JP2003271939A - 画像読取装置 - Google Patents

画像読取装置

Info

Publication number
JP2003271939A
JP2003271939A JP2002075937A JP2002075937A JP2003271939A JP 2003271939 A JP2003271939 A JP 2003271939A JP 2002075937 A JP2002075937 A JP 2002075937A JP 2002075937 A JP2002075937 A JP 2002075937A JP 2003271939 A JP2003271939 A JP 2003271939A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sensor array
image reading
subject
drive control
detection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002075937A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4180290B2 (ja
Inventor
Yasushi Mizutani
康司 水谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Casio Computer Co Ltd filed Critical Casio Computer Co Ltd
Priority to JP2002075937A priority Critical patent/JP4180290B2/ja
Priority to TW092105852A priority patent/TWI243339B/zh
Priority to AU2003230234A priority patent/AU2003230234A1/en
Priority to DE60313590T priority patent/DE60313590T2/de
Priority to KR1020047014593A priority patent/KR100706280B1/ko
Priority to CNB038063638A priority patent/CN100383802C/zh
Priority to PCT/JP2003/003355 priority patent/WO2003079275A2/en
Priority to EP03723092A priority patent/EP1485864B1/en
Priority to AT03723092T priority patent/ATE361502T1/de
Priority to US10/508,368 priority patent/US7612354B2/en
Priority to CA002479844A priority patent/CA2479844C/en
Publication of JP2003271939A publication Critical patent/JP2003271939A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4180290B2 publication Critical patent/JP4180290B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
  • Image Input (AREA)
  • Transforming Light Signals Into Electric Signals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被写体が検知面に載置されたことを良好に検
出して、該被写体の画像パターンの読取動作を誤動作な
く確実に開始することができるとともに、被写体に帯電
した静電気を十分に除去して素子や周辺回路の破壊等を
防止することができる画像読取装置を提供する。 【解決手段】 画像読取装置は、フォトセンサアレイ1
00上方の略全域に形成された透明電極層30と、該透
明電極層30における容量変化を検出する検出回路40
と、該検出回路40からの切換制御信号Sswに基づいて
フォトセンサアレイ100と各ドライバ群110、12
0、130及び接地電位との接続状態を切り換え制御す
るスイッチ群SWt、SWb、SWd、SWgと、を備
え、指FGが非接触状態においては、スイッチ群SW
t、SWb、SWd、SWgをOFF状態にしてフォト
センサアレイ100を電気的に切り離した状態に設定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像読取装置に関
し、特に、複数のセンサがマトリクス状又はライン状に
配列されたセンサアレイ上に被写体を載置、接触させ
て、該センサアレイを走査駆動することにより、被写体
の画像パターン(2次元画像)を読み取る画像読取装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、印刷物や写真、あるいは、指紋等
の微細な凹凸形状等の2次元の画像パターンを読み取る
技術として、例えば、光電変換素子(センサ)等をマト
リクス状又はライン状に配列して構成されるセンサアレ
イを走査駆動することにより、該センサアレイ上に設け
られた検知面に載置、接触された被写体の画像パターン
を読み取る画像読取装置が知られている。このような画
像読取装置は、近年の個人情報や企業情報等の管理や保
護、あるいは、防犯等のセキュリティに対する社会的な
要求に伴って、指紋等の生体固有の情報を照合すること
により個人を識別する、いわゆるバイオメトリック認証
技術の分野への応用が盛んに研究、開発されている。
【0003】ここで、画像読取装置を指紋読取装置等に
適用した場合、被写体(例えば、指等の人体の一部)が
所定の検知面に載置、接触された状態を検出して、画像
読取動作を開始(起動)することにより、画像読取装置
のセンサアレイを構成するセンサの素子特性の劣化(例
えば、センサを常時駆動させた場合における外光の入射
に伴う読取特性の劣化等)を抑制しつつ、適切な画像読
取動作を実現する機能(以下、「被写体検出機能」とい
う)を備えたものが知られている。この被写体検出機能
を実現する技術としては、一般に、容量検出方式や抵抗
検出方式が知られている。
【0004】容量検出方式による被写体検出機能を備え
た画像読取装置(指紋読取装置)としては、例えば、図
11に示すように、複数のセンサ10pがマトリクス状
に配列されたセンサアレイ100pと、センサアレイ1
00p上に保護絶縁膜(図示を省略)を介して、該セン
サアレイ100pの略全域を覆うように形成された電極
層30pと、電極層30pに引き出し配線PLpを介し
て接続され、電極層30pに被写体(指)FGが載置、
接触されることによる特有の容量変化を検出して、画像
読取装置における画像読取動作を開始するための制御信
号SGpを出力する検出回路40pと、引き出し配線P
Lpと接地電位との間に接続された逆並列ダイオード回
路50pと、センサアレイ100pの背面側に配置され
た面光源(図示を省略)と、を有して構成されている。
【0005】このような画像読取装置においては、図1
2(a)に示すように、センサアレイ100pと電極層
30pとの間に保護絶縁膜20pが誘電体として介在
し、また、センサアレイ100p(センサ10p)が常
時接地された回路構成を有しているため、電極層30p
上面の検知面に指FG等の被写体が載置、接触されてい
ない状態(非接触状態)であっても、本来的に容量C1
を有している。ここで、図12(b)に示すように、指
FGを電極層30pに載置、接触させると(接触状
態)、センサアレイ100p自体が本来有する上記容量
C1に対して、誘電体としての指(人体)FGの接触に
起因して容量C2が付加されて変化(C1→C1+C
2)を生じるため、この容量変化を検出回路40pによ
り検出することにより、センサアレイ100p上に指が
載置されたことを判断して、指紋の読取動作が開始され
る。なお、このような被写体の接触状態を容量変化によ
り検出する技術は、例えば、特許第2937046号公
報等にも記載されている。
【0006】ここで、上述した画像読取装置において
は、引き出し配線PLpから分岐して逆並列ダイオード
回路50pが設けられていることにより、指(人体)F
Gに帯電していた電荷(静電気)に起因する過大電圧
を、電極層30pから引き出し配線PLp及び逆並列ダ
イオード回路50pを介して、接地電位に放電して除去
する機能(以下、「静電気除去機能」という)を有して
いるので、センサ10pの素子破壊や、検出回路40p
における静電破壊等を防止又は抑制することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の画像読取装置においては、次に示すよう
な問題を有していた。すなわち、上述したような容量検
知方式の画像読取装置においては、指FG等の被写体が
電極層30pに接触していない状態で検出回路40pに
より検出される容量C1は、一般に、概ね6000pF
程度と比較的高い数値であるのに対して、指FGの接触
に起因して付加される容量C2は、概ね100pF程度
