JP3922509B2 - フォトセンサシステム及びその感度設定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォトセンサシステム及びその感度設定方法に関し、特に、いわゆる、ダブルゲート構造を有する薄膜トランジスタによるフォトセンサを2次元配列して構成されるフォトセンサアレイを備えたフォトセンサシステム及びその感度設定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、印刷物や写真、あるいは、指紋等の微細な凹凸の形状等を読み取る2次元画像の読取装置として、光電変換素子(フォトセンサ)をマトリクス状に配列して構成されるフォトセンサアレイを有する構造のものがある。このようなフォトセンサアレイとして、一般に、CCD(Charge Coupled Device)等の固体撮像デバイスが用いられている。
CCDは、周知の通り、フォトダイオードや薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)等のフォトセンサをマトリクス状に配列した構成を有し、各フォトセンサの受光部に照射された光量に対応して発生する電子−正孔対の電荷量を、水平走査回路及び垂直走査回路により検出し、照射光の輝度を検知している。
【0003】
このようなCCDを用いたフォトセンサシステムにおいては、走査された各フォトセンサを選択状態にするための選択トランジスタを個別に設ける必要があるため、画素数が増大するにしたがって、システム自体が大型化するという問題を有している。
そこで、近年、このような問題を解決するための構成として、フォトセンサ自体にフォトセンス機能と選択トランジスタ機能とを持たせた、いわゆる、ダブルゲート構造を有する薄膜トランジスタ(以下、ダブルゲート型フォトセンサという)をフォトセンサシステムに適用して、システムの小型化、及び、画素の高密度化を図る試みがなされている。
【0004】
このようなフォトセンサシステムは、概略、ガラス基板の一面側にトップゲート電極及びボトムゲート電極を備えたダブルゲート型フォトセンサをマトリクス状に形成して、フォトセンサアレイを構成し、例えば、ガラス基板の背面側に設けられた光源から照射光を照射して、フォトセンサアレイの上方に載置された指紋等の2次元画像の画像パターンに応じた反射光を、ダブルゲート型フォトセンサにより明暗情報として検出し、2次元画像を読み取るものである。
ここで、フォトセンサアレイによる画像の読み取り動作は、リセットパルスの印加による初期化終了時から読み出しパルスが印加されるまでの光蓄積期間において、各ダブルゲート型フォトセンサ毎に蓄積されるキャリヤ(正孔)の蓄積量に基づいて、明暗情報が検出される。なお、ダブルゲート型トランジスタ、及び、フォトセンサアレイの具体的な構成及び動作については、後述する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来技術においては、以下に示すような問題を有していた。
すなわち、ダブルゲート型フォトセンサを適用したセンサシステムにおいては、光蓄積期間におけるフォトセンサ毎のキャリヤ(正孔)の蓄積量に基づいて、画像の読み取りが行われるので、種々の環境下で被写体画像(2次元画像)を良好に読み取るためには、上記光蓄積期間(すなわち、読取感度に相当する)を適切に設定する必要がある。
ここで、適切な光蓄積期間は、環境照度等の周囲の条件に依存して異なるため、従来においては、環境照度を検出するための回路を別個に設けたり、正規のスキャン動作を開始する前に標準試料等を検知面に載置し、光蓄積期間を複数段階に変えて読み取り動作(いわゆる、事前読出動作)を行い、その検出結果や読取結果に基づいて、環境照度等の周囲の条件に応じた最適な光蓄積期間を求める手法を採用していた。
【0006】
ところが、このような事前読出動作により得られた光蓄積期間毎の読取結果に基づいて、適切な光蓄積期間を一義的、かつ、良好に設定する感度設定方法が未だ開発されていなかった。特に、環境光の変化やフォトセンサの特性変化が生じたような場合、また、検知面への異物の付着やフォトセンサの素子欠陥が生じた場合にあっては、事前読出動作により得られた光蓄積期間毎の読取結果をそのまま用いると、適切な光蓄積期間が設定されないことになるため、被写体画像の良好な読み取り動作が阻害され、例えば、上記フォトセンサシステムを指紋読取装置に適用した場合にあっては、指紋認識処理における誤作動を生じる等の問題を有していた。
【0007】
そこで、本発明は、上述した問題を解決し、2次元のセンサシステムにおいて、種々の環境下で被写体画像を良好に読み取るための最適感度を適切に設定することができるフォトセンサシステム及びその感度設定方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のフォトセンサシステムは、フォトセンサを2次元配列して構成されるフォトセンサアレイを備え、画像読取感度の設定のために画像読取感度を変化させながら被写体画像を読み取る事前読出動作を行うフォトセンサシステムにおいて、前記各画像読取感度における前記被写体画像の画像パターンに対応した明度データからなる測定量に対してフーリエ変換により周波数変換した結果から、前記測定量の変化傾向から逸脱した異常値に対応する周波数成分を除去することによって前記測定量から前記異常値を除去する異常値除去手段と、前記異常値が除去された前記測定量に基づいて、前記被写体画像の読み取り動作に適する前記画像読取感度を抽出する読取感度抽出手段と、前記抽出された画像読取感度を、前記被写体画像の正規の読み取り動作時に設定する読取感度設定手段と、を有することを特徴としている。
【0009】
請求項2記載のフォトセンサシステムは、請求項1記載のフォトセンサシステムにおいて、前記読取感度抽出手段は、前記異常値が除去された前記測定量のデータ範囲が極大となり、かつ、前記データ範囲の前記各画像読取感度相互における変位が最小となる前記画像読取感度を抽出することを特徴としている。請求項3記載のフォトセンサシステムは、請求項1記載のフォトセンサシステムにおいて、前記被写体画像の事前読出動作は、前記被写体画像の各行毎に段階的に異なる画像読取感度を、前記フォトセンサアレイに設定して実行されることを特徴としている。
【0010】
請求項4記載のフォトセンサシステムは、請求項1記載のフォトセンサシステムにおいて、前記フォトセンサアレイの画像読取感度は、前記フォトセンサにおける光蓄積期間を調整することにより設定制御されることを特徴としている。請求項5記載のフォトセンサシステムは、請求項1乃至4のいずれかに記載のフォトセンサシステムにおいて、前記フォトセンサシステムは、前記フォトセンサアレイにおける第1の電極に印加される実効電圧を最適値にするための第1の信号電圧を印加するとともに、前記フォトセンサアレイにおける第2の電極に印加される実効電圧を最適値にするための第2の信号電圧を印加する実効電圧調整手段を具備することを特徴としている。
【0011】
請求項6記載のフォトセンサシステムは、請求項1乃至5のいずれかに記載のフォトセンサシステムにおいて、前記フォトセンサは、半導体層からなるチャネル領域を挟んで形成されたソース電極及びドレイン電極と、少なくとも前記チャネル領域の上方及び下方に各々絶縁膜を介して形成されたトップゲート電極及びボトムゲート電極と、を有し、前記トップゲート電極又は前記ボトムゲート電極のいずれか一方を光照射側として、該光照射側から照射された光の量に対応する電荷が前記チャネル領域に発生、蓄積される構成を有していることを特徴としている。請求項7記載のフォトセンサシステムの感度設定方法は、フォトセンサを2次元配列して構成されるフォトセンサアレイを備え、画像読取感度の設定のために画像読取感度を変化させながら被写体画像を読み取る事前読出動作を行うフォトセンサシステムの感度設定方法において、前記各画像読取感度における前記被写体画像の画像パターンに対応した明度データからなる測定量に対してフーリエ変換によって周波数変換を行い、周波数変換された結果から前記測定量の変化傾向から逸脱した異常値に対応する周波成分を除去して、前記測定量から前記異常値を除去する手順と、前記異常値が除去された前記測定量に基づいて、前記被写体画像の読み取り動作に適する前記画像読取感度を抽出する手順と、前記抽出された画像読取感度を、前記被写体画像の正規の読み取り動作時に設定する手順と、を含むことを特徴としている。
