JP4179590B2 - 回転電機におけるブラシホルダ固定構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両等に搭載される各種アクチュエータの駆動部等の回転電機におけるブラシホルダ固定構造技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種回転電機のなかには、一側面にブラシを支持するホルダ部が形成されたブラシホルダは、外径側に延出するフランジ部が形成されたヨークの筒端部と、該筒端部に突当てられるフロントブラケットとのあいだに配設される構成としたものがある。このようなものにおいて、ブラシホルダは樹脂材を用いて構成されるが、フロントブラケットは金属製の部材で形成されることがあり、これらをヨークに組込む場合では、予めブラシホルダとフロントブラケットとを一体化し、該一体化したものをヨークに組込むようにすることが提唱される。この場合に、一体化の手段としては、ブラシホルダをモールド成形する際にフロントブラケットとなる部位をインサートして形成したり、それぞれ別個に用意した部材をリベットや螺子を用いて一体化する手段等が知られている。
ところが、前者のものでは、インサート型が高価なため製品コストが上ってしまうという問題の他、フロントブラケットに設けられる回転軸の軸受とブラシを保持するホルダ部とのあいだの沿面距離が短いため、軸受として高温条件下で油が浸出する焼結含油軸受を用いた場合では、ブラシに油が付着してブラシを異常摩耗させてコンミテータのスリットを目詰りさせてしまうという問題がある。また、後者の場合では、組付け作業が面倒なうえ、部品点数が増加してコストアップを招来するという問題がある。
そこで、図9に示すように、各部材をそれぞれ別個に形成する一方、樹脂製ブラシホルダ11については、外周部に外径側に突出する突部11aを設け、該突部11aを、フロントブラケット12とヨーク13の筒端面13aとのあいだに挟持状に支持固定することが提唱される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、このものでは、金属製のフロントブラケット12とヨーク筒端面13aとのあいだの隙間に、樹脂製のブラシホルダ突部11aを挟み込む構成としているため、単にブラシホルダ11を挟み込んだだけでは確りとした固定にはならない。そこで、フロントブラケット12とヨーク筒端面13aとのあいだの隙間をブラシホルダ突部11aよりも大きく形成し、該大きな隙間に、突部11aとともにゴムパッキン14等の弾性材からなる充填材を介装させることで、ブラシホルダ11を押圧状に挟み込んで、ガタつきを抑えて位置ズレのない固定ができるようにしている。このため、ゴムパッキン14等の別部材が必要になって、組込み作業が煩雑になるうえコストアップしてしまうという問題がある。
さらには、回転電機を長期にわたって使用することにより繰り返し高温−低温環境下におかれたような場合に、金属材で形成されたフロントブラケットとヨークに対し樹脂材からなるブラシホルダに熱応力が発生し、高温環境下で膨張したブラシホルダが低温環境下でガタついてしまうという問題があるうえ、真円度が損なわれる等の樹脂クリープを促進する惧れがあって問題があり、ここに本発明が解決しようとする課題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の如き実情に鑑み、これらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、一端側面にブラシを支持するホルダ部が形成されたブラシホルダを、外径側に延出するフランジ部が形成されたヨークの他端側筒端面と、該ヨーク他端側筒端面に突当てられるフロントブラケットとのあいだに挟持状に支持固定するにあたり、前記ブラシホルダを、ヨーク筒内に嵌入する嵌入部と、該嵌入部外周の周回り方向複数箇所から、前記ヨーク他端側筒端面に当接するよう外径方向に突出する支持片部とを備えて形成し、フロントブラケットに、前記支持片部のヨーク他端側筒端面に当接する一端側面とは反対側の他端側面が外部に露出する状態で該支持片部を嵌入支持する切欠き部を形成した回転電機におけるブラシホルダ固定構造である。
そして、このようにすることにより、フロントブラケットとヨークとのあいだにブラシホルダを挟持状に支持するものでありながら、熱応力による影響を最小限にすることができて、温度変化があっても安定した支持固定ができる。
このものにおいて、本発明のヨーク筒端面と、ブラシホルダ支持片部のヨーク筒端面との当接面と、フロントブラケットの一端側面とは、略同一平面となる位置関係で配設されているものとすることができる。
