JP4178709B2 - 移動体通信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばCDMA方式の携帯自動車電話システム等に好適な移動体通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、従来より普及していたセルラー方式の携帯電話システムに加えて、通話の安定性や音質の点で優れたCDMA(Code Division Multiple Access:符号分割多元接続)方式の携帯自動車電話システムが広く一般に普及しつつある。
【0003】
しかるに、CDMA方式の携帯自動車電話システムでは、移動局の移動に伴ない、無線接続先を電波の弱くなった基地局からそれよりも強い基地局に切換える、ハンドオフ(ハンドオーバとも言う)と称される処理を行なっている。
【0004】
このハンドオフ処理は、ハンドオフの領域に入ったとき(受信強度が現在基地局よりも高い基地局が存在する場合、現在基地局の受信強度が所定値以下になった場合等)に複数の基地局と同時に通信し、各基地局から送られてくるパイロット信号の受信強度が最も高い基地局を新たな無線接続先として選択して切換えるようになっている。
【0005】
また、電源投入時、あるいはシステムをロスした時(基地局からの電波を受けれなくなったとき)なとに行うパイロットサーチ時において、移動機は接続可能な全ての基地局のパイロット信号の受信強度を測定して、最も高い基地局に無線接続していた。
【0006】
このように、基地局を選択するときにパイロット信号の受信強度のみを判断基準として使用していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、ハンドオフ処理はパイロット信号の受信強度のみを唯一の判断基準とし、各基地局と移動局との相対的な位置関係などは考慮されない。そのため、特に使用者が電車に乗っている場合などのように高速で移動する際には、その移動経路中で短い期間だけ通過するような基地局のカバーエリアでもハンドオフ処理を行なうなど、非常に高い頻度でハンドオフ処理を行なうこととなり、待受け状態にあっても電力を無駄に消費してしまうという不具合があった。また、何らかの理由によりより距離が遠い基地局からのパイロット信号の受信強度が一時的に高くなったときにハンドオフ処理をしてしまうと、本来なら距離が近い基地局があるのに遠い基地局を選択して接続してしまい、受信の安定度が損なわれてしまうという不具合があった。
【0008】
さらに、パイロットサーチ時に全ての基地局をサーチしているので、電力を無駄に消費してしまうという不具合があった。
【0009】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、接続対象としてより有効な基地局を選択して無線接続する(ハンドオフ処理、パイロットサーチ時)ことで、無駄な電力消費を極力抑え、安定した通信状態を維持することが可能な移動体通信装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、複数の基地局からのパイロット信号を受信して接続する基地局を選択する移動体通信装置において、所定タイミングで所定期間実行される上記複数の基地局からのパイロット信号の受信処理において受信された、各基地局からのパイロット信号の上記所定期間内での受信タイミングを検出する検出手段と、最後に実行された上記所定期間のパイロット信号受信処理において受信された各基地局からのパイロット信号それぞれについて、最後に実行された上記所定期間のパイロット信号受信処理において上記検出手段により検出された上記所定期間内での受信タイミングとそれ以前に実行された上記所定期間のパイロット信号受信処理において上記検出手段により検出された上記所定期間内での受信タイミングとを比較し、最後に実行された上記所定期間のパイロット信号受信処理における上記所定期間内での受信タイミングがそれ以前に実行された上記所定期間のパイロット信号受信処理における上記所定期間内での受信タイミングよりも相対的に早いパイロット信号を送信している基地局を、新たに接続すべき基地局として選択する選択手段とを具備したことを特徴とする。
【0011】
このような構成とすれば、接続対象として特に移動先の方向に基地局がある場合にこれを優先的に選択してハンドオフ処理を行なうことで、無駄な電力消費を極力抑えながら、安定した通信状態を維持することができる。
【0012】