【0012】
請求項8記載のフォトセンサシステムの感度設定方法は、請求項7記載のフォトセンサシステムの感度設定方法において、前記画像読取感度を抽出する手順は、前記異常値が除去された前記測定量のデータ範囲が極大となり、かつ、前記データ範囲の前記各画像読取感度相互における変位が最小となる前記画像読取感度を抽出することにより行うことを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係るフォトセンサシステム及びその感度設定方法の実施の形態について詳しく説明する。
まず、本発明に係るフォトセンサシステムに適用されるダブルゲート型トランジスタについて、図面を参照して説明する。
図1は、ダブルゲート型トランジスタの構造を示す概略断面図である。
図1(a)に示すように、ダブルゲート型フォトセンサ10は、可視光が入射されると電子−正孔対が生成されるアモルファスシリコン等の半導体層(チャネル層)11と、半導体層11の両端にそれぞれ設けられたn+シリコン層17、18と、n+シリコン層17、18上に形成されたソース電極12及びドレイン電極13と、半導体層11の上方(図面上方)にブロック絶縁膜14及び上部(トップ)ゲート絶縁膜15を介して形成されたトップゲート電極21と、半導体層11の下方(図面下方)に下部(ボトム)ゲート絶縁膜16を介して形成されたボトムゲート電極22と、を有して構成されている。
【0014】
なお、図1(a)において、トップゲート電極21、トップゲート絶縁膜15、ボトムゲート絶縁膜16、及び、トップゲート電極21上に設けられる保護絶縁膜20は、いずれも半導体層11を励起する可視光に対して透過率の高い材質により構成され、一方、ボトムゲート電極22は、可視光の透過を遮断する材質により構成されることにより、図面上方から入射する照射光のみを検知する構造を有している。
すなわち、ダブルゲート型フォトセンサ10は、半導体層11を共通のチャネル領域として、半導体層11、ソース電極12、ドレイン電極13及びトップゲート電極21により形成される上部MOSトランジスタと、半導体層11、ソース電極12、ドレイン電極13及びボトムゲート電極22により形成される下部MOSトランジスタとからなる2つのMOSトランジスタの組み合わせた構造が、ガラス基板等の透明な絶縁性基板19上に形成されている。
そして、このようなダブルゲート型フォトセンサ10は、一般に、図1(b)に示すような等価回路により表される。ここで、TGはトップゲート端子、BGはボトムゲート端子、Sはソース端子、Dはドレイン端子である。
【0015】
次に、上述したダブルゲート型フォトセンサを2次元配列して構成されるフォトセンサシステムについて、図面を参照して簡単に説明する。
図2は、ダブルゲート型フォトセンサを2次元配列して構成されるフォトセンサシステムの概略構成図である。
図2に示すように、フォトセンサシステムは、大別して、多数のダブルゲート型フォトセンサ10を、例えば、n行×m列のマトリクス状に配列したフォトセンサアレイ100と、各ダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート端子TG及びボトムゲート端子BGを各々行方向に接続したトップゲートライン101及びボトムゲートライン102と、トップゲートライン101及びボトムゲートライン102に各々接続されたトップゲートドライバ111及びボトムゲートドライバ112と、各ダブルゲート型フォトセンサのドレイン端子Dを列方向に接続したデータライン103と、データライン103に接続された出力回路部113と、を有して構成される。ここで、φtg及びφbgは、それぞれリセットパルスφT1、φT2、…φTi、…φTn、及び、読み出しパルスφB1、φB2、…φBi、…φBnを生成するための制御信号、φpgは、プリチャージ電圧Vpgを印加するタイミングを制御するプリチャージ信号である。
【0016】
このような構成において、トップゲートドライバ111からトップゲート端子TGに電圧を印加することによりフォトセンス機能が実現され、ボトムゲートドライバ112からボトムゲート端子BGに電圧を印加し、データライン103を介して検出信号を出力回路部113に取り込んでシリアルデータとして出力(Vout)することにより選択読み出し機能が実現される。
【0017】
次に、上述したフォトセンサシステムの駆動制御方法について、図面を参照して説明する。
図3は、フォトセンサシステムの駆動制御方法の一例を示すタイミングチャートであり、図4は、ダブルゲート型フォトセンサの動作概念図であり、図5は、フォトセンサシステムの出力電圧の光応答特性を示す図である。
まず、リセット動作においては、図3、図4(a)に示すように、i番目の行のトップゲートライン101にパルス電圧(リセットパルス;例えばVtg=+15Vのハイレベル)φTiを印加して、各ダブルゲート型フォトセンサ10の半導体層に蓄積されているキャリア(正孔)を放出する(リセット期間Treset)。
【0018】
次いで、光蓄積動作においては、図3、図4(b)に示すように、トップゲートライン101にローレベル(例えばVtg=−15V)のバイアス電圧φTiを印加することにより、リセット動作を終了し、キャリヤ蓄積動作による光蓄積期間Taがスタートする。光蓄積期間Taにおいては、トップゲート電極側から入射した光量に応じてチャネル領域にキャリアが蓄積される。
そして、プリチャージ動作においては、図3、図4(c)に示すように、光蓄積期間Taに並行して、プリチャージ信号φpgに基づいてデータライン103に所定の電圧(プリチャージ電圧)Vpgを印加し、ドレイン電極13に電荷を保持させる(プリチャージ期間Tprch)。
【0019】
次いで、読み出し動作においては、図3、図4(d)に示すように、プリチャージ期間Tprchを経過した後、ボトムゲートライン102にハイレベル(例えばVbg=+10V)のバイアス電圧(読み出し選択信号;以下、読み出しパルスという)φBiを印加することにより、ダブルゲート型フォトセンサ10をON状態にする(読み出し期間Tread)。
ここで、読み出し期間Treadにおいては、チャネル領域に蓄積されたキャリア(正孔)が逆極性のトップゲート端子TGに印加されたVtg(−15V)を緩和する方向に働くため、ボトムゲート端子BGのVbgによりnチャネルが形成され、ドレイン電流に応じてデータライン103のデータライン電圧VDは、図5(a)に示すように、プリチャージ電圧Vpgから時間の経過とともに徐々に低下する傾向を示す。
【0020】
すなわち、光蓄積期間Taにおける光蓄積状態が暗状態で、チャネル領域にキャリヤ(正孔)が蓄積されていない場合には、図4(e)、図5(a)に示すように、トップゲートTGに負バイアスをかけることによって、ボトムゲートBGの正バイアスが打ち消され、ダブルゲート型フォトセンサ10はOFF状態となり、ドレイン電圧、すなわち、データライン103の電圧VDが、ほぼそのまま保持されることになる。
一方、光蓄積状態が明状態の場合には、図4(d)、図5(a)に示すように、チャネル領域に入射光量に応じたキャリヤ(正孔)が捕獲されているため、トップゲートTGの負バイアスを打ち消すように作用し、この打ち消された分だけボトムゲートBGの正バイアスによって、ダブルゲート型フォトセンサ10はON状態となる。そして、この入射光量に応じたON抵抗に従って、データライン103の電圧VDは、低下することになる。
