JP3565054B2 - インバータ装置の保護方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は交流電動機を駆動するインバータ装置の特にインバータ部の保護に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、産業用機器において小型化が要望され、これら機器に用いられるインバータ装置においても小型化が要望されている。
【0003】
図4において、1はコンバータ部、2はインバータ部、3は平滑コンデンサ、4は回生電力放電回路、5は回生放電駆動回路、6は突入電流抑制回路、7はコンバータ電流検出回路、10はCPU、11はドライブ回路である。
【0004】
また、図5のように、R,S,T端子が電源側、U,V,W端子がモータ側に接続される。通常の接続時において突入電流抑制回路6は、電源投入時には、リレーを開放し抑制抵抗を通して平滑コンデンサ3の充電を行う。したがって、平滑コンデンサ3の突入電流は突入抵抗によって制限される。平滑コンデンサ3への充電が完了した後リレーを閉じ、インバータ装置の運転動作可能状態にする。しかしながら、R,S,T端子にモータ側、U,V,W端子に電源側が誤接続されてもインバータ部のパワー素子のダイオードが、コンバータ部のダイオードと同様の役目をはたし、交流電圧を直流に変換しインバータ装置に電源が供給され運転可能となる。
【0005】
また、回生電力放電回路4は通常の動作においては、モータの回生動作においてコンバータ部の電圧が上昇し、ある一定の電圧を越えると回生放電駆動回路5をON状態とし、回生エネルギーを回生抵抗にて吸収し、コンバータ部が過電圧に至らないようになる役目をはたしている。
【0006】
ところが、この誤接続状態において、インバータ部のパワー素子を駆動すると、電源が短絡状態になり、瞬時に過大電流が流れる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来のインバータ装置において、モータ端子に電源が誤接続された場合、インバータ部のパワー素子が破壊するという問題があった。
【0008】
本発明は上記課題に鑑み、インバータ装置のモータ端子に電源が接続されたのを検出し、パワー素子の破壊を防止する装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明のインバータ装置の保護方法は、インバータ装置の電源が投入された時に、回生放電駆動回路を動作させ回生電力放電回路に電流を流し、その電流がインバータ装置の電流検出回路にて検出されるか否かをCPUにて判定し、インバータ装置のモータ端子に電源が接続されたか否かを検出するようにしたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
上記課題を解決するため本発明は、交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ部と、前記コンバータ部に流れる電流を検出するコンバータ電流検出回路と、直流電圧を三相交流電圧に変換するインバータ部と、前記コンバータ部の出力に接続された抵抗とスイッチング素子からなる回生電力放電回路と、前記回生電力放電回路の駆動を行う回生放電駆動回路と、前記インバータ部の制御を行うCPUを備えたインバータ装置において、インバータ装置の電源が投入された時に、前記回生放電駆動回路を動作させ前記回生電力放電回路に電流を流し、その電流が前記コンバータ電流検出回路にて検出されるか否かを前記CPUにて判定し、電流が流れなかった場合にインバータ装置の運転動作を禁止する方法である。
【0011】
また、交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ部と、モータの電流を検出するモータ電流検出回路と、直流電圧を三相交流電圧に変換するインバータ部と、前記コンバータ部の出力に接続された抵抗とスイッチング素子からなる回生電力放電回路と、前記回生電力放電回路の駆動を行う回生放電駆動回路と、前記インバータ部の制御を行うCPUを備えたインバータ装置において、インバータ装置の電源が投入された時に、回生放電駆動回路を動作させ回生電力放電回路に電流を流し、その電流が前記モータ電流検出回路にて検出されるか否かをCPUにて判定し、電流が流れた場合にインバータ装置の運転動作を禁止する方法である。
【0012】
さらに、交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ部と、前記コンバータ部に接続された抵抗とリレーからなる突入電流抑制回路と、前記突入電流抑制回路の抵抗に流れる電流を検出する突入電流検出回路と、直流電圧を三相交流電圧に変換するインバータ部と、前記コンバータ部の出力に接続された抵抗とスイッチング素子からなる回生電力放電回路と、前記回生電力放電回路の駆動を行う回生放電駆動回路と、前記インバータ部の制御を行うCPUを備えたインバータ装置において、インバータ装置の電源が投入された時に、前記突入電流抑制回路のリレーが動作する前に回生放電駆動回路を動作させ回生電力放電回路に電流を流し、その電流が前記突入電流検出回路にて検出されるか否かをCPUにて判定し、電流が流れなかった場合にインバータ装置の運転動作を禁止する方法である。
【0013】
このように、インバータ装置の電源が投入された時に、回生電力放電回路に電流を流し、その電流がコンバータ電流検出回路で検出されるか否かをCPUにて判定するもので、電流が流れなかったら電源の誤接続と判断してインバータ装置の運転を禁止する作用を有する。
【0014】
また、同様に回生電力放電回路に電流を流し、その電流がモータ電流検出回路で検出されるか否かをCPUにて判定するもので、電流が流れたら電源の誤接続と判断してインバータ装置の運転を禁止する作用を有する。
【0015】
さらに、同様に回生電力放電回路に電流を流し、その電流が突入電流検出回路で検出されるか否かをCPUにて判定するもので、電流が流れなかったら電源の誤接続と判断してインバータ装置の運転を禁止する作用を有する。
