JP4177487B2 - ヒートパイプの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、作動流体の蒸発潜熱として熱を輸送するヒートパイプに関し、特に焼結粉末層をウィックとした構成のヒートパイプの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知の通りヒートパイプは、脱気した状態の密閉金属パイプなどの容器(コンテナ)の内部に、純水あるいはアルコールなどの凝縮性流体を作動流体として封入したものである。また作動流体を蒸発部に還流させるためのウィックとしては、グルーブまたは金属メッシュあるいは焼結させた金属粉末などがある。
【0003】
そこで焼結粉末層からなるウィックを備えたヒートパイプの製造方法について簡単に説明する。例えばブロンズ粉末と適宜の有機材料とからなる調合物を、コンテナの内壁面を被覆した状態に成形して保持する。つぎに調合物の成形体が備えられたコンテナを加熱炉の内部に収容するとともに、無酸素雰囲気下において750〜800℃で2〜3時間加熱して、成形体を焼結させる。具体的には、ブロンズ粉末同士が焼結してウィックが形成されるとともに、コンテナの内壁面とブロンズ粉末との界面が焼結してウィックがコンテナに固着される。つぎに通例に倣う洗浄工程を経た後に、その容器の内部をヒートパイプ化する。その結果、コンテナ内面に多孔構造層のウィックを備えたヒートパイプが完成する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の製造方法では、ウィック自体を形成する工程と、そのウィックをコンテナに取り付ける工程においてコンテナが加熱されるために、コンテナの材料が焼き鈍し処理されてしまい、それに伴って変形の生じるおそれがあった。つまり上記従来の製造方法では、所期形状のヒートパイプを必ずしも得ることができない不都合があった。
【0005】
この発明は、前記の事情を背景にしてなされたものであり、焼き鈍しに起因したコンテナの変形を防止することのできるヒートパイプの製造方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、非凝縮性ガスを脱気した金属製のコンテナの内部に、加熱されて蒸発しかつ放熱して凝縮する作動流体と、毛細管圧力を発生させるためのウィックとして多孔構造の焼結粉末層とが封入されたヒートパイプの製造方法であって、微細孔が全体として連通した多孔構造の焼結粉末体を形成し、その粉末焼結体を前記コンテナの内壁面に固定して前記焼結粉末層とするとともに、そのコンテナを密閉した後、更にそのコンテナの内部をヒートパイプ化することを特徴とするものである。
【0007】
したがって請求項1の発明によれば、ウィック自体を形成する工程、すなわち原料粉末同士を焼結させて粉末焼結体を形成する工程における熱の影響をコンテナが受けないから、コンテナ材料が焼き鈍しされるおそれがなく、その結果、所期の形状のヒートパイプを確実に得ることができる。
【0008】
また請求項2に記載した発明は、非凝縮性ガスを脱気した金属製のコンテナの内部に、加熱されて蒸発しかつ放熱して凝縮する作動流体と、毛細管圧力を発生させるためのウィックとして多孔構造の焼結粉末層とが封入されたヒートパイプの製造方法であって、微細孔が全体として連通した多孔構造の粉末焼結体を形成し、つぎにその粉末焼結体を構成する原料粉末よりも粒径の小さい原料粉末を、前記粉末焼結体と前記コンテナの内壁面との間に介在させた状態で焼結させることによって、前記粉末焼結体を前記コンテナの内壁面に固定させて前記焼結粉末層とするとともに、その焼結粉末層と前記コンテナの内壁面との間に前記微細孔よりも小さい微細孔を備えた多孔構造の接合層を形成し、そのコンテナを密閉した後、更にそのコンテナの内部をヒートパイプ化することを特徴とするものである。
【0009】
