JP4078245B2 - 人工心臓ポンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、人工心臓ポンプに関するもので、特に、血液を圧送する軸流ポンプを使用した人工心臓ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、医療用の代替又は補助心臓として、羽根車の回転を利用して血液を圧送する人工心臓ポンプが用いられている。この人工心臓ポンプとして、ローラポンプ又は遠心ポンプを利用するものと、軸流ポンプを利用するものとが提供されている。これらの各種類の人工心臓ポンプにおいて、軸流ポンプを利用したものの方が、ローラポンプ又は遠心ポンプに利用するものに比べて、サイズを小さく出来る。
【0003】
この軸流ポンプを利用した従来の人工心臓ポンプとして、ハウジングに内含されたモータステータと磁気的な反応を行うことでロータを回転させる永久磁石をインペラを備えたロータの内部に内含されるポンプ部材が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1の循環器支援システムにおけるポンプ部材では、ロータ内の永久磁石とモータステータとのギャップが広くなるため、ロータを回転させるためのモータの駆動効率が悪い。
【0004】
よって、モータの駆動効率を高くするために、従来技術として、インペラの外周側端面が内壁面に接合されたシュラウドを設けるとともに、このシュラウド内部に極異方性永久磁石を設けることで、モータステータに永久磁石を近接させた軸流ポンプによる人工心臓ポンプが提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、特許文献2の人工心臓ポンプにおいて、ロータは、その両端部分が支持されることによって、軸方向に対する支持が行われているため、ロータの先端部分がその回転により摩耗するとともに焼き付けを起こすなど機械的な損失が発生する。
【0005】
それに対して、本出願人も、図17に示すように、スラスト軸受けとして反発磁力を用いてロータ部分を支持するとともに、極異方性永久磁石を内含したシュラウドが設けられた軸流ポンプによる心臓ポンプを提案している。図17の心臓ポンプについて、以下に簡単に説明する。
【0006】
図17の心臓ポンプは、円筒状のハウジング101の内壁面に複数のディフューザ2を接合し、この複数のディフューザ2が外壁面に接合されることでハウジング1に固定軸103が支持される。そして、この固定軸103の上流側に嵌合された円筒状の回転軸104の外壁面に複数のインペラ5が接合される。このインペラ5が内壁面に接合される円筒状のシュラウド106は、その外壁面がハウジング101の内壁面と近接した位置に設けられる。
【0007】
又、シュラウド106の内部には、人工心臓ポンプの中心軸Xを中心として放射状に複数の極異方性永久磁石6aが設けられるとともに、その上流側にはリング状の永久磁石106bが設けられる。そして、極異方性永久磁石6aは、シュラウド106の外壁面に対して垂直に磁束を発生し、永久磁石106bは、中心軸Xの軸方向に平行に磁束を発生する。又、ハウジング101において、シュラウド106の外壁面に面する部分A(以下、「シュラウド嵌合部分A」と呼ぶ)に、シュラウド106の外壁面にその磁極が面するモータステータ1aが設けられ、シュラウド106の上流側端面に面する位置にリング状の永久磁石101bが設けられる。
【0008】
このように構成される人工心臓ポンプにおいて、モータステータ1aを構成する磁気コイルに3相電流など位相の異なる電流を流すことで、極異方性永久磁石6aに回転する動力が働き、回転軸104及びインペラ5及びシュラウド106がモータロータとして回転する。このとき、下流側の圧力が上流側の圧力に比べて高くなるため、回転軸104及びインペラ5及びシュラウド106が、下流側から上流側に向かって荷重が加わることとなり、シュラウド106の上流側端面がハウジング101のシュラウド嵌合部分Aにおける面1xと接しようとする。しかしながら、永久磁石101b及び永久磁石106bが、同一磁極が対面し反発するように設けられるため、その斥力によりシュラウド106がハウジング101と接することを防ぐ。
【0009】
【特許文献1】
特表2001−523983号公報(第23−26頁、第4、9図)
【特許文献2】
米国特許第6053705号明細書
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図17のような構成の人工心臓ポンプは、停止時と駆動時との荷重変化が大きく、又、永久磁石101b,106bによる磁気軸受のバネ定数が小さいため、停止時及び駆動時それぞれにおける回転軸104及びインペラ5及びシュラウド106の移動量(エンドプレイ)が大きくなる。そのため、シュラウド嵌合部分Aの軸方向の長さを十分なものにする必要がある。よって、駆動時において、シュラウド嵌合部分Aのシュラウド106と面していない部分に窪みが生じ、この窪みに偏流が生じて主流が乱れる原因となり、水力(ポンプ)効率の大幅な低下をもたらすこととなる。
【0011】
又、X軸方向に対して突発的な荷重変化があった場合や永久磁石101b,106bによる横滑りが生じたとき、ハウジング101とシュラウド106とが接触したり、固定軸103と回転軸104とが接触することにより、摩耗や焼き付けが生じる場合があり、機械的な欠損を招くこととなる。又、磨耗紛発生による生体への悪影響や、寿命の低下をもたらす。
【0012】
