JP4176740B2 - 車体上部構造 - Google Patents
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Description
しかしながら、前記カーテンエアバッグ装置を備えた車両の場合、そのエアバッグの膨張展開スペースを考慮すると、上述のようなシートアレンジの自由度ひいては車室内物品の設定自由度を低下させることがあるため、このような点の改善が要望されている。
そこでこの発明は、カーテン状に膨張展開する袋体の膨張展開スペースを確保した上で車室内物品の設定自由度を高めることができる車体上部構造を提供する。
請求項2に記載した発明によれば、袋体の膨張展開スペースをより大きく確保することができる。
請求項3に記載した発明によれば、グラブレール取り付け用のブラケットを連結部固定用のものとして共用することで、車体部品点数を削減することができる。
請求項4に記載した発明によれば、袋体を窓に沿って良好に膨張展開させることができる。
図1は、車体側部にカーテンエアバッグ装置11を備えた車両の車体12の右側部を車室内側から見た部分側面図である。なお、図示は略すが車体12の左側部にも同様のカーテンエアバッグ装置が設けられている。
前部袋体26は、ルーフサイドレール15のフロント及びリアのドア開口部21,22の上方範囲に設けられ、その膨張展開時には、図2に示すように、ドア開口部21を閉塞するフロントドア30のフロントサイドウインドウ(窓)31及びドア開口部22を閉塞するリアドア32のリアサイドウインドウ(窓)33の車室内側にカーテン状に展開する。つまり、前部袋体26は、図示略の一列目シート及びニ列目シートに着席した乗員の側方を覆う。
具体的には、三列目シート41は、乗員が着座可能な通常の使用位置における態様から、まずシートバック42を前傾させてシートクッション43と略平行となるように折り畳み(図中41’で示す)、この状態でリアクォータウインドウ34側に跳ね上げるように回動させることで、リアクォータウインドウ34側に跳ね上げた格納位置における態様(図中41”で示す)に変化する。
また、ブラケット55は、グラブレール51及びアンカー46が固定される固定部56と、該固定部56の両側からルーフサイドレール15側に延びてこれに固定される脚部57とを有してなる。
グリップベース52は、ルーフライニング49の裏側に設けられるもので、このグリップベース52に対してグリップ本体53がルーフライニング49の表側(車室内側)においてこれと略平行な状態から車室内側に突出するように揺動することで、グリップ本体53を乗員が把持可能となる。
空調ダクト59は、その一般部においては単一の中空断面形状を有して延在しているが、グラブレール51等の設置部位においては、前記ブラケット55等を避けるべく二股に分岐して一対の中空断面形状を形成し、かつこれらを通過した後には再度合流して単一の中空断面形状を形成している。なお、ルーフサイドレール15内側における他のグラブレール51(図2参照)設置部位においても、上記同様に空調ダクト59が分岐するものとする。
そして、後部袋体27の膨張展開時には、該後部袋体27がルーフライニング49の側縁部を車室内側に押し広げるようにして下方に向けて膨張展開する。
ヒーコンスイッチ61は、ルーフサイドレール15にスイッチブラケット65を介して取り付けられるもので、ルーフライニング49と略平行に配される操作パネル62と、該操作パネル62の裏側からルーフサイドレール15側に突出するスイッチ本体63とを有してなる。
スイッチブラケット65は、その一側が開放するボックス状をなし、その底部がルーフサイドレール15に固定される一方、開放部周縁から延出するフランジ部66がルーフライニング49裏面に当接するように設けられる。ルーフライニング49におけるスイッチブラケット65の開放部と対向する部位には開口67が設けられており、該開口67からスイッチブラケット65内にスイッチ本体63を臨ませるようにヒーコンスイッチ61が取り付けられる。
