JP4179019B2 - 車両前部に搭載されたエアバッグ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両前部に搭載されたエアバッグ装置に関し、特に、エアバッグ装置を車両の前部のカウルあるいはフロントピラー近傍の少なくとも一方を覆うように展開する第1エアバッグと、該第1エアバッグよりもフロントウインド側の車両外形を覆うように展開する第2エアバッグとに区画した技術に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
走行中の車両に障害物が衝突すると、その障害物が衝突により跳ね上げられて、再度、車両のカウルやフトントガラス、フロントピラーなどに衝突する虞がある。
【0003】
そこで、例えば、下記特許文献1に開示するように、走行中の車両が障害物と接触する可能性が高いと判断した時には、車両のカウル部に設置したインフレータを作動させて、車両のカウル部やフロントガラス、フロントピラーに対し、瞬時に大型エアバッグを展開させて、障害物がこれらの車両前部に衝突する際の衝撃を緩和する技術について、検討が成されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−308028号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、車両前部において、フロントガラスに対してカウルやフロントピラーは鋼板製であり、障害物がこの部分に衝突すると、障害物がフロントガラスに衝突するのに比べ大きな衝撃力が障害物に加わることになる。
【0006】
このため、障害物がカウルやフロントピラーに衝突する可能性があるときには、衝突する前までに確実にエアバッグを展開させておくことが必要であり、または、エアバッグで障害物が衝突する時の衝撃をできるだけ低減させることが必要である。
【0007】
そこで、このためにエアバッグ全体の展開速度を大きくして、早めに展開させたり、あるいは、エアバッグ内部全体のガスの圧力を高め、衝撃吸収能力を高めことが考えられるが、こうした場合、エアバッグは車両前部を覆うような大型であるためにエアバッグにガスを供給するインフレータの能力規模を大きくしなければならなず、装置が大掛かりになるといった問題がある。
【0008】
また、障害物がエアバッグに衝突した後においても、障害物は大きな衝撃を受ける虞がある。つまり、障害物がエアバッグに衝突した後、バウンドするなどして車両から路面に落下した場合、障害物は、このような落下によっても大きな衝撃を受けてしまう。
【0009】
本発明は、以上のような課題に勘案してなされたもので、その目的は、車両前部に搭載されたエアバッグ装置において、エアバッグを、車両前部のカウルあるいはフロントピラー近傍の少なくとも一方を覆うように展開する第1エアバッグと、第1エアバッグよりもフロントウインド側の車両外形を覆うように展開する第2エアバッグとに区画するとともに、簡素な構成で、障害物が、カウルあるいはフロントピラーの少なくとも一方に強い衝撃力で衝突するのを確実に抑制し、且つ、障害物がエアバッグに衝突した後に車両から路面に落下するのを防止する構成を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明の請求項1記載の発明においては、両と該車両前方に存在する障害物との接触を検出あるいは予知することによって、インフレータによるガスの供給を行って、車両前部のカウル、フロントピラー、カウルより後方でフロントピラーより車幅方向内側に広がるフロントウインドの一部を覆うように、車両前方から見て凹状にエアバッグを展開させる車両前部に搭載されたエアバッグ装置において、上記エアバッグは、車両前部のカウルあるいはフロントピラー近傍の少なくとも一方を覆うように展開する第1エアバッグと、車両前方から見て、該第1エアバッグに隣接し、該第1エアバッグよりもフロントウインド側の、フロントガラスの前端部を含む車両外形を覆うように展開する第2エアバッグとに仕切壁によって区画されていて、上記インフレータは、第1のインフレータと、第2のインフレータとを有し、エアバッグの展開中において、第2エアバッグの展開よりも先に、第1エアバッグを展開させるように、第1のインフレータにより第1エアバッグにガスを供給して第1エアバッグの展開が開始した後、第2のインフレータにより第2エアバッグにガスを供給して第2エアバッグを展開させることを特徴としている。
【0011】
このような構成により、障害物がカウルあるいはフロントピラー近傍に衝突する直前に、エアバッグが瞬時に展開されることになるが、車両前部のカウルあるいはフロントピラー近傍の少なくと一方を覆う第1エアバッグの展開が、第2エアバッグの展開よりも先におこなわれるよう構成したことにより、第1エアバッグの展開を早急に行うことができ、障害物がカウルやフロントピラーに直接衝突する可能性を確実に低減できる。
【0012】
また、障害物が直接衝突した時の衝撃が比較的小さいフロントガラス付近でも、フロントガラス付近を覆うように第2エアバッグを展開させることにより、第2エアバッグによる、障害物の衝突時における衝撃力の軽減が可能となる。
【0013】
また、第1エアバッグの展開がおこなわれた後に、第2エアバッグを展開させることで、インフレータの初期のガス供給能力を低減できる。
【0014】
更に、請求項記載の発明によれば、カウルやフロントピラーを覆う第1エアバッグの展開を、第1エアバッグよりもフロントガラス側を覆う第2エアバッグの展開よりも先に実行させることにより、障害物が、展開中のエアバッグに衝突した後、路面に大きな衝撃力で衝突する可能性を低減できる。
