JP3722352B2 - フォトセンサシステム及びそのフォトセンサシステムにおけるフォトセンサの駆動制御方法 - Google Patents

フォトセンサシステム及びそのフォトセンサシステムにおけるフォトセンサの駆動制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォトセンサを2次元配列して構成されるフォトセンサアレイを備えたフォトセンサシステム及びそのフォトセンサシステムにおけるフォトセンサの駆動制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子スチルカメラやビデオカメラ等の撮像装置の普及が著しく、このような撮像機器においては、被写体像を画像信号に変換するための光電変換装置として、CCD(Charge Coupled Device)等の固体撮像デバイスが用いられている。
CCDは、周知の通り、フォトダイオードや薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)等のフォトセンサ(受光素子)をマトリクス状に配列した構成を有し、各フォトセンサの受光部に照射された光量に対応して発生する電子−正孔対の量(電荷量)を、水平走査回路及び垂直走査回路により検出し、照射光の輝度を検知している。
【0003】
このようなCCDを用いたフォトセンサシステムにおいては、走査された各フォトセンサを選択状態にするための選択トランジスタを個別に設ける必要があるため、画素数が増大するにしたがってシステム自体が大型化するという問題を有している。
そこで、近年、このような問題を解決するための構成として、フォトセンサ自体にフォトセンス機能と選択トランジスタ機能とを持たせた、いわゆる、ダブルゲート構造を有する薄膜トランジスタによるフォトセンサ(以下、ダブルゲート型フォトセンサという)が開発され、システムの小型化、及び、画素の高密度化を図る試みがなされている。
【0004】
以下、ダブルゲート型フォトセンサの構造及び機能について説明する。
まず、本発明に係る画像読取装置に適用されるダブルゲート型トランジスタについて、図面を参照して説明する。
図14は、ダブルゲート型フォトセンサの構造を示す概略断面図である。
図14(a)に示すように、ダブルゲート型フォトセンサ10は、可視光が入射されると電子−正孔対が生成されるアモルファスシリコン等の半導体薄膜(チャネル領域)11と、半導体薄膜11の両端にそれぞれ設けられたnシリコン層17、18と、nシリコン層17、18を介して、半導体薄膜11に対してオーミック接続されたソース電極12及びドレイン電極13と、半導体薄膜11の上方(図面上方)にブロック絶縁膜14及び上部(トップ)ゲート絶縁膜15を介して形成されたトップゲート電極21と、トップゲート電極21上に設けられた保護絶縁膜20と、半導体薄膜11の下方(図面下方)に下部(ボトム)ゲート絶縁膜16を介して形成されたボトムゲート電極22と、を有し、これらの構成がガラス基板等の透明な絶縁性基板19上に形成されている。
【0005】
すなわち、ダブルゲート型フォトセンサ10は、半導体薄膜11、ソース電極12、ドレイン電極13及びトップゲート電極21により構成される上部MOSトランジスタと、半導体薄膜11、ソース電極12、ドレイン電極13及びボトムゲート電極22により構成される下部MOSトランジスタと、を有して構成され、図14(b)の等価回路に示すように、半導体薄膜11を共通のチャネル領域として、TG(トップゲート端子)、BG(ボトムゲート端子)、S(ソース端子)、D(ドレイン端子)を有する2つのMOSトランジスタが組み合わされた構成と考えることができる。
【0006】
なお、図14(a)において、トップゲート電極21、上部ゲート絶縁膜15、ブロック絶縁膜14、下部ゲート絶縁膜16、及び、トップゲート電極21上に設けられる保護絶縁膜20は、いずれも半導体薄膜11を励起する可視光に対して透過率の高い材質により構成され、一方、ボトムゲート電極22は、可視光の透過を遮断する材質により構成されることにより、トップゲート電極21側(図面上方)から入射された光がトップゲート電極21、上部ゲート絶縁膜15及びブロック絶縁膜14を透過して、半導体薄膜11に入射することにより、チャネル領域に電荷(正孔)が発生し、蓄積される。
【0007】
次に、上述したダブルゲート型フォトセンサを2次元配列して構成されるフォトセンサシステムについて、図面を参照して簡単に説明する。
図15は、ダブルゲート型フォトセンサを2次元配列して構成されるフォトセンサシステムの概略構成図である。
図15に示すように、フォトセンサシステムは、大別して、多数のダブルゲート型フォトセンサ10を、たとえば、n行×m列のマトリクス状に配列したフォトセンサアレイ100と、各ダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート端子TG及びボトムゲート端子BGを各々行方向に接続したトップゲートライン101及びボトムゲートライン102と、トップゲートライン101及びボトムゲートライン102に各々接続されたトップゲートドライバ111及びボトムゲートドライバ112と、各ダブルゲート型フォトセンサ10のドレイン端子Dを列方向に接続したデータライン103と、データライン103に接続されたコラムスイッチ113と、を有して構成される。ここで、Vtg及びVbgは、それぞれリセットパルスφT1、φT2、…φTi、…φTn、及び、読み出しパルスφB1、φB2、…φBi、…φBnを生成するための基準電圧、φpgは、プリチャージ電圧Vpgを印加するタイミングを制御するプリチャージパルスである。
【0008】
このような構成において、後述するように、トップゲートドライバ111からトップゲート端子TGに所定の電圧を印加することによりフォトセンス機能が実現され、ボトムゲートドライバ112からボトムゲート端子BGに所定の電圧を印加し、データライン103を介してダブルゲート型フォトセンサ10の出力電圧をコラムスイッチ113に取り込んでシリアルデータVoutとして出力することにより読み出し機能が実現される。
【0009】
次に、上述したフォトセンサシステムにおけるフォトセンサの駆動制御方法について、図面を参照して説明する。
図16は、フォトセンサの駆動制御方法の一例を示すタイミングチャートであり、図17は、ダブルゲート型フォトセンサの動作概念図であり、図18は、フォトセンサシステムの出力電圧の光応答特性を示す図である。
まず、リセット動作においては、図16、図17(a)に示すように、i番目の行の検出動作期間(i行目処理サイクル)において、i番目の行のトップゲートライン101にパルス電圧(リセットパルス;たとえばVtg=+15Vのハイレベル)φTiを印加して、i番目の行の各ダブルゲート型フォトセンサ10の半導体薄膜(チャネル領域)に蓄積されている電荷(正孔)を放出する(リセット期間Treset)。
【0010】
次いで、電荷蓄積動作においては、図16、図17(b)に示すように、トップゲートライン101にローレベル(たとえばVtg=−15V)のバイアス電圧φTiを印加することにより、リセット動作が終了し、電荷蓄積動作による電荷蓄積期間Taがスタートする。電荷蓄積期間Taにおいては、トップゲート電極側から入射した光の量に応じてチャネル領域に電荷(正孔)が蓄積される。
そして、プリチャージ動作においては、図16、図17(c)に示すように、電荷蓄積期間Taに並行して、プリチャージパルスφpgに基づいてデータライン103に所定の電圧(プリチャージ電圧)Vpgを印加し、ドレイン電極13に電荷を保持させる(プリチャージ期間Tprch)。
【0011】
次いで、読み出し動作においては、図16、図17(d)に示すように、プリチャージ期間Tprchを経過した後、ボトムゲートライン102にハイレベル(たとえばVbg=+10V)のバイアス電圧(読み出し選択信号;以下、読み出しパルスという)φBiを印加することにより、ダブルゲート型フォトセンサ10をON状態にする(読み出し期間Tread)。
ここで、読み出し期間Treadにおいては、チャネル領域に蓄積された電荷(正孔)が逆極性のトップゲート端子TGに印加されたローレベル電圧Vtg(−15V)を緩和する方向に働くため、ボトムゲート端子BGのVbgによりnチャネルが形成され、ドレイン電流に応じてデータライン103の電圧VDは、図18(a)に示すように、プリチャージ電圧Vpgから時間の経過とともに徐々に低下する傾向を示す。
【0012】
すなわち、電荷蓄積期間Taにおける電荷蓄積状態が暗状態(入射光が暗く、光量が少ない状態)で、チャネル領域に蓄積された電荷(正孔)が少ない場合には、図13(e)、図14(a)に示すように、トップゲートTGに負バイアスをかけることによって、ボトムゲートBGの正バイアスが打ち消され、ダブルゲート型フォトセンサ10はOFF状態となり、ドレイン電圧、すなわち、データライン103の電圧VDは、ほぼそのまま保持されることになる。
一方、電荷蓄積状態が明状態(入射光が明るく、光量が多い状態)で、チャネル領域に蓄積された電荷(正孔)が多い場合には、図13(d)、図14(a)に示すように、トップゲートTGの負バイアスを打ち消すように作用し、この打ち消された分だけボトムゲートBGの正バイアスによって、ダブルゲート型フォトセンサ10はON状態となる。そして、この入射光量に応じたON抵抗に従って、データライン103の電圧VDは、低下することになる。
【0013】
したがって、図18(a)に示したように、データライン103の電圧VDの変化傾向は、トップゲートTGへのリセットパルスφTiの印加によるリセット動作の終了時点から、ボトムゲートBGに読み出しパルスφBiが印加されるまでの時間(電荷蓄積期間Ta)に受光した光量に深く関連し、蓄積された電荷が少ない場合には極めて緩やかに低下する傾向を示し、また、蓄積された電荷が多い場合には急峻に低下する傾向を示す。そのため、読み出し期間Treadがスタートして、所定の時間経過後のデータライン103の電圧VDを検出することにより、あるいは、所定のしきい値電圧を基準にして、その電圧に至るまでの時間を検出することにより、照射光の光量が換算される。
【0014】
上述した一連の画像読み取り動作を1サイクルとして、次のi+1番目の行における検出動作期間(i+1番目処理サイクル)においても、i番目の行における場合と同様に、リセットパルスφTi+1、読み出しパルスφBi+1を印加する動作を行い、以下、フォトセンサアレイ100の各行に対して同様の動作を繰り返すことにより、ダブルゲート型フォトセンサ10を2次元のセンサシステムとして動作させることができる。
【0015】
なお、図16に示したタイミングチャートにおいて、プリチャージ期間Tprchの経過後、図17(f)、(g)に示すように、ボトムゲートライン102にローレベル(たとえばVbg=0V)を印加した状態を継続すると、ダブルゲート型フォトセンサ10はOFF状態を持続し、図18(b)に示すように、データライン103の電圧VDは、プリチャージ電圧Vpgを保持する。このように、ボトムゲートライン102への電圧の印加状態により、ダブルゲート型フォトセンサ10の読み出し状態を選択する選択機能が実現される。
【0016】
以上のように、リセット動作→電荷蓄積動作→プリチャージ動作→読み出し動作の一連の動作ステップにより被写体像の読み取りが行われるが、このような動作ステップは、上述したダブルゲート型フォトセンサを用いた場合に限らず、周知のフォトダイオードやフォトトランジスタ等をフォトセンサとして用いたフォトセンサシステムにおいても、同様の動作ステップが実行される。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような従来技術に係るフォトセンサシステムにおいては、以下に示すような問題を有していた。
(1)フォトセンサが2次元配列されたフォトセンサアレイを用いて被写体画像の読み取りを行う場合、フォトセンサアレイの1行毎のフォトセンサに対して、リセットパルス及びプリチャージパルスの印加を行い、電荷蓄積期間の経過後に読み出しパルスを印加するという一連の処理手順を行い、かつ、この処理手順を各行毎に順次繰り返して行う駆動制御方法が採用されていた。
【0018】
そのため、n本の行を有する2次元マトリクスの場合、1画面のスキャンを行うためには、1行目から最後のn行目までn回同様の動作を繰り返し行わなければならず、フォトセンサアレイの行数が多くなるほど1画面全体の動作処理時間(スキャン時間)が増大する、という問題を有していた。これによって、1画面分のスキャン時間が経過するまで被写体を静止させておかなければならない等の制約が生じ、実用化の範囲が極めて制限されるという問題を有していた。
【0019】
ところで、上述したダブルゲート型フォトセンサにおいて、スキャン時間を短縮する技術としては、特開平8−204223号公報等に記載された技術が知られている。
特開平8−204223号公報には、読み出し動作時に印加される読み出しパルスφBnに同期して、トップゲート電極に所定のオフセットバイアスを印加することにより、入射光による正孔の蓄積を待つことなく、半導体薄膜に形成される空乏層を後退させてチャネルを確保し、照度に応じたドレイン電流を迅速に流して、上記電荷蓄積時間Taを短縮することが記載されている。