又、ハウジング101が停止しているとともにシュラウド106が回転しているため、ハウジング101の内壁面からシュラウド106の外壁面に向かって、シュラウド106の回転方向の血流の速度が速くなる。よって、ハウジング101の内壁面とシュラウド106の外壁面とが近接しすぎたとき、せん断応力が大きくなって赤血球の破壊を促して溶血量を増大させるため、ハウジング101の内壁面とシュラウド106の外壁面との間に隙間を設ける必要がある。このように設けたハウジング101とシュラウド106との間の隙間により、血液が逆流するため、ポンプ効率の低下をもたらすこととなる。
【0013】
更に、回転軸104及びインペラ5及びシュラウド106によるロータの回転におけるアンバランスを除去するために、シュラウド106の外壁を切削を施すが、このように切削してアンバランスの除去を施した場合、切削部分の粗度が悪化する。よって、この切削部分の粗度の悪化が原因となり、赤血球の破壊を促して溶血量を増大させてしまう。
【0014】
このような問題を鑑みて、本発明は、エンドプレイの影響を低減することによりポンプ効率を良くした人工心臓ポンプを提供することを目的とする。又、本発明は、装置内の摩耗及び焼き付けを防ぐことにより生体適合性を向上させ、かつ寿命を長くした人工心臓ポンプを提供することを別の目的とする。又、本発明は、切削することなくロータのアンバランスを除去することができる人工心臓ポンプを提供することを別の目的とする。
【0015】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の人工心臓ポンプは、ハウジングと、該ハウジング内の中心位置に固定された固定軸と、当該固定軸に嵌合した回転軸と、当該回転軸の外壁面に接合された複数のインペラと、その内壁面に当該インペラの外周側が接合された円筒状のシュラウドと、前記ハウジング内の前記シュラウドと対面する位置に内含されるとともに前記シュラウド外壁面に対して垂直な磁界を発生するモータステータと、前記シュラウド内に内含されるとともに前記シュラウドの外壁面に対して垂直な磁界を発生する異方性永久磁石と、を備えるとともに、前記ハウジングの内壁面の径が前記シュラウドと対面する位置において太い人工心臓ポンプにおいて、前記シュラウドの下流側端面の内径側に、下流側に突起したリング状の突起部を備え、前記回転軸が回転しているとき、前記ハウジングの内壁面の径太い部分が前記突起部によって覆われることを特徴とする。
【0016】
このように構成することで、前記ハウジングの前記シュラウドを覆う部分において形成される窪みが、前記突起部によって覆われるため、前記窪みへの偏流を防ぐことができ、血液の主流の乱れを抑制することができ、結果的にポンプ効率を高くすることができる。
【0017】
このような構成において、請求項2に記載するように、前記ハウジングの内壁面の径が細く且つ前記シュラウドの下流側端面付近の部分において、前記突起部の外径より太い円筒状の切欠部を設け、前記回転軸の回転が停止しているとき、前記切欠部に前記突起部が挿入されるようにしても構わない。このとき、前記突起部の内径を前記シュラウドの内径と同じにすることができるため、血液の主流の乱れを更に抑制することができる。
【0018】
又、請求項3に記載の人工心臓ポンプは、ハウジングと、該ハウジング内の中心位置に固定された固定軸と、当該固定軸に嵌合した回転軸と、当該回転軸の外壁面に接合された複数のインペラと、その内壁面に当該インペラの外周側が接合された円筒状のシュラウドと、前記ハウジング内の前記シュラウドと対面する位置に内含されるとともに前記シュラウド外壁面に対して垂直な磁界を発生するモータステータと、前記シュラウド内に内含されるとともに前記シュラウドの外壁面に対して垂直な磁界を発生する異方性永久磁石と、を備えるとともに、前記ハウジングの内壁面の径が前記シュラウドと対面する位置において太い人工心臓ポンプにおいて、前記回転軸が、前記固定軸の上流側先端部分を覆うとともに、前記回転軸の上流側先端部分内部に内含されるとともに血流の方向に磁界を発生する第1永久磁石と、該第1永久磁石と反発する磁界を発生する第2永久磁石と、当該第2永久磁石を内含し、その下流側端面が前記回転軸の上流側先端端面に面するとともに、前記ハウジングないの中心位置に固定されたコーンと、を備え、前記第1永久磁石と前記第2永久磁石によって前記回転軸と前記コーンとが接触するのを防ぐスラスト軸受形成されていることを特徴とする。
【0019】
このように構成することで、従来のように外径側に位置して回転速度が最も速くなる前記シュラウドに前記スラスト軸受を形成するための永久磁石を設ける必要がなくなり、前記シュラウドの軸方向の長さを短くすることができるため、せん断応力を抑制して、人工心臓ポンプにおける溶血特性を良好なものとすることができる。
【0020】
又、このような人工心臓ポンプにおいて、請求項4に記載するように、前記回転軸の上流側先端部分に、前記固定軸の外壁面と前記回転軸の内壁面との間の隙間に流れ込む血液を排出する排出口を設けて、前記固定軸の外壁面と前記回転軸の内壁面との間に流れ込む血液を排出し、血液の凝固を防ぐことができる。
【0021】
又、請求項4に記載の人工心臓ポンプにおいて、前記固定軸の上流側先端端面に、先端部分が前記排出口に挿入される尖頭状に突起したピボットを備えるようにすることで、前記固定軸の外壁面と前記回転軸の内壁面との接触を防ぐことができる。よって、前記固定軸及び前記回転軸の接触による摩耗及び焼き付けを防ぐことができるため、ポンプ効率を高くすることができるとともに、ポンプの長寿命化も図られ、更には溶血特性を良好なものとすることができる。
【0022】
又、請求項5に記載の人工心臓ポンプにおいて、前記回転軸の回転数が所定回転数より低いとき、前記ピボットの外壁面が前記排出口の内壁面と接触して、前記回転軸が前記固定軸に支持されるようにすることで、通常運転時には、前記回転軸が前記固定軸から浮上した状態として、前記ピボットとも非接触とし、前記ピボットでの摩耗及び焼き付けを防ぐ。このようにすることで、ポンプ効率を高くすることができるとともに、ポンプの長寿命化も図られ、溶血特性を良好なものとすることができる。