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、上記選択手段は、最後に実行された上記所定期間のパイロット信号受信処理における上記所定期間内での受信タイミングがそれ以前に実行された上記所定期間のパイロット信号受信処理における上記所定期間内での受信タイミングよりも相対的に早いパイロット信号の中で、早くなっている時間量が最も大きいパイロット信号を送信している基地局を、新たに接続すべき基地局として選択する手段であることを特徴とする。
【0013】
このような構成とすれば、上記請求項1記載の発明の作用に加えて、より接続対象として有効な基地局を選択してハンドオフ処理を行なうことができる。
【0014】
請求項3記載の発明は、複数の基地局からのパイロット信号を受信して接続する基地局を選択する移動体通信装置において、所定タイミングで所定期間実行される上記複数の基地局からのパイロット信号の受信処理において受信された、各基地局からのパイロット信号の上記所定期間内での受信タイミングを検出する検出手段と、マルチパスの発生に起因して、上記検出手段で同一の基地局からのパイロット信号の受信タイミングを複数検出した場合に、その受信タイミング間の時間差を算出する算出手段と、上記検出手段により複数の受信タイミングが検出されたパイロット信号が複数あった場合には、上記算出手段で算出されるパイロット信号の受信タイミングの時間差がより小さいパイロット信号を送信している基地局を、新たに接続すべき基地局として選択する選択手段とを具備したことを特徴とする。
【0015】
このような構成とすれば、接続対象の候補となる基地局との間でマルチパスが生じている場合でも極力その影響の小さい基地局を選択してハンドオフ処理を行なうことで、安定した通信状態を維持することができる。
【0016】
請求項4記載の発明は、複数の基地局からのパイロット信号を受信して接続する基地局を選択する移動体通信装置において、上記複数の基地局からのパイロット信号を受信する受信処理において受信した、各基地局からのパイロット信号の受信タイミングを検出する検出手段と、マルチパスの発生に起因して、上記検出手段で同一の基地局からのパイロット信号の受信タイミングを複数検出した場合に、その受信タイミング間の時間差を算出する算出手段と、この算出手段で算出した時間差と予め用意したしきい値とを比較する比較手段と、この比較手段の比較結果に基づいて、上記検出手段による基地局からのパイロット信号の受信タイミングの検出処理を打ち切るか否かを選択する選択手段とを具備したことを特徴とする。
【0017】
このような構成とすれば、接続対象の候補となる基地局との間でマルチパスが生じている場合でもその影響が一定の値より小さい基地局を選択してハンドオフ処理を行なうことで、より短い期間のうちに基地局の選択を終えることとなるので、無駄な電力消費を極力抑えることができる。
【0018】
請求項5記載の発明は、上記請求項4記載の発明において、上記選択手段は、上記算出手段で算出した時間差が上記しきい値よりも大きい場合には、上記検出手段による基地局からのパイロット信号の受信タイミングの検出処理を継続して、他の基地局からのパイロット信号の受信タイミングの検出を行なうことを選択し、小さい場合には、パイロット信号の受信タイミングの検出処理を打ち切って、そのパイロット信号を送信している基地局を接続すべき基地局として選択することを特徴とする。
【0019】
このような構成とすれば、上記請求項4記載の発明の作用に加えて、生じているマルチパスの程度によってより適切な基地局を選択し、ハンドオフ処理を行なうことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下本発明をCDMA方式の携帯自動車電話システムに適用した場合の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0021】
第1の実施の形態では、ハンドオフ処理における基地局の選択方法を説明するものであり、どの基地局へ近付いているのかを検出して、近付いている基地局を選択する。
【0022】
図1はシステム全体の構成を示すもので、1はPSTN、ISDN等の公衆回線網を含んだネットワーク1であり、このネットワーク1にCDMA網を構成する多数の基地局(BS)2,2,…が接続されると共に、これらの基地局2,2,…の管理を含んだサービスを行なう、サービス事業者の運営するサービスセンタ3が接続される。
【0023】
そして、上記基地局2,2,…のいずれかとハンドオフ処理を行なうことでシステムの端末機となる移動局4が通信可能となる。