【0020】
しかしながら、特開平8−204223号公報に記載された駆動制御方法においては、ダブルゲート型フォトセンサ単体における電荷蓄積時間Taの短縮を図ることにより、2次元のフォトセンサシステム全体のスキャン時間を短縮する効果はあるものの、より高精細な画質を求めて画素数を増加すると、画素数に比例してスキャン時間が必然的に増大するという問題を依然として有していた。
【0021】
(2)上述したようなフォトセンサを用いたフォトセンサシステムにおいては、たとえば、上述したダブルゲート型フォトセンサのように、入射光による電荷が電荷蓄積期間の間蓄積されるフォトセンサの場合、被写体が暗く、蓄積される電荷が少ない場合には、十分な検出感度を得るために電荷蓄積期間を長く設定することが必要となり、また、被写体が明るく、蓄積される電荷が多い場合には、電荷が飽和しないようにするために電荷蓄積期間を短く設定することが必要になる。すなわち、被写体画像を適切な感度で良好に読み取るためには、被写体の明るさに応じてフォトセンサの電荷蓄積期間、すなわち、読み取り感度を適切に設定する必要がある。
【0022】
したがって、フォトセンサシステムを使用する場所や被写体が種々変化するような場合には、外光照度等の周囲環境の状態や被写体によって被写体の明るさがその都度変化するため、正規の被写体画像の読み取り動作の開始直前に、試験的に読み込み動作(以下、事前読み込み動作という)を行い、この結果から適切な感度を求めるようにすることが必要となる。
【0023】
この事前読み込み動作を従来の駆動制御方法によって行う場合、まず、感度をある適当な値に設定して全画面読み取りを行い、検出結果が不適切であれば、感度を変更して再度全画面読み取りを行う、という動作を複数回繰り返し、適切な検出結果が得られる感度設定値を見つける、という手順を行うことになる。そのため、事前読み込み動作に要する時間が極めて長くなってしまい、迅速に適切な感度で被写体画像の読み取り動作を開始することができないという問題を有していた。
【0024】
そこで、本発明は、上述した問題を解決し、フォトセンサを2次元配列して構成されるフォトセンサアレイを備えたフォトセンサシステムにおいて、被写体画像の読み取り処理に要する時間を短縮することができるフォトセンサシステム及びその駆動制御方法を提供することを第1の目的とし、また、フォトセンサシステムの使用状態に適した読み取り感度による被写体画像の読み取り動作を迅速に実行することができるフォトセンサシステム及びそのフォトセンサシステムにおけるフォトセンサの駆動制御方法を提供することを第2の目的としている。
【0025】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のフォトセンサシステムは、マトリクス状に配列された複数のフォトセンサよりなるフォトセンサアレイを備えたフォトセンサシステムにおいて、前記フォトセンサアレイの所定の行にリセットパルスを印加して、当該行の複数のフォトセンサを初期化する初期化手段と、前記複数のフォトセンサに所定のプリチャージパルスを印加するプリチャージ手段と、前記初期化終了後、照射された光により発生する電荷を蓄積する電荷蓄積期間が経過し、かつ、前記プリチャージパルスを印加するプリチャージ動作が終了した前記所定の行の複数のフォトセンサに対して読み出しパルスを印加する読み出し手段と、前記読み出し手段に基づいて、前記電荷蓄積期間に蓄積された電荷による電圧を出力電圧として出力する出力手段と、少なくとも、前記プリチャージ手段によるプリチャージパルスの印加タイミングと、前記読み出し手段による各行毎の前記読み出しパルス及び前記初期化手段における前記リセットパルスの印加タイミングを、相互に時間的に重ならないように設定するとともに、各行毎の前記電荷蓄積期間が前記各行毎の前記読み出しパルスの印加間隔と前記プリチャージパルスのパルス幅の合計時間に等しいか、前記読み出しパルスの印加間隔の整数倍の時間と前記プリチャージパルスのパルス幅の合計時間を有するように設定されて、少なくとも2つの異なる行間において、時間的に重なる期間を有するように設定するタイミング制御手段と、を備えていることを特徴としている。
【0026】
請求項2記載のフォトセンサシステムは、請求項1記載のフォトセンサシステムにおいて、前記フォトセンサは、半導体層からなるチャネル領域を挟んで形成されたソース電極及びドレイン電極と、少なくとも前記チャネル領域の上方及び下方に各々絶縁膜を介して形成された第1の電極及び第2の電極とを有し、
前記チャネル領域に前記照射された光の量に対応する電荷が発生、蓄積されることを特徴としている。
【0027】
請求項3記載のフォトセンサシステムは、請求項2記載のフォトセンサシステムにおいて、前記初期化手段は、前記フォトセンサにおける前記第1の電極に前記リセットパルスを印加して前記フォトセンサを初期化し、前記プリチャージ手段は、前記フォトセンサにおける前記ドレイン電極に前記プリチャージパルスを印加し、前記読み出し手段は、プリチャージパルスによるプリチャージ動作が終了した前記フォトセンサの前記第2の電極に前記読み出しパルスを印加し、前記出力手段は、前記ドレイン電極の電圧を出力電圧として出力することを特徴としている。
【0028】
請求項4記載のフォトセンサシステムは、請求項2記載のフォトセンサシステムにおいて、前記フォトセンサシステムは、前記第2の電極への前記読み出しパルスの印加タイミングに同期して、前記第1のゲート電極に、所定のオフセットバイアスを印加するオフセットバイアス印加手段を備えていることを特徴としている。
【0029】
請求項5記載のフォトセンサの駆動制御方法は、マトリクス状に配列された複数のフォトセンサよりなるフォトセンサアレイを備えたフォトセンサシステムにおけるフォトセンサの駆動制御方法において、前記フォトセンサアレイの所定の行にリセットパルスを印加して、その行の複数のフォトセンサを初期化する第1のステップと、前記初期化終了後、前記所定の行の複数のフォトセンサにおいて、照射された光により発生する電荷を蓄積する電荷蓄積期間が経過し、かつ、前記複数のフォトセンサに所定のプリチャージパルスを印加するプリチャージ動作が終了した前記所定の行の複数のフォトセンサに対して読み出しパルスを印加して、前記電荷蓄積期間に蓄積された電荷による電圧を出力電圧として出力する第2のステップと、を含み、前記第2のステップにおけるプリチャージパルス及び各行毎の前記読み出しパルスと前記リセットパルスの印加タイミングは、相互に時間的に重ならないように設定されるとともに、各行毎の前記電荷蓄積期間は前記各行毎の前記読み出しパルスの印加間隔と前記プリチャージパルスのパルス幅の合計時間に等しいか、前記読み出しパルスの印加間隔の整数倍の時間と前記プリチャージパルスのパルス幅の合計時間を有するように設定されて、少なくとも2つの異なる行間において、時間的に重なる期間を有していることを特徴としている。
【0030】
請求項6記載のフォトセンサの駆動制御方法は、請求項5記載のフォトセンサの駆動制御方法において、前記第1のステップにおいては、前記フォトセンサアレイの各行に前記リセットパルスを順次印加して各行毎の前記複数のフォトセンサを順次初期化し、前記第2のステップにおいては、前記初期化が終了して所定の電荷蓄積時間が経過し、かつ、前記プリチャージパルスによるプリチャージ動作が終了した前記各行の複数のフォトセンサに対して読み出しパルスを順次印加し、前記電荷蓄積期間に蓄積された電荷による電圧を出力電圧として順次出力することを特徴としている。
【0031】
請求項7記載のフォトセンサの駆動制御方法は、請求項6記載のフォトセンサの駆動制御方法において、前記第2のステップにおける前記プリチャージパルス及び各行毎の前記読み出しパルスの印加間隔は、前記プリチャージパルスのパルス幅と前記読み出しパルスのパルス幅の合計時間に等しいか、又は、その整数倍の時間に設定されていることを特徴としている。
【0032】
請求項8記載のフォトセンサの駆動制御方法は、請求項6記載のフォトセンサの駆動制御方法において、前記第1のステップにおける各行毎の前記リセットパルスの印加間隔、及び、前記第2のステップにおける前記プリチャージパルス及び各行毎の前記読み出しパルスの印加間隔は、前記プリチャージパルスのパルス幅と前記読み出しパルスのパルス幅の合計時間に等しいか、又は、その整数倍の時間に設定されていることを特徴としている。
【0033】
請求項9記載のフォトセンサの駆動制御方法は、請求項6記載のフォトセンサの駆動制御方法において、前記第1のステップにおける各行毎の前記リセットパルスの印加間隔、及び、前記第2のステップにおける各行毎の前記プリチャージパルス及び前記読み出しパルスの印加間隔は、前記第1のステップにおける前記リセットパルスのパルス幅と前記第2のステップにおける前記プリチャージパルスのパルス幅と前記読み出しパルスのパルス幅の合計時間に等しいか、又は、その整数倍の時間に設定されていることを特徴としている。
【0035】
請求項10記載のフォトセンサの駆動制御方法は、請求項5記載のフォトセンサの駆動制御方法において、前記第2のステップにおける各行毎の前記プリチャージパルス及び前記読み出しパルスの印加間隔は、前記第1のステップにおける前記リセットパルスのパルス幅と前記第2のステップにおける前記プリチャージパルスのパルス幅と前記読み出しパルスのパルス幅との合計時間に等しいか、その整数倍の時間に設定されていることを特徴としている。請求項11記載のフォトセンサの駆動制御方法は、請求項10記載のフォトセンサの駆動制御方法において、前記第2のステップにおける各行毎の前記電荷蓄積期間は、各行毎に異なる時間に設定されていることを特徴としている。
【0036】
請求項12記載のフォトセンサの駆動制御方法は、請求項10記載のフォトセンサの駆動制御方法において、前記第1のステップにおいて、前記リセットパルスを前記フォトセンサアレイの各行に同時に印加し、前記第2のステップにおいて、前記合計時間に等しいか、その整数倍の時間間隔で、前記プリチャージパルスを印加するとともに、各行に前記読み出しパルスを印加することを特徴としている。
【0037】
請求項13記載のフォトセンサの駆動制御方法は、請求項10記載のフォトセンサの駆動制御方法において、前記第1のステップにおいて、前記リセットパルスを前記フォトセンサアレイの各行に前記合計時間に等しいか、その整数倍の時間間隔で順次印加し、全行への前記リセットパルスの印加が終了した後、前記第2のステップにおいて、前記プリチャージパルスを印加するとともに、前記第1のステップにおける前記フォトセンサアレイの各行に対する前記リセットパルスの印加順序に対して逆の順序で、各行に読み出しパルスを印加することを特徴としている。
【0038】
請求項14記載のフォトセンサの駆動制御方法は、請求項10記載のフォトセンサの駆動制御方法において、前記第1のステップにおいて、前記リセットパルスを前記フォトセンサアレイの各行に前記合計時間に等しいか、その整数倍の時間間隔で順次印加し、前記第2のステップにおいて、前記第1のステップと同期して、前記プリチャージパルスを印加するとともに、前記第1のステップにおける前記フォトセンサアレイの各行に対する前記リセットパルスの印加順序に対して逆の順序で、各行に読み出しパルスを順次印加し、前記プリチャージ電圧の印加、及び、前記読み出しパルスの印加が終了し、前記合計時間経過後、前記プリチャージパルスを印加するとともに、前記読み出しパルスの各行への印加順序と同じ順序で、再度、各行に読み出しパルスを前記合計時間に等しいか、その整数倍の時間間隔で印加することを特徴としている。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係るフォトセンサシステム及びそのフォトセンサシステムにおけるフォトセンサの駆動制御方法の実施の形態について詳しく説明する。なお、以下に示す実施形態においては、フォトセンサとして上述したダブルゲート型フォトセンサを適用した場合について示すが、本発明の構成は、このダブルゲート型フォトセンサに限定されるものではなく、他の構成のフォトセンサを用いたフォトセンサシステムに対しても同様に適用されるものである。
また、以下に示す各実施形態においては、上述したダブルゲート型フォトセンサのトップゲート電極を第1の電極として電圧を印加することにより、フォトセンス機能を実現するとともに、ボトムゲート電極を第2の電極として電圧を印加することにより、チャネル領域に蓄積された電荷量を読み出す機能を実現するものとして説明する。
【0040】
まず、本発明に係るフォトセンサシステムの一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係るフォトセンサシステムの一実施形態を示すブロック図である。なお、ここでは、図14、図15に示したダブルゲート型フォトセンサ及びフォトセンサシステムの構成を適宜参照しながら説明する。また、図15に示したフォトセンサシステムと同等の構成については、同一の符号を付して説明する。
【0041】
