JP4178992B2 - 車両空調用送風ユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遠心式送風機の吸込口の近傍にフィルタを配置した車両空調用のフィルタ付送風装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
遠心式送風機の吸込口の近傍にフィルタを配置した従来例を図7に示す。
この図7に示すように、従来の技術では、略矩形形状に設けられたフィルタJ1 をフィルタケースJ2 内に収め、そのフィルタケースJ2 を遠心式送風機J3 の上流側の空気通路J4 に差し込む構成を採用していた(特許文献なし)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
車両空調装置では、ウエイトダウンおよびコストダウンの要求が強い。そこで、図8に示すように、従来用いていたフィルタケースJ2 を廃止し、ウエイトダウンとコストダウンを図ったものがある。
このようにフィルタケースJ2 を廃止すると、遠心式送風機J3 にフィルタJ1 が吸い込まれてしまう。そこで、図9に示すように、フィルタJ1 の対角線上に伸びる支持部材J5 をフィルタJ1 の下流側に配置して、フィルタJ1 が遠心式送風機J3 に吸い込まれる不具合を防いでいる。
【0004】
本願発明者は、支持部材J5 を配置した送風ユニットを種々検討した結果、吸込口に支持部材J5 を配置したことにより、支持部材J5 が無い状態に比較して大きな吸込圧損(例えば、風量380m3 /h時において10Pa程)が生じることを見いだした。吸込圧損は、風量低下および風切り騒音を招く不具合がある。
【0005】
【発明の目的】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来では吸入圧損を招く要因になっていた支持部材を整流板として利用して、支持部材が無い状態以上に吸入圧損を小さくした車両空調用送風ユニットの提供にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
〔請求項1の手段〕
請求項1の手段を採用する車両空調用送風ユニットは、略十字を呈した4枚の平板部材のうちの一枚の平板部材を、スクロール壁において遠心ファンに最も接近するノーズ位置から、スクロール壁内において空気が流れる方向へ40°の範囲内に設置したことにより支持部材を整流板として利用でき、支持部材が無い状態以上に吸入圧損を小さくできる。
即ち、請求項1の手段を採用する車両空調用送風ユニットは、フィルタケースの廃止によるウエイトダウンおよびコストダウンを図ることができるとともに、支持部材が無い状態以上に吸入圧損を小さくでき、風量低下、騒音悪化を解消できる。
【0007】
〔請求項2の手段〕
請求項2の手段を採用する車両空調用送風ユニットは、4枚の平板部材のうちの一枚の平板部材を、ノーズ位置から、スクロール壁内において空気が流れる方向に20°±5°の位置に設置したことにより支持部材を整流板として利用して、支持部材が無い状態よりも吸込口に吸い込まれる空気の流れを大きく改善でき、送風性能を向上させることができる。
【0008】
〔請求項3の手段〕
請求項3の手段を採用する車両空調用送風ユニットは、支持部材を構成する4枚の平板部材の空気の流れ方向の板幅を5mm以上に設けたことにより、支持部材としてのフィルタの支持強度を確保できるとともに、支持部材を整流板として機能させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、実施例と変形例を用いて説明する。
[実施例の構成]
車両空調用送風ユニットを図1〜図4を参照して説明する。
【0010】
車両空調用送風ユニットは、車両用空調ユニット(図示しない)の上流側(空気吸込口側)に接続配置されるものであり、その構成を図1〜図3を参照して説明する。
この実施例に示される車両空調用送風ユニットは、遠心式送風機1と、その上流側に配置されたフィルタ2と、そのフィルタ2の上流側に配置された内外気切替手段3とから構成されている。
