設定して実行されるので、指紋画像を構成する各行毎に異なる読取感度で読み取られた画像データを、1回の指紋画像(一画面)の読み込みにより取得することができ、感度調整処理に要する所要時間を短縮して、適正な画像読取感度を設定することができる。
【0111】
請求項3記載の発明によれば、特定の測定量として、指紋画像の画像パターンに対応した明度データを測定して感度調整処理を行っているので、明度データの最大データ範囲(最大値となるダイナミックレンジ)を算出することにより、指紋画像の明暗パターン(凹凸パターン)が良好に得られている画像読取感度を適切に抽出することができ、最適な画像読取感度を簡易に設定することができる。
【0112】
請求項4記載の発明によれば、フォトセンサアレイの画像読取感度は、フォトセンサにおける光蓄積期間を調整することにより設定制御されるので、画像読取感度を段階的に変化させて指紋画像の読み取り動作を行い、各画像読取感度毎の測定量のデータ範囲に基づいて抽出された最適な画像読取感度を、フォトセンサに設定する光蓄積期間の時間要素(パルスタイミング)のみで、簡易に設定制御することができ、環境照度等の影響を抑制して、指紋画像の正規の読み取り動作を良好に実行することができる。
【0113】
請求項5記載の発明によれば、指紋画像の読み取り動作により得られる測定量のデータ範囲に基づいて抽出された所定の画像読取感度に対して、補正処理を行う際に用いる割増率を、2次元画像読取装置の外部から任意に設定することができるので、指紋の個体差や外部環境等による変動要因や変動傾向が把握できる場合には、該変動に応じた適切な割増率をその都度、入力設定することができ、より最適な画像読取感度を設定することができる。
【0115】
請求項記載の発明によれば、指紋画像の読み取り動作により得られる測定量のデータ範囲に基づいて抽出された所定の画像読取感度に対して、補正処理を実行するか否かを判断する際に用いる基準値として、上記抽出された所定の画像読取感度における測定量のデータ範囲の中間値を用いることにより、実際の指紋の個体差や外部環境等の変動要因や変動傾向に応じた適切な基準値が一義的に設定されるので、不適切な画像読取感度に対してのみ、補正処理を実行して適切な画像読取感度を設定することができる。
【0116】
請求項記載の発明によれば、指紋画像の読み取り動作により得られる測定量のデータ範囲に基づいて抽出された所定の画像読取感度に対して、補正処理を実行するか否かを判断する際に用いる基準値を、2次元画像読取装置の外部から任意に設定することができるので、指紋の個体差や外部環境等による変動要因や変動傾向が把握できる場合には、該変動に応じた適切な基準値をその都度、入力設定することができ、補正処理が必要な不適切な画像読取感度に対してのみ、補正処理を実行して適切な画像読取感度を設定することができる。
【0117】
請求項記載の発明によれば、上記フォトセンサは、半導体層からなるチャネル領域を挟んで形成されたソース電極及びドレイン電極と、少なくとも前記チャネル領域の上方及び下方に各々絶縁膜を介して形成された第1のゲート電極(トップゲート電極)及び第2のゲート電極(ボトムゲート電極)とを有し、第1のゲート電極又は第2のゲート電極のいずれか一方を光照射側として、該光照射側から照射された光の量に対応する電荷が上記チャネル領域に発生、蓄積される、いわゆる、ダブルゲート型フォトセンサにより構成されているので、フォトセンサアレイを構成するフォトセンサを薄型化して、フォトセンサシステムが適用される2次元画像読取装置を小型化することができるとともに、読取画素を高密度化して指紋画像を高精細で読み取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像読取装置に適用されるダブルゲート型フォトセンサの概略構成を示す構成断面図である。
【図2】ダブルゲート型フォトセンサの基本的な駆動制御方法の一例を示すタイミングチャートである。
【図3】ダブルゲート型フォトセンサの動作概念図である。
【図4】ダブルゲート型フォトセンサの出力電圧の光応答特性を示す図である。
【図5】ダブルゲート型フォトセンサを2次元配列して構成されるフォトセンサアレイを備えたフォトセンサシステムの概略構成図である。
【図6】フォトセンサシステムの駆動制御方法の一例を示すタイミングチャートである。
【図7】本発明に係る2次元画像読取装置の第1の実施形態の全体構成を示すブロック図である。
【図8】本発明に係る2次元画像読取装置に適用されるコントローラの第1の構成例を示すブロック図である。
【図9】第1の実施形態に係る2次元画像読取装置における感度調整処理の一実施形態を示すフローチャートである。
【図10】第1の実施形態に係る2次元画像読取装置における事前読出動作により得られた指紋の画像データの例を示す図である。
【図11】第1の実施形態に係る2次元画像読取装置における事前読出動作により得られた各行毎の明度データの変化を示すグラフである。
【図12】第1の実施形態に係る2次元画像読取装置における事前読出動作により得られた各行毎の明度データのダイナミックレンジと、行番号−画像読取感度対応テーブルとの関係を示す図である。
【図13】補正処理を行わない画像読取感度に基づいて、正規の画像読み取り動作を行った場合の指紋の読取画像と、該画像読取感度の各列の明度データを示すグラフである。
【図14】第1の実施形態に係る2次元画像読取装置における割増補正処理を行った画像読取感度に基づいて、正規の画像読み取り動作を行った場合の指紋の読取画像と、該画像読取感度の各列の明度データを示すグラフである。
