JP4179817B2 - フッ素化ポリマーの分散液 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、(パー)フルオロポリエーテル(PFPE)構造を有するポリウレタンの水性分散液と、紙のサイズへのこれらの使用に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
紙が、バター又はマーガリンのような脂肪、コーヒー、チョコレート、砂糖のような化合物の包装に用いられ、また肉、チップス、ハンバーガー、ポップコーン等の脂肪含量が高い食品、マイクロ波で調理される食品、犬又は猫用のクリスプ(crisps)、一般のペットフードの包装に用いられることは、周知である。その使用に当たっては、紙が油、脂肪及び水に対する耐性(撥油性及び撥水性)を付与し得る化合物で処理される必要がある。これらの処理のため、フッ素化化合物(低分子量のポリマー又はその誘導体)が用いられている。
【0003】
撥油性は、一般に、紙試験片との接触を15秒維持した、表面張力を連続的に減少させた炭化水素又は炭化水素混合物の滴量に対するサイズ紙の耐性に関して評価される(キット(Kit)試験、TAPPI 557法)。通常、炭水化物としては、様々な割合のひまし油混合物、トルエン及びへプタンが用いられる。しかし、キット試験で得られる撥油値はフッ素化添加剤に関する唯一の表面活性指数であり、しばしば、例えば食品との接触時間が延びた、紙包装の通常の利用条件及び過酷な圧作動条件(紙製品を得るためのカレンダ環)、温度(マイクロ波オーブンでの紙製品の加熱)ならびに機械的ストレス(例えば製品を得るための曲げ)の双方において、油及び脂肪に対する保護障壁に関する実際の性能とあまり相関していない。この理由から、紙の使用者は、脂肪及び油の耐性に関する実際上の挙動について、一連のより直説的な性能試験を利用している。
【0004】
最終使用者により最も一般的に用いられる試験は、以下のとおりである:
- ロールストンクリース(Ralston Crease)試験(RP-2 試験):ペットフードの包装用抗油紙の油の浸透に対する耐性を評価する。しみのついた紙表面の%を、着色油で測定する。試験片の許容限度は、しみのついた表面の2%である。
- ペットフード試験(クリスプ試験):動物由来の種々の脂肪を含み、一般に水の量が10重量%以上の犬及び猫の食餌に用いられるクリスプと直接接触させたサイズ紙の耐性を測定する。脂肪、及びこの場合は水との組み合わさった作用は、クリスプの重さの組合わせ及び際立った縁で特徴付けられるその形状によって測定される機械的作用とともに、紙試験片が脂肪と水の双方に高い耐性を有する際に試験に合格するように作用する。この試験の条件は、環境の湿度が比較的高く、適用される圧力が高いために、ロールストンクリース試験よりかなり過酷である。試験結果は、対照に対してしみがついた表面の%として示される。試験片は、しみのついた表面が表面の5%未満である場合に、試験に合格する。この試験に合格するサイズ紙試験片は、グリースと水の双方に対する耐性が高い。
【0005】
- オリーブオイル耐性試験:オリーブオイルに対する耐性は105℃、24時間で評価する。紙にしみがつかなければ、試験に合格する(しみ表面%=0)。
- バター耐性試験:バターに対する耐性は30分70℃のストーブ中で評価する。時間経過後、紙を目視で調べ、溶けたバターの浸透を示さない場合に、試験に合格する。
これらの試験の詳細な説明については実施例を参照のこと。
さらに、紙のサイズに用いられる化合物が水にある種の耐水性を与えることも必要である。実際、ペットフード試験及びバター耐性試験は、撥油性及び撥水性の組み合わせ効果を要する。撥水性に用いられる試験は、コブ(Cobb)試験(TAPPI T 441法)である。この試験により、標準条件下の吸水後の紙試験片の重量の増加が測定される。吸水は、吸水したg数/紙のm2として表される。コブ試験値が低いほど、試験片の耐水性は高い。
【0006】
撥油紙のサイズに用いられる非ポリマーのフッ素化化合物の分野では、リン酸塩及びCF3-(CF2)n0-型(nOは整数)の直鎖状又は分枝状パーフルオロアルキル型のセグメントを有するカルボキシレートが知られている(例えば、1997年4月14〜16日の'1997 TAPPI Sizing Short Course'で紹介されたR.D.Howellsの'Sizing with fluorochemicals'の文献参照)。しかし、非ポリマー化合物は、特に高温では、撥油性が高いサイズ紙を生じない。
【0007】
紙処理用に末端に-CF3基を持つパーフルオロアルキルセグメントを含むアクリルコポリマーも、知られている(例えばR.D.Howellsによる上記文献参照)。-CF3型末端基を有するパーフルオロアルキルセグメントを含むフッ素化オリゴマー及びポリマー構造が、紙処理での使用において従来技術で考慮されていたものである(例えば文献'The designing of a new grease repellent fluorochemical for the paper industry':Surface Coatings International 1998 (9), pp.440-447参照)。-CF3基の存在は、油及び油脂に対し必要な耐性を得るために従来技術で必須と考えられている。しかし、これらの化合物は、キット試験値を高くするのに十分な表面活性を示したとしても、多数の過酷な上記性能試験に必ずしも合格するとは限らない(比較例参照)。
【0008】
種々の基板に撥油性や撥水性を与える(パー)フルオロポリエーテル由来フッ素化ポリマーを扱う幾つかの特許及び科学文献が従来技術で知られているが、紙の処理に関するものはほとんどない。EP 273,449号は、織物用塗料用の(パー)フルオロポリエーテル由来ポリウレタンの水性分散液を記載している。この特許の実施例は、これらの分散液が基布に撥油性ではなく、撥水性を与えることを示している。この特許では、紙のサイズへの該ポリウレタンの使用は述べられていない。
EP533,159号は、石造りの製品又は繊維質の製品用の強固剤として適用するための、ジアミンを含む(パー)フルオロポリエーテル由来イオノマーポリウレタンを記載している。出願人によって行われた試験は、これらの分散液が工業的観点から許容される撥油性をサイズ紙に与えるには不適当であることを示した。
【0009】
EP689,908号は、木材、石及びセメントを大気や汚染剤から保護するのに用いられる(パー)フルオロポリエーテル由来イオノマーポリウレタンの水性分散液を記載している。紙用の撥油処理としての適用は、記載されていない。実施例から、木材に対する保護効率が高い化合物は、カチオン性ポリウレタンであることが結論付けられた。特許出願EP1,059,319号は、分枝構造を有し、自己架橋する(パー)フルオロポリエーテル由来カチオン性ポリウレタンを記載している。出願人によって行われた試験は、カチオン性ポリウレタンが、撥油性が低い(上記試験に合格しない)ために紙のサイズに不適当であることを示している。
【0010】
USP 6,224,782号は、パーフルオロアルキルオリゴマー及び酸化エチレン単位ベースの親水性セグメントを含むポリウレタンを記載している。これは、基布、特に織物用基布に抗しみ特性を生じることができる。このポリウレタンは、水中で分散されるのに高度な剪断を要する相当量の界面活性剤及び攪拌があることを必要とする。多量の界面活性剤は、ポリウレタンの分散液でサイズされた紙が脂質と接触した際に、これらの化合物について放出及び移染現象を生ずる。したがって、この特許のポリウレタンは、食品で用いる紙の処理に利用する際には禁忌となる。さらに、USP 6,224,782号では、撥油紙のサイズに関する詳細な実施例は記載されていない。水性分散液を調製するための高度な剪断攪拌の使用は、これらのポリウレタンの工業的生産性を限定する欠点がある。
