JP2011072533A - 遠心ポンプを用いた全置換型人工心臓およびその制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】2つの血液ポンプをコンパクトに組み合わせた、小型かつ軽量で長寿命な遠心ポンプを用いた全置換型人工心臓およびその制御システムを提供する。
【解決手段】流入口6と、螺旋状流路7と、流出口8とを具備する第1のハウジング9と、この第1のハウジング9に組み合わせられる、インペラ5と、このインペラ5に連結されるロータとしてのマグネット4と、このマグネット4を駆動するステータ2と、軸受部を有する第1のケース3とを具備する左心用血液ポンプ1と、第1のハウジング9と対向して配置される、流入口13と、螺旋状流路と、流出口15とを具備する第2のハウジング12と、インペラ17と、マグネット16と、ステータ18と、軸受部を有する第2のケース19とを具備する右心用血液ポンプ11とを具備し、左心用血液ポンプ1と右心用血液ポンプ11を一体化し、小型軽量化した。
【選択図】図1

Description

本発明は、全置換型人工心臓およびその制御システムに係り、特に、末期的重症心不全の患者の治療等に用いる遠心ポンプを用いた全置換型人工心臓およびその制御システムに関するものである。
従来、重症心不全の患者に対する治療の最終的な救命手段として、心臓移植と並んで人工心臓が開発されている。心臓移植は拒絶反応の問題があり、またドナー心の不足は全世界的に見ても深刻である。補助人工心臓は、既に臨床に供されているが、左心不全はしばしば右心不全を合併し、両心不全の病態に至れば、補助人工心臓だけでは救命できない症例も多い。
小柄な患者や小児の心不全患者には、解剖学的に埋め込みに制限があり、拍動型の人工心臓は小型化の限界がある。小型軽量化を目指して、軸流型、遠心型の無拍動ポンプを応用した補助人工心臓が開発されており、回転式ポンプが人工心臓の小型軽量化の側面において有利である事実は確立している(下記特許文献1参照)。しかしながら、現在まで、拍動型全人工心臓の提案はあるが、埋め込み可能な全置換型の回転式ポンプを用いた人工心臓は開発されていない(下記特許文献2参照)。
まず、正常な心臓の構造について図を参照しながら説明する。
図14はその正常な心臓の構造を示す模式図、図15はその心臓の拍動の動作を示す模式図である。
これらの図において、101は左心室、102は右心室、103は心室中隔、104は大動脈、105は肺動脈、106は大動脈弁、107は大静脈、108は右心房、109は三尖弁(右房室弁)、110は心房中隔、111は肺動脈弁、112は肺静脈、113は左心房、114は僧帽弁(左房室弁)である。
心臓は、血液を体の隅々にまで循環させるためのポンプの役割を果たしている。つまり、心臓は、収縮と拡張を繰り返し、血液を送り出す。
以下、その心臓の拍動について説明する。
まず、図15(a)に示すように、大静脈107から流入する血液により右心房108が、肺静脈112から流入する血液により左心房113が満たされている。三尖弁109、肺動脈弁111、大動脈弁106、僧帽弁114は全て閉じられている。
次に、図15(b)に示すように、左右の三尖弁109と僧帽弁114が開いて、血液が右心室102、左心室101に流れ込み、右心室102と左心室101が血液で満たされる〔図15(c)〕。
次に、図15(d)に示すように、右心室102と左心室101が縮んで血液を押し出す。つまり、右心室102が縮んで肺動脈弁111が開き、血液を肺動脈105から肺(図示なし)へ、左心室101が縮んで大動脈弁106が開き、血液を大動脈104から全身(図示なし)にそれぞれ送り出す。
次いで、右心房108と左心房113が膨らんで、次の血液が流れ込み、図15(a)の状態に戻り、順次、心臓の拍動が継続される。
特開2002−349482号公報 特表平9−509595号公報 特表2002−512333号公報
Continuous flow total artificial heart:modeling and feedback control in a mock circulatory system.Khalil HA,Kerr DT,Franchek MA,Metcalfe RW,Benkowski RJ,Cohn WE,Tuzun E,Radovancevic B,Frazier OH,Kadipasaoglu KA,ASAIO J.2008 May−Jun;54(3):pp.249〜255