さらに、このものにおいて、本発明のブラシホルダ嵌入部には、フロントブラケットに当接する当接面部が形成されているものとすることができる。
また、このものにおいて、本発明の当接面部は、ブラシホルダ支持片部の内径側部位に形成されているものとすることができる。
さらにまた、このものにおいて、本発明のブラシホルダは樹脂製とし、支持片部は、高温条件下での熱応力吸収部となっているものとすることができ、他部位の温度変化による熱膨張や収縮を低減できる。
さらに、このものにおいて、本発明の支持片部とヨーク筒端面とのあいだには、嵌入部をヨーク筒内側に押しやる曲げ力を付与するための曲げ力付与手段が設けられているものとすることができ、ブラシホルダの固定支持がより強固になる。
また、このものにおいて、本発明の曲げ力付与手段は、支持片部のヨーク当接面に形成された突出リブであるものとすることができる。
さらにまた、このものにおいて、本発明の突出リブは径方向に長く形成されているものとすることができる。
さらに、このものにおいて、本発明の支持片部は、径方向に対向して一対形成されているものとすることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図1〜図8の図面に基づいて説明する。
図面において、1は車両に搭載されるアクチュエータを構成する回転電機の回転軸であって、該回転軸(アーマチュア軸)1は、一端部が有底筒状のヨーク2底面の軸受部2aに軸受2bを介して回転自在に軸承され、他端部はヨーク2の筒開口端を覆蓋するべく配されるフロントブラケット3に配された軸受4を介して回転自在に軸承されている。そして、回転軸1の一端部側には、平板リング状のコア材を複数枚積層して構成されたアーマチュアコア5が一体的に外嵌され、該アーマチュアコア5にコイル6が巻装されている。また、回転軸1の他端側であってヨーク2開口端近傍部位には、コンミテータ7が一体的に外嵌されており、該コンミテータ7の外周面に周回り方向複数配されたセグメント7aのライザ7bに、前記コイル6の端部が接続されており、このようにして回転電機のアーマチュアが構成されている。
尚、8はヨーク2の内周面に止着される一対の永久磁石である。
【0006】
前記ヨーク2は、筒開口端部に外径側に延出するフランジ部2cが形成されているとともに、径方向に対向する周回り方向二箇所には、フランジ部2cから外径側に延出する状態で取付け片部2dが形成され、これら取付け片部2dに、螺子を挿通するための取付け孔2eがそれぞれ穿設されている。さらに、筒開口端部にはフロントブラケット3を仮支持するための折り曲げ片2fが、周回り方向四箇所において一体形成されている。尚、2g、2hは、それぞれ前記永久磁石8の軸方向および周回り方向の位置決めをするための位置決め突起であり、2iは一対の永久磁石8を弾性的に保持するマグネットスプリングである。
【0007】
また、前記フロントブラケット3は、ヨークフランジ部2c外径と略等しい外形を有した平板状に形成されており、外周からはヨーク取付け片部2dに対向して取付け片部3aが突出状に形成され、これら取付け片部3aに、前記ヨーク取付け孔2dと連通して螺子が取付けられる取付け孔3bがそれぞれ穿設されている。そして、フロントブラケット3の軸芯部に貫通された貫通孔は、孔縁から軸方向他端側に延出する筒部が一体形成された貫通筒孔3cに形成されており、該貫通筒孔3cに、前記軸受4を介して回転軸1の他端部が軸承されるように設定されている。さらに、フロントブラケット3の外周縁部には、取付け片部3aの周回り方向中間部に位置し、かつ、互いに径方向に対向する状態で矩形状に切欠かれた一対の切欠き部3dが形成されている。このとき、切欠き部3dは切欠き深さHに設定され、切欠き底片3e部位における内径R1は、ヨーク2の筒内周Rよりも小さくなるように設定されている。
【0008】
9は、フロントブラケット3の一端側面(ヨーク2対向側面)とヨークフランジ部2cとのあいだに配されるブラシホルダ9であって、該ブラシホルダ9は樹脂材で一体形成されており、ヨーク2に内嵌するべくヨーク2内径に相当する外径を有した嵌入部(本体部)9aには、軸芯部に位置して回転軸1が挿通するための貫通孔9bが開設されている。前記嵌入部9aは、内径側の肉薄部に対し、外径側に形成されるリング状の肉厚部9cが、軸方向他端側(ヨーク2の開口側)に変位するように一体形成されている。
【0009】