したがって請求項2の発明では、前述の状態で粒径の小さい原料粉末を焼結させることによって、その原料粉末同士が焼結して接合層が形成されるばかりでなく、原料粉末とコンテナの内壁面および原料粉末と粉末焼結体がそれぞれ焼結し、これにより粉末焼結体がコンテナに固着される。
【0010】
このような粉末焼結体の取り付け工程、つまり粒径の小さい原料粉末を焼結させる工程においては、コンテナが熱の影響を受けることになる。しかしながら請求項2の発明では、単位体積あたりでの粒径の小さい原料粉末同士の接触面積が焼結粉末層のそれと比較して大きく、すなわち焼結粉末層に相当する部材をコンテナの内壁面に対して直接に焼結させる従来技術に比べて、焼結に要する時間が短い。そのためコンテナには焼き鈍しによる変形が生じない。
【0011】
また請求項2の発明は、焼結粉末層とコンテナとを機械的に結合させるのではなく金属的に結合させるから、ヒートパイプにおける焼結粉末層とコンテナとの間での熱抵抗が小さい。更に請求項2の発明では、ウィックが接合層と焼結粉末層との2層構造であって、その厚さ方向における微細孔(空隙)の大きさが異なる構造であるから、例えばコンテナとの連結強度を得るために微細孔を密に設定しても、液相作動流体の流動性に優れるヒートパイプとなる。
【0012】
更に請求項3に記載した発明は、請求項2の発明に加えて、前記コンテナの内壁面を粗面化させて、多数の凹部を形成した後に、前記粉末焼結体を前記コンテナの内壁面に取り付けることを特徴とするものである。
【0013】
したがって請求項3に記載した発明では、粒径の小さい原料粉末が凹部の内面に接触することによって、コンテナの内壁面が平滑面である場合と比較して、粒径の小さい原料粉末とコンテナとの単位面積あたりの接触量が増すから、粒径の小さい原料粉末とコンテナとの焼結に要する時間が更に短縮し、これによりコンテナに対する焼結粉末層の取り付け工程が容易化するとともに、両者の連結強度が向上する。
【0014】
【発明の実施の形態】
つぎに請求項1の発明に係る具体例を、図1ないし図3を参照に説明する。まずコンテナ1を構成するカップ状部材2と上板3とを用意する。具体的には、カップ状部材2は、銅あるいはアルミニウムなどの金属からなり、底板4と側板5とフランジ部6とによって構成されている。底板4は、矩形の平板体であり、その4つの辺には、鉛直上側に向けて延びる平坦面からなる側板5がそれぞれ形成されている。なお各側板5の高さは、底板4の幅および長さよりも小さく設定されている。
【0015】
更に各側板5の縁部には、底板4と水平にかつ外側に向けて延びるフランジ部6がそれぞれ形成されている。またフランジ部6の四隅のうちの一つには、半円形状に窪んだ取り付け溝7が形成されている。これに対して上板3は、平面図上でフランジ部6と同じ大きさで同じ形状に成す平板材であり、カップ状部材2と同じ材料からなっている。
【0016】
また一方で、粉末焼結体8を形成する。例えば粒径が300μm程度のブロンズ粉末からなる大径粒子9と適宜の有機材料と水とを混合した調合物(図示せず)を用意し、この調合物によって上板用の成形体およびカップ状部材用の成形体(共に図示せず)をそれそれ形成する。その形成方法としては、機械プレス法または静水圧プレス法あるいは射出成形法、押出成形法およびドクターブレード法などの従来知られた方法を採用することができる。またブロンズ粉末に替わる原料粉末としては、例えば銅が挙げられる。
【0017】
つぎに各種の成形体を、図示しない加熱炉の内部に収納するとともに、約750℃で約3時間加熱して焼結させる。これにより各成形体と実質的に同じ形状の粉末焼結体8がそれぞれ完成する。すなわち上板用の粉末焼結体8は、カップ状部材2の4枚の側板5からなる開口部に倣った矩形の平板体を成している。
【0018】
これに対してカップ状部材用の粉末焼結体8は、矩形平板状の底壁部10と、その底壁部10の各辺から鉛直上方に延びる平板からなる側壁部11とを備えている。なお各側壁部11の高さは、カップ状部材2の側板5の高さから上板3用の粉末焼結体8の厚さを差し引いた値に設定されている。更に底壁部10の中央箇所には、図1での上方に突出した円柱形状の支柱部12が備えられている。
