JP4176580B2 - 開閉装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物や地下街等を含む構造物に設置され、その設置箇所の空間を開放、閉鎖する開閉体と、この開閉体に開閉自在に形成されているとともに、この開閉体で仕切られた空間同士の間を連通させる出入口等として用いられる連通部とを有する開閉装置に係り、例えば、防災用シャッター装置や開口部用シャッター装置、防火扉装置等に利用できるものである。
【0002】
【背景技術】
従来より、防火や防煙等のための防火用シャッター装置には、建物の防災区画形成用として適しているスクリーン状部材である耐火スクリーンで形成されたシャッターカーテンを備えたものがある。この防災用シャッター装置は火災発生等の非常時等にシャッターカーテンが全閉することにより、防災区画が形成され、火炎や煙等を遮断することになる。しかし、人がシャッターカーテンの全閉動作が完了するまでの間に火災や煙等が発生している空間から安全な空間へと避難できなかった場合には、人はその場に取り残されてしまうことになる。このように火炎や煙等が発生している空間に人が取り残されてしまう場合を考慮して、耐火スクリーンにより形成されたカーテン本体に非常用の出入口等として用いられる連通部を設けた防災用シャッター装置が提案されている。
【0003】
この防災用シャッター装置のシャッターカーテンは、耐火スクリーン製のカーテン本体と、このカーテン本体に形成され、火災発生等の非常時等用の出入口等として用いられる連通部と、この連通部を開閉自在にするための耐火スクリーン製の閉鎖部材とを有している。この閉鎖部材をカーテン本体に取り付けるために、閉鎖部材の上辺部はシャッターカーテン本体に縫着結合されている。そして、この閉鎖部材をめくることによってこの連通部が開放され、この連通部から人がシャッターカーテンを通り抜けることができるようになっている。(例えば、特許文献1参照。)
【0004】
【特許文献1】
特開2001−82056(段落番号0059〜0063、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した防災用シャッター装置において、耐火スクリーン製の閉鎖部材のうち、カーテン本体に縫着結合されている上辺部以外の部分は、連通部に対してめくり自在となっており、めくる前は自重によりカーテン本体に接触している。これによりカーテン本体の連通部は塞がれ、火炎や煙等の通過は概ね阻止されているが、連通部が閉塞されているときの開閉体の一層向上した密閉性が望まれる。
【0006】
本発明の目的は、開閉体で仕切られた空間同士を連通させる連通部を開閉体に開閉自在に形成しても、連通部の閉塞時における開閉体の密閉性がより一層向上した開閉装置を提供するところにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る開閉装置は、空間を開放、閉鎖する開閉体と、この開閉体に開閉自在に形成されているとともに、前記開閉体で仕切られた空間同士の間を連通させる連通部とを有する開閉装置において、前記連通部は、係脱自在な係脱手段によって開閉されることを特徴とするものである。
【0008】
本発明では、開閉装置の開閉体で仕切られた空間同士の間を連通させる連通部を開閉体に開閉自在に形成しても、この連通部が係脱自在な係脱手段によって開口され、この係脱手段の係合により連通部は閉塞されるため、連通部の閉塞時における開閉体の密閉性がより一層向上したものとなる。
【0009】
ここで、連通部とは、構造的又は形状的にみると、一次元的な広がりしか持たないスリット状のようなものでもよく、あるいは、正方形、長方形、三角形、台形、円形、楕円形、半円形等のように二次元的な広がりを持つ開口状のものでもよい。
【0010】
また、係脱自在な係脱手段とは、開閉体に形成された連通部を開口、閉塞するための手段をいう。開閉体に形成される連通部の係脱手段は、任意な原理、構造のものでもよく、例えば、互いに対向している箇所に設けられている一対の務歯列と、これらの務歯列の延設方向にスライド自在であって、一方向へのスライド移動により一対の務歯列を噛合させ、反対方向へのスライド移動により一対の務歯列の噛合を解除するスライダーとを有するものでもよく、あるいは、互いに対向している箇所において、一方の面にはレール状の雄咬合子が延設され、他方の面にはレール状の雌咬合子が延設されており、これらの2個の咬合子同士の咬合及び咬合の解除によるものでもよく、あるいは、互いに対面している箇所において、一方の面にはフック状の雄型係合子が連設されており、他方の面にはパイル状の雌型係合子が連設されており、これらの2個の係合子同士の係合及び係合の解除によるもの、すなわち、いわゆるベルクロによるものでもよく、また、ボタンによるものでもよく、フックによるものでもよく、マグネットによるものでもよく、ボルトとナット等によるものでもよく、これらを適宜複合したものによるものでもよい。
【0011】
本発明に係る開閉装置において、開閉体に設ける係脱手段の一例として、係脱手段を開閉体の端縁部に対して離間している箇所から、開閉体の端縁部に対して離間している箇所まで延設されたものとすることができる。
【0012】
ここで、開閉体の端縁部とは、開閉体の閉じ側の端縁部でもよく、開閉体の開き側の端縁部でもよく、開閉体の幅方向の端縁部等でもよい。また、開閉体の端縁部に対して離間している箇所とは、開閉体の端縁部から任意の長さ離れた位置をいう。開閉体の端縁部に対して離間している箇所から、開閉体の端縁部に対して離間している箇所までの距離は任意であるが、この距離が開閉体に形成されている連通部の大きさに相当するので、少なくとも平均的な成人男性が開閉体を通り抜けることができる連通部が形成される程度の距離とすることがより好ましい。
【0013】
係脱手段が開閉体の端縁部に対して離間している箇所から、開閉体の端縁部に対して離間している箇所まで延設される方向は、直線を描く方向であって、開閉体の開閉方向と同一方向でもよく、開閉体の開閉方向に対して直角方向でもよく、開閉体の開閉方向に対して斜め方向でもよく、また、開閉体において半円等のような曲線を描く方向でもよく、これらを複合した方向でもよい。開閉体の開閉方向が鉛直方向である場合には、係脱手段も開閉体の開閉方向と同一方向である鉛直方向に延設することが好ましく、これにより、人は開閉体に形成されている閉塞状態の連通部を開口し、起立した姿勢の状態で連通部をまたぎ、迅速に開閉体を通り抜けることができる。開閉体を通り抜けた後は、人が開口状態の連通部を係脱手段により再び閉塞することにより、開閉体の高い密閉性が保たれ、火炎や煙、冷気や水等の通過や流通を阻止することができるようになる。また、係脱手段の延設箇所の最下方位置は、連通部が開口されたときに人がこの連通部を容易にまたげるような位置とすることがより好ましい。
【0014】
係脱手段の個数は1個でもよく、複数個でもよい。後者を採用した場合には、火災発生等の非常時等において、開閉体に複数個の連通部を形成できることになり、多数の人が同時に開閉体を通り抜けることができるのでより好ましい。
【0015】
さらに、係脱手段は、開閉体に形成された連通部の周縁部の一部だけに設けて、他の部分には設けなくてもよく、開閉体に形成された連通部の周縁部の全てに亘って設けてもよい。後者を採用した場合には、連通部の周縁全体が完全に閉塞されるので、開閉体の密閉性がより一層向上したものとなる。
【0016】
また、本発明に係る開閉装置において、開閉体に設ける係脱手段の他の例として、係脱手段を開閉体の端縁部から、開閉体の端縁部に対して離間している箇所まで延設されたものとすることができる。
【0017】
この例においても、係脱手段の個数は1個でもよく、複数個でもよい。前者を採用した場合には、係脱手段によって開口自在となった開閉体の端縁部を開口することにより、開閉体に、例えば、三角形状等の連通部を形成することができ、人は、この三角形状等の連通部を通って開閉体を通り抜けることができる。一方、後者を採用した場合には、開閉体の閉じ側と開き側のうちの一方の側から他方の側へ延びる、例えば、開閉体の閉じ側から開き側へ延びる複数個の係脱手段を開閉体の幅方向に設けたとき、係脱手段によって開口自在となった開閉体の閉じ方向の左右2箇所又はこれらの2箇所のうちのいずれか1箇所の端縁部を開口することにより、開閉体に正方形状若しくは長方形状若しくは台形状若しくは三角形状等の連通部を形成することができ、人は、この連通部を通って開閉体を通り抜けることができる。特に、左右2箇所の端縁部を同時に開口した場合には、より大きな連通部が形成されるので、より容易に、また、より多数の人が同時に開閉体を通り抜けることができるようになる。
【0018】
ここで、開閉体の幅方向とは、開閉体の開閉方向と直交する方向であって、開閉体の厚さ方向とも直交する方向をいう。
【0019】
本発明に係る係脱手段を、上下方向が開閉体であるシャッターカーテンの開閉方向で、かつ下方が閉じ方向となっている防災用シャッター装置や開口部用シャッター装置のシャッターカーテンに設ける場合には、シャッターカーテンの閉じ方向の先端の端縁部、すなわち、座板やエンド部材等の先端部材が設けられる側の端縁部から係脱手段を設けることがより好ましい。先端部材が設けられる側の端縁部から係脱手段を設けることにより、人は係脱手段により連通部を地面側や床側から上方に開口し、開閉体を通り抜けることができる最小限のスペースの連通部が形成された時点で、即座に開閉体を通り抜けることができる。したがって、人が連通部を開口するための手間は少なくて済むことになる。なお、先端部材が設けられる側の端縁部から係脱手段を設ける場合には、先端部材部分が係脱手段の邪魔になるので、先端部材は係脱手段を避けて設ける又は係脱手段は先端部材を避けて設けることがより好ましい。
【0020】
以上のように、係脱手段を開閉体の端縁部から延設することにより、係脱手段を開閉体の端縁部に対して離間している箇所から、開閉体の端縁部に対して離間している箇所まで延設する場合と比較して、開閉体に形成される連通部の形状をより大きな二次元的な広がりを持つ開口状とすることができるので、多数の人が同時に開閉体を容易に通り抜けることができるようになる。
【0021】
さらに、本発明に係る開閉装置において、開閉体に設ける係脱手段のさらに他の例として、係脱手段を開閉体の端縁部から開閉体の端縁部まで延設されたものとすることができる。
【0022】
ここで、開閉体の端縁部から開閉体の端縁部までとは、係脱手段が延設される箇所の始点が、開閉体の閉じ側の端縁部、開閉体の開き側の端縁部、開閉体の幅方向の左側の端縁部、開閉体の幅方向の右側の端縁部等の任意な端縁部であり、係脱手段が延設される箇所の終点も同様に、開閉体の閉じ側の端縁部、開閉体の開き側の端縁部、開閉体の幅方向の左側の端縁部、開閉体の幅方向の右側の端縁部等の任意な端縁部であるということである。
【0023】
これによると、係脱手段を開閉体の端縁部から開閉体の端縁部まで延設することにより、係脱手段を開閉体の端縁部に対して離間している箇所から、開閉体の端縁部まで延設する場合と同様に、開閉体に形成される連通部の形状をより大きな二次元的な広がりを持つ開口状とすることができるので、多数の人が同時に開閉体を容易に通り抜けることができるようになる。
