JP4178364B2 - Acサーボモータの制御装置 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、ACサーボドライバに関し、特にAC電源入力とDC電源入力の切換えが可能なACサーボドライバに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、客先の入力電源仕様により、ACサーボドライバ内部設定でAC/DC電源入力仕様が選択できるようになっていた(例えば、単相、3相の切換え使用で単相整流出力をDC電源入力とする場合等)。AC電源入力仕様を選択する場合、図1のACサーボドライバを参照すると、AC電源入力端子はL1、L2、L3である。又、DC電源入力仕様を選択する場合は端子(+)1と(−)である(この場合(+)1と(+)2間は遮断される)。
AC電源入力仕様を選択する場合は、製品の安全性と制御性能により、AC電源が切れた時にコンデンサC1中に溜まった電圧を充分放電するために、トランジスタTrをオンして、抵抗R1とトランジスタTrを通してC1に溜まった電圧の放電が行われる。その後、AC電源を投入したらトランジスタTrをオフして、インバータに電圧を供給出来る。なお、AC電圧検出回路でAC電圧が検出できれば、AC電圧が投入されたと判断できるし、検出できなければAC電源が切れたと判断する。又、DC電源入力仕様を選択する場合には、C1の放電は行わないのでトランジスタTrはオフになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術では、AC電源入力仕様を選択して、DC電源を入力してしまうと言う誤使用の場合には、AC電圧を検出する手段でAC電圧が検出できないので、AC電源が切れたと判断してコンデンサC1中の電圧を放電するためにトランジスタTrをオンにする。この時DC電源をDCバスに投入すれば、フューズFUと突入抵抗Rと抵抗R1とオンするトランジスタTr中に大電流が流れて、これらの素子が焼損する危険があるという問題があった。
また、入力する電源と、選択した電源入力仕様とが異なる場合に、操作者に知らせるアラームが送出されないので対応できないという問題があった。
そこで、本発明は、AC電源入力仕様を選択してDC電圧を入力する誤使用の場合には、ACサーボドライバの焼損を未然に防ぐことができると同時に、電源入力仕様を間違えているというアラームを送出して対応を促し、DC電源入力仕様を選択してAC電源を入力する誤使用の場合には、電源入力仕様を間違えていると警告するアラームを送出して対応を促し、選択した電源入力仕様と実際の電源入力の違いから主回路配線のチェックも行えるACサーボモータの制御装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載のACサーボモータの制御装置の発明は、AC電源入力手段と、前記AC電源入力手段からの交流を直流に整流する整流手段と、前記整流手段からの整流電圧を平滑するコンデンサと、前記整流手段と前記コンデンサとの間に挿入されるDC電源入力手段と、AC電源入力仕様かDC電源入力仕様かを選択する手段と、前記AC電源入力仕様時にAC電源が切れたら前記コンデンサの電圧をスイッチング素子を介して放電する手段と、AC電圧を検出する手段およびDCバス電圧を検出する手段と、を備えたACサーボモータの制御装置において、前記ACサーボモータの制御装置を起動し、前記AC電源入力仕様を選択した場合は、前記スイッチング素子を所定のA秒間(ただし、A秒=DCバスの最高電圧から最低レベルまでになるまでの放電時間×余裕度)オンして前記コンデンサの放電を最初に起動する時に1回だけ行ない、A秒間経過後前記トランジスタをオフして放電を停止し、前記DCバス電圧を電圧検出回路で検出し、放電停止後にAC電圧が検出されずDC電圧が所定のレベル以上あるときは電源使用が間違ったというアラームを出すことを特徴としている。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のACサーボモータの制御装置において、前記DC電源入力仕様を選択した場合で、AC電圧が検出された場合は電源使用が間違ったというアラームを出すことを特徴としている。
このACサーボモータの制御装置によれば、AC電源入力仕様を選択した場合に、スイッチング素子を所定のA秒間オンしてコンデンサの放電を行ない、A秒間経過後トランジスタをオフして放電を停止するので、その直前または直後のDC電圧が印加されてもトランジスタTrをオフにするため、焼損を防止できると同時に「電源使用が間違った」というようなアラームが出力される。又、DC電源入力仕様を選択した場合に、AC電圧を検出する手段でAC電圧が検出されれば、AC電源が投入されたと判断できるので、「電源使用が間違った」というアラームが出力される。更に、AC電圧およびDC電圧を検出する手段による検出電圧によって、主電源配線のチェックを行うことができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は本発明の実施の形態に係るACサーボモータの制御装置の構成図である。