【0019】
つぎに粉末焼結体8を、上板3およびカップ状部材2に対してそれぞれ取り付ける。なお必要に応じて粉末焼結体8にプレス加工(サイジング)を施して、いわゆる焼結歪みを矯正させる。これを行うことによって粉末焼結体8と上板3などとの接合面の精度が向上する。
【0020】
上板用の粉末焼結体8は、その4つの辺を上板3の各辺と平行に揃えた姿勢で上板3の図1での下面部に対して取り付けられる。その結果、焼結粉末層13が形成される。これに対してカップ状部材用の粉末焼結体8は、その支柱を図1での上方に向けた姿勢でカップ状部材2の内側に取り付けられる。その結果、焼結粉末層13が形成される。なおその取り付け手段としては、例えば耐熱性の接着剤によって接合させる方法、または粉末焼結体8とコンテナ1とをカシメる方法、更にスポット溶接等を採用することができる。
【0021】
つぎに上板3とカップ状部材2とを一体に組み付けて、ウィック14を備えたコンテナ1を形成する。具体的には、4枚の側板5により形成される開口部分を上板3で塞いだ状態に、カップ状部材2と上板3とを仮組みする。なお上板3のうち粉末焼結体8の取り付けられた面を、底板4に向ける。したがって上板3に取り付けられた粉末焼結体8とカップ状部材2に取り付けられた粉末焼結体8の側壁部11の端面とが接触する。また上板3に取り付けられた粉末焼結体8に対してカップ状部材2側に備えられた支柱部12の端面が接触する。
【0022】
なお注入ノズルとなる小径管15を取り付け溝7に嵌め込んだ状態に配置する。そしてフランジ部6と上板3との接合面および取り付け溝7と小径管15との接合部分を溶接して封止する。その結果、内壁面の全域に焼結粉末層13を備えた中空平板形状のコンテナ1が完成する。
【0023】
更にコンテナ1をヒートパイプ化する。その手段としては、例えば加熱追い出し法あるいは真空ポンプ法またはガス液化法等の従来知られた手段採用することができる。その結果、図3に示すように、平板状のヒートパイプ16が完成する。すなわちこのヒートパイプ16は、コンテナ1の内壁面の全体が一定厚さの焼結粉末層8によって被覆されているとともに、非動作時における上板3と底板4との接近し合う方向への変形を阻止する支柱部12が設けられている。
【0024】
このようにコンテナ1の外部において単体として形成した粉末焼結体8を、コンテナ1の内壁面に対して取り付けて焼結粉末層13とする製法であり、上板3およびカップ状部材2が大径粒子9の焼結に伴う熱の影響を受けないから、上板3およびカップ状部材2が焼き鈍しされることがなく、これにより変形のないコンテナ1を得ることができ、その結果、所期の形状のヒートパイプ16を確実に製造することができる。
【0025】
つぎに請求項2の発明に係る具体例を、図4に基づいて説明する。ここに示す具体例は、コンテナ1に対する粉末焼結体8の取り付け手段として焼結を採用した例である。なお上記具体例と同じ工程ならびに部材については、その詳細な説明を省略する。
【0026】
まずコンテナ1のうちの粉末焼結体8との接合面に接合層18を形成する。具体的には、例えば小径粒子17と適宜の有機材料と水とを混合させてなる調合物を用意し、この調合物を上板3ならびにカップ状部材2のうち粉末焼結体8によって覆われる範囲に対して一定の厚さとなるようにそれぞれ塗布する。すなわち成形体を形成する。なおこの発明の粒径の小さい原料粉末に相当する小径粒子17は、一例として粒径が75μm程度のブロンズ粉末からなるものである。したがって小径粒子の粒径は、大径粒子9の粒径の1/4程度となっている。また成形体の厚さは、一例として粉末焼結体8(焼結粉末層13)の約1/6程度に設定されている。
【0027】