【0023】
又、請求項3又は請求項4に記載の人工心臓ポンプにおいて、請求項7に記載するように、前記固定軸の上流側先端端面に、スパイラルグルーブ軸受として働く溝が形成されるようにしても構わない。このとき、前記回転軸の下流側端面が前記固定軸の上流側先端端面に近接したとき、溝に流入する血液の圧力が高くなり、前記回転軸と前記固定軸との接触を防ぐことができる。よって、前記固定軸及び前記回転軸の接触による摩耗及び焼き付けを防ぐことができるため、ポンプ効率を高くすることができるとともに、ポンプの長寿命化も図られ、更には溶血特性を良好なものとすることができる。
【0024】
又、請求項8に記載するように、請求項3〜請求項7のいずれかに記載の人工心臓ポンプにおいて、前記コーンの下流側端面に、スパイラルグルーブ軸受として働く溝が形成されるようにしても構わない。このとき、前記回転軸の上流側先端端面が前記コーンの下流側端面に近接したとき、溝に流入する血液の圧力が高くなり、前記回転軸と前記コーンとの接触を防ぐことができる。よって、前記コーン及び前記回転軸の接触による摩耗及び焼き付けを防ぐことができるため、ポンプ効率を高くすることができるとともに、ポンプの長寿命化も図られ、更には溶血特性を良好なものとすることができる。
【0025】
又、請求項7又は請求項8に記載の人工心臓ポンプにおいて、請求項9に記載するように、前記固定軸又は前記コーンにおける前記溝を放射状に設ける。このとき、前記溝を湾曲させるようにしても構わない。又、前記固定軸に形成される溝を湾曲させるときは、前記回転軸の回転方向に進むにつれて内周側へと向かうように湾曲させ、又、前記コーンに形成される溝を湾曲させるときは、前記コーンの回転方向に進むにつれて外周側へと向かうように湾曲させる。
【0026】
又、請求項10に記載の人工心臓ポンプは、請求項3〜請求項9のいずれかに記載の人工心臓ポンプにおいて、その外周側が前記インペラの上流側の前記ハウジングの内壁面に接合されるとともに、前記血流を整流する静翼として働く複数の整流板を備え、前記コーンの外壁面に当該整流板の内周側が接合されることで、前記コーンが前記整流板を介して前記ハウジングに支持されることを特徴とする。
【0027】
又、請求項11に記載の人工心臓ポンプは、請求項3〜請求項10のいずれかに記載の人工心臓ポンプにおいて、前記シュラウドの下流側端面の内径側に、下流側に突起したリング状の突起部を備え、前記回転軸が回転しているとき、前記ハウジングの内壁面の径が太い部分が前記突起部によって覆われることを特徴とする。このとき、請求項12に記載するように、前記ハウジングの内壁面の径が細く且つ前記シュラウドの下流側端面付近の部分において、前記突起部の外径より太い円筒状の切欠部を設け、前記回転軸の回転が停止しているとき、前記切欠部に前記突起部が挿入されるようにしても構わない。
【0028】
又、請求項1〜請求項12に記載の人工心臓ポンプにおいて、請求項13に記載するように、前記シュラウドの上流側端面に、内壁面から外壁面に向かって放射状に構成される複数の逆流量低減溝を備えるようにしても構わない。該逆流量低減溝を設けることによって、該シュラウドの上流側端面の外壁面に向かって前記血液が流れようとして、前記シュラウドの上流側端面の外壁面付近における圧力が高くなる。よって、前記シュラウドの外壁面と前記ハウジングの内壁面との隙間における血液の逆流を防ぐことができ、ポンプ効率を高くすることができる。又、当該逆流量低減溝において、内壁から外壁の間でその幅を常に一定とするようにしても構わない。又、当該逆流量低減溝において、その幅が前記シュラウドの内壁から外壁に向かって狭くなるようにしても構わない。又、当該逆流量低減溝を湾曲させて、その湾曲方向が前記シュラウドの回転方向と同じ方向になるようにしても構わない。
【0029】
又、請求項14に記載の人工心臓ポンプは、ハウジングと、該ハウジング内の中心位置に固定された固定軸と、当該固定軸に嵌合した回転軸と、当該回転軸の外壁面に接合された複数のインペラと、その内壁面に当該インペラの外周側が接合された円筒状のシュラウドと、前記ハウジング内の前記シュラウドと対面する位置に内含されるとともに前記シュラウド外壁面に対して垂直な磁界を発生するモータステータと、前記シュラウド内に内含されるとともに前記シュラウドの外壁面に対して垂直な磁界を発生する異方性永久磁石と、を備えるとともに、前記ハウジングの内壁面の径が前記シュラウドと対面する位置において太い人工心臓ポンプにおいて、前記シュラウドの上流側端面に、内壁面から外壁面に向かって放射状に構成される複数の逆流量低減溝を備えることを特徴とする。
【0030】
又、請求項1〜請求項14のいずれかに記載の人工心臓ポンプにおいて、請求項15に記載するように、前記シュラウドの上流側端面に、周方向に沿って等間隔に形成される複数のアンバランス除去用穴を備え、前記回転軸及び前記インペラ及び前記シュラウドより成るロータのバランスを確認したときに回転の中心の偏心が確認されると、複数の前記アンバランス除去用穴において、偏心が確認された中心より最も遠くに位置する前記アンバランス除去用穴に比重の大きい第1材料を埋め込むとともに、当該第1材料が埋め込まれた前記アンバランス除去用穴以外の前記アンバランス除去用穴に該第1材料より比重の軽い第2材料を埋め込むようにしても構わない。
【0031】
このように構成することで、従来のように、切削して前記ロータのアンバランスを除去する必要がなくなるため、前記シュラウドを切削することによる溶血特性の悪化を防ぐことができる。
【0032】
