JP4177776B2 - 耐震補強材 - Google Patents

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Description

本発明は、耐震補強材に関するものであり、特に、板ばねの弾性反発力を利用して、地震等によって建築物に加わる衝撃及び荷重を吸収し、建築物の倒壊等を防ぐことが可能な耐震補強材に関するものである。
従来から、建築物に対し、地震などによって揺れや強い衝撃が加わった場合でも変形や倒壊を防止することができるように、耐震性を与えた設計がなされており、建築基準法等の各種法令によって、それらの耐震基準や強度が厳格に定められている。そのため、建築設計者及び建築業者等は、係る基準を遵守して建築物の施工を行っている。
一般に、木造建築物などでは、土台に対してほぞ孔を穿設し、該ほぞ孔の内周形状に合わせて形成された柱の一部(ほぞ)を挿入し、土台に柱を直交させた状態で立設させる。そして、係る立設状態で柱及び土台の接合を強固なものとするために、かすがいなどの固定手段が利用される。また、柱に梁を架渡す場合にも、上述の土台に対する場合と同様である。さらに、柱及び梁、土台等から構成された四角形の対角線に沿って斜めに架渡した所謂「筋交い」を連結し、建築物の強度を向上させることが一般に行われている。そして、これらの耐震補強工事を行った上で、柱及び梁等が居住者の視覚に直接入らないように、壁材などで被覆し、室内の外観を良くしている。
なお、上述した木造建築物に限らず、RC工法などによって施工されたコンクリート建築物に対しても種々の耐震補強工事がなされ、通常の震度の地震に対しては十分耐えうることができるようになっている。
一方、上述した筋交い等によって耐震のための対策を施した上で、さらに柱及び梁等の間に伸縮性部材(例えば、コイルばね等のダンパ、或いはショックアブソーバなどの衝撃緩衝材)を介設し、地震等によって建築物に加わる荷重(負荷)に対し、伸縮性部材の伸張及び圧縮による変形によって該荷重を吸収し、さらに伸縮性部材の復元力によって建築物の変形及び倒壊を防ぐものが開示されている(特許文献1参照)。
特開2004−36139号公報
しかしながら、上述のかすがい、及び筋交い等の従来から利用されている耐震補強用の部材は、建築物の強度を向上するために、柱及び梁等の間の接合を単純に剛直な部材によって補強したものにすぎなかった。そのため、予め設計上で想定した荷重までは、その効果を十分に発揮し、建築物に対して付与することができるものの、一端、想定した荷重を越える負荷を受けた場合には、柱及び梁等の接合状態が崩壊し、建築物の変形若しくは倒壊を免れないケースがあった。特に、限界の荷重を僅かに越えた場合には、柱及び梁等の間の角度は変形し、元の状態(柱及び梁等が直交し、90度を保持している状態)に戻すことができなかった。そのため、建物の変形に対する復元力(弾性回復力)が作用することがなく、変形の開始とともに建築物の倒壊につながったり、或いは変形した状態に建築物が保たれることがあった。その結果、地震等による被害が拡大し、さらに建築物の補修に多大な費用を要することがあった。
一方、柱及び梁等の間にコイルばねや弾性体などの伸縮性部材を介設するものは、係る伸縮性部材の伸縮変形によって、一端、荷重が加わった場合でも復元力によって柱及び梁等を元の状態に復帰させることができた。ところが、これらの伸縮性部材は、一般に柱及び梁等に対して斜め方向に架渡した状態で配され、その伸縮方向は伸縮性部材の長手方向に略一致している。そのため、例えば、伸縮性部材としてコイルばねを利用した場合、コイルばねが伸張する方向(コイルピッチが拡がる方向)、及びコイルばねが圧縮される方向(コイルピッチが狭くなる方向)のいずれかの方向に荷重が加わったときに変形していた。
したがって、特に、コイルばねが圧縮される方向に荷重が加わった場合、徐々にコイルピッチが狭くなり、最終的にはコイルピッチがゼロになることがあった。すなわち、コイルばねのばね同士が密接した状態(ばねが完全に縮んだ状態)になり、それ以上の変形ができなくなった。これにより、地震等による荷重を十分に吸収することができなかった。換言すると、柱及び梁等の間の角度が小さくなるような荷重が加わった場合、コイルばねによっては許容可能な角度(例えば、80度から90度の間など)が制限されており、伸縮性部材による弾性変形及び復元力の作用を十分に享受することができず、建築物の倒壊等につながるおそれがあった。