【0016】
したがって、インバータ装置の電源が投入された時の回生電力放電回路の電流がコンバータ部電流検出回路,突入電流検出回路,モータ電流検出回路に流れたか否かにより電源の誤接続の判定が可能になる。
【0017】
【実施例】
以下本発明の実施例について、図を参照にしながら説明する。なお、従来例と同一の構成は従来例と同一符号を用いる。
【0018】
図1において、1はコンバータ部、2はインバータ部、3は平滑コンデンサ、4は回生電力放電回路、5は回生放電駆動回路、6は突入電流抑制回路、7はコンバータ電流検出回路、10はCPU、11はドライブ回路である。8はモータ電流検出回路、9は突入電流検出回路であり、図2のフローチャ−トを用いて回路動作について説明する。
【0019】
まず、電源が投入されると回生放電駆動回路5を動作し、回生電力放電回路4に電流を流す。このとき、電源端子とモータ端子が正常に接続されていると回生電力放電回路4に流れる電流は、電源−コンバータ部1−コンバータ電流検出回路7−回生電力放電回路4−突入電流検出回路9−コンバータ部1−電源の順に流れる。
【0020】
また、図3に示すように電源端子とモータ端子が逆接続されていると、回生放電回路に流れる電流は、電源−インバータ部2−回生放電回路4−インバータ部2−モータ電流検出回路8−電源の順に流れる。
【0021】
したがって、電源逆接続の判定はフローチャートに示すように、回生電力放電回路4の電流が、コンバータ部電流検出回路7に流れないかどうか、突入電流検出回路9流れないかどうか、モータ電流検出回路8に流れたかどうか、いずれかにより判定可能であることが分かる。
【0022】
なお、図1は請求項1,2,3を同時に実施した回路の例であるが、請求項別に実施しても、組合せて実施しても、いずれも上記の判定方法により誤接続を検出することができる。
【0023】
したがって、電源が正常に接続されたとCPUが判定した時は、インバータ装置の運転を開始して、また、電源が逆接続されたとCPUが判定した時は、インバータ装置の運転を禁止するので、インバータ部のパワー素子の破壊を防止することができる。
【0024】
【発明の効果】
上記の実施例から明らかなように本発明によれば、電源投入時に、回生放電回路を動作させ、その電流の経路を検出することによって、電源端子とモータ端子の逆接続を判定することが可能になり、逆接続された場合のパワー素子の保護が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のインバータ装置の回路図
【図2】本発明の実施例を説明するフローチャート
【図3】本発明の実施例における誤接続の説明図
【図4】従来のインバータ装置の回路図
【図5】インバータ装置の端子配置図
【符号の説明】
1 コンバータ部
2 インバータ部
4 回生電力放電回路
5 回生放電駆動回路
7 コンバータ電流検出回路
8 モータ電流検出回路
10 CPU

Claims (3)

  1. 交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ部と、前記コンバータ部に流れる電流を検出するコンバータ電流検出回路と、直流電圧を三相交流電圧に変換するインバータ部と、前記コンバータ部の出力に接続された抵抗とスイッチング素子からなる回生電力放電回路と、前記回生電力放電回路の駆動を行う回生放電駆動回路と、前記インバータ部の制御を行うCPUを備えたインバータ装置において、インバータ装置の電源が投入された時に、前記回生放電駆動回路を動作させ前記回生電力放電回路に電流を流し、その電流が前記コンバータ電流検出回路にて検出されるか否かを前記CPUにて判定する第1ステップと、前記コンバータ電流検出回路に電流が流れなかった場合にインバータ装置の運転動作を禁止し、電流が流れた場合に運転動作を許可する第2ステップとを備え、インバータ部に電源が接続されたか否かを検出することを特徴とするインバータ装置の保護方法。
  2. 交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ部と、モータの電流を検出するモータ電流検出回路と、直流電圧を三相交流電圧に変換するインバータ部と、前記コンバータ部の出力に接続された抵抗とスイッチング素子からなる回生電力放電回路と、前記回生電力放電回路の駆動を行う回生放電駆動回路と、前記インバータ部の制御を行うCPUを備えたインバータ装置において、インバータ装置の電源が投入された時に、回生放電駆動回路を動作させ回生電力放電回路に電流を流し、その電流が前記モータ電流検出回路にて検出されるか否かをCPUにて判定する第1ステップと、前記モータ電流検出回路に電流が流れた場合にインバータ装置の運転動作を禁止し、電流が流れなかった場合に運転動作を許可する第2ステップとを備え、インバータ部に電源が接続されたか否かを検出することを特徴とするインバータ装置の保護方法。
  3. 交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ部と、前記コンバータ部に接続された抵抗とリレーからなる突入電流抑制回路と、前記突入電流抑制回路の抵抗に流れる電流を検出する突入電流検出回路と、直流電圧を三相交流電圧に変換するインバータ部と、前記コンバータ部の出力に接続された抵抗とスイッチング素子からなる回生電力放電回路と、前記回生電力放電回路の駆動を行う回生放電駆動回路と、前記インバータ部の制御を行うCPUを備えたインバータ装置において、インバータ装置の電源が投入された時に、前記突入電流抑制回路のリレーが動作する前に回生放電駆動回路を動作させ回生電力
    放電回路に電流を流し、その電流が前記突入電流検出回路にて検出されるか否かをCPUにて判定する第1ステップと、前記突入電流検出回路に電流が流れなかった場合にインバータ装置の運転動作を禁止し、電流が流れた場合に運転動作を許可する第2ステップとを備え、インバータ部に電源が接続されたか否かを検出することを特徴とするインバータ装置の保護方法。
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