【0024】
続いて図2により上記移動局4の回路構成を示す。
【0025】
図中、11はアンテナであり、このアンテナ11にRF部12を接続している。このRF部12は、受信時にはアンテナ11から入力された信号をデュプレクサで周波数軸上から分離し、PLLシンセサイザから出力される所定周波数の局部発振信号と混合することによりIF信号に周波数変換し、さらに広帯域BPFで受信周波数チャネルのみを抽出し、AGC増幅器で希望受信波の信号レベルを一定にしてから次段の変復調部13へ出力する。
【0026】
一方、RF部12は送信時に、変復調部13から送られてくるOQPSK(Offset Quadri−Phase Shift Keying)の変調信号を、後述する制御部18からの制御に基づいてAGC増幅器で送信電力制御した後にPLLシンセサイザから出力される所定周波数の局部発振信号と混合してRF帯に周波数変換し、PA(Power Amplifier)で大電力に増幅して、上記デュプレクサを介してアンテナ11より輻射送信させる。
【0027】
変復調部13は、受信時にRF部12からのIF信号を直交検波器でベースバンドI・Q(In−phase・Quadrature−phase)信号に分離し、約10[MHz]のサンプルレートでデジタル化してCDMA部14に出力する。
【0028】
一方、変復調部13は送信時に、CDMA部14から送られてくるデジタル値のI・Q信号を約5[MHz]のサンプルレートでアナログ化した後に直交変調器でOQPSK変調してRF部12に送出する。
【0029】
CDMA部14は、受信時に変復調部13からのデジタル信号をPN(Pseudo Noise:擬似雑音)符号のタイミング抽出回路及びそのタイミング回路の指示に従って逆拡散・復調を行なう複数の復調回路に入力し、そこから出力される複数の復調シンボルの同期をとって合成器で合成して音声処理部15に出力する。
【0030】
一方、CDMA部14は送信時に、音声処理部15からの出力シンボルを拡散処理した後にデジタルフィルタで帯域制限をかけてI・Q信号とし、変復調部13に送出する。
【0031】
音声処理部15は、受信時にCDMA部14からの出力シンボルをデインタリーブし、それからビタビ復調器で誤り訂正処理を施した後に、音声処理DSP(Digital Signal Proccessor)で圧縮されたデジタル信号から通常のデジタル音声信号へと伸長し、これをアナログ化してスピーカ16を拡声駆動させる。
【0032】
一方、音声処理部15は送信時に、マイクロホン17から入力されるアナログの音声信号をデジタル化した後に音声処理DSPで1/8以下に圧縮し、それから畳み込み符号器で誤り訂正符号化してからインタリーブし、その出力シンボルをCDMA部14へ送出する。
【0033】
そして、これらRF部12、変復調部13、CDMA部14、及び音声処理部15には、制御部18を接続し、この制御部18に表示部19、キー入力部20、ROM21、及びRAM22を接続している。
【0034】
ここで制御部18は、CPU等で構成され、ROM21に記憶される所定のプロトコルに基づいて装置全体を制御するもので、ROM21が送信出力の制御やハンドオフ処理、その他通信時の各種制御を含む制御部18での制御動作プログラム等を固定的に記憶している。
【0035】
またRAM22は、制御部18での制御により取扱われる各種データを一時的に記憶するワークエリア、名前と電話番号等を複数人数分記憶した電話帳エリア等を有する。
【0036】
上記表示部19は、例えばバックライト付のドットマトリクスタイプ液晶表示パネルとその駆動回路とで構成される。
【0037】
キー入力部20は、文字入力キーを兼ねたダイヤルキー、「通話」キー、「切」キー、モード選択キー、カーソルキー等を有するもので、その操作信号が直接制御部18へ入力される。
【0038】
次に上記実施の形態の動作について説明する。
【0039】
ここでは、図3に示すように移動局4が受信できる3つの基地局2a〜2cとの位置関係にある環境下で、A地点から矢印αの方向に移動する場合について例示する。A地点において、移動局4の移動速度を20[m/秒](72[km/時])とし、移動方向と基地局2bの方向とのなす角が60°、同じく移動方向と基地局2cとのなす角が0°、基地局2aとの距離が2000[m]、基地局2cとの距離が3000[m]とする。
【0040】
移動局4は、A地点においてそれまで選択していた基地局である基地局2aからのパイロット信号の受信強度に比して、基地局2b,2cからのパイロット信号の受信強度の方が高いことを検出し、ハンドオフ処理を開始する。