加えて、一般にこれらの伸縮性部材を、柱及び梁等の間に介設する際には、予め作業者の手によって、所定の方向に伸張若しくは圧縮した状態で取付けることが多かった。つまり、荷重の加わっていない通常の状態では、コイルばね等に若干の張力を発生させた状態で、すなわち、コイルばねを初期状態からわずかに伸張させたり、或いは圧縮を加えて、柱及び梁等の間の接合を強固にするとともに、設置時におけるコイルばね自体の振動を抑制することが行われていた。そのため、係る取付け作業時には、コイルばね等の伸張を行う作業者に、多大な労力の負担を強いることがあり、取付作業時間も多く必要となった。そのため、耐震補強材の取付作業を容易にすることができるようなものが望まれていた。
また、これらの柱及び梁等の交錯部の近傍は、上述した筋交いや、ガス、水道、及び電気等に関する種々の線や配管が通っていることがあった。また、柱及び梁等は、前述した壁材によって被覆されているため、耐震補強材は、これらの壁材の幅の中に収まり、かつ十分な耐震性能を備えるとともに、前述の配管等に影響を与えないように、できるだけコンパクトに形成する必要があった。
そこで、本発明は、上記実情に鑑み、建築物の耐震性を向上させるとともに、柱等への取付け作業を簡易に行うことができるコンパクトに設計された耐震補強材の提供を課題とするものである。
上記の課題を解決するため、本発明の耐震補強材は、「柱、及び前記柱に直交して配される梁及び土台を含む横架材が交錯する交錯部近傍に設けられ、前記交錯部の交錯点から各々の一端部を離間させた状態で、互いに直交する前記柱及び前記横架材のにそれぞれ固定され、少なくとも二つ以上の固定ボルト孔が形成された略板状を呈する一対の支持板部と、前記固定ボルト孔に挿通され、前記固定ボルト孔から前記面に対して直交するように雄ねじをが突出した固定ボルトと、前記交錯点に向かって凸状に湾曲した略円弧状形状の湾曲部、及び前記湾曲部の湾曲端部からそれぞれ延設され、前記支持板部の前記固定ボルト孔と相対する位置にばね孔が穿設された一対の延設部を有し、前記柱及び前記横架材の長手方向に略一致するようにして前記支持板部の間を各々の前記延設部によって連結した弾性変形可能な板ばね部と」を具備して主に構成されている。
ここで、支持板部とは、板ばね部と柱及び梁または土台等の横架材との間に固定され、板バネ部を支持するための板状(プレート状)のものであり、主として鋼板などの強固な材質によって構成されている。そして、これらの支持板部は、ビスなどの従来から建築物においては周知の固定手段によって柱等に固定されている。なお、このとき、支持板部の一端部は、柱及び横架材の交錯した交錯部の交錯点から、それぞれ所定の間隔だけ離間した状態で形成されている。そのため、荷重が加わった場合における、柱及び横架の変形を阻害することがなく、揺れによる力を後述する板ばね部にそのまま伝達することができる。
一方、板ばね部は、略円弧形状に湾曲した湾曲部及び湾曲部の両端の湾曲端部からそれぞれ延設された延設部を有している。そして、係る構成により、互いの延設部を近接させるような荷重(圧縮荷重)が加えられた場合、及び互いの延設部を離間させるような荷重(引張荷重)が加えられた場合の双方において、弾性変形可能な湾曲部が変形することにより、これらの荷重を吸収することができる。そして、係る板ばね部が、円弧形状に湾曲した湾曲部を柱及び横架材の交錯する交錯部に対して凸状に突出するように向けて延設部が各々の支持板部に接続されている。なお、延設部及び支持板部の接続は、支持板部に貫設された固定ボルト孔を通して、固定ボルト及び固定ナットによって固定することができる。これにより、延設部のみが支持板部に当接し、湾曲部のほぼ大半が支持板部の板面から離間するような状態で柱及び梁等の横架材に対して耐震補強材が介設される。