と極めて低く、接触状態において検出される容量変化が
微小であるため、検知回路40pにおける容量変化の検
出感度を十分高いものにしなければならず、製品コスト
の上昇等を招くという問題を有していた。
【0008】また、上述したような画像読取装置におい
ては、静電気に帯電した指FG等が電極層30pに載
置、接触された場合、該静電気による電流が上記引き出
し配線PLp及び逆並列ダイオード50pを介して、接
地電位に放電されるが、センサアレイ100pを構成す
る各センサ10pが常時接地された回路構成を有してい
るため、静電気の一部が各センサ10pを介して接地電
位に放電されて、該センサ10pの素子破壊を生じた
り、各センサ10pに接続された駆動制御回路(ドライ
バ)等の周辺回路における静電破壊や誤動作を生じると
いう問題を有していた。
【0009】そこで、本発明は、上述した問題点に鑑
み、被写体が検知面に載置されたことを良好に検出し
て、該被写体の画像パターンの読取動作を誤動作なく確
実に開始することができるとともに、被写体に帯電した
静電気を十分に除去して素子や周辺回路の破壊等を防止
することができる画像読取装置を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
画像読取装置は、複数のセンサを配列したセンサアレイ
を備え、該センサアレイ上の検知面に載置された被写体
の画像パターンを読み取る画像読取装置において、前記
センサアレイに所定の駆動制御信号を供給する駆動制御
手段と、前記センサアレイに所定の駆動電圧を供給する
電源手段と、前記センサアレイと前記駆動制御手段及び
前記電源手段との間に設けられたスイッチ手段と、前記
検知面への前記被写体の載置状態を検出する被写体検出
手段と、を備え、前記スイッチ手段は、前記被写体検出
手段からの制御信号に応じて、前記センサアレイと前記
駆動制御手段及び前記電源手段との接続状態を切り換え
制御することを特徴としている。
【0011】請求項2記載の画像読取装置は、請求項1
記載の画像読取装置において、前記被写体検出手段は、
少なくとも、前記検知面に設けられた電極層と、前記電
極層の容量変化を検出し、該容量変化に応じた前記制御
信号を前記スイッチ手段に出力する容量変化検出回路
と、を備えていることを特徴としている。請求項3記載
の画像読取装置は、請求項2記載の画像読取装置におい
て、前記被写体検出手段は、前記電極層の容量の増加を
検出した場合に、前記センサアレイと前記駆動制御手段
及び前記電源手段とを接続するための前記制御信号を前
記スイッチ手段に出力することを特徴としている。請求
項4記載の画像読取装置は、請求項1乃至3のいずれか
に記載の画像読取装置において、前記センサアレイ、前
記駆動制御手段及び前記電源手段は、各々ユニット化さ
れた構成を有し、前記スイッチ手段は、前記センサアレ
イと前記駆動制御手段及び前記電源手段との接続端子間
に介在させるように設けられていることを特徴としてい
る。
【0012】請求項5記載の画像読取装置は、請求項1
乃至4のいずれかに記載の画像読取装置において、前記
センサは、半導体層からなるチャネル領域を挟んで形成
されたソース電極及びドレイン電極と、少なくとも前記
チャネル領域の上方及び下方に各々絶縁膜を介して形成
された第1のゲート電極及び第2のゲート電極と、を備
え、前記第1のゲート電極又は前記第2のゲート電極の
いずれか一方を前記検知面側として、前記駆動制御手段
から前記第1のゲート電極及び前記第2のゲート電極に
前記駆動制御信号を供給することにより設定される所定
の電荷蓄積期間に、前記検知面側から照射された光の量
に対応する電荷が前記チャネル領域に発生して蓄積され
る構成を有し、該蓄積された電荷の量に基づいて出力さ
れる電圧により前記検知面に載置された前記被写体の画
像パターンを読み取ることを特徴としている。
【0013】すなわち、複数のセンサ(ダブルゲート型
フォトセンサ)がマトリクス状又はライン状に配列され
たセンサアレイの上方に設けられた検知面に載置、接触
された被写体の画像パターンを読み取る画像読取装置に
おいて、少なくとも、センサアレイの上方の略全域に形
成され、上記検知面を構成する電極層(透明電極層)
と、該電極層における容量変化を観測して、検知面への
被写体の載置状態を検出する検出回路(被写体検出手
段)と、センサアレイと各ドライバ群(駆動制御手段)
及び接地電位(電源手段)との間に設けられ、上記検出
回路からの切換制御信号(制御信号)に基づいてON/
OFF動作し、センサアレイと各ドライバ群及び接地電
位との接続状態を切り換え制御するスイッチ群(スイッ
チ手段)と、を備え、被写体が検知面に接触していない
非接触状態においては、スイッチ群をOFF状態にして
センサアレイが電気的に切り離された状態に設定し、被
写体が検知面に接触した接触状態においては、スイッチ
群をON状態にしてセンサアレイと各ドライバ群及び接
地電位を接続して、画像読取動作が可能な状態に移行す
るように制御される。
【0014】これにより、非接触状態においてセンサア
レイに本来的に生じる容量をほとんど0にすることがで
きるので、検知面への被写体の接触に伴う僅かな容量の
変化であっても、比較的検出感度の低い検出回路により
良好に検出される。また、検知面への被写体の接触に際
して、被写体に静電気が帯電している場合であっても、
被写体の接触直後においては、センサアレイが電気的に
切り離された状態にあるので、静電気に伴う電流がセン
サに流下することなく、所定の放電機構(逆並列ダイオ
ード回路)を介して接地電位に放電される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る画像読取装
置の実施の形態について、詳しく説明する。まず、本発
明に係る画像読取装置に適用して良好なセンサの構成に
ついて説明する。本発明に係る画像読取装置に適用され
るセンサとしては、CCD(Charge Coupled Device)
等の固体撮像デバイスを用いることができる。
【0016】CCDは、周知の通り、フォトダイオード
や薄膜トランジスタ(TFT:ThinFilm Transistor)
等のフォトセンサをマトリクス状に配列した構成を有
し、各フォトセンサの受光部に照射された光量に対応し
て発生する電子−正孔対の量(電荷量)を、水平走査回
路及び垂直走査回路により検出し、照射光の輝度を検知
するものである。ところで、このようなCCDを用いた
フォトセンサシステムにおいては、走査された各フォト
センサを選択状態にするための選択トランジスタを個別
に設ける必要があるため、検出画素数が増大するにした
がってシステム自体が大型化するという問題を有してい
る。
【0017】そこで、近年、このような問題を解決する
ための構成として、フォトセンサ自体にフォトセンス機
能と選択トランジスタ機能とを持たせた、いわゆる、ダ
ブルゲート構造を有する薄膜トランジスタ(以下、「ダ
ブルゲート型トランジスタ」という)が開発され、シス
テムの小型化、及び、画素の高密度化(読取画像の高精
細化)を図る試みがなされている。そのため、本発明に
おける画像読取装置においても、このダブルゲート型ト
ランジスタを良好に適用することができる。
【0018】ここで、本発明に係る画像読取装置に適用
可能なダブルゲート型トランジスタによるフォトセンサ
(以下、「ダブルゲート型フォトセンサ」と記す)につ
いて、図面を参照して説明する。 <ダブルゲート型フォトセンサ>図1は、ダブルゲート
型フォトセンサの概略構成を示す断面構造図である。
【0019】図1(a)に示すように、ダブルゲート型
フォトセンサ10は、励起光(ここでは、可視光)が入
射されると電子−正孔対が生成されるアモルファスシリ
コン等の半導体層(チャネル層)11と、半導体層11
の両端にそれぞれ設けられたnシリコンからなる不純
物層17、18と、不純物層17、18上に形成された
クロム、クロム合金、アルミニウム、アルミニウム合金
等から選択され、可視光に対して不透明のドレイン電極
12及びソース電極13と、半導体層11の上方(図面
上方)にブロック絶縁膜14及び上部(トップ)ゲート
絶縁膜15を介して形成された酸化スズ(SnO2)膜
やITO(Indium-Tin-Oxide:インジウム−スズ酸化
物)膜等の透明電極層からなり、可視光に対して透過性
を示すトップゲート電極(第1のゲート電極)21と、
半導体層11の下方(図面下方)に下部(ボトム)ゲー
ト絶縁膜16を介して形成されたクロム、クロム合金、
アルミニウム、アルミニウム合金等から選択され、可視
光に対して不透明なボトムゲート電極(第2のゲート電
極)22と、を有して構成されている。そして、このよ
うな構成を有するダブルゲート型フォトセンサ10は、
ガラス基板等の透明な絶縁性基板19上に形成されてい
る。
【0020】ここで、図1(a)において、トップゲー
ト絶縁膜15、ブロック絶縁膜14、ボトムゲート絶縁
膜16、トップゲート電極21上に設けられる保護絶縁
膜20及び最上層の透明電極層30は、いずれも半導体
層11を励起する可視光に対して高い透過率を有する材
質、例えば、窒化シリコンや酸化シリコン、ITO等に
より構成されることにより、図面上方から入射する光の
みを検知する構造を有している。
【0021】なお、このようなダブルゲート型フォトセ
ンサ10は、一般に、図1(b)に示すような等価回路
により表される。ここで、TGはトップゲート電極21