【0011】
さらに、工業的適用では、処理が、耐油性及び耐水性に加えて、巻取り紙での半完成紙シートの剥離に有利な抗粘着特性を紙に付与し、廃棄製品を最小限にできることが好ましい。紙の添加剤として使用される従来技術に開示のフッ素化化合物は、剥離特性に言及していない。
以下の性質の組合わせを有するフッ素化化合物を利用可能にする必要があった:
- 撥油性について示される上記の多数の過酷な性能試験に合格する、
- 撥水性が良好、
- サイズ紙シートに対する剥離作用が良好、
- 溶媒、特に可燃性溶媒の使用を避け、水相で適用可能。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記ポリマーに-CF3-末端パーフルオロアルキル基が存在しなくとも、(パー)フルオロポリエーテル類由来アニオンポリウレタンの水性分散液が上記の技術的問題に応ずることが、驚くべきことに、かつ予期せぬことに出願人により見出された。さらに出願人は、(パー)フルオロポリエーテル類由来ポリウレタンが、上記の性能試験で、平均して低いキット試験値を有するにもかかわらず、市販品に対して改善された結果を生じることを予期しなかったことに見出した。
【0013】
本発明の対象は、以下の成分の反応により得られる(パー)フルオロポリエーテル由来ポリウレタンを含む水性分散液の紙のサイズへの使用である:
a)400〜5,000、好ましくは800〜2,500の数平均分子量を有する(パー)フルオロポリエーテルジオール;
b)以下の式:
OCN-R-NCO (VIa)
[式中、Rは以下を意味する:
C2-C12脂肪族二官能性基;
C6-C18脂環式基又はアルキレン−脂環式基
(脂環式環は任意に1以上のC1-C3アルキル基で置換でき、又は、Rはそれぞれが-NCO基を有し、C1-C6アルキレン鎖で連結される2つの脂環式環を含む);
C6-C18芳香族二官能性基
(芳香族環は1以上のC1-C3アルキル基で置換でき、又は、Rはそれぞれが-NCO基を有し、C1-C6アルキレン鎖で連結される2つの芳香族環を含む)]
を有するジイソシアネート
【0014】
(好ましくは、ジイソシアネートb)は、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4'-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(H12-MDI)、シクロヘキシル-1,4-ジイソシアネート、4,4'-メチレンビス(フェニルイソシアネート)(MDI)又はその異性体、トルエン2,4−ジイソシアネート(TDI)又はその異性体、キシレンジイソシアネート、ナフタレン-1,5-ジイソシアネート、p-フェニレン−ジイソシアネートから選択される);
【0015】
c) 4〜10個の炭素原子、好ましくは4〜8個の炭素原子を含み、アルキル鎖が任意に分枝されている、2つのヒドロキシル官能基及び1つのカルボキシル官能基を含有するアニオノマージオール化合物;
(好ましくはc)は、ジメチロールプロピオン酸
【化2】
である)
及び任意の1つ又は2つの以下の成分:
【0016】
d) ヒドラジン及び/又は2〜6個の炭素原子鎖を有する脂肪族ジアミン、例えばエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン;
e) 300〜1,000、好ましくは400〜800の範囲の数平均分子量を有する一官能性ヒドロキシル(パー)フルオロポリエーテル類;
【0017】
ここで、ポリウレタンが50〜90%の割合で成分a)により形成されるような量のa)、b)の-NCO基の総量に等しい、a)+c)のヒドロキシル基ならびに任意にe)及び/又は成分d)のアミノ基の総量を用いて、最初にa)をb)と反応させ、第2工程で反応生成物を成分c)と反応させ、次いで任意に第3工程でd)及び/又はe)と反応させ、塩基類でポリウレタンを塩化し、続いて水中で分散させることで合成工程が完了する。
【0018】
【発明の実施の形態】
a)に示される二官能性(パー)フルオロポリエーテル類は、鎖に沿って統計的に分布する以下の単位:(C3F6O)、(CFYO)[式中、YはF又はCF3である]、(C2F4O)、(CF2(CF2)X'CF2O)[式中、x'は1又は2に等しい整数である]、(CF4R5CF2CF2O)[式中、R4及びR5は同一又は互いに異なって、H、Clから選択され、パーフルオロメチレン単位の1つのフッ素原子は、H、Cl又は、例えば1〜4個の炭素原子を有する(パー)フルオロアルキルで任意に置換することができる]を1以上有する。
【0019】
a)の好ましい二官能性化合物は、鎖に沿って統計的に分布するパーフルオロオキシアルキレン単位を有する以下:
(a')-CF2-O-(CF2CF2O)p'(CF2O)q'-CF2- (VIII)
[式中、p'及びq'は、q'/p'比が0.2〜2になるような数であり、数平均分子量が(パー)フルオロポリエーテルジオール(a)に対し上記範囲内である];
(b') -CFY-O-(CF2CF(CF3)O)r'-(CF2CF2O)s'-(CFYO)t'-CFY- (IX)
[式中、Yは上記のように定義され;r'、s'及びt'は、r'+s'が1〜50、t'/(r'+s')比が0.01〜0.05になるような数で、r'+s'は0とは異なり、分子量は(パー)フルオロポリエーテルジオール(a)に対し上記範囲内である];
【0020】
(c') -CF(CF3)(OCFY)t'(OC3F6)u'-OR'fO-(C3F6O)u'(CFYO)t'CF(CF3)- 式(X)
[式中、R'fはC1-C8パーフルオロアルキレンであり;u'+t'は、数平均分子量が(パー)フルオロポリエーテルジオール(a)に対し上記範囲内であるような数であり;t'は0値であってもよく;Yは上記のとおりである];
(d') -CF2CF2O-(CF2(CF2)x'CF2O)v'-CF2CF2− (XI)
[式中、v'は、分子量が(パー)フルオロポリエーテルジオール(a)に対し上記範囲内であるような数であり、x'は1又は2に等しい整数である];
(e') -CF2CH2-(OCF2CF2CH2)w'-OR'fO-(CH2CF2CF2O)w'-CH2CF2- (XII)
[式中、R'fは上記のとおりであり;w'は、数平均分子量が(パー)フルオロポリエーテルジオール(a)に対し上記範囲内であるような数である];
二官能性パーフルオロポリエーテル類の成分a)の末端基は、-CH2-(OCH2CH2)k'-OH型[式中、k'は0〜5、好ましくは0〜2の数である]のものである。
【0021】
二官能性(パー)フルオロポリオキシアルキレン類は、-COF末端基を有する相当する(パー)フルオロポリオキシアルキレン類の出発物質から製造することができる(例えば、特許GB第1,104,482号、USP第3,715,378号、USP第3,242,218号、USP第4,647,413号、EP第148,482号、USP第4,523,039号、EP第340,740号、特許出願第WO90/03357号、USP第3,810,874号、EP第239,123号、USP第5,149,842号、USP第5,258,110号を参照)。
【0022】
一官能性ヒドロキシル(パー)フルオロポリエーテル類の成分e)は、PFPEジオール成分a)で定義されるように1以上の(パー)フルオロオキシアルキレン単位からなる。好ましい化合物e)は以下のとおりであり、単位は鎖に沿って統計的に分布する:
IB) A'O(C3F6O)m(CFYO)n-
[式中、Yは-F、-CF3であり;A'は-CF3、-C2F5、-C3F7、-CF2Cl、CF3CF(CF2Cl)-であり;C3F6O及びCFYO単位は、(パー)フルオロポリエーテル鎖に沿って無作為に分布し、m及びnは整数、m/n比は≧2である]、それらはGB特許第1,104,482号に記載される方法によりヘキサフルオロプロペンの光酸化で得ることができる;