上記した従来の回転式ポンプは、流出口、流入口の配置から、解剖学的に胸腔内埋め込みが難しく、全置換型人工心臓としての開発が妨げられてきた。また、完全無拍動の全置換型人工心臓の場合、心臓が存在せず、人体の制御系の関与が期待できないので、自然心臓と同等の制御機能を備える必要がある(上記非特許文献1参照)。
上記したように、従来の心臓移植では、ドナー心の不足から救命できない症例が多く、また、全人工心臓は拍動型のため、ポンプ容積部分が必要で、小型化が難しいという問題があった。さらに、補助人工心臓として、小型遠心型、軸流型のポンプは開発されてきたが、両心不全では、補助人工心臓だけでは救命できない症例が多いという問題があった。
また、ハイブリッド磁性ベアリングを備えた埋め込み可能な遠心型血液ポンプが上記特許文献3に開示されているが、この特許文献3には、単一の遠心型血液ポンプが開示されているのみであり、2つの血液ポンプを組み合わせた全置換型人工心臓については開示されていない。
実際、遠心型血液ポンプは流入口の開口配置が問題となり、2つの血液ポンプをコンパクトに組み合わせた全置換型人工心臓を作製するには、大変な工夫が必要であった。
本発明は、上記状況に鑑みて、遠心型血液ポンプの流入口の開口を工夫して2つの血液ポンプをコンパクトに組み合わせた、小型かつ軽量で長寿命な遠心ポンプを用いた全置換型人工心臓およびその制御システムを提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕遠心ポンプを用いた全置換型人工心臓において、流入口と、この流入口に接続される螺旋状流路と、この螺旋状流路に接続されるとともに外周辺部から導出される流出口とを具備する第1のハウジングと、この第1のハウジングに組み合わせられる、インペラと、このインペラに連結されるロータとしてのマグネットと、このマグネットを駆動するステータと、軸受部を有する第1のケースとを具備する左心用血液ポンプと、前記第1のハウジングと対向して配置される、流入口と、この流入口に接続される螺旋状流路と、この螺旋状流路に接続されるとともに外周辺部から導出される流出口とを具備する第2のハウジングと、この第2のハウジングに組み合わせられる、インペラと、このインペラに連結されるロータとしてのマグネットと、このマグネットを駆動するステータと、軸受部を有する第2のケースとを具備する右心用血液ポンプとを具備し、前記左心用血液ポンプと前記右心用血液ポンプを一体化し、小型軽量化したことを特徴とする。
〔2〕上記〔1〕記載の遠心ポンプを用いた全置換型人工心臓において、前記左心用血液ポンプの前記流入口は肺静脈に接続され、前記左心用血液ポンプの前記流出口は大動脈に接続され、前記右心用血液ポンプの前記流入口は大静脈に接続され、前記右心用血液ポンプの前記流出口は肺動脈に接続されることを特徴とする。
〔3〕上記〔1〕又は〔2〕記載の遠心ポンプを用いた全置換型人工心臓において、前記左心用血液ポンプの前記流入口と前記右心用血液ポンプの前記流入口とはポンプ周縁部に近接し、かつ同じ方向に導出されることを特徴とする。
〔4〕上記〔1〕〜〔3〕の何れか一項記載の遠心ポンプを用いた全置換型人工心臓において、外形寸法が直径6〜8cm、長さ5〜7cmのサイズであることを特徴とする遠心ポンプを用いた全置換型人工心臓。
〔5〕遠心ポンプを用いた全置換型人工心臓の制御システムであって、上記〔1〕記載の遠心ポンプを用いた全置換型人工心臓において、前記左心用血液ポンプ及び前記右心用血液ポンプそれぞれの流入口及び流出口に血圧及び血液の流量を計測するセンサを配置し、このセンサにより、両心房圧、大動脈圧、肺動脈圧、大動脈流量、肺動脈流量を計測することで、血行動態から心血管系のダイナミクス情報を診断し、前記左心用血液ポンプ及び前記右心用血液ポンプの前記マグネットを駆動する前記ステータの制御により、前記インペラの回転数を自動制御することで、両心房の吸着を予防しつつ、人体と同等の心臓の制御を行うことを特徴とする。
〔6〕上記〔5〕記載の遠心ポンプを用いた全置換型人工心臓の制御システムにおいて、前記インペラの回転数はモータ駆動周波数により、前記血圧はダイヤフラム型圧力センサにより、前記血液の流量は電磁流量計により計測することを特徴とする。