【0015】
具体的には、障害物がこの第1エアバッグと第2エアバッグとの隣接部分に衝突した場合には、この時エアバッグが展開中であると、第2エアバッグ内の圧力の方が第1エアバッグ内の圧力よりも十分圧力上昇されていないないため、第2エアバッグ内の圧力の方が絶対圧は低くなっており、こうした衝突後、障害物はフロントガラスが位置する方向にバウンドされることになる。よって、障害物がエアバッグに衝突後、路面に衝突することを抑制できる。
【0016】
請求項記載の発明は、請求項において、上記エアバッグにおいて、第1エアバッグと第2エアバッグとは互いに連通路により連通されるとともに、インフレータから供給されたガスが、第1エアバッグに流入後、該連通路を介して第2エアバッグに流入されるよう形成されることを特徴としている。
【0017】
このような構成により、インフレータのガス供給能力を低減させつつ、障害物のカウルやフロントピラーへの衝突を確実に低減できる。
【0018】
また、1つのインフレータで、エアバッグ全体を展開させることができ、構成が簡略化できる。
【0019】
請求項記載の発明は、請求項1又は請求項2において、上記エアバッグの展開状態において、第1エアバッグの車両外形表面から離間する方向の厚さは、第2エアバッグの車両外形表面から離間する方向の厚さよりも大きく設定されることを特徴としている。
【0020】
このような構成により、障害物がカウルあるいはフロントピラー近傍に衝突する直前に、エアバッグが瞬時に展開されることになるが、車両前部のカウルあるいはフロントピラー近傍の少なくと一方を覆う第1エアバッグの車両外形表面から離間する方向への厚さが大きいので、障害物が第1エアバッグに衝突した際に、障害物が車両外形に大きな衝撃力で衝突することを確実に抑制できる。
【0021】
また、障害物が直接衝突した時の衝撃が比較的小さいフロントガラス付近でも、フロントガラス付近を覆うように第2エアバッグを展開させることにより、第2エアバッグによる、障害物の衝突時における衝撃力の軽減が可能となる。
また、この第2エアバッグは、車両外形表面から離間する方向への厚さが比較的小さく設定されているため、インフレータのガス供給能力を全体的に低減できる。
【0022】
更に、請求項記載の発明によれば、カウルやフロントピラーには、車両外形表面から離間する方向への厚さが大きい第1エアバッグを展開させ、フロントガラス周縁には、第1エアバッグよりも車両外形表面から離間する方向への厚さが小さい第2エアバッグを展開させるとともに、これら第1エアバッグと第2エアバッグを隣接させている。これにより、エアバッグに衝突した障害物が、その後、路面に大きな衝撃力で衝突する可能性を低減できる。
【0023】
具体的には、障害物がこの第1エアバッグと第2エアバッグとの隣接部分に衝突した場合には、第2エアバッグの方が薄いために、こうした衝突後、障害物は、フロントガラスが位置する方向にバウンドされることになる。よって、障害物がエアバッグに衝突後、路面に衝突することを抑制できる。
【0024】
請求項記載の発明は、請求項において、上記エアバッグにおいて、第2エアバッグに対する第1エアバッグの車両外形表面から離間する方向の厚さの比は、第2エアバッグに対する第1エアバッグの容積比よりも大きく設定されることを特徴としている。
【0025】
第1エアバッグの厚さが大きくても、第1エアバッグの容積が大きい場合には、第1エアバッグへの障害物の衝突により、第1エアバッグ内のガスが、衝突部分の周囲に大きく退けられてしまい、これにより、第1エアバッグが大きく沈み込んで障害物が強い衝撃で車両外形に衝突する可能性が高くなる。
【0026】
そこで、請求項記載に係る発明により、第2エアバッグに対する第1エアバッグの車両外形表面から離間する方向の厚さの比を、第2エアバッグに対する第1エアバッグの容積比よりも大きくしたため、容積を考慮しながら、第1エアバッグの厚さを適切に設定することが可能となるとともに、障害物が第1エアバッグに衝突した際、障害物が車両外形に大きな衝撃力で衝突することを確実に抑制できる。
【0027】
請求項記載の発明は、請求項1ないし請求項のいずれか一つにおいて、上記第1エアバッグ及び第2エアバッグとも、それぞれ複数の気室により区画され、各気室は隣接する気室と連通路により連通可能となるよう形成されており、第1エアバッグの該気室の容積は、第2エアバッグの該気室の容積よりも小さくなるよう形成されることを特徴としている。
【0028】
このような構成により、障害物がカウルあるいはフロントピラー近傍に衝突する直前に、エアバッグが瞬時に展開されることになるが、車両前部のカウルあるいはフロントピラー近傍の少なくと一方を覆う第1エアバッグ内に形成された気室の容積を小さくしたことで、障害物が、第1エアバッグに衝突した際の衝撃を確実に低減できる。
【0029】
つまり、気室の容積が大きい場合には、この気室に障害物が衝突した時において、容積が大きいために、障害物の衝突直後における気室内のガス圧の上昇は、比較的緩やかとなる。よって、障害物の衝突時に、気室内のガス圧が大きく上昇するまでの間、気室の障害物が衝突した付近は、これを中心として大きく沈み込んでしまい、障害物が強い衝撃力で車両外形に衝突する虞がある。これに対し、請求項6記載に係る発明では、カウルあるいはフロントピラー近傍の少なくと一方を覆う第1エアバッグ内の気室の容積を小さくしたことにより、衝突による気室内のガス圧の上昇が早まるので、気室の沈み込みが適度となり、障害物が強い衝撃力で車両外形に衝突することを抑制可能である。