さらに、嵌入部9の軸方向一端側面には、径方向に対向して一対のホルダ部9dが形成されており、該ホルダ部9dにはブラシ10が摺動自在に収容され、ブラシ10の内径側端部がホルダ部9dから出没するように構成されている。そして、該ホルダ部9dの底面となる嵌入部9aの外径側部位には、他端側に突出する突当て面部9eが形成されている。この突当て面部9eは、外径側の肉厚部9cと一体、かつ、面一となるように形成されており、突当て面部9e部位における内径R2は、前記フロントブラケット切欠き部3dの底片3e部位における内径R1よりも小径となるように設定されている。
さらに、嵌入部9aのホルダ部9dに対して周回り方向に隣接する部位には、それぞれ端子支持部9fが軸方向に長く形成されており、これら端子支持部9fに、各ブラシ10に植設されたピグテール10aが接続する端子板10bがそれぞれ挿通支持されるように設定されている。尚、端子支持部9fの軸方向他端部は、フロントブラケット3に開設された端子引出孔3fに嵌入支持されており、端子板10bは絶縁状態で外部に引き出されるように構成されている。また、嵌入部9aのホルダ部9dに対し、端子支持部9f形成部位とは反対側部位には、弾機支持部9gが一端側に向けて突出形成されており、ここに、ブラシ10を内径側に向けて付勢するための捻り弾機(図示せず)が支持されるように設定されている。
尚、3gはブラシホルダ9の突起9jが無理嵌め状に嵌入される係合孔であって、該嵌入することによりブラシホルダ9とフロントブラケット3との抜止めができるように設定されている。
【0010】
さらに、ブラシホルダ9には、各ホルダ部9dの外径側部位に位置して本発明の支持片部9hがそれぞれ一体形成されている。つまり、ホルダ部9d形成部位の外径側の突当て面部9e部位から外径方向に延出し、かつ、他端側に突出する状態で支持片部9hが一体形成されている。そして、この支持片部9hは、ブラシホルダ9の他端側面にフロントブラケット3を突当てたとき、丁度切欠き部3dに嵌入する大きさに設定されており、支持片部9hの他端側への突出量は、フロントブラケット3の板厚Sと同寸法に設定されている一方、外径方向への突出量は、フロントブラケット切欠き部3dの切欠き深さHと同寸法に設定され、支持片部9hの一端側面がヨークフランジ部2cに当接するヨーク当接面となるように設定されている。そして、支持片部9h部位における外径はヨークフランジ部2c外径と同寸法となっている一方、内径はフロントブラケット切欠き部3dの底片3eにおける内径R1と同寸法となるように設定されており、支持片部9hの内径側に突当て面部9eが段差状に位置する位置関係となっている。これによって、フロントブラケット3を、切欠き部3d形成部位に支持片部9hを嵌入するようにしてブラシホルダ9に突当てたとき、フロントブラケット3外径側部位が肉厚部9cに突当たるとともに、切欠き部底片3e近傍部位が突当て面部9eに突当たるように設定されている。
さらに、各支持片部9hの前記ヨーク当接面には、径方向に長く突出するリブ9iが周回り方向に二本並列状に形成されている。
【0011】
このように形成されたヨーク2、ブラシホルダ9、フロントブラケット3において、ヨーク2とブラシホルダ9とは、ヨークフランジ部2cの他端側面と、ブラシホルダ肉厚部9cの他端側面とが面一となり、しかも、支持片部9hとヨークフランジ部2cとが当接する状態で組み込まれるように設定されている。そして、このブラシホルダ9が組み込まれた状態のヨーク2の筒開口端部に、フロントブラケット3を突当てて、ヨーク2側に形成された折り曲げ片2fをエンドブラケット3の他端側面においてカシメ付けることにより、これら各部材の組み込みがなされている。
この組み込み状態において、ブラシホルダ9は、支持片部9hがフロントブラケット3の切欠き部3dに嵌め込まれており、該嵌め込まれた持片部9hを介してヨーク2とフロントブラケット3とのあいだに挟み込まれる状態で組み込まれている。これによって、ブラシホルダ9は、支持片部9hがヨークフランジ部2cに突当てられることにより、軸方向の位置決めがなされ、さらに、支持片部9hがフロントブラケット切欠き部3dに嵌め込まれることにより、周回り方向の位置決めがなされるように設定されている。
因みに、この組込み状態において、ブラシホルダ9のホルダ部9dは、フロントブラケット3が突当てられる突当て面部9eとは、肉厚部9c肉厚分だけ軸方向一端側に変位した位置に形成されている。これによって、フロントブラケット3に支持される軸受4と、ホルダ部9d形成位置とのあいだにクリアランスが形成されるようになっている。
【0012】