と電気的に接続されたトップゲート端子、BGはボトム
ゲート電極22と電気的に接続されたボトムゲート端
子、Sはソース電極13と電気的に接続されたソース端
子、Dはドレイン電極12と電気的に接続されたドレイ
ン端子である。
【0022】次いで、上述したダブルゲート型フォトセ
ンサの駆動制御方法について、図面を参照して説明す
る。図2は、ダブルゲート型フォトセンサの基本的な駆
動制御方法の一例を示すタイミングチャートであり、図
3は、ダブルゲート型フォトセンサの動作概念図であ
り、図4は、ダブルゲート型フォトセンサの出力電圧の
光応答特性を示す図である。ここでは、上述したダブル
ゲート型フォトセンサの構成(図1)を適宜参照しなが
ら説明する。
【0023】まず、リセット動作(初期化動作)におい
ては、図2、図3(a)に示すように、ダブルゲート型
フォトセンサ10のトップゲート端子TGにパルス電圧
(以下、「リセットパルス」と記す;例えば、Vtg=+
15Vのハイレベル)φTiを印加して、半導体層1
1、及び、ブロック絶縁膜14における半導体層11と
の界面近傍に蓄積されているキャリヤ(ここでは、正
孔)を放出する(リセット期間Trst)。
【0024】次いで、キャリヤ蓄積動作(電荷蓄積動
作)においては、図2、図3(b)に示すように、トッ
プゲート端子TGにローレベル(例えば、Vtg=−15
V)のバイアス電圧φTiを印加することにより、リセ
ット動作を終了し、キャリヤ蓄積動作による電荷蓄積期
間Taがスタートする。電荷蓄積期間Taにおいては、
トップゲート電極21側から入射した光量に応じて半導
体層11の入射有効領域、すなわち、キャリヤ発生領域
で電子−正孔対が生成され、半導体層11、及び、ブロ
ック絶縁膜14における半導体層11との界面近傍、す
なわち、チャネル領域周辺に正孔が蓄積される。
【0025】そして、プリチャージ動作においては、図
2、図3(c)に示すように、電荷蓄積期間Taに並行
して、プリチャージ信号φpgに基づいてドレイン端子D
に所定の電圧(プリチャージ電圧)Vpgを印加し、ドレ
イン電極12に電荷を保持させる(プリチャージ期間T
prch)。次いで、読み出し動作においては、図2、図3
(d)に示すように、プリチャージ期間Tprchを経過し
た後、ボトムゲート端子BGにハイレベル(例えば、V
bg=+10V)のバイアス電圧(読み出し選択信号;以
下、「読み出しパルス」と記す)φBiを印加すること
(選択状態)により、ダブルゲート型フォトセンサ10
をON状態にする(読み出し期間Tread)。
【0026】ここで、読み出し期間Treadにおいては、
チャネル領域に蓄積されたキャリヤ(正孔)が逆極性の
トップゲート端子TGに印加されたVtg(−15V)を
緩和する方向に働くため、ボトムゲート端子BGのVbg
(+15V)によりnチャネルが形成され、ドレイン電
流に応じてドレイン端子Dの電圧(ドレイン電圧)VD
は、図4(a)に示すように、プリチャージ電圧Vpgか
ら時間の経過とともに徐々に低下する傾向を示す。
【0027】すなわち、電荷蓄積期間Taにおけるキャ
リヤ蓄積状態が明状態の場合には、図3(d)に示すよ
うに、チャネル領域に入射光量に応じたキャリヤ(正
孔)が捕獲されているため、トップゲート端子TGの負
バイアスを打ち消すように作用し、この打ち消された分
だけボトムゲート端子BGの正バイアスによって、ダブ
ルゲート型フォトセンサ10はON状態となる。そし
て、この入射光量に応じたON抵抗に従って、図4
(a)に示すように、ドレイン電圧VDは、低下するこ
とになる。
【0028】一方、キャリヤ蓄積状態が暗状態で、チャ
ネル領域にキャリヤ(正孔)が蓄積されていない場合に
は、図3(e)に示すように、トップゲート端子TGに
負バイアスをかけることによって、ボトムゲート端子B
Gの正バイアスが打ち消され、ダブルゲート型フォトセ
ンサ10はOFF状態となり、図4(a)に示すよう
に、ドレイン電圧VDが、ほぼそのまま保持されること
になる。
【0029】したがって、図4(a)に示したように、
ドレイン電圧VDの変化傾向は、トップゲート端子TG
へのリセットパルスφTiの印加によるリセット動作の
終了時点から、ボトムゲート端子BGに読み出しパルス
φBiが印加されるまでの時間(電荷蓄積期間Ta)に
受光した光量に深く関連し、蓄積されたキャリヤが多い
場合(明状態)には急峻に低下する傾向を示し、また、
蓄積されたキャリヤが少ない場合(暗状態)には緩やか
に低下する傾向を示す。そのため、読み出し期間Tread
がスタートして、所定の時間経過後のドレイン電圧VD
(=Vrd)を検出することにより、あるいは、所定のし
きい値電圧を基準にして、その電圧に至るまでの時間を
検出することにより、ダブルゲート型フォトセンサ10
に入射した光(照射光)の光量が換算される。
【0030】上述した一連の画像読取動作を1サイクル
として、i+1番目の行のダブルゲート型フォトセンサ
10にも同等の処理手順を繰り返すことにより、ダブル
ゲート型フォトセンサを2次元のセンサシステムとして
動作させることができる。なお、図2に示したタイミン
グチャートにおいて、プリチャージ期間Tprchの経過
後、図3(f)、(g)に示すように、ボトムゲート端
子BGにローレベル(例えば、Vbg=0V)を印加した
状態(非選択状態)を継続すると、ダブルゲート型フォ
トセンサ10はOFF状態を持続し、図4(b)に示す
ように、ドレイン電圧VDは、プリチャージ電圧Vpgに
近似する電圧を保持する。このように、ボトムゲート端
子BGへの電圧の印加状態により、ダブルゲート型フォ
トセンサ10の読み出し状態を選択、非選択状態に切り
替える選択機能が実現される。
【0031】<フォトセンサシステム>次いで、上述し
たダブルゲート型フォトセンサを所定の形式で配列して
構成されるフォトセンサアレイを備えたフォトセンサシ
ステムについて、図面を参照して説明する。ここでは、
複数のダブルゲート型フォトセンサを2次元配列して構
成されるフォトセンサアレイを示して説明するが、複数
のダブルゲート型フォトセンサをX方向に1次元配列し
てラインセンサアレイを構成し、該ラインセンサアレイ
をX方向に直交するY方向に移動させて2次元領域を走
査(スキャン)するものであってもよいことは言うまで
もない。
【0032】図5は、ダブルゲート型フォトセンサを2
次元配列して構成されるフォトセンサアレイを備えたフ
ォトセンサシステムの概略構成図である。図5に示すよ
うに、フォトセンサシステムは、大別して、多数のダブ
ルゲート型フォトセンサ10を、例えば、n行×m列
(n、mは任意の自然数)のマトリクス状に配列したフ
ォトセンサアレイ100と、各ダブルゲート型フォトセ
ンサ10のトップゲート端子TG(トップゲート電極2
1)及びボトムゲート端子BG(ボトムゲート電極2
2)を各々行方向に接続して伸延するトップゲートライ
ン101及びボトムゲートライン102と、各ダブルゲ
ート型フォトセンサ10のドレイン端子D(ドレイン電
極12)を列方向に接続したドレインライン(データラ
イン)103と、ソース端子S(ソース電極13)を列
方向に接続するとともに、接地電位に接続されたソース
ライン(コモンライン)104と、トップゲートライン
101に接続されたトップゲートドライバ110と、ボ
トムゲートライン102に接続されたボトムゲートドラ
イバ120と、ドレインライン103に接続されたコラ
ムスイッチ131、プリチャージスイッチ132、アン
プ133からなるドレインドライバ130と、を有して
構成されている。
【0033】ここで、トップゲートライン101は、図
1に示したトップゲート電極21とともに、ITO等の
透明電極層で一体的に形成され、ボトムゲートライン1
02、ドレインライン103並びにソースライン104
は、それぞれボトムゲート電極22、ドレイン電極1
2、ソース電極13と同一の励起光に不透明な材料で一
体的に形成されている。また、ソースライン104に
は、後述するプリチャージ電圧Vpgに応じて設定される
定電圧Vssが印加されるが、接地電位(GND)であっ
てもよい。
【0034】なお、図5において、φtgは、リセット電
圧及び光キャリア蓄積電圧のいずれかとして選択的に出
力される信号φT1、φT2、…φTi、…φTnを生
成するための制御信号であり、φbgは、読み出し電圧及
び非読み出し電圧のいずれかとして選択的に出力される
信号φB1、φB2、…φBi、…φBnを生成するた
めの制御信号、φpgは、プリチャージ電圧Vpgを印加す
るタイミングを制御するプリチャージ信号である。ま
た、図5においては、ダブルゲート型フォトセンサ10
のドレイン側又はソース側となる各端子に対して、便宜
的にドレイン及びソースの用語を固定的に用いるが、フ
ォトセンサシステム(ダブルゲート型フォトセンサ1
0)の動作状態に応じて、各端子の機能が切り替わるも
のであることはいうまでもない。
【0035】このような構成において、トップゲートド
ライバ110からトップゲートライン101を介して、
トップゲート端子TGに信号φTi(iは任意の自然
数;i=1、2、・・・n)を印加することにより、フ
ォトセンス機能が実現され、ボトムゲートドライバ12
0からボトムゲートライン102を介して、ボトムゲー
ト端子BGに信号φBiを印加し、ドレインライン10
3を介して検出信号をドレインドライバ130に取り込
んで、シリアルデータ又はパラレルデータの出力電圧V