〔7〕上記〔5〕記載の遠心ポンプを用いた全置換型人工心臓の制御システムにおいて、前記左心房圧に急激な圧力低下が認められた場合には、前記左心用血液ポンプの前記インペラの回転数を下げて左心房圧の上昇を促し、前記右心房圧に急激な圧力低下が認められた場合には、前記右心用血液ポンプの前記インペラの回転数を下げて右心房圧の上昇を促すことを特徴とする。
本発明では、ポンプの流入口から流出口にかけての流路をヘリカルフローパターン(螺旋状流路)とすることにより、両心房から大動脈・肺動脈へのフローをスムーズに形成させることで、血栓形成を予防して、溶血を防ぐ。同時に、全置換型人工心臓としての解剖学的適合性を向上させることができるので、小型軽量化を具現化でき、全置換型の遠心式人工心臓を実現できる。これと同時に、血圧反射システムを模擬した制御アルゴリズムで、人体と同等の血圧反射メカニズムを具現化することができる。
本発明によれば、遠心型血液ポンプの流入口の開口を工夫して2つの血液ポンプをコンパクトに組み合わせることで、小型かつ軽量で長寿命な遠心ポンプを用いた全置換型人工心臓およびその制御システムを構築することができる。
また、遠心ポンプの流入口から流出口にかけてスムーズなヘリカルフローを形成することで、血栓と溶血を予防し、解剖学的適合性を大きく向上させることができる。また、両心房圧、肺動脈圧、大動脈圧をモニターし、自動制御システムを使って血行動態を一定の値に保つフィードバック制御を行うことで、人体と遜色のない血行動態自動制御を具現化することができた。
本発明の実施例を示す全置換型人工心臓の分解斜視図である。 本発明の実施例を示す全置換型人工心臓の外観斜視図である。 本発明の実施例を示す全置換型人工心臓の側面図である。 本発明の実施例を示す全置換型人工心臓の正面図である。 図4のA−A線矢視図である。 本発明の実施例を示す全置換型人工心臓の模型を示す図面代用写真である。 本発明の実施例を示す全置換型人工心臓の制御システムの概略構成図である。 本発明の実施例を示す全置換型人工心臓の制御システムブロック図である。 本発明の実験例を示す左心用血液ポンプ試験用試作ポンプを示す図面代用写真である。 本発明の実験例を示す左心用血液ポンプ試験用試作ポンプのパーツ群を示す図面代用写真である。 試作ポンプの試験結果を示す血液の流量対圧力特性図である。 試作ポンプの試験結果を示す血液の流量対消費電力特性図である。 試作ポンプの試験結果を示す血液の流量対効率特性図である。 正常な心臓の構造を示す模式図である。 正常な心臓の拍動の動作を示す模式図である。
本発明の遠心ポンプを用いた全置換型人工心臓は、流入口と、この流入口に接続される螺旋状流路と、この螺旋状流路に接続されるとともに外周辺部から導出される流出口とを具備する第1のハウジングと、この第1のハウジングに組み合わせられる、インペラと、このインペラに連結されるロータとしてのマグネットと、このマグネットを駆動するステータと、軸受部を有する第1のケースとを具備する左心用血液ポンプと、前記第1のハウジングと対向して配置される、流入口と、この流入口に接続される螺旋状流路と、この螺旋状流路に接続されるとともに外周辺部から導出される流出口とを具備する第2のハウジングと、この第2のハウジングに組み合わせられる、インペラと、このインペラに連結されるロータとしてのマグネットと、このマグネットを駆動するステータと、軸受部を有する第2のケースとを具備する右心用血液ポンプとを具備し、前記左心用血液ポンプと前記右心用血液ポンプを一体化し、小型軽量化した。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の実施例を示す全置換型人工心臓の分解斜視図、図2は本発明の実施例を示す全置換型人工心臓の外観斜視図、図3はその全置換型人工心臓の側面図、図4はその全置換型人工心臓の正面図、図5は図4のA−A線矢視図、図6はその全置換型人工心臓の模型を示す図面代用写真図である。