【0030】
また、障害物が直接衝突した時の衝撃が比較的小さいフロントガラス付近でも、フロントガラス付近を覆うように第2エアバッグを展開させることにより、第2エアバッグによる、障害物の衝突時における衝撃力の軽減が可能となる。
【0031】
また、この第2エアバッグ内の気室の容積を大きくしたことにより、単位体積当たりのエアバッグへのガス供給が早まり、従って、エアバッグ全体の展開を早期化して、障害物が強い衝撃で車両外形に衝突するのを低減できる。
【0032】
更に、請求項記載の発明によれば、カウルやフロントピラーには、容積が小さい気室により構成された第1エアバッグを展開させ、フロントガラスの周縁付近には、容積が大きい気室により構成された第2エアバッグを展開させるとともに、これら第1エアバッグと第2エアバッグを隣接させている。これにより、エアバッグに衝突した障害物が、その後、路面に大きな衝撃力で衝突する可能性を低減できる。
【0033】
具体的には、障害物が、第1エアバッグと第2エアバッグとの隣接部分に衝突した場合、第2エアバッグの方が気室の容積が大きいために、第2エアバッグにおける衝突時の沈み込みが第1エアバッグより大きく、これにより、障害物は、衝突後、フロントガラスが位置する方向にバウンドされることになる。よって、障害物が、エアバッグに衝突後、路面に衝突することを抑制できる。
【0034】
請求項記載の発明は、車両と該車両前方に存在する障害物との接触を検出あるいは予知することによって、インフレータによるガスの供給を行って、車両前部のカウル、フロントピラー、カウルより後方でフロントピラーより車幅方向内側に広がるフロントウインドの一部を覆うように、車両前方から見て凹状にエアバッグを展開させる車両前部に搭載されたエアバッグ装置において、上記エアバッグは、複数の気室により区画されて、車両前部のカウルあるいはフロントピラー近傍の少なくとも一方を覆うように展開する第1エアバッグと、車両前方から見て、該第1エアバッグに隣接し、複数の気室により区画されて、該第1エアバッグよりもフロントウインド側の、フロントガラスの前端部を含む車両外形を覆うように展開する第2エアバッグとに区画されるとともに、該第1エアバッグ及び第2エアバッグの各気室は隣接する気室と連通路により連通可能となるよう形成されており、第1エアバッグの該連通路の開口面積は、第2エアバッグの該連通路の開口面積よりも小さくなるよう形成されることを特徴としている。
【0035】
このような構成により、障害物がカウルあるいはフロントピラー近傍に衝突する直前に、エアバッグが瞬時に展開されることになるが、車両前部のカウルあるいはフロントピラー近傍の少なくと一方を覆う第1エアバッグ内に形成された複数の気室を連通する連通路の開口面積を小さくしたことで、障害物が、第1エアバッグに衝突した際の衝撃を確実に軽減できる。
【0036】
つまり、互いに隣接する気室の連通路の開口面積が大きいと、障害物が一方の気室に衝突した時、連通路の開口面積が大きいために、一方の気室から他方の気室に流入するガスが多く、これにより一方の気室内のガスは急激に減少する。このため、一方の気室では、障害物の衝突により気室の衝突された部分が大きく沈み込んでしまい、障害物が車両外形に大きな衝撃力で衝突する可能性が高まる。
【0037】
これに対し、第1エアバッグ内の気室における連通路の開口面積を小さくすることで、障害物が衝突した気室から隣接する気室へのガスの流出を低減できるので、第1エアバッグに障害物が衝突したときの、第1エアバッグの沈み込みを適度とすることが可能となり、障害物が強い衝撃力で車両外形に衝突することを抑制できる。
【0038】
また、障害物が直接衝突した時の衝撃が比較的小さいフロントガラス付近でも、フロントガラス付近を覆うように第2エアバッグを展開させることにより、第2エアバッグによる、障害物の衝突時における衝撃力の軽減が可能となる。
【0039】
また、第2エアバッグ内の隣接する気室間の連通路の開口面積を大きくしたことにより、ガスの流通性を向上させて、全体的にエアバッグの展開を早期化できる。
【0040】
更に、請求項記載の発明によれば、カウルやフロントピラーには、連通路の開口面積が小さい第1エアバッグを展開させ、フロントガラスの周縁付近には、連通路の開口面積が大きい第2エアバッグを展開させるとともに、これら第1エアバッグと第2エアバッグを隣接させている。これにより、エアバッグに衝突した障害物が、その後、大きな襲撃力で路面に衝突する可能性を低減できる。
【0041】
具体的には、障害物がこの第1エアバッグと第2エアバッグとの隣接部分に衝突した場合には、第2エアバッグにおける気室内のガスの方が隣接する気室に流出し易いために、衝突時の沈み込みは第2エアバッグの方が大きく、これにより、障害物は、衝突後、フロントガラスが位置する方向にバウンドされることになる。よって、障害物がエアバッグに衝突後、路面に衝突することを抑制することができる。
【0042】
請求項記載の発明は、請求項1ないし請求項のいずれか一つにおいて、上記第2エアバッグには、エアバッグに供給されたガスを徐々に大気放出させるためのベントホールを形成させるとともに、第1エアバッグには該ベントホールを形成させないことを特徴としている。
【0043】
このような構成により、障害物がカウルあるいはフロントピラー近傍に衝突する直前に、エアバッグが瞬時に展開されることになるが、第1エアバッグよりもフロントウインド側の車両外形を覆う第2エアバッグに、ベントホールを設け、第1エアバッグにはベントホールを設けない構成としたので、障害物が、第1エアバッグに衝突した際の衝撃を確実に軽減できる。