【0024】
なお、本発明に係る開閉装置において、開閉体に設ける係脱手段の延設箇所は、前述した3つの例、すなわち、開閉体の端縁部に対して離間している箇所から、開閉体の端縁部に対して離間している箇所まで延設された例と、開閉体の端縁部から、開閉体の端縁部に対して離間している箇所まで延設された例と、開閉体の端縁部から開閉体の端縁部まで延設された例とのうちの少なくとも2つの例を複合したものでもよい。
【0025】
さらに、この解決手段において、後述する2つの例に示すような箇所に係脱手段を延設した場合には、開閉装置から開閉体の一部を自由に取り外すことが可能となる。これにより、開閉体の一部に汚れや破損等が生じた場合には、開閉装置から開閉体全てを取り外して交換する必要がなくなり、汚れや破損等が生じた開閉体の一部を開閉体から取り外して、新品又は修理品との交換が容易にできるようになる。また、これにより、大開口部用の開閉装置等に備えられる幅寸法や高さ寸法の大きな開閉体を、幅寸法や高さ寸法の小さな複数個の開閉体同士を係脱手段の係合で連結させたものとすることができるので、これらの複数個の開閉体の組み立て作業が容易にできるようになる。
【0026】
本発明に係る開閉装置において、係脱手段が開閉体の端縁部から開閉体の端縁部まで延設されたものの一例として、係脱手段は複数個あり、それぞれの係脱手段は開閉体の閉じ側の端縁部から開き側の端縁部まで互いに交差しないで延設されたものとすることができる。さらに、この例においては、前記開閉体のうち、前記複数個の係脱手段のうちの2個の係脱手段の両側は第1開閉部材であり、これらの2個の係脱手段の間は第2開閉部材であり、この第2開閉部材の閉じ側の端縁部には、この第2開閉部材の幅方向全長又は略全長に亘るエンド部材が設けられるとともに、前記第2開閉部材が前記2個の係脱手段によって前記第1開閉部材から取り外し自在となる。
【0027】
ここで、複数個の係脱手段のうちの2個の係脱手段とは、任意の2個の係脱手段でもよく、特定の2個の係脱手段でもよい。また、任意の2個の係脱手段は、互いに隣接している2個の係脱手段でもよく、他の係脱手段がその間に配設された2個の係脱手段でもよい。さらに、特定の2個の係脱手段は、互いに隣接している2個の係脱手段でもよく、他の係脱手段がその間に配設された2個の係脱手段でもよい。
【0028】
複数個の係脱手段の延設方向は、それぞれ直線的に延びるものでもよく、曲線的に延びるものでもよく、または、これらを組み合わせた方向でもよい。また、複数個の係脱手段の延設方向は、互いに平行であってもよく、互いに接近していくものでもよく、互いに離れていくものでもよい。
【0029】
エンド部材、第1開閉部材とは、開閉装置がシャッター装置である場合においては、それぞれ、座板、抜け止め部材等を含んだシャッターカーテンのカーテン本体に相当するものである。第2開閉部材とは、第1開閉部材から取り外し自在となっているものであり、複数個の係脱手段のうちの2個の係脱手段により第2開閉部材が取り外されることによって、開閉体に第2開閉部材の面積を有する連通部が開口形成される。また、開閉部材の幅方向とは、開閉部材の開閉方向と直交する方向であって、開閉部材の厚さ方向とも直交する方向をいう。
【0030】
なお、エンド部材は、第2開閉部材の閉じ側の端縁部における第2開閉部材の幅方向全長又は略全長に亘って設けられているが、さらに、エンド部材を、第1開閉部材の閉じ側の端縁部における第1開閉部材の幅方向全長又は略全長に亘って設けてもよい。
【0031】
開閉体に連通部を開口形成するためには、複数個の係脱手段のうちの2個の係脱手段により第1開閉部材から第2開閉部材を取り外すことは必ずしも必要ではなく、複数個の係脱手段のうちのいずれか1個の係脱手段の全部又は一部の係合を解除することによっても、人が開閉体を通り抜けるのに十分な面積を有する連通部を開口形成できる。このようにして形成された連通部により、人が開閉体を通り抜けることができるようになる。なお、第1開閉部材と第2開閉部材は、共に同じ材質のものから形成されていてもよく、相互に異なる材質から形成されていてもよい。
【0032】
以上において、第2開閉部材に汚れや破損等が生じた場合には、開閉体の交換が必要になるが、第2開閉部材が複数個の係脱手段のうちの2個の係脱手段によって第1開閉部材から取り外し自在になっていることにより、開閉体全てを交換することなく、汚れや破損等が生じた第2開閉部材のみを交換することができ、これにより、開閉体の交換費用の削減等が達成できる。
【0033】
本発明に係る開閉装置において、係脱手段が開閉体の端縁部から開閉体の端縁部まで延設されたものの他の例として、前記係脱手段の始点と終点はともに前記開閉体の閉じ側の端縁部にあり、前記始点に対して前記終点は前記開閉体の幅方向にずれており、前記係脱手段は開閉体の開き側への延び成分と開閉体の閉じ側への延び成分とを含んで前記始点から前記終点まで延設されたものとすることができる。さらに、この例においては、前記開閉体のうち、前記係脱手段と前記開閉体の閉じ側の端縁部とで囲まれた部分は第2開閉部材であり、前記開閉体のうち、前記第2開閉部材を除いた部分は第1開閉部材であり、前記第2開閉部材の閉じ側の端縁部には、前記第2開閉部材の幅方向全長又は略全長に亘るエンド部材が設けられるとともに、前記第2開閉部材が前記第1開閉部材から取り外し自在となる。
【0034】
ここで、前記係脱手段の始点と終点がともに前記開閉体の閉じ側の端縁部にあり、前記始点に対して前記終点は前記開閉体の幅方向にずれているとは、係脱手段の始点と終点はともに開閉体の閉じ側の端縁部にあるが、始点と終点は一致してないということである。また、前記係脱手段は開閉体の開き側への延び成分と開閉体の閉じ側への延び成分とを含んで前記始点から前記終点まで延設されたとは、要するに、係脱手段が開閉体の閉じ側の端縁部の箇所を始点として開閉体の開き側の方向へ延設された後、今度は、開閉体の閉じ側の方向へ延設され、始点とは異なる開閉体の閉じ側の端縁部の箇所を終点とすることである。したがって、係脱手段により描かれる始点から終点までの軌跡は、コ字状でもよく、く字状でもよく、半円状でもよく、凸凹状等でもよく、任意である。そして、この始点から終点までの軌跡と開閉体の閉じ側の端縁部とで囲まれる部分が第2開閉部材となり、第2開閉部材を第1開閉部材から取り外したときには、第2開閉部材の形状が連通部の形状となる。
【0035】
以上において、第2開閉部材に汚れや破損等が生じた場合には、開閉体の交換が必要になるが、第2開閉部材が係脱手段によって第1開閉部材から取り外し自在になっていることにより、開閉装置から開閉体全てを交換することなく、汚れや破損等が生じた第2開閉部材のみを交換することができ、これにより、開閉体の交換費用の削減を図ることができる。さらに、開閉体が、開閉装置における開閉の移動経路内で開放、閉鎖される状態にある場合には、開閉装置から第1開閉部材及び第2開閉部材を一旦全部取り外してから、汚れや破損等が生じた第2開閉部材を交換するという作業が不要になり、汚れや破損等が生じた第2開閉部材をその場で交換できるので、開閉体の交換作業の簡略化を図ることができる。
【0036】
なお、エンド部材は、第2開閉部材の閉じ側の端縁部における第2開閉部材の幅方向全長又は略全長に亘って設けられているが、さらに、エンド部材を、第1開閉部材の閉じ側の端縁部における第1開閉部材の幅方向全長又は略全長に亘って設けてもよい。
【0037】
また、本発明に係る開閉装置は、上述した係脱手段を第1係脱手段とすると、開閉体は、この第1係脱手段により連結、分離する開閉体本体と開閉体補助体とを有し、この開閉体補助体は、第2係脱手段により連結、分離する複数個の補助部材を有していることを特徴とするものである。
【0038】
これによると、開閉体補助体を複数個の補助部材から構成することにより、これらの複数個の補助部材のうちの任意の補助部材を開閉体補助体から分離することが可能になり、開閉体に形成される連通部の形状も、二次元的な広がりを持つ多種多様な開口状のものとなる。なお、各々の補助部材の形状は、これらの複数個の補助部材を組み合わせて連結することにより連通部を閉塞し、かつ開閉体の密閉性を高めることができればよいので、正方形、長方形、三角形、台形、円形、楕円形、半円形等、任意である。
【0039】
さらに、この開閉体補助体が、第2係脱手段により連結、分離する複数個の補助部材から構成されていることにより、汚れや破損等が生じた場合、汚れや破損等が生じた補助部材のみを交換するだけで済むので、開閉体の交換作業の簡略化や、開閉体の交換費用の削減化を図ることができる。
【0040】
ここで、開閉体補助体を形成する補助部材を連結、分離するための第2係脱手段とは、上述した第1係脱手段と同様であってもよく、異なるものであってもよく、任意であるが、開閉体の交換作業の簡略化や、開閉体の交換費用の削減化を考慮すれば、係脱作業が容易で、製造コストが安価である係脱手段を用いることがより好ましい。
【0041】
なお、以上の本発明において、連通部とは、用途的にみると、火災発生等の非常時等の避難の際に用いられる非常用の出入口が主なものとして挙げられるが、この他に、通常時において人の出入や物体の通過に用いられる出入口、犬や猫等のペット専用の出入口、あるいは人の出入や物体の通過を前提としない単なる覗き窓(シャッターカーテンの向こう側の状況を確認するためのもの、例えば、防災用シャッター装置の場合であれば、煙の発生状況や火災の進展状況等をシャッターカーテン越しに確認するためのもの)等に用いられるものでもよい。なお、本発明において出入口というときは、双方向からの出入や通過が可能なものでもよく、一方向のみの出入や通過しか行えないものでもよい。
【0042】
本発明に係る係脱手段を防災用シャッター装置や開口部用シャッター装置のシャッターカーテンに設ける場合であって、シャッターカーテンの開閉移動を巻取軸の巻き取り、繰り出しで行う場合において、係脱手段をシャッターカーテンの開閉方向と同一方向へ一直線に延設すると、係脱手段が延設される部分はシャッターカーテン本体の巻き径が大きくなってしまうので、係脱手段が延設される部分における巻取軸の直径を、係脱手段が延設されない部分におけるものより小さくすることが好ましい。また、本発明に係る開閉装置が防火や防煙等の防災目的に使用される場合には、係脱手段として使用される部材は耐火性及び耐熱性を有することがより好ましい。
【0043】
以上の本発明に係る開閉装置は、建物等の構築、構造物の内部に防災区画(エレベータやエスカレータ、階段等の昇降手段のための防災区画を含む)を形成するために設置される防災用シャッター装置や、建物等の構築、構造物の出入口等の開口部を開閉するために設置される開口部用シャッター装置、さらには、防火扉装置等に適用できる。
【0044】
また、以上の本発明に係る開閉装置は、密閉性が特に求められる箇所、例えば、保冷庫や、保冷庫を有する車両等のような箇所に設ける開閉装置にも適用できる。
【0045】
本発明に係る装置を防災用シャッター装置や開口部用シャッター装置に適用した場合には、収納部に開閉体を巻き取る巻取軸が設けられた巻き取り式のシャッター装置や、シャッターカーテンを折り畳んで収納する折り畳み収納式のシャッター装置、さらには、送り込み収納式のシャッター装置や、跳ね上げ収納式のシャッター装置等に本発明に係る装置を適用できる。