【0021】
したがって、図5(a)に示したように、データライン103の電圧VDの変化傾向は、トップゲートTGへのリセットパルスφTiの印加によるリセット動作の終了時点から、ボトムゲートBGに読み出しパルスφBiが印加されるまでの時間(光蓄積期間Ta)に受光した光量に深く関連し、蓄積されたキャリアが少ない場合には緩やかに低下する傾向を示し、また、蓄積されたキャリアが多い場合には急峻に低下する傾向を示す。そのため、読み出し期間Treadがスタートして、所定の時間経過後のデータライン103の電圧VDを検出することにより、あるいは、所定のしきい値電圧を基準にして、その電圧に至るまでの時間を検出することにより、照射光の光量が換算される。
【0022】
上述した一連の画像読み取り動作を1サイクルとして、i+1番目の行のダブルゲート型フォトセンサ10にも同等の処理手順を繰り返すことにより、ダブルゲート型フォトセンサ10を2次元のセンサシステムとして動作させることができる。
なお、図3に示したタイミングチャートにおいて、プリチャージ期間Tprchの経過後、図4(f)、(g)に示すように、ボトムゲートライン102にローレベル(例えばVbg=0V)を印加した状態を継続すると、ダブルゲート型フォトセンサ10はOFF状態を持続し、図5(b)に示すように、データライン103の電圧VDは、プリチャージ電圧Vpgを保持する。このように、ボトムゲートライン102への電圧の印加状態により、ダブルゲート型フォトセンサ10の読み出し状態を選択する選択機能が実現される。
【0023】
次に、本発明に係るフォトセンサシステムの一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に示す実施形態においては、フォトセンサとして、上述したダブルゲート型フォトセンサを適用し、トップゲート電極を第1の電極として電圧を印加することにより、フォトセンス機能を実現するとともに、ボトムゲート電極を第2の電極として電圧を印加することにより、チャネル領域に蓄積された電荷量を読み出す機能を実現するものとして説明する。
図6は、本発明に係るフォトセンサシステムを適用した2次元画像読取装置の一例を示す概略構成図である。なお、ここでは、図1、図2に示したダブルゲート型フォトセンサ及びフォトセンサシステムの構成を適宜参照しながら説明する。また、図2に示したフォトセンサシステムと同等の構成については、同一の符号を付して説明する。
【0024】
図6に示すように、本実施形態に係る2次元画像読取装置は、図1に示したダブルゲート型フォトセンサ10を2次元配列して構成されるフォトセンサアレイ100と、ダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート端子TGに所定のタイミングで、所定のトップゲート電圧(リセットパルス)を印加するトップゲートドライバ111と、ダブルゲート型フォトセンサ10のボトムゲート端子BGに所定のタイミングで、所定のボトムゲート電圧(読み出しパルス)を印加するボトムゲートドライバ112と、ダブルゲート型フォトセンサ10へのプリチャージ電圧の印加及びデータライン電圧の読み出しを行うコラムスイッチ114、プリチャージスイッチ115、アンプ116からなる出力回路部113と、読み出されたデータ電圧(アナログ信号)をデジタル信号からなる画像データに変換するアナログ−デジタル変換器(以下、A/Dコンバータと記す)117と、フォトセンサアレイ100による被写体画像の読み取り動作制御(画像読み取り動作)や画像データの照合や加工等の所定の処理を実行する外部機能部200とのデータのやり取り等を行うとともに、本発明における異常値除去動作や読取感度設定動作、実効電圧調整動作を実行制御する機能を備えたコントローラ120と、読取画像データや読取感度の設定、実効電圧の調整等に関連するデータ等を記憶するRAM130と、を有して構成されている。
【0025】
ここで、フォトセンサアレイ100、トップゲートドライバ111、ボトムゲートドライバ112、出力回路部113(コラムスイッチ114、プリチャージスイッチ115、アンプ116)からなる構成は、図2に示したフォトセンサシステムと略同等の構成及び機能を有しているので、その詳細な説明を省略する。コントローラ120は、トップゲートドライバ111及びボトムゲートドライバ112に制御信号φtg、φbgを出力することにより、トップゲートドライバ111及びボトムゲートドライバ112の各々から、フォトセンサアレイ100を構成する各ダブルゲート型フォトセンサのトップゲート端子TG及びボトムゲート端子BGに所定の信号電圧(リセットパルスφTi、読み出しパルスφBi)を印加するとともに、プリチャージスイッチ115に制御信号φpgを出力することにより、データラインにプリチャージ電圧Vpgを印加して、被写体画像の読み取り動作の実行を制御する。
【0026】
また、コントローラ120には、ダブルゲート型フォトセンサ10からコラムスイッチ114を介して読み出されたデータライン電圧VDが、アンプ116及びA/Dコンバータ117を介してデジタル信号に変換され、画像データとして入力される。コントローラ120は、この画像データに対して、所定の画像処理を施したり、RAM130への書き込み、読み出しを行うとともに、画像データの照合や加工等の所定の処理を実行する外部機能部200に対してインタフェースとしての機能をも備えている。
さらに、コントローラ120は、後述するように、トップゲートドライバ111及びボトムゲートドライバ112に出力する制御信号φtg、φbgを設定制御することにより、外光等の環境照度に対応して被写体画像を最適に読み込むことができる読取感度、すなわち、ダブルゲート型フォトセンサ10の最適な光蓄積期間Taを設定する機能、及び、ダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲートTG及びボトムゲートBGに印加される実効電圧の偏りを最適値に調整する機能を有している。したがって、コントローラ120は、異常値除去手段、読取感度抽出手段、読取感度設定手段、及び、実効電圧調整手段を構成している。
【0027】
以下に、本発明に係るフォトセンサシステムに適用されるコントローラの構成及び動作について、図面を参照して、さらに詳しく説明する。
まず、コントローラの具体的な装置構成について説明する。
図7は、本発明に係るフォトセンサシステムに適用されるコントローラの一構成例を示すブロック図である。
図7に示すように、本実施形態におけるコントローラ120は、ゲートドライバ111Aやスイッチ類113Aを制御するデバイスコントローラ121と、RAM130への画像データや書き込み、読み出し等、各種データを管理するデータコントローラ122と、これらのコントローラ121、122を統括し、かつ、外部機能部200とのインターフェースを担うメインコントローラ123と、を有している。
【0028】
