JP4176293B2 - 燃料電池の流体供給装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、燃料電池の燃料等供給系に使用される流体供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、固体高分子膜型燃料電池は、固体高分子電解質膜をアノードとカソードとで両側から挟み込んで形成されたセルに対し、複数のセルを積層して構成されたスタック(以下において燃料電池と呼ぶ)を備えており、アノードに燃料として水素が供給され、カソードに酸化剤として空気が供給されて、アノードで触媒反応により発生した水素イオンが、固体高分子電解質膜を通過してカソードまで移動して、カソードで酸素と電気化学反応を起こして発電するようになっている。
【0003】
ここで、固体分子電解質膜のイオン導電性を保つために、燃料電池に供給される水素には加湿装置等によって過剰の水が混合されている。このため、燃料電池の電極内のガス流路に水が溜まって、このガス流路が塞がれることがないように、排出燃料には所定の排出流量が設定されている。
【0004】
この際、排出燃料(以下、水素復流ということもある)を、新たに燃料電池に導入される燃料(すなわち水素)に混合して再循環させることで、燃料を有効に活用することができ、固体高分子膜型燃料電池のエネルギー効率を向上させることができる。
従来、上述したような燃料電池装置として、例えば特開平9−213353号公報に開示された燃料電池装置のように、エゼクタによって燃料を再循環させる燃料電池装置が知られている。
【0005】
ここで、エゼクタについて説明すると、従来の一般的なエゼクタは、図9に示すように、ラッパ状をなすディフューザ1の基端開口に復流室2を連設し、この復流室2に復流通路3を連通し、ディフューザ1と軸線を同一にして配置したノズル4を復流室2内に突き出してその先端をディフューザ1の基端開口に臨ませて構成されている。このエゼクタでは、燃料電池に新たに導入される水素をノズル4からディフューザ1に向けて噴射すると、ディフューザ1のスロート部5に負圧が発生し、この負圧により復流室2に導入された水素復流がディフューザ1内に吸引され、ノズル4から噴射された水素と水素復流とが混合されてディフューザ1の出口から送出される。図10は、この従来のエゼクタにおける圧力分布の概略を示している。
【0006】
このエゼクタの吸引効率を示す指標にストイキがある。ここで、ストイキとは、前記例で言えば、ノズルから噴出される水素流量(すなわち、水素消費流量)Qaに対するディフューザから流出する水素流量(すなわち、燃料電池に供給される水素供給全流量)Qtの比(Qt/Qa)として定義される。また、復流室からディフューザに吸引される水素復流流量をQbとすると、Qt=Qa+Qbであるから、ストイキは(Qa+Qb)/Qaと定義される。このようにストイキを定義すると、ストイキ値が大きいほど吸引効率が大きいということができる。
【0007】
ところで、従来のエゼクタでは、一つのエゼクタにおいてディフューザ径およびノズル径が固定されているため、使用流体の流量範囲内で各々最適な径を選定し使用するのが一般的である。この場合、エゼクタのストイキ値が最大になる流体流量(前記例で言えば水素消費流量Qa)は一定の値に決定される。
図11は、燃料電池の燃料供給用エゼクタにおいて、ストイキ値と水素消費流量Qaとの関係をノズル径をパラメータとして求めた実験結果の一例を示しており、ノズル径が小さくなるとストイキ値は上昇するが、水素消費流量Qaが少なくなり、一方、ノズル径が大きくなると水素消費流量Qaは大きくなるがストイキ値は小さくなる。
【0008】
ここで、燃料電池の場合には、図11において太い実線で示すように、燃料電池の運転状態によって要求されるストイキ値(以下、要求ストイキ値という)が決まっている上、燃料電池自動車の場合には、アイドリングから全開出力まで水素流量が10〜20倍も変化するため、一つのエゼクタで水素流量の全域に亘って要求ストイキ値を満足させることは困難であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