図2は図1に示す制御装置の処理のタイミングチャートを示す図である。
図3は図1に示す制御装置における異なる処理のタイミングチャートを示す図である。
図1において、1はL1、L2、L3のAC電源入力端子を有する3相のAC電源入力手段で、2はAC電圧検出回路でAC電圧を検出する手段に相当する。3はDC電源入力端子(+)1、(+)2で、DC電源入力手段に相当する。
4はDC電圧検出回路でDC電圧を検出する手段に相当する。5はDCバスであり、6はトランジスタTrで、7は抵抗R1である。8はトランジスタTrをオン/オフするためのゲートドライブである。9はコンデンサC1、10はフューズFU、11は突入抵抗Rで、12はAC、DC検出電圧を入力し、トランジスタTrのオン/オフの操作指令等を出力するインタフェースである。
【0006】
つぎに動作について説明する。
(1)、AC電源入力仕様を選択して、起動電源投入後、DC電源が投入される誤使用時の処理を図2、図3のタイミングチャートにより説明する。
先ず、図2(b)のように、ACサーボドライバを起動し、AC電源入力仕様を選択している場合は、トランジスタTrを所定のA秒間オンしてコンデンサC1の放電を行う。コンデンサC1の放電は、トランジスタTrをオンするとコンデンサC1のプラス側から抵抗R1とトランジスタTrを通じて放電し、トランジスタTrをオフすると放電は停止する。
所定の放電時間のA秒間は、DCバスの最高電圧からDC電圧検出回路4で検出できる最低レベルまでに、「R1・C1回路が放電する時間×余裕度」=A秒間、として予め設定している。
A秒間経過後、トランジスタTrをオフして放電を停止し、DCバス5の電圧をDC電圧検出回路4により検出する。放電が停止されると、DC電源入力端子(+)1、(−)間にDC電源が投入される(この時、(+)1と(+)2間は遮断する)。
この場合、DC電圧検出回路4によってDCバス電圧は検出され、AC電圧検出回路2によるAC電圧は検出されないので、現在選択しているAC電源入力仕様とは異なる電源が入力されていると装置は判断して、「電源使用が間違った」というアラーム(表示、音声等)を送出する。操作員はアラームによって入力電源を切換える等の対応を取る。
【0007】
これによって、図2(a)に比較のために示した従来図の場合は、AC電源入力仕様を選択して、DC電源を入力するという誤使用の場合、AC電圧検出回路2でAC電圧が検出できないので、AC電源が切れたと装置は判断して、コンデンサC1の電圧を放電するためにトランジスタTrをオンして放電を開始し、そこにDC電圧が投入されてDCバスの焼損を招くという危険が発生するが、本実施の形態では、最大A秒間の放電後トランジスタTrをオフして放電を停止するので回避できる。
また、選択した電源と実際の入力電源が異なれば、アラームにより警告するので、操作員は直ちに入力電源の切換等の対応処置が取れ、DCバスの焼損などの危険を回避できる。
また、図3(b)に示すように、AC電源入力仕様を選択して、DC電源を入力する誤使用の場合、A秒間の放電中にDC電源が投入されるケースでも、A秒間の放電後DCレベルチェックを開始して、「電源使用が間違った」とアラームを送出するので、図3(a)の従来例のように、アラームが出ないために、トランジスタTrがオンのままでDCバスが焼損すると言った危険は回避出来る。
また、ACサーボドライバ使用中、異常停電などの場合はコンデンサC1に電圧が溜まっている場合がある。この場合は、ACサーボドライバを再起動してAC電源を入力しないうちに、AC電圧が検出されずにDC電圧が検出される、という状態になり、AC電源入力仕様を選択している時にDC電源が入力されたと装置が判断して「電源使用が間違った」というアラームが送出されるという誤動作が発生する可能性がある。
しかし、こうしたケースでも本実施の形態では、AC電源が投入される前にA秒間の放電が行われるので、DCバスはDC電圧が検出出来る最低レベルより低くなって、DC電圧が検出されなくなるので、誤動作は回避出来る。
なお、A秒間の放電については、ACサーボドライバを最初に起動する時に1回だけ行われる。