つぎに予め用意してある粉末焼結体8を、カップ状部材2および上板3のそれぞれに設けられた成形体の外面を覆う状態に仮組みする。つまりカップ状部材2あるいは上板3と粉末焼結体8とによって成形体を挟んだ状態とする。
【0028】
そしてカップ状部材2および上板3を加熱炉に収容するとともに、加熱して成形体を焼結させる。これによって小径粒子17同士が焼結して接合層18が形成される。また小径粒子17と粉末焼結体8との界面が焼結し、更に小径粒子17とカップ状部材2および上板3との界面が焼結する。その結果、粉末焼結体8が接合層18を介してコンテナ1の内壁面に一体に固着して焼結粉末層13となる。なお、成形体自体の厚さが薄いことに加えて、小径粒子17の粒径が小さいために、上記のようなコンテナ1に対する粉末焼結体8の取り付け工程(接合層18の形成工程)は、短時間で完了する。
【0029】
つぎに焼結粉末層13および接合層18が備えられた上板3およびカップ状部材2を、それぞれ脱脂洗浄する。その洗浄手段としては、例えば適宜の溶剤を使用した洗浄、あるいは超音波洗浄などの従来知られた手段を採用することができる。つぎに上板3とカップ状部材2とを組み付けてコンテナ1を形成するとともに、そのコンテナ1の内部をヒートパイプ化する。その結果、2層構造のウィック14をコンテナ1の内壁面に備えた平板状のヒートパイプ16が完成する。
【0030】
上記のように大径粒子9よりも粒径の小さい小径粒子17を焼結させることによって、粉末焼結体8をコンテナ1に取り付ける方法であり、従来技術に比べて焼結に要する時間が短縮されるから、上板3およびカップ状部材2が焼結によって受ける熱の影響を低減でき、したがって焼き鈍しによるコンテナ1の変形を未然に防止することができ、すなわち所期の形状のヒートパイプ16を確実に得ることができる。
【0031】
またこの具体例では、粉末焼結体8とコンテナ1とが金属的に結合しているから、両者を機械的に結合させている図1に示す具体例と比較して、コンテナ1と焼結粉末層13との間での熱抵抗が低減する利点がある。
【0032】
つぎに請求項3の発明に係る具体例を、図5を参照して説明する。ここに示す例は、粉末焼結体8をコンテナ1に取り付ける工程の前工程として、コンテナ1の内壁面の粗面化を行う例である。なお上記具体例と同じ工程ならびに部材については、その詳細な説明を省略する。
【0033】
まず上板3の片面のうち周縁部を除いた範囲と、底板4と各側板5上板3のうちコンテナ1のうちコンテナ1の内部となる範囲とに、図示しないブラスト装置を利用したサンドブラスト加工を施す。具体的には粒径が小径粒子17よりも若干大きいケイ砂を、コンテナ1の内壁面に対して衝突させて多数個の凹部19を形成し、いわゆるマット状に粗面化させる。したがって各凹部19は、小径粒子17の粒径よりも若干大きく開口した構成となっている。
【0034】
ブラスト加工が施されたカップ状部材2と上板3とは、定法に倣って洗浄工程に送られ、表面に付着した粉体や残留ケイ砂等の異物が除去される。なおサンドブラスト加工に替わる粗面化の手段としては、例えばエッチング処理あるいはサンドペーパーを利用した研磨加工等を採用することができる。なお凹部19は、小径粒子17の粒径には制約されない。
【0035】
つぎにカップ状部材2および上板3のうち粗面化された箇所を、小径粒子17を含む調合物によって被覆した状態とする。すなわち調合物の成形体を粗面化された箇所に配置する。その場合、各凹部19の内側に小径粒子17が入り込んだ状態となる。更に予め形成してある粉末焼結体8を、成形体の表面を覆う状態に配置する。つまりカップ状部材2あるいは上板3と粉末焼結体8とによって、成形体を挟んだ状態に保持させる。
【0036】
そしてカップ状部材2および上板3を加熱炉に収容して加熱し、成形体を焼結させる。前述の通り、小径粒子17が凹部19に侵入していて、小径粒子17とコンテナ1の内壁面との接触面積が大きいために、成形体とコンテナ1の内壁面とが速やかに焼結する。また小径粒子17同士が焼結して接合層18が形成される。更に成形体と粉末焼結体8との界面が焼結する。その結果、粉末焼結体8がコンテナ1の内壁面に対して固着して、焼結粉末層13となる。