この問題を回避するために、小径ノズルと小径ディフューザを組み合わせた小流量用のエゼクタと、大径ノズルと大径ディフューザを組み合わせた大流量用のエゼクタを切り替えて使用する、バイパス通路付きの2連切り替えエゼクタシステムが本出願人により提案されている(特願2000−85291号)。
この方式では、小流量から大流量まで比較的に広い範囲に亘って満足できるストイキ性能を確保することができるが、2本のエゼクタと流路切替手段が必要になる上、更なるストイキ性能向上のためには3本、4本とエゼクタの数を増やし、この多数のエゼクタを切り替えることが必要になり、装置の大型化、重量増を招き、不利であった。
【0010】
また、燃料電池における燃料供給用エゼクタではないが、特開平8−338398号公報や特開平9−236013号公報において可変流量エゼクタが提案されている。
特開平8−338398号公報に開示された可変流量エゼクタは、ノズル内部に軸線方向に移動可能なロッドが内蔵されていて、このロッドを軸線方向に移動させることによりノズル先端の開口面積を変更できるようにしたものである。この可変流量エゼクタでは、ノズル先端の開口面積を変えることによりストイキ値を変えることはできる一方で、ディフューザ径が固定であるため、ストイキ値と流量の対応関係が規制されている。この場合、燃料電池において要求される対応関係(図11において太い実線で示す対応関係)をより詳細に設定し、ストイキ値の最適化を進めることが望まれる。
【0011】
一方、特開平9−236013号公報に開示された可変流量エゼクタは、ノズルをディフューザに対して軸線方向に移動可能にしたり、径の異なるノズルを複数用意しノズルを交換可能にしたものである。この可変流量エゼクタでは、ノズルを交換しなければノズル径を変更することができないため、ストイキ値が連続的且つ短時間に変化する燃料電池自動車に搭載するエゼクタとしては適さない。そこで、この発明は、広範囲の流量域において所望のストイキ性能を設定することができる燃料電池の流体供給装置を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載した発明に係る燃料電池(例えば、後述する実施の形態における燃料電池11)の流体供給装置(例えば、実施の形態におけるエゼクタ30)は、先端部(例えば、実施の形態におけるストレート部50)および該先端部から伸長したテーパ部(例えば、実施の形態における第1テーパ部51,第2テーパ部52)を有するニードル(例えば、実施の形態における33)と、先端に開口部(例えば、実施の形態における開口部44)を有し該開口部に前記ニードルの先端部が軸線を同一にして挿入され内部に第1流体(例えば、実施の形態における水素)を供給されて前記開口部から噴射するノズル(例えば、実施の形態におけるノズル32)と、前記ニードルおよび前記ノズルと軸線を同一にして設けられ前記第1流体の噴射により発生する負圧によって第2流体(例えば、実施の形態における水素復流)を吸引し前記第1流体に合流させて送出するディフューザ(例えば、実施の形態におけるディフューザ31)と、前記ニードルを前記軸線方向に移動させて位置変更可能にするニードル位置調整手段(例えば、実施の形態における駆動部34)とを備え、前記第1流体は前記ニードルと前記ノズルの開口部との間隙により形成される第1流体通路(例えば、実施の形態における第1流体通路53)を通り第2流体と合流したのち前記テーパ部と前記ディフューザとの間隙により形成される第2流体通路(例えば、実施の形態における第2流体通路54)を通じて送出され、前記ニードルは、流量に応じて設定されたストイキ値を満たす前記第1流体通路および前記第2流体通路を形成する所定の形状を備えることを特徴とする。ここで、ストイキ値とは、第1流体の流量に対する第1流体および第2流体の流量の和(すなわち、全流量)の比をいう。
【0013】