又、請求項1〜請求項12のいずれかに記載の人工心臓ポンプにおいて、請求項16に記載するように、前記シュラウドの上流側端面に、周方向に沿って形成されるアンバランス除去用溝を備え、前記回転軸及び前記インペラ及び前記シュラウドより成るロータのバランスを確認したときに回転の中心の偏心が確認されると、前記アンバランス除去用溝において、偏心が確認された中心より最も遠くに位置する部分に比重の大きい第1材料を埋め込むとともに、当該第1材料が埋め込まれた部分以外の部分に該第1材料より比重の軽い第2材料を埋め込むようにしても構わない。
【0033】
このように構成することによって、前記アンバランス除去用穴に比べて、前記第1材料の埋め込み位置の自由度が増すため、より適正なアンバランス除去を行うことができる。
【0034】
又、請求項1〜請求項16のいずれかに記載の人工心臓ポンプにおいて、請求項17に記載するように、前記シュラウドの下流側端面に、周方向に沿って等間隔に形成される複数のアンバランス除去用穴を備え、前記回転軸及び前記インペラ及び前記シュラウドより成るロータのバランスを確認したときに回転の中心の偏心が確認されると、複数の前記アンバランス除去用穴において、偏心が確認された中心より最も遠くに位置する前記アンバランス除去用穴に比重の大きい第1材料を埋め込むとともに、当該第1材料が埋め込まれた前記アンバランス除去用穴以外の前記アンバランス除去用穴に該第1材料より比重の軽い第2材料を埋め込むようにしても構わない。
【0035】
又、請求項1〜請求項16のいずれかに記載の人工心臓ポンプにおいて、請求項18に記載するように、前記シュラウドの下流側端面に、周方向に沿って形成されるアンバランス除去用溝を備え、前記回転軸及び前記インペラ及び前記シュラウドより成るロータのバランスを確認したときに回転の中心の偏心が確認されると、前記アンバランス除去用溝において、偏心が確認された中心より最も遠くに位置する部分に比重の大きい第1材料を埋め込むとともに、当該第1材料が埋め込まれた部分以外の部分に該第1材料より比重の軽い第2材料を埋め込むようにしても構わない。
【0036】
又、請求項19に記載の人工心臓ポンプは、ハウジングと、該ハウジング内の中心位置に固定された固定軸と、当該固定軸に嵌合した回転軸と、当該回転軸の外壁面に接合された複数のインペラと、その内壁面に当該インペラの外周側が接合された円筒状のシュラウドと、前記ハウジング内の前記シュラウドと対面する位置に内含されるとともに前記シュラウド外壁面に対して垂直な磁界を発生するモータステータと、前記シュラウド内に内含されるとともに前記シュラウドの外壁面に対して垂直な磁界を発生する異方性永久磁石と、を備えるとともに、前記ハウジングの内壁面の径が前記シュラウドと対面する位置において太い人工心臓ポンプにおいて、前記シュラウドの上流側端面及び下流側端面の少なくとも一方に、周方向に沿って等間隔に形成される複数のアンバランス除去用穴を備え、前記回転軸及び前記インペラ及び前記シュラウドより成るロータのバランスを確認したときに回転の中心の偏心が確認されると、複数の前記アンバランス除去用穴において、偏心が確認された中心より最も遠くに位置する前記アンバランス除去用穴に比重の大きい第1材料を埋め込むとともに、当該第1材料が埋め込まれた前記アンバランス除去用穴以外の前記アンバランス除去用穴に該第1材料より比重の軽い第2材料を埋め込むことを特徴とする。
【0037】
又、請求項20に記載の人工心臓ポンプは、ハウジングと、該ハウジング内の中心位置に固定された固定軸と、当該固定軸に嵌合した回転軸と、当該回転軸の外壁面に接合された複数のインペラと、その内壁面に当該インペラの外周側が接合された円筒状のシュラウドと、前記ハウジング内の前記シュラウドと対面する位置に内含されるとともに前記シュラウド外壁面に対して垂直な磁界を発生するモータステータと、前記シュラウド内に内含されるとともに前記シュラウドの外壁面に対して垂直な磁界を発生する異方性永久磁石と、を備えるとともに、前記ハウジングの内壁面の径が前記シュラウドと対面する位置において太い人工心臓ポンプにおいて、前記シュラウドの上流側端面及び下流側端面の少なくとも一方に、周方向に沿って形成されるアンバランス除去用溝を備え、前記回転軸及び前記インペラ及び前記シュラウドより成るロータのバランスを確認したときに回転の中心の偏心が確認されると、前記アンバランス除去用溝において、偏心が確認された中心より最も遠くに位置する部分に比重の大きい第1材料を埋め込むとともに、当該第1材料が埋め込まれた部分以外の部分に該第1材料より比重の軽い第2材料を埋め込ことを特徴とする。
【0038】
【発明の実施の形態】
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態における人工心臓ポンプの構成を示す断面図である。図1において、図17と同一の部分については同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。又、図2は、図1の人工心臓ポンプにおけるハウジング内のY−Y位置における断面図である。
【0039】
図1の人工心臓ポンプは、円筒状のハウジング1と、ハウジング1の内壁面に接合された複数のディフューザ2と、複数のディフューザ2が外壁面に接合されることでハウジング1に支持された固定軸3と、固定軸3のディフューザ2との接合部分より上流側に嵌合された回転軸4と、回転軸4の外壁面に接合された複数のインペラ5と、インペラ5が接合されるとともにハウジング1の内壁面とその外壁面とが近接した位置に設けられる円筒状のシュラウド6と、シュラウド6よりも上流側に設けられるとともにハウジング1の内壁面に接合された複数の整流板7と、下流側の面が回転軸4の先端面に近接する位置に設けられるとともに整流板7が外壁面に接合されることでハウジング1に支持されたコーン8と、を備える。