また、コントローラ120は、フォトセンサアレイ100からA/Dコンバータ117を介してデジタル信号として入力される画像データに基づいて、特定の測定データ(測定量)をフーリエ変換するフーリエ変換部124a、フーリエ(周波数)変換された上記測定データから、異常値に対応する高周波成分を除去するフィルタ部124b、高周波成分が除去された測定データを逆フーリエ変換する逆フーリエ変換部124cからなる異常値除去部(異常値除去手段)124と、異常値が除去された測定データの大小を比較して最大値及び最小値を抽出するとともに、後述する加算器126により算出されるダイナミックレンジ(測定データのデータ範囲)の極大値、及び、ダイナミックレンジの変位の最小値を抽出するデータ比較器(読取感度抽出手段)125と、前記測定データの最大値及び最小値の差分からダイナミックレンジを算出するとともに、各ダイナミックレンジ相互の差分、すなわち、一次微分値(データ範囲の変位)を算出する加算器126と、A/Dコンバータ117、異常値除去部124、データ比較器125、加算器126を介して処理された測定データを入力とし、これらのデータを必要に応じてRAMへの書き込みや読み出し、あるいは、データ比較器125、加算器126への再入力、データコントローラ122を介しての外部機能部200への出力等を切換制御するデータセレクタ127と、データコントローラ122からの制御信号に基づいて、フォトセンサアレイ100の読取感度を最適化するように、デバイスコントローラ121からトップゲートドライバ111及びボトムゲートドライバ112に出力する制御信号を変更制御する感度設定レジスタ(読取感度設定手段)128と、を有している。
【0029】
次に、本発明に係るフォトセンサシステムの感度設定方法について、図面を参照して説明する。
図8は、本発明に係るフォトセンサシステムの感度設定方法の一処理手順を示すフローチャートであり、図9は、本発明に係るフォトセンサシステムの感度設定方法の一例を示すタイミングチャートである。ここでは、図2、図6、図7に示したフォトセンサシステムの構成を適宜参照しながら、その感度設定手順を説明する。
図8、図9に示すように、本実施形態に係るフォトセンサシステムの感度設定方法は、読取感度設定動作と、画像読み取り動作と、実効電圧調整動作の各手順を有し、いずれもコントローラ120により各動作制御が行われる。
以下、各処理動作について具体的に説明する。
【0030】
<読取感度設定動作>
図8、図9に示すように、本実施形態における読取感度設定動作は、まず、メインコントローラ123により、被写体画像の正規の読み取り動作に先立って、データコントローラ122を介して、感度設定レジスタ128に事前読出動作用の画像読取感度を設定するように制御され、被写体画像の事前読出動作が開始される(手順S101)。事前読出動作は、通常の画像読み取り動作と同様に、フォトセンサアレイ100を構成する各ダブルゲート型フォトセンサ10に対して、リセット動作→光蓄積動作→プリチャージ動作→読み出し動作の一連の処理を実行することにより行われる。特に、本実施形態においては、ダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート端子TGを行方向に接続するトップゲートライン101の各々に対して、所定の遅れ時間Tdlyの時間間隔で順次リセットパルスφT1、φT2、…φTnを印加してリセット期間Trstをスタートし、各行毎のダブルゲート型フォトセンサ10を初期化する。ここで、リセットパルスφT1、φT2、…φTnは、ハイレベルが信号電圧Vtgh、ローレベルが信号電圧Vtglのパルス信号であり、ハイレベルVtghのリセットパルスφT1、φT2、…φTnが印加されるタイミング以外では、ローレベルの信号電圧Vtglが印加された状態にある。
【0031】
次いで、リセット期間Trstが終了すると、光蓄積期間TA1、TA2、…TAnが順次スタートして、各行毎にダブルゲート型フォトセンサ10に入射される光量に応じてチャネル領域に電荷(正孔)が発生し、蓄積される。
次いで、プリチャージ信号φpg及び読み出しパルスφBn、…φB2、φB1をデータライン103及びボトムゲートライン102の各々に、所定の遅れ時間Tdlyの時間間隔で順次印加することにより、各行毎に設定された光蓄積期間TA1、TA2、…TAnに蓄積された電荷に対応する電圧変化VDを、出力回路部113を介して読み出し、順次RAM130に記憶する。ここで、読み出しパルスφB1、φB2、…φBnは、ハイレベルが信号電圧Vbgh、ローレベルが信号電圧Vbglのパルス信号であり、ハイレベルVbghの読み出しパルスφB1、φB2、…φBnが印加されるタイミング以外では、ローレベルの信号電圧Vbghが印加された状態にある。
【0032】
すなわち、事前読出動作用の画像読取感度は、被写体画像の各行毎に画像読取感度(すなわち、ダブルゲート型フォトセンサ10の光蓄積期間)を段階的に変化させて、複数の異なる感度で被写体の一画像を読み込めるように設定される。特に、本実施形態に示した事前読出動作によれば、各行毎に設定される光蓄積期間TA1、TA2、…TAn相互が所定の遅れ時間Tdlyの2倍の時間間隔で増加するので、一画面の読み込み動作により行数分以上の感度調整幅で設定された読取感度で読み取られた画像データが得られる。そして、この各行毎の画像読取感度は、行番号に対応付けて、例えば、テーブル形式(行番号−画像読取感度対応テーブル)でRAM130に記憶される。
次いで、上述した事前読出動作により読み込まれた画像データは、アンプ115及びA/Dコンバータ116を介してデジタル信号に変換され(手順S102)、被写体画像の明暗パターンに対応した明度データとして異常値除去部124に入力される。
【0033】
そして、異常値除去部124に入力された明度データ(所定の測定量)は、まず、各行毎の明度データのコントラスト(データ範囲)に基づいて、フーリエ変換部124aにおいてフーリエ変換されて、行番号毎の明度データの変動幅(振幅)を表す周波数分布が求められる(手順S103)。次いで、変換された周波数分布のうち、所定値以上の高周波成分を除去する。具体的には、例えば、ローパスフィルタにより構成されるフィルタ部124bを通過させることにより所定の高周波成分を除去する(手順S104)。さらに、高周波成分が除去された周波数分布を逆フーリエ変換部124cにより逆フーリエ変換することにより、再び行番号毎のコントラストが求められる(手順S105)。
このような異常値除去部124による一連の異常値除去動作により、元の明度データから高周波成分、すなわち、急峻な変動を有し、明度データの主要な変化傾向から逸脱した異常値が除去され、行番号に対して滑らかに変化する成分(主要な変化傾向)のみが抽出される。この異常値が除去された明度データは、データ比較器125に入力される。
【0034】
次いで、異常値が除去された明度データは、データ比較器125により各行毎に最大値及び最小値が抽出されて、加算器126に出力される(手順S106)。ここで、明度データの最大値及び最小値の抽出処理は、具体的には、被写体画像の明暗パターンにおける白と黒との間を、例えば256階調に分割設定し、各行毎に含まれる最大値を示す明度データ(最も明るい階調を有する画素)、及び、最小値を示す明度データ(最も暗い階調を有する画素)を抽出することにより行われる。
そして、加算器126は、各行毎の明度データの最大値及び最小値の差分、すなわち、ダイナミックレンジを演算し、その結果をデータセレクタ127を介して、RAM130に一旦記憶する。このようなダイナミックレンジの算出処理を全ての行について実行する(手順S107)。
次いで、RAM130に記憶された各行毎のダイナミックレンジをデータセレクタ127を介して読み出して、再び加算器126に入力し、隣接する行相互のダイナミックレンジの差分(一次微分値)を演算する。この結果は、データセレクタ127を介して、RAM130に記憶される(手順S108)。
【0035】
さらに、RAM130に記憶された各行毎のダイナミックレンジのデータ群、及び、ダイナミックレンジの一次微分値のデータ群を、データセレクタ127を介して読み出して、データ比較器125に入力し、ダイナミックレンジが極大となり、かつ、ダイナミックレンジの一次微分値が最小、すなわち、0又は最も0に近くなる行番号を抽出する(手順S109)。
そして、抽出された行番号に基づいて、RAM130に記憶された上記行番号−画像読取感度対応テーブルを参照して、当該行に設定されている画像読取感度、すなわち、ダブルゲート型フォトセンサの光蓄積期間を抽出する(手順S110)。