【図15】本発明に係る2次元画像読取装置に適用されるコントローラの第2の構成例を示すブロック図である。
【図16】第2の実施形態に係る2次元画像読取装置における感度調整処理の一実施形態を示すフローチャートである。
【図17】本発明に係る感度調整処理に良好に適用することができる画像読取感度の設定方法の一実施例を示すタイミングチャートである。
【図18】本発明に係る感度調整処理に良好に適用することができる画像読取感度の設定方法の他の実施例を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
100 フォトセンサアレイ
110 トップゲートドライバ
120 ボトムゲートドライバ
130 ドレインドライバ
150 コントローラ
151 デバイスコントローラ
152 データコントローラ
153 メインコントローラ
154 データ比較器
155 加算器
156 データセレクタ
157 割増設定レジスタ
158 平均比較値レジスタ
159 感度設定レジスタ
160 RAM
200 外部機能部

Claims (9)

  1. フォトセンサを2次元配列して構成されるフォトセンサアレイを備えた2次元画像読取装置において、
    前記フォトセンサアレイの画像読取感度を複数段階に変えて指の表面を読み取り、読み取った結果による指紋画像に基づいて前記画像読取感度毎に前記指紋画像の画像パターンに関連する特定の測定量の最大値及び最小値を抽出する測定量比較手段と、
    前記画像読取感度毎に抽出された前記測定量の最大値と最小値の差分に応じた前記測定量のデータ範囲を算出するデータ範囲算出手段と、
    前記画像読取感度毎の前記測定量のデータ範囲のうち最大のデータ範囲を有する前記画像読取感度を抽出する手段と、
    を有して、抽出された前記画像読取感度を標準画像読取感度とする標準読取感度抽出手段と、
    抽出された前記標準画像読取感度における前記測定量の平均値と所定の基準値とを比較し、前記平均値が前記基準値より小さいとき、前記標準画像読取感度の値を、皮膚表層が角質化した指に対応して予め設定された所定の割増率に応じた分だけ増加させるように補正する読取感度補正手段と、
    前記補正された前記標準画像読取感度を、指紋画像の正規の読み取り動作における画像読取感度として設定する読取感度設定手段と、
    を有することを特徴とする2次元画像読取装置の感度調整装置。
  2. 前記指紋画像の読み取り動作は、前記指紋画像の各行毎に段階的に異なる画像読取感度を、前記フォトセンサアレイに設定して実行されることを特徴とする請求項1記載の2次元画像読取装置の感度調整装置。
  3. 前記特定の測定量は、前記指紋画像の画像パターンに対応した明度データであることを特徴とする請求項1又は2記載の2次元画像読取装置の感度調整装置。
  4. 前記フォトセンサアレイの画像読取感度は、前記フォトセンサにおける光蓄積期間を調整することにより設定制御されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の2次元画像読取装置の感度調整装置。
  5. 前記割増率は、前記2次元画像読取装置の外部から任意に設定されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の2次元画像読取装置の感度調整装置。
  6. 前記基準値は、前記抽出された前記画像読取感度における前記測定量のデータ範囲の中間値であることを特徴とする請求項記載の2次元画像読取装置の感度調整装置。
  7. 前記基準値は、前記2次元画像読取装置の外部から任意に設定されることを特徴とする請求項記載の2次元画像読取装置の感度調整装置。
  8. 前記フォトセンサは、半導体層からなるチャネル領域を挟んで形成されたソース電極及びドレイン電極と、少なくとも前記チャネル領域の上方及び下方に各々絶縁膜を介して形成された第1のゲート電極及び第2のゲート電極とを有し、前記第1のゲート電極又は前記第2のゲート電極のいずれか一方を光照射側として、該光照射側から照射された光の量に対応する電荷が前記チャネル領域に発生、蓄積される構成を有していることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の2次元画像読取装置の感度調整装置。
  9. フォトセンサを2次元配列して構成されるフォトセンサアレイを備えた2次元画像読取装置の感度調整方法において、
    前記フォトセンサアレイの画像読取感度を複数段階に変えて指の表面を読み取り、読み取った結果による指紋画像に基づいて、前記画像読取感度毎に、前記指紋画像の画像パターンに関連する特定の測定量の最大値及び最小値を抽出して、該測定量のデータ範囲を算出する手順と、
    前記画像読取感度毎に算出された前記測定量のデータ範囲のうち、最大のデータ範囲を有する前記画像読取感度を標準画像読取感度として抽出する手順と、
    抽出した前記標準画像読取感度における前記測定量の平均値と所定の基準値とを比較し、前記平均値が前記基準値より小さいとき、前記標準画像読取感度の値を、皮膚表層が角質化した指に対応して予め設定された所定の割増率に応じた分だけ増加させるように補正する手順と、
    前記補正された前記標準画像読取感度を、指紋画像の正規の読み取り動作における画像読取感度として設定する手順と、
    を有していることを特徴とする2次元画像読取装置の感度調整方法。
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