JP4179183B2 - 車輌の制動制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車輌の制動制御装置に係り、更に詳細には制動操作部材に対する運転者の制動操作量に基づき制動力を制御する制動制御装置に係る。
自動車等の車輌の制動制御装置の一つとして、例えば本願出願人の出願にかかる下記の特許文献1に記載されている如く、制動力制御手段により制動操作部材に対する運転者の制動操作量に基づき目標制動制御量を演算すると共に、目標制動制御量に基づき各車輪に設けられた制動力発生手段を制御する制動制御モードと、制動操作部材に対する運転者の操作力を制動力発生手段へ伝達させることにより制動力を発生する運転者制動モードとを有する車輌の制動制御装置であって、制動制御モードによる制動力の制御を継続できない異常状態を予測する異常状態予測手段と、異常状態が予測されたときには制動制御モードより運転者制動モードへ切り替えるモード切り替え手段を有し、制動力制御手段は制動制御モードより運転者制動モードへ切り替えられる前に運転者の制動操作量に対する制動力発生手段により発生される制動力の比を運転者制動モード時の比に近づけることを特徴とする車輌の制動制御装置が従来より知られている。
かかる制動制御装置によれば、制動制御モードによる制動力の制御を継続できない異常状態が予測されたときには、モード切り替え手段により制動制御モードより運転者制動モードへ切り替えられるが、制動制御モードより運転者制動モードへ切り替えられる前に制動力制御手段により運転者の制動操作量に対する制動力発生手段により発生される制動力の比が運転者制動モード時の比に近づけられるので、制動制御モードより運転者制動モードへ切り替えられる際に運転者の制動操作量に対する制動力発生手段により発生される制動力の比が急激に低下することを確実に防止することができる。
特開2002−178900号公報
一般に、異常状態が予測されたときには制動制御モードより運転者制動モードへ切り替えられる制動制御装置に於いては、異常状態が解除されると、制動制御モードによる制動制御が再開される必要がある。
しかし車輌が走行し運転者により制動操作が行われている状況にて作動モードが運転者制動モードより制動制御モードへ切り替えられると、運転者の制動操作量に対する制動力発生手段により発生される制動力の比が急激に高くなるため、各車輪の制動力が急激に高くなってしまい、制動制御モードの切り替えを円滑に異和感なく行うことができない。上述の如き従来の制動制御装置に於いては、この問題が考慮されておらず、この点で改善の余地がある。
本発明は、増力比が第一の比である第一のモードと増力比が第一の比よりも大きい第二の比である第二のモードとに切り替えられる制動装置を備えた車輌の制動制御装置に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な課題は、制動装置の作動モードが第一のモードより第二のモードへ切り替えられる際の制動力の急激な増大変化を防止することにより、第一のモードより第二のモードへの切り替えを円滑に異和感なく行うことである。
上述の主要な課題は、本発明によれば、請求項1の構成、即ち運転者の制動操作量に対する車輪の制動力の比を増力比として、前記増力比が第一の比である第一のモードと、前記増力比が前記第一の比よりも大きい第二の比である第二のモードとに切り替わる制動装置と、前記制動装置の作動モードを前記第一のモード及び前記第二のモードの何れに設定すべきかを判定するモード判定手段と、前記作動モードを前記モード判定手段により判定された作動モードに設定し運転者の制動操作量に基づき各車輪の制動力を制御する制御手段とを備えた車輌の制動制御装置にして、前記作動モードが前記第一のモードである状況にて車輌が走行状態にあり且つ運転者により制動操作が行われているときには、前記作動モードが前記第一のモードより前記第二のモードへ切り替えられることを禁止する切り替え禁止手段を有することを特徴とする車輌の制動制御装置によって達成される。
また上述の主要な課題は、本発明によれば、上記請求項1の構成の前提要件と同一の前提要件を有する車輌の制動制御装置にして、前記制動装置は左右前輪用の第一系統と左右後輪用の第二系統とよりなり、前記モード判定手段は前記第一系統及び前記第二系統の各々について作動モードを前記第一のモード及び前記第二のモードの何れに設定すべきかを判定し、前記制動制御装置は、前記第一系統及び前記第二系統の前記作動モードが前記第一のモードである状況にて車輌が走行状態にあるときには、運転者により制動操作が行われていなくても、前記第二系統の前記作動モードのみが前記第一のモードより前記第二のモードへ切り替えられることを禁止する切り替え禁止手段を有することを特徴とする車輌の制動制御装置(請求項2の構成)によって達成される。
また上述の主要な課題は、本発明によれば、上記請求項1の構成の前提要件と同一の前提要件を有する車輌の制動制御装置にして、前記制動装置は左前輪及び右後輪用の第一系統と右前輪及び左後輪用の第二系統とよりなり、前記モード判定手段は前記第一系統及び前記第二系統の各々について作動モードを前記第一のモード及び前記第二のモードの何れに設定すべきかを判定し、前記制動制御装置は、前記第一系統及び前記第二系統の前記作動モードが前記第一のモードであり、車輌が走行状態にあり且つ運転者により制動操作が行われているときには、前記第一系統及び前記第二系統の前記作動モードが同時に切り替え設定される場合を除き、前記第一系統又は前記第二系統の前記作動モードが前記第一のモードより前記第二のモードへ切り替えられることを禁止する切り替え禁止手段を有することを特徴とする車輌の制動制御装置(請求項3の構成)によって達成される。
また上述の主要な課題は、本発明によれば、上記請求項1の構成の前提要件と同一の前提要件を有する車輌の制動制御装置にして、前記制動装置は左前輪及び右後輪用の第一系統と右前輪及び左後輪用の第二系統とよりなり、前記モード判定手段は前記第一系統及び前記第二系統の各々について作動モードを前記第一のモード及び前記第二のモードの何れに設定すべきかを判定し、前記制動制御装置は、前記第一系統及び前記第二系統の一方の前記作動モードが前記第二のモードであり且つ他方の系統の前記作動モードが前記第一のモードである状況にて車輌が走行状態にあり且つ運転者により制動操作が行われているときには、他方の系統の前記作動モードが前記第一のモードより前記第二のモードへ切り替えられることを禁止する切り替え禁止手段を有することを特徴とする車輌の制動制御装置(請求項4の構成)によって達成される。
また上述の主要な課題は、本発明によれば、上記請求項1の構成の前提要件と同一の前提要件を有する車輌の制動制御装置にして、前記作動モードが前記第一のモードである状況にて車輌が走行状態にあり且つ運転者により制動操作が行われているときには、前記作動モードが前記第一のモードより前記第二のモードへ切り替えられることを禁止する切り替え禁止手段を有し、前記切り替え禁止手段は、車輌が停止状態にある状況若しくは運転者の制動操作量が基準値以下である状況に於いては前記第一のモードより前記第二のモードへの切り替えを禁止しないことを特徴とする車輌の制動制御装置(請求項10の構成)によって達成される。
また上述の主要な課題は、本発明によれば、上記請求項1の構成の前提要件と同一の前提要件を有する車輌の制動制御装置にして、前記作動モードが前記第一のモードである状況にて車輌が走行状態にあり且つ運転者により制動操作が行われているときには、前記作動モードが前記第一のモードより前記第二のモードへ切り替えられることを禁止する切り替え禁止手段を有し、前記切り替え禁止手段による前記作動モードの切り替え禁止は車輌が停止状態になったとき又は運転者の制動操作量が基準値以下になったときに解除されることを特徴とする車輌の制動制御装置(請求項11の構成)によって達成される。
また上述の主要な課題は、本発明によれば、請求項12の構成、即ち第一のモードと、運転者の制動操作量が同一の場合について見て車輪の制動力が前記第一のモードの値よりも大きい第二のモードとに切り替わる制動装置と、前記制動装置の作動モードを前記第一のモード及び前記第二のモードの何れに設定すべきかを判定するモード判定手段と、前記作動モードを前記モード判定手段により判定された作動モードに設定し運転者の制動操作量に基づき各車輪の制動力を制御する制御手段とを備えた車輌に於ける制動制御方法にして、前記作動モードが前記第一のモードである状況にて車輌が走行状態にあり且つ運転者により制動操作が行われているときには、前記作動モードが前記第一のモードより前記第二のモードへ切り替えられることを禁止することを特徴とする車輌の制動制御方法によって達成される。