【0044】
つまり、第1エアバッグには、ベントホールが形成されないため、障害物が第1エアバッグに衝突したとき、第1エアバッグ内のガスがベントホールを介して大気放出されてガス圧力が急激に低下することが抑制され、これにより第1エアバッグの大きな沈み込みも抑制されて、障害物が、大きい衝撃力で車両外形に衝突することを防止できる。
【0045】
また、障害物が直接衝突した時の衝撃が比較的小さいフロントガラス付近でも、フロントガラス付近を覆うように第2エアバッグを展開させることにより、第2エアバッグによる、障害物の衝突時における衝撃力の軽減が可能となる。
【0046】
また、この第2エアバッグ内にベントホールが形成されるので、エアバッグが展開して障害物が衝突した後は、エアバッグ内のガスを大気放出させて、乗員によるフロントガラスからの視界確保が早期に可能となる。
【0047】
更に、請求項記載の発明によれば、カウルやフロントピラーには、ベントホールを具備しない第1エアバッグを展開させる一方で、フロントガラス周縁付近には、ベントホールを具備する第2エアバッグを展開させたので、これにより、エアバッグに衝突した障害物が、その後、大きな襲撃力で路面に衝突する可能性を低減できる。
【0048】
つまり、障害物がこの第1エアバッグと第2エアバッグとの隣接部分に衝突した場合には、第2エアバッグにおける気室内のガスがベントホールを介して大気放出し易い。これにより、衝突時の沈み込みは第1エアバッグより第2エアバッグの方が大きく、障害物は、衝突後、フロントガラスが位置する方向にバウンドされることになる。よって、障害物がエアバッグに衝突後、路面に衝突することを抑制できる。
【0049】
請求項記載の発明は、請求項1ないし請求項のいずれか一つにおいて、上記第1エアバッグは、第2エアバッグの少なくとも一部よりも弾力性の低い材料で形成されることを特徴としている。
【0050】
このような構成により、障害物がカウルあるいはフロントピラー近傍に衝突する直前に、エアバッグが瞬時に展開されることになるが、車両前部のカウルあるいはフロントピラー近傍の少なくと一方を覆う第1エアバッグを、第2エアバッグの少なくとも一部より弾性力の小さい材料で形成させることにより、障害物が、第1エアバッグに衝突した際の衝撃を確実に低減できる。
【0051】
つまり、第1エアバッグは、弾性力の小さい材料で形成させるので、障害物が第1エアバッグに衝突したときに、第1エアバッグにおける障害物が衝突した部分が伸びて、大きく沈み込んでしまうのことを抑制でき、これにより障害物が大きい衝撃力で車両外形に衝突することが防止可能となる。
【0052】
また、障害物が直接衝突した時の衝撃が比較的小さいフロントガラス付近でも、フロントガラス付近を覆うように第2エアバッグを展開させることにより、第2エアバッグによる、障害物の衝突時における衝撃力の軽減が可能となる。
【0053】
更に、請求項記載の発明によれば、カウルやフロントピラーには、弾性力の小さい第1エアバッグを展開させる一方で、フロントガラス周縁付近には、弾性力の大きい第2エアバッグを展開させたので、これにより、エアバッグに衝突した障害物が、その後、大きな衝撃力で路面に衝突する可能性を低減できる。
【0054】
つまり、障害物がこの第1エアバッグと第2エアバッグとの隣接部分に衝突した場合には、第2エアバッグの弾性力は高く、第2エアバッグの弾性力は低いので、これにより、障害物は、衝突後、フロントガラスが位置する方向にバウンドされることになる。よって、障害物が、エアバッグに衝突後、路面に衝突することを抑制することができる。
【0055】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明に係る第1の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0056】
図1は、車両の前部においてエアバッグが展開した状態を、車両1の前方から見たときの図であり、図2は、同様にエアバッグが展開した状態を、車両1の側方から見たときの図である。
【0057】
これらの図に示すように、1は車両で、車両1の前部2は、車両前端部(フロントバンパー及びフロントグリル)3と、車両前端部3から車両後方に向かって斜め上方に延設されエンジンルーム(図示せず)を覆うフード4と、フード4から更に斜め後方のフロントガラス5とから主に構成されている。また、フロントガラス5の車幅方向の左右両端部(左右は、車両1を前方から見た時の方向)には、ルーフ6を支持する左側フロントピラー7a(車両1を前方から見て左側)、右側フロントピラー7b(車両1を前方から見て右側)とが左右に形成されている。尚、フード4、フロントピラー7a、フロントピラー7bは、鋼板製である。
【0058】
更に、車両前端部3には、車両1の進行方向に存在する障害物を検知するための検知センサー8が設置されており、検知センサー8からの信号等により、車両前方に障害物が存在し、障害物が車両1に衝突するする可能性が高いと判断した時は、フード4とフロントガラス5との境界近傍に設置されるカウル部9(鋼板製)の車体内(車両外形より内方側)に格納された前側インフレータ10aと後側インフレータ10bとを作動させる。尚、これらの前側インフレータ10aと後側インフレータ10bとは、車両の前後方向に隣接して配置されており、それぞれのガスの発生能力(エアバッグへのガスの供給能力)は、前側インフレータ10aの方が、後側インフレータ10bよりも高く設定されている。