outとして出力することにより、選択読み出し機能が実
現される。
【0036】図6は、上述したようなフォトセンサシス
テムを適用した画像読取装置(指紋読取装置)の要部断
面図である。なお、ここでは、説明及び図示の都合上、
フォトセンサシステムの断面部分を表すハッチングを省
略する。図6に示すように、指紋等の画像パターンを読
み取る画像読取装置においては、ダブルゲート型フォト
センサ10が形成されたガラス基板等の絶縁性基板19
下方側に設けられたバックライト(面光源)BLから照
射光Laを入射させ、この照射光Laがダブルゲート型
フォトセンサ10(詳しくは、ボトムゲート電極22、
ドレイン電極12、ソース電極13)の形成領域を除
く、透明な絶縁性基板19と絶縁膜15、16、20を
透過して、透明電極層30上面の検知面(指紋検出面)
30aに載置された指(被写体)40に照射される。
【0037】そして、指紋読取装置による指紋の読取動
作時においては、指40の皮膚表層41の半透明層が、
フォトセンサアレイ100の最上層に形成された透明電
極層30に接触することにより、透明電極層30と皮膚
表層41との間の界面に屈折率の低い空気層がなくな
る。ここで、皮膚表層41の厚さは、650nmより厚
いため、指紋42の凸部42aにおいて内部に入射され
た光Laは、皮膚表層41内を散乱、反射しながら伝搬
する。伝搬された光Lbの一部は、透明な電極層30、
透明な絶縁膜20、15、14及びトップゲート電極2
1を透過してダブルゲート型フォトセンサ10の半導体
層11に励起光として入射される。このように、指40
の凸部42aに対応する位置に配置されたダブルゲート
型フォトセンサ10の半導体層11に光が入射されて生
成されるキャリヤ(正孔)が蓄積されることにより、上
述した一連の駆動制御方法にしたがって、指40の画像
パターンを明暗情報として読み取ることができる。
【0038】また、指紋42の凹部42bにおいては、
照射された光Laは、透明電極層30の検知面30aと
空気層との間の界面を通過し、空気層の先の指40に到
達して皮膚表層41内で散乱するが、皮膚表層41は空
気より屈折率が高いため、ある角度で界面に入射された
皮膚表層41内の光Lcは空気層に抜けにくく、凹部4
2bに対応する位置に配置されたダブルゲート型フォト
センサ10の半導体層11への入射が抑制される。
【0039】このように、透明電極層30としてITO
等の透明な導電性材料を適用していることにより、透明
電極層30上に載置された指40に照射され、散乱、反
射した光が良好に各ダブルゲート型フォトセンサ10の
半導体層11に入射されることになるので、指(被写
体)40の読取動作における読取感度特性が悪化するこ
とがなく、被写体の画像パターン(指紋)の読み取りが
良好に行われる。
【0040】<画像読取装置>次に、本発明に係る画像
読取装置について、具体的な実施の形態を示して説明す
る。なお、以下に示す実施形態においては、センサとし
て、上述したダブルゲート型フォトセンサを適用した場
合について説明する。図7は、本発明に係る画像読取装
置の一実施形態を示す概略構成図であり、図8は、本実
施形態に係る画像読取装置の要部構成図である。なお、
ここでは、上述したフォトセンサシステムの構成(図
5、図6)を適宜参照しながら説明する。また、図1、
図5に示した構成と同等の構成については、同一の符号
を付して、その説明を簡略化又は省略する。
【0041】図7に示すように、本実施形態に係る画像
読取装置は、上述した構成を有するダブルゲート型フォ
トセンサ10がマトリクス状に配列されたフォトセンサ
アレイ100と、該フォトセンサアレイ100の一面側
の略全域に、保護絶縁膜(図示を省略)を介して形成さ
れた透明電極層30と、フォトセンサアレイ100(各
ダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート端子)
とトップゲートドライバ110との間に設けられたスイ
ッチ(以下、便宜的に「トップ側スイッチ」と記す)S
Wtと、フォトセンサアレイ100(各ダブルゲート型
フォトセンサ10のボトムゲート端子)とボトムゲート
ドライバ110との間に設けられたスイッチ(以下、便
宜的に「ボトム側スイッチ」と記す)SWbと、フォト
センサアレイ100(各ダブルゲート型フォトセンサ1
0のドレイン端子)とドレインドライバ130との間に
設けられたスイッチ(以下、便宜的に「ドレイン側スイ
ッチ」と記す)SWdと、フォトセンサアレイ100
(各ダブルゲート型フォトセンサ10のソース端子)と
接地電位との間に設けられたスイッチ(以下、便宜的に
「接地側スイッチ」と記す)SWgと、透明電極層30
に引き出し配線PLを介して接続された検出回路40
と、引き出し配線PLと接地電位との間に接続された逆
並列ダイオード回路50と、センサアレイ100の背面
側に配置された面光源(図示を省略)と、を有して構成
されている。ここで、フォトセンサアレイ100、トッ
プゲートドライバ110、ボトムゲートドライバ120
及びドレインドライバ130は、上述したフォトセンサ
システムと同等の構成を有しているので、その説明を省
略する。
【0042】検出回路40は、引き出し配線PLを介し
て、透明電極層30の容量変化を常時観測し、透明電極
層30に被写体が載置、接触されることにより生じる特
有の容量変化を検出した場合に、上記トップ側スイッチ
SWt、ボトム側スイッチSWb、ドレイン側スイッチ
SWd及び接地側スイッチSWgを切り換え制御するた
めの切換制御信号Sswを出力するとともに、画像読取装
置における画像読取動作を開始するための制御信号SG
を出力する。また、逆並列ダイオード回路50は、上述
した従来技術に示した場合と同様に、透明電極層30上
面の検知面に載置、接触された被写体(指)に帯電した
静電気を接地電位に放電して、ダブルゲート型フォトセ
ンサ10や検出回路40の静電破壊を防止又は抑制す
る。
【0043】トップ側スイッチSWtは、具体的には、
図8に示すように、フォトセンサアレイ100を構成す
るダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート端子
TG相互を行方向に接続する複数のトップゲートライン
101ごとに個別に設けられたスイッチST1、ST
2、・・・STnにより構成され、検出回路40から出
力される切換制御信号Sswに基づいて、これらのスイッ
チST1、ST2、・・・STnが同期して一斉にON
状態、もしくは、OFF状態に制御される。
【0044】また、ボトム側スイッチSWbも同様に、
図8に示すように、ダブルゲート型フォトセンサ10の
ボトムゲート端子BG相互を行方向に接続する複数のボ
トムゲートライン102ごとに個別に設けられたスイッ
チSB1、SB2、・・・SBnにより構成され、上記
切換制御信号Sswに基づいて動作状態(ON状態又はO
FF状態)が制御される。
【0045】また、ドレイン側スイッチSWdは、図8
に示すように、ダブルゲート型フォトセンサ10のドレ
イン端子D相互を列方向に接続する複数のドレインライ
ン103ごとに個別に設けられたスイッチSD1、SD
2、・・・SDmにより構成され、上記切換制御信号S
swに基づいて動作状態(ON状態又はOFF状態)が制
御される。さらに、接地側スイッチSWgは、図8に示
すように、ダブルゲート型フォトセンサ10のソース端
子S相互を接続するソースライン(コモンライン)10
4に設けられ、上記切換制御信号Sswに基づいて動作状
態(ON状態又はOFF状態)が制御される。
【0046】したがって、これらのスイッチ群(トップ
側スイッチSWt、ボトム側スイッチSWb、ドレイン
側スイッチSWd及び接地側スイッチSWg;以下、同
様に「スイッチ群」と総称する)は、透明電極層30上
面の検知面に被写体が載置、接触されたときに検出回路
40から出力される単一の切換制御信号Sswにより、同
期してON状態、もしくは、OFF状態のいずれかの動
作状態に制御される。
【0047】また、図8に示すように、上記フォトセン
サアレイ100及びトップゲートドライバ110、ボト
ムゲートドライバ120、ドレインドライバ130、接
地電位は、いずれも、ユニット化された構成を有し、予
めフォトセンサアレイ100に対して他の構成が端子接
続が可能なように、フォトセンサアレイ100には、各
トップゲートライン101ごとに外部接続端子Tst
Tst、・・・Tst、各ボトムゲートライン102ご
とに外部接続端子Tsb、Tsb、・・・Tsb 、各ド
レインライン103ごとに外部接続端子Tsd、Ts
d、・・・Tsd、ソースライン104に外部接続端
子Tsgが各々設けられている。
【0048】一方、トップゲートドライバ110には各
トップゲートライン101(上記外部接続端子Tst
Tst、・・・Tst)に対応して外部接続端子T
、Tt、・・・Ttが設けられ、ボトムゲート
ドライバ120には各ボトムゲートライン102(上記
外部接続端子Tsb、Tsb、・・・Tsb)に対応し
て外部接続端子Tb、Tb、・・・Tbが設けら
れ、ドレインドライバ130には各ドレインライン10
3(上記外部接続端子Tsd、Tsd、・・・Tsd
に対応して外部接続端子Td、Td、・・・Td
が設けられ、接地電位にはソースライン104(上記外
部接続端子Tsg)に対応して外部接続端子Tgが設けら
れた構成を有している。
【0049】したがって、本実施形態に係る上記スイッ