また上述の主要な課題は、本発明によれば、上記請求項12の構成の前提要件と同一の前提要件を有する車輌の制動制御装置にして、前記制動装置は前輪用の第一系統と後輪用の第二系統とよりなり、前記モード判定手段は前記第一系統及び前記第二系統の各々について作動モードを前記第一のモード及び前記第二のモードの何れに設定すべきかを判定し、前記制動制御装置は、前記第一系統及び前記第二系統の前記作動モードが前記第一のモードであるときには、前記第一系統の前記作動モードが前記第一のモードより前記第二のモードへ切り替えられることが許容されるまで、前記第二系統の前記作動モードが前記第一のモードより前記第二のモードへ切り替えられることを禁止する切り替え禁止手段を有することを特徴とする車輌の制動制御装置(請求項13の構成)によって達成される。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1乃至4の何れか一つの構成に於いて、前記制動装置は各車輪に設けられた制動力発生手段を有し、前記制御手段は前記第一のモードに於いては制動操作部材に対する運転者の操作力を前記制動力発生手段へ伝達することにより前記第一の比にて制動力を発生するよう構成される(請求項の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1乃至5の何れか一つの構成に於いて、前記制御手段は前記第二のモードに於いては前記増力比が前記第二の比になるよう制動操作部材に対する運転者の操作力若しくは操作駆動量に基づいて各車輪の目標制動力を演算し、各車輪の制動力を前記目標制動力に制御するよう構成される(請求項の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項3乃至6の何れか一つの構成に於いて、前記切り替え禁止手段は、車輌が停止状態にある状況若しくは運転者の制動操作量が基準値以下である状況に於いては前記第一のモードより前記第二のモードへの切り替えを禁止しないよう構成される(請求項7の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項3乃至7の何れか一つの構成に於いて、前記切り替え禁止手段による前記作動モードの切り替え禁止は車輌が停止状態になったとき又は運転者の制動操作量が基準値以下になったときに解除されるよう構成される(請求項8の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項の構成に於いて、前記切り替え禁止手段による前記作動モードの切り替え禁止は車輌が停止状態になったときに解除されるよう構成される(請求項9の構成)。
上記請求項1の構成によれば、作動モードが第一のモードである状況にて車輌が走行状態にあり且つ運転者により制動操作が行われているときには、作動モードが第一のモードより第二のモードへ切り替えられることが禁止されるので、車輌が走行状態にあり且つ運転者により制動操作が行われている状況に於いて作動モードが第一のモードより第二のモードへ切り替えられることにより、運転者の制動操作量に対する制動力発生手段により発生される制動力の比が急激に高くなること及びこれに起因して各車輪の制動力が急激に高くなってしまうことを確実に防止することができ、これにより第一のモードより第二のモードへの作動モードの切り替えを円滑に異和感なく行うことができる。
また上記請求項2の構成によれば、制動装置は左右前輪用の第一系統と左右後輪用の第二系統とよりなり、モード判定手段は第一系統及び第二系統の各々について作動モードを第一のモード及び第二のモードの何れに設定すべきかを判定し、第一系統及び第二系統の作動モードが第一のモードである状況にて車輌が走行状態にあるときには、運転者により制動操作が行われていなくても、第二系統の作動モードのみが第一のモードより第二のモードへ切り替えられることが禁止されるので、第二系統の作動モードのみが第一のモードより第二のモードへ切り替えられることにより、運転者の制動操作量に対する制動力の比が左右後輪についてのみ高くなり、前輪に比して後輪の制動力が高くなって制動時の車輌の走行安定性が悪化することを確実に防止することができる。
また上記請求項3の構成によれば、制動装置は左前輪及び右後輪用の第一系統と右前輪及び左後輪用の第二系統とよりなり、モード判定手段は第一系統及び第二系統の各々について作動モードを第一のモード及び第二のモードの何れに設定すべきかを判定し、第一系統及び第二系統の作動モードが第一のモードであり、車輌が走行状態にあり且つ運転者により制動操作が行われているときには、第一系統及び第二系統の作動モードが同時に切り替え設定される場合を除き、第一系統又は第二系統の作動モードが第一のモードより第二のモードへ切り替えられることが禁止されるので、前輪に比して後輪の制動力が低く制御される場合にも、第一系統及び第二系統の一方の作動モードのみが第一のモードより第二のモードへ切り替えられることにより左右の制動力にアンバランスが生じること及びこれに起因する制動時の車輌の走行安定性の悪化を確実に防止することができる。
また上記請求項4の構成によれば、制動装置は左前輪及び右後輪用の第一系統と右前輪及び左後輪用の第二系統とよりなり、モード判定手段は第一系統及び第二系統の各々について作動モードを第一のモード及び第二のモードの何れに設定すべきかを判定し、第一系統及び第二系統の一方の作動モードが第二のモードであり且つ他方の系統の作動モードが第一のモードである状況にて車輌が走行状態にあり且つ運転者により制動操作が行われているときには、他方の系統の作動モードが第一のモードより第二のモードへ切り替えられることが禁止されるので、前輪に比して後輪の制動力が低く制御される場合にも、他方の作動モードが第一のモードより第二のモードへ切り替えられることにより左右の制動力のバランスが急激に変化すること及びこれに起因して作動モードの切り替え時に車輌の走行安定性が悪化することを確実に防止することができる。
また上記請求項の構成によれば、制動装置は各車輪に設けられた制動力発生手段を有し、制御手段は第一のモードに於いては制動操作部材に対する運転者の操作力を制動力発生手段へ伝達することにより第一の比にて制動力を発生するので、制動装置の作動モードが第二のモードであるときには各車輪の制動力を制動操作部材に対する運転者の操作力よりも確実に高くすることができる。
また上記請求項の構成によれば、第二のモードに於いては増力比が第二の比になるよう制動操作部材に対する運転者の操作力若しくは操作駆動量に基づいて各車輪の目標制動力が演算され、各車輪の制動力が目標制動力に制御されるので、制動装置の作動モードが第二のモードであるときには各車輪の制動力を制動操作部材に対する運転者の操作力よりも高く且つ制動操作部材に対する運転者の制動操作量に対応する制動力に確実に制御することができる。
また上記請求項7の構成によれば、車輌が停止状態にある状況若しくは運転者の制動操作量が基準値以下である状況に於いては第一のモードより第二のモードへの切り替えは禁止されないので、作動モードが切り替えられても車輪の制動力が実質的に変化しない状況に於いては、作動モードを速やかに第一のモードより第二のモードへ切り替えることができる。
また上記請求項8の構成によれば、作動モードの切り替え禁止は車輌が停止状態になったとき又は運転者の制動操作量が基準値以下になったときに解除されるので、車輌が停止状態になったとき又は運転者の制動操作量が基準値以下になったときには、換言すれば作動モードが切り替えられても車輪の制動力が実質的に変化しない状況になったときには、確実に作動モードを第一のモードより第二のモードへ切り替えることができる。
また上記請求項9の構成によれば、作動モードの切り替え禁止は車輌が停止状態になったときに解除されるので、上記請求項8の構成の場合と同様、確実に作動モードを第一のモードより第二のモードへ切り替えることができる。
また上記請求項10の構成によれば、上記請求項1の構成の場合と同様、車輌が走行状態にあり且つ運転者により制動操作が行われている状況に於いて作動モードが第一のモードより第二のモードへ切り替えられることにより、各車輪の制動力が急激に高くなってしまうことを確実に防止することができ、これにより第一のモードより第二のモードへの作動モードの切り替えを円滑に異和感なく行うことができ、また上記請求項7の構成の場合と同様、作動モードが切り替えられても車輪の制動力が実質的に変化しない状況に於いては、作動モードを速やかに第一のモードより第二のモードへ切り替えることができる。
また上記請求項11の構成によれば、上記請求項1の構成の場合と同様、車輌が走行状態にあり且つ運転者により制動操作が行われている状況に於いて作動モードが第一のモードより第二のモードへ切り替えられることにより、各車輪の制動力が急激に高くなってしまうことを確実に防止することができ、これにより第一のモードより第二のモードへの作動モードの切り替えを円滑に異和感なく行うことができ、また上記請求項8の構成の場合と同様、車輌が停止状態になったとき又は運転者の制動操作量が基準値以下になったときには、換言すれば作動モードが切り替えられても車輪の制動力が実質的に変化しない状況になったときには、確実に作動モードを第一のモードより第二のモードへ切り替えることができる。
また上記請求項12の構成によれば、上記請求項1の構成の場合と同様、作動モードが第一のモードである状況にて車輌が走行状態にあり且つ運転者により制動操作が行われているときには、作動モードが第一のモードより第二のモードへ切り替えられることが禁止されるので、車輌が走行状態にあり且つ運転者により制動操作が行われている状況に於いて作動モードが第一のモードより第二のモードへ切り替えられることにより、各車輪の制動力が急激に高くなってしまうことを確実に防止することができ、これにより第一のモードより第二のモードへの作動モードの切り替えを円滑に異和感なく行うことができる。
また上記請求項13の構成によれば、前輪用の第一系統及び後輪用の第二系統の作動モードが第一のモードであるときには、第一系統の作動モードが第一のモードより第二のモードへ切り替えられることが許容されるまで、第二系統の作動モードが第一のモードより第二のモードへ切り替えられることが禁止されるので、作動モードの切り替えに伴って後輪の制動力が前輪の制動力よりも高くなること及びこれに起因して作動モードの切り替え時に車輌の走行安定性が悪化することを確実に防止することができる。
[課題解決手段の好ましい態様]