さらに、前記組み込み状態において、ヨーク2筒端面であるフランジ部2cの他端側面と、ブラシホルダ9の支持片部9hの一端側面と、フロントブラケット3の一端側面とは、略同一平面となる位置関係となっており、フロントブラケット3は、ヨークフランジ部2c他端側面と、ブラシホルダ9の肉厚部9cおよび前記突当て面部9e等の当接面部とに当接するように設定されている。そしてこのとき、本実施の形態の支持片部9hのヨーク当接面には、ヨーク2側に突出する一対のリブ9iが形成されるている。該リブ9iは、本発明の曲げ力付与手段に相当しているが、本実施の形態においては、支持片部9hに外径方向に長い一対のリブ9iが周回り方向に並列して形成されている。このため、フロントブラケット3をヨークフランジ部2cおよびブラシホルダ9の当接面部に突当てたとき、支持片部9hには、前記支持片部リブ9iの突出分だけ他端側に押しやられるような方向の力が作用し、これによって、前記支持片部9hを他端側に押しやる力の反力として、嵌入部9aを、ヨーク2筒内側(一端側)に押しやる方向の力(曲げ力)が作用し、これによって、ブラシホルダ9がヨーク2とフロントブラケット3とのあいだに強固に保持されるように設定されている。
尚、この状態において、フロントブラケット3は、リング状の肉厚部9cとともに、支持片部9hの内径側部位の突当て面部9eとに当接するように設定されているため、フロントブラケット3とヨーク2とによるブラシホルダ9の挟持状の支持が一層強固になるうえ、嵌入部9aを一端側に押しやる方向の力が一層強く発生するようになっている。
【0013】
叙述の如く構成された本発明の実施の形態において、回転電機は、ヨーク2とフロントブラケット3とのあいだにブラシホルダ9を挟持状に保持するように組み込まれるが、この場合に、ブラシホルダ9には外径方向に突出してヨークフランジ部2cの他端側面に突当てられる支持片部9hが形成され、ヨークフランジ部2cに突当てられるフロントブラケット3には切欠き部3dが形成され、該切欠き部3dに支持片部9hを嵌入させる状態で挟持状の支持がなされている。このため、前述したように、ブラシホルダ9を、支持片部9hがヨークフランジ部2cに突当てられることにより軸方向の位置決めがなされ、さらに、支持片部9hが切欠き部3dに嵌め込まれることにより周回り方向の位置決めがなされた状態でヨーク2とフロントブラケット3とのあいだに支持できる。この結果、フロントブラケット3とブラシホルダと9とがそれぞれ別部品で構成されたものでありながら、ブラシホルダ9を位置決め状に支持することができる。さらにこのものでは、フロントブラケットとヨーク筒端面とのあいだに形成した隙間に、樹脂製のブラシホルダの外周に形成された突部を挟み込む構成とした従来のもののように、ゴムパッキン等の充填材を介装させる必要がないので組み込み作業の簡略化やコスト低下をも計ることができる。
【0014】
さらにこのものでは、本実施の形態のブラシホルダ9は樹脂製であるが、ヨークフランジ部2cの他端側面である筒端面と、ブラシホルダ支持片部9hのヨーク筒端面との当接面と、フロントブラケット3の一端側面とは、略同一平面となる位置関係で配設されており、支持片部9hは嵌入部9aとは軸方向に変位した部位に設けられている。しかも、ブラシホルダ9の支持片部9hは、周回り方向に間隙を存する状態で外径側に突出状に形成されており、かつ、図8(B)から明らかなように、支持片部9hのヨーク2との当接面である一端側面とは反対側の他端側面が外部に露出する構成となっている。このため、温度変化があった場合では、嵌入部9aとは軸方向に位置ズレした支持片部9hに熱応力が集中し、特に支持片部9hの露出側部位において熱膨張や収縮等がなされることになって、嵌入部9aに対する熱膨張や収縮の影響が低減されている。この結果、ブラシホルダの外周全域が挟持される従来のもののように、温度変化が大きい条件下で長期に使用したときにブラシホルダの支持状態がガタついてしまうような不具合がなくなり、ブラシホルダ9が位置ズレして真円性等が損なわれるような不具合を防止でき、長期にわたって優れた性能を保持することができる。
【0015】
さらにこのものでは、支持片部9hのヨークフランジ部2cとの当接面に曲げ力付与手段に相当する一対のリブ9iが形成されているうえ、ブラシホルダ9にはフロントブラケット3に突当てられる当接面部が支持片部9hの内径部位にまで形成されている。このため、フロントブラケット3をヨークフランジ部2cおよびブラシホルダ9の当接面部に突当てたとき、フロントブラケット3によるブラシホルダ9の一端側への押圧力(ヨーク2への押し付け力)は、ブラシホルダ9の外周部全域にわたってなされている。この結果、支持片部9hがリブ9iの突出分だけ他端側に押しやられる反力として、嵌入部9aをヨーク2筒内側(一端側)に押しやる曲げ力が一層大きく作用して、ヨーク2とフロントブラケット3とによるブラシホルダ9の保持力が強固になるとともに、ヨーク2の筒端部における封止性についても向上させることができる。