このように構成することで、ニードル位置調整手段によりニードルを軸線方向に移動すると、第1流体通路の開口面積と第2流体通路の開口面積の両方が同時に連続的に変化する。その結果、ニードルを軸線方向に移動するだけで、第1流体と第2流体の流量比を連続的に変化させることができる。
【0014】
しかも、第1流体と第2流体の流量比を所望する流量比に連続的に変化させることができ、したがって、ニードルの位置変更により所望するストイキ値を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る燃料電池の流体供給装置の実施の形態を図1から図8の図面を参照して説明する。図1は本発明に係る流体供給装置を備えた燃料電池の燃料供給系のシステム構成図である。
この燃料電池の燃料供給系システムは、例えば電気自動車等の車両に搭載されており、燃料電池11と、加湿部13と、酸化剤供給部14と、熱交換部15と、水分離部16と、エゼクタ(流体供給装置)30と、燃料供給側圧力制御部18とを備えて構成されている。
【0016】
燃料電池11は、例えば固体ポリマーイオン交換膜等からなる固体高分子電解質膜をアノードとカソードとで両側から挟み込んで形成されたセルに対し、複数のセルを積層して構成されたスタックからなり、燃料として例えば水素が供給される燃料極と、酸化剤として例えば酸素を含む空気が供給される空気極とを備えている。
【0017】
空気極には、酸化剤供給部14から空気が供給される空気供給口20aと、空気極内の空気等を外部に排出するための空気排出弁21が設けられた空気排出口20bが設けられている。一方、燃料極には、水素が供給される燃料供給口20cと、燃料極内の水素等を外部に排出するための燃料排出口20dが設けられている。
【0018】
酸化剤供給部14は、例えばエアーコンプレッサーからなり、燃料電池11の負荷やアクセルペダル(図示略)からの入力信号等に応じて制御されており、熱交換部15を介して、燃料電池11の空気極に空気を供給するとともに、燃料供給側圧力制御部18に空気を供給している。
熱交換部15は、酸化剤供給部14からの空気を所定の温度に加温して、燃料電池11へと供給している。
【0019】
燃料としての水素は、燃料供給側圧力制御部18、エゼクタ30,加湿部13を介して燃料供給口20cから燃料電池11の燃料極に供給される。
加湿部13は、供給される水素に水蒸気を混合して水素を加湿してから燃料電池11へと供給し、固体分子電解質膜のイオン導電性を確保している。
エゼクタ30は燃料供給側圧力制御部18と加湿部13とを接続する流路に設けられている。エゼクタ30の構成については後で詳述するが、図1および図2に示すように、燃料供給側圧力制御部18はエゼクタ30のノズル32に接続され、加湿部13はエゼクタ30の水素出口37に接続されている。そして、エゼクタ30の水素復流入口36に、燃料電池11の燃料排出口20dから排出された排出燃料が、水分離部16で水分を除去され、逆止弁23を通じて供給される。エゼクタ30は、燃料供給側圧力制御部18から供給された燃料と燃料電池11から排出された排出燃料を混合して燃料電池11に供給するものである。
【0020】
燃料供給側圧力制御部18は、例えば空気式の比例圧力制御弁からなり、酸化剤供給部14から供給される空気の圧力を信号圧として、燃料供給側圧力制御部18を通過した燃料が燃料供給側圧力制御部18の出口で有する圧力、つまり供給圧を所定値に設定している。
【0021】
次に、エゼクタ30について図2を参照して説明する。エゼクタ30は、ディフューザ31と、ノズル32と、ニードル33と、駆動部34とを主要構成としている。
ディフューザ31の内部には略コ字状に屈曲する流体通路35が設けられており、この流体通路35の一端は水素復流入口36としてディフューザ31の外面で開口し、他端は水素出口37としてディフューザ31の外面で開口している。水素復流入口36に連なる第1通路38と水素出口37に連なる第2通路39は互いに平行に配置されており、両通路38,39はこれらと直交する第3通路40によって接続されている。
【0022】