チ群は、各々、フォトセンサアレイ100とトップゲー
トドライバ110相互、フォトセンサアレイ100とボ
トムゲートドライバ120相互、フォトセンサアレイ1
00とドレインドライバ130相互、フォトセンサアレ
イ100と接地電位相互の端子接続のため、予め設けら
れた上記外部接続端子間に介挿されるように接続されて
いる。
【0050】次に、上述したような構成を有する画像読
取装置を指紋読取装置に適用した場合の駆動動作につい
て、図面を参照して説明する。図9は、本実施形態に係
る画像読取装置を指紋読取装置に適用した場合におい
て、被写体が検知面に接触した直後の状態を示す概略図
であり、図10は、本実施形態に係る画像読取装置を指
紋読取装置に適用した場合において、画像読取動作が開
始された状態を示す概略図である。
【0051】(非接触状態)まず、上述したような構成
を有する指紋読取装置(画像読取装置)において、フォ
トセンサアレイ100上方の透明電極層30の検知面3
0aに被写体である指が載置されていない非接触状態
(初期状態)では、検出回路40からは切換制御信号S
swが出力されず、フォトセンサアレイ100とドライバ
群(トップゲートドライバ110、ボトムゲートドライ
バ120、ドレインドライバ130;以下、同様に「ド
ライバ群」と総称する)及び接地電位との間に設けられ
たスイッチ群は、いずれもOFF状態に制御される。
【0052】したがって、この非接触状態においては、
フォトセンサアレイ100を構成する各ダブルゲート型
フォトセンサ10のソース端子S(ソースライン10
4)が接地電位に接続されていないフローティング状態
にあって、透明電極層30とフォトセンサアレイ100
間にはほとんど容量が発生しないので、透明電極層30
に接続された検出回路40により観測される容量は、概
ね0(もしくは、極めて微小な数値)となる。
【0053】(接触直後)次いで、上述したような非接
触状態にある指紋読取装置において、図9に示すよう
に、検知面30aに指FGが載置、接触されると、その
直後の状態では、従来技術に示した場合と同様に、透明
電極層30と誘電体である指FGとの間に概ね100p
F程度の容量が生じ、検出回路40によりこの容量変化
(図中、細矢印)が検出される。ここで、上述したよう
に、本実施形態においては、初期状態において透明電極
層30とフォトセンサアレイ100との間に本来的に生
じる容量はほぼ0に等しいので、検出回路40の検出感
度が比較的低いものであっても、上述した指FGの接触
により生じる微小な容量(100pF程度)を相対的に
大きな容量値の変化として良好に検出することができ
る。
【0054】また、上記指FGの検知面30aへの載
置、接触、及び、容量変化の検出に際して、指FGが静
電気(電荷)に帯電している場合、上述したように、ス
イッチ群がOFF状態に制御されていることにより、フ
ォトセンサアレイ100とドライバ群及び接地電位は、
電気的に切り離された状態にあるので、電荷はダブルゲ
ート型フォトセンサ10に流下することなく、引き出し
配線PL及び逆並列ダイオード回路50を介して、接地
電位に放電される(図中、太矢印)。これにより、ダブ
ルゲート型フォトセンサ10やドライバ群、検出回路4
0における静電破壊や誤動作の発生等を良好に防止又は
抑制することができる。
【0055】(指紋読取動作開始)そして、上述したよ
うに、検出回路40により、検知面30aへの指FGの
接触による特有の容量変化が検出されると、図10に示
すように、切換制御信号Sswがスイッチ群に出力されて
ON状態に切り換え制御され、フォトセンサアレイ10
0とドライバ群及び接地電位が電気的に接続された状態
に設定されるとともに、制御信号SGが図示を省略した
指紋読取装置のコントローラに出力されて指紋読取動作
が開始される。したがって、指FGが検知面30aに載
置、接触された直後においては、極めて短い時間に指F
Gに帯電した静電気が逆並列ダイオード回路50を介し
て接地電位に放電されるとともに、指FGの接触に伴う
透明電極層30の容量変化が検出され、その後、スイッ
チ群が切り換え制御されて、指紋読取動作に移行する。
【0056】なお、指紋読取動作の実行中においても、
透明電極層30の容量値は検出回路40により常時観測
され(図中、点線矢印)、検知面30aから指FGが離
されると、透明電極層30と誘電体である指FGとの接
触により生じていた容量(概ね100pF程度)の減少
が検出されると、コントローラへの制御信号SGの出力
が遮断されて指紋読取動作が停止又は終了されるととも
に、上述した初期状態(図9参照)と同様に、スイッチ
群への切換制御信号Sswの出力が遮断されてOFF状態
に切り換え制御され、フォトセンサアレイ100とドラ
イバ群及び接地電位が電気的に切り離された状態に設定
される。また、上記指紋読取動作が終了した場合におい
ても、例えば、コントローラからの制御により切換制御
信号Sswの出力が遮断されてスイッチ群がOFF状態に
切り換え制御され、上記初期状態に移行する。
【0057】なお、上述した実施形態においては、セン
サとしてダブルゲート型フォトセンサを適用した場合に
ついて示したが、本発明に適用されるセンサは、このダ
ブルゲート型フォトセンサに限定されるものではなく、
フォトダイオードやTFT等、他の構成のフォトセンサ
を用いたフォトセンサシステムに対しても同様に適用す
ることができる。また、上記の実施形態では、光学式の
いわゆるフォトセンサを示したが、例えば、指の凹凸に
応じて変位する容量を読み取り、しきい値を設定した容
量式センサを適用するものであってもよい。
【0058】
【発明の効果】本発明に係る画像読取装置によれば、複
数のセンサがマトリクス状又はライン状に配列されたセ
ンサアレイ上方の検知面に載置された被写体の画像パタ
ーンを読み取る画像読取装置において、上記検知面を構
成する電極層と、該電極層における容量変化に応じて、
検知面への被写体の載置状態を検出する検出回路と、該
検出回路からの切換制御信号に基づいてセンサアレイと
各ドライバ群及び接地電位との接続状態を切り換え制御
するスイッチ群と、を備え、被写体が検知面に接触して
いない非接触状態においては、スイッチ群をOFF状態
にしてセンサアレイを電気的に切り離した状態に設定
し、被写体が検知面に接触した接触状態においては、ス
イッチ群をON状態にしてセンサアレイと各ドライバ群
及び接地電位を接続するように制御することにより、非
接触状態においてセンサアレイに本来的に生じる容量を
ほとんど0にすることができるので、検知面への被写体
の接触に伴う僅かな容量の変化であっても、比較的検出
感度の低い検出回路により良好に検出することができ
る。したがって、センサアレイにおける容量変化を常時
観測することにより、被写体の載置、接触状態を的確に
検出して、画像読取動作を開始することができる画像読
取装置を安価かつ簡易な構成により実現することができ
る。
【0059】また、検知面への被写体の接触に際して、
被写体に静電気が帯電している場合であっても、被写体
の接触直後においては、センサアレイが電気的に切り離
された状態にあるので、静電気に伴う電流がセンサに流
下することなく、所定の放電機構(逆並列ダイオード回
路)を介して接地電位に放電され、センサや検出回路の
静電破壊を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像読取装置に適用可能なダブル
ゲート型フォトセンサの概略構成を示す断面構造図であ
る。
【図2】ダブルゲート型フォトセンサの基本的な駆動制
御方法の一例を示すタイミングチャートである。
【図3】ダブルゲート型フォトセンサの動作概念図であ
る。
【図4】ダブルゲート型フォトセンサの出力電圧の光応
答特性を示す図である。
【図5】ダブルゲート型フォトセンサを2次元配列して
構成されるフォトセンサアレイを備えたフォトセンサシ
ステムの概略構成図である。
【図6】ダブルゲート型フォトセンサを備えたフォトセ
ンサシステムを適用した画像読取装置(指紋読取装置)
の要部断面図である。
【図7】本発明に係る画像読取装置の一実施形態を示す
概略構成図である。
【図8】本実施形態に係る画像読取装置の要部構成図で
ある。
【図9】本実施形態に係る画像読取装置を指紋読取装置
に適用した場合において、被写体が検知面に接触した直
後の状態を示す概略図である。
【図10】本実施形態に係る画像読取装置を指紋読取装
置に適用した場合において、画像読取動作が開始された
状態を示す概略図である。
【図11】従来技術における被写体検出機能を備えた画
像読取装置(指紋読取装置)を示す概略構成図である。
【図12】容量検出方式における被写体の接触状態の検
出原理を示す概念図である。
【符号の説明】
10 ダブルゲート型フォトセンサ 30 透明電極層 30a 検知面 40 検出回路 50 逆並列ダイオード回路 100 フォトセンサアレイ FG 指 SWt トップ側スイッチ SWb ボトム側スイッチ SWd ドレイン側スイッチ SWg 接地側スイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F063 AA41 BA29 CA08 CA17 DA02 DD07 HA04 JA04 5B047 AA25 BA02 BB04 BC01 BC14 CA04 CB11 5C024 AX01 EX01 GY01 HX35 HX46 HX50