【0011】
遠心式送風機1は、遠心ファン4と、この遠心ファン4を回転駆動する電動モータ5と、略渦巻き状を呈して遠心ファン4の周囲を覆うスクロール壁6aを備えたスクロールケース6とから構成される。
この遠心式送風機1は、遠心ファン4が回転駆動されることによって、遠心ファン4の内側の空気を遠心ファン4の外側へ圧送する。すると、内外気切替手段3で選択された内気または外気が吸込口7から遠心ファン4の内側に吸引され、遠心ファン4の外側へ遠心ファン4の回転とともに圧送される。遠心ファン4の外側へ圧送された空気は、スクロール壁6a内に沿って吐出口8に導かれ、その吐出口8から車両用空調ユニット内に吹き出される。
【0012】
フィルタ2は、図3に示すように、濾材を複数の波状に屈曲させて蛇腹形状に設けたものであり、空気の流れ方向に対して矩形の外形形状を呈する。
このフィルタ2は、内外気切替手段3と遠心式送風機1の間に形成された矩形の空気通路9内の全域に配置されるものであり、この空気通路9の側面に形成されたフィルタ挿入穴10から空気通路9内に挿入される。そして、フィルタ2の挿入後は蓋材11によってフィルタ挿入穴10が塞がれるものである。
【0013】
[実施例の特徴]
この実施例では、フィルタ2を収容するフィルタケースを廃止してウエイトダウンとコストダウンを図っている。このようにフィルタケースを廃止すると、遠心式送風機1にフィルタ2が吸い込まれてしまう。
そこで、従来技術の項でも示したように、フィルタ2のほぼ対角線上にフィルタ2を支える支持部材12を配置し、フィルタ2が遠心式送風機1に吸い込まれないようにすると、吸込口7の上流部に配置した支持部材12が空気の抵抗板として作用してしまい、支持部材12を設けたことによって支持部材12が無い状態に比較して大きな吸込圧損が生じてしまう。
【0014】
ここで、支持部材12は、空気の流れ方向に板幅が向く4枚の平板部材12aを、吸込口7の空気吸込方向から見た形状が略十字を呈するように90°間隔で配置したものであり、略十字形状を呈する4枚の平板部材12aの交差部は、遠心ファン4の回転軸の略延長上に配置されるものである。なお、支持部材12を構成する4枚の平板部材12aは、スクロールケース6を構成する樹脂部材によって一体成形されたものである。
【0015】
支持部材12を構成する4枚の平板部材12aの高さ寸法(吸込口7の空気の流れ方向の寸法)は、フィルタ2の搭載時にフィルタ2が吸込抵抗にならない高さに設けられる。即ち、あまり高く設定しても送風ユニットの全体形状が大きくなってしまうため、20〜40mm程度が好ましい。
また、吸込口7の開口範囲内(吸込口7の上方部分)は、フィルタ2を保持するのに必要な強度を保つ板幅として5〜10mmを残して切り欠く形状に設けられている。
【0016】
この実施例では、支持部材12による吸入圧損を低減するために、略十字を呈した4枚の平板部材12aのうちの一枚の平板部材12aを、スクロール壁6aにおいて遠心ファン4に最も接近するノーズ位置α(この位置を0°)から、スクロール壁6a内において空気が流れる方向(遠心ファン4の回転方向)の40°の範囲内に設置することを特徴としている。即ち、ノーズ位置α(スクロールの始まり位置)から20°回転させた位置を基準に±20°の範囲に、略十字を呈した4枚の平板部材12aのうちの一枚の平板部材12aを配置することを特徴としている。
そして、4枚の平板部材12aのうちの一枚の平板部材12aを、ノーズ位置α(0°)から20°±5°の位置に設置されることが好ましく、ノーズ位置α(0°)から約20°の位置に配置することが特に好ましいものである。
【0017】
次に、略十字を呈した4枚の平板部材12aのうちの一枚の平板部材12aを、ノーズ位置α(0°)から、スクロール壁6a内において空気が流れる方向に回転させた場合における遠心式送風機1の全圧変化を図4に示す。なお、この図4は、送風機風量が380m3 /hを条件として測定したものであり、支持部材12(4枚の平板部材12a)が無い状態の時の全圧を基準値(0)として表している。
