JP4019410B2 - フォトセンサシステム及びフォトセンサシステムにおけるフォトセンサの駆動制御方法 - Google Patents

フォトセンサシステム及びフォトセンサシステムにおけるフォトセンサの駆動制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォトセンサを2次元配列して構成されるフォトセンサアレイを備えたフォトセンサシステム及びフォトセンサシステムにおけるフォトセンサの駆動制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、印刷物や写真、あるいは、指紋等の微細な凹凸の形状等を読み取る画像読取装置として、光電変換素子(フォトセンサ)をライン状あるいはマトリクス状に配列して構成されるフォトセンサアレイを有する構造のものがある。このようなフォトセンサアレイとして、一般に、CCD(Charge Coupled Device)等の固体撮像デバイスが用いられている。
【0003】
CCDは、周知の通り、フォトダイオードや薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)等のフォトセンサを複数配列した構成を有し、各フォトセンサの受光部に照射された光量に対応して発生する電子−正孔対の電荷量を、水平走査回路及び垂直走査回路により検出し、照射光の輝度を検知している。
このようなCCDを用いたフォトセンサシステムにおいては、走査された各フォトセンサを選択状態にするための選択トランジスタを個別に設ける必要があるため、フォトセンサアレイを構成する画素数を増加させると、それにしたがってシステム自体が大型化してしまうという問題を有している。
【0004】
そこで、近年、このような問題を解決するための構成として、フォトセンサ自体にフォトセンス機能と選択トランジスタ機能とを持たせた、いわゆる、ダブルゲート構造を有する薄膜トランジスタ(以下、「ダブルゲート型フォトセンサ」という)をフォトセンサシステムに適用して、システムの小型化、及び、画素の高密度化を図る試みがなされている。
このようなフォトセンサシステムは、概略、ガラス基板等の一面側にトップゲート電極及びボトムゲート電極を備えたダブルゲート型フォトセンサをマトリクス状に形成して、フォトセンサアレイを構成し、例えば、ガラス基板の他面(背面)側に設けられた光源から照射光を照射して、ガラス基板の一面側(フォトセンサアレイの上方)に載置された被写体の2次元画像の画像パターン(例えば、指の指紋パターン等)に応じた反射光を、ダブルゲート型フォトセンサにより明暗情報として検出し、上記2次元画像を読み取るものである。
【0005】
ここで、フォトセンサアレイによる画像の読取動作は、各行ごとのダブルゲート型フォトセンサへのリセットパルスの印加による初期化終了時から読み出しパルスが印加されるまでの電荷蓄積期間において、各ダブルゲート型フォトセンサ毎に蓄積されるキャリヤ(正孔)の蓄積量に対応する出力電圧(ドレイン電圧)を読み出すことにより、明暗情報を検出する一連の動作ステップ(リセット動作→電荷蓄積動作→プリチャージ動作→読み出し動作)により被写体画像(2次元画像)の読み取りが行われる。なお、このような一連の動作ステップは、上述したダブルゲート型フォトセンサを用いた場合に限らず、周知のフォトダイオードやフォトトランジスタ等をフォトセンサとして用いたフォトセンサシステムにおいても、同様の動作ステップが実行される。また、上述したダブルゲート型フォトセンサ、及び、フォトセンサアレイの具体的な構成及び動作については、後述する発明の実施の形態において詳しく説明する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来技術のフォトセンサシステムにおいては、被写体画像の読取動作として、リセット動作→電荷蓄積動作→プリチャージ動作→読み出し動作の一連の動作ステップが実行制御されるが、このような一連の動作ステップを、複数の行からなる2次元マトリクスを有するフォトセンサアレイに適用する場合、1画面のスキャンを行うために1行目から最終行まで、各行ごとに上記一連のステップを1処理サイクルとして、行数分シリアル(時系列的)に繰り返し実行する必要があるため、フォトセンサアレイの行数が多くなるほど1画面全体の読取所要時間(スキャン時間)が増大するという問題を有していた。
【0007】
そこで、このような問題を解決する手法として、例えば、特開2001−148807号公報等に記載されているように、各行ごとの動作ステップ相互が影響を及ぼさない所定の遅延時間間隔(具体的には、後述するように、各動作パルス相互が時間的に重ならない時間間隔)で、動作ステップの一部が相互に時間的な重なりを有するように実行タイミングを制御することにより、被写体画像全体の読取時間を短縮する駆動制御方法が知られている。
【0008】
しかしながら、特開2001−148807号公報等に記載された駆動制御方法においては、被写体画像の読取動作中のリセット動作時点のフォトセンサのドレイン電圧が、被写体画像の画像パターンに応じて異なるとともに、各行相互でダブルゲート型フォトセンサの読み出し動作とリセット動作が同時並行的に実行されるタイミングにおいて、読み出し動作の対象となったドレイン電圧がリセット動作の対象となっているフォトセンサのドレイン電圧に影響を与えるため、リセット動作時のフォトセンサのドレイン電圧が一定電圧に安定せず、バラツキを生じる。また、2次元マトリクスの1行目のフォトセンサにおいて、最初の読み出し動作を実行する場合にあっては、当該行のフォトセンサにおいてプリチャージ動作が最初の動作となるため、当該プリチャージ動作以前においてはドレイン電圧が不確定状態にある。
【0009】
これにより、リセット動作後の各フォトセンサの状態が安定化(均一化)しなくなり、特に、当該フォトセンサの素子特性の製造上のバラツキや使用環境等の内部的外部的要因に起因して、読み出し動作時に読み出される上記ドレイン電圧のバラツキが一層顕著になることが、本願発明者の各種検討の結果、判明した。そのため、被写体画像の良好な読取動作を実現することができなくなるという問題を有している。なお、従来技術における問題点等については、説明の都合上、後述する発明の実施の形態において詳しく説明する。
【0010】
そこで、本発明は、上述した問題に鑑み、フォトセンサを複数配列して構成されるフォトセンサアレイを備えたフォトセンサシステムにおいて、リセット動作後の各フォトセンサの状態のバラツキを抑制して、被写体画像全体の読取時間を短縮しつつ、良好に被写体画像を読み取ることができるフォトセンサシステム及びフォトセンサシステムにおけるフォトセンサの駆動制御方法を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のフォトセンサシステムは、複数のフォトセンサよりなるフォトセンサアレイを備えたフォトセンサシステムにおいて、前記フォトセンサは、半導体層からなるチャネル領域を挟んで形成されたソース電極及びドレイン電極と、少なくとも前記チャネル領域の上方及び下方に各々絶縁膜を介して形成された第1のゲート電極及び第2のゲート電極と、を有し、前記フォトセンサアレイの前記複数のフォトセンサの前記第1のゲート電極にリセットパルスを印加して、当該複数のフォトセンサを初期化するリセット手段と、前記初期化終了後、前記フォトセンサアレイに第1のプリチャージパルスを印加して、該第1のプリチャージパルスに基づいて、前記複数のフォトセンサの前記ドレイン電極に第1のプリチャージ電圧を印加する第1のプリチャージ手段と、前記初期化終了後、照射された光により発生する電荷を蓄積する電荷蓄積期間が経過し、かつ、前記第1のプリチャージ電圧を印加するプリチャージ動作が終了した前記複数のフォトセンサの前記第2のゲート電極に対して、読み出しパルスを印加する読み出し手段と、前記読み出しパルスを印加する読み出し期間に、前記第1のプリチャージ電圧に対して、前記電荷蓄積期間に蓄積された電荷に応じて変化した前記ドレイン電極の電圧を読み出して出力電圧として出力する出力手段と、前記フォトセンサアレイに第2のプリチャージパルスを印加して、該第2のプリチャージパルスに基づいて前記複数のフォトセンサの前記ドレイン電極に前記第2のプリチャージ電圧を印加する第2のプリチャージ手段と、前記第2のプリチャージパルスを印加するタイミングを、前記リセットパルスが印加されるリセット動作の開始直前、又は、該リセット動作の開始と同のいずれかのタイミングに設定するタイミング制御手段と、を備えていることを特徴としている。
【0012】
請求項2記載のフォトセンサシステムは、請求項1記載のフォトセンサシステムにおいて、前記タイミング制御手段は、前記第2のプリチャージパルスを印加するタイミングを、少なくとも、前記リセット動作の開始時点を含む所定の期間中、前記第2のプリチャージパルスを継続して印加するタイミングに設定することを特徴としている。請求項3記載のフォトセンサシステムは、請求項2記載のフォトセンサシステムにおいて、前記タイミング制御手段は、前記第2のプリチャージパルスを印加するタイミングを、少なくとも、前記リセット動作の期間中、前記第2のプリチャージパルスを継続して印加するタイミングに設定することを特徴としている。
【0013】
請求項4記載のフォトセンサシステムは、請求項2又は3記載のフォトセンサシステムにおいて、前記タイミング制御手段は、前記第2のプリチャージパルスを印加するタイミングを、少なくとも、前記読み出し動作の開始時点を含む所定の期間、前記第2のプリチャージパルスを印加するタイミングに設定することを特徴としている。
【0014】
請求項記載のフォトセンサシステムは、請求項1乃至のいずれかに記載のフォトセンサシステムにおいて、前記第2プリチャージ電圧は、前記第1のプリチャージ電圧と同じ電圧値に設定されていることを特徴としている。請求項記載のフォトセンサシステムは、請求項1乃至4のいずれかに記載のフォトセンサシステムにおいて、前記第2プリチャージ電圧は、前記第1のプリチャージ電圧よりも低い電圧に設定されていることを特徴としている。
【0015】
請求項記載のフォトセンサシステムは、請求項1乃至のいずれかに記載のフォトセンサシステムにおいて、前記フォトセンサは、前記第1のゲート電極又は前記第2のゲート電極のいずれか一方を光照射側として、該光照射側から照射された光の量に対応する電荷が前記チャネル領域に発生、蓄積されることを特徴としている。
【0017】
請求項記載のフォトセンサシステムにおけるフォトセンサの駆動制御方法は、半導体層からなるチャネル領域を挟んで形成されたソース電極及びドレイン電極と、少なくとも前記チャネル領域の上方及び下方に各々絶縁膜を介して形成された第1のゲート電極及び第2のゲート電極と、を有する複数のフォトセンサを備えるフォトセンサアレイを有し、前記フォトセンサアレイの前記複数のフォトセンサの前記第1のゲート電極にリセットパルスを印加して、前記複数のフォトセンサを初期化する第1のステップと、前記初期化終了後、前記フォトセンサアレイに第1のプリチャージパルスを印加し、該第1のプリチャージパルスに基づいて、前記複数のフォトセンサの前記ドレイン電極第1のプリチャージ電圧を印加し、照射された光により発生する電荷を蓄積する電荷蓄積期間が経過した後、前記複数のフォトセンサの前記第2のゲート電極に読み出しパルスを印加して、前記電荷蓄積期間に蓄積された電荷による前記ドレイン電極の電圧を出力電圧として出力する第2のステップと、を含むフォトセンサシステムにおけるフォトセンサの駆動制御方法において、前記フォトセンサアレイに第2のプリチャージパルスを印加し、該第2のプリチャージパルスに基づいて、前記複数のフォトセンサの前記ドレイン電極に第2のプリチャージ電圧を印加し、前記第2のプリチャージパルスを印加するタイミングを、前記第1のステップの動作開始直前、又は、前記第1のステップの動作開始と同のいずれかのタイミング設定する第3のステップを有していることを特徴としている。
【0018】
請求項記載のフォトセンサシステムにおけるフォトセンサの駆動制御方法は、請求項記載のフォトセンサシステムにおけるフォトセンサの駆動制御方法において、前記第3のステップにおいて、前記第2のプリチャージパルスを印加するタイミングを、少なくとも、前記第1のステップの動作開始時点を含む所定の期間、前記第2のプリチャージパルスを継続して印加するタイミングに設定することを特徴としている。請求項10記載のフォトセンサシステムにおけるフォトセンサの駆動制御方法は、請求項記載のフォトセンサシステムにおけるフォトセンサの駆動制御方法において、前記第3のステップにおいて、前記第2のプリチャージパルスを印加するタイミングを、少なくとも、前記第2のステップの動作期間中、前記第2のプリチャージパルスを印加するタイミングに設定することを特徴としている。
【0019】
請求項11記載のフォトセンサシステムにおけるフォトセンサの駆動制御方法は、請求項乃至10のいずれかに記載のフォトセンサシステムにおけるフォトセンサの駆動制御方法において、前記第3のステップにおいて、前記第2プリチャージ電圧は、前記第1のプリチャージ電圧と同じ電圧値に設定されていることを特徴としている。
【0020】
請求項12記載のフォトセンサシステムにおけるフォトセンサの駆動制御方法は、請求項乃至10のいずれかに記載のフォトセンサシステムにおけるフォトセンサの駆動制御方法において、前記第3のステップにおいて、前記第2プリチャージ電圧は、前記第1のプリチャージ電圧よりも低い電圧に設定されていることを特徴としている。
【0021】
請求項13記載のフォトセンサシステムにおけるフォトセンサの駆動制御方法は、請求項記載のフォトセンサシステムにおけるフォトセンサの駆動制御方法において、前記フォトセンサアレイは、マトリクス状に配列された複数のフォトセンサよりなり、前記第1のステップにおける前記リセットパルス、及び、前記第2のステップにおける前記読み出しパルスは、前記フォトセンサアレイの所定の行に印加され、前記第1のステップにおける各行ごとの前記リセットパルスの印加間隔、前記第2のステップにおける各行毎の前記読み出しパルスの印加間隔、及び、前記第3のステップにおける前記第2プリチャージ電圧の印加間隔は、前記リセットパルスのパルス幅と前記第2プリチャージ電圧の印加時間と前記読み出しパルスのパルス幅との合計時間以上に設定されていることを特徴としている。
【0022】
請求項14記載のフォトセンサシステムにおけるフォトセンサの駆動制御方法は、請求項記載のフォトセンサシステムにおけるフォトセンサの駆動制御方法において、前記フォトセンサアレイは、マトリクス状に配列された複数のフォトセンサよりなり、前記第1のステップにおける前記リセットパルス、及び、前記第2のステップにおける前記読み出しパルスは、前記フォトセンサアレイの所定の行に印加され、前記第1のステップにおける各行ごとの前記リセットパルスの印加間隔、前記第2のステップにおける各行毎の前記読み出しパルスの印加間隔、及び、前記第3のステップにおける前記第2プリチャージ電圧の印加間隔は、前記第2プリチャージ電圧の印加時間と前記読み出しパルスのパルス幅との合計時間以上に設定されていることを特徴としている。
【0023】