第3通路40は、その途中に内径が最小となるスロート部41を有し、このスロート部41よりも上流側には下流に進むにしたがって漸次連続的に縮径する絞り部42が設けられ、スロート部41よりも下流側には下流に進むにしたがって漸次連続的に拡径する拡径部43が設けられている。なお、拡径部43の広がり角度は上流側の絞り部42の広がり角度よりも小さい。
【0023】
ノズル32は両端を開口させた筒状をなし、ディフューザ31の第3通路40と軸線を同一にして配置されて、ディフューザ31に貫通固定されており、ノズル32の先端側の開口部44を第3通路40におけるスロート部41よりも所定寸法だけ上流側に位置させている。
【0024】
ニードル33は、その軸線をディフューザ31の第3通路40およびノズル32と軸線を同一にして配置されており、駆動部34によって軸線方向へ移動可能に支持されている。駆動部34はリニア駆動型ステップモータからなり、ディフューザ31において第2通路39に近い側の外端面に固定されており、駆動部34の可動シャフト45がディフューザ31の前記外端面に固定された取付フランジ46のシャフト軸受部47を遊挿し、先端を第3通路40内に突き出している。この可動シャフト45の先端にニードル33の基端が固定されている。なお、ディフューザ31と取付フランジ46との間はシール材48によってシールされ、取付フランジ46のシャフト軸受部47は駆動部34に内蔵されたダイヤフラム49によって閉塞されシールされている。
【0025】
ニードル33は、先端部分がストレート部50になっていて、ストレート部50の基端側に第1テーパ部51が連設され、第1テーパ部51の基端側に第2テーパ部52が連設されている。ストレート部50では外径が一定であり、第1テーパ部51および第2テーパ部52ではいずれも、基端側に進むにしたがって漸次連続的に拡径している。このニードル33のストレート部50はノズル32の開口部44からノズル32内に挿入されており、ノズル32とストレート部50との間に介装されたニードル軸受60によって摺動可能に支持されている。図3の断面図に示すように、ニードル軸受60はその外周に凸部61と凹部62を交互に有しており、凹部62を水素が流通できるようになっている。そして、ニードル33は、第1テーパ部51をディフューザ31の絞り部42内に位置させるとともにノズル32の開口部44との間に隙間を有して位置させ、第2テーパ部52をディフューザ31の拡径部43内に位置させている。そして、ニードル33と開口部44との間隙により第1流体通路53が形成され、ニードル33とディフューザ31の拡径部43との間隙により第2流体通路54が形成されている。
【0026】
そして、ノズル32に燃料供給側圧力制御部18を介して燃料としての水素が供給され、ディフューザ31の第1通路38に燃料電池11から排出された排出燃料である水素復流が供給される。
このように構成されたエゼクタ30では、ノズル32に水素を供給し、ディフューザ31の第1通路38に水素復流を供給すると、第1流体通路53から噴射された水素が第2流体通路54を通って第2通路39へと流れ、この時にスロート部41およびそれよりも若干下流側の第2流体通路54において負圧が発生し、この負圧によって第1通路38内の水素復流が第2流体通路54に吸い込まれて、第1流体通路53から噴射された水素と混合して第2通路39に流れる。図4はこの時の圧力分布の概略を示しており、スロート部41およびそれよりも若干下流側において負圧が発生しているのを確認することができる。なお、混合された水素と水素復流はディフューザ31の水素出口37から送出され、加湿部13を介して燃料電池11に供給される。
【0027】
また、このように構成されたエゼクタ30では、ニードル33の第1テーパ部51と第2テーパ部52とディフューザ31の拡径部43とを予め所定の形状に形成しておくと、ニードル33を初期位置から下流方向(図2において右方向)に移動させることにより、第1流体通路53の開口面積と第2流体通路54の開口面積を連続的に変化させることができる。そこで、この実施の形態のエゼクタ30では、次のようにして、ディフューザ31の拡径部43、ニードル33の第1テーパ部51および第2テーパ部52の形状を所定形状に決定した。