この図4に示されるように、1枚の平板部材12aを0°〜40°の範囲内に配置した場合では、支持部材12が無い状態よりも全圧が高くなっている。これは、支持部材12が整流板として作用して、支持部材12が無い状態よりも吸込口7に吸い込まれる空気の流れが大きく改善されて送風性能が向上しているためである。
【0018】
[実施例の効果]
上述したように、略十字を呈した4枚の平板部材12aのうちの一枚の平板部材12aをノーズ位置α(0°)からスクロール壁6a内において空気が流れる方向へ40°の範囲内に設置することにより、支持部材12が抵抗板ではなく整流板として作用するため、遠心式送風機1の全圧を、支持部材12が無い状態よりも高くできる。
【0019】
特に、略十字を呈した4枚の平板部材12aのうちの一枚の平板部材12aをノーズ位置α(0°)からスクロール壁6a内において空気が流れる方向へ略20°の位置に設置することにより、遠心式送風機1の全圧を支持部材12が無い状態よりも10Pa(風量380m3 /h時)ほど高めることができる。
即ち、この実施例の車両空調用送風ユニットは、フィルタケースの廃止によるウエイトダウンおよびコストダウンを図ることができるとともに、支持部材12が無い状態より遠心式送風機1の吸入圧損を小さくでき、風量低下、騒音悪化を解消できる。
【0020】
[変形例]
図5に示すように、4枚の平板部材12aの交差部分に筒状の連結部材12bを配置して、交差部分の機械的な強度を高めるようにしても良い。
また、図6に示すように、平板部材12aは吸込口7内にスムーズに風を導くような曲面であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】吸入口の空気吸込方向から見た遠心式送風機の上視図である(実施例)。
【図2】遠心式送風機の側面断面である(実施例)。
【図3】フィルタの組付けを示す車両空調用送風ユニットの斜視図である(実施例)。
【図4】平板部材の取付角度と送風機全圧との関係を示すグラフである(実施例)。
【図5】平板部材の交差部分に筒状の連結部材を設けた支持部材の上視図である(変形例)。
【図6】平板部材を曲面に設けた支持部材の上視図である(変形例)。
【図7】フィルタの組付けを示す車両空調用送風ユニットの斜視図である(従来例)。
【図8】フィルタの組付けを示す車両空調用送風ユニットの斜視図である(従来例)。
【図9】遠心式送風機の斜視図である(従来例)。
【符号の説明】
1 遠心式送風機
2 フィルタ
4 遠心ファン
6 スクロールケース
6a スクロール壁
7 吸込口
12 支持部材
12a 平板部材
α ノーズ位置
Claims (3)
- 遠心ファン、略渦巻き状を呈するスクロール壁を有するスクロールケースを備え、車室に向かう空気流を生じさせる遠心式送風機と、
前記スクロールケースの吸込口の近傍に配置され、前記吸込口に吸入される空気を濾過するフィルタと、
前記吸込口と前記フィルタの間に配置され、前記吸込口に吸い込まれる空気の流れに抗して前記フィルタを前記吸込口の近傍で支える支持部材と、
を具備する車両空調用送風ユニットにおいて、
前記支持部材は、空気の流れ方向に板幅が向く4枚の平板部材を、前記吸込口の空気吸込方向から見た形状が略十字を呈するように配置されたものであり、
略十字を呈した前記4枚の平板部材のうちの一枚の平板部材は、前記スクロール壁において前記遠心ファンに最も接近するノーズ位置から、前記スクロール壁内において空気が流れる方向へ40°の範囲内に設置されることを特徴とする車両空調用送風ユニット。 - 請求項1に記載の車両空調用送風ユニットにおいて、
前記4枚の平板部材のうちの一枚の平板部材は、前記ノーズ位置から、前記スクロール壁内において空気が流れる方向に20°±5°の位置に設置されることを特徴とする車両空調用送風ユニット。 - 請求項1または請求項2に記載の車両空調用送風ユニットにおいて、
前記4枚の平板部材は、空気の流れ方向の板幅が、5mm以上に設けられていることを特徴とする車両空調用送風ユニット。
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