【0041】
なお、説明を簡易化するために、移動局4がA地点を通過する時刻が、この移動局4のタイムリファレンス、すなわち移動局4が0(ゼロ)オフセットのパイロットPNシーケンスの開始と認識しているタイミングと正確に同期しているものとする。
【0042】
A地点を通過した時点で移動局4が1PNロール期間中に各基地局2a〜2cから得られるパイロット信号のタイミングと強度とが図4(1)に示すような内容であったとする。
【0043】
このA地点を通過してから一定の時間、例えば4秒(140PNロール)後に到達するB地点において、1PNロール期間中に得られる各基地局2a〜2cからのパイロット信号のタイミングを考える。すなわち、
(I)基地局2aからのパイロット信号は、A地点より基地局2aから遠ざかっている分だけ遅れる。
(II)基地局2bからのパイロット信号は、B地点での移動局4と基地局2bとの間の距離が
((2000・cos60°−80)2 +(2000・sin60°)2 )1/2 =約1961[m]
であるから、A地点より約39[m]近付いたこととなり、パイロット信号の到達時間は
39/(3×108 )=0.13[μ秒](=約1/6チップ)
だけA地点より早くなる。
ここで、チップとは、CDMA方式において用いられる拡散符号の1bitのことを示しており、データの1bitよりも時間的に短い。このチップという用語は、データとの混同を避けるために一般的に用いられている。
【0044】
(III)基地局2cからのパイロット信号は、A地点より80[m]近付いたこととなるので、パイロット信号の到達時間は
80/(3×108 )=0.267 [μ秒](=約1/3チップ)
だけA地点より早くなる。
【0045】
このパイロット信号の到達時間のずれは、どの基地局へ近付いている(どの基地局から遠ざかっている)のかを示している。
【0046】
図4(2)はB地点を通過した時点で移動局4が1PNロール期間中に各基地局2a〜2cから得られるパイロット信号のタイミングと強度とを示す内容であり、上記(I)〜(III)で説明した点を反映している。
【0047】
したがって、このB地点において移動局4は、選択可能な基地局2bと基地局2cのうち、受信強度としては基地局2bの方が高いが、基地局2cにより早く近付いているものと判断し、基地局2cを次の通信相手の候補として選択することとなる。
【0048】
なお、このA地点のタイミング(過去データ)とB地点のタイミング(現在データ)での比較に使用するデータは、A地点およびB地点でのデータをそれぞれ記憶していても良いし、A地点の(過去の)データのみを記憶しておきB地点のタイミングにリアルタイムで比較しても良い。
【0049】
このように移動局4の移動方向を正確に把握することで、例えば移動局4が基地局2aから一旦パイロット信号の受信強度の高い基地局2bを選択して接続し、そのすぐ後に基地局2cに選択先を切換える、というような無駄なハンドオフ処理を実行せずにすむため、移動局4の動作負荷が軽減され、電池電源の限りある電力を無駄に消費するのを避けることができる。
【0050】
なお、上記実施の形態においては、各基地局2からのパイロット信号の受信タイミングの測定を、ハンドオフ処理を行なう必要があると判断した時点とその4秒後としたが、これに限らず、毎回の待受けのタイミング、例えばCDMA方式携帯自動者電話システムの場合にSCI(Slot Cycle Index:待受けの間隔を決めるために使用される値で、実際の待受けの間隔は、1.28*(2⌒SCI)[sec]となる。)=2とすると5.12秒毎に各基地局2のパイロット信号の受信タイミングを測定し、ある待受けのタイミングでハンドオフ処理を行なう必要があると判断した時に、その直前のタイミングで測定し記憶していた内容とその時点での同内容とを比較してその差を検出するようにしてもよい。
【0051】
(第2の実施の形態)
以下本発明をCDMA方式の携帯自動車電話システムに適用した場合の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0052】
第2の実施の形態では、ハンドオフ処理における基地局の選択方法を説明するものであり、パイロット信号のマルチパスコンポーネントの到達時間の広がりから基地局との距離を検出して、この距離が近い基地局を選択する。
【0053】
なお、システム全体の構成については上記図1に示したものと、またシステム中の移動局の回路構成については上記図2に示したものとそれぞれ基本的に同様であることとし、同一部分には同一符号を用いるものとして、その図示及び説明は省略する。