【0046】
さらに、本発明に係る装置を防災用シャッター装置や開口部用シャッター装置に適用した場合には、これらのシャッター装置は、シャッターカーテンの繰り出しがシャッターカーテンの自重で行われるタイプのものでもよく、手動ハンドル等の手動駆動手段でシャッターカーテンが繰り出されるタイプのものでもよく、モータとブレーキの組み合わせからなる開閉機等の自動駆動手段でシャッターカーテンが繰り出されるタイプのものでもよく、これらのうちの少なくとも2つを複合したタイプのもの等でもよい。
【0047】
ところで、開口部用シャッター装置等においては、シャッターカーテンが全閉状態にあるときに、人が開口部を通り抜けようとする場合には、通常、シャッターカーテンを上方に少し開放して又は全開としてから、シャッターカーテンの下を通り抜けることになる。このため、シャッターカーテンの全閉状態を維持することはできず、シャッターカーテンによる開口部の高度な密閉性は確保できない。
【0048】
しかし、前述した本発明を開口部用シャッター装置等に適用した場合には、シャッターカーテンに係脱自在な係脱手段によって開口、閉塞される連通部が形成されるので、シャッターカーテンを開放することが不要となり、シャッターカーテンを全閉することによって得られる開口部の高度な密閉性を確保したまま、係脱自在な係脱手段によってシャッターカーテンに連通部を開口形成することによって、人がシャッターカーテンを通り抜けることが可能となる。
【0049】
また、本発明に係る装置を防災用シャッター装置や開口部用シャッター装置に適用した場合には、その開閉体であるシャッターカーテンは、耐火スクリーンで形成されたものでもよく、耐火性を有しない他のスクリーンで形成されたものでもよく、スラット、パネル等のようにスクリーン以外の金属材料等の材料で形成されたものでもよく、また、これらを組み合わせて形成されたものでもよい。
【0050】
さらに、本発明に係る開閉装置において、空間を開放、閉鎖する開閉体の移動方向は上下方向でもよく、水平方向でもよく、上下方向に対して角度をなす斜めの方向でもよく、これらを複合した方向でもよい。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下に説明する本実施形態に係る開閉装置は、建物に設置される防災用シャッター装置である。はじめに、この防災用シャッター装置の全体構造を、シャッターカーテンが全閉時の全体正面図である図1によって説明する。
【0052】
この防災用シャッター装置は、室内側と室外側とを仕切る壁等の建物躯体8に形成された出入口となっている開口部9をシャッターカーテン1で開閉する。開口部9の上部には、水平の巻取軸2が左右一対のブラケット3で回転自在に支持され、この巻取軸2に上端部、すなわち巻取軸2側の端部が結合されているシャッターカーテン1の左右端部は、建物躯体8に設けられた左右のガイドレール4の内部に図示しない抜け止め部材によって抜け止めされながら、スライド自在に挿入されている。このシャッターカーテン1は、カーテン本体1Aと、このカーテン本体の下端に設けられている座板1Bとを有する。カーテン本体1Aの全部又は大部分は、ガラスクロス又はシリカクロスによる防火性と防煙性を有するスクリーン材又はこのスクリーン材に耐火塗料等を塗布及び/又は含侵させて形成され、このようにスクリーン式となっているシャッターカーテン1は、平常時には巻取軸2に巻き取られている。なお、上記巻取軸2や左右のブラケット3等は、シャッターケース7の内部に組み込まれている。
【0053】
このため、巻取軸2の正逆回転により、開口部9を開閉するための巻取軸2によるシャッターカーテン1の繰り出し、巻き取りがなされ、このシャッターカーテン1の開閉移動はガイドレール4で案内されながら行われる。
【0054】
左右一対のブラケット3のうち一方のブラケット3には、モータとブレーキの組み合わせからなる開閉機5が取り付けられ、この開閉機5は巻取軸2とチェーン、スプロケット等からなる動力伝動手段6を介して連結されている。火災発生によって図示しない手動レバーが操作されることにより、又は図示しないセンサが煙あるいは熱等を検出してこの検出信号が開閉機5の制御装置に送られることにより、開閉機5のブレーキが解除され、これによりシャッターカーテン1は座板1Bの重量を含む自重で巻取軸2を回転させながら下降する閉鎖動を行い、座板1Bが相手部材である床10に接触してシャッターカーテン1が全閉となることにより、シャッターカーテン1で室内空間11に防火区画が形成される。
【0055】
また、図示しないスイッチを操作すると、開閉機5のモータが駆動され、これにより、巻取軸2の回転でシャッターカーテン1が巻取軸2に巻き取られ、シャッターカーテン1は開放動を行う。
【0056】
なお、火災によって発生した煙がシャッターカーテン1で仕切られた反対側の空間へ流出するのを防ぐため、シャッターカーテン1の左右端部が挿入されたガイドレール4の内部と、シャッターカーテン1が出入するシャッターケース7のまぐさの部分には、それぞれ、図示しない遮煙部材が組み込まれている。
【0057】
図1及び図2は、本発明の第1実施形態であり、係脱手段を、開閉体の端縁部に対して離間している箇所からこの開閉体の端縁部に対して離間している箇所まで延設されているものとした場合の実施形態を示すものである。
【0058】
図1に示すように、本実施形態における防災用シャッター装置のシャッターカーテン1には、係脱手段20が設けられている。この係脱手段20は、互いに対向している箇所に設けられている一対の務歯列21と、これらの務歯列21の延設方向にスライド自在であって、一方向へのスライド移動により一対の務歯列21を噛合させ、反対方向へのスライド移動により一対の務歯列21の噛合を解除するスライダー22とで構成されたスライダー式ファスナー20となっている。そして、このスライダー式ファスナー20は、シャッターカーテン1の幅方向の左側の端縁部に対して離間している箇所から、シャッターカーテン1の幅方向の右側の端縁部に対して離間している箇所まで、水平方向にまっすぐ延設されている。言い換えると、このスライダー式ファスナー20は、シャッターカーテン1のうち、左側のガイドレール4から少し離れた箇所から、左側のガイドレール4と対向する右側のガイドレール4の手前の箇所まで、水平方向にまっすぐ延設されている。
【0059】
そして、スライダー22を、スライダー式ファスナー20の始点20Aから終点20Bまでスライド移動させることによって、図2に示すように、シャッターカーテン1には、連通部23が開口形成されることになる。本実施形態においては、スライダー式ファスナー20が水平方向にまっすぐ延設されているため、連通部23を通って避難する人がこの連通部23を上下に押し開いたとき、連通部23の形状は、横長の楕円形状となる。
【0060】
なお、シャッターカーテン1に延設されているスライダー式ファスナー20の垂直方向の高さ位置は、人が連通部23を容易にまたげるように低位置となっている。
【0061】
この実施形態によると、防災用シャッター装置のシャッターカーテン1で仕切られた空間同士の間を連通させる連通部23をシャッターカーテン1に開閉自在に形成しても、この連通部23が係脱自在なスライダー式ファスナー20によって開口され、このスライダー式ファスナー20の係合により連通部23は閉塞されるので、連通部23の閉塞時におけるシャッターカーテン1の密閉性がより一層向上したものとなる。
【0062】
また、スライダー式ファスナー20が、シャッターカーテン1の幅方向の左側の端縁部に対して離間している箇所から、シャッターカーテン1の幅方向の右側の端縁部に対して離間している箇所まで、水平方向にまっすぐ延設されているので、連通部23の形状はスリット状となる。したがって、人は、スリット状の連通部23を上下に押し開くことにより、シャッターカーテン1をまたいで通り抜けることができる。
【0063】
なお、この連通部23の形状はスリット状となっているので、シャッターカーテン1を通り抜けた後の連通部23の形状は、連通部23を開口したときの弾性的復帰力により瞬時又は短時間でもとのスリット状に戻ることになる。したがって、人がシャッターカーテン1を通り抜けた後に、スライダー式ファスナー20の係合により連通部23を再度閉塞するのを忘れたとしても、シャッターカーテン1の密閉性は依然として高いものとなる。
【0064】
さらに、シャッターカーテン1に延設されているスライダー式ファスナー20の垂直方向の高さ位置が、人が連通部23を容易にまたげるように低位置となっているので、このスライダー式ファスナー20によりシャッターカーテン1に連通部23が形成されたとき、人は連通部23を容易にまたいで、シャッターカーテン1を迅速に通り抜けることができる。
【0065】
図3は、本発明の第2実施形態であり、係脱手段を、開閉体の端縁部からこの開閉体の端縁部に対して離間している箇所まで延設されているものとした場合の実施形態を示すものである。
【0066】
図3に示すように、本実施形態における防災用シャッター装置のシャッターカーテン1には、係脱手段120が設けられている。この係脱手段120は、第1実施形態と同様に、互いに対向している箇所に設けられている一対の務歯列121と、これらの務歯列121の延設方向にスライド自在であって、一方向へのスライド移動により一対の務歯列121を噛合させ、反対方向へのスライド移動により一対の務歯列121の噛合を解除するスライダー122とで構成されたスライダー式ファスナー120となっている。そして、このスライダー式ファスナー120は、シャッターカーテン1の閉じ側の端縁部におけるシャッターカーテン1の幅方向(左右方向)の中央部から、シャッターカーテン1の開き側の端縁部に対して離間している箇所まで、垂直方向にまっすぐ延設されている。言い換えると、このスライダー式ファスナー120は、シャッターカーテン1の閉じ側の端縁部のうち、座板1Bが設けられていないシャッターカーテン1の幅方向の中央部から、シャッターカーテン1の閉じ側の端縁部と対向するシャッターカーテン1の開き側の端縁部から少し離れた箇所まで、垂直方向にまっすぐ延設されている。
【0067】
そして、スライダー122を、シャッターカーテン1の閉じ側の端縁部におけるシャッターカーテン1の幅方向の中央部に設けられたスライダー式ファスナー120の始点120Aから終点120Bまで又は終点120Bの途中まで、上方へスライド移動させることにより、一対の務歯列121の噛合が解除されるので、シャッターカーテン1は、一対の務歯列121のうち、噛合が解除された部分を境界として、左右2つに分割される。これにより、左右2つに分割されたシャッターカーテン1の下方部はめくり自在の状態となり、人が、スライダー式ファスナー120の始点120Aの左側の端部又は右側の端部を持ち上げて、斜め上方にめくることによって、シャッターカーテン1には、三角形の形状となっている連通部123が開口形成される。なお、人が、スライダー式ファスナー120の始点120Aの左右の端部を持ち上げて、斜め上方にめくることによって、より大きな面積の連通部123が開口形成される。
【0068】