操作パネル62の外縁部は、スイッチブラケット65のフランジ部66と共にルーフライニング49の開口67周縁部を挟み込む保持フランジ部69として構成される。この保持フランジ部69は比較的薄肉に形成され、かつフランジ部66と比べてルーフライニング49とのラップ代が少なくされる。そして、前部袋体26の膨張展開時に、ルーフライニング49を車室内側へ押し広げるべくこれに所定の荷重が加わった際には、保持フランジ部69による保持位置からルーフライニング49の開口67周縁部が脱落し、ヒーコンスイッチ61をルーフサイドレール15側に残したまま開口67をくぐり抜けさせるようにして、ルーフライニング49が車室内側へ押し広げられる。
エアアウトレット71は、複数の可動式のルーバ72aを有するアウトレット本体72と、該アウトレット本体72にルーフライニング49裏側から複数のタッピングネジ73を用いて固定される枠状の取り付けプレート73とを有してなる。
ルーフライニング49及びその裏側の空調ダクト59には、アウトレット本体72の吹き出し口形成部74に対応する開口75,76がそれぞれ設けられ、該各開口75,76がシール77を介して気密に連通する。これら各開口75,76内に吹き出し口を臨ませるようにエアアウトレット71を取り付けることで、空調ダクト59内の空調エアが車室内に吹き出し可能となる。
アウトレット本体72の外縁部は、取り付けプレート73の外縁部と共にルーフライニング49の開口75周縁部を挟み込む保持フランジ部79として構成される。この保持フランジ部79は比較的薄肉に形成され、かつ取り付けプレート73と比べてルーフライニング49とのラップ代が少なくされる。そして、各袋体26,27の膨張展開時に、ルーフライニング49を車室内側へ押し広げるべくこれに所定の荷重が加わった際には、保持フランジ部79による保持位置からルーフライニング49の開口75周縁部が脱落し、エアアウトレット71を空調ダクト59側に残したまま開口75をくぐり抜けさせるようにして、ルーフライニング49が車室内側へ押し広げられる。
また、固定ベルト44が弾性を有する構成としてもよい。つまり、固定ベルト44が伸縮性のある素材からなるものであったり、その一部あるいはフック45が弾性部材からなるものであったり、フック45にバネ機構を備えたものであってもよい。
さらに、ブラケット55の変形ではなく車体自体の変形により後部袋体27の膨張展開スペースを広げても良く、かつブラケット55及び車体自体の両者の変形を加えて前記膨張展開スペースをさらに広げるようにしてもよい。
そして、上記実施例における構成はこの発明の一例であり、該発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
27 後部袋体(袋体)
31 フロントサイドウインドウ(窓)
33 リアサイドウインドウ(窓)
34 リアクォータウインドウ(窓)
41 三列目シート(物品)
44 固定ベルト(固定部材)
46 アンカー(連結部)
51 グラブレール
55 ブラケット
K 空間
Claims (4)
- 車両の窓の上方に設けられ、前記窓に沿って下方にカーテン状に膨張展開する袋体を有する車体上部構造であって、
車室内における前記袋体の下方に格納位置にあるシートが配置されると共に、該シートとその車幅方向外側の前記窓との間に、前記袋体の膨張展開を許容する空間が形成され、
前記シートから延びて該シートを格納位置に固定するための固定部材及び該固定部材を係止する連結部が、前記シートを格納位置に固定した状態で前記袋体よりも車幅方向内側に位置するように設けられ、
前記袋体の膨張展開時には、前記格納位置にあるシートが前記袋体の展開圧力により下方及び車幅方向内側の少なくとも一方に移動することで、該シートと前記窓とが互いに離間して前記空間を拡大させることを特徴とする車体上部構造。 - 前記袋体の膨張展開時には、前記固定部材及び連結部の少なくとも一方が前記袋体の展開圧力により変形し、前記シートを下方及び車幅方向内側の少なくとも一方に移動させることを特徴とする請求項1に記載の車体上部構造。
- 前記連結部が、グラブレールを車体に取り付けるためのブラケットに固定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の車体上部構造。
- 前記連結部が、前記袋体よりも車幅方向内側に設けられると共に、前記格納位置にあるシートの車幅方向外側部が、膨張展開した前記袋体の近傍に位置することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の車体上部構造。
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