すなわち、本発明に係るフォトセンサシステム及びそのフォトセンサの駆動制御方法は、ダブルゲート型フォトセンサを複数配列して構成されるフォトセンサアレイを備えたフォトセンサシステムにおいて、フォトセンサに対するリセット動作→電荷蓄積動作→第1のプリチャージ動作→読み出し動作からなる一連の動作ステップを実行する際に、リセット動作の開始直前、又は、該リセット動作の開始と同時のいずれかのタイミングで第2のプリチャージ電圧を印加する第2のプリチャージ動作を行って、リセット動作の開始時点において、各フォトセンサのドレイン電極が第2のプリチャージ電圧に応じた一定の電圧となるように構成又は制御することにより、各フォトセンサが均一な電圧が印加された状態で初期化される。特に、リセット動作の期間中、フォトセンサにプリチャージ電圧よりも低い電圧を印加することにより、リセット動作が十分かつ均一に実行され、フォトセンサがより良好に初期化される。
【0024】
これによれば、例えば、フォトセンサアレイとして複数のフォトセンサがマトリクス状に配列された構成を用いる場合、マトリクスの1行目に配列され、最初に初期化されるフォトセンサであっても、また、被写体の画像パターンやフォトセンサの素子特性の製造上のバラツキ、フォトセンサシステムの使用環境等に起因して、各フォトセンサからの読み出し動作時の出力電圧(ドレイン電圧)にバラツキが生じた場合であっても、リセット動作後の各フォトセンサ間の状態を均一化して安定させることができるので、明度ムラ等を抑制して、均一な明度を有する良好な被写体画像を得ることができる。
【0025】
ここで、各フォトセンサに上記第2のプリチャージ電圧を印加する動作は、少なくとも、リセット動作の開始時点において、各フォトセンサのドレイン電極に上記第2のプリチャージ電圧が印加され、かつ、読み出し動作の開始前において、各フォトセンサに第1のプリチャージ電圧が印加されているものであればよく、また、リセット動作の開始時点において、各フォトセンサに印加される第2のプリチャージ電圧は、上記第1のプリチャージ電圧と同じ電圧値であってもよいし、第1のプリチャージ電圧よりも低い電圧値(特定電圧)に設定されていてもよい。したがって、各フォトセンサには、例えば、リセット動作の期間(リセット期間)を含む所定の期間、上記第2のプリチャージ電圧を印加するものであってもよいし、リセット動作と同期して、リセット期間だけ上記第2のプリチャージ電圧を印加するものであってもよいし、また、リセット動作の直前の所定の期間だけ上記第2のプリチャージ電圧を印加するものであってもよい。
【0026】
これによれば、プリチャージパルス及びリセットパルス、読み出しパルスの印加タイミングを任意に設定することにより、第2のプリチャージ動作→リセット動作→電荷蓄積動作→第1のプリチャージ動作→読み出し動作からなる一連の動作ステップを、マトリクスの各行ごとに時間的にオーバーラップさせて、画面全体を読み取る際の読取所要時間を大幅に短縮することができる。また、本発明に係るフォトセンサシステムにおいて、フォトセンサとして、ダブルゲート型フォトセンサを適用することにより、フォトセンサアレイを薄型化して、フォトセンサシステムが適用される2次元画像読取装置を小型化することができるとともに、読取画素を高密度化して被写体画像を高精細で読み取ることもできる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係るフォトセンサシステム及びフォトセンサシステムにおけるフォトセンサの駆動制御方法の実施の形態について詳しく説明する。
まず、本発明に係るフォトセンサシステムに適用可能なフォトセンサの一例として、ダブルゲート型フォトセンサについて図面を参照して説明する。
【0028】
<ダブルゲート型フォトセンサ>
図1は、ダブルゲート型フォトセンサの概略構成を示す断面構造図である。
図1(a)に示すように、ダブルゲート型フォトセンサ10は、励起光(ここでは、可視光)が入射されると電子−正孔対が生成されるアモルファスシリコン等の半導体層(チャネル層)11と、半導体層11の両端にそれぞれ設けられたnシリコンからなる不純物層17、18と、不純物層17、18上に形成されたクロム、クロム合金、アルミ、アルミ合金等から選択され、可視光に対して不透明のソース電極12及びドレイン電極13と、半導体層11の上方(図面上方)にブロック絶縁膜14及び上部(トップ)ゲート絶縁膜15を介して形成されたITO等の透明導電層からなり、可視光に対して透過性を示すトップゲート電極(第1のゲート電極)21と、半導体層11の下方(図面下方)に下部(ボトム)ゲート絶縁膜16を介して形成されたクロム、クロム合金、アルミ、アルミ合金等から選択され、可視光に対して不透明なボトムゲート電極(第2のゲート電極)22と、を有して構成されている。そして、このような構成を有するダブルゲート型フォトセンサ10は、ガラス基板等の透明な絶縁性基板19上に形成されている。
【0029】
ここで、図1(a)において、トップゲート絶縁膜15、ブロック絶縁膜14、ボトムゲート絶縁膜16、及び、トップゲート電極21上に設けられる保護絶縁膜20は、いずれも半導体層11を励起する可視光に対して、高い透過率を有する材質、例えば、窒化シリコンや酸化シリコン等により構成されることにより、図面上方から入射する光のみを検知する構造を有している。
すなわち、ダブルゲート型フォトセンサ10は、半導体層11を共通のチャネル領域として、半導体層11、ソース電極12、ドレイン電極13及びトップゲート電極21により形成される上部MOSトランジスタと、半導体層11、ソース電極12、ドレイン電極13及びボトムゲート電極22により形成される下部MOSトランジスタとからなる2つのMOSトランジスタの組み合わせた構造が、ガラス基板等の透明な絶縁性基板19上に形成されている。
【0030】
なお、このようなダブルゲート型フォトセンサ10は、一般に、図1(b)に示すような等価回路により表される。ここで、TGはトップゲート電極21と電気的に接続されたトップゲート端子、BGはボトムゲート電極22と電気的に接続されたボトムゲート端子、Sはソース電極12と電気的に接続されたソース端子、Dはドレイン電極13と電気的に接続されたドレイン端子である。
【0031】
次いで、上述したダブルゲート型フォトセンサの駆動制御方法について、図面を参照して説明する。
図2は、ダブルゲート型フォトセンサの基本的な駆動制御方法の一例を示すタイミングチャートであり、図3は、ダブルゲート型フォトセンサの動作概念図であり、図4は、ダブルゲート型フォトセンサの出力電圧の光応答特性を示す図である。ここでは、上述したダブルゲート型フォトセンサの構成(図1)を適宜参照しながら説明する。
【0032】
まず、リセット動作においては、図2、図3(a)に示すように、ダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート端子TGにパルス電圧(以下、「リセットパルス」と記す;例えば、Vtg=+15Vのハイレベル)φTを印加して、半導体層11、及び、ブロック絶縁膜14における半導体層11との界面近傍に蓄積されているキャリヤ(ここでは、正孔)を放出する(リセット期間Trst)。ここで、スイッチSWpgはプリチャージパルスφpgの印加に対応するものであり、プリチャージパルスφpgが印加されるときにONとなって導通する。後述するように、本発明の各実施形態においては、リセットパルスの印加直前または印加中にプリチャージパルスφpgが印加され、それによりスイッチSWpgがONとなり、ドレイン端子Dに所定の電圧(プリチャージ電圧Vpg又は特定電圧VL)が印加される。
【0033】
次いで、電荷蓄積動作においては、図2、図3(b)に示すように、トップゲート端子TGにローレベル(例えば、Vtg=−15V)のバイアス電圧φTを印加することにより、リセット動作を終了し、キャリヤ蓄積動作(電荷蓄積動作)による電荷蓄積期間Taがスタートする。電荷蓄積期間Taにおいては、トップゲート電極21側から入射した光量に応じて半導体層11の入射有効領域、すなわち、キャリヤ発生領域で電子−正孔対が生成され、半導体層11、及び、ブロック絶縁膜14における半導体層11との界面近傍、すなわち、チャネル領域周辺に正孔が蓄積される。
【0034】
そして、プリチャージ動作においては、図2、図3(c)に示すように、電荷蓄積期間Taに並行して、プリチャージパルスφpgが印加され、それに基づいてスイッチSWpgがONとなってドレイン端子Dに所定の電圧(プリチャージ電圧Vpg)を印加し、ドレイン電極13に電荷を保持させる(プリチャージ期間Tprch)。
次いで、読み出し動作においては、図2、図3(d)に示すように、プリチャージ期間Tprchを経過した後、ボトムゲート端子BGにハイレベル(例えば、Vbg=+10V)のバイアス電圧(読み出し選択信号;以下、「読み出しパルス」と記す)φBを印加すること(選択状態)により、ダブルゲート型フォトセンサ10をON状態にする(読み出し期間Tread)。
【0035】
ここで、読み出し期間Treadにおいては、チャネル領域に蓄積されたキャリヤ(正孔)が逆極性のトップゲート端子TGに印加されたVtg(−15V)を緩和する方向に働くため、ボトムゲート端子BGのVbg(+15V)によりnチャネルが形成され、ドレイン電流に応じてドレイン端子Dの電圧(ドレイン電圧)VDは、図4(a)に示すように、プリチャージ電圧Vpgから時間の経過とともに徐々に低下する傾向を示す。
【0036】
すなわち、電荷蓄積期間Taにおける電荷蓄積状態が明状態の場合には、図3(d)に示すように、チャネル領域に入射光量に応じたキャリヤ(正孔)が捕獲されているため、トップゲート端子TGの負バイアスを打ち消すように作用し、この打ち消された分だけボトムゲート端子BGの正バイアスによって、ダブルゲート型フォトセンサ10はON状態となる。そして、この入射光量に応じたON抵抗に従って、図4(a)に示すように、ドレイン電圧VDは、低下することになる。
一方、電荷蓄積状態が暗状態で、チャネル領域にキャリヤ(正孔)が蓄積されていない場合には、図3(e)に示すように、トップゲート端子TGに負バイアスをかけることによって、ボトムゲート端子BGの正バイアスが打ち消され、ダブルゲート型フォトセンサ10はOFF状態となり、図4(a)に示すように、ドレイン電圧VDが、ほぼそのまま保持されることになる。
【0037】
したがって、図4(a)に示したように、ドレイン電圧VDの変化傾向は、トップゲート端子TGへのリセットパルスφTの印加によるリセット動作の終了時点から、ボトムゲート端子BGに読み出しパルスφBが印加されるまでの時間(電荷蓄積期間Ta)に受光した光量に深く関連し、蓄積されたキャリヤが多い場合(明状態)には急峻に低下する傾向を示し、また、蓄積されたキャリヤが少ない場合(暗状態)には緩やかに低下する傾向を示す。そのため、読み出し期間Treadがスタートして、所定の時間経過後のドレイン電圧VD(=Vrd)を検出することにより、あるいは、所定のしきい値電圧を基準にして、その電圧に至るまでの時間を検出することにより、ダブルゲート型フォトセンサ10に入射した光(照射光)の光量が換算される。
【0038】
なお、図2に示したタイミングチャートにおいて、プリチャージ期間Tprchの経過後、図3(f)、(g)に示すように、ボトムゲート端子BGにローレベル(例えば、Vbg=0V)を印加した状態(非選択状態)を継続すると、ダブルゲート型フォトセンサ10はOFF状態を持続し、図4(b)に示すように、ドレイン電圧VDは、プリチャージ電圧Vpgに近似する電圧を保持する。このように、ボトムゲート端子BGへの電圧の印加状態により、ダブルゲート型フォトセンサ10の読み出し状態を選択、非選択状態に切り替える選択機能が実現される。
【0039】
<フォトセンサシステム>
次いで、上述したダブルゲート型フォトセンサを2次元配列して構成されるフォトセンサアレイを備えたフォトセンサシステムについて、図面を参照して説明する。
図5は、ダブルゲート型フォトセンサを2次元配列して構成されるフォトセンサアレイを備えたフォトセンサシステムの概略構成図である。
【0040】
図5に示すように、フォトセンサシステムは、大別して、多数のダブルゲート型フォトセンサ10を、例えば、n行×m列(n、mは任意の自然数)のマトリクス状に配列したフォトセンサアレイ100と、各ダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート端子TG(トップゲート電極21)及びボトムゲート端子BG(ボトムゲート電極22)を各々行方向に接続して伸延するトップゲートライン101及びボトムゲートライン102と、各ダブルゲート型フォトセンサ10のドレイン端子D(ドレイン電極13)を列方向に接続したドレインライン(データライン)103と、ソース端子S(ソース電極12)を列方向に接続するとともに、接地電位に接続されたソースライン(コモンライン)104と、トップゲートライン101に接続されたトップゲートドライバ110と、ボトムゲートライン102に接続されたボトムゲートドライバ120と、ドレインライン103に接続されたコラムスイッチ131、プリチャージスイッチ132、アンプ133からなるドレインドライバ130と、を有して構成されている。
【0041】
ここで、トップゲートライン101は、図1に示したトップゲート電極21とともに、ITO等の透明導電層で一体的に形成され、ボトムゲートライン102、ドレインライン103並びにソースライン104は、それぞれボトムゲート電極22、ソース電極12、ドレイン電極13と同一の励起光に不透明な材料で一体的に形成されている。また、ソースライン104には、後述するプリチャージ電圧Vpgに応じて設定される定電圧Vssが印加されるが、接地電位(GND)であってもよい。
【0042】
なお、図5において、φtgは、リセット電圧及び光キャリア蓄積電圧のいずれかとして選択的に出力されるパルス信号φT1、φT2、…φTi、…φTnを生成するための制御信号であり、φbgは、読み出し電圧及び非読み出し電圧のいずれかとして選択的に出力されるパルス信号φB1、φB2、…φBi、…φBnを生成するための制御信号、φpgは、プリチャージ電圧Vpgを印加するタイミングを制御するプリチャージパルスである。
【0043】
このような構成において、トップゲートドライバ110からトップゲートライン101を介して、トップゲート端子TGに信号φTi(iは任意の自然数;i=1、2、・・・n)を印加することにより、フォトセンス機能が実現され、ボトムゲートドライバ120からボトムゲートライン102を介して、ボトムゲート端子BGに信号φBiを印加し、ドレインライン103を介して検出信号をドレインドライバ130に取り込んで、シリアルデータ又はパラレルデータの出力電圧Voutとして出力することにより、選択読み出し機能が実現される。
【0044】
上述したフォトセンサシステムの駆動制御方法は、基本的には、上述したダブルゲート型フォトセンサの駆動制御方法(図2参照)を1処理サイクルとして、フォトセンサアレイを構成するマトリクスの行数分シリアル(時系列的)に繰り返すことにより実現されるが、例えば、読取精度を高精細化するためにフォトセンサアレイを高密度化した場合には、被写体画像の読取所要時間が増大して、フォトセンサシステムの実用化の面で好ましくない。そこで、ダブルゲート型フォトセンサを用いたフォトセンサシステムにおいては、上述した特開2001−148807号公報等に記載されているように、以下に示すような駆動制御方法を適用することにより読取所要時間を大幅に短縮することができる。
【0045】
図6は、上述したフォトセンサシステムの駆動制御方法の一例を示すタイミングチャートである。ここでは、図5に示したフォトセンサシステムの構成を適宜参照しながら、駆動制御方法を説明する。
図6に示すように、まず、トップゲートドライバ110からトップゲートライン101を介して、リセットパルスφT1、φT2、…φTk、φTk+1、…φTn(kは任意の自然数;k=1、2、・・・n−1)を順次印加して、リセット期間Trstをスタートし、各行ごとのダブルゲート型フォトセンサ10を初期化する。