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至13の何れか一つの構成に於いて、モード判定手段は第二のモードにて正常な制動力制御を行うことができない状況になると作動モードを第一のモードに切り替え設定すべきと判定し、作動モードが第一のモードにあるときに第二のモードにて正常な制動力制御を行うことができる状況になると作動モードを第一のモードより第二のモードへ切り替え設定すべきと判定するよう構成される(好ましい態様1)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様1の構成に於いて、モード判定手段は制動装置を駆動する電源の電圧が正常ではなくなると作動モードを第一のモードに切り替え設定すべきと判定し、作動モードが第一のモードにあるときに制動装置を駆動する電源の電圧が正常になると作動モードを第一のモードより第二のモードへ切り替え設定すべきと判定するよう構成される(好ましい態様2)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様2の構成に於いて、電源はメイン電源とサブ電源とよりなり、制動装置はメイン電源の電圧が正常であるときにはメイン電源により駆動されると共に、メイン電源の電圧が正常ではないときにはサブ電源により駆動され、モード判定手段はメイン電源の電圧が正常ではなくなると作動モードを第一のモードに切り替え設定すべきと判定し、作動モードが第一のモードにあるときにメイン電源の電圧が正常になると作動モードを第一のモードより第二のモードへ切り替え設定すべきと判定するよう構成される(好ましい態様3)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様2の構成に於いて、電源は対応する車輪について制動装置を駆動する複数個の電源ユニットよりなり、モード判定手段は何れかの電源ユニットの電圧が正常ではなくなると作動モードを第一のモードに切り替え設定すべきと判定し、作動モードが第一のモードにあるときに全ての電源ユニットの電圧が正常になると作動モードを第一のモードより第二のモードへ切り替え設定すべきと判定するよう構成される(好ましい態様4)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至9の何れか一つの構成に於いて、切り替え禁止手段は前輪の車輪速度が基準値以上であり若しくは後輪の車輪速度が基準値以上であるときに車輌が走行状態にあると判定するよう構成される(好ましい態様5)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様5の構成に於いて、切り替え禁止手段は左右前輪の車輪速度の少なくとも一方又はその平均値が基準値以上であり且つ左右後輪の車輪速度の少なくとも一方又はその平均値が基準値以上であるときに車輌が走行状態にあると判定するよう構成される(好ましい態様6)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至9の何れか一つの構成に於いて、切り替え禁止手段は制動操作部材に対する運転者の操作力若しくは操作駆動量が基準値以上であるときに運転者により制動操作が行われていると判定するよう構成される(好ましい態様7)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至9の何れか一つの構成に於いて、切り替え禁止手段は作動モードが第二のモードである状況にて車輌が走行状態にあり且つ運転者により制動操作が行われているときには、作動モードが第二のモードより第一のモードへ切り替えられることを禁止するよう構成される(好ましい態様8)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項の構成に於いて、制動装置は各車輪の制動圧を制御することにより制動力を制御し、制動操作部材はマスタシリンダを含み、制動装置は作動モードが第一のモードにあるときには各車輪の制動圧をマスタシリンダ内の圧力にし、作動モードが第二のモードにあるときには高圧源よりの圧力を使用して各車輪の制動圧をマスタシリンダ内の圧力よりも高い圧力に制御するよう構成される(好ましい態様9)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項の構成に於いて、制御手段は制動操作部材に対する運転者の操作力若しくは操作駆動量に基づいて各車輪の目標制動圧を演算し、各車輪の制動圧が目標制動圧になるよう制御するよう構成される(好ましい態様10)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項の構成に於いて、切り替え禁止手段は、車輌が走行状態にあっても運転者により制動操作が行われていないときには、第一系統の作動モードのみが第一のモードより第二のモードへ切り替え設定されること及び第一系統及び第二系統の作動モードが同時に第一のモードより第二のモードへ切り替え設定されることを許可するよう構成される(好ましい態様11)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項の構成に於いて、切り替え禁止手段は、第一系統及び第二系統の作動モードが第二のモードであるときには、車輌が走行状態になく若しくは運転者により制動操作が行われていなくても、第一系統及び第二系統の作動モードが同時に切り替え設定される場合を除き、第一系統又は第二系統の作動モードが第二のモードより第一のモードへ切り替えられることを禁止するよう構成される(好ましい態様12)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項の構成に於いて、切り替え禁止手段は、第一系統及び第二系統の一方の作動モードが第二のモードであり且つ他方の系統の作動モードが第一のモードである状況にて車輌が走行状態になく若しくは運転者により制動操作が行われていないときには、他方の系統の作動モードが第一のモードより第二のモードへ切り替えられることを許可するよう構成される(好ましい態様13)。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を好ましい実施例について詳細に説明する。
図1は前輪系統と後輪系統とよりなる制動装置を備えた車輌に適用された本発明による車輌の制動制御装置の実施例1の油圧回路を示す概略構成図、図2は実施例1の電子制御装置を示すブロック線図である。尚図1に於いては、簡略化の目的で各電磁開閉弁のソレノイドは省略されている。
図1に於いて、10は電気的に制御される油圧式の制動装置を示しており、制動装置10は運転者によるブレーキペダル12の踏み込み操作に応答してブレーキオイルを圧送するマスタシリンダ14を有している。ブレーキペダル12とマスタシリンダ14との間にはドライストロークシミュレータ16が設けられている。
マスタシリンダ14は第一のマスタシリンダ室14Aと第二のマスタシリンダ室14Bとを有し、これらのマスタシリンダ室にはそれぞれブレーキ油圧供給導管18及び20の一端が接続されている。ブレーキ油圧制御導管20及び18の他端にはそれぞれ左前輪及び右前輪の制動力を制御するホイールシリンダ22FL及び22FRが接続されている。
ブレーキ油圧供給導管18及び20の途中にはそれぞれ常開型の電磁開閉弁(マスタカット弁)24A及び24Bが設けられ、電磁開閉弁24A及び24Bはそれぞれ第一のマスタシリンダ室14A及び第二のマスタシリンダ室14Bと対応するホイールシリンダとの連通を制御する遮断装置として機能する。またマスタシリンダ14と電磁開閉弁24Bとの間のブレーキ油圧供給導管20には常閉型の電磁開閉弁26を介してウェットストロークシミュレータ28が接続されている。
マスタシリンダ14にはリザーバ30が接続されており、リザーバ30には油圧供給導管32の一端が接続されている。油圧供給導管32の途中には電動機34により駆動されるオイルポンプ36が設けられており、オイルポンプ36の吐出側の油圧供給導管32には高圧の油圧を蓄圧するアキュムレータ38が接続されている。リザーバ30とオイルポンプ36との間の油圧供給導管32には油圧排出導管40の一端が接続されている。
オイルポンプ36の吐出側の油圧供給導管32は、油圧制御導管42により電磁開閉弁24Bとホイールシリンダ22FLとの間のブレーキ油圧供給導管20に接続され、油圧制御導管44により電磁開閉弁24Aとホイールシリンダ22FRとの間のブレーキ油圧供給導管18に接続され、油圧制御導管46により左後輪用のホイールシリンダ22RLに接続され、油圧制御導管48により右後輪用のホイールシリンダ22RRに接続されている。
油圧制御導管42、44、46、48の途中にはそれぞれ常閉型の電磁開閉弁50FL、50FR、50RL、50RRが設けられている。電磁開閉弁50FL、50FR、50RL、50RRに対しホイールシリンダ22FL、22FR、22RL、22RRの側の油圧制御導管42、44、46、48はそれぞれ油圧制御導管52、54、56、58により油圧排出導管40に接続されており、油圧制御導管52、54、56、58の途中にはそれぞれ電磁開閉弁60FL、60FR、60RL、60RRが設けられている。
電磁開閉弁50FL、50FR、50RL、50RRはそれぞれホイールシリンダ22FL、22FR、22RL、22RRに対する増圧制御弁として機能し、電磁開閉弁60FL、60FR、60RL、60RRはそれぞれホイールシリンダ22FL、22FR、22RL、22RRに対する減圧制御弁として機能し、従ってこれらの電磁開閉弁は互いに共働してアキュムレータ38内より各ホイールシリンダに対する高圧のオイルの給排を制御することにより対応するするホイールシリンダ内圧力を増減する調圧装置を構成している。
図1に示されている如く、第一のマスタシリンダ室14Aと電磁開閉弁24Aとの間のブレーキ油圧制御導管18には該制御導管内の圧力を第一のマスタシリンダ圧力Pm1として検出する圧力センサ66が設けられている。同様に第二のマスタシリンダ室14Bと電磁開閉弁24Bとの間のブレーキ油圧制御導管20には該制御導管内の圧力を第二のマスタシリンダ圧力Pm2として検出する圧力センサ68が設けられている。
ブレーキペダル12には運転者によるブレーキペダルの踏み込みストロークStを検出するストロークセンサ70が設けられ、オイルポンプ34の吐出側の油圧供給導管32には該導管内の圧力をアキュムレータ圧力Paとして検出する圧力センサ72が設けられている。