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のセンサを配列したセンサアレイを
    備え、該センサアレイ上の検知面に載置された被写体の
    画像パターンを読み取る画像読取装置において、 前記センサアレイに所定の駆動制御信号を供給する駆動
    制御手段と、 前記センサアレイに所定の駆動電圧を供給する電源手段
    と、 前記センサアレイと前記駆動制御手段及び前記電源手段
    との間に設けられたスイッチ手段と、 前記検知面への前記被写体の載置状態を検出する被写体
    検出手段と、を備え、 前記スイッチ手段は、前記被写体検出手段からの制御信
    号に応じて、前記センサアレイと前記駆動制御手段及び
    前記電源手段との接続状態を切り換え制御することを特
    徴とする画像読取装置。
  2. 【請求項2】 前記被写体検出手段は、少なくとも、前
    記検知面に設けられた電極層と、前記電極層の容量変化
    を検出し、該容量変化に応じた前記制御信号を前記スイ
    ッチ手段に出力する容量変化検出回路と、を備えている
    ことを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
  3. 【請求項3】 前記被写体検出手段は、前記電極層の容
    量の増加を検出した場合に、前記センサアレイと前記駆
    動制御手段及び前記電源手段とを接続するための前記制
    御信号を前記スイッチ手段に出力することを特徴とする
    請求項2記載の画像読取装置。
  4. 【請求項4】 前記センサアレイ、前記駆動制御手段及
    び前記電源手段は、各々ユニット化された構成を有し、 前記スイッチ手段は、前記センサアレイと前記駆動制御
    手段及び前記電源手段との接続端子間に介在させるよう
    に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のい
    ずれかに記載の画像読取装置。
  5. 【請求項5】 前記センサは、半導体層からなるチャネ
    ル領域を挟んで形成されたソース電極及びドレイン電極
    と、少なくとも前記チャネル領域の上方及び下方に各々
    絶縁膜を介して形成された第1のゲート電極及び第2の
    ゲート電極と、を備え、 前記第1のゲート電極又は前記第2のゲート電極のいず
    れか一方を前記検知面側として、前記駆動制御手段から
    前記第1のゲート電極及び前記第2のゲート電極に前記
    駆動制御信号を供給することにより設定される所定の電
    荷蓄積期間に、前記検知面側から照射された光の量に対
    応する電荷が前記チャネル領域に発生して蓄積される構
    成を有し、 該蓄積された電荷の量に基づいて出力される電圧により
    前記検知面に載置された前記被写体の画像パターンを読
    み取ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記
    載の画像読取装置。
JP2002075937A 2002-03-19 2002-03-19 画像読取装置 Expired - Fee Related JP4180290B2 (ja)