【0046】
次いで、リセットパルスφT1、φT2、…φTk、φTk+1、…φTnが順次立ち下がり、リセット期間Trstが終了することにより、電荷蓄積期間Taがスタートして、各行ごとのダブルゲート型フォトセンサ10に入射される光量に応じてチャネル領域に電荷(正孔)が発生し、蓄積される。ここで、図6に示すように、電荷蓄積期間Ta内に並行して、ドレインドライバ130にプリチャージパルスφpgを印加することにより、プリチャージ期間Tprchをスタートし、ドレインライン103にプリチャージ電圧Vpgを印加して各行ごとのダブルゲート型フォトセンサ10のドレイン電極に所定の電圧を保持させるプリチャージ動作が行われる。
【0047】
次いで、電荷蓄積期間Ta及びプリチャージ期間Tprchが終了したダブルゲート型フォトセンサ10に対して、他の行におけるリセット動作、プリチャージ動作及び読み出し動作のための各信号の印加タイミングと時間的に重ならないタイミングで、各行ごとにボトムゲートドライバ120からボトムゲートライン102を介して、読み出しパルスφB1、φB2、…φBk、φBk+1、…φBnを順次印加して、読み出し期間Treadをスタートし、各行ごとのダブルゲート型フォトセンサ10に蓄積された電荷に対応するドレイン電圧VD1、VD2、VD3、…VDmの変化を、ドレインドライバ130により、各ドレインライン103を介して同時に検出し、シリアルデータ又はパラレルデータからなる出力電圧Voutとして読み出す。
【0048】
ここで、本駆動制御方法においては、行ごとのリセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTn、読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…φBn、及び、プリチャージパルスφpgの印加タイミングの間隔(Tdly)を、次の(1)式に示すように、リセットパルスによるリセット期間Trstと、読み出しパルスによる読み出し期間Treadと、プリチャージパルスによるプリチャージ期間Tprchとの合計時間、又は、それ以上に設定する。
Tdly=Trst+Tprch+Tread ・・・(1)
これにより、リセット動作、プリチャージ動作、読み出し動作が時間的に重なって実行されることがなく、さらに、各行ごとの処理サイクルの一部を時間的にオーバーラップさせることができるので、全ての行におけるリセット動作が終了する前に読み出し動作を行うことができ、2次元画像の読み出し動作を良好に実行しつつ、当該読出所要時間を大幅に短縮することができる。
【0049】
<2次元画像読取装置>
次に、本発明に係るフォトセンサシステムを適用した2次元画像読取装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に示す実施形態においては、フォトセンサとして、上述したダブルゲート型フォトセンサを適用し、トップゲート電極を第1のゲート電極として電圧(リセットパルス)を印加することにより、フォトセンス機能を実現するとともに、ボトムゲート電極を第2のゲート電極として電圧(読み出しパルス)を印加することにより、チャネル領域に蓄積された電荷量を読み出す機能を実現するものとして説明する。
図7は、本発明に係るフォトセンサシステムを適用した2次元画像読取装置の全体構成を示すブロック図である。なお、ここでは、図1、図5に示したダブルゲート型フォトセンサ及びフォトセンサシステムの構成を適宜参照しながら説明する。また、図5に示したフォトセンサシステムと同等の構成については、同一の符号を付して、その説明を簡略化又は省略する。
【0050】
図7に示すように、本実施形態に係る2次元画像読取装置は、大別して、図5に示したフォトセンサシステムと同様に、ダブルゲート型フォトセンサ10を2次元配列して構成されるフォトセンサアレイ100と、ダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート端子TGに所定のタイミングで、所定のトップゲート電圧(リセットパルス)を印加するトップゲートドライバ(リセット手段)110と、ダブルゲート型フォトセンサ10のボトムゲート端子BGに所定のタイミングで、所定のボトムゲート電圧(読み出しパルス)を印加するボトムゲートドライバ(読み出し手段)120と、ダブルゲート型フォトセンサ10へのプリチャージ電圧の印加及びドレイン電圧の読み出しを行うコラムスイッチ131、プリチャージスイッチ132、アンプ133からなるドレインドライバ(プリチャージ手段、出力手段)130と、読み出されたドレイン電圧(アナログ信号)をデジタル信号からなる画像出力信号(画像データ)に変換するアナログ−デジタル変換器(以下、「A/Dコンバータ」と記す)140と、フォトセンサアレイ100による被写体画像の読取動作制御や画像データの照合、加工等の所定の処理を実行する外部機能部200とのデータのやり取り等を行うとともに、後述する画像読取動作(すなわち、本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法)を実行制御する機能を備えたコントローラ(タイミング制御手段)150と、読取画像データや読取感度の設定等に関連するデータ等を記憶するRAM160と、を有して構成されている。
ここで、フォトセンサアレイ100、トップゲートドライバ110、ボトムゲートドライバ120、ドレインドライバ130は、図5に示したフォトセンサシステムと同等の構成及び機能を有しているので、その詳細な説明を省略する。
【0051】
コントローラ150は、トップゲートドライバ110及びボトムゲートドライバ120に制御信号φtg、φbgを出力することにより、図2及び図6に示したように、トップゲートドライバ110及びボトムゲートドライバ120の各々から、フォトセンサアレイ100を構成する各ダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート端子TG及びボトムゲート端子BGに所定の信号電圧(リセットパルスφTi、読み出しパルスφBi)を印加する動作を制御する。特に、本実施形態においては、フォトセンサアレイ100を構成する少なくとも2つの異なる行間において、リセットパルスφTi及び読み出しパルスφBiのいずれの印加タイミングも相互に時間的に重ならないように設定するとともに、各行ごとの処理サイクルの一部(電荷蓄積期間相互)を時間的にオーバーラップさせた期間を有するように設定する。
【0052】
また、コントローラ150は、被検出体画像の読み取り動作において、プリチャージスイッチ132にプリチャージパルスφpgを出力することにより、各ダブルゲート型フォトセンサ10のドレイン端子Dにプリチャージ電圧Vpgを印加して、読み取られた被検出体の画像パターンに対応して各ダブルゲート型フォトセンサ10に蓄積された電荷量に応じたドレイン電圧VDを検出する動作を制御する。特に、本実施形態においては、コントローラ150は、少なくとも、フォトセンサアレイ100を構成する各行ごとのリセット動作の開始時点で、プリチャージ動作により所定の電圧(プリチャージ電圧Vpg)をドレインライン103に印加、もしくは、特定電圧印加動作により所定の電圧(プリチャージ電圧よりも低い特定電圧VL)をドレインライン103に印加して、ドレイン電圧が一定の電圧値になるように設定する。
【0053】
さらに、コントローラ150には、ドレインドライバ130から出力される出力電圧Voutが、A/Dコンバータ140を介してデジタル信号に変換され、画像出力信号として入力される。コントローラ150は、この画像出力信号に対して、所定の画像処理を施したり、RAM160への書き込み、読み出しを行うとともに、画像データの照合や加工等の所定の処理を実行する外部機能部200に対するインタフェースとしての機能をも備えている。
【0054】
次に、本発明に係るフォトセンサシステムにおけるフォトセンサの駆動制御方法について詳しく説明する。なお、以下に示す各実施形態においては、フォトセンサとして上述したダブルゲート型フォトセンサを適用した場合について示すが、本発明の構成は、このダブルゲート型フォトセンサに限定されるものではなく、他の構成のフォトセンサを用いたフォトセンサシステムに対しても同様に適用することができる。
【0055】
<第1の実施形態>
図8は、本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法の第1の実施形態を示すタイミングチャートである。なお、ここでは、図5及び図7に示したフォトセンサシステムの構成を適宜参照しながら説明する。
図8に示すように、まず、各行ごとのダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート端子TGに接続されたトップゲートライン101の各々に対して、リセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTnを印加するリセット動作に先立って、当該リセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTnの印加直前のタイミングで、プリチャージパルス(便宜的に「リセット前プリチャージパルス」と記す)φpgを印加することにより、リセット前プリチャージ期間Tpraをスタートし、各ダブルゲート型フォトセンサ10のドレイン電極(ドレインライン103)にリセット前プリチャージパルスφpgに基づく所定のプリチャージ電圧Vpg(ここでは、ハイレベルのプリチャージ電圧を指す)が印加、保持された状態に設定するリセット前プリチャージ動作を実行する。
【0056】
次いで、リセット前プリチャージパルスφpgが立ち下がり、リセット前プリチャージ期間Tpraが終了した後、各行ごとのトップゲートライン101にリセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTnを順次印加して、リセット期間Trstをスタートし、各行ごとのダブルゲート型フォトセンサ10を初期化するリセット動作を実行する。これにより、各行ごとのダブルゲート型フォトセンサ10を初期化するリセット動作に先立って、各ダブルゲート型フォトセンサ10に接続されたドレインライン103に、リセット前プリチャージパルスφpgに基づくプリチャージ電圧Vpgが印加されることになるので、被写体画像の画像パターン等に関わらず、リセット動作時のダブルゲート型フォトセンサ10のドレイン電圧が一定化される。
【0057】
次いで、リセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTnが立ち下がり、リセット期間Trstが終了することにより、電荷蓄積期間Taが順次スタートして、各行ごとにダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート電極側から入射される光量に応じてチャネル領域に電荷(正孔)が発生し、蓄積される電荷蓄積動作が実行される。
次いで、各行ごとの電荷蓄積期間Taに並行して、読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…φBnの印加直前のタイミングで、全ドレインライン103にプリチャージパルス(便宜的に「読み出し前プリチャージパルス」と記す)φpgを印加することにより、読み出し前プリチャージ期間Tprbを順次スタートし、各ダブルゲート型フォトセンサ10のドレイン電極に読み出し前プリチャージパルスφpgに基づく所定のプリチャージ電圧Vpgが印加、保持された状態に設定する読み出し前プリチャージ動作を実行する。
【0058】
次いで、電荷蓄積期間Ta及び読み出し前プリチャージ期間Tprbが終了したダブルゲート型フォトセンサ10に対して、各行ごとにボトムゲートライン102に読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…φBnを順次印加して読み出し期間Treadをスタートし、各ダブルゲート型フォトセンサ10に蓄積された電荷に対応する電圧変化(ドレイン電圧)VD1、VD2、・・・VDmを、各ドレインライン103を介してコラムスイッチ131に取り込んで読み出す読み出し動作を実行する。
なお、照射光量の検出方法は、上述したフォトセンサシステムの場合と同様に、ドレインライン103の電圧の低下傾向を、読み出し期間Treadがスタートして、所定の時間経過後の電圧値を検出することにより、あるいは、所定のしきい値電圧を基準にして、その電圧値に至るまでの時間を検出することにより、照射光量に換算される。
【0059】
ここで、本実施形態に係る駆動制御方法においては、行ごとのリセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTn、読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…φBn、及び、リセット前及び読み出し前の各プリチャージパルスφpgの印加タイミングの間隔(Tdly)を、次の(2)式に示すように、リセットパルスによるリセット期間Trstと、読み出しパルスによる読み出し期間Treadと、リセット前及び読み出し前の各プリチャージパルスによるプリチャージ期間Tpra、Tprbとの合計時間、又は、それ以上に設定する。
Tdly=Tpra+Trst+Tprb+Tread ・・・(2)
これにより、リセット動作、プリチャージ動作、読み出し動作が時間的に重なって実行されることがなく、かつ、各行ごとの処理サイクルの一部(電荷蓄積期間)を時間的にオーバーラップさせて、被写体画像の読出所要時間を短縮することができるとともに、各行ごとのリセット動作開始時点におけるダブルゲート型フォトセンサのドレイン電圧を所定の電圧に一定化することができる。
【0060】
ここで、本実施形態と従来技術(図6参照)におけるフォトセンサシステムの駆動制御方法の差異、及び、本実施形態に係るフォトセンサシステムの駆動制御方法の有効性について、図面を参照して具体的に説明する。ここでは、図8に示した本実施形態に係る駆動制御方法と図6に示した周知の駆動制御方法について、その差異を具体的に説明する。
図9は、従来技術におけるフォトセンサシステムの駆動制御方法の要部を示すタイミングチャートであり、図10は、本実施形態に係るフォトセンサの駆動制御方法の要部を示すタイミングチャートである。また、図11は、本実施形態と従来技術におけるフォトセンサの駆動制御方法を適用した場合の同一の被写体の読取画像の例を示す図である。
【0061】
従来技術におけるフォトセンサシステムの駆動制御方法においては、図2、図6及び図9に示すように、フォトセンサアレイ100の1行ごとの読取所要時間(すなわち、1処理サイクルの期間)内で、リセット動作→電荷蓄積動作→プリチャージ動作→読み出し動作の一連の動作ステップを実行するとともに、トップゲートライン101を介して、フォトセンサアレイ100を構成するマトリクスの最初の行のダブルゲート型フォトセンサ10から順に、リセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTnを連続的に印加するリセット動作を先行して実行して電荷蓄積動作に移行させつつ、該ダブルゲート型フォトセンサ10のうち、電荷蓄積期間Taが経過し、かつ、プリチャージ動作が終了した最初の行のダブルゲート型フォトセンサ10から順に、ボトムゲートライン102を介して読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…φBnを印加し、ドレイン電極の電圧変化(ドレイン電圧)VD1、VD2、・・・VDmを読み出す処理手順を実行する手法が適用されている。