また、本実施形態においては、スライダー式ファスナー120が、座板1Bが設けられるシャッターカーテン1の閉じ側の端縁部におけるシャッターカーテン1の幅方向の中央部から設けられているので、座板1Bがスライダー式ファスナー120の邪魔にならないように、座板1Bはスライダー式ファスナー120を避けた位置に左右分割された状態で設けられている。
【0069】
なお、図3に示すように、本実施形態においては、スライダー式ファスナー120が、シャッターカーテン1の閉じ側の端縁部におけるシャッターカーテン1の幅方向の中央部から、シャッターカーテン1の開き側の端縁部に対して離間している箇所まで、垂直方向にまっすぐ延設されているので、巻取軸2に巻き取られたときのシャッターカーテン本体1Aの巻き径が巻取軸2の中央部2Aで大きくならないように、スライダー式ファスナー120の位置と対応する巻取軸2の中央部2Aの直径は、巻取軸2の他の部分よりも小さくなっている。
【0070】
この実施形態によると、前述した第1実施形態と同様に、防災用シャッター装置のシャッターカーテン1で仕切られた空間同士の間を連通させる連通部123をシャッターカーテン1に開閉自在に形成しても、この連通部123が係脱自在なスライダー式ファスナー120によって開口され、このスライダー式ファスナー120の係合により連通部123は閉塞されるので、連通部123の閉塞時におけるシャッターカーテン1の密閉性がより一層向上したものとなる。
【0071】
また、スライダー式ファスナー120が、シャッターカーテン1の閉じ側の端縁部におけるシャッターカーテン1の幅方向の中央部から、シャッターカーテン1の開き側の端縁部に対して離間している箇所まで、垂直方向にまっすぐ延設されているので、シャッターカーテン1は下方からめくり自在となり、連通部123の形状は三角形となる。したがって、人は、シャッターカーテン1を下方から斜め上方へめくり上げることによって、三角形状の連通部123が開口形成されるので、連通部123をくぐることによって、シャッターカーテン1を通り抜けることができるようになる。
【0072】
さらに、本実施形態によれば、第1実施形態の場合のように、シャッターカーテン1を通り抜けるときに連通部123をまたぐことが不要となり、連通部123をくぐるだけで、シャッターカーテン1をより迅速に通り抜けることができるようになる。
【0073】
また、本実施形態における連通部123の面積は、第1実施形態の場合の連通部と比較して、より大きなものとなるので、多数の人が同時にシャッターカーテン1を容易に通り抜けることができるようになる。
【0074】
図4は、本発明の第3実施形態であり、係脱手段を、開閉体の端縁部からこの開閉体の端縁部に対して離間している箇所まで延設されているものとした場合の他の実施形態を示すものである。
【0075】
図4に示すように、本実施形態における防災用シャッター装置のシャッターカーテン1には、係脱手段220が設けられている。この係脱手段220は、上述した実施形態と同様に、互いに対向している箇所に設けられている一対の務歯列221と、これらの務歯列221の延設方向にスライド自在であって、一方向へのスライド移動により一対の務歯列221を噛合させ、反対方向へのスライド移動により一対の務歯列221の噛合を解除するスライダー222とで構成されたスライダー式ファスナー220となっている。そして、このスライダー式ファスナー220は、シャッターカーテン1の閉じ側の端縁部におけるシャッターカーテン1の幅方向の右端部付近から、シャッターカーテン1の開き側の端縁部とシャッターカーテン1の幅方向の左端部とに対して離間している箇所まで、斜め方向にまっすぐ延設されている。言い換えると、このスライダー式ファスナー220は、シャッターカーテン1の閉じ側の端縁部のうち、右側のガイドレール4の付近であって、座板1Bが設けられていないシャッターカーテン1の幅方向の右端部近くから、シャッターカーテン1の閉じ側の端縁部と対向するシャッターカーテン1の開き側の端縁部に対して離間し、かつ左側のガイドレール4の付近におけるシャッターカーテン1の幅方向の左端部近くまで、斜め方向にまっすぐ延設されている。
【0076】
そして、スライダー222を、スライダー式ファスナー220の始点220Aから終点220Bまで又は終点220Bの途中まで、斜め上方へスライド移動させることにより、一対の務歯列221の噛合が解除されるので、シャッターカーテン1は、一対の務歯列221のうち、噛合が解除された部分を境界として、斜め上下2つに分割される。これにより、斜め上下2つに分割されたシャッターカーテン1の斜め下方部はめくり自在の状態となり、人が、スライダー式ファスナー220の始点220Aの左側の端部を持ち上げ、斜め上方にめくることによって、シャッターカーテン1には、三角形の形状となっている連通部223が開口形成される。
【0077】
また、本実施形態においては、スライダー式ファスナー220が、座板1Bが設けられるシャッターカーテン1の閉じ側の端縁部におけるシャッターカーテン1の幅方向の右端部近くから延設されているので、座板1Bがスライダー式ファスナー220の邪魔にならないように、座板1Bはスライダー式ファスナー220を避けた位置に設けられている。
【0078】
この実施形態によると、前述した第1実施形態や第2実施形態と同様に、本発明に係る防災用シャッター装置のシャッターカーテン1で仕切られた空間同士の間を連通させる連通部223をシャッターカーテン1に開閉自在に形成しても、この連通部223が係脱自在なスライダー式ファスナー220によって開口され、このスライダー式ファスナー220の係合により連通部223は閉塞されるので、連通部223の閉塞時におけるシャッターカーテン1の密閉性がより一層向上したものとなる。
【0079】
また、スライダー式ファスナー220が、シャッターカーテン1の閉じ側の端縁部におけるシャッターカーテン1の幅方向の右端部付近から、シャッターカーテン1の開き側の端縁部とシャッターカーテン1の幅方向の左端部とに対して離間している箇所まで、斜め方向にまっすぐ延設されているので、シャッターカーテン1は下方からめくり自在となり、連通部223の形状は三角形となる。したがって、人は、シャッターカーテン1を下方から斜め上方へめくり上げることによって、三角形状の連通部223が開口形成されるので、連通部223をくぐることによって、シャッターカーテン1を通り抜けることができるようになる。
【0080】
さらに、本実施形態によれば、第1実施形態の場合のように、シャッターカーテン1を通り抜けるときに連通部223をまたぐことが不要となり、連通部223をくぐるだけで、シャッターカーテン1をより迅速に通り抜けることができるようになる。
【0081】
また、スライダー式ファスナー220が、シャッターカーテン1の閉じ側の端縁部におけるシャッターカーテン1の幅方向の右端部付近から、シャッターカーテン1の開き側の端縁部とシャッターカーテン1の幅方向の左端部とに対して離間している箇所まで、斜め方向にまっすぐ延設されているので、スライダー式ファスナー220は、巻取軸2に螺旋状に巻き取られていく。したがって、本実施形態においては、第2実施形態の場合のように、シャッターカーテン本体1Aの巻き径が巻取軸2の一部で大きくなるようなことは発生せず、巻取軸2の一部の直径を小さくする必要がなくなる。
【0082】
図5は、本発明の第4実施形態であり、係脱手段を、開閉体の端縁部からこの開閉体の端縁部に対して離間している箇所まで延設されているものとした場合のさらに他の実施形態を示すものである。
【0083】
図5に示すように、本実施形態における防災用シャッター装置のシャッターカーテン1には、2個の係脱手段320,330が設けられている。これらの係脱手段320,330は、第1実施形態と同様に、互いに対向している箇所に設けられているそれぞれ一対の務歯列321,331と、これらの務歯列321,331の延設方向にスライド自在であって、一方向へのスライド移動により一対の務歯列321,331を噛合させ、反対方向へのスライド移動により一対の務歯列321,331の噛合を解除するスライダー322,332とで構成されたスライダー式ファスナー320,330となっている。
【0084】
そして、このスライダー式ファスナー320は、シャッターカーテン1の閉じ側の端縁部におけるシャッターカーテン1の幅方向の右端部付近から、シャッターカーテン1の開き側の端縁部とシャッターカーテン1の幅方向の右端部とに対して離間している箇所まで、右側のガイドレール4に沿って垂直方向にまっすぐ延設されている。これと同様に、スライダー式ファスナー330は、シャッターカーテン1の閉じ側の端縁部におけるシャッターカーテン1の幅方向の左端部付近から、シャッターカーテン1の開き側の端縁部とシャッターカーテン1の幅方向の左端部とに対して離間している箇所まで、左側のガイドレール4に沿って垂直方向にまっすぐ延設されている。
【0085】
そして、スライダー322を、スライダー式ファスナー320の始点320Aから終点320Bまで又は終点320Bの途中まで、上方へスライド移動させることにより、一対の務歯列321の噛合が解除されるので、シャッターカーテン1は、一対の務歯列321のうち、噛合が解除された部分を境界として、右側のガイドレール4付近から分離される。これにより、分離されたシャッターカーテン1の右下方部はめくり自在の状態となり、人が、スライダー式ファスナー320の始点320Aの左側の端部を持ち上げ、左斜め上方にめくることによって、シャッターカーテン1には、三角形の形状となる連通部323が開口形成される。
【0086】
これと同様に、スライダー332を、スライダー式ファスナー330の始点330Aから終点330Bまで又は終点330Bの途中まで、上方へスライド移動させることにより、一対の務歯列331の噛合が解除されるので、シャッターカーテン1は、一対の務歯列331のうち、噛合が解除された部分を境界として、左側のガイドレール4付近から分離される。これにより、分離されたシャッターカーテン1の左下方部はめくり自在の状態となり、人が、スライダー式ファスナー330の始点330Aの右側の端部を持ち上げ、右斜め上方にめくることによって、シャッターカーテン1には、三角形の形状となる図示しない連通部が開口形成される。
【0087】
このように、スライダー322,332の一方を上方にスライド移動させることにより、それぞれ、三角形の形状の連通部323、図示しない連通部が、シャッターカーテン1の右下方部、左下方部に開口形成される。さらに、図5には示していないが、スライダー322,332の両方を上方にスライド移動させることにより、シャッターカーテン1は、左右の下方部がめくり自在となるので、より大きな面積を有する四角形の形状となる図示しない連通部が開口形成されることになる。
【0088】
また、本実施形態においては、スライダー式ファスナー320が、座板1Bが設けられるシャッターカーテン1の閉じ側の端縁部におけるシャッターカーテン1の幅方向の右端部付近から設けられているので、座板1Bがスライダー式ファスナー320の邪魔にならないように、座板1Bはスライダー式ファスナー320を避けた位置に設けられており、これと同様に、スライダー式ファスナー330が、座板1Bが設けられるシャッターカーテン1の閉じ側の端縁部におけるシャッターカーテン1の幅方向の左端部付近から設けられているので、座板1Bがスライダー式ファスナー330の邪魔にならないように、座板1Bはスライダー式ファスナー330を避けた位置に設けられている。そして、座板1Bは2個のスライダー式ファスナー320と330の間に亘って設けられている。