これらの図において、1は左心用血液ポンプであり、この左心用血液ポンプ1は、ステータ2と、軸受部を有する第1のケース3と、ロータとしてのマグネット4と、このマグネット4と一体化されるインペラ5と、第1のハウジング9とからなる。この第1のハウジング9は、流入口6と、この流入口6から中心部を経由して外周辺部に至る螺旋状流路7と、その外周辺部から導出される流出口8が形成されている。11は右心用血液ポンプであり、この右心用血液ポンプ11は、左心用血液ポンプ1と左右対称に設計されており、第1のハウジング5に対向するように第2のハウジング12が組み付けられる。この第2のハウジング12には、流入口13と、この流入口13から中心部を経由して外周辺部に至る螺旋状流路14と、その外周辺部から導出される流出口15が形成される。16はロータとしてのマグネット、17はマグネット16と一体化されるインペラ、18はステータ、19は軸受部を有する第2のケースである。
図1に示された各部からなる左心用血液ポンプ1と右心用血液ポンプ11とを一体に組み合わせることで、図2〜図6に示すようなコンパクトな全置換型人工心臓が得られる。
この左心用血液ポンプ1および右心用血液ポンプ11において、各インペラ5,17に連結されるロータとしてのマグネット4,16は、各ステータ2,18によって制御される。
また、左心用血液ポンプ1のモータ2,4と右心用血液ポンプ11のモータ16,18がハウジング9,12を挟み込むように設計されており、心房からの血液流入をスムーズにすることで抗血栓性と溶血の回避を図っている。さらに、流入口6,13から流出口8,15までの螺旋状流路7,14をスムーズなヘリカルフローパターンとすることで、流出口8,15への流れを澱みなく行うことができる。また、流入口6と流入口13とは垂直な略同一の平面上に組み付けることができるので、コンパクトな全置換型人工心臓を構成することができる。
図7は本発明の実施例を示す全置換型人工心臓の制御システムの概略構成図、図8はその全置換型人工心臓の制御システムブロック図である。
これらの図において、21は左心用血液ポンプ1の流入口6の圧力センサ、22は左心用血液ポンプ1の流出口8の流量センサ、23は左心用血液ポンプ1のモータ回転数センサ、24は右心用血液ポンプ11の流入口13の圧力センサ、25は右心用血液ポンプ11の流出口15の流量センサ、26は右心用血液ポンプ11のモータ回転数センサ、27は左心用血液ポンプ11のモータ回転数制御装置、28は右心用血液ポンプ11のモータ回転数制御装置である。また、電子制御装置31は、入力インターフェース32、中央処理装置(CPU)33、自己感知データなどを記憶するRAMやプログラムを記憶するROMなどからなる記憶装置34、出力インターフェース35などを備えている。
このように、流入口6,13と流出口8,15にそれぞれ装着された圧力センサ21,24および流量センサ22,25により圧力及び流量を監視することで、左心用血液ポンプ1と右心用血液ポンプ11のポンプ特性の自動制御を行うことができ、左心房と右心房のサッキングを予防する。すなわち、左心用血液ポンプ1の流入口6の圧力センサ21により左心房圧に急激な圧力低下が認められた場合には、左心房壁と流入カニューレの吸着が起こっている可能性が高いので、左心用血液ポンプのモータ回転数制御装置27の制御により、左心用血液ポンプ1のモータ2,4の回転数を下げて、左心房圧の上昇を促す。同様に、右心用血液ポンプ11の流入口13の圧力センサ24により右心房圧に急激な圧力低下が認められた場合には、右心用血液ポンプのモータ回転数制御装置28の制御により、右心用血液ポンプ11のモータ16,18の回転数を下げて、右心房圧の上昇を促す。
また、左心用血液ポンプ1や右心用血液ポンプ11の流出口8,15における圧力から、肺動脈圧および大動脈圧を推定し、それらが正常範囲に維持されるように左心用血液ポンプ1や右心用血液ポンプ11のモータの回転数を制御する。例えば、大動脈圧が上昇した際には左心用血液ポンプ1のモータ2,4の回転数を下げる。これにより、血圧反射と同等の制御機構を具現化することができる。
上記したように、本発明の遠心ポンプを用いた全置換型人工心臓は、流入口と、この流入口に接続される螺旋状流路と、この螺旋状流路に接続されるとともに外周辺部から導出される流出口とを具備する第1のハウジングと、この第1のハウジングに組み合わせられる、インペラと、このインペラに連結されるローターとしてのマグネットと、このマグネットを駆動するステーターと、軸受部を有する第1のケースとを具備する左心用血液ポンプと、前記第1のハウジングと対向して配置される、流入口と、この流入口に接続される螺旋状流路と、この螺旋状流路に接続されるとともに外周辺部から導出される流出口とを具備する第2のハウジングと、この第2のハウジングに組み合わせられる、インペラと、このインペラに連結されるローターとしてのマグネットと、このマグネットを駆動するステーターと、軸受部を有する第2のケースとを具備する右心用血液ポンプとを具備し、左心用血液ポンプと右心用血液ポンプを一体化して小型軽量化した。