各種状況を考慮して、DCバスレベルチェックを開始するタイミングは、AC電源入力仕様における停電時などに、コンデンサC1に電圧が溜まっている場合、AC電源を投入する前に、A秒間放電の間にDC電圧検出回路4でDCバス電圧が検出されると言った可能性もあるので、その場合は、やはり、「電源使用が間違った」と言うアラーム誤作動が発生するので、DCバスレベルチェックはA秒間の放電後に開始するようにする。つまり、DC電圧が検出されない状態でDCバスレベルチェックを開始するようにして誤作動を回避する。
【0008】
(2)、次に、図4のような、DC電源入力仕様を選択して、AC電源が投入される誤使用の場合について説明する。
図4(b)のように、本実施の形態では、DC電源入力仕様を選択して、AC電源が投入されたら、この場合はDC電源入力仕様を選択しているのでコンデンサC1の放電は行われず、トランジスタTrはオフのままである。
次に、AC電圧検出で、AC電圧が検出されたらアラーム「電源使用が間違った」を送出して警告する。操作員はアラームにより切換等の処理を行って焼損事故をさけられる。
それと比較して、図4(a)の従来技術の場合は、アラームが送出されないので、対応ができない。
このように、本実施の形態によれば、AC電源入力仕様を選択して、DC電源を投入する誤使用の場合は、従来はDCバスを焼損する恐れがあったが、A秒間に限定した放電とアラームの送出によって回避できるようになる。
また、DC電源入力仕様を選択して、AC電源を投入した場合は、アラームを送出して、直ちに対応出来るようにするのでDCバスの焼損を回避出来る。
また、AC、DC電圧の検出によって、主回路配線もチェックできる。
【0009】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、AC電源入力手段と、DC電源入力手段と、AC電源入力仕様かDC電源入力仕様かを選択する手段と、AC電源入力仕様時にAC電源が切れたらDCバスの電圧を放電する手段と、AC電圧を検出する手段およびDCバス電圧を検出する手段と、AC電源入力仕様を選択してDC電源を誤って入力するという誤使用の場合にDC電圧を検出する手段により検出したDC電圧が所定のレベル以上でありAC電圧を検出する手段により検出したAC電圧が所定のレベル以下ならば、放電する手段による放電を禁止する手段を備え、更に、実際に入力する電源が選択した電源入力仕様と異なる場合、電圧を検出する手段によりAC電圧およびDC電圧を検出することによって主電源配線をチェックしアラームを出力する手段を備えたので、ACサーボドライバのハードウェア構成と製造コストを変えずに、AC電源入力仕様を選択時にDC電源を投入してもDCバスの焼損を回避でき、製品の安全性と使用性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るACサーボモータの制御装置の構成図である。
【図2】図1に示す制御装置の処理のタイミングチャートを示す図である。
【図3】図1に示す制御装置における異なる処理のタイミングチャートを示す図である。
【図4】従来装置の処理のタイミングチャートを示す図である。
【符号の説明】
1 AC電源入力手段
2 AC電圧検出回路
3 DC電源入力手段
4 DC電圧検出回路
5 DCバス
6 トランジスタTr
7 抵抗R1
8 ゲートドライブ
9 コンデンサC1
10 フューズFU
11 突入抵抗R
12 インタフェース
Claims (2)
- AC電源入力手段と、前記AC電源入力手段からの交流を直流に整流する整流手段と、前記整流手段からの整流電圧を平滑するコンデンサと、前記整流手段と前記コンデンサとの間に挿入されるDC電源入力手段と、AC電源入力仕様かDC電源入力仕様かを選択する手段と、前記AC電源入力仕様時にAC電源が切れたら前記コンデンサの電圧をスイッチング素子を介して放電する手段と、AC電圧を検出する手段およびDCバス電圧を検出する手段と、を備えたACサーボモータの制御装置において、
前記ACサーボモータの制御装置を起動し、前記AC電源入力仕様を選択した場合は、前記スイッチング素子を所定のA秒間(ただし、A秒=DCバスの最高電圧から最低レベルまでになるまでの放電時間×余裕度)オンして前記コンデンサの放電を最初に起動する時に1回だけ行ない、A秒間経過後前記トランジスタをオフして放電を停止し、前記DCバス電圧を電圧検出回路で検出し、放電停止後にAC電圧が検出されずDC電圧が所定のレベル以上あるときは電源使用が間違ったというアラームを出すことを特徴とするACサーボモータの制御装置。 - 前記DC電源入力仕様を選択した場合で、AC電圧が検出された場合は電源使用が間違ったというアラームを出すことを特徴とする請求項1記載のACサーボモータの制御装置。
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