【0023】
IIB) C3F7O(C3F6O)m-
[式中、mは、数平均分子量が成分(e)に対し上記に示される正の整数である]、それらはヘキサフルオロプロペンエポキシドのイオン短鎖重合で得ることができる(例えばUSP第3,242,218号参照)];
IIIB) A'O(C3F6O)m(C2F4O)n(CFYO)q
[式中、Y及びA'は(IB)で定義されるとおりであり;m、n及びqは0とは異なり、数平均分子量が成分(e)に対し示されるような整数である]、それらはUSP第3,655,041号に記載される方法によりC3F6及びC2F4の混合物を光酸化して得ることができる;
末端基は、HO(CH2CH2O)x0CH2-型[式中、x0は0〜5、好ましくは0〜2の整数である]である。
【0024】
塩化工程において、アミン、好ましくは第3級アミン又はアルカリ金属の無機塩基は塩基類として用いることができる。
本発明で用いられるポリウレタンの製造方法は、以下のように行われる。それは、一般的に以下の工程からなる:
I. 機械的攪拌下、不活性雰囲気下及びジイソシアネートベースで0.005〜0.03重量%量の第3級アミン(トリエチルアミン)又はSn塩類のような触媒の存在下、70〜90%の乾燥濃度の好ましくはMEK又はNMP(N-メチルピロリドン)のような両性の非プロトン性溶媒で、PFPEジオールa)及びジイソシアネートb)を50〜90℃の温度で反応させて予備重合する。滴定(ASTM D2572)により測定された‐NCOの理論滴定量に達するまで反応を続ける。
【0025】
II. イオノマー水素化ジオールc)(乾燥含有量は60〜75%)を攪拌下添加して、60〜70℃の温度で4〜10時間反応させ、IRスペクトルで2260cm-1の‐NCOバンドが消失するまで、工程Iで得られるプレポリマーの連鎖を伸長する。
III. ポリウレタンは塩基類、好ましくは第3級アミンで塩化し、化合物を機械的な攪拌器を備え、H2Oを含む容器に排出して、水中でポリマー分散液を得て、次いで、減圧下40〜60℃の温度で任意に溶媒を蒸留する。
【0026】
代わりに、最終的に‐NCO基の残余量がなおも存在し、イオノマープレポリマーが得られるように、工程Iで得られるプレポリマーをイオノマージオールc)と部分的に反応させることができる。イオノマープレポリマーは、工程IIIに記載されるようにH2Oに排出することができ、IRスペクトルで2260cm-1の‐NCOバンドが消失するまで、任意の成分d)(水溶性ジアミン)をH2Oに添加して重合を終了させる。
あるいは、上記工程Iで得られるプレポリマーを、化学量論値より少量の脂肪族ジオール成分c)と反応させ、次いで、残余‐NCO基と反応するのに十分量の一官能性ヒドロキシル(パー)フルオロポリエーテルe)を反応混合物に添加し、上記のように‐NCOバンドが消失するまで反応を続ける。その後、工程IIIの塩化及び水中での希釈が行われる。
【0027】
こうして得られた最終化合物は、成分c)の量及びポリウレタンのカルボキシル基を中和するのに使用される塩基当量に依存した500mPa.s未満の粘度及びpH 6〜9の可燃性の有機溶媒が実質的にない、20〜40%の範囲内の乾燥残渣により特徴付けられる水性分散液の形態で現れる。塩基/カルボキシル基のモル比は、0.1〜1.5、好ましくは0.3〜1である。
本発明のさらなる目的は、好ましくは相当する水性分散液形態の、本発明の(パー)フルオロポリエーテルポリウレタンで紙をサイズして得られる、上記に示す性質が組み合わさった紙シートである。
【0028】
本発明のフッ素化ポリウレタンは、従来技術で知られている塗工方法を用いて紙をサイズするのに用いることができる。例えば、それは、本発明で考えられた用途にしたがって、ウェットエンド塗工又はパルプスラリーでの塗工の「ウェットエンド」で塗工できる。別の方法は、既に形成された紙シートの表面処理:サイズプレス及び/又はコーティングのそれぞれによる塗工である。ウェットエンド処理は、一般に最も優れた撥水性及び撥油性をもたらすので好ましい。
上記の塗工にあたって、紙、厚紙等は、適当な媒質(水又は水と溶媒の混合物)のフッ素化ポリウレタン分散液で処理される。
【0029】
ウェットエンド塗工では、ポリウレタンは、紙シート形成前のセルロース繊維スラリーに、スラリーの乾燥含量に対し0.2〜2重量%の範囲量で添加される。スラリー中の乾燥セルロース濃度は、化合物添加時は0.1〜10重量%の範囲内である。スラリーは、クラフト法又は亜硫酸法で得られる原始軟材及び/又は硬材で形成することができ、もしくは再利用したセルローススラリー又は上記2種類のスラリーの混加物で形成することができる。パルプスラリーは、製紙業で通常使用される添加剤、例えばタルク、カオリン、炭酸カルシウム又は二酸化チタンのような有機又は無機充填材;澱粉、デキストリンのような紙の製造に使用される支持剤、保持剤、凝集剤、緩衝系、殺菌剤、殺生物剤、金属イオン封鎖剤、ASA(無水アルケニルコハク酸)又はAKD(アルキルケテンダイマー)のような接着剤を含有していてもよい。セルロース懸濁液は酸性及び塩基性双方のpHを有することができ、塩基性pHを有することが好ましい。
【0030】
セルロース繊維に対するポリウレタンの保持を改善するために、ポリウレタンを添加する前に、固定剤をパルプスラリーに添加することが好ましい。固定剤は、乾燥セルロースベースのカチオン化合物が0.01〜0.1重量%範囲量で、一般的に10,000〜5,000,000の分子量範囲を有するポリマー性質のカチオン化合物である。固定剤は、例えばカチオン性ポリアクリルアミド、ポリアミン、ポリアミドアミン-エピクロロヒドリンコポリマー又はジメチルアミン-エピクロロヒドリンコポリマー、ポリエチレンイミン、ポリ-ジアリル-ジメチル-塩化アンモニウムである。
水の硬度を緩和するために、パルプスラリーにキレート剤(chelant)を添加することができる。
化合物をセルロース懸濁液に添加した後、水を除去し、ぬれた紙を、製紙業で使用される標準手順に従って90〜130℃の温度範囲で乾燥することができる。
【0031】
ウェットエンド添加されたフッ素化ポリウレタンは、紙と同様に最終合成物(紙)にそれ自体を分散させていることが見出された。紙を折り、表面に切り込みを入れても撥水性及び撥油性を維持しなければならない場合に、これは特に重要である。実際、上記の性質は、光沢を改善するために、紙の形成及び乾燥後、頻繁に使用される摩擦及び熱カレンダリング工程に紙を付しても維持される。
本発明のフッ素化ポリウレタンを予め形成された紙シートに表面塗工する場合、化合物は、ポリウレタンの水性分散液を散布又は浸漬することによって塗工できる。コーティングする場合は、紙シートは片面でのみ処理され、サイズプレス処理の場合は、シートの両面で処理される。
【0032】
コーティングによる典型的な塗工において、フッ素化ポリウレタンは、使用されるコーティング懸濁液に対し0.2〜2重量%の範囲量で添加される。懸濁液は、例えば炭酸カルシウム、カオリン、二酸化チタンのような無機充填剤、及びスチレン-ブタジエンコポリマー、アクリルコポリマー又は酢酸ビニル含有コポリマーベースの顔料用バインダーを含有していてもよい。
サイズプレスでの紙サイズによる典型的な塗工において、0.2〜2重量%量のポリウレタンが紙上に載るような量でポリウレタンを水性懸濁液に添加し、前記懸濁液をサイズプレス器具のシリンダー中に20〜90℃の温度で供給する。その結果、支持剤、例えばそのままの又は機能化された澱粉、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、メラミン樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、アルデヒド基含有化合物、アクリル樹脂、スチレン-ブタジエンコポリマーを懸濁液に添加すると、パルプスラリーの撥水性及び撥油性の性能が改善される。
【0033】