【0040】
又、この人工心臓ポンプは、シュラウド6内部に極異方性永久磁石6aが備えられるとともに、ハウジング1内部にシュラウド6の外壁面にその磁極が面する電磁コイルより成るモータステータ1aが備えられる。又、極異方性永久磁石6aは、図2のように、人工心臓ポンプの中心軸Xを中心として放射状に複数設けられるとともに、その磁束の方向がハウジング1の内壁面に対して垂直な方向とされる。更に、隣接する極異方性永久磁石6aのハウジング1の内壁面に面する磁極を逆極性にする。よって、モータステータ1aを構成する磁気コイルに3相電流など位相の異なる電流を流すことで、極異方性永久磁石6aに回転する動力が働き、回転軸4及びインペラ5及びシュラウド6がモータロータとして回転する。
【0041】
又、ハウジング1のシュラウド嵌合部分Aにおける中心軸Xから内壁面までの半径raが、ハウジング1の他の部分における中心軸Xから内壁面までの半径rbにシュラウド6の厚みを加えた値よりもわずかに大きい値とする。このようにして、中心軸Xからシュラウド6の内壁面までの距離がハウジング1のシュラウド嵌合部分A以外の部分の半径rbと略等しくなるように設計される。更に、このハウジング1のシュラウド嵌合部分Aにおける中心軸Xの軸方向の長さLaが、シュラウド6の中心軸Xの軸方向の長さLbよりも長くなるように設計される。
【0042】
又、回転軸4の上流側先端部分の内壁面で固定軸3を覆うように設計され、固定軸3の上流側先端の端面3aが回転軸4の内壁における面4xと対向する。更に、この回転軸4は、回転軸4の下流側より固定軸3の外壁面と回転軸4の内壁面との間隙に流入する血液を排出するための排出口4bが上流側先端部分に設けられる。そして、整流板7におけるコーン8と接合されていない部分における内側端面が回転軸4の外壁面と近接するように設けられるとともに、整流板7の下流側端面がハウジング1のシュラウド嵌合部分Aにおける上流側の面1xとほぼ一致する位置となるように設けられる。
【0043】
又、回転軸4の上流側先端部分内部には、リング状の永久磁石4aが内含されるとともに、コーン8内部には、下流側の面が永久磁石4aの上流側の面と対向する永久磁石8aが内含される。このとき、永久磁石4aの上流側の面における磁極と永久磁石8aの下流側の面における磁極が同じ極性とされるため、永久磁石4a,8aによる斥力が働く。よって、永久磁石4a,8aが、中心軸Xの軸方向に対するスラスト軸受けとして機能し、人工心臓ポンプの駆動時にインペラ5よりも下流側の方が圧力が高くなることにより回転軸4が上流側に移動して、回転軸4の上流側先端の端面4yとコーン8の下流側の端面8xとが接触することを防ぐ。更に、人工心臓ポンプの停止時や低回転での駆動時には、モータステータ1aと極異方性永久磁石6aとに働く引力と永久磁石4a,8aによる斥力とが釣り合うことで、回転軸4が下流側に移動して、回転軸4の内壁面4xと固定軸3の先端端面3aとが接触することも防ぐ。
【0044】
又、固定軸3は、その断面が、図2のように、偏心した複数の円弧が組み合わされたオフセット形状で形成され、回転軸4及びインペラ5及びシュラウド6を含む回転体の中心軸Xに対する径方向のジャーナル軸受けとして機能する。尚、本実施形態では、4分の1円を4つ組み合わせたオフセット形状としているが、n(n≧2)分の1円となる円弧をn個組み合わせたオフセット形状としても構わない。
【0045】
このような構成の人工心臓ポンプにおいて、更に、シュラウド6の下流側端面に、図1のように、その内壁面がシュラウド6本体の内壁面と均一となるリング状の突起部6bが設けられるとともに、又、シュラウド6の上流側端面に、X軸を中心に放射状となる溝部6c(図4参照)が設けられる。又、ハウジング1のシュラウド嵌合部分Aにおける下流側の面1y近傍には、シュラウド6の突起部6bが挿入可能な切欠部1bが設けられる。このとき、切欠部1bのX軸方向の長さが突起部6bのX軸方向の長さに比べてわずかに長く、又、切欠部1bの径方向の幅が突起部6bの径方向の幅に比べてわずかに広い。
【0046】
このようにシュラウド6に突起部6bを設けることによって、駆動時に回転軸4及びインペラ5及びシュラウド6が上流方向に移動して、ハウジング1のシュラウド嵌合部Aにおける下流側の面1yとシュラウド6の下流側端面との間に発生する窪みへの偏流を防ぐことができる。又、シュラウド6の突起部6b及びハウジング1の切欠部1bとのに隙間をわずかに広く設けることにより、突起部6bと切欠部1bとの接触を防ぐとともに、突起部6bと切欠部1bとの間で発生するせん断応力を低減させる。
【0047】
この突起部6bと切欠部1bと間より血液がわずかに流入し、図3のように、シュラウド6の外壁面とハウジング1の内壁面との間を逆流しようとする。しかしながら、図4のように、シュラウド6の上流側端面に外周側の幅と内周側の幅が等しい溝部6cを放射状に設けることにより、溝部6cにおける血液がシュラウド6の回転による遠心力により、シュラウド6の外壁側に向かって流れ込もうとする。
【0048】
そのため、シュラウド6の上流側端面近傍の領域における圧力分布が、図5の実線のようになり、溝部6cを設けなかった場合に比べて、シュラウド6の外壁面における圧力が高くなる。尚、溝部6cを設けなかった場合は、図5の点線のようになる。よって、シュラウド6の下流側端面近傍の領域における圧力よりも、シュラウド6の上流側端面近傍の領域における圧力が高くなるため、シュラウド6の外壁面とハウジング1の内壁面との間における逆流を防ぐことができる。
【0049】