【0037】
つぎにカップ状部材2と上板3とを、上記具体例と同様の姿勢に組み付けた状態で、両者の連結部分を溶接して密閉する。これによってコンテナ1が完成する。更にコンテナ1の内部を、ヒートパイプ化する。その結果、中空平板状のヒートパイプ16が完成する。
【0038】
上記のように小径粒子17の入り込むことが可能な凹部19を形成することによって、図4に示す具体例と比べて小径粒子17とコンテナ1との接触面積が増大して、その焼結に要する時間が更に短縮するから、上板3とカップ状部材2とが焼結によって受ける熱の影響を更に少なくすることができ、その結果、焼き鈍しによる変形をより一層確実に防止することができる。
【0039】
なお上記各具体例では、平板状ヒートパイプに適用した例を挙げたが、この発明は、例えばコンテナが円形断面を成すヒートパイプに適用することもできる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1ないし請求項3に記載したいずれの発明においても、多孔構造の粉末焼結体をコンテナの内壁面に固定して焼結粉末層とするとともに、コンテナを密閉した後に、その内部をヒートパイプ化する製造方法であり、粉末焼結体を形成する工程での熱がコンテナに影響しないから、所期の形状のヒートパイプを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1の発明に係る具体例を示す概略図である。
【図2】 焼結粉末層およびコンテナを示す断面図である。
【図3】 ヒートパイプの完成体を一部切り欠いて示す概略図である。
【図4】 請求項2の発明に係る焼結粉末層およびコンテナを示す断面図である。
【図5】 請求項3の発明に係る焼結粉末層およびコンテナを示す断面図である。
【符号の説明】
1…コンテナ、 2…カップ状部材、 3…上板、 4…底板、 5…側板、6…フランジ部、 8…粉末焼結体、 9…大径粒子、 10…底壁部、 11…側壁部、 12…支柱部、 13…焼結粉末層、 14…ウィック、 16…ヒートパイプ、 17…小径粒子、 18…接合層、 19…凹部。

Claims (3)

  1. 非凝縮性ガスを脱気した金属製のコンテナの内部に、加熱されて蒸発しかつ放熱して凝縮する作動流体と、毛細管圧力を発生させるためのウィックとして多孔構造の焼結粉末層とが封入されたヒートパイプの製造方法であって、
    微細孔が全体として連通した多孔構造の焼結粉末体を形成し、その粉末焼結体を前記コンテナの内壁面に固定して前記焼結粉末層とするとともに、そのコンテナを密閉した後、更にそのコンテナの内部をヒートパイプ化することを特徴とするヒートパイプの製造方法。
  2. 非凝縮性ガスを脱気した金属製のコンテナの内部に、加熱されて蒸発しかつ放熱して凝縮する作動流体と、毛細管圧力を発生させるためのウィックとして多孔構造の焼結粉末層とが封入されたヒートパイプの製造方法であって、
    微細孔が全体として連通した多孔構造の粉末焼結体を形成し、つぎにその粉末焼結体を構成する原料粉末よりも粒径の小さい原料粉末を、前記粉末焼結体と前記コンテナの内壁面との間に介在させた状態で焼結させることによって、前記粉末焼結体を前記コンテナの内壁面に固定させて前記焼結粉末層とするとともに、その焼結粉末層と前記コンテナの内壁面との間に前記微細孔よりも小さい微細孔を備えた多孔構造の接合層を形成し、そのコンテナを密閉した後、更にそのコンテナの内部をヒートパイプ化することを特徴とするヒートパイプの製造方法。
  3. 前記コンテナの内壁面を粗面化させて、多数の凹部を形成した後に、前記粉末焼結体を前記コンテナの内壁面に取り付けることを特徴とする請求項2に記載のヒートパイプの製造方法。
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