【0059】
この場合、図3に示すように、検知センサー8からの出力信号は車載されたコントローラ11に出力され、コントローラ11では、この信号をデジタル処理することにより障害物を検知してその位置を認識し、この障害物の位置と、車速センサー12に検出された車速と、舵角センサー13により検出された舵角等に基づいて、障害物が車両1に衝突する可能性を判断する。この判断の結果、障害物が車両1に衝突する可能性が所定値以上と高く、しかも衝突時の障害物と車両1との相対速度が所定値以上と高速であると判断したときは、障害物が車両前端部3に衝突する直前で先ずは、前側インフレータ10aを作動(起爆)させ、それから、極短時間経過後、後側インフレータ10bを作動(起爆)させる。
【0060】
エアバッグ14は、通常は折り畳んだ状態で収納されており、エアバッグ14に形成された2つのガス流通口15a、15b(図4参照)が、それぞれ2つの前側インフレータ10a、後側インフレータ10bに対応するように取付けられている。2つの前側インフレータ10a、後側インフレータ10bが作動すると一瞬に大量のガスが発生され、この大量のガスがガス流入口15a、15bを介して、エアバッグ14内に流入することになる。このガスの流入により、エアバッグ14は、フード4のカウル部9側を車両外形表面から離間する方向に押し退けて、フード4やフロントガラス5やフロントピラー7のを覆うように、一瞬に膨張して展開されることになる。そして、車両前端部3に衝突して跳ね上げられた障害物は、膨張・展開が完了したエアバッグ14に衝突し、これによって、障害物が車両1のフード4やフロントガラス5やフロントピラー7に直接、強い衝撃力で衝突することが防止される。
【0061】
尚、検知センサー8は、超音波センサーや画像認識用カメラ、レーザーセンサーなど多様なものを適用することが可能である。
【0062】
また、本実施形態において、検知センサー8を、障害物が車両1に直接接触したことを検出するセンサーとして、センサーが車両に障害物が直接接触した直後に、前側インフレータ10a、後側インフレータ10bを作動させても良い。
【0063】
次に、エアバッグ14の構造について詳細に説明する。
【0064】
エアバッグ14は繊維材料からなる布製であり、展開した状態ではその外形は車両前方から見て凹状に形成されるとともに、フード4の車両後端部を覆う前部14aと、フロントガラス5の前端部5aを覆う後部14bと、左側フロントピラー7a及びフロンガラス5の左端部5bを覆う左部14cと、右側フロントピラー7b及びフロンガラス5の右端部5cを覆う右部14dとから構成されている。
【0065】
図4は、エアバッグ14が展開した状態におけるエアバッグ14内部の構造を、車両前方から見たときの概略説明図である。この図4に示すように、エアバッグ14の、前側インフレータ10a、後側インフレータ10b(図4では図示せず)に接続する部分には、前側インフレータ10a、後側インフレータ10bの作動時に前側インフレータ10a、後側インフレータ10bからの大量のガスを流入させる2つのガス流入口15a、15bが形成されている。
【0066】
また、エアバッグ14は複数の仕切壁16により複数の気室17に区画されており、これらの気室17の配置は、ガス流入口15a、15bを中心として左右対称となるよう形成されている。
【0067】
尚、ガス流入口15a、15bも、仕切壁16aにより仕切られており、これにより前側インフレータ10aに接続される前側のガス流入口15aの方が、後側インフレータ10bに接続される後側のガス流入口15bよりも、開口面積が大きくなるよう形成されている。
【0068】
次に、気室17の配置等について、ガス流入口15a、15bを中心として左側を参照して説明する。(以下、エアバッグ14の右側は、左右の違いの他は左側の構成と同じであり、よって説明は省略する)
インフレータ10aからガス流入口15aを介して流入したガスが、前部14aの気室17aに流入し、その後ガスが連通路18aを介して前部14aの気室17bに流入し、次にガスは連通路18bを介して左部14cを構成する気室17cに流入し、その後、ガスは連通路18cを介して左部14cの気室17dに流入するよう、気室17は、区画されている。
【0069】
また、インフレータ10bからガス流入口15bを介して流入したガスは、後部14bの気室17eに流入し、その後、連通路18dを介して左部14cの気室17fに流入するよう、気室17は区画されている。更に、気室17dと気室17fとは、連通路18eにより連通可能となっている。
【0070】
本実施形態では、気室17a、気室17b、気室17c、及び気室17dが第1エアバッグ141を構成し、気室17e及び気室17fが第2エアバッグ142を構成する。
【0071】
また、第1エアバッグ141と第2エアバッグ142とは、仕切壁16bにより固定されている。
【0072】
第1エアバッグ141の各気室17は、第2エアバッグ142の各気室17よりも容量が小さく設定されており、また、第1エアバッグ141の連通路18の開口面積は、第2エアバッグ142の連通路18の開口面積よりも小さく設定されている。
【0073】
尚、第1エアバッグ141内においては、各気室17の容量を、第2エアバッグ142のどの気室17の容量よりも大きくならない程度に、相違させてもよいし、同様に、第2エアバッグ142内においては、各気室17の容量を、第1エアバッグ141のどの気室17の容量よりも小さくならない程度に、相違させてもよい。
【0074】