【0028】
まず、電気自動車に搭載される燃料電池の場合には、前述したように、燃料電池の運転状態によって要求されるストイキ値(要求ストイキ値)が図11において太い実線で示すように決まっているので、各流量に応じた要求ストイキ値をほぼ満足できる第1流体通路53の開口面積が得られるように第1テーパ部51の形状を決定する必要がある。ここで、ストイキとは、第1流体通路53から噴出される水素流量(すなわち、水素消費流量)Qaに対するディフューザ31の水素出口37から流出する水素流量(すなわち、燃料電池に供給される水素供給全流量)Qtの比(Qt/Qa)として定義される。また、第1通路38から第2流体通路54に吸引される水素復流流量をQbとすると、Qt=Qa+Qbであるから、ストイキは(Qa+Qb)/Qaと定義される。
【0029】
また、本発明の発明者は、図11の太線で示す要求ストイキ値と流量との特性に近付けるためには、図5に示すように、第1流体通路53の開口面積を大きくするにしたがって第2流体通路54の開口面積も大きくするのが好ましいことを実験により確認した。そこで、この実験結果に基づき、ニードル33の軸線方向移動により、第1流体通路53の開口面積の変化が図5に示す最適ノズル径に対応して変化し、第2流体通路54の開口面積の変化が図5に示す最適ディフューザ径に対応して変化するように、ディフューザ31の拡径部43およびニードル33の第2テーパ部52の形状を決定した。
【0030】
なお、第2流体通路54の開口面積の変化のし方は、ディフューザ径およびノズル径が固定されているタイプのエゼクタ(すなわち、図9に対応するエゼクタ)におけるディフューザの最適広がり角度(8〜10゜)の開口面積の変化のし方と同程度か、あるいは、壁面抵抗の増大分を考慮した分大きくするのが好ましい。
【0031】
このように構成されたエゼクタ30を有する燃料電池の燃料供給システムによれば、駆動部34によりニードル33を軸線方向に沿ってノズル32に接近あるいは離間することにより、第1流体通路53と第2流体通路54を両方同時に連続的に変化させることができ、しかも、燃料流量が小流量の時には第1流体通路53と第2流体通路54の両方の開口面積を小さくでき、燃料流量が大流量の時には第1流体通路53と第2流体通路54の両方の開口面積を大きくできる。
【0032】
そして、駆動部34を燃料電池1の運転状態に応じて制御することにより、燃料流量の小流量から大流量の広範囲に亘って所定のストイキ特性を確保しつつ、必要な燃料流量を燃料電池1に送出することができる。図6は、縦軸にストイキ値、横軸に水素流量をとって示すストイキ特性図であり、このエゼクタ30のストイキ特性が要求ストイキに近似して変化することを確認することができる。
また、ニードル33を軸線方向に移動するだけで上記効果を得ることができるので、エゼクタの構造簡素化、小型化、軽量化を図ることができる。
【0033】
なお、前述した実施の形態では、ノズル32をディフューザ31に固定しているが、ノズル32とディフューザ31とを螺合結合にして、ノズル32をその軸線方向に沿って位置調整可能にすることができる。このようにすると、ノズル32の位置調整を行うことにより、ノズル32の開口部44とディフューザ31のスロート部41との離間寸法の加工精度のばらつきを吸収させたり、実車毎の必要流量特性のばらつきを吸収させることができる。
また、ノズル32をその軸線方向に沿って位置調整することにより、第2流体通路54の初期開口面積を調整することができる。したがって、図7の開口面積比変化の図に示すように、第1流体通路53の開口面積(ノズル32の開口面積)と第2流体通路54の開口面積(ディフューザ31の開口面積)の開口面積比を微調整することができる。
【0034】
図8は、前記エゼクタ30の変形例を示す図である。前記実施の形態のエゼクタ30では、ディフューザ31の第1通路38および第2通路39を第3通路40に直交するように設けているが、このように流体通路35を構成すると流体の流れ方向が急変するため流路抵抗が大きくなってしまう。