したがって、本発明の耐震補強材によれば、柱と、梁または土台を含む横架材とが交錯する交錯部の近傍に耐震補強材が取付けられている。そして、耐震補強材には、弾性変形可能な板ばね部を有し、係る板ばね部の延設部は、それぞれの支持板部を間に挟んだ状態で、柱及び横架材の長手方向に略一致するように固定されている。これにより、柱及び横架材の変形に伴って、板ばね部に係る変形による荷重が伝達されるようになる。このとき、地震等によって柱及び横架材に荷重が加えられ、柱及び柱に直交する横架材の間の角度が変形する場合であって、該角度が拡がる場合(すなわち、90度以上に変形する場合)、支持板部に接続された板ばね部は、一対の延設部が互いに離間するように拡がって変形する。そして、一端拡がった延設部の間の距離は、弾性変形可能な板ばね部の作用によって再びもとの状態に復元する。一方、該角度が狭くなる場合(すなわち、90度以下に変形する場合)、支持板部に接続された板ばね部は、一対の延設部が互いに接近するように変形する。そして、一端近づいた延設部の距離は、弾性変形可能な板ばね部の作用によって再びもとの状態に復元する。これにより、地震等によって柱及び横架材に加えられた荷重を、板ばね部の弾性力によって吸収し、衝撃を緩衝することができる。その結果、建築物の変形及び倒壊につながるおそれを回避することが可能となる。
加えて、板ばね部は、予めばね製造工場などによって所定の円弧径となるように湾曲した状態で製造されたものを利用することができ、作業者はこれに対し、特に力を加え、板ばね部を変形させながら支持板部に取付けるような作業を行う必要がない。そのため、板ばね部の取付作業に多くの労力を要することがなく、作業者に対し過度の作業負担を強いることがない。なお、本発明の耐震補強材は、建築物を新築する際に予め設置することが好適であるが、建築後のリフォームにおいて設置する場合も簡易に行うことができる。
さらに、本発明の耐震補強材は、上記構成に加え、「上下対称及び左右対称のいずれか一方に相当する一対の前記交錯部の近傍にそれぞれ配設されている」ものであっても構わない。
したがって、本発明の耐震補強材によれば、上下または左右対称に位置する一対の交錯部に対して一対(一組)の耐震補強材がそれぞれ配設されている。ここで、柱及び梁等の横架材に加わえられる荷重は、柱及び横架材の間の角度が拡がる(大きくなる)、若しくは狭くなる(小さくなる)の基本的にはいずれかである。そして、これらの変形は互いに対向し、若しくは相対して隣接する各々の交錯部においては、角度の拡がり変形、及び角度の狭まり変形の現象が交互に生じている。そのため、係る変形の双方に対応可能なように、本発明の耐震補強材の一対をセットとして配設することにより、地震等による圧縮荷重及び引張荷重による変形を互い吸収することが可能となり、建築物の耐震性をさらに高めることができるようになる。
さらに、本発明の耐震補強材は、上記構成に加え、「前記交錯部の交錯点から、前記支持板部の他端部までの長さが200mm以上、400mm以下に設定され、前記支持板部及び前記板ばね部の少なくともいずれか一方の幅が80mm以上、100mm以下に設定されている」ものであっても構わない。
したがって、本発明の耐震補強材によれば、交錯部の近傍に取付けられる耐震補強材のサイズが、交錯部の交錯点から支持板部の他端部までの長さが200mm以上、400mm以下、さらに好ましくは250mm以上、350mm以下、より好ましくは280mm以上、320mm以下に設定され、支持板部及び板ばね部の少なくともいずれか一方の幅が80mm以上、100mm以下、さらに好ましくは85mm以上、95mm以下に設定されている。ここで、柱及び横架材は、一般に壁材によって被覆された空間に存し、係る空間には柱及び横架材以外にも室内に対して供給する必要がある水道、ガス、電気、及び電話などの各種配管及び配線が通っている。また、前述した筋交い等の従来からの耐震補強材も設置されている。そのため、壁材の中は様々なもので密集した状態にある。加えて、部屋と部屋との間の壁の幅も約100mm程度に設計されているものが多かった。そのため、上述したコンパクトなサイズに本発明の耐震補強材をすることにより、水道等の既存の設備に影響を与えることなく、かつ、十分な耐震性を付与することが可能となる。特に木造建築物に対して美観を損ねることなく、耐震性を向上させることができる。
本発明の効果として、板ばね部の弾性変形を利用して建築物に耐震性を付与することができる。さらに、従来の伸縮性部材を使用した場合と比べ、柱及び梁等に加わった圧縮荷重及び引張荷重の双方に対応することができ、特に、圧縮荷重の場合の変形許容量を従来のコイルばね等に比べて大きく採ることができる。その結果、耐震性が向上し、建築物の変形及び倒壊の危険性を回避することが可能となる。さらに予め所定の形状に湾曲させた板ばね部を支持板部に固定するだけで取付け作業が完了するために、作業者に対して取付作業に係る過大な労力の負担を強いることがない。加えて、比較的コンパクトに形成できるため、既存の設備及び室内の美観に影響を与えることなく設置することができ、新築の建築物に限らず、既存の建築物のリフォームの際に設置することも容易に行える。