コーティング機械及びサイズプレス処理の双方で、製紙業で用いられる通常の技術により、90〜130℃の温度範囲で乾燥させることができる。
上記のように、本発明のフッ素化ポリウレタン分散液は、サイズ紙に、剥離特性と組み合わさった改善された撥水性及び撥油性を与える。
以下の実施例により本発明を例証するが、実施例は発明の範囲を限定するものではない。
【0034】
【実施例】
撥油性及び撥水性の試験
フッ素化添加剤でサイズした紙の撥油性及び撥水性の性能は、以下の試験で評価する。
キット試験
撥油性を評価するための試験である(TAPPI 557法)。
キット試験は表1に示される溶液の製造が必要である。
【0035】
【表1】
【0036】
サイズ紙の試験片を汚れのない平らな黒色の表面に置く。溶液番号16から開始する。一滴の試験用溶液を25mmの高さから紙に落とす。滴下物を紙と15秒接触させ、次いで清潔な吸取り紙で除去して滴下物の下の表面を調べる。表面が濃くなってきた場合は、試験片は試験に合格しない。溶液番号15で試験を繰り返す。調べた試験片が試験に合格しない場合は、一方は溶液番号14を用いて進め、他方は、試験片がキット試験に合格する溶液が発見されるまで、減少する番号順に処理する。溶液番号は紙に割り当てたキット試験値である。
【0037】
キット試験は、紙の耐油脂性の評価を非常に短い時間(約20秒)で得ることができるため、フッ素化化合物でサイズした紙の撥油特性を即時に評価するのに広く用いられている。しかしながら、この試験で得られる評価は必ずしも信頼性があるものではない。例えばキット試験値が高いサイズ紙は、特別な条件下で、例えば、室温よりも高温で、又はアグレッシブな脂肪混合物を特に有する脂肪に対し、遮断力が乏しい。この理由は、キット試験溶液が耐油脂処理の様々なレベルを区別し、そのために約34.5 ダイン/cmの溶液番号1から22 ダイン/cmの溶液番号12又は20.3 ダイン/cmの溶液番号16までの範囲内の表面張力の関数に本質的に各キット試験値を割り当てるという事実に基づいている。これを行うために、フッ素化化合物でサイズされた紙が通常接触している油脂に全く存在しない化合物である、ヒマシ油、トルエン及びヘプタンの混合物が上記のように用いられる。さらに、動物性又は植物性の脂肪は、一般に、6〜7のキット試験値に相当する値である、25ダイン/cm以上の表面張力を有する。したがって、上記の油脂の表面張力特性を考慮すると、7より高いキット試験値は現実的ではない。
【0038】
この理由のため、脂肪剤の種類、耐油脂紙の接触時間及び利用温度に関するより現実的な使用条件を模した以下の性能試験が使用される。
ロールストンクリース試験
この試験に必要な反応物及び器機は登録商標c/o Ralston Purina Companyで入手可能である。
【0039】
ロールストンクリース試験(RP-2試験)は、通常、ペットフード包装用耐油脂紙の油の浸透に対する耐性を評価するのに使用される。試験すべき試験片は、50±2%の相対湿度かつ23℃で24時間という条件に設定する。10x10cmの大きさの一片を切り取る。切取り片を、100の小さな正方形を含む印刷済みグリッドを有し、試験すべき試験片の表面と全く等しい表面を有するコーティングした紙シート上の平らで滑らかな硬い表面に置く。グリッド上に配置する前に、試験片を対角線に沿って少し折り目をつける。次いで折り目を、重さ2040±45g、直径9.5cm及び幅が4.5cmで、調整された硬度を有する厚さ0.6cmのゴム層で覆われた適当なロールで補強する。折るときの回転速度は、1秒につき2〜3cmでなければならない。試験片は、両方の対角線に沿って折るべきであり、逆側に紙を折って第2の折り目をつくる。折られた試験片は、グリッド表面を完全に覆うようにグリッド上に移す。直径7.5cmの金属環を試験すべき紙の試験片に載せる。金属パイプ(高さ2.5cm、内径2.5cm)を試験片の中央に置き、5gの砂(20〜30メッシュのオタワの砂)をパイプに注入する。次いで、試験片の中央に錐状の砂が形成されるようにパイプを除去する。次いで、登録商標Ralston-Purinaにより供給され、0.1重量%の赤い色素を含有する1.3ccの特定の合成油を錐状の砂に注射器で加える。通常、試験のために同じ紙のサンプルの少なくとも4つの試験片を製造する。次いで、砂を載せた試験片を、50±2%の相対湿度かつ60℃で24時間ストーブに保持する。
【0040】
最後に、砂を載せた紙の試験片を除去し、着色油で染色された下のグリッド表面を評価する。染色された小さな正方形は、それぞれ1%に等しい試験表面のフラクションを表す。最終値は、同じサンプルの少なくとも4つの試験片で得られた結果の平均である。ロールストンクリース試験(RP-2試験)の結果は染色された小さな正方形の数として表され、これは、染色されたグリッドの正方形の%をも示している。サンプルの許容範囲は、染色されたグリッド表面の2%である。
ペットフード試験
ペットフード試験、前記のクリスプ試験は、種々の動物性脂を含み、通常10重量%以上の量の水を含む犬及び猫の食餌に用いられるクリスプと直接接触させたサイズ紙の耐性を評価する。
【0041】
脂と、この場合水とが組み合わさった作用は、クリスプの重量の組合わせと際立った縁で特徴付けられる形状により測定される機械的作用とともに、紙試験片が油脂及び水の双方に対し高い耐性を有する場合に試験に合格するように働く。この試験の条件は、相対湿度が高い環境及び下記のように適用される重量が存在するために、ロールストンクリース試験よりもかなり過酷である。ロールストンクリース試験で行われたものと同様に、試験すべき試験片は、50±2%の相対湿度かつ23℃で24時間という条件に設定される。次いで、紙から10x10cmの大きさの試験片を切り取る。試験片を、100の小さな正方形を含む印刷済みグリッドを有し、試験すべき試験片の表面と全く等しい表面を有するコーティングした紙シート上の平らで滑らかな硬い表面に置く。底部が10x10cmの大きさで、2つの対面がない平行六面体の金属中空体を、紙試験片上に置く。空洞部を250ccの市販のクリスプで満たし、クリスプの上に7kgの重りを載せる。それを、65%の相対湿度かつ70℃で24時間ストーブに移す。試験の最後に、試験片とクリスプを除去し、試験片の下にある方眼紙の表面を調べる。試験結果は、グリッド表面に対し、染色した表面の%で表される。試験片は、染色された表面がグリッド表面の5%未満である場合、試験に合格する。この試験に合格するサイズ紙の試験片は、油脂及び水の双方に高い耐性を有する。
【0042】
オリーブ油耐性試験
オリーブ油に対する耐性試験は、10x10cmの大きさの紙試験片上で行なう。試験片の縁は、脂の流出を防ぐために曲げなければならない。試験片を、以前の試験で使用された正方形のコーティング紙と同じ性質を有する紙上のペトリカプセルに置く。5mlのオリーブ油を試験すべき紙に載せ、105℃で24時間押し込み換気ストーブに移す。
グリッドが染色されてない場合は、試験に合格する(染色した表面の%=0)。
【0043】
バター耐性試験
バターは、約20重量%の水中の約80重量%の脂で生成されるエマルジョンであるため、この試験は、試験済み試験片の高撥油性及び高撥水性を確実に示すものである。この試験では、5x5cmの大きさの紙試験片を1gのバターに接触させ、70℃で30分間ストーブに入れる。時間経過後、紙を目視で調べ、溶けた脂が浸透している可能性を確認する。試験結果は、浸透がなければ陽性である。
【0044】
撥水性の評価:コブ試験( TAPPI T 441 法)