以上のことから、本実施形態では、エンドプレイにより従来発生していた駆動時におけるシュラウド6の下流側に生じる隙間空間体積の増加を突起部6bで抑制することができ、結果的に、血液の偏流を防いで、ポンプ効率の低下を防ぐことができる。又、シュラウド6の上流側端面に溝部6cを設けることで、シュラウド6の外壁面において上流側の圧力を高くすることができ、結果的に、血液の逆流を防いで、ポンプ効率の低下を防ぐことができる。
【0050】
尚、本実施形態において、シュラウド6に設ける溝部6cを、図6(a)のように、内壁面から外壁面に向かって幅が狭くなるようにしても構わない。このようにすることで、シュラウド6の外壁面近傍の圧力をより高くすることができ、逆流防止の効果を更に高くすることができる。又、本実施形態において、シュラウド6に設ける溝部6cを、図6(b)のように、内壁面から外壁面に向かってシュラウド6の回転方向と同じ方向に湾曲させるとともに放射状に設けるようにしても構わない。このとき、溝部6cがシュラウド6の回転方向と同じ方向に湾曲しているため、溝部6cに溜まった血液が、図4又は図6(a)のように単純に放射状に設ける場合と比べて、シュラウド6の遠心力の影響を大きく受けるため、シュラウド6の外壁面近傍の圧力をより高くすることができ、逆流防止の効果を更に高くすることができる。又、図17に示す従来の人工心臓ポンプに対しても適用可能である。
【0051】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。図7は、本実施形態における人工心臓ポンプの構成を示す断面図である。図7において、図1と同一の部分については同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0052】
図7の人工心臓ポンプは、図1の人工心臓ポンプと異なり、固定軸3の上流側先端端面3aの中心に尖頭状に突起したピボット3bが設けられるとともに、シュラウド6に設けられた突起部6b及びハウジング1に設けられた切欠部1bを除去した構成となる。このピボット3bの径は、回転軸4の上流側先端部に設けられる排出口4bの径よりも大きい。又、固定軸3の上流側先端端面3aにおいて、ピボット3bが設けられていない部分がX軸と垂直な平面とされ、回転軸4の内壁における面4xと平行になるように設計される。又、ピボット3bにおける排出口4bと接触する点から回転軸4の内壁における面4xまでの距離が、シュラウド6の下流側端面とハウジング1のシュラウド嵌合部Aにおける下流側の面1yとの距離よりも常に短くなるように設計される。
【0053】
よって、人工心臓ポンプの停止時や低回転での駆動時には、図8(a)のように、固定軸3のピボット3bに回転軸4の排出口4bが嵌合した状態となり、回転軸4が固定軸3のピボット3bによってX軸方向に支持されて、固定軸3の上流側先端端面3aと回転軸4の内壁における面4xとの接触を防ぐことができる。又、人工心臓ポンプにおける回転軸4の回転数が所定回転数を超えると、永久磁石4a,8aによる斥力よりも回転軸4の下流側と上流側の血液の圧力差による下流から上流方向への荷重が大きくなる。そして、図8(b)のように、排出口4bとピボット3bとの接触がなくなって、回転軸4が固定軸3より浮いた状態となる。
【0054】
又、このような人工心臓ポンプにおいて、図9のように、コーン8の上流側先端端面8xには、X軸からコーン8の外周に向かって放射状となるとともに回転軸4の回転方向と同一方向に湾曲した溝8cが形成される。この溝8cにより、回転軸4の上流側先端端面4yがコーン8の下流側端面8xに近接したとき、溝8c内に流入する血液の圧力が高くなるため、回転軸4の上流側先端端面4yとコーン8の下流側端面8xとの接触を防ぐスパイラルグルーブ軸受として働く。
【0055】
よって、本実施形態では、人工心臓ポンプの停止時及び駆動開始した低速回転時において、ピボット3bにより回転軸4を支持することで、回転軸4の内壁における面4xと固定軸3の上流側先端端面3aとの接触を防ぎ、面4xと先端端面3aとの間での摩耗及び焼き付けを防ぐことができる。そのため、人工心臓ポンプの駆動開始とともに回転軸4の内壁における面4xと固定軸3の上流側先端端面3aとを非接触の状態とするように、停止時の回転軸4の位置を永久磁石4a,8aによる斥力の影響の小さい位置とする必要がなく、エンドプレイの低減を図ることができる。
【0056】
このことから、エンドプレイが大きいために発生していた駆動時におけるシュラウド6の下流側に生じる隙間空間体積を従来に比べて低減することができ、結果的に、偏流する血液量を低減して、ポンプ効率の低下を防ぐことができる。又、このポンプ効率を更に高くするために、第1の実施形態と同様、シュラウド6に突起部6bを設けるとともにハウジング1に切欠部1bを設けた図10のような構成としても構わない。更にこのとき、シュラウド6の上流側端面に溝部6cを設けて、シュラウド6の外壁面とハウジング1の内壁面との間における血液の逆流を防ぐようにしても構わない。
【0057】
更に、バネ定数が大きい動圧軸受である溝8cによるスパイラルグルーブ軸受を回転軸4とコーン8との間に設けることにより、永久磁石4a,8aによって構成されるバネ定数の小さい磁気軸受に対してX軸方向の位置ずれを防ぐことができる。又、溝8cによるスパイラルグルーブ軸受によって回転軸4とコーン8とが近接しすぎることを防ぐことができるため、回転軸4とコーン8が近接することで永久磁石4a,8aの距離が減少して増大する横滑り力を抑制することができる。これらのことより、回転軸4と固定軸3及びコーン8との間での接触を防ぐとともに、この接触による摩耗及び焼き付けを防ぐことができる。
【0058】
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態について、図面を参照して説明する。尚、本実施形態において、第2の実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0059】
