JP4176251B2 - 血液ポンプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体の心臓に代わって、またはこれを補助して血液を送り出す血液ポンプに関し、特に2カ所に向けて血液を送り出すポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
生体の心臓の機能低下を補う目的で、血液を送り出す血液ポンプが使用されている。心臓は、左心より肺へ血液を送り、肺から戻った血液を右心により全身へと送る。したがって、左心、右心共に機能が低下している場合、両方の機能を補助するために2個のポンプを用いている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、左心右心共に機能低下が見られ、その機能低下の程度が左心と右心で異なる場合、それぞれに対しポンプにより補助すべき血流量が異なる。また、機能低下の程度は、患者ごとに異なるので、補助すべき血流量も患者ごとに異なったものとなる。したがって、2個のポンプの流量は、患者ごとに左右個別に調整できることが要求される。また、吐出圧についても、左心は全身循環系であるため100mmHg程度であり、一方右心は肺循環系であるので20mmHg程度と、これらも異なっている。
【0004】
このように、左心と右心に対応して2個のポンプを用いる場合、左心房と右心房でその流量、圧力が大きく異なるために、別々のポンプを用いる必要がある。よって、全体として外形が大きくなり、生体内に埋め込むことが困難であるという問題があった。
【0005】
本発明は、左心と右心に対応して、異なる条件で運転可能な2個のポンプであって、小型のものを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために、本発明に係る血液ポンプは、隔壁により隔てられた第1および第2の羽根車室を有するケーシングと、第1の羽根車室内に納められた第1の羽根車と、第2の羽根車室内に納められた第2の羽根車と、前記第1および第2の羽根車を支持し、少なくとも一方の羽根車を回動可能に支持する共通の支持軸と、前記第1および第2の羽根車の各々に対して設けられ、独立して前記各々の羽根車を駆動可能な第1および第2の羽根車駆動手段と、前記ケーシングに設けられ、第1の羽根車に対応する第1の吸込管と、前記ケーシングに設けられ、第2の羽根車に対応する第2の吸込管と、前記ケーシングに設けられ、第1の羽根車に対応する第1の吐出管と、前記ケーシングに設けられ、第2の羽根車に対応する第2の吐出管と、を有し、前記第1および第2の羽根車を前記第1および第2の羽根車駆動手段により別個に制御することによって、第1の吐出管と第2の吐出管より別個に血液を送り出す。
【0007】
さらに、前記支持軸は、それ自身も前記ケーシングに回転可能に支持されるようにすることができる。
【0008】
さらに、前記第1および第2の羽根車は、羽根車の前面を向かい合わせて配置され、前記第1および第2の羽根車駆動手段は、それぞれの羽根車の、羽根が立設される台座に設けられた永久磁石と、前記永久磁石と、羽根車の軸方向において対向するステータとを有するものとすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)を、図面に従って説明する。図1には、本実施形態の血液ポンプ10の概略構成が示されている。血液ポンプ10は、吸込側を向かい合わせて配置された羽根車12,14を有している。羽根車12,14は、図示するように羽根16,18の前面にシュラウドを持たず、羽根16,18が台座20,22に立設されたセミオープンインペラ型であり、後面の台座20,22内には、永久磁石23,24が埋め込まれている。羽根車12,14はケーシング25に設けられた二つの羽根車室26,28にそれぞれ納められている。ケーシング25の中心には、羽根車12,14を支持する支持軸30が配置されている。支持軸30の両端には球状端部32,33が設けられて、この球状端部32,33が、ケーシング25に設けられた保持凹部34,35内に納まり、支持軸30の位置決めが行われる。支持軸30の長さは、二つの保持凹部34,35の間隔より若干短くなっており、このため、球状端部32,33と保持凹部34,35の間には、わずかの間隙が形成されうる。支持軸30はさらにその中央付近で、二つの羽根車室を隔てている隔壁36に設けられた軸保持部38によっても、緩く保持されている。軸保持部38と支持軸30の隙間には、二つの羽根車12,14の吸込側の圧力差により血液の流れが発生し、血液の滞留が防止される。このように、二つの羽根車室26,28の間で、血液が混流するが、その量はわずかであるので、本実施形態では、血液の滞留を防止するためにこの部分にシールを設けていない。ケーシング25には、二つの羽根車12,14のそれぞれに対応して吸込管40,42と吐出管44,46が設けられている。これらの吸込管40,42、吐出管44,46のそれぞれは、羽根車12,14の回転軸に略直交する平面内に配置される。よって、これらの管に接続される配管の取り回しが容易となる。
【0010】