この方法は、標準条件の吸水後の紙試験片の重量増加に基づいている。試験を行う器具は、112.8±0.2mmに等しい内径及び5cmに等しい高さを有する金属中空シリンダーと組み合わさった、滑らかで平らな硬い表面を有する支持体からなる。100cm2の中空シリンダーの底部に等しい面積を有する円形試験片を試験すべき紙から切り取る。中空シリンダーは、平面に完全に接着するよう締め付け装置を備える。試験すべき試験片は、50±2%の相対湿度かつ23℃で24時間という条件に設定する。試験は、温度23℃の環境条件で行う。試験前に、紙試験片の重量を記録し、次いで評価する側面を上向きにして試験片を平面に置き、シリンダーを試験片の中央に配置し、水の完全な封入を確認するために締結装置を締める。100mlの蒸留水をシリンダーに迅速に注ぎ、上部1cmの水を得て、以下の表2の第2欄に示す項目にしたがって、試験に必要な時間待機する。
試験は、試験すべきサイズ紙の少なくとも10個の試験片で行う。
【0045】
最終的にシリンダーに入った水を除去し、締結装置をすぐに解き、ぬれたサイズ紙の試験片を取り出し、ぬれた側を上向きにしたまま、毛管上昇特性を備えた吸取り紙シート上に移す(TAPPI T 441法)。試験について設定された全時間の最後(表2の第3欄参照)に、第2の吸取りシートを紙試験片に載せ、重量10kgの金属ロールをその上で前後にスライドさせる。次いで、試験片を計量する。水分吸収は、紙1m2当りの吸収g数として示す。吸水のグラム数は、試験前後の試験片の重量の差異により算出される。水分吸収の最終値は、同じサンプルから得られる少なくとも10個の試験片で達せられた結果の平均値で算出される。コブ試験値が低いほど、試験片の耐水性は高い。
【0046】
【表2】
【0047】
紙支持体の剥離性の評価
試験 I
紙支持体の剥離性の評価は、試験すべき紙について10x10cmの大きさの10個の正方形を切り取って行われる。試験片を、それぞれの上面を処理し、ストーブの棚に重ねる。次いで、同じ大きさの正方形の金属をその上に載せる。それを試験片の表面にぴったり接着させ、積み重ねた紙試験片に加えられる総重量が3kgになるようにその上に重りを載せる。ストーブを50±1℃及び50±2%の相対湿度で15分間維持する。最後に、重りを除去する。紙試験片が一枚ずつ除去可能である場合は、試験に合格する。
【0048】
試験 II
この試験により、剥離効果を定量的に測定できる。
1x5cmの大きさの接着ラベルを紙試験片に貼り、それに70gに等しい重量のアルミニウムで5分間均等圧力をかける。前記の時間経過後、重りを除去し、紙の試験片から接着ラベルを除去するのに必要な力を力量計で測定する。各試験片について、3回測定を行う。測定した力はグラムで表し、表に示す値は3回の試験の平均値を表す。
乾燥残渣の測定
約0.5〜1g量の分散液から110℃の温度で1時間蒸発した後、乾燥残渣を測定する。
絶対粘度の測定
ブルックフィールド粘度は、実施例に示す温度でDV-II+器機で測定した。
【0049】
実施例1
数平均分子量が1,500の(パー)フルオロポリエーテルジオールを材料として得たアニオン性ポリウレタンの合成及び特性決定
機械撹拌器、還流凝縮器、温度計、及び装填ホッパーを備えた10リットル反応器に、イソホロンジイソシアネート(IPDI)850g、メチルエチルケトン(MEK)937g、数平均分子量Mn1,500、及び以下の構成:
HOCH2CF2(OCF2CF2)p(OCF2)qOCF2CH2OH
(式中、p/q=2である)
の(パー)フルオロポリエーテルジオール(ZDOL)2,900gを移す。
【0050】
混合物を、撹拌下で50℃まで熱し、ジブチルスズジラウレート(DBTDL)0.420gを添加して65℃で120分間加熱した。最後に、反応混合物の試料について残留NCO基を滴定したところ(ASTM D2572)、その結果は、最初に存在したものの3.4%であった。
混合物をMEK251gで希釈し、トリエチルアミン(TEA)200gを滴下して反応混合物に可溶化したジメチルオールプロピオン酸(DMPA)270gを強い撹拌下で添加する。加熱を65℃で6時間続ける。加熱の終わりに、2260cm-1のNCOバンドが消失しているのをIR分光法により確認する。
【0051】
次いで、ポリマー溶液を40℃まで冷却し、イソプロパノール(IPA)825gで希釈し、200rpmのラッシュトン型撹拌器を備えた12リットルのH2O入りの第二30リットル反応器に1時間かけて滴下する。
温度50℃、80〜100mbar(8.103〜104Pa)の真空を用いて溶媒を蒸留後、外見がわずかに乳白色で、以下の性質:
-乾燥残留物 25.5%
-20℃での粘度=100mPa.s
-pH=7.8
を持つ16Kgの分散液が得られた。
【0052】
実施例 2
数平均分子量が1,500の(パー)フルオロポリエーテルジオールを材料として得たアニオン性ポリウレタン尿素の合成及び特性決定
IPDI 110.3g、実施例1のパーフルオロポリエーテルジオール230g、ジメチルオールプロピオン酸14.1g及びトリエチルアミン10.6gを窒素下の500mlフラスコに供給する。
50℃で45分間反応させ、ASTM D2572に従ってNCO滴定を測定する。
【0053】
-NCO末端プレポリマーを、乾燥含量が85重量%になるまでN-メチルピロリドンで希釈し、ラッシュトン型撹拌器を備えた水790g入りの第二反応器に懸濁液を5℃で30分間かけて供給する。プレポリマー分散液の添加が終わると、-NCO基が消失する(IR分光法)までエチレンジアミン10gをゆっくりと添加する。
外見がわずかに乳白色で、以下の性質:
-乾燥化合物: 29.5%
-pH: 7.8
-20℃での粘度: 20mPa.s
を持つポリウレタン分散液が得られる。
【0054】
実施例 3
実施例1のポリウレタンを用いた原始繊維のウェットエンド処理による、撥油性、及び撥水性を有する紙の製造
70重量%の軟材及び30重量%の硬材を含むユーカリの原始繊維スラリーを、33°SR(ショッパー・デグリー)で精製し、実験室用シート成型機械の中で、0.3重量%のカチオン性凝固コポリマージメチルアミンエピクロルヒドリンを用いて処理する。槽内のpHは約7.5である。乾燥繊維に対して、最終乾燥化合物の濃度が1.0重量%となるよう、実施例1で得たポリウレタン分散液を、水で希釈した後スラリーに添加する。ぬれた試験紙片を回収し、105℃で5分間プレス乾燥させる。得られた試験紙片の基本重量は、80g/m2に等しい。上記の試験により評価された、試験片の撥油性及び撥水性は以下のとおりである:
- キット試験 8
- クリースRP-2試験 (染色表面 %) 0
- ペットフード試験 (染色表面 %) 5
- オリーブ油耐性 (染色表面 %) 0
- Cobb60試験 (g/m2) 30
上記の結果は、ウェットエンド処理により得られた紙が、高い撥油性及び撥水性を有することを示している。
【0055】
実施例 4
大部分を再利用セルロース、そしてそれより少量を原始繊維により構成するスラリーの実施例1のポリウレタンを用いるウェットエンド処理による、撥油性及び撥水性を有する紙の製造
再利用繊維75%、ユーカリ硬材15%及びユーカリ軟材10%の重量構成を有するスラリーを、実験室用シート成型機械の中で、0.4重量%に等しい量の実施例3で用いられるカチオン性凝固剤を用いて処理する。実施例3と同様に乾燥繊維に対するポリウレタンの最終濃度が同じになるように、ポリウレタン分散液を添加する。実施例3と同じように、ぬれた試験紙片を回収、乾燥して、基本重量が90g/m2の試験片を取得した。
上記の試験により評価された試験片の撥油性は以下のとおりである:
- キット試験 8
- クリースRP-2試験 (染色表面 %) 0
- オリーブ油耐性 (染色表面 %) 0
試験結果は、再利用セルロースを使用しても、本発明のポリウレタンを使用すれば、撥油性が良好なサイズ紙が得られることを示している。
【0056】
実施例 5
実施例1のポリウレタンを用いた原始繊維のウェットエンド処理による、厳しい条件下でカレンダーされた撥油性を有する紙の製造