【0062】
特に、この駆動制御方法においては、行ごとの各パルスの印加タイミングを、上記(1)式に示したような時間間隔(Tdly)を有するように設定することにより、各行ごとのリセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTn及び読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…φBn、プリチャージパルスφpgの印加タイミングが相互に時間的に重ならないように設定するとともに、各行の読み取り処理期間における電荷蓄積時間Taの一部が時間的に重なるように設定することによって、各行ごとの処理サイクルを部分的にオーバーラップさせて全体の読取所要時間が短縮される。
【0063】
しかしながら、このような駆動制御方法においては、上述したように、以下に示すような問題を有していることが、本願発明者による各種検討の結果、判明した。すなわち、読取所要時間を短縮するために、フォトセンサアレイの各行ごとの処理サイクルを部分的にオーバーラップさせた駆動制御方法を適用した場合、図9に示すように、特定の2行間(例えば、1行目と(k+1)行目)で読み出し動作の直後にリセット動作が実行されるように各パルスの印加タイミングが設定されている。ここで、各ダブルゲート型フォトセンサのドレイン電極に接続されたドレインライン103の電圧(ドレイン電圧)VD1、VD2、・・・VDmに着目した場合、被写体の画像パターン等に応じて各ダブルゲート型フォトセンサ10のON状態(蓄積される電荷量)に違いが生じることによって、ドレインドライバ130により読み出されるドレイン電圧に差が生じるため、読み出し動作終了後にリセット動作が実行される行のダブルゲート型フォトセンサ10ごとにドレイン電圧が当然に異なることになる。具体的には、図9に示した例では、k+1行目及びk+2行目において、リセット動作直前のドレイン電圧VDmは、被写体の画像パターン等に応じて各々異なる電圧値VE1及びVE2となる(VE1≠VE2)。
【0064】
この場合、読み出し動作の終了後、連続的に各ダブルゲート型フォトセンサ10にリセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTnを印加してリセット動作を実行した場合、該リセット動作直前(すなわち、リセット動作開始時点)のドレイン電圧VD1、VD2、・・・VDmにバラツキが生じているため、リセット動作された後の各ダブルゲート型フォトセンサ10の状態がばらついて読取感度が安定化しなくなることが判明した。また、上述したようなドレイン電圧VD1、VD2、・・・VDmのバラツキは、ダブルゲート型フォトセンサの素子特性の製造上のバラツキや、フォトセンサシステムの使用環境等により一層顕著になることも判明した。さらに、従来技術におけるフォトセンサシステムの駆動制御方法においては、図6及び図9に示したように、各行ごとのダブルゲート型フォトセンサ10に対して最初の読み出し動作が実行されるまでは、ドレインライン103にプリチャージ電圧が一度も印加されていない状態にあって、ドレイン電圧VD1、VD2、・・・VDmが不確定状態(図9では、便宜的に「VE0」で表記)にあるため、この場合のドレイン電圧(VDm=VE0)と、読み出し動作が実行された後にリセット動作が実行された行のドレイン電圧(VDm=Vpg)との間でバラツキが生じることも判明した。
【0065】
したがって、このような従来技術に係るフォトセンサの駆動制御方法を適用して、所定の被写体(ここでは、指紋)を読み取った画像を検討すると、例えば、図11(a)に示すように、明度の段差等が生じて、均一な明度の被写体画像を得ることができないことが判明した。図11(a)において、図中の下半分の明度が低くなった暗部は、読み出し動作が実行された後にリセット動作が実行された行であって、リセット時に読み出し動作によるドレイン電圧の影響を受けたものである。
【0066】
これに対して、本実施形態に係るフォトセンサの駆動制御方法においては、図8及び図10に示すように、フォトセンサアレイ100の1行ごとの読取所要時間(すなわち、1処理サイクルの期間)内で、リセット前プリチャージ動作→リセット動作→電荷蓄積動作→読み出し前プリチャージ動作→読み出し動作の一連の動作ステップを実行するとともに、トップゲートライン101を介して、フォトセンサアレイ100を構成するマトリクスの最初の行のダブルゲート型フォトセンサ10から順に、リセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTnを連続的に印加するリセット動作を先行して実行して電荷蓄積動作に移行させつつ、該ダブルゲート型フォトセンサ10のうち、電荷蓄積期間Taが経過し、かつ、読み出し前プリチャージ動作が終了した最初の行のダブルゲート型フォトセンサ10から順に、ボトムゲートライン102を介して読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…φBnを印加し、ドレイン電極の電圧変化(ドレイン電圧)VD1、VD2、・・・VDmを読み出す処理手順を実行する。
【0067】
特に、本実施形態に係る駆動制御方法においては、行ごとの各パルスの印加タイミングを、上記(2)式に示したような時間間隔(Tdly)を有するように設定することにより、各行ごとのリセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTn及び読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…φBn、リセット前及び読み出し前の各プリチャージパルスφpgの印加タイミングが相互に時間的に重ならないように設定するとともに、各行の読み取り処理期間における電荷蓄積時間Taの一部が時間的に重なるように設定することによって、各行ごとの処理サイクルを部分的にオーバーラップさせて全体の読取所要時間が短縮される。さらに、各行ごとのダブルゲート型フォトセンサ10に対するリセット動作に先立って、各ダブルゲート型フォトセンサ10に接続されたドレインライン103に、リセット前プリチャージパルスφpgに基づくプリチャージ電圧Vpgを印加することにより、リセット動作開始時点のフォトセンサのドレイン電圧VD1、VD2、・・・VDmが一定電圧(Vpg)に規格化される。
【0068】
したがって、本実施形態に係る駆動制御方法によれば、従来技術における駆動制御方法に対して、1処理サイクルの動作ステップ当たり、概ねリセット前プリチャージ動作分(プリチャージ期間Tpra)だけ、読取所要時間が長くなるものの、各ダブルゲート型フォトセンサ10のリセット動作の開始時点において、ドレイン電圧VD1、VD2、・・・VDmが所定のプリチャージ電圧Vpgになるように制御されるので、被写体の画像パターンや、ダブルゲート型フォトセンサの素子特性の製造上のバラツキ、フォトセンサシステムの使用環境等に影響されることなく、最初のリセット動作時からドレイン電圧を一定(VDm=Vpg)に保持することができ、リセット動作後の各ダブルゲート型フォトセンサ間の安定性を向上して、例えば、図11(b)に示すように、均一な明度を有する良好な被写体画像を得ることができることが判明した。また、このことは、換言すれば、常にリセット動作の安定性を確保することができるので、フォトセンサシステムとして適用可能なダブルゲート型フォトセンサの素子特性の製造上のバラツキの許容範囲や使用環境の範囲を従来よりも拡大することができることを意味する。
【0069】
<第2の実施形態>
次に、本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。
図12は、本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法の第2の実施形態を示すタイミングチャートである。ここでも、図5及び図7に示したフォトセンサシステムの構成を適宜参照しながら説明する。また、上述した第1の実施形態と同等の制御方法については、その説明を簡略化する。
【0070】
本実施形態は、上述した第1の実施形態において、全ドレインライン103に別個のタイミングで印加されるリセット前及び読み出し前プリチャージパルスφpgを、所定のリセット期間(又は、特定の行のリセット動作)を含む単一のプリチャージパルスφpgによるプリチャージ動作により印加するように設定したことを特徴としている。
具体的には、図12に示すように、まず、各行ごとのダブルゲート型フォトセンサ10に対して、リセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTnを印加するリセット動作に先立って、プリチャージパルスφpgを順次印加することにより、プリチャージ期間Tprcをスタートし、各ダブルゲート型フォトセンサ10のドレイン電極(ドレインライン103)にプリチャージパルスφpgに基づく所定のプリチャージ電圧Vpgが印加、保持された状態に設定するプリチャージ動作を開始する。
【0071】
次いで、上記プリチャージパルスφpgの印加を継続して、全ドレインライン103にプリチャージ電圧Vpgが印加された状態を保持しつつ、各行ごとのトップゲートライン101にリセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTnを順次印加して、リセット期間Trstをスタートし、各行ごとのダブルゲート型フォトセンサ10を初期化するリセット動作を開始する。これにより、各行ごとのダブルゲート型フォトセンサ10を初期化するリセット期間Trst中、各ダブルゲート型フォトセンサ10に接続されたドレインラインに、プリチャージパルスφpgに基づく所定のプリチャージ電圧Vpgが印加されることになるので、被写体画像の画像パターンに関わらず、リセット動作時のフォトセンサのドレイン電圧が一定化される。
【0072】
次いで、リセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTnが立ち下がり、リセット期間Trstが終了することにより、電荷蓄積動作(電荷蓄積期間Ta)が順次開始され、その後、該電荷蓄積期間Taの終了時点において、特定の他の行(1行目に着目した場合、k行目)のリセット動作に並行して、全ドレインライン103に印加されていたプリチャージパルスφpgを、読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…φBn(この場合、1行目の読み出しパルスφB1)の印加直前のタイミングで立ち下げることにより、プリチャージ動作(プリチャージ期間Tprc)を終了する。
次いで、電荷蓄積期間Ta及びプリチャージ期間Tprcが終了した行のダブルゲート型フォトセンサ10に対して、各行ごとにボトムゲートライン102に読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…φBnを順次印加して、各ダブルゲート型フォトセンサ10のドレイン電圧を読み出す読み出し動作(読み出し期間Tread)を実行する。
【0073】
ここで、本実施形態に係る駆動制御方法においては、リセット期間Trstを含む所定の時間(プリチャージ期間Tprc)、継続してプリチャージパルスφpgを全ドレインラインに印加することにより、行ごとのリセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTn、読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…φBn、及び、プリチャージパルスφpgの印加タイミングの間隔(Tdly)を、次の(3)式に示すように、読み出しパルスによる読み出し期間Treadとプリチャージパルスによるプリチャージ期間Tprcとの合計時間、又は、それ以上に設定する。
Tdly=Tprc+Tread ・・・(3)
なお、本実施形態に係るプリチャージ期間Tprcは、上述した第1の実施形態に示したリセット前プリチャージ期間Tpra及び読み出し前プリチャージ期間Tprbの概念を適用すると、次の(4)式のように表すこともできる。
Tprc=Tpra+Trst+Tprb ・・・(4)
【0074】
これにより、各行ごとの処理サイクルを構成するリセット動作及び読み出し動作が時間的に重なって実行されることがなく、かつ、各行ごとの処理サイクルの一部(電荷蓄積期間)を時間的にオーバーラップさせて、被写体画像の読出所要時間を短縮することができるとともに、各行ごとのリセット動作の期間(リセット期間Trstを含む所定のプリチャージ期間Tprc)中、ダブルゲート型フォトセンサのドレイン電圧を所定の電圧(プリチャージ電圧Vpg)に保持することができる。
【0075】
したがって、本実施形態に係る駆動制御方法によれば、従来技術における駆動制御方法に対して、1処理サイクルの動作ステップ当たり、リセット動作の直前に印加されるプリチャージ動作分(プリチャージ期間Tprcの一部)だけ、読取所要時間が長くなるものの、各ダブルゲート型フォトセンサ10のリセット動作中、継続してドレイン電圧が所定のプリチャージ電圧になるように制御されるので、ダブルゲート型フォトセンサ10の素子特性の製造上のバラツキや使用環境等に起因して、当該リセット動作中に漏れ電流が生じた場合であっても、ドレイン電圧(プリチャージ電圧Vpg)の低下を抑制して一定に保持することができ、各ダブルゲート型フォトセンサ間でのリセット動作の安定性を向上して、良好な被写体画像を得ることができる。換言すれば、リセット動作期間中、ドレイン電圧の安定性を確保することができるので、フォトセンサシステムとして適用可能なダブルゲート型フォトセンサの素子特性の製造上のバラツキの許容範囲や使用環境の範囲をさらに拡大することができる。
【0076】
<第3の実施形態>
次に、本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法の第3の実施形態について、図面を参照して説明する。
図13は、本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法の第3の実施形態を示すタイミングチャートである。ここでも、図5及び図7に示したフォトセンサシステムの構成を適宜参照しながら説明する。また、上述した第1又は第2の実施形態と同等の制御方法については、その説明を簡略化する。
【0077】
本実施形態は、読み出し動作に先立って全ドレインラインに印加されるプリチャージパルスφpgの立ち上がり又は立ち下がりタイミングのいずれかを、特定の行のリセット動作と同期し、かつ、所定のリセット期間(又は、当該行のリセット動作)を含む単一のプリチャージパルスによるプリチャージ動作により印加するように設定したことを特徴としている。
具体的には、図13に示すように、まず、各行ごとのトップゲートライン101にリセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTnを順次印加して、各行ごとのダブルゲート型フォトセンサ10を初期化するリセット動作(リセット期間Trst)を開始するタイミングに同期して、プリチャージパルスφpgを印加することにより、各ダブルゲート型フォトセンサ10のドレイン電極(ドレインライン103)にプリチャージパルスφpgに基づく所定のプリチャージ電圧Vpgを印加し、上記リセット期間Trst中、該プリチャージ電圧Vpgが印加された状態を継続的に保持するプリチャージ動作を開始する。