本実施形態の人工心臓ポンプは、第2の実施形態の人工心臓ポンプ(図7)と異なり、固定軸3の上流側先端端面3aの中心に尖頭状に突起したピボット3bが除去されるとともに、図11のように、この上流側先端端面3aにスパイラルグルーブ軸受として働くコーン8の溝8cと同様の溝3cが設けられた構成となる。この溝3cは、回転軸4による血流の回転方向と反対方向に湾曲された構成である。
【0060】
この溝3cにより、停止時において図12(a)のように回転軸4の内壁における面4xが固定軸3の上流側先端端面3aに接触した状態にあるが、回転軸4が回転を開始することによって、固定軸3の外壁面と回転軸4の内壁面との間に流れ込んだ血液が溝3cに流れ込み、この溝3c内に流入する血液の圧力が高くなる。そして、この溝3c内に流入する血液の圧力により、図12(b)のように回転軸4が固定軸3より浮いた状態となるとともに、回転軸4の内壁における面4xと固定軸3の上流側先端端面3aとの接触を防ぐスパイラルグルーブ軸受として働く。
【0061】
よって、本実施形態では、人工心臓ポンプを駆動開始した直後に、第2の実施形態のようにピボット3bで支持することなく、溝3cに流れ込む血液による圧力によって、回転軸4の内壁における面4xと固定軸3の上流側先端端面3aとの接触を防ぎ、面4xと先端端面3aとの間での摩耗及び焼き付けを防ぐことができる。そのため、低速回転時においても、第2の実施形態のようなピボット3bにおける接触も防ぐことができる。そして、第2の実施形態と同様、エンドプレイの低減を図ることができ、ポンプ効率の低下を防ぐことができる。
【0062】
尚、本実施形態において、このポンプ効率を更に高くするために、第1の実施形態と同様、シュラウド6に突起部6bを設けるとともにハウジング1に切欠部1bを設けた構成としても構わない。更に、シュラウド6の上流側端面に溝部6cを設けて、シュラウド6の外壁面とハウジング1の内壁面との間における血液の逆流を防ぐようにしても構わない。又、第1の実施形態と同様の構成にした場合、図1と同様の構成となるが、固定軸3及びコーン8にはそれぞれ、上述したスパイラルグルーブ軸受として働く溝3c,8cを備える。
【0063】
<第4の実施形態>
本発明の第4の実施形態について、図面を参照して説明する。図13は、本実施形態における人工心臓ポンプの構成を示す断面図である。図13において、図1と同一の部分については同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0064】
図13の人工心臓ポンプは、図1の人工心臓ポンプと異なり、シュラウド6の上流側端面及び下流側端面それぞれに周方向に沿った溝6d,6eが設けられるとともに、シュラウド6の上流側端面における溝部6cが除去された構成となる。このようにシュラウド6が構成される人工心臓ポンプにおいて、回転軸4及びインペラ5及びシュラウド6を回転させたときの周方向のバランスが確認されると、図14のように、回転軸4及びインペラ5及びシュラウド6によるロータの中心に偏心が確認されることがある。
【0065】
このとき、溝6d,6eそれぞれにおいて、図14(a)、(b)のように、偏心した中心Oから最も離れた位置p1,p2に比重の大きい材料よりなるピースPx,Pyを埋め込むとともに、ピースPx,Pyが埋め込まれた部分以外の部分にピースPx,Pyよりも比重の小さい材料より成るピースPz,Pwを埋め込む。尚、このピースPx,Py,Pz,Pwの材料については、例えば、ピースPx,Pyを金属材料とするとともにピースPz,Pwを樹脂材料としても構わない。このように、偏心が確認された中心より離れた位置に比重の大きい材料を埋め込むことによって、回転軸4及びインペラ5及びシュラウド6によるロータの中心軸をX軸とすることができ、そのアンバランスを除去することができる。
【0066】
又、従来のように、シュラウド6の外壁面を切削することにより、回転軸4及びインペラ5及びシュラウド6によるロータのアンバランスを除去する場合と比べて、シュラウド6の外壁面表面の粗度を悪化させることがない。よって、このシュラウド6の外壁面表面の粗度の悪化が原因となる溶血特性の悪化を抑制することができる。
【0067】
尚、本実施形態において、第2又は第3の実施形態と同様、固定軸3にピボット3b又はスパイラルグルーブ軸受として働く溝3cを構成するとともに、コーン8にスパイラルグルーブ軸受として働く溝8cを構成するようにしても構わない。又、このとき、シュラウド6の突起部6b及びハウジング1の切欠部1bを除去した構成としても構わない。又、図17に示す従来の人工心臓ポンプに対しても適用可能である。
【0068】
<第5の実施形態>
本発明の第5の実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態において、第4の実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0069】
本実施形態の人工心臓ポンプは、第4の実施形態の人工心臓ポンプ(図13)と異なり、図15のように、シュラウド6の上流側端面に溝6dの代わりに周方向に等間隔となる複数の穴6fが設けられた構成となる。この複数の穴6fはそれぞれ、シュラウド6の上流側端面に設けられた溝部6c及び溝部6cの間の山部6gそれぞれに設けられる。このようにシュラウド6が構成される人工心臓ポンプにおいて、回転軸4及びインペラ5及びシュラウド6を回転させたときの周方向のバランスが確認されると、第4の実施形態と同様、図16のように、回転軸4及びインペラ5及びシュラウド6によるロータの中心に偏心が確認されることがある。
【0070】