以下、本発明の一実施形態である耐震補強材1について、図1乃至図6に基づいて説明する。ここで、図1は本実施形態の耐震補強材1の構成を示す分解斜視図であり、図2は耐震補強材1の取付例を示す側面図であり、図3は耐震補強材1の取付例を示す正面図であり、図4はプレート部2a,2bの構成を示す正面図であり、図5は圧縮荷重P及び引張荷重Tに対する耐震補強材1の変形を模式的に示す説明図であり、図6は木造建築物3に対する適用例を模式的に示す(a)側面図、及び(b)平面図である。なお、本実施形態の耐震補強材1においては、柱4と柱4に直交する梁5との間に介設するものについて例示する。ここで、梁5が本発明における横架材に相当する。
本実施形態の耐震補強材1は、図1乃至図4に主として示すように、互いに直交する柱4及び梁5の各々の面6に固定される板状を呈する一対のプレート部2a,2bと、柱4及び梁5の交錯した交錯部7に向かって凸状に湾曲した略円弧形状をなす湾曲部8、及び湾曲部8の両端の湾曲端部9a,9bからそれぞれ延設された直線状の延設部10a,10bを有し、一対のプレート部2a,2bの間を延設部10a,10bによって連結した弾性変形可能な板ばね部11とを具備して主に構成されている。
さらに、詳しく説明すると、プレート部2a,2bには、それぞれ柱4及び梁5に対してプレート部2a,2bを固定するための固定ビス12が挿通されるビス孔13が、縦六列及び横二列の計十二個穿設されている。また、プレート部2a,2bには、板ばね部11の延設部10a,10bを連結し、固定するための固定ボルト(皿ねじ)14a,14bが挿通される固定ボルト孔15が縦に二カ所形成されている。ここで、固定ボルト孔15は、固定ボルト14a,14bのボルト頭部の傾斜に合わせてボルト挿通方向(図1における紙面下方及び紙面左斜め下方に相当)に対して縮径して形成されている(ビス孔13も固定ビス12に対して同様に形成)。これにより、プレート部2a,2bとプレート部2a,2bのそれぞれの先端部19a,19bは、柱4及び梁5の交錯部7の交錯点7aから離間して固定されている。そのため、建築物に荷重が加わった場合の柱4及び梁5の変形を係るプレート部2a,2bによって阻害することがない。
一方、板ばね部11は、前述したように、湾曲部8及び延設部10a,10bから主として構成されており、さらに、延設部10a,10bには、プレート部2a,2bの固定ボルト孔15と相対する位置に、ばね孔16がそれぞれ穿設されている。なお、板ばね部11は、プレート部2a,2bに、前述の固定ボルト14a,14bの先端に設けられた雄ねじに対し、螺合可能に形成された雌ねじを有する固定ナット17a,17b、及び固定ナット17a等と延設部10a等との間に介入される固定ワッシャ18を利用して接合されている。
なお、本実施形態の耐震補強材1の全体のサイズは、柱4及び梁5の交錯部7の交錯点7aからプレート部2a,2bのそれぞれの他端部20a,20b(板ばね部11の延設部10a,10bの延設端にも相当)までの長さが300mmになり、かつ交錯部7の交錯点7aからプレート部2a,2bの一端部19a,19bまでの長さが20mmになるようにそれぞれ設定されている。さらに、プレート部2a,2b及び板ばね部11の幅は、それぞれ90mmに設定されている。これにより、300mm×300mm×90mmの範囲に本実施形態の耐震補強材1を納めることができる。
次に、本実施形態の耐震補強材1の使用、及び荷重によって変形した場合の一例を主に図5に基づいて説明する。ここで、柱4を挟んで左右対称となるように一対の耐震補強材1が取設されている。そして、地震が発生し、本実施形態の耐震補強材1の取付けられた建築物に所定方向(例えば、図5における紙面横方向F)の揺れが生じると、該揺れによって建築物に荷重がかかり、柱4及び梁5の交錯した交錯部7において、柱4及び梁5の間をなす角が変化する。ここで、柱4及び梁5の間の角度θa(図2参照)は通常では約90度である。しかしながら、横揺れによる荷重が発生すると、図5における紙面左方向の角度θbは、90度以上に変化し、一方、紙面右方向の角度θcは、90度以下に変形する。