図1に示すように、本実施形態に係るフォトセンサシステムは、図14に示したダブルゲート型フォトセンサ10を2次元配列して構成されるフォトセンサアレイ100と、ダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲートTGに所定のタイミングで、所定のトップゲート電圧(リセットパルス)、さらには、オフセットバイアスを印加するトップゲートドライバ(初期化手段、オフセットバイアス印加手段)111と、ダブルゲート型フォトセンサ10のボトムゲートBGに所定のタイミングで、所定のボトムゲート電圧(読み出しパルス)を印加するボトムゲートドライバ(読み出し手段)112と、ダブルゲート型フォトセンサ10へのプリチャージ電圧の印加及びデータライン電圧の読み出しを行うコラムスイッチ113、プリチャージスイッチ114、アンプ115からなる出力回路(プリチャージ手段、出力手段)116と、読み出されたデータ電圧(アナログ信号)をデジタル信号からなる画像データに変換するアナログ−デジタル変換器(以下、A/Dコンバータと記す)116と、フォトセンサアレイ100による被写体画像の読取動作制御や外部機能部200とのデータのやり取り等を行うとともに、一連の動作ステップに係るリセット動作、電荷蓄積動作、プリチャージ動作、読み出し動作に関連する各パルス信号の印加タイミングを制御するタイミング制御機能を有するコントローラ(タイミング制御手段)120と、読取画像データ及び感度調整処理に関連するデータ等を記憶するRAM130と、を有して構成されている。
【0042】
ここで、フォトセンサアレイ100、トップゲートドライバ111、ボトムゲートドライバ112、コラムスイッチ113、プリチャージスイッチ114、アンプ115からなる構成は、図15に示したフォトセンサシステムと略同等の構成及び機能を有しているので、その詳細な説明を省略する。
本実施形態におけるコントローラ120は、トップゲートドライバ111及びボトムゲートドライバ112に所定の制御信号を供給することにより、トップゲートドライバ111及びボトムゲートドライバ112の各々から、フォトセンサアレイ100を構成する各ダブルゲート型フォトセンサのトップゲートTG及びボトムゲートBGに印加する所定のパルス信号(リセットパルス、読み出しパルス)を生成するとともに、プリチャージスイッチ114に所定の制御信号φpgを出力することにより、データラインにプリチャージ電圧Vpgを印加して、被写体画像の読取動作の実行を制御する。
【0043】
また、コントローラ120には、ダブルゲート型フォトセンサ10から読み出されたデータライン電圧がアンプ115及びA/Dコンバータ116を介してデジタル信号に変換され、画像データとして入力される。コントローラ120は、この画像データに対して、所定の画像処理を施したり、RAM130への書き込み、読み出しを行うとともに、画像データの照合や加工等の所定の処理を実行する外部機能部200に対してインタフェースとしての機能をも備えている。
【0044】
特に、コントローラ120は、トップゲートドライバ111、ボトムゲートドライバ112及び出力回路116に出力する制御信号を設定変更することにより、後述する駆動制御処理におけるリセットパルス、読み出しパルス、プリチャージパルス、オフセットバイアス等の印加タイミングを所定の条件を満たすように設定して、被写体画像の読み取り時間を短縮するとともに、外光照度等の周囲の環境等に対応して被写体画像を最適に読み込むことができる読取感度、すなわち、ダブルゲート型フォトセンサ10の最適な電荷蓄積期間Taを設定する機能を有している。
【0045】
<第1の実施形態>
次に、上述したコントローラ120の概略動作について、図面を参照して説明する。
図2は、本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法の第1の実施形態を示すタイミングチャートである。なお、ここでは、図14、図15及び図1に示したフォトセンサシステムの構成を適宜参照しながら説明する。
図2に示すように、まず、複数のダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート端子TGを行方向に接続するトップゲートライン101の各々にリセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTnを順次印加してリセット期間Tresetをスタートし、各行毎にダブルゲート型フォトセンサ10を初期化する。
【0046】
次いで、リセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTnが立ち下がり、リセット期間Tresetが終了することにより、電荷蓄積期間Taがスタートして、各行毎にダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート電極側から入射される光量に応じてチャネル領域に電荷(正孔)が発生し、蓄積される。
次いで、電荷蓄積期間Ta内に並行して、全データライン103にプリチャージパルスφpgに基づくプリチャージ電圧Vpgを印加してプリチャージ期間Tprchをスタートし、ダブルゲート型フォトセンサ10のドレイン電極に所定の電圧を保持させるプリチャージ動作が行われる。
【0047】
次いで、電荷蓄積期間Ta及びプリチャージ期間Tprchが終了したダブルゲート型フォトセンサ10に対して、各行毎にボトムゲートライン102に読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…φBnを順次印加して読み出し期間Treadをスタートし、各ダブルゲート型フォトセンサ10に蓄積された電荷に対応する電圧変化を、各データライン103を介してコラムスイッチ113に取り込んで読み出す。
なお、照射光量の検出方法は、上述した従来技術と同様に、データライン103の電圧の低下傾向を、読み出し期間Treadがスタートして、所定の時間経過後の電圧値を検出することにより、あるいは、所定のしきい値電圧を基準にして、その電圧値に至るまでの時間を検出することにより、照射光量に換算される。
【0048】
ここで、従来技術においては、フォトセンサアレイ100の1行毎の読み取り処理時間、すなわち、1サイクルの期間内で、リセット動作から電荷蓄積動作、読み出し動作に至る一連の処理手順(動作ステップ)を実行し、フォトセンサアレイの行数(n)分、同様の処理をシリアルに繰り返して行う駆動制御方法であったのに対して、本実施形態に係るフォトセンサの駆動制御方法においては、まず、トップゲートライン101を介して最初の行のダブルゲート型フォトセンサから順に、リセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTnを連続的に印加するリセット動作を先行して実行しつつ、ダブルゲート型フォトセンサのうち、電荷蓄積期間が経過し、かつ、プリチャージ動作が終了した最初の行のダブルゲート型フォトセンサから順に、ボトムゲートライン102を介して読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…φBnを並行して印加し、ドレイン電極の電圧変化を読み出す処理手順を実行するようにしたものである。
【0049】
このとき、プリチャージパルスφpg及び各行毎の読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…φBnの印加タイミングが相互に時間的に重ならないように設定するとともに、各行の読み取り処理期間における電荷蓄積時間Taの一部を時間的に重なるように設定することによって、各行毎の処理サイクルを一部オーバーラップさせて全体の読み取り処理時間を短縮するとともに、このような駆動制御を行った場合においても、行毎の出力電圧が相互に影響することなく、正確な読み取り動作を行うようにものである。
【0050】
次に、上述したフォトセンサの駆動制御方法における、より好ましい実施の形態を示して、各行毎の処理動作のタイミングについて説明する。
図3は、上述したフォトセンサの駆動制御方法における、各行毎の処理動作のタイミングを説明するタイミングチャートである。
一般に、フォトセンサシステムにおいては、光量の検出感度を高めるため、リセット期間Tresetに対して読み出し期間Treadが長く設定されている。また、処理時間を最適化し、駆動制御及び検出結果の処理を簡易にするため、検出感度に対応する行毎の電荷蓄積期間Taが一定値に設定される。したがって、各行毎のリセット動作を単に連続して行った場合、1行目のダブルゲート型フォトセンサ10の電荷蓄積期間Ta経過後の読み出し期間Tread中に、次の2行目のダブルゲート型フォトセンサ10の電荷蓄積期間Taが経過して、異なる行相互の読み出し期間Treadが重なり合う現象が生じる。その結果、一つのデータライン103上に異なる行に対応した読み取りデータが同時に出力されてしまい、データのクロストークが生じ、正確なデータの読み取りが行えなくなる。また、プリチャージ期間Tprchは、必ず各行毎の読み出し期間Treadの前に設けることが必要であるため、読み出し期間Treadとプリチャージ期間Tprchが時間的に重なり合ってしまう場合があり、データ読み取りが正確に行えなくなる。
【0051】
そこで、本実施形態のより好ましい駆動制御方法は、上述したような異なる行に接続されたダブルゲート型フォトセンサ相互の読み出し期間Treadの重複を避け、かつ、データライン103に印加されるプリチャージ電圧Vpgと読み出しデータVDの重複を避けることを目的として、図3に示すように、図2に示した処理手順と同様に、リセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTnを順次印加するリセット動作を先行して実行しつつ、ダブルゲート型フォトセンサ10のうち、電荷蓄積期間Taが経過し、かつ、プリチャージ動作が終了した最初の行のダブルゲート型フォトセンサ10から順に、ボトムゲートライン102を介して読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…φBnを並行して順次印加し、ドレイン電極の電圧変化を読み出す処理手順を実行するようにして、各行毎の処理サイクルの一部を時間的にオーバーラップさせるようにした駆動制御方法において、行毎のリセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTn、読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…φBn、及び、プリチャージパルスφpgの間隔を、読み出しパルスによる読み出し期間Treadとプリチャージパルスφpgによるプリチャージ期間Tprchとの和に相当する時間(合計時間)に設定するようにしたものである。
【0052】
すなわち、行毎のリセットパルス、読み出しパルス、及びプリチャージパルスの間隔は、次の(1)式で表される第1のパルス間隔Tintとなる。
Tint=Tprch+Tread ……(1)
これによって、行毎のダブルゲート型フォトセンサ10相互の読み出し期間Tread、及び、データラインに印加されるプリチャージ期間Tprchと読み出し期間Treadが時間的に重なることが避けられるため、行毎の出力電圧が影響してクロストークが発生することが防止され、正確な読み取り動作を行うことができる。但し、この場合、上記タイミングチャートから明らかなように、電荷蓄積期間Taは任意の時間に設定することはできず、電荷蓄積期間Taの設定間隔は、上記第1のパルス間隔Tintを基準単位とする時間となる。
また、この構成によって、以下に示すように読み取り動作の処理時間を大幅に短縮することができる。更に、読み出し期間Treadが一定に設定されるとともに、読み出し期間Treadとプリチャージ期間Tprchの合計よりなるリセット動作の間隔も一定にすることができるため、駆動制御を簡略化することができる。
【0053】
ここで、本実施形態のより好ましい駆動制御方法における動作処理時間の短縮効果について説明する。
従来技術におけるフォトセンサ全体(1画面分)のスキャン時間は、図16に示したように、フォトセンサアレイ100の行数をnとした場合、リセット期間Tresetと電荷蓄積期間Taと読み出し期間Treadとの合計時間よりなる1行分の処理時間(処理サイクル)を行数分繰り返すことになるため、次の(2)式に示すTp-oldとして表すことができる。
Tp-old=n×(Treset+Ta+Tread) ……(2)
【0054】
これに対して、本実施形態のより好ましい駆動制御方法におけるスキャン時間Tp1は、図3に示したように、1行目のリセット期間Tresetと電荷蓄積期間Taの後、読み出し期間Treadとプリチャージ期間Tprchが連続してn−1回繰り返された後に、n行目の読み出し期間Treadが一回付加された時間となるため、次の(3)式のように表すことができる。
Figure 0003722352
したがって、従来技術におけるスキャン時間Tp-oldと、本実施形態のより好ましい駆動制御方法におけるスキャン時間Tp1との差、すなわち、本実施形態によって短縮される動作処理時間は、次の(4)式に示すToffとして表すことができる。