次いで、メインコントローラ123は、データコントローラ122を介して感度設定レジスタ128を書き換え制御して、上記行番号−画像読取感度対応テーブルから抽出された画像読取感度を設定することにより、事前読出動作に基づく感度設定処理を終了する(手順S111)。
【0036】
<画像読み取り動作>
次に、上述した読取感度設定動作により決定された最適な光蓄積時間Taを用いて、被写体画像の正規の画像読み取り動作を実行する(手順S112)。
すなわち、図9に示すように、ダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート端子TGを行方向に接続するトップゲートライン101の各々に、順次リセットパルスφT1、φT2、…φTnを印加してリセット期間Trstをスタートし、各行毎のダブルゲート型フォトセンサ10を初期化する。ここで、リセットパルスφT1、φT2、…φTnは、上述した事前読出動作と同様に、ハイレベルが信号電圧Vtgh、ローレベルが信号電圧Vtglのパルス信号であり、ハイレベルVtghのリセットパルスφT1、φT2、…φTnが印加されるタイミング以外では、ローレベルの信号電圧Vtglが印加される。
【0037】
次いで、リセットパルスφT1、φT2、…φTnが立ち下がり、リセット期間Trstが終了することにより、各行毎に、上記最適な光蓄積期間Taが順次スタートして、ダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート電極側から入射される光量に応じてチャネル領域に電荷(正孔)が発生し、蓄積される。ここで、図9に示すように、光蓄積期間Ta内に並行して、プリチャージ信号φpgを印加することにより、プリチャージ期間Tprchをスタートし、データライン103にプリチャージ電圧Vprchを印加してダブルゲート型フォトセンサ10のドレイン電極に所定の電圧を保持させるプリチャージ動作が行われる。
【0038】
そして、最適な光蓄積期間Ta及びプリチャージ期間Tprchが終了したダブルゲート型フォトセンサ10に対して、各行毎に、ボトムゲートライン102に順次読み出しパルスφB1、φB2、…φBnを印加して、読み出し期間Trdをスタートし、ダブルゲート型フォトセンサ10に蓄積された電荷に対応する電圧変化VDを、出力回路113によりデータライン103を介して読み出す。ここで、読み出しパルスφB1、φB2、…φBnは、上述した事前読出動作と同様に、ハイレベルが信号電圧Vbgh、ローレベルが信号電圧Vbglのパルス信号であり、ハイレベルVbghの読み出しパルスφB1、φB2、…φBnが印加されるタイミングでは、ローレベルの信号電圧Vbghが印加された状態にある。
【0039】
<実効電圧調整動作>
次に、上述した画像読み取り動作が、全ての行(n)において終了すると、読取感度設定動作及び画像読み取り動作において、各ゲート電極に印加された信号の実効電圧の偏りを調整して最適化する実効電圧調整動作を実行する(手順S113)。
すなわち、図9に示すように、上述した各動作において、リセットパルスによりダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲートライン101(トップゲート端子TG)に印加された信号電圧の平均値、すなわち、実効電圧を、予め当該ダブルゲート型フォトセンサ10の感度特性に応じて設定した最適値Vteに調整することができる所定の実効電圧を有する信号(第1の信号電圧)を、各行のトップゲートライン101に印加する。
同様に、読み出しパルスによりダブルゲート型フォトセンサ10のボトムゲートライン102(ボトムゲート端子BG)に印加された信号電圧の平均値、すなわち、実効電圧を、予め当該ダブルゲート型フォトセンサ10の感度特性に応じて設定した最適値Vbeに調整することができる所定の実効電圧を有する信号(第2の信号電圧)を、各行のボトムゲートライン102に印加する。
【0040】
ここで、ダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲートTG及びボトムゲートBGに印加される信号の実効電圧について簡単に説明する。
図9からも明らかなように、読取感度設定動作及び画像読み取り動作における各リセット動作においては、トップゲートTGに対して、極めて短い時間(Trst)のみ、ハイレベルの信号電圧Vtghが印加され、それ以外の比較的長い期間では、ローレベルの信号電圧Vtglが印加されている。そのため、読取感度設定動作及び画像読み取り動作時において、トップゲートTGに印加される実効電圧は、ローレベル側に大きく偏っている。さらに、画像読み取り動作に設定される最適な光蓄積期間Tbは、読取感度設定動作により環境照度等に応じて、その都度、変更設定されるため、上記トップゲートTGに印加される実効電圧が、必然的に変動する。
【0041】
一方、読取感度設定動作及び画像読み取り動作における読み出し動作においても、ボトムゲートBGに対して、極めて短い時間(Trd)のみ、ハイレベルの信号電圧Vbghが印加され、それ以外の比較的長い期間では、ローレベルの信号電圧Vtglが印加されている。そのため、読取感度設定動作及び画像読み取り動作時において、ボトムゲートBGに印加される実効電圧も、ローレベル側に大きく偏っている。さらに、画像読出動作に設定される最適な光蓄積期間Taは、読取感度設定動作により環境照度等に応じて、その都度、変更設定されるため、上記ボトムゲートTGに印加される実効電圧は、必然的に変動する。
そのため、このような特定の極性の電圧側に偏った電圧がゲート電極に印加された状態が継続すると、ゲート電極に正孔がトラップされて、ダブルゲート型フォトセンサの素子特性が劣化して感度特性が変化してしまう問題が生じる。
【0042】
そこで、本実施形態においては、読取感度設定動作及び画像読み取り動作の処理サイクル内、及び、これから実行する実効電圧調整動作の処理サイクル内に印加される電圧波形について、例えば、ダブルゲート型フォトセンサの感度特性に応じて設定されるトップゲート側の実効電圧の最適値Vte、及び、ボトムゲート側の実効電圧の最適値Vbeを基準として、上記電圧波形のハイレベル側の時間積分値の絶対値と、ローレベル側の時間積分値の絶対値とを等しくするように、所定の信号幅Ttp、Tbpを有する調整パルスを、実効電圧調整動作時にダブルゲート型フォトセンサのトップゲートライン、及び、ボトムゲートラインに印加することにより、上記素子特性の劣化に伴う感度特性の変化を抑制して、フォトセンサシステムの信頼性を向上させることができる。
【0043】
<具体例>
次に、上述したフォトセンサシステムの構成及び動作を指紋読取装置に適用した場合の具体例について、図面を参照して説明する。
図10は、事前読出動作において、被写体画像の各行毎に画像読取感度を段階的に変化させて読み込んだ場合の画像データの一例を示す図であり、図11は、事前読出動作により得られた特定の行における各画素毎の明度データの変化を示すグラフであり、図12は、各行毎のダイナミックレンジ(最大及び最小の明度データの差)の変化と、ダイナミックレンジの一次微分値の変化との関係を示すグラフであり、図13は、事前読出動作により得られたダイナミックレンジの一次微分値と、行番号−画像読取感度対応テーブルとの関係を示す図である。
【0044】
図10においては、指紋の画像データが、例えば256行×196列のマトリクスで読み出され、行番号が大きくなるほど、画像読取感度が高く(光蓄積期間が長く)なるように設定されている場合の画像データについて示している。そのため、行番号が大きくなるほど、画像読取感度が高くなり、外光等の影響を受けて指紋の凹凸パターンPNAがかすれて(薄れて)、あるいは、見えなくなる程度に明るい画像として読み取られる(図10上方)。一方、行番号が小さくなるほど、画像読取感度が低く(光蓄積期間が短く)なり、指紋の凹凸パターンPNAが黒ずんで、あるいは、見えなくなる程度に暗い画像として読み取られる(図10下方)。