【0089】
なお、図5に示すように、本実施形態においては、スライダー式ファスナー320が、シャッターカーテン1の閉じ側の端縁部におけるシャッターカーテン1の幅方向の右端部付近から、シャッターカーテン1の開き側の端縁部とシャッターカーテン1の幅方向の右端部とに対して離間している箇所まで、右のガイドレール4に沿って、垂直方向にまっすぐ延設されているとともに、スライダー式ファスナー330が、シャッターカーテン1の閉じ側の端縁部におけるシャッターカーテン1の幅方向の左端部付近から、シャッターカーテン1の開き側の端縁部とシャッターカーテン1の幅方向の左端部とに対して離間している箇所まで、左のガイドレール4に沿って垂直方向にまっすぐ延設されているので、巻取軸2に巻き取られたときのシャッターカーテン本体1Aの巻き径が巻取軸2の左右の端部2Aで大きくならないように、スライダー式ファスナー320,330の位置とそれぞれ対応する巻取軸2の左右の端部2Aの直径は、巻取軸2の他の部分よりも小さくなっている。
【0090】
この実施形態によると、前述した第1実施形態と同様に、防災用シャッター装置のシャッターカーテン1で仕切られた空間同士の間を連通させる連通部323をシャッターカーテン1に開閉自在に形成しても、この連通部323が係脱自在なスライダー式ファスナー320,330によって開口され、このスライダー式ファスナー320,330の係合により連通部323は閉塞されるので、連通部323の閉塞時におけるシャッターカーテン1の密閉性がより一層向上したものとなる。
【0091】
また、スライダー式ファスナー320が、シャッターカーテン1の閉じ側の端縁部におけるシャッターカーテン1の幅方向の右端部付近から、シャッターカーテン1の開き側の端縁部とシャッターカーテン1の幅方向の右端部とに対して離間している箇所まで、右のガイドレール4に沿って、垂直方向にまっすぐ延設されているとともに、スライダー式ファスナー330が、シャッターカーテン1の閉じ側の端縁部におけるシャッターカーテン1の幅方向の左端部付近から、シャッターカーテン1の開き側の端縁部とシャッターカーテン1の幅方向の左端部とに対して離間している箇所まで、左のガイドレール4に沿って、垂直方向にまっすぐ延設されているので、シャッターカーテン1は下方からめくり自在となり、連通部323の形状は、前述したように、三角形又は四角形となる。したがって、人が、シャッターカーテン1を左右の下方から斜め上方へ、又は中央の下方から上方へ、めくり上げることによって、それぞれ、三角形状、四角形状の連通部323が開口形成されるので、人は連通部323をくぐることによって、シャッターカーテン1を通り抜けることができるようになる。
【0092】
さらに、本実施形態によれば、第1実施形態の場合のように、シャッターカーテン1を通り抜けるときに連通部323をまたぐことが不要となり、連通部323をくぐるだけで、シャッターカーテン1をより迅速に通り抜けることができるようになる。
【0093】
また、本実施形態における連通部323の面積は、第1実施形態の場合の連通部と比較して、より大きなものとなるので、多数の人が同時にシャッターカーテン1を容易に通り抜けることができるようになる。
【0094】
図6は、本発明の第5実施形態であり、この第5実施形態は、係脱手段を、開閉体の端縁部からこの開閉体の端縁部まで延設されているものとした場合の実施形態のうち、係脱手段が2個あり、それぞれの係脱手段が開閉体の閉じ側の端縁部から開き側の端縁部まで互いに交差しないで延設され、この開閉体のうち、2個の係脱手段の両側は第1開閉部材となっており、2個の係脱手段の間は第2開閉部材となっており、この第2開閉部材の閉じ側の端縁部には、この第2開閉部材の幅方向全長又は略全長に亘るエンド部材が設けられているとともに、第2開閉部材が2個の係脱手段によって第1開閉部材から取り外し自在となっている実施形態を示すものである。
【0095】
図6に示すように、本実施形態における防災用シャッター装置のシャッターカーテン1には、2個の係脱手段420,430が設けられている。これらの係脱手段420,430は、第1実施形態と同様に、互いに対向している箇所に設けられているそれぞれ一対の務歯列421,431と、これらの務歯列421,431の延設方向にスライド自在であって、一方向へのスライド移動により一対の務歯列421,431を噛合させ、反対方向へのスライド移動により一対の務歯列421,431の噛合を解除するスライダー422,432とで構成されたスライダー式ファスナー420,430となっている。
【0096】
そして、このスライダー式ファスナー420は、シャッターカーテン1の閉じ側の端縁部におけるシャッターカーテン1の幅方向の右端部付近から、シャッターカーテン1の開き側の端縁部におけるシャッターカーテン1の幅方向の右端部付近まで、右側のガイドレール4に沿って垂直方向にまっすぐ延設されている。これと同様に、スライダー式ファスナー430は、シャッターカーテン1の閉じ側の端縁部におけるシャッターカーテン1の幅方向の左端部付近から、シャッターカーテン1の開き側の端縁部におけるシャッターカーテン1の幅方向の左端部付近まで、左側のガイドレール4に沿って垂直方向にまっすぐ延設されている。
【0097】
そして、スライダー422を、スライダー式ファスナー420の始点420Aから終点420Bまで又は終点420Bの途中まで、上方へスライド移動させることにより、一対の務歯列421の噛合が解除されるので、シャッターカーテン1は、一対の務歯列421のうち、噛合が解除された部分を境界として、右側のガイドレール4付近から分離される。これにより、分離されたシャッターカーテン1の右下方部はめくり自在の状態となり、人が、スライダー式ファスナー420の始点420Aの左側の端部を持ち上げ、左斜め上方にめくることによって、シャッターカーテン1には、三角形の形状となる連通部423が開口形成される。
【0098】
これと同様に、スライダー432を、スライダー式ファスナー430の始点430Aから終点430B又は終点430Bの途中まで、上方へスライド移動させることにより、一対の務歯列431の噛合が解除されるので、シャッターカーテン1は、一対の務歯列431のうち、噛合が解除された部分を境界として、左側のガイドレール4付近から分離される。これにより、分離されたシャッターカーテン1の左下方部はめくり自在の状態となり、人が、スライダー式ファスナー430の始点430Aの右側の端部を持ち上げ、右斜め上方にめくることによって、シャッターカーテン1には、三角形の形状となる図示しない連通部が開口形成される。
【0099】
このように、スライダー422,432の一方を上方にスライド移動させることにより、それぞれ、三角形の形状の連通部423が、シャッターカーテン1の右下方部、左下方部に開口形成される。さらに、図6には示していないが、スライダー422,432の両方を上方にスライド移動させることにより、シャッターカーテン1は、左右の下方部がめくり自在となるので、より大きな面積を有する四角形の形状となる図示しない連通部が開口形成されることになる。
【0100】
また、本実施形態においては、スライダー式ファスナー420が、座板1Bが設けられるシャッターカーテン1の閉じ側の端縁部におけるシャッターカーテン1の幅方向の右端部付近から設けられているので、座板1Bがスライダー式ファスナー420の邪魔にならないように、座板1Bはスライダー式ファスナー420を避けた位置に設けられており、これと同様に、スライダー式ファスナー430が、座板1Bが設けられるシャッターカーテン1の閉じ側の端縁部におけるシャッターカーテン1の幅方向の左端部付近から設けられているので、座板1Bがスライダー式ファスナー430の邪魔にならないように、座板1Bはスライダー式ファスナー430を避けた位置に設けられている。そして、座板1Bは2個のスライダー式ファスナー420と430の間に亘って設けられている。
【0101】
なお、図6に示すように、本実施形態においては、スライダー式ファスナー420が、シャッターカーテン1の閉じ側の端縁部におけるシャッターカーテン1の幅方向の右端部付近から、シャッターカーテン1の開き側の端縁部におけるシャッターカーテン1の幅方向の右端部付近まで、右のガイドレール4に沿って垂直方向にまっすぐ延設されているとともに、スライダー式ファスナー430が、シャッターカーテン1の閉じ側の端縁部におけるシャッターカーテン1の幅方向の左端部付近から、シャッターカーテン1の開き側の端縁部におけるシャッターカーテン1の幅方向の左端部付近まで、左のガイドレール4に沿って垂直方向にまっすぐ延設されているので、巻取軸2に巻き取られたときのシャッターカーテン本体1Aの巻き径が巻取軸2の左右の端部2Aで大きくならないように、スライダー式ファスナー420,430の位置とそれぞれ対応する巻取軸2の左右の端部2Aの直径は、巻取軸2の他の部分よりも小さくなっている。
【0102】
この実施形態によると、前述した第1実施形態と同様に、防災用シャッター装置のシャッターカーテン1で仕切られた空間同士の間を連通させる連通部423をシャッターカーテン1に開閉自在に形成しても、この連通部423が係脱自在なスライダー式ファスナー420,430によって開口され、このスライダー式ファスナー420,430の係合により連通部423は閉塞されるので、連通部423の閉塞時におけるシャッターカーテン1の密閉性がより一層向上したものとなる。
【0103】
また、スライダー式ファスナー420が、シャッターカーテン1の閉じ側の端縁部におけるシャッターカーテン1の幅方向の右端部付近から、シャッターカーテン1の開き側の端縁部におけるシャッターカーテン1の幅方向の右端部付近まで、右のガイドレール4に沿って垂直方向にまっすぐ延設されているとともに、スライダー式ファスナー430が、シャッターカーテン1の閉じ側の端縁部におけるシャッターカーテン1の幅方向の左端部付近から、シャッターカーテン1の開き側の端縁部におけるシャッターカーテン1の幅方向の左端部付近まで、左のガイドレール4に沿って垂直方向にまっすぐ延設されているので、シャッターカーテン1は下方からめくり自在となり、連通部423の形状は、以上述べたように、三角形又は四角形となる。したがって、人は、シャッターカーテン1を、シャッターカーテン1の左右の下方から斜め上方へ、又はシャッターカーテン1の中央の下方から上方へ、めくり上げることによって、それぞれ、三角形状、四角形状の連通部423が開口形成されるので、人は連通部423をくぐることによって、シャッターカーテン1を通り抜けることができるようになる。
【0104】
さらに、本実施形態によれば、第1実施形態の場合のように、シャッターカーテン1を通り抜けるときに連通部423をまたぐことが不要となり、連通部423をくぐるだけで、シャッターカーテン1をより迅速に通り抜けることができるようになる。
【0105】