羽根車12,14は、支持軸30に対して回動可能に支持される。また、台座20,22の、支持軸30に隣接する部分には、図2に示すように、これを貫通する貫通孔48が設けられている。図2は、羽根車12を示しているが、羽根車14も全く同様の構成であり、貫通孔49が設けられている。貫通孔48,49は、羽根車12,14の支持軸30が通る孔と連通するよう設けられ、貫通孔48,49間の羽根車12,14の残っている部分によって支持軸30に対し位置決めが行われる。羽根車12,14の前後の圧力差により、羽根車12,14の後ろから前の吸入側に向けて貫通孔48,49を通る血流が形成される。これによって、羽根車12,14後側の台座20,22とケーシング25の間、特に支持軸30の周囲に血液が滞留することを防止することができる。
【0011】
ケーシング25の軸方向外側には、羽根車12,14の各々に対応して、ステータ50,52が配置される。ステータ50,52は、ステータケース54,56内に納められている。ステータのコア58,60の先端は、羽根車内に配置された永久磁石23,24に対向する位置に配置されている。また、コア58,60には、導線が巻回されてコイル62,64が形成されている。
【0012】
ステータ50,52に電力を供給することによって、回転磁界が発生し、この回転磁界と永久磁石23,24の相互作用により、羽根車12,14が回転する。すなわち、ステータ50,52と永久磁石23,24が羽根車12,14を回転駆動する羽根車駆動手段として機能する。この羽根車12,14の回転によって血液が送り出される。二つのステータ50,52に供給される電力を調整、特にその周波数を調整することによって、二つの羽根車12,14を異なる速度で回転させることができる。前述のように、羽根車12,14は支持軸30にそれぞれ回動可能に支持されているので、異なる速度での回転が許容される。なお、二つの羽根車が異なる速度で回転するためには、支持軸に対し少なくとも一方が回動可能となっていればよい。
【0013】
図3には、本発明の他の実施形態が示されている。前述の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。本実施形態に特徴的なことは、ステータケース154,156内の、支持軸の球状端部32,33に対向する部分に、ギャップセンサ166,168が設けられている点である。ギャップセンサ166,168は、球状端部32,33までの距離を検出する。この検出値に基づき、ステータ50,52に供給される電力が調整され、羽根車12,14を吸引する力が調整される。これによって、球状端部32,33と保持凹部34,35の接触圧が軽減される。前記接触圧が0となることが好ましい。
【0014】
以上のように、本実施形態においては、二つの羽根車の回転速度を別個とすることができるので、両羽根車の吐出量を独立して調整することができる。また、羽根車内に永久磁石を埋め込み、羽根車をモータのロータとして機能させることにより、小型化することができる。さらに、羽根車を貫通する孔を設けたので、羽根車背面での血流の滞留を防止することができ、血栓の形成を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態の概略構成を示す断面図である。
【図2】 羽根車の形状を示す図である。
【図3】 他の実施形態の概略構成を示す断面図である。
【符号の説明】
10 血液ポンプ、12,14 羽根車、20,22 台座、23,24 永久磁石、25 ケーシング、30 支持軸、32,33 球状端部、34,35保持凹部、48,49 貫通孔、50,52 ステータ、54,56 ステータケース。
Claims (3)
- 隔壁により隔てられた第1および第2の羽根車室を有するケーシングと、
第1の羽根車室内に納められた第1の羽根車と、
第2の羽根車室内に納められた第2の羽根車と、
前記第1および第2の羽根車を支持し、少なくとも一方の羽根車を回動可能に支持する共通の支持軸と、
前記第1および第2の羽根車の各々に対して設けられ、独立して前記各々の羽根車を駆動可能な第1および第2の羽根車駆動手段と、
前記ケーシングに設けられ、第1の羽根車に対応する第1の吸込管と、
前記ケーシングに設けられ、第2の羽根車に対応する第2の吸込管と、
前記ケーシングに設けられ、第1の羽根車に対応する第1の吐出管と、
前記ケーシングに設けられ、第2の羽根車に対応する第2の吐出管と、
を有し、
前記第1および第2の羽根車を前記第1および第2の羽根車駆動手段により別個に制御することによって、第1の吐出管と第2の吐出管より別個に血液を送り出す、
血液ポンプ。 - 請求項1に記載の血液ポンプであって、前記支持軸は、それ自身も前記ケーシングに回転可能に支持されている、血液ポンプ。
- 請求項1または2に記載の血液ポンプであって、
前記第1および第2の羽根車は、羽根車の前面を向かい合わせて配置され、
前記第1および第2の羽根車駆動手段は、それぞれの羽根車の、羽根が立設される台座に設けられた永久磁石と、前記永久磁石と、羽根車の軸方向において対向するステータとを有する、
血液ポンプ。
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