このような画像データにおいて、最適感度となる行を抽出するために用いる感度判定対象範囲としては、指紋の凹凸パターンPNAに対応した良好なコントラストを有する領域に限定することが、画像処理上好ましい。ここでは、一例として、64〜191行目、かつ、67〜130列目の行/列範囲を感度判定対象範囲に設定した場合の感度設定処理について説明する。
【0045】
図10に示した感度判定対象範囲において、例えば、64、96、160、191行目の明度データの変化を抽出してグラフ化すると、図11に示すように、上記行範囲のうち、191行目(図中、破線で示す)及び160行目(図中、細線で示す)においては、感度が高く設定されているため、明度データが高い値(概ね220〜225程度)に収束してしまい画像データとして情報(明暗パターン)が無いに等しい状態になっている。また、96行目(図中、太線で示す)においては、全列において明度データが上限又は下限で収束することなく、画像データの明暗パターンに対応した比較的大きな上下方向への変位を有している。さらに、64行目(図中、一点鎖線で示す)においては、感度が低く設定されているため、明度データがほぼ低い値(概ね35程度)に収束してしまい画像データとして情報が無いに等しい状態になっている。ここで、明度データ値が大きいほど明るく、小さいほど暗い画像データであることを示している。
【0046】
次いで、上述した異常値除去動作にしたがって、各行毎の明度データの分布をフーリエ変換して行番号に対する周波数分布を求め、異常値やノイズに対応する高周波成分を除去することにより、各行毎の明度データの分布における主要な変化傾向を示す明度データのみが抽出される。
そして、異常値が除去された各行毎の明度データの分布に対して、最大値及び最小値を抽出し、その差分を演算してダイナミックレンジ(データ範囲)を求めると、図12(a)に示すように、所定の行において極大値MAを有する分布が得られる。さらに、このダイナミックレンジの分布に対する一次微分を演算して、その変化の傾向を求めると、図12(b)に示すように、上記極大値MAを示す行において一次微分値が0(又は、最小;図中、MBで示す)となる。
このとき、ダイナミックレンジが極大を示し、かつ、その一次微分が最小となる行の明度データは、指紋の凹凸パターンに対応した良好なコントラストを有する画像データであり、当該行に最適な画像読取感度が設定されていると判断することができる。
【0047】
そして、図13(a)に示すように、上記ダイナミックレンジが極大(例えば、図中Rk)を示し、かつ、その一次微分が最小(例えば、図中Dk-1)となる行(図中、Lk-1、Lk)について、図13(b)に示すような行番号−画像読取感度対応テーブルを参照することにより、当該行Lk-1、Lkに設定されている画像読取感度、すなわち、ダブルゲート型フォトセンサの光蓄積期間Tk-1、Tkが抽出され、最適値として決定される。ここで、上述した感度設定レジスタ128には、最適な画像読取感度として、抽出された2つの光蓄積期間Tk-1、Tkに基づいて決定される設定値、例えば、光蓄積期間Tk-1、Tkの平均値等が設定されるように書き換え制御される。
なお、図12(a)、(b)に示したダイナミックレンジ及び一次微分値の分布においては、ダイナミックレンジが極大値MAとなる行の一次微分値が0(MB)となる場合について説明したが、現実には、一次微分値が0となる行が存在しない場合もあるので、最適感度に設定された行を抽出する際の条件は、ダイナミックレンジが極大を示し、かつ、その一次微分が最小となる(すなわち、0に最も近い値を示す)行を抽出することが望ましい。
【0048】
ここで、上述した画像読取感度の設定処理において、被写体画像中に含まれる異物やフォトセンサアレイを構成するセンサ素子の欠陥等に伴う異常画素が存在した場合における動作処理について、図面を参照して説明する。
図14は、事前読出動作において、被写体画像の各行毎に画像読取感度を段階的に変化させて読み込んだ場合の画像データの他の例を示す図であり、図15は、被写体画像中に異物等が存在する場合における各行毎の明度データのコントラストの分布と、異常値除去動作後における各行毎の明度データのコントラストの分布を示すグラフである。
図14に示すように、上述した場合と同様に、指紋の画像データに対して、64〜191行目、かつ、67〜130列目の行/列範囲を感度判定対象範囲に設定した場合において、指紋読取面(検知面)上に付着した異物やダブルゲート型フォトセンサの素子欠陥、画像データに含まれるノイズ等により、感度判定対象範囲内に複数の画素にまたがる異常画素ILが存在すると、その異常画素ILの明度データが、周囲の画素データに対して複数行にわたって連続的に突出した値を示す場合がある。例えば、白背景に黒点が存在する場合や、黒背景に白点が存在するような場合であって、特に、図15(a)に示すように、明度データの変動幅やコントラストが行毎に離散的に変動している場合や、検知面に付着した異物や素子欠陥による異常な画素データMCが複数行にまたがって存在している場合である。
【0049】
このような場合、上述したような異常値除去動作(図8の手順S103〜S105)を行うことなく、明度データの最大値及び最小値に基づいて算出されるダイナミックレンジの分布から、上記読取感度の最適値を求める処理(図8の手順S106〜S110)を実行すると、異常画素ILが複数行にわたって連続的に存在する行のダイナミックレンジが全体の主要な分布傾向(変化傾向)から大きく外れ、かつ、主要な分布傾向に対して連続的な変化として現れるため、ダイナミックレンジの分布の変化傾向の一部として認識されて、本来の最大値MAとは何ら関連性のない、当該異常画素ILが存在する行のダイナミックレンジが最大値として抽出されてしまい、当該ダイナミックレンジを有する行に設定された画像読取感度が最適値であると誤認される。この場合、フォトセンサシステムに不適切な画像読取感度(例えば、最適値よりも長い光蓄積時間)が設定されることになり、正規の読み取り動作において、被写体画像が白つぶれ等を生じてしまう可能性がある。
【0050】
これに対して、本発明に係るフォトセンサシステムの感度設定方法においては、明度データのダイナミックレンジにより読取感度の最適値を求める処理に先立って、フーリエ変換を行い、異常値やノイズに対応する高周波成分を除去することにより、明度データに含まれる異常値を予め除去することができるので、図15(b)に示すように、行番号に対する明度データのコントラストの分布傾向から大きく逸脱する異常値が排除されて、主要な分布傾向を示す平滑化された明度データMDのみが抽出される。
したがって、測定データに依存して離散的に変動するノイズ成分や指紋読取面上に付着した比較的大きな異物、ダブルゲート型フォトセンサの素子欠陥等により、被写体画像に複数行にまたがる異常画素(あるいは、ノイズによる)ILが含まれている場合であっても、指紋の凹凸パターンに対応した良好なコントラストを有する行を確実に抽出して、最適な光蓄積時間を決定することができるので、良好な指紋画像を読み取ることができ、誤作動が少なく信頼性の高い指紋読取装置を提供することができる。
【0051】
このように、本実施形態に係るフォトセンサシステム及びその感度設定方法によれば、被写体画像を各行毎に画像読取感度を段階的に変化させて事前読出動作を行い、明度データ主要な変化傾向から逸脱した異常値を除去する異常値除去動作を行った後、各行毎の明度データに対するダイナミックレンジの一次微分値に基づいて、最適な画像読取状態にある行を簡易かつ的確に判別して、当該行に設定された画像読取感度(光蓄積期間)を最適感度として設定することができるので、指紋読取面上に付着した異物や、ダブルゲート型フォトセンサの素子欠陥等による異常画素の影響を受けることなく、被写体画像の正規の画像読み取り動作を適切な感度で読み取ることができる。