また、本実施形態における連通部423の面積は、第1実施形態の場合の連通部と比較して、より大きなものとなるので、多数の人が同時にシャッターカーテン1を容易に通り抜けることができるようになる。
【0106】
このように、本実施形態により形成される連通部423の形状、及びこの連通部423の閉塞時におけるシャッターカーテン1の密閉性については、前述した第4実施形態の場合と同様であるが、さらに、本実施形態には、以下に述べる特徴がある。
【0107】
図7は、図6に示した本実施形態におけるシャッターカーテン1を、巻取軸2から取り外して広げた状態を示す。
【0108】
前述したように、本実施形態におけるシャッターカーテン1には、係脱手段である2個のスライダー式ファスナー420,430が設けられている。そして、スライダー式ファスナー420は、シャッターカーテン1の閉じ側の端縁部におけるシャッターカーテン1の幅方向の右端部付近から、シャッターカーテン1の開き側の端縁部におけるシャッターカーテン1の幅方向の右端部付近まで延設されているとともに、スライダー式ファスナー430は、シャッターカーテン1の閉じ側の端縁部におけるシャッターカーテン1の幅方向の左端部付近から、シャッターカーテン1の開き側の端縁部におけるシャッターカーテン1の幅方向の左端部付近まで延設されている。なお、これらの2個のスライダー式ファスナー420,430は互いに交差しないで延設されている。
【0109】
図7に示すように、このシャッターカーテン1のうち、スライダー式ファスナー420の右側及びスライダー式ファスナー430
の左側は第1カーテン部材450となっており、2個のスライダー式ファスナー420,430の間は第2カーテン部材451となっている。さらに、この第2カーテン部材451の閉じ側の端縁部には、この第2カーテン部材451の幅方向略全長に亘る座板1Bが設けられている。
【0110】
そして、スライダー422を、スライダー式ファスナー420の始点420Aから終点420Bまで上方へスライド移動させ、同様に、スライダー432を、スライダー式ファスナー430の始点430Aから終点430Bまで上方へスライド移動させることにより、それぞれ一対の務歯列421,431の噛合が全て解除されるので、シャッターカーテン1は、それぞれ一対の務歯列421,431を境界として、左右2個の第1カーテン部材450と1個の第2カーテン部材451とに分離される。
【0111】
このように、第2カーテン部材451は、2個のスライダー式ファスナー420,430によって第1カーテン部材450から取り外し自在となっている。
【0112】
この実施形態によると、第2カーテン部材451に汚れや破損等が生じた場合には、第2カーテン部材451が2個のスライダー式ファスナー420,430によって第1カーテン部材450から取り外し自在になっているので、シャッターカーテン1の全部を交換する必要がなく、汚れや破損等が生じた第2カーテン部材451のみを、図7の下部に示す予め用意されていた交換用第2カーテン部材451´と交換するだけでよい。これにより、シャッターカーテン1の交換費用の削減が達成できる。
【0113】
図8は、本発明の第6実施形態であり、この第6実施形態は、係脱手段を、開閉体の端縁部からこの開閉体の端縁部まで延設されているものとした場合の実施形態のうち、係脱手段の始点と終点がともに開閉体の閉じ側の端縁部にあり、この始点に対して終点が開閉体の幅方向にずれており、係脱手段は開閉体の開き側への延び成分と開閉体の閉じ側への延び成分とを含んで始点から終点まで延設され、この開閉体のうち、係脱手段と開閉体の閉じ側の端縁部とで囲まれた部分は第2開閉部材となっており、開閉体のうち、第2開閉部材を除いた部分は第1開閉部材となっており、第2開閉部材の閉じ側の端縁部には、第2開閉部材の幅方向全長又は略全長に亘るエンド部材が設けられているとともに、第2開閉部材が第1開閉部材から取り外し自在となっている実施形態を示すものである。
【0114】
図8に示すように、本実施形態における防災用シャッター装置のシャッターカーテン1には、1個の係脱手段520が設けられている。この係脱手段520は、後述する第1カーテン部材550と第2カーテン部材551とが互いに対面している箇所に設けられているとともに、一方の面に多設されている図示しないフック状の雄型係合子と、他方の面に多設されている図示しないパイル状の雌型係合子とで構成されたべルクロ式ファスナー520となっている。
【0115】
そして、このベルクロ式ファスナー520は、シャッターカーテン1の閉じ側の端縁部におけるシャッターカーテン1の幅方向の右端部付近520Aから、シャッターカーテン1の開き側の端縁部とシャッターカーテン1の幅方向の右端部とに対して離間している箇所520Bまで、右側のガイドレール4に沿って垂直方向に延設されている部分520Xと、この箇所520Bから、シャッターカーテン1の開き側の端縁部とシャッターカーテン1の幅方向の左端部とに対して離間している箇所520Cまで、水平方向に延設されている部分520Yと、この箇所520Cから、シャッターカーテン1の閉じ側の端縁部におけるシャッターカーテン1の幅方向の左端部付近520Dまで、左側のガイドレール4に沿って垂直方向にまっすぐ延設されている部分520Zとからなる。
【0116】
言い換えると、このベルクロ式ファスナー520は、シャッターカーテン1の開き側への延び成分を含んで延設されている部分520Xと、シャッターカーテン1の閉じ側への延び成分を含んで延設されている部分520Zと、これらの部分520Xと520Zをつなぐ成分を含んで延設されている部分520Yとからなる。
【0117】
このシャッターカーテン1のうち、ベルクロ式ファスナー520とシャッターカーテン1の閉じ側の端縁部とで囲まれた部分は第2カーテン部材551となっており、シャッターカーテン1のうち、第2カーテン部材551を除いた部分は第1カーテン部材550となっている。また、第2カーテン部材551の閉じ側の端縁部には、第2カーテン部材551の幅方向の略全長に亘る座板1Bが設けられている。
【0118】
なお、ベルクロ式ファスナー520は、第1カーテン部材550には、図示しないパイル状の雌型係合子を多設して、第2カーテン部材551には、図示しないフック状の雄型係合子を多設して構成したものであるが、反対に、第1カーテン部材550には図示しないフック状の雄型係合子を多設して、第2カーテン部材551には図示しないパイル状の雌型係合子を多設して構成したものでよく、任意である。
【0119】
第2カーテン部材551を、ベルクロ式ファスナー520の始点である第2カーテン部材551の閉じ側の端縁部における右端部520Aから、第2カーテン部材551の開き側の端縁部における右端部520Bまで又は520Bの途中まで、左斜め上方へ引っ張ることにより、ベルクロ式ファスナー520を構成している図示しないフック状の雄型係合子とパイル状の雌型係合子との係合が解除されるので、第2カーテン部材551は、ベルクロ式ファスナー520のうち、係合が解除された部分を境界として、第1カーテン部材550から分離される。
【0120】
これにより、分離された第2カーテン部材551の右下方部はめくり自在の状態となり、人が、第2カーテン部材551の閉じ側の端縁部における右端部520Aを持ち上げ、左斜め上方にめくることによって、シャッターカーテン1には、三角形の形状となる連通部523が開口形成される。
【0121】
これと同様に、第2カーテン部材551を、ベルクロ式ファスナー520の終点である第2カーテン部材551の閉じ側の端縁部における左端部520Dから、第2カーテン部材551の開き側の端縁部における左端部520Cまで又は520Cの途中まで、右斜め上方へ引っ張ることにより、ベルクロ式ファスナー520を構成している図示しないフック状の雄型係合子とパイル状の雌型係合子との係合が解除されるので、第2カーテン部材551は、ベルクロ式ファスナー520のうち、係合が解除された部分を境界として、第1カーテン部材550から分離される。
【0122】
これにより、分離された第2カーテン部材551の左下方部はめくり自在の状態となり、人が、第2カーテン部材551の閉じ側の端縁部における左端部520Dを持ち上げ、右斜め上方にめくることによって、シャッターカーテン1には、三角形の形状となる図示しない連通部が開口形成される。
【0123】
このように、第2カーテン部材551の閉じ側の端縁部における右端部520A又は左端部520Dのどちらか一方を斜め上方へ引っ張ることにより、三角形の形状の連通部523が、シャッターカーテン1の右下方部又は左下方部に開口形成される。さらに、図8には示していないが、第2カーテン部材551の閉じ側の端縁部における右端部520A及び左端部520Dの両方を斜め上方へ引っ張ることにより、シャッターカーテン1は、左右の下方部がめくり自在となるので、より大きな面積を有する四角形の形状となる図示しない連通部が開口形成されることになる。
【0124】
また、本実施形態においては、ベルクロ式ファスナー520が、座板1Bが設けられる第2カーテン部材551の閉じ側の端縁部における左右端部から設けられているので、座板1Bがベルクロ式ファスナー520の邪魔にならないように、座板1Bはベルクロ式ファスナー520を避けた第2カーテン部材551の位置に設けられている。
【0125】
なお、図8に示すように、本実施形態においては、ベルクロ式ファスナー520が、シャッターカーテン1の閉じ側の端縁部におけるシャッターカーテン1の幅方向の右端部付近520Aから、シャッターカーテン1の開き側の端縁部とシャッターカーテン1の幅方向の右端部とに対して離間している箇所520Bまで、右側のガイドレール4に沿って垂直方向にまっすぐ延設されているとともに、シャッターカーテン1の開き側の端縁部とシャッターカーテン1の幅方向の左端部とに対して離間している箇所520Cから、シャッターカーテン1の閉じ側の端縁部におけるシャッターカーテン1の幅方向の左端部付近520Dまで、左側のガイドレール4に沿って垂直方向にまっすぐ延設されているので、巻取軸2に巻き取られたときのシャッターカーテン本体1Aの巻き径が巻取軸2の左右の端部2Aで大きくならないように、垂直方向にまっすぐ延設されているベルクロ式ファスナー520の位置とそれぞれ対応する巻取軸2の左右の端部2Aの直径は、巻取軸2の他の部分よりも小さくなっている。
【0126】
この実施形態によると、前述した第1実施形態と同様に、防災用シャッター装置のシャッターカーテン1で仕切られた空間同士の間を連通させる連通部523をシャッターカーテン1に開閉自在に形成しても、この連通部523が係脱自在なベルクロ式ファスナー520によって開口され、このベルクロ式ファスナー520の係合により連通部523は閉塞されるので、連通部523の閉塞時におけるシャッターカーテン1の密閉性がより一層向上したものとなる。
【0127】