クラフト型軟材の原始繊維50%、亜硫酸型軟材の原始繊維50%の重量構成を有するスラリーを28°SRで精製し、0.2重量%に等しい量の実施例3のカチオン性凝固剤で処理する。乾燥繊維に対し0.7重量%に等しいポリウレタン最終量が得られるように、実施例1のポリウレタン分散液を添加する。105℃の熱風での乾燥後、200bar(20MPa)の圧力がかかった110℃に熱した2つのシリンダー間を通過させて、紙をカレンダーにかける。得られた紙は以下の撥油性を持つ:
-キット試験 7
-クリースRP-2試験 (染色表面 %) 0
これらの撥油性値は、実施例3で得られたものと比べて、本実施例に記載された方法に従って得た紙が、厳しい条件でのカレンダー処理後にも撥油性を維持すしていることを示している。
【0057】
実施例 6
実施例1のポリウレタンを用いた、紙支持体のサイズプレス装置での処理による、撥油性及び撥水性を持つ紙の製造
65g/m2の基本重量を持つ紙支持体を、室温においてサイズプレス処理する。シリンダー間の圧力は、3bar(3.105Pa)である。濃度1重量%の実施例1のポリウレタンを含む水性分散液を用いる。処理後、紙を105℃で3分間プレス乾燥させる。得られた試験片は以下の性質を持つ:
- キット試験 7
- クリースRP-2試験 (染色表面%) 0
- ペットフード試験 (染色表面%) 2
- オリーブ油耐性 (染色表面%) 0
- バター耐性 陽性
- Cobb60試験(g/m2) 25
これらの結果は、サイズプレス装置での処理で得た紙が高い撥油性及び撥水性を持つことを示している。
【0058】
実施例 7
サイズプレス装置に加工支持剤が存在する状態で実施例1のポリウレタンを用いた紙支持体の処理による、撥油性及び撥水性を持つ紙の製造
65g/m2の基本重量を持つ紙支持体を、室温において、シリンダー間の圧力を3bar(3.105Pa)に等しくしてサイズプレス処理する。サイズプレス処理のための、以下の添加剤:エチル化デンプン5重量%及びグリオキサール0.6重量%を含んだ、濃度1重量%の実施例1のポリウレタンを含む水性分散液を使用する。処理後、紙を105℃で3分間プレス乾燥させる。上記の試験により測定される、試験片の撥油性及び撥水性は以下のとおりである:
【0059】
- キット試験 8
- クリース RP-2試験 (染色表面%) 0
- ペットフード試験 (染色表面%) 0
- オリーブ油耐性 (染色表面%) 0
- Cobb60試験(g/m2) 20
これらの結果は、ポリウレタン加工添加剤と組み合わせて使用したサイズプレス装置での処理で得た紙が、撥油性を変わらず維持し、撥水性を向上させていることを示している。これは、サイズプレス工程で使用された添加剤が、本発明のポリウレタンと融和性であることを意味する。
【0060】
実施例 8
サイズプレス装置に加工支持剤(スチレン-ブタジエンラテックス)が存在する状態で、実施例1のポリウレタンを用いた紙支持体の処理による、撥油性及び撥水性を持つ紙の製造
65 g/m2の基本重量を持つ紙支持体を、室温において、シリンダー間の圧力を3bar(3.105Pa)に等しくしてサイズプレス処理する。サイズプレス処理のための添加剤として、20重量%のスチレン-ブタジエンラテックスを含んだ、濃度1重量%の実施例1のポリウレタンを含む水性分散液を用いる。処理後、紙を105℃で3分間プレス乾燥させる。上記の試験により評価される、試験片の撥油性は以下のとおりである:
- キット試験 8
- クリースRP-2試験 (染色表面%) 0
- ペットフード試験 (染色表面%) 0
- オリーブ油耐性 (染色表面%) 0
- Cobb60試験(g/m2) 20
これらの結果は、先の実施例7で得た結果を裏付けるものである。
【0061】
実施例 9
実施例1のポリウレタンを含む製剤でコーティングすることによる厚紙表面処理 280 g/m2の基本重量を持つ表面処理済の薄い厚紙の試験片を、層状カオリン41.2%、二酸化チタン10%、スチレン-ブタジエンラテックス13%、及び実施例1のポリウレタン0.8重量%の重量%組成を有する全乾燥化合物が65重量%の製剤で、実験室用フィルムスプレダーによってコーティングする。塗工中のコーティング温度は50℃で、コーティングされた層の厚さは1.2mils (30ミクロン)である。コーティングされた湿った薄い厚紙を、110℃のストーブで2分間乾燥させる。キット試験により測定された、得られた試験片の撥油値は6であった。
この実施例は、ポリウレタンがコーティング工程で使用される製剤の典型的な諸成分と融和性であることを示している。
【0062】
実施例 10
本発明のポリウレタンを添加した、熱封止ポリマーで表面処理することによる、撥油性及び剥離性を有する紙の製造
49重量%に等しい量の熱封止水素化アクリルポリマー(Crodaoat(登録商標) 59-598、Croda)を含む水性製剤に、乾燥アクリルポリマーの重量に対し2重量%の実施例1のポリウレタンを添加する。次いで、全乾燥化合物の25重量%の分散液が得られるまで、これを水で希釈する。
実験室用フィルムスプレダーを使用して、65 g/m2に等しい基本重量を持つ紙試験片を、上記で調製した分散液でコーティングし、105℃で3分間乾燥させる。この方法で、約5 g/m2の乾燥化合物の分散液を紙に塗工する。
【0063】
コーティングされた紙シートの性質は以下のとおりである:
-剥離性の評価
- 試験I: 陽性
- 試験II: 分離力: 0.7g
- キット試験: 7
この実施例は、紙コーティングの際、本発明によるポリウレタン分散液を使用することで、箔理性及び撥油性がシートに付与されることを示している。
【0064】
実施例 10a (比較)
ポリウレタンを添加せずに、実施例10を繰り返す。
そうして得たコーティング紙シートの性質は、以下のとおりである:
-剥離性の評価
- 試験I: 陰性
- 試験II: 分離力: 160g
- キット試験: 1
実施例10aは、本発明のポリウレタンが欠けると、紙シートが剥離性を持たないことを示している。
【0065】
実施例 11 (比較)
ポリウレタンを市販化合物で代用する以外は、実施例3と同じ方法及び原始繊維を用いるウェットエンド処理による紙の製造
この実施例では、ポリウレタンの代わりに、燐酸パーフルオロアルキルエチルのジエタノールアミン塩の水性分散液により構成される市販化合物AG530N(登録商標)(Asahi Glass)を用いる。スラリー中で、乾燥繊維に対して算出される1.0重量%に等しい量になるよう、化合物を添加する。
上記の試験により評価された、試験片の撥油性は以下のとおりである:
- キット試験 12
- クリースRP-2試験 (染色表面%) 70
- ペットフード試験 (染色表面%) >20
これらの結果は、市販化合物を使用したウェットエンド処理により得た紙が、キット試験において高い撥油値を生ずるにもかかわらず、クリースRP-2試験及びペットフード試験双方で得た高い値に示されるように、実際は高い撥油特性を持たないことを示している。
【0066】
実施例 12a
実施例6で使用されたものより濃度が低い実施例1のポリウレタンを用いた紙支持体のサイズプレス装置での処理による、撥油性及び撥水性を有する紙の製造
濃度0.4重量%のポリウレタンの水性分散液を用いる以外は、実施例6の工程を繰り返す。得られた試験片は以下の性質を有する:
- キット試験 7
- クリースRP-2試験 (染色表面%) 0
実施例 12b( 比較 )
実施例12aのポリウレタンと等しい重量濃度の市販化合物の水性分散液を使用した、紙支持体のサイズプレス装置での処理による、撥油性及び撥水性を持つ紙の製造
濃度0.4重量%の市販化合物AG530N(登録商標)(Asahi glass)の水性分散液を使用する以外は、実施例12aの工程を繰り返す。得られた試験片は以下の撥油性を有する:
- キット試験 12
- クリースRP-2試験 (染色表面%) 20
【0067】
実施例 13a (比較)
ポリウレタン分散液の代わりに、化合物AG530N(登録商標)(Asahi glass)の乾燥物について同じ濃度の分散液を用いる以外は、実施例6を繰り返す。