また、第1エアバッグ141内においては、各連通路18の開口面積を、第2エアバッグ142のどの連通路18の開口面積よりも大きくならない程度に、相違させてもよし、同様に、第2エアバッグ142内においては、各連通路18の開口面積を、第1エアバッグ141のどの連通路18の開口面積よりも小さくならない程度に、相違させてもよい。
【0075】
図5は、エアバッグ14が最大に展開した状態を、車両1の側部から見たときの概略断面図である。エアバッグ14が最大に展開された状態においては、第1エアバッグ141の車両外形表面1aから離間する方向への厚さh1は、第2エアバッグ142の車両外形表面1aから離間する方向への厚さh2よりも大きく設定される。
【0076】
また、この時、第2エアバッグ142の厚さh2に対する第1エアバッグ141の厚さh1の比は、第2エアバッグ142全体の容積に対する第1エアバッグ141全体の容積比よりも大きく設定されており、これにより第1エアバッグ141の厚さを、衝撃を十分吸収できる程度に適切に設定可能となる。
【0077】
尚、第2エアバッグ142における所定の気室17の厚さh2に対する、第1エアバッグ141における所定の気室17の厚さh1の比を、第2エアバッグ142における所定の気室17の容積に対する第1エアバッグ141における所定の気室17の容積比よりも大きく設定してもよく、これによっても、第1エアバッグ141の厚さを、衝撃を十分吸収できる程度に適切に設定可能となる。
【0078】
また、第2エアバッグ142の気室17fには、障害物が衝突した後、エアバッグ14内のガスを大気放出させてエアバッグを萎ませるためのベントホール19が設けられている(図4参照)。このベントホール19の開口面積は所定範囲内であり、これにより展開後のガスの大気放出を可能とするとともに、気室17fに障害物が衝突した時には、大量のガスが大気放出して、障害物が車両外形に強い衝撃で衝突するほど、大きく沈み込まないようにしている。
【0079】
尚、ベントホール19は、第2エアバッグ142であればどこに形成しても良く、従って気室17eに形成してもよい。
【0080】
次に、エアバッグの展開について、詳細に説明する。
【0081】
先ず、車両1に障害物が接触する可能性が高いと判断すると、先に前側インフレータ10aを作動させる。これにより大量で展開圧力の高いガスが第1エアバッグ141に流入し、ガスは順に、気室17a、気室17b、気室17c、気室17dに次々に流入し、第1エアバッグ141が展開される。この時、第2エアバッグ142は、仕切壁16bによって第1エアバッグ141に固定されているため、第1エアバッグ141の展開に合わせて同時に広がることになる。
【0082】
次に、第1エアバッグ141の展開開始直後、後側インフレータ10bが作動されて、第2エアバッグ142の展開が開始する。これにより展開圧力が第1エアバッグ141に流入するガスよりも比較的低いガスが、第2エアバッグ142に流入し、ガスは気室17a、気室17bに次々に流入して、第2エアバッグ142が展開される。
(作用及び効果)
このような構成により、第1の実施形態では、エアバッグ14は、車両の前部2を大きく覆うよう大型で凹状に形成されているため、障害物がカウル部9の近傍やフロントピラー7a、7bの方向に跳ね上げられた時に障害物を高い確率でエアバッグ14上に衝突させることが可能となる。また、このように車両1の前部2を1つのエアバッグ14で覆うので、仮に複数のエアバッグ14で車両前部2を覆った場合に、隣接し連結されていないエアバッグ14同士の間に障害物が衝突してしまい、障害物が車両外形に直接、強い衝撃力で衝突するといった不具合の発生を防止できる。
【0083】
また、車両前部2のカウル部9あるいは左右のフロントピラー7a、7b近傍を覆う第1エアバッグ141を展開させるための圧力を、第1エアバッグ141よりも車幅方向中心側のウインドガラス5を覆う第2エアバッグ142を展開させるための圧力より大きくしたことにより、第1エアバッグ141の展開を確実且つ早急に行い、例えば車速が大きいときに、障害物がカウル部9や左右のフロントピラー7a、7bに直接衝突する可能性を確実に低減できる。(効果A)
また、障害物が直接衝突した時における衝撃が比較的小さいフロントガラス5付近でも、フロントガラス5付近を覆うように第2エアバッグ142を展開させることにより、第2エアバッグ142による、障害物の衝突時における衝撃力の軽減が可能となる。(効果B)
また、第2エアバッグ142では、展開圧力を比較的小さくしたことにより、総合的に、2つのインフレータ10a、10bからエアバッグ14全体に供給する展開圧力を低減でき、インフレータ10を簡素化できる。(効果C)
また、第1エアバッグ141の展開が、第2エアバッグ142の展開よりも先におこなわれるよう構成したことにより、第1エアバッグ141の展開を早急に行うことができ、例えば車速が大きい時に、障害物がカウル部9やフロントピラー7a、7bに直接衝突する可能性を確実に低減できる。(効果D)
また、第1エアバッグ141の展開がおこなわれた後に、第2エアバッグ142を展開させることで、総合的にインフレータ10a、10b全体の初期のガス供給能力を低減でき、インフレータを簡素化できる。(効果E)
また、第1エアバッグ141において、車両外形表面から離間する方向への厚さを大きくしたり、各気室17の容積を小さくしたり、各連通路18の開口面積を大きくしたことにより、障害物が第1エアバッグに衝突した際に、障害物が車両外形に大きな衝撃力で衝突することを確実に抑制できる。(効果F)