【0078】
次いで、リセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTnが立ち下がり、リセット期間Trstが終了することにより、電荷蓄積動作(電荷蓄積期間Ta)が順次開始され、その後、該電荷蓄積期間Taの終了時点において、特定の他の行(1行目に着目した場合、k行目)のリセット動作に並行して、全ドレインライン103に印加されていたプリチャージパルスφpgを、読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…φBn(この場合、1行目の読み出しパルスφB1)の印加直前のタイミングで立ち下げることにより、プリチャージ動作(プリチャージ期間Tprd)を終了する。
【0079】
次いで、電荷蓄積期間Ta及びプリチャージ期間Tprdが終了したダブルゲート型フォトセンサ10に対して、各行ごとにボトムゲートライン102に読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…φBnを順次印加して、各ダブルゲート型フォトセンサ10のドレイン電圧を読み出す読み出し動作(読み出し期間Tread)を実行する。
ここで、本実施形態に係る駆動制御方法においては、リセット動作の開始時点から該リセット期間Trstを含む所定の時間(プリチャージ期間Tprd)、継続してプリチャージパルスφpgを全ドレインラインに印加することにより、行ごとのリセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTn、読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…φBn、及び、プリチャージパルスφpgの印加タイミングの間隔(Tdly)を、次の(5)式に示すように、読み出しパルスによる読み出し期間Treadとプリチャージパルスによるプリチャージ期間Tprdとの合計時間、又は、それ以上に設定する。
Tdly=Tprd+Tread ・・・(5)
なお、本実施形態に係るプリチャージ期間Tprdは、上述した第1の実施形態に示した読み出し前プリチャージ期間Tprbの概念を適用すると、次の(6)式のように表すこともできる。
【0080】
Tprd=Trst+Tprb ・・・(6)
これにより、上述した各実施形態と同様に、被写体画像の読出所要時間を短縮することができるとともに、各行ごとのリセット動作の期間(リセット期間Trstを含む所定のプリチャージ期間Tprd)中、ダブルゲート型フォトセンサのドレイン電圧を所定の電圧に保持することができる。
したがって、本実施形態に係る駆動制御方法によれば、1処理サイクルの動作ステップに基づく読取所要時間を、従来技術における駆動制御方法と同等に設定して短縮することができるとともに、ダブルゲート型フォトセンサ10のリセット動作中に漏れ電流が生じた場合であっても、ドレイン電圧が常時、所定のプリチャージ電圧になるように制御されるので、各ダブルゲート型フォトセンサ間でのリセット動作の安定性を向上して、良好な被写体画像を得ることができる。
【0081】
なお、本実施形態に係るフォトセンサの駆動制御方法と同等の作用効果を得ることができる他の例として、以下に示すような駆動制御方法を適用することもできる。
図14は、本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法の第3の実施形態の他の例を示すタイミングチャートである。ここでも、図5及び図7に示したフォトセンサシステムの構成を適宜参照しながら説明する。また、上述した第1又は第2の実施形態と同等の制御方法については、その説明を簡略化する。
【0082】
図14に示すように、まず、各行ごとのダブルゲート型フォトセンサ10に対して、リセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTnを印加するリセット動作に先立って、全ドレインライン103にプリチャージパルスφpgに基づくプリチャージ電圧Vpgを印加することにより、プリチャージ動作を開始する。
次いで、上記プリチャージパルスφpgの印加を継続して、全ドレインライン103にプリチャージ電圧Vpgが印加された状態を保持しつつ、各行ごとのトップゲートライン101にリセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTnを順次印加して、リセット動作(リセット期間Trst)を開始する。
【0083】
次いで、リセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTnが立ち下がり、リセット期間Trstが終了することにより、電荷蓄積動作(電荷蓄積期間Ta)が順次開始され、その後、該電荷蓄積期間Taの終了時点において、特定の他の行(1行目に着目した場合、k行目)のリセット動作に並行して、全ドレインライン103に印加されていたプリチャージパルスφpgを、当該リセット動作と同期して、読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…φBn(この場合、1行目の読み出しパルスφB1)の印加直前のタイミングで立ち下げることにより、特定の他の行(k行目)のリセット動作を終了するとともに、プリチャージ動作(プリチャージ期間Tpre)を終了する。
【0084】
次いで、電荷蓄積期間Ta及びプリチャージ期間Tpreが終了した行(1行目)のダブルゲート型フォトセンサ10に対して、各行ごとにボトムゲートライン102に読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…φBnを順次印加して、各ダブルゲート型フォトセンサ10のドレイン電圧を読み出す読み出し動作(読み出し期間Tread)を実行する。
ここで、本実施形態に係る駆動制御方法においては、リセット動作の開始前の時点から該リセット期間Trstを含む所定の時間(プリチャージ期間Tpre)、継続してプリチャージパルスφpgを全ドレインラインに印加することにより、行ごとのリセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTn、読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…φBn、及び、プリチャージパルスφpgの印加タイミングの間隔(Tdly)を、次の(7)式に示すように、読み出しパルスによる読み出し期間Treadとプリチャージパルスによるプリチャージ期間Tpreとの合計時間に設定する。
Tdly=Tpre+Tread ・・・(7)
【0085】
なお、本実施形態に係るプリチャージ期間Tpreは、上述した第1の実施形態に示したリセット前プリチャージ期間Tpraの概念を適用すると、次の(8)式のように示すこともできる。
Tpre=Tpra+Trst ・・・(8)
これにより、上述した各実施形態と同様に、被写体画像の読出所要時間を短縮することができるとともに、各行ごとのリセット動作の期間(リセット期間Trstを含む所定のプリチャージ期間Tpre)中、ダブルゲート型フォトセンサのドレイン電圧を所定の電圧に保持することができる。
【0086】
<第4の実施形態>
次に、本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法の第4の実施形態について、図面を参照して説明する。
図15は、本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法の第4の実施形態を示すタイミングチャートである。ここでも、図5及び図7に示したフォトセンサシステムの構成を適宜参照しながら説明する。また、上述した第1の実施形態と同等の制御方法については、その説明を簡略化する。
【0087】
本実施形態は、読み出し動作に先立って全ドレインラインに印加されるプリチャージパルスφpgを、特定の行のリセット動作と同期し、かつ、当該リセット期間と同一のプリチャージ期間を有するように設定したことを特徴としている。
具体的には、図15に示すように、まず、各行ごとのトップゲートライン101にリセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTnを順次印加して、各行ごとのダブルゲート型フォトセンサ10を初期化するリセット動作(リセット期間Trst)を開始するタイミングに同期して、全ドレインライン103にプリチャージパルスφpgに基づく所定のプリチャージ電圧Vpgを印加することにより、プリチャージ動作を開始する。
【0088】
次いで、リセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTnが立ち下がり、リセット期間Trstが終了することにより、電荷蓄積動作(電荷蓄積期間Ta)が順次開始され、その後、該電荷蓄積期間Taの終了時点において、特定の他の行(1行目に着目した場合、k行目)のリセット動作に並行して、全ドレインライン103に印加されていたプリチャージパルスφpgを、当該リセット動作と同期して、読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…φBn(この場合、1行目の読み出しパルスφB1)の印加直前のタイミングで立ち下げることにより、特定の他の行(k行目)のリセット動作を終了するとともに、プリチャージ動作(プリチャージ期間Tprf)を終了する。
【0089】
次いで、電荷蓄積期間Ta及びプリチャージ期間Tprfが終了した行(1行目)のダブルゲート型フォトセンサ10に対して、各行ごとにボトムゲートライン102に読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…φBnを順次印加して、各ダブルゲート型フォトセンサ10のドレイン電圧を読み出す読み出し動作(読み出し期間Tread)を実行する。
ここで、本実施形態に係る駆動制御方法においては、リセット動作の開始時点から終了時点までの該リセット期間Trstと同等の時間(プリチャージ期間Tpre)、継続してプリチャージパルスφpgを全ドレインラインに印加することにより、行ごとのリセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTn、読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…φBn、及び、プリチャージパルスφpgの印加タイミングの間隔(Tdly)を、次の(9)式に示すように、読み出しパルスによる読み出し期間Treadとプリチャージパルスによるプリチャージ期間Tprfとの合計時間、又は、それ以上に設定する。
Tdly=Tprf+Tread=Trst+Tread ・・・(9)
【0090】
これにより、リセット動作とプリチャージ動作が同一のタイミングで印加されることになるので、処理サイクル相互の時間間隔Tdlyを、実質的にリセット期間Trstと読み出し期間Treadのみに基づいて設定することができ、上述した従来技術に比較して、被写体画像の読出所要時間をさらに短縮することができるとともに、各行ごとのリセット動作の期間中、ダブルゲート型フォトセンサのドレイン電圧を所定の電圧に保持することができる。
【0091】
<第5の実施形態>
次に、本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法の第5の実施形態について、図面を参照して説明する。
図16は、本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法の第5の実施形態を示すタイミングチャートである。ここでも、図5及び図7に示したフォトセンサシステムの構成を適宜参照しながら説明する。また、上述した第1の実施形態と同等の制御方法については、その説明を簡略化する。
本実施形態は、全ドレインラインに印加されるプリチャージパルスφpgを、各行ごとのダブルゲート型フォトセンサ10に対するリセット動作に先立つタイミングで唯一回のみ印加するように設定したことを特徴としている。
【0092】
具体的には、図16に示すように、まず、各行ごとのダブルゲート型フォトセンサ10に対して、リセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTnを印加するリセット動作に先立って、全ドレインライン103にプリチャージパルスφpgに基づく所定のプリチャージ電圧Vpgを印加することにより、プリチャージ動作を開始する。
次いで、プリチャージパルスφpgが立ち下がり、プリチャージ期間Tprgが終了した後、各行ごとのトップゲートライン101にリセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTnを順次印加して、リセット動作を開始する。これにより、各行ごとのダブルゲート型フォトセンサ10を初期化するリセット動作の開始時点において、各ダブルゲート型フォトセンサ10に接続されたドレインライン103に、プリチャージパルスφpgに基づくプリチャージ電圧Vpgが印加されることになるので、リセット動作時のダブルゲート型フォトセンサ10のドレイン電圧が略一定化される。
【0093】
次いで、リセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTnが立ち下がり、リセット期間Trstが終了することにより、電荷蓄積期間Taが順次スタートして、各行ごとにダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート電極側から入射される光量に応じてチャネル領域に電荷(正孔)が発生し、蓄積される電荷蓄積動作が実行される。
次いで、リセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTnが立ち下がり、リセット期間Trstが終了することにより、電荷蓄積動作(電荷蓄積期間Ta)が順次開始され、その後、該電荷蓄積期間Taが終了した行のダブルゲート型フォトセンサ10に対して、各行ごとにボトムゲートライン102に読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…φBnを順次印加して、各ダブルゲート型フォトセンサ10のドレイン電圧を読み出す読み出し動作(読み出し期間Tread)を実行する。
【0094】
ここで、本実施形態に係る駆動制御方法においては、各行ごとのリセット動作に先立つ所定の期間においてのみ、プリチャージパルスφpgを全ドレインラインに印加することにより、行ごとのリセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTn、読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…φBn、及び、プリチャージパルスφpgの印加タイミングの間隔(Tdly)を、次の(10)式に示すように、リセットパルスによるリセット期間Trstと、読み出しパルスによる読み出し期間Treadと、プリチャージパルスによるプリチャージ期間Tprgとの合計時間、又は、それ以上に設定する。
Tdly=Tprg+Trst+Tread ・・・(10)
これにより、上述した各実施形態と同様に、被写体画像の読出所要時間を短縮することができるとともに、各行ごとのリセット動作開始時点におけるダブルゲート型フォトセンサのドレイン電圧を所定の電圧に保持することができる。
【0095】