Toff=Tp-old−Tp1=(n−1)×(Treset+Ta−Tprch) ……(4)
【0055】
ここで、上述した短縮された処理時間Toffについて、具体的な数値例を示して、本実施形態における有効性を説明する。
本実施形態のより好ましい駆動制御方法により短縮された動作処理時間Toffは、ダブルゲート型フォトセンサが受光する光の明るさが、たとえば、数十ルクスの場合、1行(走査線)の処理時間(Treset+Ta+Tread)として約0.15秒を必要とするので、フォトセンサアレイの行数nが200本程度の場合、従来技術においては、スキャン時間30秒以上を必要としていたのに対して、本実施形態によれば0.3秒程度に短縮することができるので、短縮される処理時間Toffは29.7秒程度となる。すなわち、本実施形態によれば、スキャン理時間が1/100程度に大幅に短縮され、今後の実用化に向けた有効な駆動方法を提示することができる。
【0056】
<第2の実施形態>
次に、本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法における第2の実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態は、上述した第1の実施形態において、ボトムゲート電極に印加する読み出しパルスφBnに同期して、トップゲート電極にオフセットバイアスを印加するようにしたことを特徴としている。
図4は、フォトセンサの駆動制御方法の第2の実施形態を示すタイミングチャートである。ここでは、図15に示したフォトセンサシステムの構成を適宜参照しながらを説明する。
【0057】
図4に示すように、まず、複数のダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート端子TGを行方向に接続するトップゲートライン101の各々に順次リセットパルス(Hレベル:たとえば、+5V)φT1、φT2、φT3、…φTnを印加してリセット期間Tresetをスタートし、各行毎にダブルゲート型フォトセンサ10を初期化する。
次いで、リセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTnが立ち下がり(Lレベル:たとえば、−20V)、リセット期間Tresetが終了すると、電荷蓄積期間Taがスタートして、各行毎にダブルゲート型フォトセンサ10に入射される光量に応じてチャネル領域に電荷が蓄積される。ここで、電荷蓄積期間Ta内にデータライン103にプリチャージ電圧を印加してプリチャージ期間Tprchをスタートし、ダブルゲート型フォトセンサ10のドレイン電極に所定の電圧を保持させる。
【0058】
次いで、電荷蓄積期間Ta及びプリチャージ期間Tprchが終了したダブルゲート型フォトセンサ10に対して、各行毎にボトムゲートライン102に順次読み出しパルス(Hレベル:たとえば、10V)φB1、φB2、φB3、…φBnを印加して、読み出し期間Treadをスタートするとともに、上記読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…φBnの印加タイミングに同期して、トップゲートライン101に順次所定のオフセットバイアス(たとえば、−10V、バイアス期間Tbias)を印加し、各ダブルゲート型フォトセンサ10に蓄積された電荷に対応する電圧変化をデータライン103を介して読み出す。
【0059】
ここで、本実施形態に係る駆動制御方法における電荷蓄積期間とオフセットバイアスとの関係について、図面を参照して説明する。
まず、ダブルゲート型フォトセンサにおけるゲート印加電圧とチャネル形成との関係について説明する。
図5は、ダブルゲート型フォトセンサにおけるゲート印加電圧とチャネル形成状態を示す概念図である。なお、ダブルゲート型フォトセンサの各構成のうち、従来技術(図14)に対応する構成については、同一の符号を付して説明する。
【0060】
図5(a)は、ダブルゲート型フォトセンサ10に光が照射されない状態にあって、かつ、トップゲート電極21にLレベル(−20V)が印加された状態を示している。この状態においては、半導体層11aに形成される空乏層30は、トップゲート電極側からボトムゲート電極側に向けて、半導体層11aのほぼ全域に広がり、ボトムゲート電極22側から見たMOSトランジスタ(以下、下部MOSトランジスタという)は、チャネルがピンチオフした状態を示す。
【0061】
上述したように、下部MOSトランジスタのチャネルをピンチオフした状態で、半導体層11aに光が入射すると、図5(b)に示すように、半導体層11aに電子−正孔対が発生してトップゲート電極21直下に電荷(正孔)が蓄積され、空乏層30の広がりがトップゲート電極21方向に後退する。しかしながら、入射する光が低照度の場合には、図4に示したタイミングチャートにおける予め設定された電荷蓄積期間Ta中に半導体層11aに蓄積される電荷量が少ないため、空乏層30の広がりをトップゲート電極21方向に十分後退させることができず、下部MOSトランジスタにおけるチャネルが形成されなくなり、読み出し動作時における下部MOSトランジスタによる出力が機能しないことになる。
そこで、本実施形態においては、図4のタイミングチャートに示したように、ボトムゲート電極22に印加する読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…の印加タイミングに同期させてトップゲート電極21にオフセットバイアス(−10V)を印加するようにしている。
【0062】
このようなオフセットバイアスを印加することにより、図5(c)に示すように、トップゲート電極21の電圧が負の高バイアスから負の低バイアスに変化することにより、半導体層11aにおける空乏層30の広がりが後退(減衰)して、光の照射による電荷の蓄積を待つことなく(電荷蓄積期間Taの経過を待つことなく)、下部MOSトランジスタのチャネルが形成される。このとき、チャネルを流れるドレイン電流Idは、入射光の光量に応じて変化するチャネル抵抗に依存して変化する傾向を示すため、データラインを介して出力されるドレイン電流を検出することにより、照射光量を算出することができる。
一方、ダブルゲート型フォトセンサに入射する光が高照度の場合、半導体層11aに蓄積される電荷量が多いうえ、オフセットバイアスの印加により、電荷蓄積期間Taの経過を待つことなく、空乏層30の広がりは速やかに後退して下部MOSトランジスタのチャネルが形成される。
【0063】
上述したような読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…φBnの印加タイミングに同期して、オフセットバイアスを印加する手法を用いることにより、ダブルゲート型フォトセンサの飽和露光量を小さくすることができるとともに、下部MOSトランジスタにおけるチャネルの形成を制御し、かつ、チャネルを流下するドレイン電流により照射光量を検出することができるため、電荷蓄積期間Taの短縮、又は、検出感度の向上を図ることができる。
したがって、本実施形態に係るフォトセンサの駆動制御方法によれば、上記(2)式におけるスキャン時間Tp1をさらに短縮して、高速スキャンを可能とし、また、低照度(暗い)の環境下にあっても良好に照射光量を検出して被写体像像を読み取ることができるフォトセンサシステムを提供することができる。
【0064】
なお、本実施形態においては、トップゲート電極21に印加するオフセットバイアスを−10Vに設定した場合について説明したが、通常の非リセット動作時のセンスゲートバイアス(−20V)と0Vの間の電圧値であれば、たとえば半導体層11aの特性や、周囲の明るさ、被写体の明暗等に応じて適宜設定するものであってもよい。
また、オフセットバイアスを入射光の照度に関わらず、均一に印加する手法を示したが、たとえば暗い被写体に対してのみ、オフセットバイアスを印加するように切り換え制御を行うものであってもよい。
さらに、オフセットバイアスを、読み出しパルスの立ち上がり、立ち下がりのタイミングに同期してトップゲート電極21に印加する場合について説明したが、読み出しパルスをボトムゲート電極22に印加している期間内であれば、読み出しパルスのパルス幅(読み出し期間)Treadより短く設定するものであってもよい。
【0065】
<第3の実施形態>
次に、本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法における第3の実施形態について、図面を参照して説明する。
図6は、本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法の第3の実施形態を示すタイミングチャートであり、図7は、本実施形態の変形例を示すタイミングチャートである。ここでは、図15に示したフォトセンサシステムを適宜参照しながら、駆動制御方法を説明する。
図6、図7に示すように、本実施形態に係る駆動制御方法は、まず、ダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート端子TGを行方向に接続するトップゲートライン101の各々に、順次リセットパルスφT1、φT2、…φTnを印加してリセット期間Tresetをスタートし、各行毎のダブルゲート型フォトセンサ10を初期化する。
【0066】
次いで、リセットパルスφT1、φT2、…φTnが立ち下がり、リセット期間Tresetが終了することにより、電荷蓄積期間Taがスタートして、各行毎にダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート電極側から入射される光量に応じてチャネル領域に電荷(正孔)が発生し、蓄積される。ここで、図6に示すように、電荷蓄積期間Ta内に並行して、あるいは、図7に示すように、電荷蓄積期間Taの終了後に、プリチャージ信号φpgを順次印加することにより、プリチャージ期間Tprchをスタートし、データライン103にプリチャージ電圧を印加してダブルゲート型フォトセンサ10のドレイン電極に所定の電圧を保持させるプリチャージ動作が行われる。
【0067】
次いで、電荷蓄積期間Ta及びプリチャージ期間Tprchが終了したダブルゲート型フォトセンサ10に対して、他の行におけるリセット動作、プリチャージ動作及び読み出し動作のための各信号の印加タイミングと時間的に重ならないタイミングで、各行毎にボトムゲートライン102に順次読み出しパルスφB1、φB2、…φBnを印加して、読み出し期間Treadをスタートし、ダブルゲート型フォトセンサ10に蓄積された電荷に対応する電圧変化VD1、VD2、VD3、…VDmを、コラムスイッチ113によりデータライン103を介して読み出す。
【0068】
ここで、照射光量の検出方法は、上述した従来技術と同様に、各データライン103の電圧VD1、VD2、VD3、…VDmの低下傾向を、読み出し期間Treadがスタートして、所定の時間経過後の電圧値を検出することにより、あるいは、所定のしきい値電圧を基準にして、その電圧値に至るまでの時間を検出することにより、照射光量を換算する。
【0069】
すなわち、本実施形態においては、上述した実施形態に示した処理手順と同様に、リセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTnを順次印加するリセット動作を先行して実行しつつ、ダブルゲート型フォトセンサ10のうち、電荷蓄積期間Taが経過し、かつ、プリチャージ動作が終了した最初の行のダブルゲート型フォトセンサ10から順に、ボトムゲートライン102を介して読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…φBnを並行して順次印加し、ドレイン電極の電圧変化を読み出す処理手順を実行するようにして、各行毎の処理サイクルの一部を時間的にオーバーラップさせるようにした駆動制御方法において、行毎のリセットパルスφT1、φT2、φT3、…φTn、読み出しパルスφB1、φB2、φB3、…φBn、及び、プリチャージパルスφpgの間隔を、リセットパルスによるリセット期間Tresetと、読み出しパルスによる読み出し期間Treadと、プリチャージパルスによるプリチャージ期間Tprchとの合計時間に設定するようにしたものである。
【0070】
ここで、本実施形態におけるリセットパルス、読み出しパルス、及びプリチャージパルスの間隔は、次の(5)式に示す第2のパルス間隔Tdelayとして表すことができる。
Tdelay=Treset+Tprch+Tread ……(5)
これにより、各行毎の処理サイクルの一部を時間的にオーバーラップさせることができるとともに、リセット動作、プリチャージ動作、読み出し動作が時間的に重なって実行されることがないので、全ての行におけるリセット動作が終了する前に読み出し動作を行うことができ、スキャン時間を大幅に短縮することができるとともに、2次元画面全体のスキャン動作を良好に行うことができる。以下、具体的に説明する。
【0071】
図8は、上述したフォトセンサの駆動制御方法における、各行毎の処理動作のタイミングを説明するタイミングチャートである。
上述した第1の実施形態(図2参照)においては、リセットパルス、読み出しパルス、及びプリチャージパルスの間隔を、読み出し期間Treadとプリチャージ期間Tprchとの和に相当する第1のパルス間隔Tintに設定することによって、行毎の読み出し期間Tread及びプリチャージ期間Tprchが時間的に重ならないようにしたものであるが、電荷蓄積期間Taを短縮して、全ての行におけるリセット動作が終了する前に読み取り動作を開始すると、行毎のリセット期間Tresetとプリチャージ期間Tprch、もしくは、読み出し期間Treadが時間的に重なってしまうことがあり、その場合には正確な読み取りができなくなる。そのため、上述した第1の実施形態においては、全行のリセット動作が終了した後に、各行のプリチャージ動作及び読み取り動作を開始するようにしなければならず、電荷蓄積期間Taを全行のリセット動作が終了する時間より短くすることができないという問題があった。
【0072】
これに対して、本実施形態においては、図8に示すように、リセットパルス、読み出しパルス、及びプリチャージパルスの間隔を、上記(5)式で表される第2のパルス間隔Tdelayに設定することにより、行毎のリセット動作相互間の期間にプリチャージ動作及び各行の読み取り動作を実行した場合でも、各動作が時間的に重なることが避けられる。すなわち、全行のリセット動作が終了する前に読み取り動作を開始することが可能となり、電荷蓄積期間Taを全行のリセット動作に要する時間よりも短くすることができる。したがって、電荷蓄積期間Taの設定可能幅を広くすることができ、感度設定の幅(感度の設定自由度)を広げることができる。
【0073】
なお、この場合における電荷蓄積期間Taは、任意の時間に設定することはできず、次の(6)式のように表されるので、電荷蓄積期間Taの設定間隔は、上記第2のパルス間隔Tdelayを基本単位とする時間に設定されることになる。ここで、kは0以上の整数である。
Ta=Tdelay×k+Tprch ……(6)
また、本実施形態におけるスキャン時間Tp2は、図8に示すように、1行目のリセット期間Tresetと電荷蓄積期間Taの後、読み出し期間Treadとプリチャージ期間Tprchが第2のパルス間隔Tdelayの時間間隔でn−1回繰り返された後に読み出し期間Treadが1回加わる時間となるため、次の(7)式のように表すことができる。
Figure 0003722352
【0074】
これを上述した第1の実施形態におけるスキャン時間Tp1と比べると、電荷蓄積期間Taが同じである場合は、行毎の動作間隔がリセット期間Treset分だけ長くなっているため、スキャン時間もその分だけ長くなる。しかし、本実施形態においては、電荷蓄積期間Taを第1の実施形態の場合よりも短くすることができるので、その場合には、本実施形態におけるスキャン時間Tp2は、第1の実施形態におけるスキャン時間Tp1よりも短くなる場合もある。いずれにしても、第1の実施形態の場合と同様に、スキャン時間を従来技術におけるスキャン時間に比較して、大幅に短くすることができる。
【0075】
<第4の実施形態>
次に、本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法の第4の実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態は、上述した第1乃至第3の実施形態に示したような、被写体画像の実際の読み取り動作(スキャン動作)に先立って、周囲環境の明るさや検出対象物(被写体)の種類等の種々の条件によって変化するフォトセンサの最適な感度設定値(電荷蓄積期間)を求めるための処理(以下、事前読み込み処理)において、上記(1)式、又は、(5)式の設定条件を適用して、事前読み込み処理の所要時間を大幅に短縮したことを特徴とする。
【0076】
図9は、本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法の第4の実施形態を示すタイミングチャートである。ここでは、図15に示したフォトセンサシステムを適宜参照しながら、駆動制御方法を説明する。
図9に示すように、本実施形態に係る事前読み込み処理の駆動制御方法は、まず、ダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート端子TGを行方向に接続するトップゲートライン101の各々に、リセットパルスφT1、φT2、…φTn-1、φTnを同時に印加してリセット期間Tresetを各行同時にスタートし、全ての行のダブルゲート型フォトセンサ10を同時に初期化する。
次いで、リセットパルスφT1、φT2、…φTn-1、φTnが同時に立ち下がり、リセット期間Tresetが終了することにより、全ての行におけるダブルゲート型フォトセンサ10の電荷蓄積期間Taが一斉にスタートして、各行毎のダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート電極側から入射される光量に応じてチャネル領域に電荷(正孔)が発生し、蓄積される。
【0077】
次いで、上記(5)式に示した第2のパルス間隔Tdelayを単位時間として、図9に示すように、電荷蓄積期間Taを各行毎に第2のパルス間隔Tdelayの時間間隔で変化させて、プリチャージ期間Tprch及び行毎の読み出し期間Treadが時間的に重ならないタイミングで、プリチャージパルスφpgの印加、及び、各行への読み出しパルスφB1、φB2、…φBn-1、φBnの印加を行う。
すなわち、第3の実施形態と同様に、プリチャージパルスφpgを電荷蓄積期間Ta内に並行して(あるいは、電荷蓄積期間Taの終了後に)、第2のパルス間隔Tdelay毎に順次印加することにより、プリチャージ期間Tprchをスタートし、データライン103にプリチャージ電圧を印加してダブルゲート型フォトセンサ10のドレイン電極に所定の電圧を保持させるプリチャージ動作が行われる。
【0078】
また、電荷蓄積期間Ta及びプリチャージ期間Tprchが終了したダブルゲート型フォトセンサ10に対して、各行毎にボトムゲートライン102に読み出しパルスφB1、φB2、…φBn-1、φBnを第2のパルス間隔Tdelayの時間間隔で順次印加することにより、読み出し期間Treadをスタートし、各ダブルゲート型フォトセンサ10に蓄積された電荷に対応する電圧変化VD1、VD2、VD3、…VDmが、データライン103を介してコラムスイッチ113に取り込まれて読み出される。
【0079】
なお、本実施形態においては、電荷蓄積期間Taの設定間隔を上記第2のパルス間隔Tdelayではなく、(1)式に示した読み出し期間Treadとプリチャージ期間Tprchとの合計時間よりなる第1のパルス間隔Tintとした場合であっても、プリチャージ期間Tprch及び読み出し期間Treadが時間的に重なることを避けることができる。しかし、本実施形態による検出結果より求められた最適電荷蓄積期間Taが正規の被写体画像の読み取り動作における電荷蓄積期間Taに適用され、その読み取り動作において上述した第3実施形態における駆動制御方法を適用した場合には、電荷蓄積期間Taの設定間隔は、第2のパルス間隔Tdelayを基準単位とした値となるため、本実施形態における行毎の電荷蓄積期間Taの設定間隔も第2のパルス間隔Tdelayとすることにより、本実施形態により求められた最適電荷蓄積期間の値を正規の読み取り動作における駆動制御方法に適用できる。このようなことから、本実施形態においては、電荷蓄積期間Taの設定間隔を、上記第2のパルス間隔Tdelayの時間間隔に設定している。後述する第5及び第6の実施形態においても同様である。
【0080】
したがって、従来技術に示した駆動制御方法においては、x段階(xは正の整数)の電荷蓄積期間の調整を可能とするためには、最適な感度を得るまでに、少なくとも、電荷蓄積期間をx回異なる数値に設定して、その都度一画面を読み取らなければならなかったのに対して、本実施形態においては、まず、全ての行のダブルゲート型フォトセンサ10に同時に、リセットパルスφT1、φT2、…φTnを印加して、リセット動作及び電荷蓄積動作を同時に開始するとともに、読み出し動作を各行について、第2のパルス間隔Tdelayの時間間隔だけ順次変化させて行うことにより、各行毎の電荷蓄積期間Taが第2のパルス間隔Tdelayの時間間隔で増加するので、一画面を一回読み込む事前読み込み処理により行数分の異なる検出感度で読み込んだ画像を取得することができる。すなわち、各行の電荷蓄積期間Taは、次の(8)式のように表される。
Ta=Tdelay×J+Tprch ……(8)
ここで、Jは0以上の整数よりなる変数であって、1行目からn行目ではJの値が0、1、……、n−2、n−1になる。
【0081】
すなわち、電荷蓄積期間Taは、一画面の事前読み込み処理によって、概略第2のパルス間隔Tdelayの整数倍の値でn種類の異なる値に設定されることになり、n種類の異なる感度による読み込み処理が実行されることになる。
そして、本実施形態における一画面の事前読み込みに要する時間Tp3は、フォトセンサアレイ100の行数をnとした場合、次の(9)式のように表される。
Figure 0003722352
よって、本実施形態による駆動制御方法によれば、一画面を一回読み込むだけで行数分の種類の感度に対する検出結果を得ることができるので、この検出結果に基づいて周囲環境の変化や検出対象物の変化に対応した最適な検出感度の値を求めることができ、この感度調整のために必要な時間を大幅に短縮することができる。
【0082】
なお、本実施形態に係る駆動制御方法においては、全ての行のダブルゲート型フォトセンサに、リセットパルスを同時に印加する必要があるため、トップゲートドライバ111がそれに見合った十分な駆動能力を備えている必要がある。
また、本実施形態においては、行毎の読み出しパルス、及びプリチャージパルスの印加間隔を第2のパルス間隔Tdelayの時間間隔に設定したが、この間隔を第2のパルス間隔Tdelay時間の整数倍としてもよく、また、行毎の印加間隔が一定でなく、第2のパルス間隔Tdelayの整数倍の時間間隔で行毎に異なるようにしてもよい。
【0083】
<第5の実施形態>
次に、本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法の第5の実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態は、事前読み込み処理において、上記(1)式、又は、(5)式の設定条件を適用して、事前読み込み処理の所要時間を短縮しつつ、電荷蓄積期間(すなわち、検出感度)の設定幅を拡大したことを特徴とする。
図10は、本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法の第5の実施形態を示すタイミングチャートであり、図11は、本実施形態における電荷蓄積期間の設定幅の変化を示す概念図である。ここでは、図15に示したフォトセンサシステムを適宜参照しながら、駆動制御方法を説明する。
【0084】
図10に示すように、本実施形態に係る駆動制御方法は、まず、ダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート端子TGを行方向に接続するトップゲートライン101の1行目から、上記(5)式に示した第2のパルス間隔Tdelayの時間間隔で、リセットパルスφT1、φT2、…φTn-1、φTnを順次印加してリセット期間Tresetをスタートし、各行毎のダブルゲート型フォトセンサ10を初期化する。
次いで、リセットパルスφT1、φT2、…φTn-1、φTnが立ち下がり、リセット期間Tresetが終了することにより、電荷蓄積期間Taがスタートして、各行毎にダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート電極側から入射される光量に応じてチャネル領域に電荷(正孔)が発生し、蓄積される。
【0085】
次いで、最後の行(n行)に対するリセットパルスφTnが立ち下がった後、上記(5)式に示した第2のパルス間隔Tdelayを単位時間として、電荷蓄積期間Taを各行毎に第2のパルス間隔Tdelayの時間間隔で変化させて、プリチャージ期間Tprch、及び、行毎の読み出し期間Treadが時間的に重ならないタイミングで、プリチャージパルスφpgの印加、及び、n行目から1行目にかけて各行に、読み出しパルスφBn、φBn−1、…φB2、φB1の印加を行う。
すなわち、プリチャージ信号φpgを電荷蓄積期間Ta内に並行して(あるいは、電荷蓄積期間Taの終了後に)、第2のパルス間隔Tdelay毎に順次印加することにより、プリチャージ期間Tprchをスタートし、データライン103にプリチャージ電圧を印加してダブルゲート型フォトセンサ10のドレイン電極に所定の電圧を保持させるプリチャージ動作が行われる。
【0086】