それぞれ電磁開閉弁24A及び24Bとホイールシリンダ22FR及び22FLとの間のブレーキ油圧供給導管18及び20には、対応する導管内の圧力をホイールシリンダ22FR及び22FL内の圧力Pfr、Pflとして検出する圧力センサ74FR及び74FLが設けられている。またそれぞれ電磁開閉弁50RL及び50RRとホイールシリンダ22RL及び22RRとの間の油圧制御導管46及び48には、対応する導管内の圧力をホイールシリンダ22RL及び22RR内の圧力Prl、Prrとして検出する圧力センサ74RL及び74RRが設けられている。
電磁開閉弁24A及び24B、電磁開閉弁26、電動機34、電磁開閉弁50FL、50FR、50RL、50RR、電磁開閉弁60FL、60FR、60RL、60RRは後に詳細に説明する如く電子制御装置76により制御される。電子制御装置76はマイクロコンピュータ78と駆動回路80と電源82とよりなっている。
特に図示の実施例に於いては、電源82はメイン電源84とサブ電源86とリレー回路88とを有し、図2には詳細に示されていないがメイン電源84及びサブ電源86はそれぞれバッテリ、オルタネータ等を含み、メイン電源84はサブ電源86よりも大きい充電容量を有している。リレー回路88はメイン電源84の電圧Vemが基準値Vemh(正の定数)以上であるときにはメイン電源84より電磁開閉弁24A等へ駆動電流を供給し(通常モード)、メイン電源84の電圧Vemが基準値Vemh未満であるときにはサブ電源86より電磁開閉弁24A等へ駆動電流を供給する(バックアップモード)。
また各電磁開閉弁及び電動機34に駆動電流が供給されない非制御時には電磁開閉弁24A及び24Bは開弁状態に維持され、電磁開閉弁26、電磁開閉弁50FL、50FR、50RL、50RR、電磁開閉弁60FL、60FR、60RL、60RRは閉弁状態に維持され、これによりブレーキ装置10は左右前輪のホイールシリンダ22FL及び22FR内の圧力がマスタシリンダ14内の圧力により制御される運転者制動モード(第一のモード)に設定される。
尚図2には詳細に示されていないが、マイクロコンピュータ78は例えば中央処理ユニット(CPU)と、リードオンリメモリ(ROM)と、ランダムアクセスメモリ(RAM)と、入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続された一般的な構成のものであってよい。
マイクロコンピュータ78の入出力ポート装置には、圧力センサ66及び68よりそれぞれ第一のマスタシリンダ圧力Pm1及び第二のマスタシリンダ圧力Pm2を示す信号、ストロークセンサ70よりブレーキペダル12の踏み込みストロークStを示す信号、圧力センサ72よりアキュムレータ圧力Paを示す信号、圧力センサ74FL〜74RRよりそれぞれホイールシリンダ22FL〜22RR内の圧力Pi(i=fl、fr、rl、rr)を示す信号、リレー回路88より電源82による駆動電流の供給が通常モード及びバックアップモードの何れであるかを示す信号がそれぞれ入力されるようになっている。
マイクロコンピュータ78のROMは後述の如く図3乃至図6に示された制御フローを記憶しており、電源82による駆動電流の供給が通常モードであるときには、CPUは上述の圧力センサ66、68により検出されたマスタシリンダ圧力Pm1、Pm2及びストロークセンサ70より検出された踏み込みストロークStに基づき車輌の最終目標減速度Gtを演算し、最終目標減速度Gtに基づき各輪の目標制動圧Pti(i=fl、fr、rl、rr)を演算し、各輪のホイールシリンダ圧力が目標制動圧Ptiになるよう制御する(制動制御モード、即ち第二のモード)。
尚目標制動圧Ptiはマスタシリンダ14内の圧力よりも高く、従って作動モードが制動制御モードであるときのマスタシリンダ14内の圧力に対するホイールシリンダ圧力の比は、作動モードが運転者制動モードであるときのマスタシリンダ14内の圧力に対するホイールシリンダ圧力の比(1である)よりも大きい。また運転者の制動操作量が基準値以上であるときには、左右後輪の目標制動圧Ptrl、Ptrrは左右前輪の目標制動圧Ptfl、Ptfrよりも低く演算される。
特に図示の実施例1に於いては、左右前輪のホイールシリンダ22FL及び22FR、電磁開閉弁50FL及び50FR、電磁開閉弁60FL及び60FR、電磁開閉弁24A及び24B等は左右前輪の制動力を制御する第一系統としての前輪系統を構成しており、左右前輪の両方の制動力を制動制御モードにて正常に制御することができないか又はその虞れがあるか否かに応じて、左右前輪の作動モードが同時に運転者制動モードと制動制御モードとの間に切り替えられる。尚前輪系統の作動モードが運転者制動モードであるときには、左右後輪のホイールシリンダ22RL、22RR内の圧力は左右前輪のホイールシリンダ22FL、22FR内の圧力と同一の圧力に制御され、左右後輪のホイールシリンダ22RL、22RR内の圧力を左右前輪のホイールシリンダ22FL、22FR内の圧力と同一の圧力に制御することができないときには、電磁開閉弁50RL及び50RRは閉弁状態に維持され、電磁開閉弁60RL及び60RRは開弁状態に維持される。
同様に、左右後輪のホイールシリンダ22RL及び22RR、電磁開閉弁50RL及び50RR、電磁開閉弁60RL及び60RR等は左右後輪の制動力を制御する第二系統としての後輪系統を構成しており、左後輪若しくは右後輪の制動力を制動制御モードにて正常に制御することができないか又はその虞れがあるか否かに応じて、それぞれ左後輪若しくは右後輪の作動モードが運転者制動モードと制動制御モードとの間に切り替えられる。尚後輪系統の作動モードが運転者制動モードであるときにも、前輪系統が正常であれば、前輪系統の作動モードは制動制御モードに維持される。
電子制御装置76は制動装置10の前輪系統若しくは後輪系統の作動モードが運転者制動モードにあるときには、当該系統の制動力を制動制御モードにて正常に制御し得る状況になったか否か、即ち作動モードを制動制御モードへ復帰させてよいか否かを判定し、作動モードを制動制御モードへ復帰させてよいと判定しても、車輌が走行状態にあり且つ運転者により制動操作が行われているときには、作動モードを制動制御モードへ復帰させず、車輌が走行状態にない場合又は運転者により制動操作が行われていないときには、作動モードを制動制御モードへ復帰させることにより、制動装置10の作動モードが運転者制動モードより制動制御モードへ切り替え設定される際の制動圧の急増を防止し、これにより運転者制動モードより制動制御モードへの切り替えを円滑に異和感なく行う。
また電子制御装置76は前輪系統及び後輪系統の作動モードが運転者制動モードにある状況に於いて、後輪系統の作動モードを制動制御モードへ復帰させてよいと判定しても、車輌が走行状態にあるときには、運転者により制動操作が行われているか否かに拘らず、後輪系統の作動モードのみが制動制御モードへ復帰することを禁止し、これにより左右前輪に比して左右後輪の制動力が高くなって制動時の車輌の走行安定性が悪化することを防止する。
次に図3及び図4に示されたフローチャートを参照して図示の実施例1に於ける制動力制御について説明する。尚図3及び図4に示されたフローチャートによる制御は図には示されていないイグニッションスイッチがオンに切り換えられることにより制動制御モードにて開始され、所定の時間毎に繰返し実行される。また図3に於いて、フラグFf及びFrはそれぞれ前輪系統及び後輪系統の作動モードを制動制御モードに設定することが禁止されているか否かに関するものであり、1は作動モードを制動制御モードに設定することが禁止されていることを意味する。
まずステップ10に於いては圧力センサ66により検出された第一のマスタシリンダ圧力Pm1を示す信号等の読み込みが行われ、ステップ20に於いては図4に示されたルーチンに従って運転者の制動操作量に基づき車輌の最終目標減速度Gtが演算される共に、最終目標減速度Gtに基づき各車輪の目標制動圧(目標ホイールシリンダ圧力)Pti(i=fl、fr、rl、rr)が演算される。
ステップ40に於いては第一系統である前輪系統の作動モードが制動制御モードであるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ70へ進み、否定判別、即ち前輪系統の作動モードが運転者制動モードである旨の判別が行われたときにはステップ50へ進む。
ステップ50に於いてはフラグFfが0であるか否かの判別、即ち前輪系統の作動モードを運転者制動モードより制動制御モードへ移行させる必要があるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのままステップ100へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ60に於いて前輪系統の作動モードが制動制御モードに切り替え設定される。
ステップ70に於いてはフラグFfが1であるか否かの判別、即ち前輪系統の作動モードを制動制御モードより運転者制動モードへ移行させる必要があるかの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ90へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ80に於いて前輪系統の作動モードが制動制御モードより運転者制御モードに切り替え設定される。
ステップ90に於いては左右前輪の制動圧Pfl及びPfrがそれぞれ対応する目標制動圧Ptfl及びPtfrになるよう制御されることにより、左右前輪の制動力が運転者の制動操作量に応じて制御される。
同様に、ステップ100に於いては第二系統である後輪系統の作動モードが制動制御モードであるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ130へ進み、否定判別、即ち後輪系統の作動モードが運転者制動モードである旨の判別が行われたときにはステップ110へ進む。