左心用血液ポンプの流入口は肺静脈に、左心用血液ポンプの流出口は大動脈に接続され、右心用血液ポンプの流入口は大静脈に、右心用血液ポンプの流出口は肺動脈に接続される。
左心用血液ポンプの流入口と右心用血液ポンプの流入口とはポンプ周縁部に近接し、かつ同じ方向に導出される。
この全置換型人工心臓は、外形寸法が直径6〜8cm、長さ5〜7cmのコンパクトなサイズである。
左心用血液ポンプ及び右心用血液ポンプそれぞれの流入口及び流出口に圧力及び流量を計測するセンサを配置し、このセンサにより、両心房圧、大動脈圧、肺動脈圧、大動脈流量、肺動脈流量を計測することで、血行動態から心血管系のダイナミクス情報を診断し、左心用血液ポンプ及び右心用血液ポンプのロータとしてのマグネットを駆動するステーターの制御により、インペラの回転数を自動制御することで、両心房の吸着を予防しつつ、人体と同等の心臓の制御を行う。
例えば、インペラの回転数はモータ駆動周波数により、圧力はダイヤフラム型圧力センサにより、流量は電磁流量計により計測する。
左心房圧に急激な圧低下が認められた場合には、左心用血液ポンプのインペラの回転数を下げて、左心房圧の上昇を促し、右心房圧に急激な圧低下が認められた場合には、右心用血液ポンプのインペラの回転数を下げて、右心房圧の上昇を促す。
また、本発明の自動制御装置は、実施例に記載した全置換型人工心臓に限らず、補助人工心臓として用いてもよい。
図9は本発明の実験例を示す左心用血液ポンプ試験用試作ポンプを示す図面代用写真、図10はそのパーツ群を示す図面代用写真、図11はその試験結果を示す血液の流量対圧力特性図、図12はその試験結果を示す血液の流量対消費電力特性図、図13はその試験結果を示す血液の流量対効率特性図である。
図9において、41はモータ、42はカップリング、43はポンプである。ここでは、ポンプ43とモータ41は分離している。
また、図10において、51は軸受、52はインペラ底部、53はインペラ上部、54はハウジングである。
ここでは、モータの駆動回路電源入力の直流電圧、電流、ポンプのモータの回転数、差圧、流量を求めた。測定条件としては、モータはmaxon社のDCブラシレス EC45、30W、駆動回路は同様のものでセンサレス型、カップリングはオルダムカップリング、作動流体はグリセリン33%,NaCl 0.9%,37℃、回転数センサはストロボスコープ、圧センサはダイヤフラム型、流量計は電磁流量計、電源電圧は一定、軸受はインペラに加工した動圧軸受である。
図11では、横軸に流量(L/min)、縦軸に圧力(mmHg)を示し、モータの駆動回路の入力電圧(5V〜14V)をパラメータとしており、左心補助として必要とされる5L/min及び100mmHgの出力は、入力電圧6.6V(△印)で得られたことが分かる。
図12では、横軸に流量(L/min)、縦軸に消費電力(W)を示し、モータの駆動回路の入力電圧(5V〜14V)をパラメータとしており、入力電圧6.6V(△印)の場合、5L/min及び100mmHgの出力は、消費電力5Wで得られたことが分かる。
図13では、横軸に流量(L/min)、縦軸に効率(%)を示し、モータの駆動回路の入力電圧(5V〜14V)をパラメータとしており、入力電圧6.6V(△印)の場合、5L/min及び100mmHgの出力における効率は23.6%であったことが分かる。
両心補助、全置換型人工心臓に用いる左心用血液ポンプによって、以下の結果を得ることができた。
(1)左心補助として必要とされる5L/min、100mmHgの出力は、上記のとおり、2070rpm、入力電圧6.6V、消費電力5Wにて得られた。つまり、効率は、23.6%〔現行の左心補助人工心臓(LVAD)と同等の性能〕であった。
(2)最大15L/mm以上の流量が得られ、自然心臓の機能を完全に代行することができる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明に係る全置換型人工心臓は、重症心不全の患者の治療分野等に利用することができる。
1 左心用血液ポンプ
2,18 ステータ
3 第1のケース
4,16 ロータとしてのマグネット
5,17 インペラ