したがって、本実施形態に係る駆動制御方法によれば、1処理サイクルの動作ステップに基づく読取所要時間を、従来技術における駆動制御方法と同等に設定して短縮することができるとともに、各ダブルゲート型フォトセンサのリセット動作の開始時点において、ドレイン電圧が所定のプリチャージ電圧になるように制御されるので、被写体の画像パターンや、ダブルゲート型フォトセンサの素子特性の製造上のバラツキ、フォトセンサシステムの使用環境等に影響されることなく、最初のリセット動作時からドレイン電圧を一定に保持することができ、各ダブルゲート型フォトセンサ間でのリセット動作の安定性を向上して、良好な被写体画像を得ることができる。
【0096】
次に、上述した各実施形態において、リセット動作の安定性をさらに向上させることができるフォトセンサの駆動制御方法について、以下に実施の形態を示して説明する。
上述した各実施形態においては、少なくとも、各行ごとのダブルゲート型フォトセンサのリセット動作開始時点におけるドレイン電圧をプリチャージ動作に基づく所定の電圧(ハイレベルのプリチャージ電圧Vpg)に均一化して保持することにより、被写体の画像パターンや、ダブルゲート型フォトセンサの素子特性の製造上のバラツキ、フォトセンサシステムの使用環境等に影響されることなく、各ダブルゲート型フォトセンサ間でのリセット動作の安定性を向上させることができることを説明した。
【0097】
しかしながら、このようなフォトセンサの駆動制御方法によっても、依然としてリセット動作が十分に実行されないダブルゲート型フォトセンサが存在する場合があることが判明している。このような問題は、上述したように、リセット動作開始時点におけるドレイン電圧がハイレベルのプリチャージ電圧Vpg(例えば、5V)に保持されることにより、このプリチャージ電圧Vpgがリセット動作の期間中、継続してドレインラインに印加されることになるため、被写体の画像パターンや、ダブルゲート型フォトセンサの素子特性の製造上のバラツキ、フォトセンサシステムの使用環境等に基づいて、各ダブルゲート型フォトセンサに蓄積された電荷量によっては、ドレイン電圧(プリチャージ電圧Vpg)との電位差の関係で電荷の掃き出しが不十分又は不均一になること等に起因するものと考えられている。
そこで、以下に示す各実施形態においては、少なくともリセット動作の期間中、各ダブルゲート型フォトセンサのドレイン電圧をプリチャージ電圧Vpg(ハイレベルのプリチャージ電圧Vpg)よりも十分低い電圧(例えば、0V)に保持するように設定したことを特徴としている。
【0098】
<第6の実施形態>
図17は、本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法の第6の実施形態を示すタイミングチャートである。ここでも、図5及び図7に示したフォトセンサシステムの構成を適宜参照しながら説明する。また、上述した各実施形態と同等の制御方法については、その説明を簡略化する。
本実施形態は、上述した第2の実施形態(図12参照)において、読み出し動作に先立って全ドレインラインに印加されるプリチャージパルスφpgに基づく電圧を、リセット動作の開始時点及びリセット動作の期間中においては、プリチャージ電圧Vpgよりも低い所定の電圧(特定電圧VL)に設定し、リセット動作後であって読み出し動作前の期間においては、通常のプリチャージ電圧Vpgに設定したことを特徴としている。
【0099】
具体的には、図17に示すように、まず、各行ごとのダブルゲート型フォトセンサ10に対して、リセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTnを印加するリセット動作に先立って、プリチャージパルスφpgを印加することにより、後述するプリチャージ動作において印加されるプリチャージ電圧Vpg(例えば、5V)よりも低い特定電圧VLを全ドレインライン103に印加する動作期間(以下、便宜的に「特定電圧印加期間」という)Tvchをスタートし、各ダブルゲート型フォトセンサ10のドレイン電極に、ローレベルの特定電圧VL(例えば、0V)が印加、保持された状態に設定する特定電圧印加動作を開始する。
【0100】
次いで、上記プリチャージパルスφpgの印加を継続して、全ドレインライン103にローレベルの特定電圧VLが印加された状態を保持しつつ、各行ごとのトップゲートライン101にリセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTnを順次印加して、リセット期間Trstをスタートし、各行ごとのダブルゲート型フォトセンサ10を初期化するリセット動作(リセット期間Trst)を開始する。これにより、各行ごとのダブルゲート型フォトセンサ10を初期化するリセット期間Trst中、各ダブルゲート型フォトセンサ10に接続されたドレインラインに、プリチャージ電圧Vpgよりも低い電圧が印加されることになるので、ダブルゲート型フォトセンサに蓄積された電荷が低電圧に印加されたドレインラインを介して十分に掃き出されて、被写体画像の画像パターン等に関わらず、リセット動作時のダブルゲート型フォトセンサのドレイン電圧が一定化(均一化)される。
【0101】
次いで、リセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTnが立ち下がり、リセット期間Trstが終了するタイミングに同期して、プリチャージパルスφpgにより全ドレインライン103に印加されていたプリチャージ電圧Vpgをローレベルからハイレベルに切り替えることにより、全ドレインライン103に通常のプリチャージ電圧Vpg(例えば、5V)を印加するプリチャージ動作(プリチャージ期間Tprx)を開始する。
【0102】
また、このとき、リセット期間Trstが終了することにより、電荷蓄積動作(電荷蓄積期間Ta)が順次開始され、その後、電荷蓄積期間Taが経過して該電荷蓄積動作が終了する時点において、特定の他の行(1行目に着目した場合、k行目)のリセット動作に並行して、全ドレインライン103に印加されていたプリチャージパルスφpgを、読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…φBn(この場合、1行目の読み出しパルスφB1)の印加直前のタイミング又は印加と同期するタイミングで立ち下げることにより、プリチャージ動作を終了する。これにより、読み出し動作の開始時点において、全ドレインライン103にはプリチャージパルスφpgに基づくハイレベルのプリチャージ電圧Vpgが保持された状態に設定される。なお、図17においては、特定電圧印加動作による特定電圧印加期間Tvch及びプリチャージ動作によるプリチャージ期間Tprxを規定するプリチャージパルスφpgの印加期間を、便宜的に「プリチャージパルス印加期間Tpri」と表記する。
【0103】
次いで、電荷蓄積動作及びプリチャージ動作が終了し、電荷蓄積期間Ta及びプリチャージ期間Tprxが経過した行のダブルゲート型フォトセンサ10に対して、各行ごとにボトムゲートライン102に読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…φBnを順次印加して、各ダブルゲート型フォトセンサ10のドレイン電圧を読み出す読み出し動作(読み出し期間Tread)を実行する。なお、本実施形態においては、読み出し期間Tread中、プリチャージ電圧Vpgをハイレベルに保持し、読み出し期間Treadが終了するタイミングに同期して、プリチャージ電圧Vpgをローレベル(特定電圧VL)に切り替える。
【0104】
ここで、本実施形態に係る駆動制御方法においては、リセット期間Trstを含む所定の時間(プリチャージパルス印加期間Tpri;特定電圧印加期間Tvch及びプリチャージ期間Tprxの合計時間)、継続してプリチャージパルスφpgを全ドレインラインに印加することにより、行ごとのリセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTn、読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…φBn、及び、プリチャージパルスφpgの印加タイミングの間隔(Tdly)を、次の(11)式に示すように、読み出しパルスによる読み出し期間Treadとプリチャージパルス印加期間Tpriの合計時間、又は、それ以上に設定する。
Tdly=Tpri+Tread=Tvch+Tprx+Tread ・・・(11)
【0105】
これにより、各行ごとの処理サイクルを構成するリセット動作及び読み出し動作が時間的に重なって実行されることがなく、かつ、各行ごとの処理サイクルの一部(電荷蓄積期間)を時間的にオーバーラップさせて、被写体画像の読出所要時間を短縮することができるとともに、少なくとも、各行ごとのリセット動作の期間(リセット期間Trstを含む特定電圧印加期間Tvch)中、ダブルゲート型フォトセンサのドレイン電圧を、ハイレベルのプリチャージ電圧Vpgよりも低い電圧に保持することができる。
【0106】
したがって、本実施形態に係る駆動制御方法によれば、リセット期間中、ドレイン電圧がハイレベルのプリチャージ電圧に保持されている上述した第2の実施形態に比較して、ダブルゲート型フォトセンサに蓄積された電荷を低い電圧に印加されたドレインラインを介して十分に掃き出すことができるので、被写体画像の画像パターンや、ダブルゲート型フォトセンサの素子特性の製造上のバラツキ等に関わらず、リセット動作の安定性を向上して、良好な被写体画像を得ることができる。すなわち、このことは、リセット動作期間中、ドレイン電圧の安定性を確保することができ、フォトセンサシステムとして適用可能なダブルゲート型フォトセンサの素子特性の製造上のバラツキの許容範囲や使用環境の条件範囲をさらに拡大することができることを意味する。
【0107】
ここで、本実施形態(第6の実施形態)と上述した第2の実施形態(図12参照)におけるフォトセンサシステムの駆動制御方法の差異、及び、本実施形態に係るフォトセンサシステムの駆動制御方法におけるさらなる効果について、図面を参照して具体的に説明する。ここでは、図17に示した本実施形態に係る駆動制御方法と図12に示した第2の実施形態に係る駆動制御方法について、その差異を具体的に説明する。
【0108】
図18は、第2の実施形態に係るフォトセンサシステムの駆動制御方法の要部を示すタイミングチャートであり、図19は、第2の実施形態に係るフォトセンサの駆動制御方法を適用した場合の被写体の読取画像の例を示す図である。また、図20は、本実施形態に係るフォトセンサの駆動制御方法の要部を示すタイミングチャートであり、図21は、本実施形態に係るフォトセンサの駆動制御方法を適用した場合の被写体の読取画像の例を示す図である。
【0109】
第2の実施形態に係るフォトセンサシステムの駆動制御方法においては、図12及び図18に示すように、各行ごとのダブルゲート型フォトセンサ10に対するリセット動作に先立って、各ダブルゲート型フォトセンサ10に接続されたドレインライン103に、プリチャージパルスφpgに基づくプリチャージ電圧Vpgを印加することにより、リセット動作開始時点のフォトセンサのドレイン電圧VD1、VD2、・・・VDmが一定電圧(Vpg)に規格化される。ここで、各行ごとの読み出し動作前であって、リセット期間Trstに相当する時間を含むプリチャージ期間Tprc中、全ドレインライン103に印加されるプリチャージ電圧Vpgは、通常のプリチャージ動作に適用される電圧(例えば、5V)がそのまま印加されることになるため、リセット動作の際にダブルゲート型フォトセンサ10のドレインライン103には、この電圧(5V)が印加された状態が保持される。
【0110】
しかしながら、このような駆動制御方法においては、上述したように、被写体の画像パターンや、ダブルゲート型フォトセンサの素子特性の製造上のバラツキ、フォトセンサシステムの使用環境等によっては、リセット動作が不十分かつ不均一となり、リセット動作された後の各ダブルゲート型フォトセンサ10の状態がばらついて読取感度が安定化しない場合があり、読取画像の画質が劣化する場合があることが、本願発明者による各種検討の結果、確認されている。
【0111】
具体的には、例えば、図19(a)、(b)に示すように、所定の被写体を読み取った場合に、明度の段差やコントラストの低下等の画質の劣化が生じて、均一な明度の被写体画像を得ることができない場合があることが判明した。図19(a)、(b)において、図中の上半分の明度のムラが生じた箇所は、リセット動作時にダブルゲート型フォトセンサに蓄積された電荷が十分かつ均一に掃き出されていないと推定され、残留した電荷による影響を受けたと考えられる画素領域である。なお、ここでは、単色の均一画像(いわゆる、べた画像)を被写体とした場合の読取画像を図19(a)に示し、指紋の凹凸パターンを被写体とした場合の読取画像を図19(b)に示した。
【0112】
これに対して、本実施形態(第6の実施形態)に係るフォトセンサの駆動制御方法においては、図17及び図20に示すように、各行ごとのダブルゲート型フォトセンサ10に対するリセット動作に先立って、各ダブルゲート型フォトセンサ10に接続されたドレインライン103に、プリチャージ電圧Vpgより低い特定電圧VL(例えば、2Vや0V等)を印加することにより、リセット動作開始時点のフォトセンサのドレイン電圧VD1、VD2、・・・VDmがハイレベルのプリチャージ電圧Vpg(例えば、5V)よりも低い一定電圧に規格化される。また、リセット動作終了後であって読み出し動作の開始前に、プリチャージ電圧Vpgを通常のハイレベルに切り替えて印加することにより、プリチャージ動作開始時点のフォトセンサのドレイン電圧VD1、VD2、・・・VDmがハイレベルのプリチャージ電圧Vpg(例えば、5V)に規格化される。
【0113】
したがって、本実施形態に係る駆動制御方法によれば、少なくともリセット動作の期間中、各ダブルゲート型フォトセンサ10のドレイン電圧VD1、VD2、・・・VDmを、第2の実施形態に示した通常のプリチャージ電圧Vpgよりも低い電圧に保持するように制御されるので、被写体の画像パターンや、ダブルゲート型フォトセンサの素子特性の製造上のバラツキ、フォトセンサシステムの使用環境等に影響されることなく、リセット動作後の各ダブルゲート型フォトセンサ間の安定性をさらに向上させることができ、読取画像の画質を改善できることが確認された。
【0114】
具体的には、所定の被写体を読み取った場合、第2の実施形態に示したようにリセット期間Trstのドレイン電圧VD1、VD2、・・・VDmを通常のプリチャージ電圧Vpg(5V)に設定した場合(図19(a)、(b)参照)に比較して、例えば、図21(a)、(b)に示すように、ドレイン電圧VD1、VD2、・・・VDmを通常のプリチャージ電圧Vpgよりも低い特定電圧(2V)に設定した場合、さらには、図21(c)、(d)に示すように、ドレイン電圧VD1、VD2、・・・VDmを通常のプリチャージ電圧Vpgよりも十分低い特定電圧(0V)に設定した場合の方が、明度の段差やコントラストの低下等の画質の劣化が抑制されて、より均一な明度の良好な被写体画像が得られることが判明した。図21(a)、(b)においては、図中の上半分に僅かに明度のムラがある画素領域が生じているが、図19(a)、(b)に示した場合に比較して、画質は大幅に改善している。なお、ここでは、図19(a)、(b)に示した場合と同様に、単色の均一画像(べた画像)を被写体とした場合の読取画像を図21(a)、(c)に示し、指紋の凹凸パターンを被写体とした場合の読取画像を図21(b)、(d)に示した。
【0115】
なお、本実施形態に係るフォトセンサの駆動制御方法と同等の作用効果を得ることができる他の例として、以下に示すような駆動制御方法を適用することもできる。