ステップ110に於いてはフラグFrが0であるか否かの判別、即ち後輪系統の作動モードを運転者制動モードより制動制御モードへ移行させる必要があるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのままステップ10へ戻り、肯定判別が行われたときにはステップ120に於いて後輪系統の作動モードが制動制御モードに切り替え設定される。
ステップ130に於いてはフラグFrが1であるか否かの判別、即ち後輪系統の作動モードを制動制御モードより運転者制動モードへ移行させる必要があるかの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ150へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ140に於いて後輪系統の作動モードが制動制御モードより運転者制御モードに切り替え設定される。
ステップ150に於いては左右後輪の制動圧Prl及びPrrがそれぞれ対応する目標制動圧Ptrl及びPtrrになるよう制御されることにより、左右後輪の制動力が運転者の制動操作量に応じて制御される。
上記ステップ20に於いて実行される図4の目標減速度Gt演算ルーチンのステップ42に於いては、ストロークセンサ70により検出された踏み込みストロークStに基づき図7に示されたグラフに対応するマップより踏み込みストロークに基づく目標減速度Gstが演算され、ステップ24に於いては第一のマスタシリンダ圧力Pm1及び第二のマスタシリンダ圧力Pm2の平均値Pmaが演算されると共に、該平均値Pmaに基づき図8に示されたグラフに対応するマップよりマスタシリンダ圧力に基づく目標減速度Gptが演算される。
ステップ26に於いては目標減速度Gptに基づき図9に示されたグラフに対応するマップより目標減速度Gstに対する重みα(0≦α≦1)が演算され、ステップ28に於いては下記の式1に従って目標減速度Gpt及び目標減速度Gstの重み付け和として最終目標減速度Gtが演算される。尚図示の実施例に於いては、重みαは0≦α≦1を満たす範囲にて設定されるが、その最大値は1に限定されるものではなく、0以上1以下の任意の値であってよい。
Gt=αGst+(1−α)Gpt ……(1)
ステップ30に於いては最終目標減速度Gtに対する各輪の目標制動圧(目標ホイールシリンダ圧力)の係数をKi(i=fl、fr、rl、rr)として、最終目標減速度Gtに基づき下記の式2に従って各車輪の目標制動圧Pti(i=fl、fr、rl、rr)が演算される。
Pti=KiGt ……(2)
次に図5及び図6に示されたフローチャートを参照して図示の実施例1に於ける作動モードの移行可否判定制御及び制動制御モード設定許可判定制御について説明する。尚図5及び図6に示されたフローチャートによる制御も図には示されていないイグニッションスイッチがオンに切り換えられることにより開始され、所定の時間毎に繰返し割り込みにより実行される。
図5に示された作動モードの移行可否判定ルーチンのステップ210に於いては、例えば図には示されていない車輪速度センサにより検出される左右前輪の車輪速度Vwfl及びVwfrの少なくとも一方若しくはこれらの平均値が基準値Vwfo(正の定数)以上であるか否かの判別により、前輪が車輌走行状態にあるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ230へ進み、否定判別が行われたときにはステップ220へ進む。
ステップ220に於いては例えば図には示されていない車輪速度センサにより検出される左右後輪の車輪速度Vwrl及びVwrrの少なくとも一方若しくはこれらの平均値が基準値Vwro(正の定数)以上であるか否かの判別により、後輪が車輌走行状態にあるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ240へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ230へ進む。
ステップ230に於いては例えばマスタシリンダ圧力の平均値Pma若しくは踏み込みストロークStがそれぞれ対応する基準値以上であるか否かの判別により運転者により制動操作が行われているか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ240に於いて制動装置10の作動モードの移行が可能である旨の判定が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ250に於いて作動モードの移行が不可である旨の判定が行われる。
また図6に示された制動制御モード設定許可判定ルーチンのステップ310に於いてはフラグFf及びFrがそれぞれ0にリセットされ、ステップ320に於いては制動装置10の第一系統(前輪系統)の何れかの箇所に制動制御モードにて正常な制動力制御を実行することができない異常又はその虞れが生じているか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ360へ進み、否定判別が行われたときにはステップ330へ進む。
ステップ330に於いては図5に示されたルーチンにより制動装置10の作動モードの移行が可能であると判定されたか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ360に於いてフラグFfが1にセットされ、即ち前輪系統の作動モードが制動制御モードに設定されることが禁止され、肯定判別が行われたときにはステップ370に於いてフラグFfが0にリセットされる。
ステップ380に於いては制動装置10の第二系統(後輪系統)の何れかの箇所に制動制御モードにて正常な制動力制御を実行することができない異常又はその虞れが生じているか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ420へ進み、否定判別が行われたときにはステップ390へ進む。
尚第一系統及び第二系統の何れについても、何れかの箇所に制動制御モードにて正常な制動力制御を実行することができない異常又はその虞れが生じているか否かの判別は、例えば電源82がバックアップ状態にあるか否かの判別、即ちメイン電源84の電圧Vemが基準値Vemc未満であり電磁開閉弁50FL等への駆動電流の供給がサブ電源86よりリレー回路88を経て行われているか否かの判別により行われてよい。
ステップ390に於いては図5に示されたルーチンにより制動装置10の作動モードの移行が可能であると判定されたか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ420へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ410へ進む。
ステップ410に於いては、フラグFfが0であるか否かの判別、即ち前輪系統の作動モードを制動制御モードに設定することが許可されているか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ420に於いてフラグFrが1にセットされ、即ち後輪系統の作動モードが制動制御モードに設定されることが禁止され、肯定判別が行われたときにはステップ430に於いてフラグFrが0にリセットされる。
かくして図示の実施例1によれば、ステップ20に於いて運転者の制動操作量に基づき各車輪の目標制動圧Ptiが演算され、ステップ40に於いて前輪系統の作動モードが制動制御モードであると判別され、ステップ70に於いて前輪系統の作動モードを制動制御モードより運転者制動モードへ移行させる必要がないと判別されると、ステップ90に於いて左右前輪の制動圧Pfl及びPfrがそれぞれ対応する目標制動圧Ptfl及びPtfrになるよう制御される。またステップ100に於いて後輪系統の作動モードが制動制御モードであると判別され、ステップ130に於いて後輪系統の作動モードを制動制御モードより運転者制動モードへ移行させる必要がないと判別されると、ステップ150に於いて左右後輪の制動圧Prl及びPrrがそれぞれ対応する目標制動圧Ptrl及びPtrrになるよう制御される。
またテップ40に於いて前輪系統の作動モードが運転者制動モードであると判別され、ステップ50に於いてフラグFfが1であり前輪系統の作動モードを運転者制動モードより制動制御モードへ移行させることができないと判別されると、前輪系統の作動モードが運転者制動モードに維持されるが、ステップ50に於いてフラグFfが0であり前輪系統の作動モードを運転者制動モードより制動制御モードへ移行させる必要があると判別されると、ステップ60に於いて前輪系統の作動モードが制動制御モードに切り替え設定される。
同様に、ステップ100に於いて後輪系統の作動モードが運転者制動モードであると判別され、ステップ110に於いてフラグFrが1であり後輪系統の作動モードを運転者制動モードより制動制御モードへ移行させることができないと判別されると、後輪系統の作動モードが運転者制動モードに維持されるが、ステップ110に於いてフラグFrが0であり後輪系統の作動モードを運転者制動モードより制動制御モードへ移行させる必要があると判別されると、ステップ120に於いて後輪系統の作動モードが制動制御モードに切り替え設定される。
この場合フラグFf及びFrは、図5及び図6に示されたルーチンに従って、それぞれ前輪系統及び後輪系統が正常であっても車輌が走行状態にあり且つ運転者により制動操作が行われているときには1にセットされるので、前輪系統及び後輪系統の何れについても、制動制御モードにて正常な制動力制御を行えない状況より正常な制動力制御を行うことができる状況になり、作動モードを運転者制動モードより制動制御モードへ復帰させる必要が生じても、車輌が走行状態にあり且つ運転者により制動操作が行われている場合には作動モードを制動制御モードへ復帰させることが禁止される。