撥油性及び撥水性の試験の結果を、表3に示す。
実施例 13b( 比較 )
ポリウレタン分散液の代わりに、チオエーテル結合を含むパーフルオロアルキル系の化合物の塩からなる化合物Lodyne(登録商標) P-201(Ciba)の乾燥化合物について同じ濃度の分散液を用いる以外は、実施例6を繰り返す。
撥油性及び撥水性の試験の結果を、表3に示す。
実施例 13c( 比較 )
ポリウレタン分散液の代わりに、パーフルオロアルキルフォスフェート型化合物のアンモニウム塩からなる化合物Scotchban(登録商標) FC-807A (3M) の乾燥化合物について同じ濃度の分散液を用いる以外は、実施例6を繰り返す。
撥油性及び撥水性の試験の結果を、表3に示す。
【0068】
実施例 13d( 比較 )
ポリウレタン分散液の代わりに、パーフルオロアルキルセグメントを含むカチオン性アクリルコポリマーの水性分散液からなる化合物Zonyl(登録商標) 8868 (Du Pont)の乾燥化合物について同じ濃度の分散液を用いる以外は、実施例6を繰り返す。
撥油性及び撥水性の試験の結果を、表3に示す。
実施例 13e (比較)
表3についてのコメント
表は、紙を本発明のアニオンポリウレタンの分散液で処理することだけが、示された全ての撥油性及び撥水性の試験に合格できることを示す。
表は、キット試験で得られる値が、試験されたサイズ試験紙片の撥油性について必ずしも信頼できる予測を与えるものではないことを裏付けている。
【0069】
実施例 14 (比較)
EP第689,908号によるカチオン性ポリウレタンの合成
式: HOCH2CF2(OCF2CF2)p(OCF2)qOCF2CH2OH
(式中、p/q=2及び数平均分子量は2,000である)のパーフルオロポリエーテルジオール1Kg、IPDI 22.23g、及びジブチルスズジラウレート溶液2滴を、ガラスフラスコに入れる。混合物を撹拌下及び2時間80℃に加熱した窒素流下に置く。最後に、ASTM D2572に従った滴定により、-NCO末端基を有するプレポリマー形成を確認する。
【0070】
3-ジメチルアミノ-1,2-プロパンジオール5.96gを含むN-メチルピロリドン(NMP)100gを添加する。反応混合物を、IR分光法で確認されるように(実施例1)、-NCOバンドが消失するまで80℃で8時間保持する。
60℃まで冷却し、酢酸(3.0g)次いで蒸留H2Oを強く撹拌しながら加え、以下の性質:
-乾燥残留物: 25%
-粘度(20°): 150mPa.s
-pH: 4.0
を持つわずかに乳白色のポリマー分散液を得た。
【0071】
実施例 15 (比較)
実施例6の方法及び条件を用いる、実施例14のポリウレタンでの紙支持体のサイズプレス装置での処理による、撥油性及び撥水性を持つ紙の製造
サイズ紙は、以下の撥油性及び撥水性を備える:
- キット試験 5
- クリースRP-2試験 (染色表面%) > 20
- ペットフード試験 (染色表面%) > 80
- Cobb60試験(g/m2) 20
得られたデータは、本実施例に従って得た紙が、本発明の実施例6によるサイズ紙よりもより高い撥水値(Cobb60試験)を持つにもかかわらず、実施された全ての試験において、明らかに低い撥油性を持つことを示している。
【0072】
実施例 16
実施例6の方法及び条件を用いる、実施例2のポリウレタンでの紙支持体のサイズプレス装置での処理による、撥油性及び撥水性を持つ紙の製造
本実施例に従って得られるサイズ紙は、以下の撥油性及び撥水性を備える:
- キット試験 6
- クリースRP-2試験 (染色表面%) 0
- ペットフード試験 (染色表面%) 2
- Cobb60試験(g/m2) 17
本実施例に従ってサイズされた紙は、撥油性(クリースRP-2試験及びペットフード試験)については同じ値、そして撥水度についてはより高い撥水値を示す。
【0073】
実施例 17 (比較)
ポリテトラメチレングリコール(PTMG)を合成に使用した、EP第533,159号に従って調製されたアニオン性ポリウレタン分散液の取得
機械撹拌器、温度計、及び還流器を備えたフラスコに、実施例1と同じ組成であるが分子量2,000のパーフルオロポリエーテルジオール160g、IPDI 53g及びPMA(プロピレングリコールメチルエーテルアセテート)63gを入れる。混合物を窒素下において40℃で加熱し、ジブチルスズジラウレートを一滴添加して、NMRでプレポリマーの完全転化(パーフルオロポリエーテルジオールのヒドロキシル基の消失)を確認しながら、75℃で4時間加熱を続ける。それを55℃まで冷却し、ジメチロールプロピオン酸8.58g及び分子量2,900のポリテトラメチレングリコール(PTMG)46.4gを添加する。
【0074】
温度を75℃まで上げ、-NCO滴定量(ASTM D2572に従って測定)が2%未満になるまでさらに8時間加熱を続ける。それを35℃まで冷却し、トリエチルアミン(TEA)6.46g、蒸留H2O 410g、最後にH2O 100mlに溶解させたイソホロンジアミン12gを順に添加する。2,260cm-1の吸収バンド(-NCOバンド)がないことをIR分光法で確認しながら、分散液を室温で30分間撹拌下に置く。
以下の性質:
-乾燥化合物=31%、
-pH=8、
-20℃での粘度=120mPa.s
を持つ、外見が乳白色の分散液を最後に得た。
【0075】
実施例 18 (比較)
Jeffamina(登録商標) EDR 418を合成に使用した、EP 第533,159号に従って調整されたアニオン性ポリウレタン分散液の取得
先の実施例17の工程を、-NCO末端プレポリマーが得られるまで繰り返した。プレポリマー分散液に、55℃の温度で、ジメチロールプロピオン酸8.58g及び分子量500のポリプロピレングリコール(PPG)7.2gを添加する。反応混合物を、2.5%未満の-NCO滴定量(ASTM D2572)が得られるまで75℃で加熱する。分散液を冷却し、TEA 6.4g、水410g、最後に、さらにH2O 100mlに溶解されたJeffamina(登録商標) EDR 418(-NH2末端基を持つポリオキシエチレン)10gを加える。水中での30分撹拌後、IRスペクトルで-NCOバンドが消失しているかどうかを確認する。分散液は、外見が白みがかった乳白色であり、以下の性質を持つ:
-乾燥化合物=30%
-pH=8.1
【0076】
実施例 19 (比較)
実施例6の方法及び条件を用いる、実施例18及び19のポリウレタンでの紙支持体のサイズプレス装置での処理による、撥油性及び撥水性を持つ紙の製造
サイズ紙は、以下の撥油性、及び撥水性を持つ:
上記の結果を実施例6の結果と比較することにより、これらのポリウレタンでサイズされた紙が、不十分な撥油性及び撥水性を示すことが認められる。
【0077】
【表3】
【0078】
【発明の効果】
この発明により、良好な撥水性及び撥油性を与える紙のサイジング剤を得ることができる。
Claims (20)
- 以下の化合物:
a)400〜5,000の数平均分子量を有する(パー)フルオロポリエーテルジオール;
b)以下の式:
OCN-R-NCO (VIa)
[式中、Rは以下を意味する:
C2-C12脂肪族二官能性基;
C6-C18脂環式基又はアルキレン−脂環式基
(脂環式環は任意に1以上のC1-C3アルキル基で置換でき、又は、Rはそれぞれが-NCO基を有し、C1-C6アルキレン鎖で連結される2つの脂環式環を含む);
C6-C18芳香族二官能性基
(芳香族環は1以上のC1-C3アルキル基で置換でき、又は、Rはそれぞれが-NCO基を有し、C1-C6アルキレン鎖で連結される2つの芳香族環を含む)]
を有するジイソシアネート
c)4〜10個の炭素原子を含み、アルキル鎖が任意に分枝されている、2つのヒドロキシル官能基及び1つのカルボキシル官能基を含有するアニオノマージオール化合物;
及び任意の1つ又は2つの以下の成分:
d)ヒドラジン及び/又は2〜6個の炭素原子鎖を有する脂肪族ジアミン;