また、ベルクロ式ファスナー520が、シャッターカーテン1の閉じ側の端縁部におけるシャッターカーテン1の幅方向の右端部付近520Aから、シャッターカーテン1の開き側の端縁部とシャッターカーテン1の幅方向の右端部とに対して離間している箇所520Bまで、右側のガイドレール4に沿って垂直方向にまっすぐ延設されているとともに、シャッターカーテン1の開き側の端縁部とシャッターカーテン1の幅方向の左端部とに対して離間している箇所520Cから、シャッターカーテン1の閉じ側の端縁部におけるシャッターカーテン1の幅方向の左端部付近520Dまで、左側のガイドレール4に沿って垂直方向にまっすぐ延設されているので、第2カーテン部材551は下方からめくり自在となり、連通部523の形状は、以上述べたように、三角形又は四角形となる。したがって、人は、第2カーテン部材551を、第2カーテン部材551の左右の下方から斜め上方へ、又は第2カーテン部材の中央の下方から上方へ、めくり上げることによって、それぞれ、三角形状、四角形状の連通部523が開口形成されるので、人は連通部523をくぐることによって、シャッターカーテン1を通り抜けることができるようになる。
【0128】
さらに、本実施形態によれば、第1実施形態の場合のように、シャッターカーテン1を通り抜けるときに連通部523をまたぐことが不要となり、連通部523をくぐるだけで、シャッターカーテン1をより迅速に通り抜けることができるようになる。
【0129】
また、本実施形態における連通部523の面積は、第1実施形態の場合の連通部と比較して、より大きなものとなるので、多数の人が同時にシャッターカーテン1を容易に通り抜けることができるようになる。
【0130】
さらに、本実施形態によれば、係脱手段が、一方の面に連設されているフック状の雄型係合子と、他方の面に連設されているパイル状の雌型係合子とで構成されたべルクロ式ファスナー520となっているので、これらフック状の雄型係合子とパイル状の雌型係合子とが互いに接触するだけで、ある程度の係合状態が保証される。したがって、人が、第2カーテン部材551をめくり上げてシャッターカーテン1を通り抜けた後に、ベルクロ式ファスナー520の係合により連通部523を確実に閉塞するのを忘れたとしても、第2カーテン部材551が自重により第1ガイド部材550と自然に接触して、再係合することにより、ある程度の係合状態が保証されるので、シャッターカーテン1の密閉性は依然として高いものとなる。
【0131】
このように、本実施形態により形成される連通部523の形状、及びこの連通部523の閉塞時におけるシャッターカーテン1の密閉性については、前述した第5実施形態の場合と同様であるが、さらに、本実施形態には、以下に述べる特徴がある。
【0132】
図9は、図8に示した本実施形態におけるシャッターカーテン1を、巻取軸2から取り外して広げた状態を示す。
【0133】
前述したように、本実施形態におけるシャッターカーテン1には、係脱手段である1個のべルクロ式ファスナー520が設けられている。そして、このベルクロ式ファスナー520は、前述したように、部分520Xと、部分520Yと、部分520Zとからなる。
【0134】
このシャッターカーテン1のうち、ベルクロ式ファスナー520とシャッターカーテン1の閉じ側の端縁部とで囲まれた部分は第2カーテン部材551となっており、シャッターカーテン1のうち、第2カーテン部材551を除いた部分は第1カーテン部材550となっている。また、第2カーテン部材551の閉じ側の端縁部には、第2カーテン部材551の幅方向の略全長に亘る座板1Bが設けられている。
【0135】
そして、第2カーテン部材551のうち、ベルクロ式ファスナー520が延設されている外縁部を手前に引っ張ることによって、第2カーテン部材551は、第1カーテン部材550から分離される。
【0136】
このように、第2カーテン部材551が第1カーテン部材550から取り外し自在となっている。
【0137】
この実施形態によると、第2カーテン部材551に汚れや破損等が生じた場合には、第2カーテン部材551が1個のベルクロ式ファスナー520によって第1カーテン部材550から取り外し自在になっているので、シャッターカーテン1の全部を交換する必要がなく、汚れや破損等が生じた第2カーテン部材551のみを、図9の下部に示す予め用意されていた交換用第2カーテン部材551´と交換するだけでよい。これにより、シャッターカーテン1の交換費用の削減が達成できる。
【0138】
さらに、この実施形態によると、前述した第5実施形態と比較して、以下に述べる効果が得られる。
【0139】
第5実施形態の場合においては、係脱手段である2個のスライダー式ファスナー420,430が、シャッターカーテン1の閉じ側の端縁部からシャッターカーテン1の開き側の端縁部まで、それぞれ延設されているので、第2カーテン部材451を第1カーテン部材450から取り外すためには、まず、シャッターカーテン1の幅方向の左右端縁部を、シャッター装置の左右のガードレール4から一旦取り外す必要がある。その後、2個のスライダー式ファスナー420,430をスライド移動させることにより、それぞれの一対の務歯列421,431の噛合が解除され、第2カーテン部材451を第1カーテン部材450から取り外す作業を行うことになる。
【0140】
しかし、この第6実施形態によると、ベルクロ式ファスナー520の始点520Aと終点520Dがともにシャッターカーテン1の閉じ側の端縁部にあり、この始点520Aに対して終点520Dがシャッターカーテン1の幅方向にずれており、ベルクロ式ファスナー520はシャッターカーテン1の開き側への延び成分とシャッターカーテン1の閉じ側への延び成分とを含んで始点520Aから終点520Dまで延設されている。
【0141】
したがって、シャッターカーテン1の幅方向の左右端縁部を、シャッター装置の左右のガードレール4から一旦取り外す必要はなく、その場で、第2カーテン部材551を第1カーテン部材550から取り外すことができる。言い換えると、シャッターカーテン1の左右両端をガイドレール4に挿入させたまま、第2カーテン部材551を第1カーテン部材550から取り外すことができる。これにより、汚れや破損等が生じた第2カーテン部材551のみを、図9の下部に示す予め用意されていた交換用第2カーテン部材551´と簡単に交換することができ、シャッターカーテン1の交換作業の簡略化を図ることができる。
【0142】
図10は、本発明の第7実施形態であり、この第7実施形態は、係脱手段を、開閉体の端縁部からこの開閉体の端縁部まで延設されているものとした場合の実施形態のうち、この係脱手段が第1係脱手段であり、この開閉体は、この第1係脱手段により連結、分離する開閉体本体と開閉体補助体とを有し、この開閉体補助体は、第2係脱手段により連結、分離する複数個の補助部材を有している実施形態を示すものである。
【0143】
図10に示すように、本実施形態における防災用シャッター装置のシャッターカーテン1は、カーテン本体650と、カーテン補助体651とから構成されており、さらに、カーテン補助体651は、カーテン補助部材651Aと、カーテン補助部材651Bとから構成されている。
【0144】
カーテン本体650には、係脱手段620が、カーテン本体650の閉じ側の端縁部におけるカーテン本体650の幅方向全長に亘って延設されている。
【0145】
カーテン補助部材651Aには、係脱手段620が、カーテン補助部材651Aの開き側の端縁部におけるカーテン補助部材651Aの幅方向全長に亘って延設されているとともに、係脱手段621が、カーテン補助部材651Aの閉じ側の端縁部におけるカーテン補助部材651Aの幅方向の左端部621Aから、カーテン補助部材651Aの開き側の端縁部におけるカーテン補助部材651Aの幅方向の左端部621Bまで、垂直方向にまっすぐ延設されている。
【0146】
これと同様に、カーテン補助部材651Bには、係脱手段620が、カーテン補助部材651Bの開き側の端縁部におけるカーテン補助部材651Bの幅方向全長に亘って延設されているとともに、係脱手段621が、カーテン補助部材651Bの閉じ側の端縁部におけるカーテン補助部材651Bの幅方向の右端部621Aから、カーテン補助部材651Bの開き側の端縁部におけるカーテン補助部材651Aの幅方向の右端部621Bまで、垂直方向にまっすぐ延設されている。
【0147】
図10に示すように、第1係脱手段である係脱手段620は、互いに対面するカーテン本体650とカーテン補助部材651A及び651Bとの箇所のうち一方に設けられた図示しないパイル状の雌型係合子と、他方に設けられた図示しないとフック状の雄型係合子とで構成されたべルクロ式ファスナー620となっている。
【0148】
これと同様に、第2係脱手段である係脱手段621は、互いに対面するカーテン補助部材651Aとカーテン補助部材651Bとの箇所のうち一方に設けられた図示しないパイル状の雌型係合子と、他方に設けられた図示しないとフック状の雄型係合子とで構成されたべルクロ式ファスナー621となっている。
【0149】
ここで、本実施形態においては、係脱手段620と係脱手段621は、どちらもベルクロ式ファスナーであるが、係脱手段620と係脱手段621とは互いに異なる構造のものであってもよい。
【0150】
カーテン補助部材651Aの閉じ側の端縁部には、カーテン補助部材651Aの幅方向の略全長に亘る座板1Bが設けられているとともに、カーテン補助部材651Bの閉じ側の端縁部には、カーテン補助部材651Bの幅方向の略全長に亘る座板1Bが設けられている。
【0151】
カーテン補助部材651Bを、ベルクロ式ファスナー621の始点であるカーテン補助部材651Bの閉じ側の端縁部における右端部621Aから、カーテン補助部材651Bの開き側の端縁部における右端部621Bまで又は621Bの途中まで、左斜め上方へ引っ張ることにより、ベルクロ式ファスナー621を構成している図示しないフック状の雄型係合子とパイル状の雌型係合子との係合が解除されるので、カーテン補助部材651Bは、ベルクロ式ファスナー621のうち、係合が解除された部分を境界として、シャッターカーテン1から分離される。
【0152】
これにより、分離されたカーテン補助部材651Bの右下方部はめくり自在の状態となり、人が、カーテン補助部材651Bの閉じ側の端縁部における右端部621Aを持ち上げ、左斜め上方にめくることによって、シャッターカーテン1の中央下部の左側付近には、三角形の形状となる連通部623が開口形成される。
【0153】
カーテン補助部材651Bをめくった後、カーテン補助部材651Aを、ベルクロ式ファスナー621の始点であるカーテン補助部材651Aの閉じ側の端縁部における左端部621Aから、カーテン補助部材651Aの開き側の端縁部における左端部621Bまで又は621Bの途中まで、右斜め上方へ引っ張ることにより、カーテン補助部材651Aの左下方部はめくることができ、人が、カーテン補助部材651Aの閉じ側の端縁部における左端部621Aを持ち上げ、右斜め上方にめくることによって、シャッターカーテン1の中央下部の右側付近には、三角形の形状となる連通部623が開口形成される。
【0154】
なお、図10に示すように、本実施形態によると、カーテン補助部材651Aとカーテン補助部材651Bとは、カーテン補助部材651Aの手前にカーテン補助部材651Bが覆い被さる形で、ベルクロ式ファスナー621により係脱されているので、カーテン補助部材651Aをめくり上げるには、最初にカーテン補助部材651Bをめくり上げて、ベルクロ式ファスナー621による係脱を解除することになる。
【0155】