【0016】
因みに、支持片部9hの外径方向への突出量を長くすることにより、嵌入部9aへの曲げ力を大きくすることができるが、該曲げ力は、高温となる温度変化により熱応力と弾性率の低下のために減少し、このため、ブラシホルダ9の保持力が小さくなる。一方、前述したように、ブラシホルダ9は、温度変化による熱応力は支持片部9hにより吸収されるため、嵌入部9aにおける熱応力の影響は殆ど考慮する必要はない。これらのことから、ブラシホルダ9の支持片部9hの外方への突出量については、予め高温時での保持力を得るための曲げ力を基準として設定しておくことにより、ブラシホルダ9の必要な保持力を確保できる。
【0017】
尚、本発明は前記実施の形態に限定されないことは勿論であって、曲げ力付与手段としては、支持片部のヨーク当接面に形成されるリブを、周回り方向を向くように形成することもできる。このように、曲げ力付与手段は、支持片部とヨーク筒端面とのあいだに、支持片部を撓ませるような部材を設けることで構成することができ、これらのあいだに、例えば弾性材からなるスペーサを設けるような構成とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】回転電機の一部断面側面図である。
【図2】図2(A)、(B)はそれぞれ回転電機の正面図、背面図である。
【図3】図3(A)、(B)はそれぞれヨークの正面図、側面断面図である。
【図4】図4(A)、(B)、(C)はそれぞれフロントブラケットの正面図、図4(A)のX−X断面図、背面図である。
【図5】図5(A)、(B)、(C)はそれぞれブラシホルダの背面図、正面図、図5(A)におけるX矢視図である。
【図6】図6(A)、(B)、(C)はそれぞれ図5(A)のY−Y断面図、Z−Z断面図、図6(B)の要部拡大図である。。
【図7】図7(A)、(B)はそれぞれフロントブラケットにブラシホルダを組み込んだ状態の正面図、背面図である。
【図8】図8(A)、(B)はそれぞれ要部の断面図である。
【図9】従来例における要部の断面図である。
【符号の説明】
1 回転軸
2 ヨーク
3 フロントブラケット
4 軸受
7 コンミテータ
8 ブラシホルダ
9a 嵌入部
9d ホルダ部
9e 突当て面部
9h 支持片部
9i リブ
10 ブラシ

Claims (9)

  1. 一端側面にブラシを支持するホルダ部が形成されたブラシホルダを、外径側に延出するフランジ部が形成されたヨークの他端側筒端面と、該ヨーク他端側筒端面に突当てられるフロントブラケットとのあいだに挟持状に支持固定するにあたり、前記ブラシホルダを、ヨーク筒内に嵌入する嵌入部と、該嵌入部外周の周回り方向複数箇所から、前記ヨーク他端側筒端面に当接するよう外径方向に突出する支持片部とを備えて形成し、フロントブラケットに、前記支持片部のヨーク他端側筒端面に当接する一端側面とは反対側の他端側面が外部に露出する状態で該支持片部を嵌入支持する切欠き部を形成した回転電機におけるブラシホルダ固定構造。
  2. 請求項1において、ヨーク筒端面と、ブラシホルダ支持片部のヨーク筒端面との当接面と、フロントブラケットの一端側面とは、略同一平面となる位置関係で配設されている回転電機におけるブラシホルダ固定構造。
  3. 請求項1または2において、ブラシホルダ嵌入部には、フロントブラケットに当接する当接面部が形成されている回転電機におけるブラシホルダ固定構造。
  4. 請求項3において、当接面部は、ブラシホルダ支持片部の内径側部位に形成されている回転電機におけるブラシホルダ固定構造。
  5. 請求項1、2、3または4において、ブラシホルダは樹脂製とし、支持片部は、高温条件下での熱応力吸収部となっている回転電機におけるブラシホルダ固定構造。
  6. 請求項1、2、3、4または5において、支持片部とヨーク筒端面とのあいだには、嵌入部をヨーク筒内側に押しやる曲げ力を付与するための曲げ力付与手段が設けられている回転電機におけるブラシホルダ固定構造。
  7. 請求項6において、曲げ力付与手段は、支持片部のヨーク当接面に形成された突出リブである回転電機におけるブラシホルダ固定構造。
  8. 請求項7において、突出リブは径方向に長く形成されている回転電機におけるブラシホルダ固定構造。
  9. 請求項1、2、3、4、5、6、7または8において、支持片部は、径方向に対向して一対形成されている回転電機におけるブラシホルダ固定構造。
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