また、第1エアバッグ141において、車両外形表面から離間する方向への厚さを大きくしたり、各気室17の容積を小さくしたり、各連通路18の開口面積を大きくしたりしたことにより、障害物がこの第1エアバッグ141と第2エアバッグ142との隣接部分(例えば、仕切壁16b付近)に衝突した場合には、障害物は、フロントガラスの中心が位置する方向にバウンドされることになる。よって、障害物がエアバッグ14に衝突後、停車中の車両から路面に落下して衝突することを防止するだけでなく、衝突後の減速中で、車速が低下していない状態の車両から強い衝撃で路面に衝突することも防止できる。(効果G)
一方、第2エアバッグ142においては、車両外形表面から離間する方向への厚さを比較的小さく設定したことにより、総合的にインフレータ10a、10bのガス供給能力を全体的に低減でき、インフレータ10a、10bを簡素化できる。(効果H)
また、第2エアバッグ142においては、第2エアバッグ142内の気室17の容積を大きくしたことにより、単位体積当たりのエアバッグ14へのガスの供給が早まり、エアバッグ14全体の展開を早期化して、障害物が強い衝撃で車両外形に衝突するのを低減できる。(効果I)
また、第2エアバッグ142においては、第2エアバッグ142内の隣接する気室17間の連通路18の開口面積を大きくしたことにより、ガスの流通性を向上させて、全体的にエアバッグ14の展開を早期化できる。(効果J)
また、この第2エアバッグ142内にベントホール19が形成されるので、エアバッグ14が展開して障害物が衝突した後は、エアバッグ14内のガスを大気放出させて、乗員によるフロントガラス5からの視界確保が早期に可能となる。(効果K)
(第2の実施形態)
次に、本発明に係る第2の実施形態について説明する。
【0084】
第1の実施形態では、インフレータを2つとし、ガス流入口も2つとして、エアバッグ14を展開させたが、第2の実施形態では、これに代えて、インフレータを1つとして、このインフレータに接続されるガス流入口も第1エアバッグ141にのみ形成させた。尚、この他の構成は、第1の実施形態と同じとした。
【0085】
これにより、インフレータから流入されるガスは、第1エアバッグ141のみに流入することになり、以下、具体的に説明する。
【0086】
ガス流入口から第1エアバッグ141の気室17aに流入したガスは、第1の実施形態と同様に、気室17b、気室17c、気室17dに次々に流入し、その後は、連通路18eを介して気室17fに流入して、次に連通路18dを介して気室17eに流入することで、エアバッグ14全体を展開させる。
【0087】
このような構成により、インフレータのガス供給能力を低減させつつ、障害物のカウル部9や、フロントピラー7a、7bへの衝突を確実に低減できる。
【0088】
また、このような構成により、第1の実施形態において、上述のインフレータを2つ利用したことによる効果A、及び効果Cから効果Eを除く、他の効果についても同様に得ることが可能となる。また、本実施形態によれば、展開後半でガスが供給される第2エアバッグ142の連通路の開口面積は大きく形成されているので、エアバッグ14全体の早期展開が可能となる。
(第3の実施形態)
次に、本発明に係る第3の実施形態について説明する。
【0089】
第1の実施形態では、エアバッグ14全体を布製としてが、これに代えて、本実施形態では、第2エアバッグ142の外表面、あるいは、外表面に加えて更に仕切壁16を、ゴムなどの布よりも弾力性の高い材料で形成してもよい。
【0090】
これにより、第1エアバッグ141は、弾性力の小さい布製で形成したので、障害物が第1エアバッグ141に衝突したときに、第1エアバッグ141において障害物が衝突した部分が伸びて、大きく沈み込んでしまうのことを抑制でき、障害物が大きい衝撃力で車両外形に衝突することが防止可能となる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。
【0091】
第1の実施形態では、第1エアバッグ141に供給されるガスの展開圧力や供給時期を、第2エアバッグ142に供給されるガスの展開圧力や供給時期より変更させたが、これに代えて、第1エアバッグ141及び第2エアバッグ142とも同じ展開圧力でガスを供給するとともに、同じ時期にガス供給を開始しても良い。尚、この他の構成は、第1の実施形態と同じとする。
【0092】
具体的には、エアバッグ14の仕切壁16aを撤去して、1つのインフレータで発生したガスを、1つのガス流入口を介して、第1エアバッグ141の気室17aと第2エアバッグ142の気室17bとに同時に同じ圧力で供給させて、エアバッグ14全体を展開させる。
【0093】
このような構成により、第1の実施形態の効果の内、上述のインフレータを2つ利用したことによる効果A、及び効果Cから効果Eを除く、他の効果について、同様に得ることが可能となる。
(他の実施形態)
以上のような実施形態では、エアバッグ14を1つのエアバッグ14としたが、これに代えて、車幅方向の左右にそれぞれ1つずつ、計2つのエアバッグを設け、それぞれのエアバッグに対し、本実施形態を構成させても良い。尚、この場合、2つのエアバッグが展開された状態において、全体的に凹状となる。