このように、カーテン補助部材651Bの閉じ側の端縁部における右端部621Aを左斜め上方へ引っ張ることにより、三角形の形状の連通部623が、シャッターカーテン1の中央下部の左側に開口形成される。つづいて、カーテン補助部材651Aの閉じ側の端縁部における左端部621Aを右斜め上方へ引っ張ることにより、シャッターカーテン1の中央下部付近には、より大きな面積を有する三角形の形状となる連通部623が開口形成されることになる。
【0156】
なお、図10に示すように、本実施形態においては、ベルクロ式ファスナー621が、シャッターカーテン1の閉じ側の端縁部におけるシャッターカーテン1の幅方向の中央部621Aから、カーテン本体650の開き側の端縁部におけるカーテン本体650の幅方向の中央部621Bまで、垂直方向にまっすぐ延設されているので、巻取軸2に巻き取られたときのシャッターカーテン本体1Aの巻き径が巻取軸2の中央部2Aで大きくならないように、ベルクロ式ファスナー621の位置と対応する巻取軸2の中央部2Aの直径は、巻取軸2の他の部分よりも小さくなっている。
【0157】
この実施形態によると、前述した第1実施形態と同様に、防災用シャッター装置のシャッターカーテン1で仕切られた空間同士の間を連通させる連通部623をシャッターカーテン1に開閉自在に形成しても、この連通部623が、第2係脱手段である係脱自在なベルクロ式ファスナー621によって開口され、このベルクロ式ファスナー621の係合により連通部623は閉塞されるので、連通部623の閉塞時におけるシャッターカーテン1の密閉性がより一層向上したものとなる。
【0158】
また、ベルクロ式ファスナー621が、左右に配設されている2枚のカーテン補助部材651Aと651Bの重なり部分に設けられているので、カーテン補助部材651A,651Bは、それぞれ下方からめくり自在となり、連通部623の形状は、以上述べたように、三角形となる。したがって、人は、カーテン補助部材651A,651Bを、それぞれ斜め上方へめくり上げることによって、三角形状の連通部623が開口形成されるので、人は連通部623をくぐることによって、シャッターカーテン1を通り抜けることができるようになる。
【0159】
さらに、本実施形態によれば、第1実施形態の場合のように、シャッターカーテン1を通り抜けるときに連通部623をまたぐことが不要となり、連通部623をくぐるだけで、シャッターカーテン1をより迅速に通り抜けることができるようになる。
【0160】
また、本実施形態における連通部623の面積は、第1実施形態の場合の連通部と比較して、より大きなものとなるので、多数の人が同時にシャッターカーテン1を容易に通り抜けることができるようになる。
【0161】
さらに、本実施形態によれば、第2係脱手段が、一方の面に多設されているフック状の雄型係合子と、他方の面に多設されているパイル状の雌型係合子とで構成されたべルクロ式ファスナー621となっているので、これらフック状の雄型係合子とパイル状の雌型係合子とが互いに接触するだけで、ある程度の係合状態が保証される。したがって、人が、カーテン補助部材651A,651Bをそれぞれめくり上げてシャッターカーテン1を通り抜けた後に、ベルクロ式ファスナー621の係合により連通部623を確実に閉塞するのを忘れたとしても、カーテン補助部材651Bが自重によりカーテン補助部材651Aと自然に接触して、再係合することにより、ある程度の係合状態が保証されるので、シャッターカーテン1の密閉性は依然として高いものとなる。
【0162】
このように、本実施形態により形成される連通部623の形状、及びこの連通部623の閉塞時におけるシャッターカーテン1の密閉性については、前述した第5実施形態の場合と同様であるが、さらに、本実施形態には、以下に述べる特徴がある。
【0163】
図11は、図10に示した本実施形態におけるシャッターカーテン1を、巻取軸2から取り外して広げた状態を示す。
【0164】
前述したように、カーテン補助部材651Bを、ベルクロ式ファスナー621の始点であるカーテン補助部材651Bの閉じ側の端縁部における右端部621Aから、カーテン補助部材651Bの開き側の端縁部における右端部621Bまで、手前に引っ張ることにより、ベルクロ式ファスナー621を構成している図示しないフック状の雄型係合子とパイル状の雌型係合子との係合が解除される。さらに、第1係脱手段であるベルクロ式ファスナー620の始点であるカーテン補助部材651Bの開き側の端縁部における左端部620Aから、カーテン補助部材651Bの開き側の端縁部における右端部620Bまで、手前に引っ張ることにより、ベルクロ式ファスナー620を構成している図示しないフック状の雄型係合子とパイル状の雌型係合子との係合が解除される。これにより、カーテン補助部材651Bは、カーテン補助部材651A及びカーテン本体650から分離される。一方、カーテン補助部材651Aは、カーテン本体650のみと係脱する状態となる。
【0165】
続いて、カーテン補助部材651Aを、第1係脱手段であるベルクロ式ファスナー620の中点であるカーテン補助部材651Aの開き側の端縁部における左端部621Bから、カーテン補助部材651Aの開き側の端縁部における右端部620Bまで、手前に引っ張ることにより、ベルクロ式ファスナー620を構成している図示しないフック状の雄型係合子とパイル状の雌型係合子との係合が解除される。これにより、カーテン補助部材651Aは、カーテン本体650から分離される。
【0166】
このように、シャッターカーテン1は、カーテン本体650と、カーテン補助部材651Aと、カーテン補助部材651Bとの3つに分離される。
【0167】
この実施形態によると、カーテン補助部材651Bのみに汚れや破損等が生じた場合には、このカーテン補助部材651Bがベルクロ式ファスナー620,621によって、それぞれカーテン本体650,カーテン補助部材651Aから取り外し自在になっているので、シャッターカーテン1の全部を交換する必要がなく、汚れや破損等が生じたカーテン補助部材651Bのみを、図11の下部に示す予め用意されていた交換用カーテン補助部材651B´と交換するだけでよい。これにより、シャッターカーテン1の交換費用の削減が達成できる。
【0168】
これと同様に、カーテン補助部材651Aのみに汚れや破損等が生じた場合には、このカーテン補助部材651Aがベルクロ式ファスナー620,621によって、それぞれカーテン本体650,カーテン補助部材651Bから取り外し自在になっているので、シャッターカーテン1の全部を交換する必要がなく、汚れや破損等が生じたカーテン補助部材651Aのみを、図11の下部に示す予め用意されていた交換用カーテン補助部材651A´と交換するだけでよい。これにより、シャッターカーテン1の交換費用の削減が達成できる。
【0169】
なお、以上の第2実施形態から第7実施形態において、開閉装置が大開口部用シャッター装置である場合には、シャッターカーテン本体1Aの自重のために、シャッターカーテン1をめくることが困難となる場合がある。このような場合には、シャッターカーテン1を前方に押し出すことによっても、連通部が開口形成されるので、これによりシャッターカーテン1を通り抜けることができるようになる。
【0170】
【発明の効果】
本発明によると、開閉体で仕切られた空間同士を連通させる連通部を開閉体に開閉自在に形成しても、連通部の閉塞時における開閉体の密閉性がより一層向上したものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る係脱手段を備えた防災用シャッター装置の全体を示す正面図である。
【図2】図1において、第1実施形態に係る係脱手段によってシャッターカーテンに連通部が開口形成された状態を示す図である。
【図3】第2実施形態に係る係脱手段を備えた防災用シャッター装置の全体を示す正面図で、シャッターカーテンに連通部が開口形成された状態を2点鎖線で示した図である。
【図4】第3実施形態に係る係脱手段を備えた防災用シャッター装置の全体を示す正面図で、シャッターカーテンに連通部が開口形成された状態を2点鎖線で示した図である。
【図5】第4実施形態に係る係脱手段を備えた防災用シャッター装置の全体を示す正面図で、シャッターカーテンに連通部が開口形成された状態を2点鎖線で示した図である。
【図6】第5実施形態に係る係脱手段を備えた防災用シャッター装置の全体を示す正面図で、シャッターカーテンに連通部が開口形成された状態を2点鎖線で示した図である。
【図7】図6の第5実施形態において、巻取軸から取り外したシャッターカーテンの一部を交換用第2カーテン部材と交換できることを示した図である。
【図8】第6実施形態に係る係脱手段を備えた防災用シャッター装置の全体を示す正面図で、シャッターカーテンに連通部が開口形成された状態を2点鎖線で示した図である。
【図9】図8の第6実施形態において、巻取軸から取り外したシャッターカーテンの一部を交換用第2カーテン部材と交換できることを示した図である。
【図10】第7実施形態に係る係脱手段を備えた防災用シャッター装置の全体を示す正面図で、シャッターカーテンに連通部が開口形成された状態を2点鎖線で示した図である。
【図11】図10の第7実施形態において、巻取軸から取り外したシャッターカーテンの一部を交換用カーテン補助部材と交換できることを示した図である。
【符号の説明】
1 シャッターカーテン
1A シャッターカーテン本体
1B エンド部材である座板
2 巻取軸
21,121,221,321,331,421,431 係脱手段であるスライダー式ファスナー
23,123,223,323,423,523 連通部
520 係脱手段であるベルクロ式ファスナー
620 第1係脱手段であるベルクロ式ファスナー
621 第2係脱手段であるベルクロ式ファスナー
450,550 第1開閉部材である第1カーテン部材
451,551 第2開閉部材である第2カーテン部材
650 開閉体本体であるシャッターカーテン本体
651 開閉体補助体であるカーテン補助体
651A,651B 開閉体補助部材であるカーテン補助部材

Claims (1)

  1. 空間を開放、閉鎖する開閉体と、この開閉体に開閉自在に形成されているとともに、前記開閉体で仕切られた空間同士の間を連通させる連通部とを有する開閉装置において、
    前記連通部は、係脱自在な係脱手段によって開閉されるとともに、この係脱手段は、前記開閉体の端縁部から、この開閉体の端縁部まで延設されており、
    前記係脱手段の始点と終点はともに前記開閉体の閉じ側の端縁部にあり、前記始点に対して前記終点は前記開閉体の幅方向にずれており、前記係脱手段は開閉体の開き側への延び成分と開閉体の閉じ側への延び成分とを含んで前記始点から前記終点まで延設されており、前記開閉体のうち、前記係脱手段と前記開閉体の閉じ側の端縁部とで囲まれた部分は第2開閉部材であり、前記開閉体のうち、前記第2開閉部材を除いた部分は第1開閉部材であり、前記第2開閉部材の閉じ側の端縁部には、前記第2開閉部材の幅方向全長又は略全長に亘るエンド部材が設けられているとともに、前記第2開閉部材が前記第1開閉部材から取り外し自在であることを特徴とする開閉装置。
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