また、正規の画像読み取り動作に先立って、実際の被写体を用いて感度設定処理を行うことができるので、環境照度の変化により被写体の明るさが変化するような場合であっても、その都度、最適な画像読取感度を設定することができるとともに、環境照度を検知するための専用の回路等を設置する必要がない。
【0052】
さらに、ダブルゲート型フォトセンサの特性変化が生じたような場合であっても、当該ダブルゲート型フォトセンサにより得られる画像データに基づいて最適感度を求める処理を行っているので、特性変動の影響を大幅に抑制することができる。加えて、被写体そのものを使って最適感度を設定することができるので、感度設定処理に際し、標準試料を用意することがなく、極めて簡易に感度設定処理を実行することができる。
なお、本実施形態においては、感度判定対象範囲として、64〜191行目、及び、67〜130行目の行/列範囲に限定して感度設定処理を実行する場合について説明したが、本発明はこれに限らず、感度判定対象範囲を何ら限定することなく、画像データの全域を対象にして感度設定処理を実行する場合であっても、適用することができることはいうまでもない。
【0053】
次いで、上述した各実施形態の事前読出動作に適用することができる画像読取感度(光蓄積期間)の他の設定方法について、図面を参照して説明する。
図16は、本発明に係るフォトセンサシステムに良好に適用することができる画像読取感度(光蓄積期間)の設定方法の他の例を示すタイミングチャートである。ここでは、図2、図6及び図7に示したフォトセンサシステムの構成を適宜参照しながら説明する。
図16に示すように、本実施例に係るフォトセンサシステムの感度設定方法は、まず、ダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート端子TGを行方向に接続するトップゲートライン101の各々に対して、同時にリセットパルスφT1、φT2、…φTnを印加してリセット期間Trstを同時にスタートし、各行毎のダブルゲート型フォトセンサ10を初期化する。
【0054】
次いで、リセットパルスφT1、φT2、…φTnが同時に立ち下がり、リセット期間Trstが終了することにより、全ての行におけるダブルゲート型フォトセンサ10の光蓄積期間TB1、TB2、…TBn-1、TBnが一斉にスタートして、各行毎のダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート電極側から入射される光量に応じてチャネル領域に電荷(正孔)が発生し、蓄積される。
ここで、各行毎に設定される光蓄積期間TB1、TB2、…TBn-1、TBnは、図16に示すように、各行毎に所定の遅れ時間Tdly分ずつ段階的に変化させるように、プリチャージ信号φpg及び読み出しパルスφB1、φB2、…φBnを印加する。
したがって、上述した実施形態に示したような感度設定処理に先立って行う事前読出動作において、被写体画像を構成する各行毎に異なる読取感度(すなわち、行数分の異なる読取感度)で読み取られた画像データを、1回の被写体画像(一画面)の読み込みにより取得することができる。
【0055】
なお、本発明に係る感度設定処理に適用される画像読取感度(光蓄積期間)の設定方法は、上述した各例に限定されるものではなく、被写体画像を異なる読取感度で画像データを取得できるものであれば、例えば、通常の一画面全体に対してリセット動作→光蓄積動作→プリチャージ動作→読み出し動作を行う一連の処理サイクルを、読取感度を順次変更して複数回繰り返して、異なる読取感度による画像データを複数取得するものでもあってもよいし、さらに他の方法であってもよいことはいうまでもない。
なお、上述した各実施形態においては、フォトセンサアレイを構成するフォトセンサとして、ダブルゲート型フォトセンサを適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。要するに、フォトセンサアレイを構成するフォトセンサにおいて、画像読み取り動作に先立って読取感度設定動作を行う構成を有しているものであれば、本発明に係るフォトセンサシステムの構成及び感度設定方法を良好に適用することができる。
【0056】
【発明の効果】
請求項1、2、7又は8記載の発明によれば、フォトセンサを2次元配列して構成されるフォトセンサアレイを備え、画像読取感度の設定のために画像読取感度を変化させながら被写体画像を読み取る事前読出動作を行うフォトセンサシステムにおいて、各画像読取感度における前記被写体画像の画像パターンに対応した明度データからなる測定量に対してフーリエ変換によって周波数変換を行い、周波数変換された結果から前記測定量の変化傾向から逸脱した異常値に対応する周波成分を除去することによって、測定量から異常値を除去した後、該測定量のデータ範囲と、各画像読取感度相互におけるデータ範囲の変位に基づいて、最適な画像読取状態にある画像読取感度を抽出、設定して正規の読み取り動作を行うことができるので、被写体画像に含まれる連続する異常画素や離散的に変動するノイズ成分等の影響を受けることなく、適切な画像読取感度を設定することができる。また、上記異常値除去動作は、明度データからなる測定量に対してフーリエ変換を行い、周波数変換された測定量をローパスフィルタ等の簡易な構成を通過させることにより、測定量に含まれる異常値を良好に除去することができ、主要な変化傾向を示す測定量のみを抽出して、最適な画像読取感度を良好に設定することができる。
【0057】
また、正規の画像読み取り動作に先立って、実際の被写体を用いて感度設定処理を行うので、環境光の変化により被写体の明るさが変化するような場合であっても、その都度、最適な画像読取感度を設定することができるとともに、環境光を検知するための専用の回路等を設置する必要がない。さらに、フォトセンサの特性変化が生じたような場合であっても、当該フォトセンサにより得られる画像データに基づいて最適感度を求める処理を行っているので、特性変動の影響を大幅に抑制することができる。加えて、被写体そのものを使って最適感度を設定することができるので、感度設定処理に際し、標準試料を用意することがなく、極めて簡易に感度設定処理を実行することができる。
【0058】
請求項3記載の発明によれば、上記事前読出動作は、被写体画像の各行毎に段階的に異なる画像読取感度をフォトセンサアレイに設定して実行されるので、被写体画像を構成する各行毎に異なる読取感度で読み取られた画像データを、1回の被写体画像(一画面)の読み込みにより取得することができ、感度設定処理に要する所要時間を短縮して、適正な画像読取感度を迅速に設定することができる。
【0059】
請求項4記載の発明によれば、フォトセンサアレイの画像読取感度は、フォトセンサにおける光蓄積期間を調整することにより設定制御されるので、画像読取感度を段階的に変化させて事前読出動作を行い、異常値が除去された各画像読取感度毎の測定量のダイナミックレンジ及びその一次微分値に基づいて抽出された画像読取感度を、フォトセンサに設定する光蓄積期間の時間要素(パルスタイミング)のみで簡易に設定制御することができ、外光等の環境光の影響を抑制して、正規の被写体画像を良好に読み取ることができるフォトセンサシステムを提供することができる。
【0060】
請求項5記載の発明によれば、被写体画像の正規の読み取り動作の終了後、フォトセンサアレイにおける第1の電極に印加される実効電圧を最適値にするための第1の信号電圧を印加するとともに、フォトセンサアレイにおける第2の電極に印加される実効電圧を最適値にするための第2の信号電圧を印加するようにしているので、読取感度設定動作、画像読み取り動作においてフォトセンサに印加される信号電圧による実効電圧の偏りを最適化することができ、フォトセンサの素子特性の劣化や感度特性の変化を抑制して、信頼性の高いフォトセンサシステムを提供することができる。