従って図示の実施例1によれば、車輌が走行状態にあり且つ運転者により制動操作が行われている状況に於いて作動モードが運転者制動モードより制動制御モードへ切り替えられることにより、運転者の制動操作量に対する制動力の比が急激に高くなること及びこれに起因して各車輪の制動力が急激に高くなってしまうことを確実に防止することができ、これにより制動時の車輌の走行安定性を悪化させることなく第一のモードより第二のモードへの作動モードの切り替えを円滑に異和感なく行うことができる。
特に図示の実施例1によれば、図6に示されたルーチンのステップ380に於いて後輪系統が正常であると判別され、ステップ390に於いて後輪系統の作動モードの移行が可能であると判別されても、即ち後輪系統の作動モードを運転者制動モードより制動制御モードへ移行させることが許可される状況であっても、ステップ410に於いてフラグFfが0であり前輪系統の作動モードを制動制御モードに設定することが許可されていると判別されない限りフラグFrは0にリセットされない。
従って前輪系統及び後輪系統の作動モードが運転者制動モードである状況に於いて後輪系統の作動モードのみが制動制御モードより運転者制動モードへ復帰されることを確実に防止することができ、これにより前輪系統の作動モードが運転者制動モードに設定され、後輪系統の作動モードが制動制御モードに設定されることにより、前輪に比して後輪の制動力が高くなること及びこれに起因して後輪の横力が低下し制動時の車輌の走行安定性が低下することを確実に防止することができる。
図10及び図11は左前輪及び右後輪用の第一系統と右前輪及び左後輪用の第二系統とよりなる制動装置を備えた車輌に適用された本発明による車輌の制動制御装置の実施例2に於ける制動力制御ルーチン及び制動制御モード設定許可判定制御ルーチンを示すフローチャートである。
尚図10に於いて図3に示されたステップに対応するステップには図3に於いて付されたステップ番号と同一のステップ番号が付されており、図11に於いて図6に示されたステップに対応するステップには図6に於いて付されたステップ番号より200多いステップ番号が付されている。また図11に於いてフラグF1及びF2はそれぞれ第一系統及び第二系統の作動モードを制動制御モードに設定することが禁止されているか否かに関するものであり、1は作動モードを制動制御モードに設定することが禁止されていることを意味し、2は作動モードを制動制御モードに設定することが仮許可されていることを意味する。
この実施例2に於いては、左前輪及び右後輪のホイールシリンダ22FL及び22RR、電磁開閉弁50FL及び50RR、電磁開閉弁60FL及び60RR、電磁開閉弁24B等は左前輪及び右後輪の制動力を制御する第一系統を構成しており、左前輪及び右後輪の少なくとも一方の制動力を制動制御モードにて正常に制御することができないか又はその虞れがあるか否かに応じて、左前輪及び右後輪の作動モードが同時に運転者制動モードと制動制御モードとの間に切り替えられる。尚第一系統の作動モードが運転者制動モードであるときには、右後輪のホイールシリンダ22RR内の圧力は左前輪のホイールシリンダ22FL内の圧力と同一の圧力に制御され、右後輪のホイールシリンダ22RR内の圧力を左前輪のホイールシリンダ22FL内の圧力と同一の圧力に制御することができないときには、電磁開閉弁50RRは閉弁状態に維持され、電磁開閉弁60RRは開弁状態に維持される。
同様に、右前輪及び左後輪のホイールシリンダ22FR及び22RL、電磁開閉弁50FR及び50RL、電磁開閉弁60FR及び60RL、電磁開閉弁24A等は右前輪及び左後輪の制動力を制御する第二系統を構成しており、右前輪及び左後輪の少なくとも一方の制動力を制動制御モードにて正常に制御することができないか又はその虞れがあるか否かに応じて、右前輪及び左後輪の作動モードが同時に運転者制動モードと制動制御モードとの間に切り替えられる。尚第二系統の作動モードが運転者制動モードであるときには、左後輪のホイールシリンダ22RL内の圧力は右前輪のホイールシリンダ22FR内の圧力と同一の圧力に制御され、左後輪のホイールシリンダ22RL内の圧力を右前輪のホイールシリンダ22FR内の圧力と同一の圧力に制御することができないときには、電磁開閉弁50RLは閉弁状態に維持され、電磁開閉弁60RLは開弁状態に維持される。
また電子制御装置76は制動装置10の第一系統又は第二系統の作動モードが運転者制動モードにあるときには、当該系統の制動力を制動制御モードにて正常に制御し得る状況になったか否か、即ち作動モードを制動制御モードへ復帰させてよいか否かを判定し、作動モードを制動制御モードへ復帰させてよいと判定しても、車輌が走行状態にあり且つ運転者により制動操作が行われているときには、作動モードを制動制御モードへ復帰させず、車輌が走行状態にない場合若しくは運転者により制動操作が行われていないときには、作動モードを制動制御モードへ復帰させることにより、制動装置10の作動モードが運転者制動モードより制動制御モードへ切り替え設定される際の制動圧の急増を防止し、これにより運転者制動モードより制動制御モードへの切り替えを円滑に異和感なく行う。
また電子制御装置76は制動装置10の第一系統及び第二系統の作動モードが運転者制動モードであり、車輌が走行状態にあり且つ運転者により制動操作が行われているときには、第一系統及び第二系統の作動モードが同時に切り替え設定される場合を除き、第一系統又は第二系統の作動モードが第一のモードより第二のモードへ切り替えられることを禁止する。
更に電子制御装置76は制動装置10の第一系統及び第二系統の一方の作動モードが運転者制動モードであり、第一系統及び第二系統の他方の作動モードが制動制御モードである状況に於いて、車輌が走行状態にあり且つ運転者により制動操作が行われているときには、他方の系統の作動モードが第一のモードより第二のモードへ切り替えられることを禁止する。
次に図10及び図11に示されたフローチャートを参照して実施例2に於ける制動力制御ルーチン及び制動制御モード設定許可判定制御ルーチンについて説明する。
この実施例2に於ける制動力制御ルーチン及び制動制御モード設定許可判定制御ルーチンは、図10及び図11に示されている如く、第一系統が左前輪及び右後輪であり、第二系統が右前輪及び左後輪であり、第一及び第二の系統の作動モードを制動制御モードに設定することが許可されるか否かのフラグがそれぞれF1及びF2である点を除き、上述の実施例1の場合と同様の要領にて実行される。
特にこの実施例2の制動制御モード設定許可判定制御ルーチンに於いては、図11に示されている如く、ステップ530に於いて肯定判別が行われ制動装置10の作動モードの移行が可能であると判別されるとステップ550へ進み、否定判別が行われたときにはステップ540に於いてフラグF1が2にセットされる。
またステップ550に於いては第二系統の作動モードが制動制御モードであるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ560に於いてフラグF1が1にセットされ、否定判別が行われたときにはステップ570に於いてフラグF1が0にリセットされる。
同様に、ステップ590に於いて肯定判別が行われ制動装置10の作動モードの移行が可能であると判別されるとステップ610へ進み、否定判別が行われたときにはステップ600に於いてフラグF2が2にセットされる。
またステップ610に於いては第一系統の作動モードが制動制御モードであるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ620に於いてフラグF2が1にセットされ、否定判別が行われたときにはステップ630に於いてフラグF2が0にリセットされる。
更にステップ600又は620又は630が完了すると、ステップ640に於いてフラグF1及びF2が何れも2であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはフラグF1及びF2が変更されることなくステップ510へ戻り、肯定判別が行われたときにはステップ650に於いてフラグF1及びF2がそれぞれ0にリセットされる。
かくして図示の実施例2によれば、ステップ20に於いて運転者の制動操作量に基づき各車輪の目標制動圧Ptiが演算され、ステップ40に於いて第一系統の作動モードが制動制御モードであると判別され、ステップ70に於いて第一系統の作動モードを制動制御モードより運転者制動モードへ移行させる必要がないと判別されると、ステップ90に於いて左前輪の制動圧Pfl及び右後輪の制動圧Prrがそれぞれ対応する目標制動圧Ptfl及びPtrrになるよう制御される。またステップ100に於いて第二系統の作動モードが制動制御モードであると判別され、ステップ130に於いて第二系統の作動モードを制動制御モードより運転者制動モードへ移行させる必要がないと判別されると、ステップ150に於いて右前輪の制動圧Pfr及び左後輪Prlがそれぞれ対応する目標制動圧Ptfr及びPtrlになるよう制御される。
またテップ40に於いて第一系統の作動モードが運転者制動モードであると判別され、ステップ50に於いてフラグF1が1であり第一系統の作動モードを運転者制動モードより制動制御モードへ移行させることができないと判別されると、第一系統の作動モードが運転者制動モードに維持されるが、ステップ50に於いてフラグF1が0であり第一系統の作動モードを運転者制動モードより制動制御モードへ移行させる必要があると判別されると、ステップ60に於いて第一系統の作動モードが制動制御モードに切り替え設定される。
同様に、ステップ100に於いて第二系統の作動モードが運転者制動モードであると判別され、ステップ110に於いてフラグF2が1であり第二系統の作動モードを運転者制動モードより制動制御モードへ移行させることができないと判別されると、第二系統の作動モードが運転者制動モードに維持されるが、ステップ110に於いてフラグF2が0であり第二系統の作動モードを運転者制動モードより制動制御モードへ移行させる必要があると判別されると、ステップ120に於いて第二系統の作動モードが制動制御モードに切り替え設定される。