Priority Applications (11)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002075937A JP4180290B2 (ja) 2002-03-19 2002-03-19 画像読取装置
TW092105852A TWI243339B (en) 2002-03-19 2003-03-18 Image reading apparatus and drive control method
US10/508,368 US7612354B2 (en) 2002-03-19 2003-03-19 Image reading apparatus and drive control method thereof
KR1020047014593A KR100706280B1 (ko) 2002-03-19 2003-03-19 화상 판독장치 및 그 구동 제어방법
CNB038063638A CN100383802C (zh) 2002-03-19 2003-03-19 图像读取装置及其驱动控制方法
PCT/JP2003/003355 WO2003079275A2 (en) 2002-03-19 2003-03-19 Image reading apparatus and drive control method therefor
AU2003230234A AU2003230234A1 (en) 2002-03-19 2003-03-19 Image reading apparatus and drive control method therefor
AT03723092T ATE361502T1 (de) 2002-03-19 2003-03-19 Bildlesevorrichtung und antriebssteuerverfahren dafür
DE60313590T DE60313590T2 (de) 2002-03-19 2003-03-19 Bildlesevorrichtung und antriebssteuerverfahren dafür
CA002479844A CA2479844C (en) 2002-03-19 2003-03-19 Image reading apparatus and drive control method therefor
EP03723092A EP1485864B1 (en) 2002-03-19 2003-03-19 Image reading apparatus and drive control method therefor