そこで、この変形例では、第1通路38および第2通路39をいずれも第3通路に対して斜めに接続するとともに、第2通路39を2つ設けることにより、流路抵抗を減少させている。その他の構成については前記実施の形態のエゼクタ30と同様であるので、同一態様部分に同一符号を付して説明を省略する。
尚、この発明は前述した実施の形態に限られるものではない。例えば、駆動部34はリニア駆動型ステップモータに限られるものではなく、ニードル33を軸線方向に位置調整することができるものであれば、他の駆動手段を用いることも可能である。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載した発明によれば、第1流体と第2流体の流量比を連続的に変化させることができるので、小流量から大流量の広範囲に亘って所望のストイキ値を確保しつつ所望する全流量も確保できるという優れた効果が奏される。また、ニードルを軸線方向に移動するだけで、第1流体と第2流体の流量比を連続的に変化させることができるので、装置の簡素化、小型化、軽量化を達成することができる。また、ノズルを交換することがないので、要求されるストイキ値が連続的且つ短時間に変化する燃料電池自動車にも適用可能である。
【0036】
しかも、第1流体と第2流体の流量比を所望する流量比に連続的に変化させることができ、ニードルの位置変更により所望するストイキ値を得ることができるので、要求されるストイキ値を確保することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る流体供給装置を備えた燃料電池の燃料供給系システム構成図である。
【図2】 この発明に係る燃料電池の流体供給装置であるエゼクタの断面図である。
【図3】 前記エゼクタのノズルとニードルとニードル軸受の縦断面図である。
【図4】 前記エゼクタにおいて負圧発生部を示す図である。
【図5】 前記エゼクタにおいて水素流量に対する最適ノズル径および最適ディフューザ径の関係を示す示す図である。
【図6】 前記エゼクタのストイキ特性図である。
【図7】 前記エゼクタにおいてノズルの位置調整による第1流体通路53と第2流体通路54の開口面積比の変化を示す図である。
【図8】 前記エゼクタの変形例の断面図である。
【図9】 従来の一般的なエゼクタの断面図である。
【図10】 従来のエゼクタにおいて負圧発生部を示す図である。
【図11】 従来のエゼクタのノズル径をパラメータとしてストイキ値と水素消費流量との関係を示す図である。
【符号の説明】
11・・・燃料電池
30・・・エゼクタ(流体供給装置)
31・・・ディフューザ
32・・・ノズル
33・・・ニードル
34・・・駆動部(ニードル位置調整手段)
44・・・開口部
50・・・ストレート部
51・・・第1テーパ部(テーパ部)
52・・・第2テーパ部(テーパ部)
53・・・第1流体通路
54・・・第2流体通路

Claims (1)

  1. 先端部および該先端部から伸長したテーパ部を有するニードルと、
    先端に開口部を有し該開口部に前記ニードルの先端部が軸線を同一にして挿入され内部に第1流体を供給されて前記開口部から噴射するノズルと、
    前記ニードルおよび前記ノズルと軸線を同一にして設けられ前記第1流体の噴射により発生する負圧によって第2流体を吸引し前記第1流体に合流させて送出するディフューザと、
    前記ニードルを前記軸線方向に移動させて位置変更可能にするニードル位置調整手段とを備え、
    前記第1流体は前記ニードルと前記ノズルの開口部との間隙により形成される第1流体通路を通り第2流体と合流したのち前記テーパ部と前記ディフューザとの間隙により形成される第2流体通路を通じて送出され
    前記ニードルは、流量に応じて設定されたストイキ値を満たす前記第1流体通路および前記第2流体通路を形成する所定の形状を備えることを特徴とする燃料電池の流体供給装置。
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