6,13 流入口
7,14 螺旋状流路
8,15 流出口
9 第1のハウジング
11 右心用血液ポンプ
12 第2のハウジング
19 第2のケース
21 左心用血液ポンプの流入口の圧力センサ
22 左心用血液ポンプの流出口の流量センサ
23 左心用血液ポンプのモータ回転数センサ
24 右心用血液ポンプの流入口の圧力センサ
25 右心用血液ポンプの流出口の流量センサ
26 右心用血液ポンプのモータ回転数センサ
27 左心用血液ポンプのモータ回転数制御装置
28 右心用血液ポンプのモータ回転数制御装置
31 電子制御装置
32 入力インターフェース
33 中央処理装置(CPU)
34 記憶装置
35 出力インターフェース
41 モータ
42 カップリング
43 ポンプ
51 軸受
52 インペラ底部
53 インペラ上部
54 ハウジング

Claims (7)

  1. (a)流入口と、該流入口に接続される螺旋状流路と、該螺旋状流路に接続されるとともに外周辺部から導出される流出口とを具備する第1のハウジングと、該第1のハウジングに組み合わせられる、インペラと、該インペラに連結されるロータとしてのマグネットと、該マグネットを駆動するステータと、軸受部を有する第1のケースとを具備する左心用血液ポンプと、
    (b)前記第1のハウジングと対向して配置される、流入口と、該流入口に接続される螺旋状流路と、該螺旋状流路に接続されるとともに外周辺部から導出される流出口とを具備する第2のハウジングと、該第2のハウジングに組み合わせられる、インペラと、該インペラに連結されるロータとしてのマグネットと、該マグネットを駆動するステータと、軸受部を有する第2のケースとを具備する右心用血液ポンプとを具備し、
    (c)前記左心用血液ポンプと前記右心用血液ポンプを一体化し、小型軽量化したことを特徴とする遠心ポンプを用いた全置換型人工心臓。
  2. 請求項1記載の遠心ポンプを用いた全置換型人工心臓において、前記左心用血液ポンプの前記流入口は肺静脈に接続され、前記左心用血液ポンプの前記流出口は大動脈に接続され、前記右心用血液ポンプの前記流入口は大静脈に接続され、前記右心用血液ポンプの前記流出口は肺動脈に接続されることを特徴とする遠心ポンプを用いた全置換型人工心臓。
  3. 請求項1又は2記載の遠心ポンプを用いた全置換型人工心臓において、前記左心用血液ポンプの前記流入口と前記右心用血液ポンプの前記流入口とはポンプ周縁部に近接し、かつ同じ方向に導出されることを特徴とする遠心ポンプを用いた全置換型人工心臓。
  4. 請求項1〜3の何れか一項記載の遠心ポンプを用いた全置換型人工心臓において、外形寸法が直径6〜8cm、長さ5〜7cmのサイズであることを特徴とする遠心ポンプを用いた全置換型人工心臓。
  5. 遠心ポンプを用いた全置換型人工心臓の制御システムであって、請求項1記載の遠心ポンプを用いた全置換型人工心臓において、前記左心用血液ポンプ及び前記右心用血液ポンプそれぞれの前記流入口及び前記流出口に血圧及び血液の流量を計測するセンサを配置し、該センサにより、両心房圧、大動脈圧、肺動脈圧、大動脈流量、肺動脈流量を計測することで、血行動態から心血管系のダイナミクス情報を診断し、前記左心用血液ポンプ及び前記右心用血液ポンプの前記マグネットを駆動する前記ステータの制御により、前記インペラの回転数を自動制御することで、両心房の吸着を予防しつつ、人体と同等の心臓の制御を行うことを特徴とする遠心ポンプを用いた全置換型人工心臓の制御システム。
  6. 請求項5記載の遠心ポンプを用いた全置換型人工心臓の制御システムにおいて、前記インペラの回転数はモータ駆動周波数により、前記血圧はダイヤフラム型圧力センサにより、前記血液の流量は電磁流量計により計測することを特徴とする遠心ポンプを用いた全置換型人工心臓の制御システム。
  7. 請求項5記載の遠心ポンプを用いた全置換型人工心臓の制御システムにおいて、前記左心房圧に急激な圧力低下が認められた場合には、前記左心用血液ポンプの前記インペラの回転数を下げて左心房圧の上昇を促し、前記右心房圧に急激な圧力低下が認められた場合には、前記右心用血液ポンプの前記インペラの回転数を下げて右心房圧の上昇を促すことを特徴とする遠心ポンプを用いた全置換型人工心臓の制御システム。
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