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002075937A JP4180290B2 (ja) 2002-03-19 2002-03-19 画像読取装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003271939A true JP2003271939A (ja) 2003-09-26
JP4180290B2 JP4180290B2 (ja) 2008-11-12

Family

ID=29204875

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002075937A Expired - Fee Related JP4180290B2 (ja) 2002-03-19 2002-03-19 画像読取装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4180290B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008228349A (ja) * 2008-06-06 2008-09-25 Casio Comput Co Ltd 接触検知装置及びその検知方法
JP2009153597A (ja) * 2007-12-25 2009-07-16 Shimadzu Corp 飲酒操作防止装置、飲酒操作防止方法及び飲酒操作防止プログラム

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009153597A (ja) * 2007-12-25 2009-07-16 Shimadzu Corp 飲酒操作防止装置、飲酒操作防止方法及び飲酒操作防止プログラム
JP2008228349A (ja) * 2008-06-06 2008-09-25 Casio Comput Co Ltd 接触検知装置及びその検知方法
JP4710929B2 (ja) * 2008-06-06 2011-06-29 カシオ計算機株式会社 接触検知装置及びその検知方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4180290B2 (ja) 2008-11-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7612354B2 (en) Image reading apparatus and drive control method thereof
TWI289926B (en) Image reading apparatus and its driving method
EP1399876B1 (en) Image acquisition apparatus
US6566685B2 (en) Double gate photo sensor array
US6681992B2 (en) Image reading apparatus
AU2002304241A1 (en) Image acquisition apparatus
JP2005136028A (ja) 静電気保護回路およびそれを備えた電子回路
JP3569804B2 (ja) 2次元画像読取装置
JP4203783B2 (ja) 2次元画像読取装置
JP4253827B2 (ja) 2次元画像読取装置
JP3528047B2 (ja) 2次元画像読取装置
JP4180290B2 (ja) 画像読取装置
JP4710929B2 (ja) 接触検知装置及びその検知方法
JP4182466B2 (ja) 画像読み取り装置及び画像読み取り方法
JP4179446B2 (ja) 画像読取装置
JP4059470B2 (ja) 読取装置
JP4253835B2 (ja) 画像読取装置
JP4207406B2 (ja) 薄膜トランジスタの製造方法、フォトセンサ及び読取装置
JP2003046715A (ja) 画像読取装置及び画像読取方法
JP2003018356A (ja) 画像読取装置
JP2003150943A (ja) 画像読み取り装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060411

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060606

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060913

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061113

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20061121

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20061215

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080827

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4180290

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110905

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120905

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130905

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees