JP4176843B2 - 試薬キット及び試薬キットの使用方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は試薬キット及び試薬キットの使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
臨床検査の生体試料分析において使用される試薬には、不安定な試薬成分を含んだものが少なからず存在し、こうした試薬の安定性は上記の試薬成分の安定性に依存している。
【0003】
このような不安定な試薬成分の1つとしてコエンザイムA(以下、CoASHと略す)が挙げられる。CoASHを用いて定量される項目としては例えば、次式(I)で表される、CoASHとアシルコエンザイムAシンセターゼ(以下、ACSと略す)を使用する血中遊離脂肪酸(以下、NEFAと略す)の定量がある。
【0004】
【化1】
Figure 0004176843
【0005】
また、次式(II)で表されるピルビン酸脱水素酵素(以下、PDHLと略す)を用いたピルビン酸の定量方法(特開平5−95798号公報)がある。
【0006】
【化2】
Figure 0004176843
【0007】
式(I)および式(II)の定量反応に使用される試薬に添加されるCoASHは熱安定性が良くないだけでなく、容易に酸化されて生理活性を失うことが知られている〔生化学データーブック(日本生化学会;東京化学同人)〕。
【0008】
このような不安定な試薬成分を含む試薬の安定化方法としては、弱酸性下に保存したり、キレート剤の添加、、スルフヒドリル化合物の添加などが行われている。しかしこうした方法をもってしても、調製した試薬は経時的に活性成分が少なくなるため、定量限界が経時的に低下し、やがて反応しなくなるという問題点を有している。
最近の臨床検査においては、試薬を溶解する手間を省いた液状無調製試薬が主流となってきているが、上記のような不安定な試薬成分を必要とする試薬に関しては、上述した試薬成分の安定化の問題のため、未だ液状無調製試薬は製品化されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、不安定な試薬成分を使用して物質を測定する試薬であって、液状で長期間使用しうる安定な試薬を提供することである。
本発明の他の目的は、不安定な試薬成分を使用して物質を測定する試薬の安定化方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、不安定な試薬成分をアシル基で保護しておき、測定時に保護基の脱離を行い必要な試薬成分を生成させることにより、試薬を安定化させることが可能となることを見いだした。すなわち、不安定な試薬成分を試薬に添加する場合に、保護基で保護された該試薬成分を含む第一試薬と該試薬成分の保護基を脱離しうる成分を含む第二試薬からなる試薬キットを作製し、用時に上記第一試薬および第二試薬を混合し、上記の保護基を脱離せしめるという方法を用いることにより、液状で長期間使用できる安定な試薬を提供することが可能となることを見い出し本発明を完成した。
すなわち本発明は、
(1)アシルコエンザイムAを含む第一試薬とアシルコエンザイムAアシル基を脱離しうる酵素を含む第二試薬からなる試薬キット、
(2)第二試薬がさらにアシルコエンザイムAのアシル基を脱離しうる酵素の基質を含む(1)に記載の試薬キット
アシルコエンザイムAがアセチルコエンザイムAである(1)に記載の試薬キット、
アシルコエンザイムAがアセチルコエンザイムAであり、アシルコエンザイムAのアシル基を脱離しうる酵素がフォスフォトランスアセチラーゼである(1)に記載の試薬キット、
)ヒト体液中の成分の測定に用いる(1)〜()のいずれかに記載の試薬キット、
アシルコエンザイムAを含む第一試薬とアシルコエンザイムAアシル基を脱離しうる酵素を含む第二試薬とを混合して、アシルコエンザイムAアシル基を脱離させる工程を有する試薬キットの使用方法、
(7)第二試薬がさらにアシルコエンザイムAのアシル基を脱離しうる酵素の基質を含む(6)に記載の試薬キットの使用方法
アシルコエンザイムAがアセチルコエンザイムAである()に記載の試薬キットの使用方法、
アシルコエンザイムAがアセチルコエンザイムAであり、アシルコエンザイムAのアシル基を脱離しうる酵素がフォスフォトランスアセチラーゼである()に記載の試薬キットの使用方法、
10)ヒト体液中の成分の測定に用いる()〜()のいずれかに記載の試薬キットの使用方法、
に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に使用される試薬成分は特に限定されず、いずれの試薬成分でも使用できるが、好ましくはCoASHが例示される。
【0012】
これらの試薬成分を保護する保護基はアシル基であることが好ましい。
本発明で使用するアシル基としては、アセチル基、パルミトイル基、アセトアセチル基、アラキドニル基、n−ブチリル基、クロトノイル基、n−デカノイル基、エイコサノイル基、グルタリル基、n−ヘプタノイル基、n−ヘキサノイル基、イソブチリル基、イソバレリル基、ラウロイル基、リノレイル基、マロニル基、ミリストイル基、オレイル基、プロピオニル基、ステアロイル基、サクシニル基等が挙げられるが、好ましくはアセチル基、パルミトイル基、アセトアセチル基等を、特に好ましくはアセチル基を使用する。
【0013】
本発明で用いられる、保護基を有する試薬成分から保護基を脱離する成分は特に限定されず、酵素(例えば、脱離酵素、合成酵素、保護基の転移酵素、加水分解酵素等)などの中から、主反応(定量反応系)に影響を与えない成分を使用すればよい。
【0014】
上記の保護基を有する試薬成分を添加した試薬を第一試薬とし、該試薬成分の保護基を脱離しうる成分を添加した試薬を第二試薬とする。本発明における試薬キットは上記の第一試薬および第二試薬から構成され、用時にこの2つの試薬を混合することにより、該試薬成分を保護する保護基が脱離されて該試薬成分が生成される。このため試薬成分が不安定な物質であっても、本発明の試薬キットではその試薬成分の活性は安定に保たれる。
【0015】
例えば試薬成分としてCoASHを用い、アシル基で保護しアシルCoAとして使用する場合、それらのアシルCoAを基質として利用できる酵素があれば、いずれのアシルCoAでも使用できる。そのようなアシルCoAとして、アセチル−CoA、パルミトイル−CoA、アセトアセチル−CoA、アラキドニル−CoA、n−ブチリル−CoA、クロトノイル−CoA、n−デカノイル−CoA、エイコサノイル−CoA、グルタリル−CoA、n−ヘプタノイル−CoA、n−ヘキサノイル−CoA、イソブチリル−CoA、イソバレリル−CoA、ラウロイル−CoA、リノレイル−CoA、マロニル−CoA、ミリストイル−CoA、オレイル−CoA、プロピオニル−CoA、ステアロイル−CoA、サクシニル−CoA等が挙げられるが、好ましくはアセチル−CoA、パルミトイル−CoA、アセトアセチル−CoA等を使用する。特に、アシル基の安定性・溶解性、共役酵素反応、あるいは入手の容易さ等を考慮すると、アセチル−CoAを使用することが望ましい。
【0016】
例えば保護基を有する試薬成分としてアセチルCoAを用いる場合、保護基であるアセチル基を脱離しうる成分としては、クエン酸(si)−シンテターゼ(EC4.1.3.7)、ATPクエン酸(pro−3s)−リアーゼ(EC4.1.3.8)、ホモクエン酸シンターゼ(EC4.1.3.21)、クエン酸(re)−シンテターゼ(EC4.1.3.28)、アセチル−CoAシンテターゼ(EC6.2.1.1)、アミノ酸アセチルトランスフェラーゼ(EC2.3.1.1)、イミダゾールアセチルトランスフェラーゼ(EC2.3.1.2)、グルコサミンアセチルトランスフェラーゼ(EC2.3.1.3)、グルコサミン−リン酸アセチルトランスフェラーゼ(EC2.3.1.4)、アリルアミンアセチルトランスフェラーゼ(EC2.3.1.5)、コリンアセチルトランスフェラーゼ(EC2.3.1.6)、カルニチンアセチルトランスフェラーゼ(EC2.3.1.7)、フォスフォトランスアセチラーゼ(EC2.3.1.8)、アセチル−CoAアセチルトランスフェラーゼ(EC2.3.1.9)、硫化水素アセチルトランスフェラーゼ(EC2.3.1.10)、チオエタノールアミンアセチルトランスフェラーゼ(EC2.3.1.11)、グリシンアシルトランスフェラーゼ(EC2.3.1.13)、アセチル−CoAヒドロラーゼ(EC3.1.2.1)等が挙げられるが、好ましくはフォスフォトランスアセチラーゼが用いられる。
【0017】
保護基を有する試薬成分としてアシルCoAを使用する場合に、アシル基を脱離し、物質の測定に必要なCoASHを生成させる原理を次式(III)に示す。
【0018】
【化3】
Figure 0004176843
【0019】
本発明の試薬キットにおいて試薬成分としてアシルCoAを使用する場合には、アシルCoAからアシル基を脱離しCoASHを反応時に生成させるために、アシルCoAを添加した試薬を第一試薬とし、式(III)中の酵素またはその基質のどちらか一方または両方を上記のアシルCoAとは別の試薬に添加しこれを第二試薬とし、用時に混合して用いる。試薬が混合されたとき該アシルCoAは、式(III)に示されるようにCoASHを生じる。このCoASHが測定対象となる被検物質と反応して生じた生成物を公知の方法を用いて定量することにより、被検物質の測定を行うことができる。
第一試薬と第二試薬との混合時に上記の原理により生成されたCoASHは、臨床検査においてヒト体液中の種々の成分、例えば、遊離脂肪酸、ピルビン酸、尿素窒素、コリンエステラーゼ、トリグリセライド、クレアチニン等の測定に供せられる。
【0020】
例えば、アセチルCoAと、酵素としてフォスフォトランスアセチラーゼ(以下、PATと略す)を添加する系を利用して、NEFAをACSで測定する〔式(I)〕場合には、アセチルCoAを添加した試薬を第一試薬とし、リン酸(Pi)またはPATのどちらか一方または両方をアセチルCoAとは別の試薬に添加し第二試薬とする。第一試薬と第二試薬が混合された時、PATが次式(IV)に示される反応を触媒し、アセチルCoAは式(I)に示されるACSに必要なCoASHを生成させることができる。
【0021】
【化4】
Figure 0004176843
【0022】
次に、式(I)の反応によりさらに生成したアシルCoAまたはAMPまたはピロリン酸を公知の方法で定量する。その際、一般にはACODを使用したアシルCoAの定量がよく利用されているが、ACODはアセチルCoAを基質としないため、本発明の測定には影響しない。
【0023】
また、例えばアセチルCoAと、酵素としてPATを添加する系を利用してピルビン酸をPDHLで測定するとき〔式(II)〕も同様に、反応時にアセチルCoAからCoASHを生成させればよい。すなわち、アセチルCoAを添加した試薬を第一試薬とし、リン酸(Pi)またはPATのどちらか一方または両方をアセチルCoAとは別の試薬に添加しこれを第二試薬とする。第一試薬と第二試薬が混合された時、PATが式(IV)に示される反応を触媒し、アセチルCoAは式(II)に示されるPDHLに必要なCoASHを生成させることができる。この場合、NEFAの定量と異なりCoAサイクリングを形成することができるため、使用するアセチルCoA量が低くても使用できる利点がある。
【0024】
CoAサイクイング反応については、生化学実験講座5.酵素研究法 上 p121−135に詳細に記載されている。これによるとCoAサイクリング反応は増幅定量するものであって、数多くの報告がなされている。また、PDHLを用いたCoAサイクリングについても報告されている(Szutowicz A, et al, Anal Biochem, 115, 81-87(1981) ;Coore HG, et al, Biochem J, 125, 115-127(1971) ;Methods in Enzymology Vol.9, 247-253(1966) ;特開平5−268997号公報)。また、この測定法が2−オキソグルタル酸脱水素酵素にも応用できることが報告されている。(Methods in Enzymology Vol.9, 247-253(1966)) 。このようにPDHLによるCoAサイクリング自体は公知であるが、本発明の方法のように臨床検査に供される試薬の安定性を長期間維持できることを目的としてCoAサイクリングを使用する例はない。
【0025】
【実施例】
以下、本発明を具体的な実施例を挙げてその詳細を説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0026】
実施例1.