【0054】
次に上記実施の形態の動作について説明する。
【0055】
ここでは、図5に示す如く、移動局4が3つの基地局2d〜2fと図のような位置関係にあるC地点で、それまで基地局2dと接続していた状態からハンドオフ処理を行なう場合について例示する。
【0056】
C地点において、経路e−1は基地局2eからの直接波が到来する経路を示すもので、基地局2eとC地点との直線距離は2000[m]である。
【0057】
これに対し、経路e−2は基地局2eからの到来波が障害物31により反射してからC地点に達する、マルチパスによる反射波の経路を示すもので、基地局2e及びC地点におけるこの経路e−2と上記経路e−1とのなす角がそれぞれ例えば15°であったとすると、経路e−2の長さは
2×((2000/2)/cos15°)=約2070[m]
となる。
【0058】
同様に、経路f−1は基地局2fからの直接波が到来する経路を示すもので、基地局2fとC地点との直線距離は3000[m]である。
【0059】
これに対し、経路f−2は基地局2fからの到来波が障害物32により反射してからC地点に達する、マルチパスによる反射波の経路を示すもので、基地局2f及びC地点におけるこの経路f−2と上記経路f−1とのなす角がそれぞれ例えば15°であったとすると、経路f−2の長さは
2×((3000/2)/cos15°)=約3105[m]
となる。
【0060】
図6はC地点で移動局4が1PNロール期間中に基地局2e,2fから得られるパイロット信号のタイミングと強度とを示す内容であり、特に強度は基地局2e,2f共に、直接波、反射波どちらもそれまで接続していた基地局2dからのパイロット信号の受信強度よりも高く、基地局2e,2f共に次の接続の候補となり得る値であったとする。
【0061】
基地局2eからの経路e−1を到来する直接波と経路e−2を到来する反射波の受信タイミングについて考えると、反射波は
(2070−2000)/(3×108 )=0.233[μ秒]
だけ直接波から遅れてC地点に到達することになる。
【0062】
同様に、基地局2fからの経路f−1を到来する直接波と経路f−2を到来する反射波の受信タイミングについて考えると、反射波は
(3105−3000)/(3×108 )=0.35[μ秒]
だけ直接波から遅れてC地点に到達することになる。
【0063】
したがって、このC地点において移動局4は、受信したパイロット信号でマルチパスによる時間遅れがより小さかったもの、この場合には基地局2eを次の通信相手の候補として選択する。
【0064】
すなわち、上記図5では基地局2eに対する障害物31と、基地局2fに対する障害物32の配置関係が距離を除いてほぼ同様である場合について示したが、そのような配置に限らず、障害物がランダムに配置されている状況下にあっても、移動局4は直接波に対する反射波の受信タイミングの遅れが大きい場合には基本的にその基地局との距離が大きい(遠い)ものと判断し、ハンドオフ処理時には直接波に対する反射波の受信タイミングの遅れがより小さい基地局を次の通信相手の候補として選択して接続する。
【0065】
そのため、マルチパスが多発するような環境下にあっても、接続対象としてより有効な基地局を選択してハンドオフ処理を行なうことで、安定した通信状態を維持することができるようになる。
【0066】
(第3の実施の形態)
以下本発明をCDMA方式の携帯自動車電話システムに適用した場合の第3の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0067】
なお、システム全体の構成については上記図1に示したものと、またシステム中の移動局の回路構成については上記図2に示したものとそれぞれ基本的に同様であることとし、同一部分には同一符号を用いるものとして、その図示及び説明は省略する。
【0068】
第3の実施の形態では、パイロットサーチ処理における基地局の選択方法を説明するものであり、パイロット信号のマルチパスコンポーネントの到達時間の広がりから基地局との距離を検出して、この距離が所定レベルの基地局を検出した時点で処理を終了する。
【0069】
次に上記実施の形態の動作について説明する。
【0070】
ここでは、図7に示す如く、移動局4が5つの基地局2,2,…,2g,2hと図のような位置関係にあるD地点で、電源投入に伴う初期動作としてパイロット信号のサーチを行なうものとし、その内容について説明する。なお、ここではパイロット信号の直接波しか図示してないが、夫々の基地局からの信号には障害物による反射波(マルチパスコンポーネント)が発生する。