そして、電荷蓄積期間Ta及びプリチャージ期間Tprchが終了したダブルゲート型フォトセンサ10に対して、ボトムゲートライン102のn行目から1行目にかけて行毎に、読み出しパルスφBn、φBn−1、…φB2、φB1を第2のパルス間隔Tdelayの時間間隔で順次印加することにより、n行目から読み出し期間Treadをスタートし、各ダブルゲート型フォトセンサ10に蓄積された電荷に対応する電圧変化VD1、VD2、VD3、…VDmが、データライン103を介してコラムスイッチ113により取り込まれて読み出される。
【0087】
このように、本実施形態においては、まず、1行目からn行目の順番で、かつ、第2のパルス間隔Tdelayの時間間隔で、各行に順次リセットパルスφT1、φT2、…φTnを印加して、リセット動作及び電荷蓄積動作を順次開始するとともに、全ての行のリセット動作後、n行目から1行目の順番で、かつ、第2のパルス間隔Tdelayの時間間隔で、各行に順次読み出しパルスφBn、φBn−1、…φB2、φ1を印加して、読み出し動作を実行することにより、各行毎に電荷蓄積期間Taが第2のパルス間隔Tdelayの2倍の時間間隔で増加することになる。すなわち、各行の電荷蓄積期間Taは、次の(10)式のように表される。
Ta=2×Tdelay×L+Tprch ……(10)
【0088】
ここで、Lは0以上の整数よりなる変数であって、n行目から1行目ではLの値が0、1、……、n−2、n−1になる。すなわち、図11に示すように、一画面の読み込み処理によって、電荷蓄積期間Taは、概略第2のパルス間隔Tdelayの2倍の時間を整数倍した値でn種類の異なる値に設定されることになり、n種類の異なる感度による読み込み処理が実行されることになる。
そして、本実施形態における一画面の事前読み込みに要する時間Tp4は、次の(11)式のように表される。
Figure 0003722352
【0089】
なお、電荷蓄積期間Taを上述した第4の実施形態と同様に、n×Tdelay時間まで行う場合には、読み取り動作を一画面の半分(n/2行目)まで行えばよいので、読み込み所要時間は、次の(12)式に示すTp4′のように表される。
Figure 0003722352
【0090】
したがって、本実施形態に係る駆動制御方法によれば、電荷蓄積期間Taを第2のパルス間隔Tdelayの2倍の時間間隔で変化させているため、上述した第4の実施形態の場合のように、第2のパルス間隔Tdelayの時間間隔で細かく調整することはできないが、一画面の事前読み込み処理によって電荷蓄積期間を、最大、第4の実施形態の場合の2倍の値にまで設定することができ、たとえば、行数nが256のフォトセンサアレイ100を用いた場合においても、512段階まで感度調整を行うことができ、第4の実施形態の場合よりも広い範囲の感度設定値による画像を取得することができる。
【0091】
また、本実施形態に係る駆動制御方法においては、各行毎に第2のパルス間隔Tdelayの時間間隔で、順次リセットパルスを印加する手法を採用しているので、トップゲートドライバから供給するリセットパルスは1度に1つのフォトセンサにしか供給されない。そのため、第4の実施形態の場合のように、大きな駆動能力を備える必要がないという利点を有している。
よって、本実施形態に係る駆動制御方法によれば、駆動能力の小さいトップゲートドライバを用いても、一画面を一回読み込むだけで、上述した第4の実施形態の場合よりも広い感度範囲で、行数分の種類の感度に対する検出結果を得ることができ、感度調整のために必要な情報をより多く取得することができる。そのため、駆動回路を小さくすることができるとともに、より広い範囲の周囲環境の変化や検出対象物(被写体)の変化に対応した最適な検出感度の値を求めることができる。
【0092】
なお、本実施形態において、リセット動作においては1行目からn行目に方向に、また、読み出し動作においてはn行目から1行目方向に、それぞれ信号パルスの印加順序を変化させているため、たとえば、ボトムゲートドライバ112のシフトレジスタにシフト方向を切り換える機能を備えている必要がある。
また、本実施形態においては、行毎のリセットパルス、読み出しパルス、及び、プリチャージパルスの印加間隔を第2のパルス間隔Tdelayの時間間隔としたが、この間隔を第2のパルス間隔Tdelay時間の整数倍としてもよく、また、行毎の印加間隔が一定でなく、第2のパルス間隔Tdelay時間の整数倍の間隔で行毎に異なるようにしてもよい。
【0093】
<第6の実施形態>
次に、本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法の第6の実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態は、事前読み込み処理において、上記(1)式、又は、(5)式のの設定条件を適用して、事前読み込み処理の所要時間を短縮しつつ、電荷蓄積期間(検出感度)を細かく設定し、さらに、ドライバの駆動能力の増加を抑制したことを特徴とする。
図12は、本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法の第6の実施形態を示すタイミングチャートであり、図13は、本実施形態における電荷蓄積期間の設定幅の変化を示す概念図である。ここでは、図15に示したフォトセンサシステムを適宜参照しながら、駆動制御方法を説明する。
【0094】
図12に示すように、本実施形態に係る駆動制御方法は、まず、ダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート端子TGを行方向に接続するトップゲートライン101の各々に、1行目からn行目の順番、かつ、上記(5)式に示した第2のパルス間隔Tdelayの時間間隔で、リセットパルスφT1、φT2、…Tn/2、Tn/2+1、…φTn-1、φTnを順次印加してリセット期間Tresetをスタートし、各行毎のダブルゲート型フォトセンサ10を初期化するとともに、各リセット期間Tresetが終了することにより、電荷蓄積期間Taがスタートして、各行毎にダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート電極側から入射される光量に応じてチャネル領域に電荷(正孔)が発生し、蓄積される。
【0095】
ここで、このリセットパルスφT1、φT2、…φTnの印加と同時に、ボトムゲートライン102の各々に、n行目から1行目の順番、かつ、第2のパルス間隔Tdelayの時間間隔で、読み出しパルスφBn、φBn−1、…φBn/2+1、φBn/2、……φB2、φB1を各行に順次印加するとともに、n/2行目以降の読み出しパルスφBn/2、…φB2、φB1に対応して、プリチャージパルスφpgを第2のパルス間隔Tdelayの時間間隔で順次印加して、読み取り動作を実行する。
【0096】
そして、最下行(n行目)のリセットパルスφTnが立ち下がった後、第2のパルス間隔Tdelay時間経過後に、最下行(n行目)からn/2+1行目まで、第2のパルス間隔Tdelayの時間間隔で、再度、読み出しパルスに対応したプリチャージパルスφpgを第2のパルス間隔Tdelayの時間間隔で順次印加するとともに、読み出しパルスφBn、φBn-1、…φBn/2+1を順次印加して、読み取り動作を実行する。
【0097】
このようにして、各行毎に設定された電荷蓄積期間Taに蓄積された電荷に対応する電圧変化VD1、…VDmが、データライン103を介してコラムスイッチ113に取り込まれ読み出される。
そして、本実施形態における各行毎の電荷蓄積期間Taは、次のように表わせる。すなわち、1行目からn/2行目までは、次の(13)式のように表される。
Ta=2×Tdelay×K+Tprch ……(13)
【0098】
また、n/2+1行目からn行目までは、次の(14)式のように表される。
Ta=Tdelay×K+Tprch ……(14)
ここで、Kは0以上の整数よりなる変数であって、1行目からn/2行目ではKの値がn−2、n−4、……2、0となり、n/2+1行目からn行目ではn−1、n−3、……、3、1となる。すなわち、一画面の読み込み処理で、変数Kは、行毎の変化は1つ飛びで連続的ではないが、全体では0からn−1まで1段階づつn段階まで変化するように設定されることになる。したがって、図13に示すように、一画面の事前読み込み処理で、電荷蓄積期間Taは、概略第2のパルス間隔Tdelayを整数倍した値でn種類の異なる値に設定されることになり、n種類の異なる感度による読み込み処理が実行されることになる。
【0099】
そして、本実施形態における一画面の事前読み込みに要する時間Tp5は、次の(15)式のように表される。
Figure 0003722352
したがって、本実施形態に係る駆動制御方法によれば、一画面の事前読み込み処理によって電荷蓄積期間が、隣接する行間では、上述した第5の実施形態と同様に、第2のパルス間隔Tdelayの2倍の時間間隔で変化するが、一画面全体では、上述した第4の実施形態の場合と同じ範囲、かつ、同じ設定間隔の感度設定による画像を取得することができる。
【0100】
また、本実施形態に係る駆動制御方法においては、第5の実施形態と同様に、各行毎に第2のパルス間隔Tdelayの時間間隔で順次リセットパルスを印加する手法を採用しているので、第4の実施形態の場合のように、トップゲートドライバに大きな駆動能力を備える必要がない、という利点を有している。
よって、本実施形態に係る駆動制御方法によれば、駆動能力の小さいトップゲートドライバを用いても、一画面を一回読み込むだけで、上述した第4の実施形態の場合と同等の細かさ(間隔)で、行数分の種類の感度に対する検出結果を得ることができる。そのため、駆動回路を小さくすることができるとともに、周囲環境の変化や検出対象物の変化に対応したより適切な検出感度の値を求めることができる。
【0101】
なお、本実施形態において、リセット動作においては1行目からn行目方向に、また、読み取り動作においてはn行目から1行目方向に、それぞれ信号パルスの印加順序を変化させているため、ボトムゲートドライバ112のシフトレジスタにシフト方向を切り換える機能を備えている必要がある。
また、本実施形態においては、行毎の読み出しパルス、及び、プリチャージパルスの印加間隔を第2のパルス間隔Tdelayの時間間隔としたが、この間隔を第2のパルス間隔Tdelay時間の整数倍としてもよく、また、行毎の印加間隔が一定でなく、第2のパルス間隔Tdelay時間の整数倍の間隔で行毎に異なるようにしてもよい。
【0102】
以上、各実施形態において説明したように、本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法は、換言すれば、以下に示すような特徴及び作用効果を有している。
すなわち、本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法は、マトリクス状に配列された複数個のフォトセンサと、該フォトセンサの第1のゲート電極を行方向に接続した第1のゲートライン群と、前記フォトセンサの第2のゲート電極を行方向に接続した第2のゲートライン群と、前記フォトセンサのドレイン電極を列方向に接続したデータライン群と、を備えたフォトセンサの駆動制御方法において、該フォトセンサの駆動制御方法は、前記第1のゲートライン群の各々に順次リセットパルスを印加して、前記フォトセンサを前記行毎に初期化する第1のステップと、前記初期化終了後、前記フォトセンサに照射された光により発生する電荷を蓄積する電荷蓄積時間が経過し、かつ、前記ドレイン電極に所定のプリチャージ電圧を印加するプリチャージ動作が終了した前記各行のフォトセンサに対して、前記第2のゲートラインを介して順次読み出しパルスを印加して、前記電荷蓄積時間に蓄積された電荷による前記データラインの電圧変化を順次出力する第2のステップとを含み、前記第1のステップにおける前記リセットパルスの各行毎の印加タイミングは、前記第2のステップにおける前記電荷蓄積時間と前記読み出しパルスの合計時間より短く設定されていることを特徴とする。
【0103】
したがって、フォトセンサを2次元配列して構成されるフォトセンサシステムにおいて、連続してリセットパルスを印加して全てのフォトセンサのリセット動作を先行して行いつつ、電荷蓄積期間が経過し、かつ、プリチャージ動作が終了したフォトセンサの行から、順次読み出しパルスを印加して、ドレイン電極の電圧変化の読み出しを行うことにより、各行毎の処理サイクルを時間的にオーバーラップさせることができるので、2次元画面全体のスキャン時間を短縮することができる。
【0104】
また、走査線数が増えた場合であっても、一方でリセット動作、及び、電荷蓄積動作を行いながら、他方で、電荷蓄積期間が経過し、かつ、プリチャージ動作が終了した行のフォトセンサから順に読み出し動作を行うことができるので、画素の高密度化に対して有効な駆動制御方法を提供することができる。
また、上記効果は換言すれば、従来と同じスキャン時間を適用した場合、より長い電荷蓄積時間を設定することができることになるため、より低照度の光に対して高い感度で検出することができる。
【0105】
また、本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法は、上記フォトセンサの駆動制御方法において、前記第1のステップにおける前記リセットパルスの各行毎の印加タイミングは、前記プリチャージ時間と前記読み出しパルスのパルス幅の和に相当する時間間隔程度に設定されていることを特徴とする。