NEFAの定量安定性
試薬A〔1.25mM 1−(4’−スルフォフェニル)−3−カルボエトキシ−5−ピラゾロン(以下、SCEPと略す)、0.5mM アセチルCoA、0.2mM エチレンジアミン四酢酸(以下、EDTAと略す)、1mM 塩化マグネシウム、2.5U/ml ACS、12.5U/ml パーオキシダーゼ(以下、PODと略す)、20mM リン酸一カリウムを含む50mM N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エタンスルフォン酸(以下、HEPESと略す)緩衝液(pH7.0)〕、及び試薬B〔5mM 4−アミノアンチピリン、5mM ATP、5U/ml ACOD、5U/ml PATを含む20mMリン酸緩衝液(pH8.0)〕を調製した。比較として試薬A’〔1.25mM SCEP、0.5mM CoASH、0.2mM EDTA、1mM 塩化マグネシウム、2.5U/ml ACS、12.5U/ml POD、20mM リン酸一カリウムを含む50mM HEPES緩衝液(pH7.0)〕、及び試薬B’〔5mM 4−アミノアンチピリン、5mM ATP、5U/mlACODを含む20mMリン酸緩衝液(pH8.0)〕を調製した。
検体として2.5mEq/l オレイン酸ナトリウムを5段階希釈したものを使用した。この検体各5μlに試薬A240μl及び試薬B60μlを加え、37℃の恒温槽で5分間反応させた後、試薬ブランクを対照として波長546nmで吸光度を測定した。試薬調製後、冷蔵(2〜8℃)に保管して0、10、20、30日間測定した結果を図1に示す。次に、比較として試薬Aの代わりに試薬A’を、試薬Bの代わりに試薬B’を用いて同様に操作し、測定を行った。その結果を図2に示す。
図1、図2の結果から明らかなように、CoASHで添加するよりもアセチルCoAで添加する本発明の方法を用いた方が、試薬の安定性が優れていることがわかる。
【0027】
実施例2.
ピルビン酸の定量安定性
試薬C〔0.02mM アセチルCoA、0.2mM EDTA、10mM 塩化アンモニウム、2.5mM L−システイン、0.2mM チアミンピロリン酸(以下、TPPと略す)、2.5mM β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド酸化型(以下、NADと略す)、1U/ml PDHL、20mM リン酸一カリウムを含む50mM HEPES緩衝液(pH7.0)〕、及び試薬D〔5U/ml PAT、0.2mM EDTA、5mM 塩化マグネシウム、20mM リン酸一カリウムを含む50mM HEPES緩衝液(pH7.0)〕を調製した。比較として、試薬C’〔0.2mM CoASH、0.2mM EDTA、10mM 塩化アンモニウム、2.5mM L−システイン、0.2mM TPP、2.5mM NAD、1U/ml PDHL、20mM リン酸一カリウムを含む50mM HEPES緩衝液(pH7.0)〕、及び試薬D’〔0.2mM EDTA、5mM 塩化マグネシウム、20mM リン酸一カリウムを含む50mM HEPES緩衝液(pH7.0)〕を調製した。
検体として15mMピルビン酸ナトリウムを5段階希釈して使用した。この検体各5μlに試薬C240μl及び試薬D60μlを加え、37℃の恒温槽で5分間反応させた後、試薬ブランクを対照として波長340nmで吸光度を測定した。試薬調製後、冷蔵(2〜8℃)に保管して0、10、20、30日間測定した結果を図3に示す。次に、比較として試薬Cの代わりに試薬C’を、試薬Dの代わりに試薬D’を用いて同様に操作し、測定を行った。その結果を図4に示す。
CoASHを添加した試薬を使用した場合、図4に示すようにピルビン酸濃度が高いため、0日目から直線性を失う。しかしながら、CoASHの1/10濃度のアセチルCoAを添加した試薬を使用した場合の結果を示す図3は、30日間問題なく試薬が使用できたことを示している。このように、CoASHで添加するよりも、アセチルCoAで添加する本発明の方法を用いた方が試薬の安定性が優れていることがわかる。
【0028】
参考例1.