この場合フラグF1及びF2は、図5及び図11に示されたルーチンに従って、それぞれ第一系統及び第二系統が正常であっても車輌が走行状態にあり且つ運転者により制動操作が行われているときには1にセットされるので、第一系統及び第二系統の何れについても、制動制御モードにて正常な制動力制御を行えない状況より正常な制動力制御を行うことができる状況になり、作動モードを運転者制動モードより制動制御モードへ復帰させる必要が生じても、車輌が走行状態にあり且つ運転者により制動操作が行われている場合には作動モードを制動制御モードへ復帰させることが禁止される。
従って図示の実施例2によれば、上述の実施例1の場合と同様、車輌が走行状態にあり且つ運転者により制動操作が行われている状況に於いて作動モードが運転者制動モードより制動制御モードへ切り替えられることにより、運転者の制動操作量に対する制動力の比が急激に高くなること及びこれに起因して各車輪の制動力が急激に高くなってしまうことを確実に防止することができ、これにより制動時の車輌の走行安定性を悪化させることなく第一のモードより第二のモードへの作動モードの切り替えを円滑に異和感なく行うことができる。
特に図示の実施例2によれば、図11に示された制動制御モード設定許可判定制御ルーチンのステップ530に於いて否定判別が行われるとステップ540に於いてフラグF1が2にセットされ、ステップ590に於いて否定判別が行われるとステップ600に於いてフラグF2が2にセットされ、ステップ640に於いてフラグF1及びF2が何れも2であると判別されない限り、ステップ650に於いてフラグF1及びF2がそれぞれ0にリセットされない。
従って第一系統及び第二系統の作動モードが運転者制動モードであり、車輌が走行状態にあり且つ運転者により制動操作が行われているときには、第一系統及び第二系統の作動モードが同時に切り替え設定される場合を除き、第一系統又は第二系統の作動モードが第一のモードより第二のモードへ切り替えられることを禁止し、これにより第一系統及び第二系統の一方の作動モードのみが第一のモードより第二のモードへ切り替えられ、その切り替えられた系統の後輪の制動力が前輪の制動力に比して低く制御されることにより、左右の制動力にアンバランスが生じること及びこれに起因する制動時の車輌の走行安定性の悪化を確実に防止することができる。
また図示の実施例2によれば、図11に示された制動制御モード設定許可判定制御ルーチンのステップ530に於いて肯定判別が行われても、ステップ550に於いて第二系統の作動モードが制動制御モードであると判別されると、ステップ560に於いてフラグF1が1にセットされ、ステップ590に於いて肯定判別が行われても、ステップ610に於いて第一系統の作動モードが制動制御モードであると判別されると、ステップ620に於いてフラグF2が1にセットされる。
従って第一系統及び第二系統の一方の作動モードが運転者制動モードであり、第一系統及び第二系統の他方の作動モードが制動制御モードである状況に於いて、車輌が走行状態にあり且つ運転者により制動操作が行われているときには、他方の系統の作動モードが第一のモードより第二のモードへ切り替えられることを禁止し、これにより他方の作動モードが第一のモードより第二のモードへ切り替えられることにより左右の制動力のバランスが急激に変化すること及びこれに起因して作動モードの切り替え時に車輌の走行安定性が悪化することを確実に防止することができる。
図12は本発明による車輌の制動制御装置の実施例3の電子制御装置を示すブロック線図である。尚図12に於いて図2に示された部材と同一の部材には図2に於いて付された符号と同一の符号が付されている。
この実施例3に於いては、電源82は制動装置10の第一系統の電磁開閉弁24B等を駆動する電源ユニット90と、第二系統の電磁開閉弁24A等を駆動する電源ユニット92よりなっている。電源ユニット90及び92の電圧Ve1及びVe2はそれぞれSOCメータ94及び96により検出され、電圧Ve1及びVe2を示す信号は電子制御装置76のマイクロコンピュータ78へ入力される。
フローチャートとしては示されていないが、この実施例3に於いては、上述の実施例1のステップ320及び380に対応するステップに於いて、或いは上述の実施例2のステップ520及び580に対応するステップに於いて、それぞれ電源ユニット90及び92の電圧Ve1、Ve2が異常判定基準値以下の状態になったか否かの判別により、制動制御モードにて各車輪の制動力を正常に制御することができない異常又はその虞れが生じたか否かが判別され、他のステップは上述の実施例1又は2と同様に実行される。
従ってこの実施例3によれば、電源82が制動装置10の第一系統の電磁開閉弁24B等を駆動する電源ユニット90と、第二系統の電磁開閉弁24A等を駆動する電源ユニット92よりなる場合にも、上述の実施例1及び2の場合と同様の作用効果を得ることができ、制動時の車輌の走行安定性を悪化させることなく運転者制動モードより制動制御モードへの切り替えを円滑に異和感なく行うことができる。
尚図示の実施例1乃至3によれば、図5に示された作動モードの移行可否判定ルーチンのステップ210及び220に於いて、それぞれ前輪及び後輪が車輌走行状態にあるか否かの判別が行われ、前輪及び後輪が車輌走行状態にあると判別されたときにステップ240に於いて車輌が走行状態にあると判定され、制動装置10の作動モードの移行が可能である旨の判定が行われるので、前輪又は後輪についてのみ車輌走行状態にあるか否かの判別が行われる場合に比して、車輌が走行状態にあるか否かを正確に判定することができると共に、前輪又は後輪のみがシャシーダイナモに載せられて回転し前輪及び後輪の他方が静止している場合にも制動装置10の作動モードの移行を行わせることができ、これにより車輌の検査等の状況に於いて確実に作動モードの移行を行わせることができる。
また図示の実施例1乃至3によれば、第一系統及び第二系統の何れについても、車輪の制動力が急変しても運転者に異和感を与えることがなく車輌にも悪影響を与えないとき、即ち車輌が走行状態にないとき又は運転者により制動操作が行われていないときには、運転者制動モードより制動制御モードへの切り替え及び制動制御モードより運転者制動モードへの切り替えは禁止されないので、これらの作動モードの切り替えを速やかに行うことができる。
以上に於いては本発明を特定の実施例について詳細に説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施例が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
例えば上述の各実施例に於いては、電磁開閉弁24A及び24Bはそれぞれマスタシリンダ14と右前輪のホイールシリンダ22FR及び左前輪のホイールシリンダ22FLとの連通を制御するようになっているが、実施例1に於いては電磁開閉弁24Bがマスタシリンダ14と左前輪のホイールシリンダ22FL及び右前輪のホイールシリンダ22FRとの連通を制御する三方向二位置切換弁に置き換えられ、電磁開閉弁24Aがマスタシリンダ14と左後輪のホイールシリンダ22RL及び右後輪のホイールシリンダ22RRとの連通を制御する三方向二位置切換弁に置き換えられてもよい。
同様に、実施例2に於いては電磁開閉弁24Bがマスタシリンダ14と左前輪のホイールシリンダ22FL及び右後輪のホイールシリンダ22RRとの連通を制御する三方向二位置切換弁に置き換えられ、電磁開閉弁24Aがマスタシリンダ14と右前輪のホイールシリンダ22FR及び左後輪のホイールシリンダ22RLとの連通を制御する三方向二位置切換弁に置き換えられてもよい。
また上述の各実施例に於いては、各車輪の制動圧は第一及び第二のマスターシリンダ圧力の平均値Pma及びブレーキペダルの踏み込みストロークStに基づき演算される目標制動圧に制御されるようになっているが、通常の制動時に運転者の制動操作量に基づいて各車輪の目標制動圧が制御される限り、各車輪の目標制動圧は当技術分野に於いて公知の任意の態様にて演算されてよい。
前輪系統と後輪系統とよりなる制動装置を備えた車輌に適用された本発明による車輌の制動制御装置の実施例1を示す概略構成図である。 実施例1の電子制御装置を示すブロック線図である。 実施例1に於ける制動力制御ルーチンを示すフローチャートである。 図3のステップ20に於いて実行される目標減速度演算ルーチンを示すフローチャートである。 実施例1に於ける作動モードの移行可否判定ルーチンを示すフローチャートである。 実施例1に於ける制動制御モード設定許可判定ルーチンを示すフローチャートである。 ブレーキペダルの踏み込みストロークStと目標減速度Gstとの関係を示すグラフである。 マスタシリンダ圧力の平均値Pmaと目標減速度Gptとの関係を示すグラフである。 目標減速度Gptと目標減速度Gstに対する重みαとの関係を示すグラフである。 左前輪及び右後輪用の第一系統と右前輪及び左後輪用の第二系統とよりなる制動装置を備えた車輌に適用された本発明による車輌の制動制御装置の実施例2に於ける制動力制御ルーチンを示すフローチャートである。 実施例2に於ける制動制御モード設定許可判定制御ルーチンを示すフローチャートである。 本発明による車輌の制動制御装置の実施例3の電子制御装置を示すブロック線図である。
符号の説明
10 制動装置
12 ブレーキペダル
14 マスタシリンダ
22FL〜22RR ホイールシリンダ
66、68 圧力センサ
70 ストロークセンサ
72、74FL〜74RR 圧力センサ
76 電子制御装置
82 電源
84 メイン電源
86 サブ電源

Claims (13)