したがって、リセットパルスの間隔を、読み出し時間とプリチャージ時間との和に相当する時間に設定することにより、センサシステムを過負荷なく動作させつつ、処理時間を最適化することができるため、異なる走査線相互での読み出しデータのクロストークを防止することができる。
【0106】
また、本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法は、上記フォトセンサの駆動制御方法において、前記第2のステップにおける前記データラインの電圧変化は、前記読み出しパルスのパルス幅の時間経過後に、前記データラインに印加されている電圧であって、該電圧に基づいて前記照射された光量を検出することを特徴とする。
したがって、データラインの電圧変化の読み出し時間を一定に設定し、所定時間経過後の電圧値に基づいて照射光量の換算を行うことにより、リセット動作の間隔を一定に設定することができ、動作処理時間の均一化、最適化を図ることができる。
【0107】
また、本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法は、マトリクス状に配列された複数個のフォトセンサと、該フォトセンサの第1のゲート電極を行方向に接続した第1のゲートライン群と、前記フォトセンサの第2のゲート電極を行方向に接続した第2のゲートライン群と、前記フォトセンサのドレイン電極を列方向に接続したデータライン群と、を備えたフォトセンサの駆動制御方法において、該フォトセンサの駆動制御方法は、前記第1のゲートライン群の所定のラインにリセットパルスを印加して、前記フォトセンサを初期化する第1のステップと、前記初期化終了後、プリチャージパルスに基づいて、前記データライン群の所定のラインに所定のプリチャージ電圧を印加するプリチャージ動作が終了したフォトセンサに対して、前記第2のゲートラインを介して読み出しパルスを印加して、前記初期化終了から前記読み出しパルスの印加までの電荷蓄積期間に蓄積された電荷による前記データラインの電圧変化を順次出力する第2のステップと、を含み、前記第2のステップにおける前記プリチャージパルスと読み出しパルスの各行毎の印加タイミングは、前記第1のステップにおけるリセットパルスと、前記第2のステップにおける前記プリチャージパルス及び前記読み出しパルスとの合計時間に設定されていることを特徴としている。
【0108】
したがって、フォトセンサを2次元配列して構成されるフォトセンサシステムにおいて、リセットパルスとプリチャージパルスと読み出しパルスとの合計時間間隔で、連続的にリセット動作を実行しつつ、フォトセンサのうち、電荷蓄積期間が経過し、かつ、プリチャージ期間が終了した最初の行のフォトセンサから順に、他の行におけるリセット動作、プリチャージ動作、読み出し動作のタイミングと時間的に重ならないように、ボトムゲートラインを介して読み出しパルスを順次印加し、ドレイン電極の電圧変化を読み出す処理手順を実行する駆動制御方法を有しているので、各行毎の処理サイクルの一部を時間的にオーバーラップさせることができるとともに、他の行におけるリセット動作、プリチャージ動作、読み出し動作と時間的に重なって実行されることがなく、全ての行におけるリセット動作が終了する前に読み出し動作を行って、スキャン時間を大幅に短縮することができるとともに、2次元画面全体のスキャン動作を良好に行うことができる。
【0109】
また、本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法は、上記フォトセンサの駆動制御方法において、前記第1のステップにおいて、前記リセットパルスを前記第1のゲートライン群の各々に同時に印加し、前記第2のステップにおいて、前記データライン群の各々に順次、前記プリチャージ電圧を印加するとともに、前記第2のゲートライン群の各々に順次読み出しパルスを印加することを特徴としている。
【0110】
したがって、フォトセンサを2次元配列して構成されるフォトセンサシステムにおいて、まず、全ての行のフォトセンサに同時に、リセットパルスを印加して、一斉にリセット動作及び電荷蓄積動作を同時に開始し、リセットパルスとプリチャージパルスと読み出しパルスとの合計時間間隔で、かつ、他の行におけるプリチャージ動作及び読み出し動作のための信号の印加タイミングと時間的に重ならないタイミングで、ボトムゲートラインを介して読み出しパルスを順次印加し、ドレイン電極の電圧変化を読み出す処理手順を実行する駆動制御方法を有しているので、一画面のスキャン動作により、行数分の異なる検出感度の出力を得ることができ、事前読み込み時間を大幅に短縮することができる。
【0111】
また、本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法は、上記フォトセンサの駆動制御方法において、前記リセットパルスを前記第1のゲートライン群の各々に順次印加し、前記第2のステップにおいて、前記第1のゲートライン群への前記第1のステップにおける前記リセットパルスの印加終了後、前記データライン群の各々に順次、前記プリチャージ電圧を印加するとともに、前記第2のゲートライン群の各々に、前記第1のステップにおける前記第1のゲートライン群への前記リセットパルスの印加順序に対して逆の順序で、読み出しパルスを印加することを特徴としている。
【0112】
したがって、フォトセンサを2次元配列して構成されるフォトセンサシステムにおいて、まず、1行目からn行目の順番、かつ、リセットパルスとプリチャージパルスと読み出しパルスとの合計時間間隔で、各行に順次リセットパルスを印加して、リセット動作及び電荷蓄積動作を開始するとともに、全ての行のリセット動作後に、n行目から1行目の順番、かつ、上記合計時間間隔で、各行に順次読み出しパルスを印加して、読み出し動作を実行する駆動制御方法を有しているので、各行毎の電荷蓄積期間を上記合計時間の2倍の間隔で増加させて、一画面のスキャン動作により、各行に順次リセット動作を行いつつ、行数分以上の調整段階を有する検出感度の出力を得ることができる。
【0113】
また、本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法は、上記フォトセンサの駆動制御方法において、前記第1のステップにおいて、前記リセットパルスを前記第1のゲートライン群の各々に順次印加し、前記第2のステップにおいて、前記第1のステップと同期して、前記データライン群の各々に順次、前記プリチャージ電圧を印加するとともに、前記第2のゲートライン群の各々に、前記第1のステップにおける前記第1のゲートライン群への前記リセットパルスの印加順序に対して逆の順序で、読み出しパルスを印加するとともに、前記データライン群への所定のプリチャージ電圧の印加、及び、前記第2のゲートライン群への読み出しパルスの印加が終了し、前記第1のステップにおけるリセットパルスと、前記第2のステップにおける前記プリチャージパルス及び前記読み出しパルスとの合計時間経過後、前記データライン群の各々に順次、前記プリチャージ電圧を印加するとともに、前記第2のゲートライン群の各々に、前記読み出しパルスの印加順序と同じ順序で前記読み出しパルスを印加することを特徴としている。
【0114】
したがって、フォトセンサを2次元配列して構成されるフォトセンサシステムにおいて、まず、1行目からn行目の順番、かつ、リセットパルスとプリチャージパルスと読み出しパルスとの合計時間間隔で、各行に順次リセットパルスを印加してリセット動作及び電荷蓄積動作を開始すると同時に、n行目から1行目の順番、かつ、上記合計時間間隔で、各行に順次読み出しパルスを印加して、読み出し動作を実行し、全ての行のリセット動作後に、n行目からn/2行目の順番、かつ、上記合計時間間隔で、各行に順次読み出しパルスを再度印加して、読み出し動作を実行する駆動制御方法を有しているので、各行毎に電荷蓄積期間が上記合計時間の間隔で設定され、一画面のスキャン動作により、各行に順次リセット動作を行いつつ、行数分の異なる検出感度の出力を得ることができる。
【0115】
また、本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法は、上記フォトセンサの駆動制御方法において、前記第1のステップにおけるリセットパルスと、前記第2のステップにおける前記プリチャージパルスと、前記読み出しパルスは、相互に時間的に重ならないように設定されていることを特徴としている。
したがって、上記合計時間を構成するセットパルス、プリチャージパルス、読み出しパルスは、相互に時間的に重ならないように設定されているので、各行毎の処理サイクルの一部を時間的にオーバーラップさせて、全ての行におけるリセット動作が終了する前に読み出し動作を行って、スキャン時間を大幅に短縮することができるとともに、2次元画面全体のスキャン動作を良好に行うことができる。
【0116】
また、本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法は、上記フォトセンサの駆動制御方法において、前記第2のステップにおける前記電荷蓄積期間は、前記第1のステップにおけるリセットパルスと、前記第2のステップにおける前記プリチャージパルス及び前記読み出しパルスとの合計時間を基準時間として、該基準時間の整数倍に相当する時間に設定されていることを特徴としている。
したがって、電荷蓄積期間が、リセットパルスとプリチャージパルスと読み出しパルスとの合計時間を基準時間として、該基準時間の整数倍に相当する時間に設定されているので、該基準時間を単位として電荷蓄積時間を任意に設定することができる。
【0117】
また、本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法は、上記フォトセンサの駆動制御方法において、前記第2のステップにおける前記電荷蓄積期間は、前記第1のステップにおけるリセットパルスと、前記第2における前記プリチャージパルス及び前記読み出しパルスとの合計時間を基準時間として、前記各行毎に異なる長さの時間に設定されていることを特徴としている。
したがって、電荷蓄積期間が、リセットパルスとプリチャージパルスと読み出しパルスとの合計時間を基準時間として、各行毎に異なる長さの時間に設定されているので、一画面の事前読み込み処理で行数分の異なる検出感度で読み込んだ画像を得ることができ、事前読み込み時間を大幅に短縮することができる。
【0118】
さらに、本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法は、上記フォトセンサの駆動制御方法において、前記フォトセンサは、半導体層からなるチャネル領域を挟んで形成されたソース電極及びドレイン電極と、少なくとも前記チャネル領域の上方及び下方に各々絶縁膜を介して形成されたトップゲート電極及びボトムゲート電極と、を有し、前記トップゲート電極を前記第1のゲート電極とするとともに、前記ボトムゲート電極を前記第2のゲート電極とし、前記チャネル領域に前記照射された光の量に対応する電荷が発生、蓄積されることを特徴とする。
【0119】
したがって、上記フォトセンサシステムを、2次元配列したダブルゲート型フォトセンサにより構成しているので、2次元画面全体のスキャン時間、及び、事前読み込み処理の所要時間を大幅に短縮して、従来の構成において実用化の障害となっていた動作処理時間が長い、検出感度が低いという問題を解決することができ、種々の応用分野への適用を実現することができるとともに、外光照度や種々の周囲の条件に応じた適切な検出感度で被写体画像の読み取り動作を行うことができる。
【0120】
そして、本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法は、上記フォトセンサの駆動制御方法において、前記第2のステップにおける前記第2のゲートラインへの読み出しパルスの印加タイミングに同期して、前記第1のゲート電極に、所定のオフセットバイアスを印加することを特徴とする。
したがって、第2のゲート電極への読み出しパルスの印加タイミングに同期して、第1のゲート電極に所定のオフセットバイアスを印加することにより、上記ダブルゲート型フォトセンサの半導体層における空乏層の広がりを迅速に後退させて飽和露光量を小さくし、かつ、蓄積された電荷の読み出し動作を行うボトムゲート電極側にチャネルを形成することができるため、フォトセンサシステムの全体のスキャン時間を短縮して、高速スキャンを可能とするとともに、より低照度(暗い)の光に対しても良好に照射光量を検出することができ、検出感度の向上を図ることができる。
【0121】
【発明の効果】