図22は、本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法の第6の実施形態の他の例を示すタイミングチャートである。ここでも、図5及び図7に示したフォトセンサシステムの構成を適宜参照しながら説明する。また、上述した第6の実施形態と同等の制御方法については、その説明を簡略化又は省略する。
【0116】
図22に示すように、本実施形態に係るフォトセンサの駆動制御方法においては、図17に示した駆動制御方法と同様に、各行ごとのダブルゲート型フォトセンサ10に対して、リセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTnを印加するリセット動作に先立って、プリチャージパルスφpgを印加することにより、後述するプリチャージ動作において印加されるプリチャージ電圧Vpg(例えば、5V)より低い特定電圧VL(例えば、0V)を全ドレインライン103に印加する特定電圧印加動作(特定電圧印加期間Tvch)を開始する。
【0117】
次いで、上記特定電圧印加期間Tvchに並行して、各行ごとのトップゲートライン101にリセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTnを印加して、ダブルゲート型フォトセンサ10を初期化するリセット動作(リセット期間Trst)を開始する。これにより、各行ごとのリセット期間Trst中、各ダブルゲート型フォトセンサ10に接続されたドレインラインに、プリチャージ電圧Vpgよりも低い上記特定電圧VLが印加されることになるので、ダブルゲート型フォトセンサが十分に初期化されて、被写体画像の画像パターン等に関わらず、リセット動作後のダブルゲート型フォトセンサの状態が均一化される。
【0118】
次いで、リセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTnが立ち下がり、リセット期間Trstが終了するタイミングに同期して、プリチャージパルスφpgにより全ドレインライン103に印加されていた電圧を特定電圧VLから通常のハイレベルのプリチャージ電圧Vpg(例えば、5V)に切り替えることにより、全ドレインライン103に通常のプリチャージ電圧Vpgを印加するプリチャージ動作(プリチャージ期間Tprx)を開始する。
【0119】
また、このとき、リセット期間Trstが終了することにより、電荷蓄積動作(電荷蓄積期間Ta)が順次開始され、その後、電荷蓄積期間Taが経過して該電荷蓄積動作が終了する時点において、特定の他の行(1行目に着目した場合、k行目)のリセット動作に並行して、全ドレインライン103に印加されていたプリチャージパルスφpgを、読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…φBn(この場合、1行目の読み出しパルスφB1)の印加直前のタイミング又は印加と同期するタイミングで立ち下げることにより、プリチャージ動作を終了する。ここで、本実施形態においては、プリチャージパルスφpgを立ち下げるタイミングに同期して、プリチャージパルスφpgにより全ドレインライン103に印加されていた電圧を通常のハイレベルのプリチャージ電圧Vpgから特定電圧VLに切り替える。これにより、読み出し動作の開始時点において、全ドレインライン103にはプリチャージパルスφpgに基づくハイレベルのプリチャージ電圧Vpgが保持された状態に設定される。
【0120】
次いで、電荷蓄積動作及びプリチャージ動作が終了(電荷蓄積期間Ta及びプリチャージ期間Tprxが経過)した行のダブルゲート型フォトセンサ10に対して、各行ごとにボトムゲートライン102に読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…φBnを順次印加して、各ダブルゲート型フォトセンサ10のドレイン電圧を読み出す読み出し動作(読み出し期間Tread)を実行する。
したがって、上述した第6の実施形態と同様に、被写体画像の読出所要時間を短縮することができるとともに、少なくとも、各行ごとのリセット動作の期間(リセット期間Trstを含む特定電圧印加期間Tvch)中、ダブルゲート型フォトセンサのドレイン電圧を、ハイレベルのプリチャージ電圧Vpgよりも低い特定電圧VLに保持して、ダブルゲート型フォトセンサを十分に初期化することができるので、ダブルゲート型フォトセンサのリセット動作の安定性を向上して、良好な被写体画像を得ることができる。
【0121】
<第7の実施形態>
次に、本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法の第7の実施形態について、図面を参照して説明する。
図23は、本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法の第7の実施形態の他の例を示すタイミングチャートである。ここでも、図5及び図7に示したフォトセンサシステムの構成を適宜参照しながら説明する。また、上述した各実施形態と同等の制御方法については、その説明を簡略化又は省略する。
【0122】
本実施形態は、上述した第1の実施形態(図8参照)において、リセット動作に先立って全ドレインラインに印加されるリセット前プリチャージパルスφpg(リセット前プリチャージ期間Tpra)に基づく電圧を、リセット動作の開始時点及びリセット動作の期間中においては、プリチャージ電圧Vpgよりも低い特定電圧VLに設定し、読み出し前プリチャージパルスφpg(読み出し前プリチャージ期間Tprb)に基づく電圧を、通常のプリチャージ電圧Vpgに設定したことを特徴としている。
【0123】
図23に示すように、本実施形態に係るフォトセンサの駆動制御方法においては、各行ごとのダブルゲート型フォトセンサ10に対して、リセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTnを印加するリセット動作に先立って、プリチャージパルスφpgを印加することにより、後述するプリチャージ動作において印加されるプリチャージ電圧Vpg(例えば、5V)よりも低い特定電圧VL(例えば、0V)を全ドレインライン103に印加する特定電圧印加動作(特定電圧印加期間Tvch)を開始する。
【0124】
次いで、上記特定電圧印加期間Tvchの終了に同期して、各行ごとのトップゲートライン101にリセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTnを印加して、ダブルゲート型フォトセンサ10を初期化するリセット動作(リセット期間Trst)を開始する。これにより、各行ごとのリセット期間Trst中、各ダブルゲート型フォトセンサ10に接続されたドレインライン103に、特定電圧印加動作により印加され、保持された上記特定電圧VLが印加されることになるので、ダブルゲート型フォトセンサが十分に初期化されて、リセット動作後のダブルゲート型フォトセンサの状態が均一化される。
【0125】
次いで、リセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTnが立ち下がり、リセット期間Trstが終了するタイミングに同期して、プリチャージパルスφpgを印加するとともに、プリチャージ電圧Vpgを上記特定電圧VLから通常のハイレベルのプリチャージ電圧Vpg(例えば、5V)に切り替えることにより、全ドレインライン103に通常のプリチャージ電圧Vpgを印加するプリチャージ動作(プリチャージ期間Tpry)を開始する。
【0126】
また、このとき、リセット期間Trstが終了することにより、電荷蓄積動作(電荷蓄積期間Ta)が順次開始され、その後、電荷蓄積期間Taが経過して該電荷蓄積動作が終了する時点において、特定の他の行(1行目に着目した場合、k行目)のリセット動作に並行して、全ドレインライン103に印加されていたプリチャージパルスφpgを、読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…φBn(この場合、1行目の読み出しパルスφB1)の印加直前のタイミング又は印加と同期するタイミングで立ち下げることにより、プリチャージ動作を終了する。ここで、本実施形態においては、プリチャージパルスφpgを立ち下げるタイミングに同期して、プリチャージパルスφpgにより全ドレインライン103に印加されていた電圧を通常のハイレベルのプリチャージ電圧Vpgから特定電圧VLに切り替える。これにより、読み出し動作の開始時点において、全ドレインライン103にはプリチャージパルスφpgに基づくハイレベルのプリチャージ電圧Vpgが保持された状態に設定される。
【0127】
次いで、電荷蓄積動作及びプリチャージ動作が終了(電荷蓄積期間Ta及びプリチャージ期間Tpryが経過)した行のダブルゲート型フォトセンサ10に対して、各行ごとにボトムゲートライン102に読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…φBnを順次印加して、各ダブルゲート型フォトセンサ10のドレイン電圧を読み出す読み出し動作(読み出し期間Tread)を実行する。
ここで、本実施形態に係る駆動制御方法においては、行ごとのリセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTn、読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…φBn、及び、プリチャージパルスφpgの各々の印加タイミングの間隔(Tdly)を、次の(12)式に示すように、特定電圧印加期間Tvchと、プリチャージパルスによるプリチャージ期間Tpryと、読み出しパルスによる読み出し期間Treadとの合計時間、又は、それ以上に設定する。
Tdly=Tvch+Tpry+Tread ・・・(12)
【0128】
したがって、上述した第6の実施形態と同様に、少なくとも、各行ごとのリセット動作の期間(リセット期間Trstを含む特定電圧印加期間Tvch)中、ダブルゲート型フォトセンサのドレイン電圧を、通常のハイレベルのプリチャージ電圧Vpgよりも低い特定電圧VLに保持して、ダブルゲート型フォトセンサを十分に初期化することができるので、ダブルゲート型フォトセンサのリセット動作の安定性を向上して、良好な被写体画像を得ることができる。
【0129】
<第8の実施形態>
次に、本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法の第8の実施形態について、図面を参照して説明する。
図24は、本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法の第8の実施形態の他の例を示すタイミングチャートである。ここでも、図5及び図7に示したフォトセンサシステムの構成を適宜参照しながら説明する。また、上述した各実施形態と同等の制御方法については、その説明を簡略化又は省略する。
【0130】
本実施形態は、上述した第3の実施形態(図13参照)において、リセット動作の開始時点において全ドレインラインに印加されるプリチャージパルスφpgに基づく電圧を、リセット動作の開始時点及びリセット動作の期間中においては、プリチャージ電圧Vpgよりも低い特定電圧VLに設定し、リセット動作後であって読み出し動作前の期間においては、通常のプリチャージ電圧Vpgに設定したことを特徴としている。
【0131】
図24に示すように、本実施形態に係るフォトセンサの駆動制御方法においては、各行ごとのダブルゲート型フォトセンサ10に対して、リセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTnを印加して、各行ごとのダブルゲート型フォトセンサ10を初期化するリセット動作(リセット期間Trst)の開始タイミングに同期して、プリチャージパルスφpgを印加することにより、後述するプリチャージ動作において印加されるプリチャージ電圧Vpg(例えば、5V)よりも低い特定電圧VL(例えば、0V)を全ドレインライン103に印加する特定電圧印加動作(特定電圧印加期間Tvch)を開始する。これにより、各行ごとのリセット期間Trst中、各ダブルゲート型フォトセンサ10に接続されたドレインライン103に、特定電圧印加動作により印加され、保持された上記特定電圧VLが印加されることになるので、ダブルゲート型フォトセンサが十分に初期化されて、リセット動作後のダブルゲート型フォトセンサの状態が均一化される。
【0132】
次いで、リセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTnが立ち下がり、リセット期間Trstが終了するタイミングに同期して、上記特定電圧印加期間Tvchを終了し、プリチャージ電圧Vpgを上記特定電圧VLから通常のハイレベルのプリチャージ電圧Vpg(例えば、5V)に切り替えることにより、全ドレインライン103に通常のプリチャージ電圧Vpgを印加するプリチャージ動作(プリチャージ期間Tprz)を開始する。
【0133】
また、このとき、リセット期間Trstが終了することにより、電荷蓄積動作(電荷蓄積期間Ta)が順次開始され、その後、電荷蓄積期間Taが経過して該電荷蓄積動作が終了する時点において、特定の他の行(1行目に着目した場合、k行目)のリセット動作に並行して、全ドレインライン103に印加されていたプリチャージパルスφpgを、読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…φBn(この場合、1行目の読み出しパルスφB1)の印加直前のタイミング又は印加と同期するタイミングで立ち下げることにより、プリチャージ動作を終了する。これにより、読み出し動作の開始時点において、全ドレインライン103にはプリチャージパルスφpgに基づくハイレベルのプリチャージ電圧Vpgが保持された状態に設定される。なお、図24においては、特定電圧印加動作による特定電圧印加期間Tvch及びプリチャージ動作によるプリチャージ期間Tprzを規定するプリチャージパルスφpgの印加期間を、便宜的に「プリチャージパルス印加期間Tprj」と表記する。
【0134】
次いで、電荷蓄積動作及びプリチャージ動作が終了(電荷蓄積期間Ta及びプリチャージ期間Tprzが経過)した行のダブルゲート型フォトセンサ10に対して、各行ごとにボトムゲートライン102に読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…φBnを順次印加して、各ダブルゲート型フォトセンサ10のドレイン電圧を読み出す読み出し動作(読み出し期間Tread)を実行する。なお、本実施形態においては、読み出し期間Tread中、プリチャージ電圧Vpgをハイレベルに保持し、読み出し期間Treadが終了するタイミングに同期して、プリチャージ電圧Vpgをローレベル(特定電圧VL)に切り替える。
【0135】
ここで、本実施形態に係る駆動制御方法においては、行ごとのリセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTn、読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…φBn、及び、プリチャージパルスφpgの各々の印加タイミングの間隔(Tdly)を、次の(13)式に示すように、読み出しパルスによる読み出し期間Treadとプリチャージパルスによるプリチャージパルス印加期間Tprjとの合計時間、もしくは、特定電圧印加期間Tvchとプリチャージパルスによるプリチャージ期間Tpryと読み出しパルスによる読み出し期間Treadとの合計時間、又は、それ以上に設定する。