このとき、紙面左方向の柱4及び梁5には引張荷重Tが生じ、紙面右方向の柱4及び梁5には圧縮荷重Pが生じている。そして、本実施形態の耐震補強材1は、各々の荷重T,Pを弾性変形可能な板ばね部11によって吸収し、さらに板ばね部11の復元力によって、荷重T等が消失した場合に元の状態(図2参照)に復帰させることができる。特に、図5において示したように、一対の耐震補強材1を左右対称に配することにより、双方の荷重に対して一度に対応することができ、建築物の耐震性をより向上させることができる。
さらに、300mm四方のサイズ及び柱4よりも狭幅(90mm)に形成されているため、壁材の内部に通される電気配線等にそれほど影響を与えることがなく、かつ十分な耐震性を持たせることができる。特に、板ばね部11が交錯部7に向かって突出しているため、従来の柱及び梁に対して斜めに架渡されたコイルばねに比べ、電気配線等が、本発明の耐震補強材1の側に多少はみ出したとしても特に問題が生じない。そのため、係る電気配線等の配設に余裕を持つことができる。
加えて、本実施形態の耐震補強材1は、柱4及び梁5等に取設する際の作業にそれほどの労力を要しない。すなわち、予め所定の曲率等に湾曲された湾曲部8を有する板ばね部11をプレート部2a,2bに単純に取付けるだけであるため、従来のように、コイルばねを予め所定方向に圧縮若しくは引張って柱4及び梁5の間にテンションがかかった状態にする必要がなく、作業負担を軽減することができる。さらに、板ばね部11を変更することにより、圧縮荷重P及び引張荷重Tに対する耐荷重能力を適宜調整することができる。また、板ばね部11が直接柱4及び梁5に固定されておらず、プレート部2a,2bを介して取付られているため、前述の板ばね部11の変更をより容易に行うことができる。
そのため、図6(a),(b)に示すように、木造建築物3の各々の柱4及び梁5若しくは土台5aに対し、それぞれの交錯部7に対して上下及び左右が対称になるように配することにより、木造建築物3全体の耐震性を高めることができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、本実施形態の耐震補強材1において、主として木造建築物3に対して適用するものを示したが、これに限定されるものではなく、その他RC工法などによって施工されたコンクリート建築物等に対して適用するものであってももちろん構わない。
耐震補強材の構成を示す分解斜視図である。 耐震補強材の取付例を示す側面図である。 耐震補強材の取付例を示す正面図である。 プレート部の構成を示す正面図である。 圧縮荷重及び引張荷重に対する耐震補強材の変形を模式的に示す説明図である。 木造建築物に対する適用例を模式的に示す(a)側面図、及び(b)平面図である。
符号の説明
1 耐震補強材
2a,2b プレート部(支持板部)
3 木造建築物
4 柱
5 梁(横架材)
5a 土台(横架材)
6 対向面
7 交錯部
7a 交錯点
8 湾曲部
9a,9b 湾曲端部
10a,10b 延設部
11 板ばね部
19a,19b 一端部
20a,20b 他端部
P 圧縮荷重
T 引張荷重

Claims (3)

  1. 柱、及び前記柱に直交して配される梁及び土台を含む横架材が交錯する交錯部近傍に設けられ、前記交錯部の交錯点から各々の一端部を離間させた状態で、互いに直交する前記柱及び前記横架材のにそれぞれ固定され、少なくとも二つ以上の固定ボルト孔が形成された略板状を呈する一対の支持板部と、
    前記固定ボルト孔に挿通され、前記固定ボルト孔から前記面に対して直交するように雄ねじをが突出した固定ボルトと、
    前記交錯点に向かって凸状に湾曲した略円弧状形状の湾曲部、及び前記湾曲部の湾曲端部からそれぞれ延設され、前記支持板部の前記固定ボルト孔と相対する位置にばね孔が穿設された一対の延設部を有し、前記柱及び前記横架材の長手方向に略一致するようにして前記支持板部の間を各々の前記延設部によって連結した弾性変形可能な板ばね部と
    を具備することを特徴とする耐震補強材。
  2. 上下対称及び左右対称のいずれか一方に相対する一対の前記交錯部近傍にそれぞれ配設されていることを特徴とする請求項1に記載の耐震補強材。
  3. 前記交錯部の前記交錯点から、前記支持板部の他端部までの長さが200mm以上、400mm以下に設定され、
    前記支持板部及び前記板ばね部の少なくともいずれか一方の幅が80mm以上、100mm以下に設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の耐震補強材。
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