【0061】
請求項6記載の発明によれば、フォトセンサは、半導体層からなるチャネル領域を挟んで形成されたソース電極及びドレイン電極と、少なくとも前記チャネル領域の上方及び下方に各々絶縁膜を介して形成されたトップゲート電極及びボトムゲート電極とを有し、トップゲート電極又はボトムゲート電極のいずれか一方を光照射側として、該光照射側から照射された光の量に対応する電荷が上記チャネル領域に発生、蓄積される、いわゆる、ダブルゲート型フォトセンサにより構成されているので、フォトセンサアレイを構成するフォトセンサデバイスを薄型化して、フォトセンサシステムが適用される2次元画像読取装置を小型化することができるとともに、読取画素を高密度化して被写体画像を高精細で読み取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像読取装置に適用されるダブルゲート型フォトセンサの構造を示す概略断面図である。
【図2】ダブルゲート型フォトセンサを2次元配列して構成されるフォトセンサシステムの概略構成図である。
【図3】フォトセンサシステムの一般的な駆動制御方法を示すタイミングチャートである。
【図4】ダブルゲート型フォトセンサの動作概念図である。
【図5】フォトセンサシステムの出力電圧の光応答特性を示す図である。
【図6】本発明に係るフォトセンサシステムを適用した2次元画像読取装置の一例を示す概略構成図である。
【図7】本発明に係るフォトセンサシステムに適用されるコントローラの一構成例を示すブロック図である。
【図8】本発明に係るフォトセンサシステムの感度設定方法の一処理手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明に係るフォトセンサシステムの感度設定方法の一例を示すタイミングチャートである。
【図10】本発明に係るフォトセンサシステムの事前読出動作において、被写体画像の各行毎に画像読取感度を段階的に変化させて読み込んだ場合の画像データの一例を示す図である。
【図11】本発明に係るフォトセンサシステムの事前読出動作により得られた特定行における各画素毎の明度データの変化を示すグラフである。
【図12】本発明に係るフォトセンサシステムの事前読出動作により得られた各行毎のダイナミックレンジ(最大及び最小の明度データの差)の変化と、ダイナミックレンジの一次微分値の変化との関係を示すグラフである。
【図13】本発明に係るフォトセンサシステムの事前読出動作により得られたダイナミックレンジの一次微分値と、行番号−画像読取感度対応テーブルとの関係を示す図である。
【図14】本発明に係るフォトセンサシステムの事前読出動作において、被写体画像の各行毎に画像読取感度を段階的に変化させて読み込んだ場合の画像データの他の例を示す図である。
【図15】本発明に係るフォトセンサシステムの事前読出動作により得られた被写体画像中に異物等が存在する場合における各行毎の明度データのコントラストの分布と、異常値除去動作後における各行毎の明度データのコントラストの分布を示すグラフである。
【図16】本発明に係るフォトセンサシステムに良好に適用することができる画像読取感度(光蓄積期間)の設定方法の他の例を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
10 ダブルゲート型フォトセンサ
100 フォトセンサアレイ
111 トップゲートドライバ
112 ボトムゲートドライバ
113 出力回路
114 コラムスイッチ
115 プリチャージスイッチ
116 アンプ
117 A/Dコンバータ
120 コントローラ
121 デバイスコントローラ
122 データコントローラ
123 メインコントローラ
124 異常値除去部
124a フーリエ変換部
124b フィルタ部
124c 逆フーリエ変換部
125 データ比較器
126 加算器
127 データセレクタ
128 感度設定レジスタ
130 RAM
200 外部機能部
Claims (8)
- フォトセンサを2次元配列して構成されるフォトセンサアレイを備え、画像読取感度の設定のために画像読取感度を変化させながら被写体画像を読み取る事前読出動作を行うフォトセンサシステムにおいて、
前記各画像読取感度における前記被写体画像の画像パターンに対応した明度データからなる測定量に対してフーリエ変換により周波数変換した結果から、前記測定量の変化傾向から逸脱した異常値に対応する周波数成分を除去することによって前記測定量から前記異常値を除去する異常値除去手段と、
前記異常値が除去された前記測定量に基づいて、前記被写体画像の読み取り動作に適する前記画像読取感度を抽出する読取感度抽出手段と、
前記抽出された画像読取感度を、前記被写体画像の正規の読み取り動作時に設定する読取感度設定手段と、
を有することを特徴とするフォトセンサシステム。 - 前記読取感度抽出手段は、前記異常値が除去された前記測定量のデータ範囲が極大となり、かつ、前記データ範囲の前記各画像読取感度相互における変位が最小となる前記画像読取感度を抽出することを特徴とする請求項1記載のフォトセンサシステム。
- 前記被写体画像の事前読出動作は、前記被写体画像の各行毎に段階的に異なる画像読取感度を、前記フォトセンサアレイに設定して実行されることを特徴とする請求項1記載のフォトセンサシステム。
- 前記フォトセンサアレイの画像読取感度は、前記フォトセンサにおける光蓄積期間を調整することにより設定制御されることを特徴とする請求項1記載のフォトセンサシステム。
- 前記フォトセンサシステムは、前記フォトセンサアレイにおける第1の電極に印加される実効電圧を最適値にするための第1の信号電圧を印加するとともに、前記フォトセンサアレイにおける第2の電極に印加される実効電圧を最適値にするための第2の信号電圧を印加する実効電圧調整手段を具備することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のフォトセンサシステム。
- 前記フォトセンサは、半導体層からなるチャネル領域を挟んで形成されたソース電極及びドレイン電極と、少なくとも前記チャネル領域の上方及び下方に各々絶縁膜を介して形成されたトップゲート電極及びボトムゲート電極と、を有し、
前記トップゲート電極又は前記ボトムゲート電極のいずれか一方を光照射側として、該光照射側から照射された光の量に対応する電荷が前記チャネル領域に発生、蓄積される構成を有していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のフォトセンサシステム。 - フォトセンサを2次元配列して構成されるフォトセンサアレイを備え、画像読取感度の設定のために画像読取感度を変化させながら被写体画像を読み取る事前読出動作を行うフォトセンサシステムの感度設定方法において、
前記各画像読取感度における前記被写体画像の画像パターンに対応した明度データからなる測定量に対してフーリエ変換によって周波数変換を行い、周波数変換された結果から前記測定量の変化傾向から逸脱した異常値に対応する周波成分を除去して、前記測定量から前記異常値を除去する手順と、
前記異常値が除去された前記測定量に基づいて、前記被写体画像の読み取り動作に適する前記画像読取感度を抽出する手順と、
前記抽出された画像読取感度を、前記被写体画像の正規の読み取り動作時に設定する手順と、
を含むことを特徴とするフォトセンサシステムの感度設定方法。 - 前記画像読取感度を抽出する手順は、前記異常値が除去された前記測定量のデータ範囲が極大となり、かつ、前記データ範囲の前記各画像読取感度相互における変位が最小となる前記画像読取感度を抽出することにより行うことを特徴とする請求項7記載のフォトセンサシステムの感度設定方法。
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