e)300〜1,000の範囲の数平均分子量を有する一官能性ヒドロキシル(パー)フルオロポリエーテル類;
の反応であって、
ポリウレタンが50〜90%の割合で成分a)により形成されるような量のa)、b)の-NCO基の総量に等しい、a)+c)のヒドロキシル基ならびに任意にe)及び/又は成分d)のアミノ基の総量を用いて、a)をb)と反応させ、第2工程で第1工程で得た化合物をc)と反応させ、任意に第3工程でd)及び/又は成分e)と反応させ、
塩基類でポリウレタンを塩化し、その後、水中で分散させる反応により得られ、必須成分a ) 、b ) 及びc ) 並びに任意成分d ) 及び / 又はe ) からなる、(パー)フルオロポリエーテル由来アニオン性ポリウレタンを含む水性分散液を用いて紙をサイズすることを含み、ここで、処理した紙は、ロールストンクリース試験(RP-2)、ペットフード試験、オリーブ油耐性試験、及びバター耐性試験に合格する、紙に剥離特性との組合せで油、脂肪及び水に対する耐性を付与する方法。 - a)が、800〜2,500の数平均分子量を有する(パー)フルオロポリエーテルジオールであり;
b)が、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4'-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(H12-MDI)、シクロヘキシル-1,4-ジイソシアネート、4,4'-メチレンビス(フェニルイソシアネート)(MDI)又はその異性体、トルエン2,4−ジイソシアネート(TDI)又はその異性体、キシレンジイソシアネート、ナフタレン-1,5-ジイソシアネート、p-フェニレン−ジイソシアネートから選択され;
c)が、ジメチロールプロピオン酸
d)が、エチレンジアミン又はヘキサメチレンジアミンであり;
e)が、400〜800の範囲の数平均分子量を有する一官能性ヒドロキシル(パー)フルオロポリエーテル類
である請求項1に記載の方法。 - a)に示される二官能性(パー)フルオロポリエーテル類が、鎖に沿って統計的に分布する以下の単位:(C3F6O)、(CFYO)[式中、YはF又はCF3である]、(C2F4O)、(CF2(CF2)X'CF2O)[式中、x'は1又は2に等しい整数である]、(CR4R5CF2CF2O)[式中、R4及びR5は同一又は互いに異なって、H、Clから選択され、パーフルオロメチレン単位の1つのフッ素原子は、H、Cl又は、炭素原子が1〜4個の(パー)フルオロアルキルで任意に置換することができる]を1以上有する請求項1又は2に記載の方法。
- a)の二官能性化合物が、鎖に沿って統計的に分布するパーフルオロオキシアルキレン単位を有する以下:
(a') -CF2-O-(CF2CF2O)p'(CF2O)q'-CF2- (VIII)
[式中、p'及びq'は、q'/p'比が0.2〜2になるような数であり、数平均分子量が(パー)フルオロポリエーテルジオール(a)に対し上記範囲内である];又は
(b') -CFY-O-(CF2CF(CF3)O)r'-(CF2CF2O)s'-(CFYO)t'-CFY- (IX)
[式中、Yは上記のように定義され;r'、s'及びt'は、r'+s'が1〜50、t'/(r'+s')比が0.01〜0.05になるような数で、r'+s'は0とは異なり、分子量は(パー)フルオロポリエーテルジオール(a)に対し上記範囲内である];又は
(c') -CF(CF3)(OCFY)t'(OC3F6)u'-OR'fO-(C3F6O)u'(CFYO)t'CF(CF3)- (X)
[式中、R'fはC1-C8パーフルオロアルキレンであり;u'+t'は、数平均分子量が(パー)フルオロポリエーテルジオール(a)に対し上記範囲内であるような数であり;t'は0値であってもよく;Yは上記のとおりである];又は
(d') -CF2CF2O-(CF2(CF2)x'CF2O)v'-CF2CF2− (XI)
[式中、v'は、分子量が(パー)フルオロポリエーテルジオール(a)に対し上記範囲内であるような数であり、x'は1又は2に等しい整数である];又は
(e') -CF2CH2-(OCF2CF2CH2)w'-OR'fO-(CH2CF2CF2O)w'-CH2CF2- (XII)
[式中、R'fは上記のとおりであり;w'は、数平均分子量が(パー)フルオロポリエーテルジオール(a)に対し上記範囲内であるような数である];
二官能性パーフルオロポリエーテル類の成分a)の末端基は、-CH2-(OCH2CH2)k'-OH型[式中、k'は0〜5、好ましくは0〜2の数である]
のものである請求項3に記載の方法。 - 一官能性ヒドロキシル(パー)フルオロポリエーテル類の成分e)が、PFPEジオール成分a)で定義されるような1以上の(パー)フルオロオキシアルキレン単位からなる請求項1〜4に記載の方法。
- 成分e)が以下:
IB) A'O(C3F6O)m(CFYO)n-
[式中、Yは-F、-CF3であり;A'は-CF3、-C2F5、-C3F7、-CF2Cl、CF3CF(CF2Cl)-であり;C3F6O及びCFYO単位は、(パー)フルオロポリエーテル鎖に沿って無作為に分布し、m及びnは整数、m/n比は≧2である];
IIB) C3F7O(C3F6O)m-
[式中、mは、数平均分子量が成分(e)に対し上記に示される正の整数である];
IIIB) A'O(C3F6O)m(C2F4O)n(CFYO)q
[式中、Y及びA'は(IB)で定義されるとおりであり;m、n及びqは0とは異なり、数平均分子量が成分(e)に対し示されるような整数である];
末端基は、HO(CH2CH2O)x0CH2-型[式中、x0は0〜5、好ましくは0〜2の整数である]
から選択され、単位は鎖に沿って統計的に分布する請求項5に記載の方法。 - ポリウレタンが、ウェットエンド塗工によって用いられる請求項1〜6に記載の方法。
- ポリウレタンが、形成された紙シートに表面塗工、サイズプレス及び/又はコーティングで用いられる請求項1〜6に記載の方法。
- ポリウレタンが、スラリーの乾燥含量に対し0.2〜2重量%の範囲量でスラリーに添加される請求項7に記載の方法。
- スラリーが、有機及び無機充填材、支持剤、保持剤、凝集剤、緩衝系、殺菌剤、殺生物剤、金属イオン封鎖剤、接着剤及び/又はキレート剤を含む請求項7及び9に記載の方法。
- ポリウレタンの添加前に、固定剤がスラリーに添加される請求項7及び9〜10に記載の方法。
- 固定剤が、10,000〜5,000,000の分子量を有するカチオン性ポリマーである請求項11に記載の方法。
- コーティング塗工が、懸濁液に対し0.2〜2重量%濃度のポリウレタンでポリウレタンを含む懸濁液を用いて行われる請求項8に記載の方法。
- 使用される懸濁液が、無機充填剤、又はスチレン-ブタジエンコポリマー、アクリルコポリマー又は酢酸ビニル含有コポリマーベースのバインダーを含む請求項13に記載の方法。
- サイズプレス塗工において、0.2〜2重量%量のポリウレタンが紙上に載るような量で、ポリウレタンの水性懸濁液を用いる請求項8に記載の方法。
- 使用される懸濁液が、任意に機能化された澱粉、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、メラミン樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、アルデヒド基含有化合物、アクリル樹脂、スチレン-ブタジエンコポリマーから選択される支持剤を含む請求項15に記載の方法。
- 請求項1〜16に記載の(パー)フルオロポリエーテルポリウレタンで紙をサイズして得られる紙シート。
- 請求項9〜12に記載のセルローススラリー。
- 請求項13〜14に記載のコーティング懸濁液。
- 請求項15〜16に記載のサイズ-プレス用懸濁液。
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