【0094】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては、車両前部に搭載されたエアバッグ装置において、エアバッグを、車両前部のカウルあるいはフロントピラー近傍の少なくと一方を覆うように展開する第1エアバッグと、第1エアバッグよりもフロントウインド側の車両外形を覆うように展開する第2エアバッグとに区画させ、これら第1エアバッグ及び第2エアバッグのそれぞれを特徴的な構成としたことにより、障害物が、カウルあるいはフトントピラーに強い衝撃力で衝突することを確実に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る車両前部のエアバッグ14が展開した状態における正面図。
【図2】本発明の実施形態に係る車両前部のエアバッグ14が展開した状態における側面図。
【図3】エアバッグ14を作動させる制御ブロック図。
【図4】第1の実施形態におけるエアバッグ14の内部を説明する概略図。
【図5】第1の実施形態におけるエアバッグ14の一部の厚さを示す概略図。
【符号の説明】
1:車両
2:車両前部
4:フード
5:フロントガラス
7a:左側フロントピラー
7b:右側フロントピラー
9:カウル部
10a:前側インフレータ
10b:後側インフレータ
14:エアバッグ
141:第1エアバッグ
142:第2エアバッグ
17:気室
18:連通路
19:ベントホール

Claims (8)

  1. 車両と該車両前方に存在する障害物との接触を検出あるいは予知することによって、インフレータによるガスの供給を行って、車両前部のカウル、フロントピラー、カウルより後方でフロントピラーより車幅方向内側に広がるフロントウインドの一部を覆うように、車両前方から見て凹状にエアバッグを展開させる車両前部に搭載されたエアバッグ装置において、
    上記エアバッグは、車両前部のカウルあるいはフロントピラー近傍の少なくとも一方を覆うように展開する第1エアバッグと、車両前方から見て、該第1エアバッグに隣接し、該第1エアバッグよりもフロントウインド側の、フロントガラスの前端部を含む車両外形を覆うように展開する第2エアバッグとに仕切壁によって区画されていて、
    上記インフレータは、第1のインフレータと、第2のインフレータとを有し、
    エアバッグの展開中において、第2エアバッグの展開よりも先に、第1エアバッグを展開させるように、第1のインフレータにより第1エアバッグにガスを供給して第1エアバッグの展開が開始した後、第2のインフレータにより第2エアバッグにガスを供給して第2エアバッグを展開させることを特徴とする車両前部に搭載されたエアバッグ装置。
  2. 上記エアバッグにおいて、第1エアバッグと第2エアバッグとは互いに連通路により連通されるとともに、インフレータから供給されたガスが、第1エアバッグに流入後、該連通路を介して第2エアバッグに流入されるよう形成されることを特徴とする請求項1記載の車両前部に搭載されたエアバッグ装置。
  3. 上記エアバッグの展開状態において、第1エアバッグの車両外形表面から離間する方向の厚さは、第2エアバッグの車両外形表面から離間する方向の厚さよりも大きく設定されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両前部に搭載されたエアバッグ装置。
  4. 上記エアバッグにおいて、第2エアバッグに対する第1エアバッグの車両外形表面から離間する方向の厚さの比は、第2エアバッグに対する第1エアバッグの容積比よりも大きく設定されることを特徴とする請求項3記載の車両前部に搭載されたエアバッグ装置。
  5. 上記第1エアバッグ及び第2エアバッグとも、それぞれ複数の気室により区画され、第1エアバッグの該気室の容積は、第2エアバッグの該気室の容積よりも小さくなるよう形成されることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一つに記載の車両前部に搭載されたエアバッグ装置。
  6. 車両と該車両前方に存在する障害物との接触を検出あるいは予知することによって、インフレータによるガスの供給を行って、車両前部のカウル、フロントピラー、カウルより後方でフロントピラーより車幅方向内側に広がるフロントウインドの一部を覆うように、車両前方から見て凹状にエアバッグを展開させる車両前部に搭載されたエアバッグ装置において、
    上記エアバッグは、複数の気室により区画されて、車両前部のカウルあるいはフロントピラー近傍の少なくとも一方を覆うように展開する第1エアバッグと、車両前方から見て、該第1エアバッグに隣接し、複数の気室により区画されて、該第1エアバッグよりもフロントウインド側の、フロントガラスの前端部を含む車両外形を覆うように展開する第2エアバッグとに区画されるとともに、該第1エアバッグ及び第2エアバッグの各気室は隣接する気室と連通路により連通可能となるよう形成されており、第1エアバッグの該連通路の開口面積は、第2エアバッグの該連通路の開口面積よりも小さくなるよう形成されることを特徴とする車両前部に搭載されたエアバッグ装置。
  7. 上記第2エアバッグには、エアバッグに供給されたガスを徐々に大気放出させるためのベントホールを形成させるとともに、第1エアバッグには該ベントホールを形成させないことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一つに記載の車両前部に搭載されたエアバッグ装置。
  8. 上記第1エアバッグの少なくとも一部は、第2エアバッグの少なくとも一部よりも弾力性の低い材料で形成されることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一つに記載の車両前部に搭載されたエアバッグ装置
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