Figure 0004019410
【0136】
したがって、上述した第6又は第7の実施形態と同様に、少なくとも、各行ごとのリセット動作の期間(リセット期間Trstを含む特定電圧印加期間Tvch)中、ダブルゲート型フォトセンサのドレイン電圧を、通常のハイレベルのプリチャージ電圧Vpgよりも低い特定電圧VLに保持して、ダブルゲート型フォトセンサを十分に初期化することができるので、ダブルゲート型フォトセンサのリセット動作の安定性を向上して、良好な被写体画像を得ることができる。
【0137】
なお、上述した各実施形態においては、フォトセンサアレイとして複数のフォトセンサがマトリクス状に配列された構成を用いるものとしたが、本発明はこれに限るものではなく、例えば、フォトセンサアレイとしてフォトセンサがライン状に配列された構成を用いるようにしてもよい。
また、上述した各実施形態においては、本発明に係るフォトセンサシステム及びフォトセンサの駆動制御方法を指紋読取装置に適用した場合についてのみ示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、明暗パターンからなる2次元画像を有する被写体であれば、印刷物等であってもよいことはいうまでもない。
【0138】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るフォトセンサシステム及びフォトセンサシステムにおけるフォトセンサの駆動制御方法によれば、ダブルゲート型フォトセンサ等のフォトセンサを複数配列して構成されるフォトセンサアレイを備えたフォトセンサシステムにおいて、フォトセンサに対するリセット動作→電荷蓄積動作→第1のプリチャージ動作→読み出し動作からなる一連の動作ステップを実行する際に、リセット動作の開始直前、又は、該リセット動作の開始と同時のいずれかのタイミングで第2のプリチャージ電圧を印加する第2のプリチャージ動作を行って、リセット動作の開始時点において、各フォトセンサのドレイン電極が第2のプリチャージ電圧に応じた一定の電圧となるように構成又は制御することにより、各フォトセンサが均一な電圧が印加された状態で初期化されるので、リセット動作後の各フォトセンサ間の状態を均一化して安定させることができ、均一な明度を有する良好な被写体画像を得ることができる。特に、リセット動作の期間中、フォトセンサにプリチャージ電圧よりも低い電圧を印加することにより、リセット動作が十分かつ均一に実行されるので、フォトセンサをより良好に初期化することができる。
【0139】
また、各フォトセンサに上記第2のプリチャージ電圧を印加する動作は、少なくとも、リセット動作の開始時点において、各フォトセンサのドレイン電極に上記第2のプリチャージ電圧が印加され、かつ、読み出し動作の開始前において、各フォトセンサに第1のプリチャージ電圧が印加されているものであればよく、また、リセット動作の開始時点において、各フォトセンサに印加される第2のプリチャージ電圧は、上記第1のプリチャージ電圧と同じ電圧値であってもよいし、第1のプリチャージ電圧よりも低い電圧値(特定電圧)に設定されていてもよいので、上記第2のプリチャージ電圧及びその印加タイミングを比較的高い自由度で任意に設定することができるので、複数のフォトセンサがマトリクス状に配列されたフォトセンサアレイを用いる場合においても、プリチャージパルス及びリセットパルス、読み出しパルスの印加タイミングを、所定の関係を有するように適宜設定することにより、第2のプリチャージ動作→リセット動作→電荷蓄積動作→第1のプリチャージ動作→読み出し動作からなる一連の動作ステップを、マトリクスの各行ごとに時間的にオーバーラップさせて、画面全体を読み取る際の読取所要時間を大幅に短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフォトセンサシステムに適用されるダブルゲート型フォトセンサの概略構成を示す断面構造図である。
【図2】ダブルゲート型フォトセンサの基本的な駆動制御方法の一例を示すタイミングチャートである。
【図3】ダブルゲート型フォトセンサの動作概念図である。
【図4】ダブルゲート型フォトセンサの出力電圧の光応答特性を示す図である。
【図5】ダブルゲート型フォトセンサを2次元配列して構成されるフォトセンサアレイを備えたフォトセンサシステムの概略構成図である。
【図6】フォトセンサシステムの駆動制御方法の一例を示すタイミングチャートである。
【図7】本発明に係るフォトセンサシステムを適用した2次元画像読取装置の全体構成を示すブロック図である。
【図8】本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法の第1の実施形態を示すタイミングチャートである。
【図9】従来技術におけるフォトセンサシステムの駆動制御方法の要部を示すタイミングチャートである。
【図10】第1の実施形態に係るフォトセンサの駆動制御方法の要部を示すタイミングチャートである。
【図11】第1の実施形態と従来技術におけるフォトセンサの駆動制御方法を適用した場合の同一の被写体の読取画像の例を示す図である。
【図12】本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法の第2の実施形態を示すタイミングチャートである。
【図13】本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法の第3の実施形態を示すタイミングチャートである。
【図14】本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法の第3の実施形態の他の例を示すタイミングチャートである。
【図15】本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法の第4の実施形態を示すタイミングチャートである。
【図16】本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法の第5の実施形態を示すタイミングチャートである。
【図17】本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法の第6の実施形態を示すタイミングチャートである。
【図18】第2の実施形態に係るフォトセンサシステムの駆動制御方法の要部を示すタイミングチャートである。
【図19】第2の実施形態に係るフォトセンサの駆動制御方法を適用した場合の被写体の読取画像の例を示す図である。
【図20】第6の実施形態に係るフォトセンサの駆動制御方法の要部を示すタイミングチャートである。
【図21】第6の実施形態に係るフォトセンサの駆動制御方法を適用した場合の被写体の読取画像の例を示す図である。
【図22】本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法の第6の実施形態の他の例を示すタイミングチャートである。
【図23】本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法の第7の実施形態の他の例を示すタイミングチャートである。
【図24】本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法の第8の実施形態の他の例を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
10 ダブルゲート型フォトセンサ
100 フォトセンサアレイ
110 トップゲートドライバ
120 ボトムゲートドライバ
130 ドレインドライバ
140 A/Dコンバータ
150 コントローラ

Claims (14)

  1. 複数のフォトセンサよりなるフォトセンサアレイを備えたフォトセンサシステムにおいて、
    前記フォトセンサは、半導体層からなるチャネル領域を挟んで形成されたソース電極及びドレイン電極と、少なくとも前記チャネル領域の上方及び下方に各々絶縁膜を介して形成された第1のゲート電極及び第2のゲート電極と、を有し、
    前記フォトセンサアレイの前記複数のフォトセンサの前記第1のゲート電極にリセットパルスを印加して、当該複数のフォトセンサを初期化するリセット手段と、
    前記初期化終了後、前記フォトセンサアレイに第1のプリチャージパルスを印加して、該第1のプリチャージパルスに基づいて、前記複数のフォトセンサの前記ドレイン電極に第1のプリチャージ電圧を印加する第1のプリチャージ手段と、
    前記初期化終了後、照射された光により発生する電荷を蓄積する電荷蓄積期間が経過し、かつ、前記第1のプリチャージ電圧を印加するプリチャージ動作が終了した前記複数のフォトセンサの前記第2のゲート電極に対して、読み出しパルスを印加する読み出し手段と、
    前記読み出しパルスを印加する読み出し期間に、前記第1のプリチャージ電圧に対して、前記電荷蓄積期間に蓄積された電荷に応じて変化した前記ドレイン電極の電圧を読み出して出力電圧として出力する出力手段と、
    前記フォトセンサアレイに第2のプリチャージパルスを印加して、該第2のプリチャージパルスに基づいて前記複数のフォトセンサの前記ドレイン電極に前記第2のプリチャージ電圧を印加する第2のプリチャージ手段と、
    前記第2のプリチャージパルスを印加するタイミングを、前記リセットパルスが印加されるリセット動作の開始直前、又は、該リセット動作の開始と同のいずれかのタイミングに設定するタイミング制御手段と、
    を備えていることを特徴とするフォトセンサシステム。
  2. 前記タイミング制御手段は、前記第2のプリチャージパルスを印加するタイミングを、少なくとも、前記リセット動作の開始時点を含む所定の期間中、前記第2のプリチャージパルスを継続して印加するタイミングに設定することを特徴とする請求項1記載のフォトセンサシステム。
  3. 前記タイミング制御手段は、前記第2のプリチャージパルスを印加するタイミングを、少なくとも、前記リセット動作の期間中、前記第2のプリチャージパルスを継続して印加するタイミングに設定することを特徴とする請求項2記載のフォトセンサシステム。
  4. 前記タイミング制御手段は、前記第2のプリチャージパルスを印加するタイミングを、少なくとも、前記読み出し動作の開始時点を含む所定の期間、前記第2のプリチャージパルスを印加するタイミングに設定することを特徴とする請求項2又は3記載のフォトセンサシステム。
  5. 前記第2プリチャージ電圧は、前記第1のプリチャージ電圧と同じ電圧値に設定されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のフォトセンサシステム。
  6. 前記第2プリチャージ電圧は、前記第1のプリチャージ電圧よりも低い電圧に設定されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のフォトセンサシステム。
  7. 前記フォトセンサは、前記第1のゲート電極又は前記第2のゲート電極のいずれか一方を光照射側として、該光照射側から照射された光の量に対応する電荷が前記チャネル領域に発生、蓄積されることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のフォトセンサシステム。
  8. 半導体層からなるチャネル領域を挟んで形成されたソース電極及びドレイン電極と、少なくとも前記チャネル領域の上方及び下方に各々絶縁膜を介して形成された第1のゲート電極及び第2のゲート電極と、を有する複数のフォトセンサを備えるフォト センサアレイを有し、前記フォトセンサアレイの前記複数のフォトセンサの前記第1のゲート電極にリセットパルスを印加して、前記複数のフォトセンサを初期化する第1のステップと、前記初期化終了後、前記フォトセンサアレイに第1のプリチャージパルスを印加し、該第1のプリチャージパルスに基づいて、前記複数のフォトセンサの前記ドレイン電極第1のプリチャージ電圧を印加し、照射された光により発生する電荷を蓄積する電荷蓄積期間が経過した後、前記複数のフォトセンサの前記第2のゲート電極に読み出しパルスを印加して、前記電荷蓄積期間に蓄積された電荷による前記ドレイン電極の電圧を出力電圧として出力する第2のステップと、を含むフォトセンサシステムにおけるフォトセンサの駆動制御方法において、
    前記フォトセンサアレイに第2のプリチャージパルスを印加し、該第2のプリチャージパルスに基づいて、前記複数のフォトセンサの前記ドレイン電極に第2のプリチャージ電圧を印加し、前記第2のプリチャージパルスを印加するタイミングを、前記第1のステップの動作開始直前、又は、前記第1のステップの動作開始と同のいずれかのタイミング設定する第3のステップを有していることを特徴とするフォトセンサシステムにおけるフォトセンサの駆動制御方法。
  9. 前記第3のステップにおいて、前記第2のプリチャージパルスを印加するタイミングを、少なくとも、前記第1のステップの動作開始時点を含む所定の期間、前記第2のプリチャージパルスを継続して印加するタイミングに設定することを特徴とする請求項記載のフォトセンサシステムにおけるフォトセンサの駆動制御方法。
  10. 前記第3のステップにおいて、前記第2のプリチャージパルスを印加するタイミングを、少なくとも、前記第2のステップの動作期間中、前記第2のプリチャージパルスを印加するタイミングに設定することを特徴とする請求項記載のフォトセンサシステムにおけるフォトセンサの駆動制御方法。
  11. 前記第3のステップにおいて、前記第2プリチャージ電圧は、前記第1のプリチャージ電圧と同じ電圧値に設定されていることを特徴とする請求項乃至10のいずれかに記載のフォトセンサシステムにおけるフォトセンサの駆動制御方法。
  12. 前記第3のステップにおいて、前記第2プリチャージ電圧は、前記第1のプリチャージ電圧よりも低い電圧に設定されていることを特徴とする請求項乃至10のいずれかに記載のフォトセンサシステムにおけるフォトセンサの駆動制御方法。
  13. 前記フォトセンサアレイは、マトリクス状に配列された複数のフォトセンサよりなり、前記第1のステップにおける前記リセットパルス、及び、前記第2のステップにおける前記読み出しパルスは、前記フォトセンサアレイの所定の行に印加され、前記第1のステップにおける各行ごとの前記リセットパルスの印加間隔、前記第2のステップにおける各行毎の前記読み出しパルスの印加間隔、及び、前記第3のステップにおける前記第2プリチャージ電圧の印加間隔は、前記リセットパルスのパルス幅と前記第2プリチャージ電圧の印加時間と前記読み出しパルスのパルス幅との合計時間以上に設定されていることを特徴とする請求項記載のフォトセンサシステムにおけるフォトセンサの駆動制御方法。
  14. 前記フォトセンサアレイは、マトリクス状に配列された複数のフォトセンサよりなり、前記第1のステップにおける前記リセットパルス、及び、前記第2のステップにおける前記読み出しパルスは、前記フォトセンサアレイの所定の行に印加され、前記第1のステップにおける各行ごとの前記リセットパルスの印加間隔、前記第2のステップにおける各行毎の前記読み出しパルスの印加間隔、及び、前記第3のステップにおける前記第2プリチャージ電圧の印加間隔は、前記第2プリチャージ電圧の印加時間と前記読み出しパルスのパルス幅との合計時間以上に設定されていることを特徴とする請求項記載のフォトセンサシステムにおけるフォトセンサの駆動制御方法。
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