【0071】
この場合、特に2つの基地局2g,2hが移動局4に対してより近傍に位置し、且つ移動局4から基地局2gまでの距離d1と、同基地局2hまでの距離d2とは「d1>d2」の関係にあるものとする。
【0072】
移動局4では、パイロット信号のサーチを開始してから予め定められた、1PNロール期間に比して充分短いウィンドウ時間Wだけサーチを実施する。このとき、図8に示すように基地局2gからの直接波と反射波(マルチパスコンポーネント)の双方でパイロット信号を受信し、その時間差がT1であったとする。第2の実施の形態でも述べたように、このマルチパスコンポーネントとの時間差が距離に比例してくる。
【0073】
移動局4では、この受信時に基地局2gから送られてきた2つのパイロット信号の時間差T1の値を直ちに算出し、予め用意していたしきい値Tsと比較するもので、ここで上記時間差T1がしきい値Tsより大きかった場合、すなわち基地局2gが移動局4からある一定の範囲より遠くに位置すると判断した場合には、この最初のウィンドウ時間Wに継続してさらに同ウィンドウ時間Wだけサーチを実施する。
【0074】
この2回目のウィンドウ時間Wのサーチにより基地局2hからの直接波とマルチパスの発生による反射波の双方でパイロット信号を受信し、その時間差がT2であったとする。
【0075】
移動局4では、この受信時に基地局2hから送られてきた2つのパイロット信号の時間差T2の値を直ちに算出し、再び上記しきい値Tsと比較するもので、ここで該時間差T2がしきい値Tsより小さかった場合、すなわち基地局2hが移動局4からある一定の範囲内に位置すると判断した場合には、移動局4はその時点でパイロット信号のサーチ受信を終了し、基地局2hを次の通信相手の候補として選択する。
【0076】
このように、移動局4が受信する基地局2からのパイロット信号が、マルチパスの発生により直接波と反射波の複数が存在する場合であっても、その時間差が予め用意したしきい値より小さく、その基地局2が充分近くに位置していると判断した場合には、直ちにその基地局を次の通信相手の候補として選択するようになるため、サーチに要する時間を極力短縮して、移動局4での電力消費を大きく抑制することができる。
【0077】
なお、上記第1乃至第3の実施の形態はいずれもCDMA方式の携帯自動車電話システムに適用した場合について例示したものであるが、本発明はこれに限ることなく、基地局からの信号の到達時間により移動局と基地局との位置関係が検出できるようなシステムであれば、同様にして適用可能であることは勿論である。
【0078】
その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能であるものとする。
【0079】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、接続対象として特に移動先の方向に基地局がある場合にこれを優先的に選択してハンドオフ処理を行なうことで、無駄な電力消費を極力抑えながら、安定した通信状態を維持することができる。
【0080】
請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、より接続対象として有効な基地局を選択してハンドオフ処理を行なうことができる。
【0081】
請求項3記載の発明によれば、接続対象の候補となる基地局との間でマルチパスが生じている場合でも極力その影響の小さい基地局を選択してハンドオフ処理を行なうことで、安定した通信状態を維持することができる。
【0082】
請求項4記載の発明によれば、接続対象の候補となる基地局との間でマルチパスが生じている場合でもその影響が一定の値より小さい基地局を選択してハンドオフ処理を行なうことで、より短い期間のうちに基地局の選択を終えることとなるので、無駄な電力消費を極力抑えることができる。
【0083】
請求項5記載の発明によれば、上記請求項4記載の発明の効果に加えて、生じているマルチパスの程度によってより適切な基地局を選択し、ハンドオフ処理を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るシステム全体の構成を示す図。
【図2】図1の移動局の回路構成を示すブロック図。
【図3】同実施の形態の動作を説明するための図。
【図4】同実施の形態の動作を説明するための図。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る動作を説明するための図。