  1. 運転者の制動操作量に対する車輪の制動力の比を増力比として、前記増力比が第一の比である第一のモードと、前記増力比が前記第一の比よりも大きい第二の比である第二のモードとに切り替わる制動装置と、前記制動装置の作動モードを前記第一のモード及び前記第二のモードの何れに設定すべきかを判定するモード判定手段と、前記作動モードを前記モード判定手段により判定された作動モードに設定し運転者の制動操作量に基づき各車輪の制動力を制御する制御手段とを備えた車輌の制動制御装置にして、前記作動モードが前記第一のモードである状況にて車輌が走行状態にあり且つ運転者により制動操作が行われているときには、前記作動モードが前記第一のモードより前記第二のモードへ切り替えられることを禁止する切り替え禁止手段を有することを特徴とする車輌の制動制御装置。
  2. 運転者の制動操作量に対する車輪の制動力の比を増力比として、前記増力比が第一の比である第一のモードと、前記増力比が前記第一の比よりも大きい第二の比である第二のモードとに切り替わる制動装置と、前記制動装置の作動モードを前記第一のモード及び前記第二のモードの何れに設定すべきかを判定するモード判定手段と、前記作動モードを前記モード判定手段により判定された作動モードに設定し運転者の制動操作量に基づき各車輪の制動力を制御する制御手段とを備えた車輌の制動制御装置にして、前記制動装置は左右前輪用の第一系統と左右後輪用の第二系統とよりなり、前記モード判定手段は前記第一系統及び前記第二系統の各々について作動モードを前記第一のモード及び前記第二のモードの何れに設定すべきかを判定し、前記制動制御装置は、前記第一系統及び前記第二系統の前記作動モードが前記第一のモードである状況にて車輌が走行状態にあるときには、運転者により制動操作が行われていなくても、前記第二系統の前記作動モードのみが前記第一のモードより前記第二のモードへ切り替えられることを禁止する切り替え禁止手段を有することを特徴とする車輌の制動制御装置。
  3. 運転者の制動操作量に対する車輪の制動力の比を増力比として、前記増力比が第一の比である第一のモードと、前記増力比が前記第一の比よりも大きい第二の比である第二のモードとに切り替わる制動装置と、前記制動装置の作動モードを前記第一のモード及び前記第二のモードの何れに設定すべきかを判定するモード判定手段と、前記作動モードを前記モード判定手段により判定された作動モードに設定し運転者の制動操作量に基づき各車輪の制動力を制御する制御手段とを備えた車輌の制動制御装置にして、前記制動装置は左前輪及び右後輪用の第一系統と右前輪及び左後輪用の第二系統とよりなり、前記モード判定手段は前記第一系統及び前記第二系統の各々について作動モードを前記第一のモード及び前記第二のモードの何れに設定すべきかを判定し、前記制動制御装置は、前記第一系統及び前記第二系統の前記作動モードが前記第一のモードであり、車輌が走行状態にあり且つ運転者により制動操作が行われているときには、前記第一系統及び前記第二系統の前記作動モードが同時に切り替え設定される場合を除き、前記第一系統又は前記第二系統の前記作動モードが前記第一のモードより前記第二のモードへ切り替えられることを禁止する切り替え禁止手段を有することを特徴とする車輌の制動制御装置。
  4. 運転者の制動操作量に対する車輪の制動力の比を増力比として、前記増力比が第一の比である第一のモードと、前記増力比が前記第一の比よりも大きい第二の比である第二のモードとに切り替わる制動装置と、前記制動装置の作動モードを前記第一のモード及び前記第二のモードの何れに設定すべきかを判定するモード判定手段と、前記作動モードを前記モード判定手段により判定された作動モードに設定し運転者の制動操作量に基づき各車輪の制動力を制御する制御手段とを備えた車輌の制動制御装置にして、前記制動装置は左前輪及び右後輪用の第一系統と右前輪及び左後輪用の第二系統とよりなり、前記モード判定手段は前記第一系統及び前記第二系統の各々について作動モードを前記第一のモード及び前記第二のモードの何れに設定すべきかを判定し、前記制動制御装置は、前記第一系統及び前記第二系統の一方の前記作動モードが前記第二のモードであり且つ他方の系統の前記作動モードが前記第一のモードである状況にて車輌が走行状態にあり且つ運転者により制動操作が行われているときには、他方の系統の前記作動モードが前記第一のモードより前記第二のモードへ切り替えられることを禁止する切り替え禁止手段を有することを特徴とする車輌の制動制御装置。
  5. 前記制動装置は各車輪に設けられた制動力発生手段を有し、前記制御手段は前記第一のモードに於いては制動操作部材に対する運転者の操作力を前記制動力発生手段へ伝達することにより前記第一の比にて制動力を発生することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一つに記載の車輌の制動制御装置。
  6. 前記制御手段は前記第二のモードに於いては前記増力比が前記第二の比になるよう制動操作部材に対する運転者の操作力若しくは操作駆動量に基づいて各車輪の目標制動力を演算し、各車輪の制動力を前記目標制動力に制御することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一つに記載の車輌の制動制御装置。
  7. 前記切り替え禁止手段は、車輌が停止状態にある状況若しくは運転者の制動操作量が基準値以下である状況に於いては前記第一のモードより前記第二のモードへの切り替えを禁止しないことを特徴とする請求項3乃至6の何れか一つに記載の車輌の制動制御装置。
  8. 前記切り替え禁止手段による前記作動モードの切り替え禁止は車輌が停止状態になったとき又は運転者の制動操作量が基準値以下になったときに解除されることを特徴とする請求項3乃至7の何れか一つに記載の車輌の制動制御装置。
  9. 前記切り替え禁止手段による前記作動モードの切り替え禁止は車輌が停止状態になったときに解除されることを特徴とする請求項に記載の車輌の制動制御装置。
  10. 運転者の制動操作量に対する車輪の制動力の比を増力比として、前記増力比が第一の比である第一のモードと、前記増力比が前記第一の比よりも大きい第二の比である第二のモードとに切り替わる制動装置と、前記制動装置の作動モードを前記第一のモード及び前記第二のモードの何れに設定すべきかを判定するモード判定手段と、前記作動モードを前記モード判定手段により判定された作動モードに設定し運転者の制動操作量に基づき各車輪の制動力を制御する制御手段とを備えた車輌の制動制御装置にして、前記作動モードが前記第一のモードである状況にて車輌が走行状態にあり且つ運転者により制動操作が行われているときには、前記作動モードが前記第一のモードより前記第二のモードへ切り替えられることを禁止する切り替え禁止手段を有し、前記切り替え禁止手段は、車輌が停止状態にある状況若しくは運転者の制動操作量が基準値以下である状況に於いては前記第一のモードより前記第二のモードへの切り替えを禁止しないことを特徴とする車輌の制動制御装置。
  11. 運転者の制動操作量に対する車輪の制動力の比を増力比として、前記増力比が第一の比である第一のモードと、前記増力比が前記第一の比よりも大きい第二の比である第二のモードとに切り替わる制動装置と、前記制動装置の作動モードを前記第一のモード及び前記第二のモードの何れに設定すべきかを判定するモード判定手段と、前記作動モードを前記モード判定手段により判定された作動モードに設定し運転者の制動操作量に基づき各車輪の制動力を制御する制御手段とを備えた車輌の制動制御装置にして、前記作動モードが前記第一のモードである状況にて車輌が走行状態にあり且つ運転者により制動操作が行われているときには、前記作動モードが前記第一のモードより前記第二のモードへ切り替えられることを禁止する切り替え禁止手段を有し、前記切り替え禁止手段による前記作動モードの切り替え禁止は車輌が停止状態になったとき又は運転者の制動操作量が基準値以下になったときに解除されることを特徴とする車輌の制動制御装置。
  12. 第一のモードと、運転者の制動操作量が同一の場合について見て車輪の制動力が前記第一のモードの値よりも大きい第二のモードとに切り替わる制動装置と、前記制動装置の作動モードを前記第一のモード及び前記第二のモードの何れに設定すべきかを判定するモード判定手段と、前記作動モードを前記モード判定手段により判定された作動モードに設定し運転者の制動操作量に基づき各車輪の制動力を制御する制御手段とを備えた車輌に於ける制動制御方法にして、前記作動モードが前記第一のモードである状況にて車輌が走行状態にあり且つ運転者により制動操作が行われているときには、前記作動モードが前記第一のモードより前記第二のモードへ切り替えられることを禁止することを特徴とする車輌の制動制御方法。
  13. 第一のモードと、運転者の制動操作量が同一の場合について見て車輪の制動力が前記第一のモードの値よりも大きい第二のモードとに切り替わる制動装置と、前記制動装置の作動モードを前記第一のモード及び前記第二のモードの何れに設定すべきかを判定するモード判定手段と、前記作動モードを前記モード判定手段により判定された作動モードに設定し運転者の制動操作量に基づき各車輪の制動力を制御する制御手段とを備えた車輌の制動制御装置にして、前記制動装置は前輪用の第一系統と後輪用の第二系統とよりなり、前記モード判定手段は前記第一系統及び前記第二系統の各々について作動モードを前記第一のモード及び前記第二のモードの何れに設定すべきかを判定し、前記制動制御装置は、前記第一系統及び前記第二系統の前記作動モードが前記第一のモードであるときには、前記第一系統の前記作動モードが前記第一のモードより前記第二のモードへ切り替えられることが許容されるまで、前記第二系統の前記作動モードが前記第一のモードより前記第二のモードへ切り替えられることを禁止する切り替え禁止手段を有することを特徴とする車輌の制動制御装置。
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