本発明に係るフォトセンサシステム及びそのフォトセンサシステムにおけるフォトセンサの駆動制御方法によれば、マトリクス状に配列された複数のフォトセンサよりなるフォトセンサアレイの各行に、リセットパルスを順次印加してリセット動作を先行して実行しつつ、電荷蓄積期間が経過し、かつ、プリチャージパルスを印加してプリチャージ動作が終了した行に読み出しパルスを順次印加して、フォトセンサの出力電圧を読み出す処理手順を実行するようにして、各行毎の処理サイクルの一部を時間的にオーバーラップさせて、1画面の読み取り処理時間を短縮することができるようにしたフォトセンサシステムにおいて、行毎のリセットパルス、読み出しパルス、及びプリチャージパルスの間隔を、リセットパルスによるリセット期間と読み出しパルスによる読み出し期間とプリチャージパルスによるプリチャージ期間との合計時間に設定するようにしたことによって、各行毎のリセット期間、プリチャージ期間及び読み出し期間が時間的に重なることがなくなるので、行毎の出力電圧が相互に影響することがなく、正確な読み取り動作を行うことができるとともに、全ての行におけるリセット動作が終了する前にプリチャージパルス及び読み出しパルスを印加して読み取り動作を開始することができるので、電荷蓄積期間、すなわちフォトセンサの感度の設定を広い範囲で行うことができる。
【0122】
また、本発明に係るフォトセンサシステム及びそのフォトセンサシステムにおけるフォトセンサの駆動制御方法によれば、上記駆動制御方法と同様に、各行毎の処理サイクルの一部を時間的にオーバーラップさせるようにしたフォトセンサシステムにおいて、各行にリセットパルスを同時、もしくは、順次印加してリセットした後、各行毎の電荷蓄積期間をリセット期間と読み出し期間とプリチャージ期間との合計時間の整数倍の時間とプリチャージ期間との合計時間の間隔で異なるように設定し、プリチャージ期間及び行毎の読み出し期間が時間的に重ならないタイミングで、プリチャージパルス及び読み出しパルスを各行に順次印加して行毎に読み取り処理を行うようにしたことによって、各行毎の電荷蓄積期間が上記合計時間の整数倍の間隔で行数分の異なる値となり、一画面の読み込み処理により行数分の異なる検出感度で読み込んだ画像を取得することができる。この一画面の読み込み処理(事前読み込み処理)による画像データを用いて、最も良好に検出できる最適検出感度の値を抽出することができるので、最適検出感度の設定のために必要な画像読み込み処理時間を大幅に短縮して、フォトセンサシステムの使用状態に適した検出感度による被写体画像の読み取り動作を迅速に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフォトセンサシステムの一実施形態を示すブロック図である。
【図2】本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法の第1の実施形態を示すタイミングチャートである。
【図3】上述したフォトセンサの駆動制御方法における、各行毎の処理動作のタイミングを説明するタイミングチャートである。
【図4】本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法の第2の実施形態を示すタイミングチャートである。
【図5】ダブルゲート型フォトセンサにおけるゲート印加電圧とチャネル形成状態を示す概念図である。
【図6】本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法の第3の実施形態を示すタイミングチャートである。
【図7】第3の実施形態の変形例を示すタイミングチャートである。
【図8】第3の実施形態に係るフォトセンサの駆動制御方法における、各行毎の処理動作のタイミングを説明するタイミングチャートである。
【図9】本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法の第4の実施形態を示すタイミングチャートである。
【図10】本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法の第5の実施形態を示すタイミングチャートである。
【図11】第5の実施形態における電荷蓄積期間の設定幅の変化を示す概念図である。
【図12】本発明に係るフォトセンサの駆動制御方法の第6の実施形態を示すタイミングチャートである。
【図13】第6の実施形態における電荷蓄積期間の設定幅の変化を示す概念図である。
【図14】従来技術におけるダブルゲート型フォトセンサの構造を示す断面図である。
【図15】従来技術におけるダブルゲート型フォトセンサを2次元配列して構成されるフォトセンサシステムの概略構成図である。
【図16】フォトセンサの駆動制御方法を示すタイミングチャートである。
【図17】ダブルゲート型フォトセンサの動作概念図である。
【図18】フォトセンサシステムの出力電圧の光応答特性を示す図である。
【符号の説明】
10 ダブルゲート型フォトセンサ
100 フォトセンサアレイ
111 トップゲートドライバ
112 ボトムゲートドライバ
113 コラムスイッチ
114 プリチャージスイッチ
115 アンプ
116 A/Dコンバータ
120 コントローラ
130 RAM
200 外部機能部

Claims (14)

  1. マトリクス状に配列された複数のフォトセンサよりなるフォトセンサアレイを備えたフォトセンサシステムにおいて、
    前記フォトセンサアレイの所定の行にリセットパルスを印加して、当該行の複数のフォトセンサを初期化する初期化手段と、
    前記複数のフォトセンサに所定のプリチャージパルスを印加するプリチャージ手段と、
    前記初期化終了後、照射された光により発生する電荷を蓄積する電荷蓄積期間が経過し、かつ、前記プリチャージパルスを印加するプリチャージ動作が終了した前記所定の行の複数のフォトセンサに対して読み出しパルスを印加する読み出し手段と、
    前記読み出し手段に基づいて、前記電荷蓄積期間に蓄積された電荷による電圧を出力電圧として出力する出力手段と、
    少なくとも、前記プリチャージ手段によるプリチャージパルスの印加タイミングと、前記読み出し手段による各行毎の前記読み出しパルス及び前記初期化手段における前記リセットパルスの印加タイミングを、相互に時間的に重ならないように設定するとともに、各行毎の前記電荷蓄積期間が前記各行毎の前記読み出しパルスの印加間隔と前記プリチャージパルスのパルス幅の合計時間に等しいか、前記読み出しパルスの印加間隔の整数倍の時間と前記プリチャージパルスのパルス幅の合計時間を有するように設定されて、少なくとも2つの異なる行間において、時間的に重なる期間を有するように設定するタイミング制御手段と、
    を備えていることを特徴とするフォトセンサシステム。
  2. 前記フォトセンサは、半導体層からなるチャネル領域を挟んで形成されたソース電極及びドレイン電極と、少なくとも前記チャネル領域の上方及び下方に各々絶縁膜を介して形成された第1の電極及び第2の電極とを有し、前記チャネル領域に前記照射された光の量に対応する電荷が発生、蓄積されることを特徴とする請求項1記載のフォトセンサシステム。
  3. 前記初期化手段は、前記フォトセンサにおける前記第1の電極に前記リセットパルスを印加して前記フォトセンサを初期化し、
    前記プリチャージ手段は、前記フォトセンサにおける前記ドレイン電極に前記プリチャージパルスを印加し、
    前記読み出し手段は、プリチャージパルスによるプリチャージ動作が終了した前記フォトセンサの前記第2の電極に前記読み出しパルスを印加し、
    前記出力手段は、前記ドレイン電極の電圧を出力電圧として出力することを特徴とする請求項2記載のフォトセンサシステム。
  4. 前記フォトセンサシステムは、前記第2の電極への前記読み出しパルスの印加タイミングに同期して、前記第1のゲート電極に、所定のオフセットバイアスを印加するオフセットバイアス印加手段を備えていることを特徴とする請求項2記載のフォトセンサシステム。
  5. マトリクス状に配列された複数のフォトセンサよりなるフォトセンサアレイを備えたフォトセンサシステムにおけるフォトセンサの駆動制御方法は、
    前記フォトセンサアレイの所定の行にリセットパルスを印加して、その行の複数のフォトセンサを初期化する第1のステップと、
    前記初期化終了後、前記所定の行の複数のフォトセンサにおいて、照射された光により発生する電荷を蓄積する電荷蓄積期間が経過し、かつ、前記複数のフォトセンサに所定のプリチャージパルスを印加するプリチャージ動作が終了した前記所定の行の複数のフォトセンサに対して読み出しパルスを印加して、前記電荷蓄積期間に蓄積された電荷による電圧を出力電圧として出力する第2のステップと、を含み、
    前記第2のステップにおけるプリチャージパルス及び各行毎の前記読み出しパルスと前記リセットパルスの印加タイミングは、相互に時間的に重ならないように設定されるとともに、各行毎の前記電荷蓄積期間は前記各行毎の前記読み出しパルスの印加間隔と前記プリチャージパルスのパルス幅の合計時間に等しいか、前記読み出しパルスの印加間隔の整 数倍の時間と前記プリチャージパルスのパルス幅の合計時間を有するように設定されて、少なくとも2つの異なる行間において、時間的に重なる期間を有していることを特徴とするフォトセンサの駆動制御方法。
  6. 前記第1のステップにおいては、前記フォトセンサアレイの各行に前記リセットパルスを順次印加して各行毎の前記複数のフォトセンサを順次初期化し、
    前記第2のステップにおいては、前記初期化が終了して所定の電荷蓄積時間が経過し、かつ、前記プリチャージパルスによるプリチャージ動作が終了した前記各行の複数のフォトセンサに対して読み出しパルスを順次印加し、前記電荷蓄積期間に蓄積された電荷による電圧を出力電圧として順次出力することを特徴とする請求項5記載のフォトセンサの駆動制御方法。
  7. 前記第2のステップにおける前記プリチャージパルス及び各行毎の前記読み出しパルスの印加間隔は、前記プリチャージパルスのパルス幅と前記読み出しパルスのパルス幅の合計時間に等しいか、又は、その整数倍の時間に設定されていることを特徴とする請求項6記載のフォトセンサの駆動制御方法。
  8. 前記第1のステップにおける各行毎の前記リセットパルスの印加間隔、及び、前記第2のステップにおける前記プリチャージパルス及び各行毎の前記読み出しパルスの印加間隔は、前記プリチャージパルスのパルス幅と前記読み出しパルスのパルス幅の合計時間に等しいか、又は、その整数倍の時間に設定されていることを特徴とする請求項6記載のフォトセンサの駆動制御方法。
  9. 前記第1のステップにおける各行毎の前記リセットパルスの印加間隔、及び、前記第2のステップにおける各行毎の前記プリチャージパルス及び前記読み出しパルスの印加間隔は、前記第1のステップにおける前記リセットパルスのパルス幅と前記第2のステップにおける前記プリチャージパルスのパルス幅と前記読み出しパルスのパルス幅の合計時間に等しいか、又は、その整数倍の時間に設定されていることを特徴とする請求項6記載のフォトセンサの駆動制御方法。
  10. 前記第2のステップにおける各行毎の前記プリチャージパルス及び前記読み出しパルスの印加間隔は、前記第1のステップにおける前記リセットパルスのパルス幅と前記第2のステップにおける前記プリチャージパルスのパルス幅と前記読み出しパルスのパルス幅との合計時間に等しいか、その整数倍の時間に設定されていることを特徴とする請求項5記載のフォトセンサの駆動制御方法。
  11. 前記第2のステップにおける各行毎の前記電荷蓄積期間は、各行毎に異なる時間に設定されていることを特徴とする請求項10記載のフォトセンサの駆動制御方法。
  12. 前記第1のステップにおいて、前記リセットパルスを前記フォトセンサアレイの各行に同時に印加し、前記第2のステップにおいて、前記合計時間に等しいか、その整数倍の時間間隔で、前記プリチャージパルスを印加するとともに、各行に前記読み出しパルスを印加することを特徴とする請求項10記載のフォトセンサの駆動制御方法。
  13. 前記第1のステップにおいて、前記リセットパルスを前記フォトセンサアレイの各行に前記合計時間に等しいか、その整数倍の時間間隔で順次印加し、全行への前記リセットパルスの印加が終了した後、前記第2のステップにおいて、前記プリチャージパルスを印加するとともに、前記第1のステップにおける前記フォトセンサアレイの各行に対する前記リセットパルスの印加順序に対して逆の順序で、各行に読み出しパルスを印加することを特徴とする請求項10記載のフォトセンサの駆動制御方法。
  14. 前記第1のステップにおいて、前記リセットパルスを前記フォトセンサアレイの各行に前記合計時間に等しいか、その整数倍の時間間隔で順次印加し、
    前記第2のステップにおいて、前記第1のステップと同期して、前記プリチャージパルスを印加するとともに、前記第1のステップにおける前記フォトセンサアレイの各行に対する前記リセットパルスの印加順序に対して逆の順序で、各行に読み出しパルスを順次印加し、
    前記プリチャージ電圧の印加、及び、前記読み出しパルスの印加が終了し、前記合計時間経過後、前記プリチャージパルスを印加するとともに、前記読み出しパルスの各行への印加順序と同じ順序で、再度、各行に読み出しパルスを前記合計時間に等しいか、その整数倍の時間間隔で印加することを特徴とする請求項10記載のフォトセンサの駆動制御方法。
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