【図6】同実施の形態の動作を説明するための図。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る動作を説明するための図。
【図8】同実施の形態の動作を説明するための図。
【符号の説明】
1…ネットワーク
2,2a〜2h…基地局
3…サービスセンタ
4…移動局
11…アンテナ
12…RF部
13…変復調部
14…CDMA部
15…音声処理部
16…スピーカ(SP)
17…マイクロホン(MIC)
18…制御部
19…表示部
20…キー入力部
21…ROM
22…RAM
31,32…障害物
Claims (5)
- 複数の基地局からのパイロット信号を受信して接続する基地局を選択する移動体通信装置において、
所定タイミングで所定期間実行される上記複数の基地局からのパイロット信号の受信処理において受信された、各基地局からのパイロット信号の上記所定期間内での受信タイミングを検出する検出手段と、
最後に実行された上記所定期間のパイロット信号受信処理において受信された各基地局からのパイロット信号それぞれについて、最後に実行された上記所定期間のパイロット信号受信処理において上記検出手段により検出された上記所定期間内での受信タイミングとそれ以前に実行された上記所定期間のパイロット信号受信処理において上記検出手段により検出された上記所定期間内での受信タイミングとを比較し、最後に実行された上記所定期間のパイロット信号受信処理における上記所定期間内での受信タイミングがそれ以前に実行された上記所定期間のパイロット信号受信処理における上記所定期間内での受信タイミングよりも相対的に早いパイロット信号を送信している基地局を、新たに接続すべき基地局として選択する選択手段と
を具備したことを特徴とする移動体通信装置。 - 上記選択手段は、最後に実行された上記所定期間のパイロット信号受信処理における上記所定期間内での受信タイミングがそれ以前に実行された上記所定期間のパイロット信号受信処理における上記所定期間内での受信タイミングよりも相対的に早いパイロット信号の中で、早くなっている時間量が最も大きいパイロット信号を送信している基地局を、新たに接続すべき基地局として選択する手段であることを特徴とする請求項1記載の移動体通信装置。
- 複数の基地局からのパイロット信号を受信して接続する基地局を選択する移動体通信装置において、
所定タイミングで所定期間実行される上記複数の基地局からのパイロット信号の受信処理において受信された、各基地局からのパイロット信号の上記所定期間内での受信タイミングを検出する検出手段と、
マルチパスの発生に起因して、上記検出手段で同一の基地局からのパイロット信号の受信タイミングを複数検出した場合に、その受信タイミング間の時間差を算出する算出手段と、
上記検出手段により複数の受信タイミングが検出されたパイロット信号が複数あった場合には、上記算出手段で算出されるパイロット信号の受信タイミングの時間差がより小さいパイロット信号を送信している基地局を、新たに接続すべき基地局として選択する選択手段と
を具備したことを特徴とする移動体通信装置。 - 複数の基地局からのパイロット信号を受信して接続する基地局を選択する移動体通信装置において、
上記複数の基地局からのパイロット信号を受信する受信処理において受信した、各基地局からのパイロット信号の受信タイミングを検出する検出手段と、
マルチパスの発生に起因して、上記検出手段で同一の基地局からのパイロット信号の受信タイミングを複数検出した場合に、その受信タイミング間の時間差を算出する算出手段と、
この算出手段で算出した時間差と予め用意したしきい値とを比較する比較手段と、
この比較手段の比較結果に基づいて、上記検出手段による基地局からのパイロット信号の受信タイミングの検出処理を打ち切るか否かを選択する選択手段と
を具備したことを特徴とする移動体通信装置。 - 上記選択手段は、上記算出手段で算出した時間差が上記しきい値よりも大きい場合には、上記検出手段による基地局からのパイロット信号の受信タイミングの検出処理を継続して、他の基地局からのパイロット信号の受信タイミングの検出を行なうことを選択し、小さい場合には、パイロット信号の受信タイミングの検出処理を打ち切って、そのパイロット信号を送信している基地局を接続すべき基地局として選択することを特徴とする請求項4記載の移動体通信装置。
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