参考例として、CoASHとアシルCoAの安定性を比較検討した結果を以下に示す。
50mM 2−(N−モルフォリノ)エタンスルフォン酸(以下、MESと略す)、50mM HEPES及び50mM 2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルフォン酸(以下、CHESと略す)を含むpH5、6、7、8、9の緩衝液を調製し、各々に0.1mMのCoASHを溶解し、冷蔵(2〜8℃)及び30℃に10日間保存後、保存液10μlに定量用試薬〔10mM 塩化アンモニウム、0.2mM EDTA、1mM 塩化マグネシウム、2mM L−システイン、3mM ピルビン酸ナトリウム、2.5mM NAD、0.2mM TPP、0.5U/ml PDHL、0.5U/ml PAT、10mM リン酸一カリウムを含む50mM トリス塩酸緩衝液(pH7.5)〕500μlを加え、37℃恒温下、波長340nmの吸光度変化量を標準液の吸光度変化量と比較することにより残存量を求めた。その結果を図5に示す。
次に、上記と同様に調製した緩衝液に0.1mMのアセチルCoAを溶解し、上記と同じ方法で保存した後、上記の定量用試薬を加え、残存量を求めた。その結果も図5に示す。
さらに、上記と同様に調製した緩衝液に0.1mMのパルミトイルCoAを溶解し、上記と同じ方法で保存を行った。パルミトイルCoAの定量は、保存液20μlに定量用試薬〔1mM SCEP、1mM 4−アミノアンチピリン、0.2mM EDTA、1mM 塩化マグネシウム、10U/ml POD、1U/ml ACODを含む100mM HEPES緩衝液(pH7.0)〕300μlを加え、37℃恒温下、10分間インキュベーション後、波長546nmで吸光度を測定し、標準液の吸光度と比較することにより残存量を求めた。その結果も図5に示す。
図5から明らかなように、CoASHに比べ、アセチルCoA、パルミトイルCoAの安定性の方がはるかによいことが判明した。CoASHはpH5以下で安定化するようだが、このpH域は通常の酵素が不安定になる場合が多い。また、至適酵素活性を示すpHからはずれていることが多い。その点、アシルCoAは中性近辺でも十分な安定性を示すため、安定な試薬の調製に有効に利用できる。
【0029】
【発明の効果】
本発明の方法を用いることにより、試薬の液状安定性を長期間維持することが可能となり、液状無調製試薬へ応用することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 オレイン酸ナトリウムにアセチルCoAを添加した試薬を加え、吸光度を測定した結果を示す。
【図2】 オレイン酸ナトリウムにCoASHを添加した試薬を加え、吸光度を測定した結果を示す。
【図3】 ピルビン酸ナトリウムにアセチルCoAを添加した試薬を加え、吸光度を測定した結果を示す。
【図4】 ピルビン酸ナトリウムにCoASHを添加した試薬を加え、吸光度を測定した結果を示す。
【図5】 CoASH、アセチルCoA、パルミトイルCoAを冷蔵(2〜8℃)または30℃に10日間保存後に残存量を求め、安定性を比較した図である。

Claims (8)

  1. アセチルコエンザイムAを含む第一試薬とアセチルコエンザイムAのアセチル基を脱離しうる酵素を含む第二試薬からなる試薬キット。
  2. 第二試薬がさらにアセチルコエンザイムAのアセチル基を脱離しうる酵素の基質を含む請求項1に記載の試薬キット。
  3. アセチルコエンザイムAのアセチル基を脱離しうる酵素がフォスフォトランスアセチラーゼである請求項1又は2に記載の試薬キット。
  4. ヒト体液中の成分の測定に用いる請求項1〜のいずれか1項に記載の試薬キット。
  5. アセチルコエンザイムAを含む第一試薬とアセチルコエンザイムAのアセチル基を脱離しうる酵素を含む第二試薬とを混合して、アセチルコエンザイムAのアセチル基を脱離させる工程を有する試薬キットの使用方法。
  6. 第二試薬がさらにアセチルコエンザイムAのアセチル基を脱離しうる酵素の基質を含む請求項に記載の試薬キットの使用方法。
  7. アセチルコエンザイムAのアセチル基を脱離しうる酵素がフォスフォトランスアセチラーゼである請求項5又は6に記載の試薬キットの使用方法。
  8. ヒト体液中の成分の測定に用いる請求項のいずれか1項に記載の試薬キットの使用方法。
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