このとき、溝6eには、第4の実施形態と同様、図16(b)のように、偏心した中心Oから最も離れた位置p2に比重の大きい材料よりなるピースPyを埋め込むとともに、ピースPyが埋め込まれた部分以外の部分にピースPyよりも比重の小さい材料より成るピースPwを埋め込む。又、複数の穴6fについては、16(a)のように、偏心した中心Oから最も離れた位置p1に近い穴6fx,6fyに、比重の大きい材料よりなるピースPu1,Pu2を埋め込むとともに、穴6fx,6fy以外となる穴6fにピースPu1,Pu2よりも比重の小さい材料より成るピースPvを埋め込む。
【0071】
尚、このピースPu1,Pu2,Py,Pv,Pwの材料については、例えば、ピースPu1,Pu2,Pyを金属材料とするとともにピースPv,Pzを樹脂材料としても構わない。このように、偏心が確認された中心より離れた位置に比重の大きい材料を埋め込むことによって、回転軸4及びインペラ5及びシュラウド6によるロータの中心軸をX軸とすることができ、そのアンバランスを除去することができる。
【0072】
尚、本実施形態において、第4の実施形態と同様、第2又は第3の実施形態と同様、固定軸3にピボット3b又はスパイラルグルーブ軸受として働く溝3cを構成するとともに、コーン8にスパイラルグルーブ軸受として働く溝8cを構成するようにしても構わない。又、このとき、シュラウド6の突起部6b及びハウジング1の切欠部1bを除去した構成としても構わない。又、図17に示す従来の人工心臓ポンプに対しても適用可能である。
【0073】
又、シュラウド6の下流側端面において、溝6eの代わりに、シュラウド6の上流側端面に設けた穴6fと同様の穴を設けるようにしても構わない。このとき、このシュラウド6の下流側端面に設けられた穴においても、シュラウド6の上流側端面に設けた穴6fと同様、偏心が確認された中心より離れた位置に近い穴に比重の大きい材料を埋め込むとともに、比重の大きい材料が埋め込まれた穴以外の穴に比重の小さい材料を埋め込む。
【0074】
【発明の効果】
本発明によると、ハウジングのシュラウドを覆う部分において形成される窪みが、シュラウドに設けられた突起部によって覆われるため、血流における窪みへの偏流を防ぐことができ、血液の主流の乱れを抑制することができ、結果的にポンプ効率を高くすることができる。又、突起部が挿入される切欠部を設けることで、ハウジングに突起部の内径をシュラウドの内径と同じにすることができるため、血液の主流の乱れを更に抑制することができる。
【0075】
又、本発明によると、回転軸内の第1永久磁石とコーン内の第2永久磁石でスラスト軸受を形成するため、従来のように外径側に位置して回転速度が最も速くなるシュラウドにスラスト軸受を形成するための永久磁石を設ける必要がなくなる。よって、シュラウドの軸方向の長さを短くすることができるため、せん断応力を抑制して、人工心臓ポンプにおける溶血特性を良好なものとすることができる。更に、回転軸に排出口を設けることで、前記固定軸の外壁面と前記回転軸の内壁面との間に流れ込む血液を排出し、血液の凝固を防ぐことができる。
【0076】
又、固定軸にピボットを設けて回転軸を支持することで、前記固定軸及び前記回転軸の接触による摩耗及び焼き付けを防ぐことができるため、ポンプ効率を高くすることができるとともに、溶血特性を良好なものとすることができる。更に、所定回転数を超えたとき、ピボットと排出口が非接触となることで、通常運転時には、回転軸が固定軸から浮上した状態となり、ピボットとも非接触として、ピボットでの摩耗及び焼き付けを防ぐ。よって、ポンプ効率を更に高くすることができるとともに、溶血特性を良好なものとすることができる。
【0077】
又、固定軸の上流側先端端面に、スパイラルグルーブ軸受として働く溝を形成することで、回転軸の下流側端面が固定軸の上流側先端端面に近接したとき、溝に流入する血液の圧力が高くなり、回転軸と固定軸との接触を防ぐことができる。よって、固定軸及び回転軸の接触による摩耗及び焼き付けを防ぐことができるため、ポンプ効率を高くすることができるとともに、溶血特性を良好なものとすることができる。
【0078】
又、コーンの下流側端面に、スパイラルグルーブ軸受として働く溝を形成することで、回転軸の上流側先端端面がコーンの下流側端面に近接したとき、溝に流入する血液の圧力が高くなり、回転軸とコーンとの接触を防ぐことができる。よって、コーン及び回転軸の接触による摩耗及び焼き付けを防ぐことができるため、ポンプ効率を高くすることができるとともに、溶血特性を良好なものとすることができる。
【0079】
又、シュラウドに逆流量低減溝を設けるため、シュラウドの上流側端面の外壁面に向かって血液が流れようとして、シュラウドの上流側端面の外壁面付近における圧力が高くなる。よって、シュラウドの外壁面とハウジングの内壁面との隙間における血液の逆流を防ぐことができ、ポンプ効率を高くすることができる。
【0080】
又、シュラウドの上流側端面又は下流側端面のいずれか一方に、アンバランス除去用穴又はアンバランス除去用溝を設け、このアンバランス除去用穴又はアンバランス除去用溝に比重の異なる材料を埋め込むことでバランス調整を行うため、従来のように、切削してロータのアンバランスを除去する必要がなくなる。よって、シュラウドを切削することによる表面粗度の悪化を防ぐことができ、結果的に溶血特性の悪化を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態の人工心臓ポンプの構成を示す軸方向の断面図。
【図2】 図1の人工心臓ポンプにおけるY−Y断面図。
【図3】 血液の逆流を説明するためのシュラウド近傍の拡大図。
【図4】 シュラウドの上流側端面の構成を示す図。
【図5】 シュラウドの上流側端面における圧力分布を示す図。
【図6】 シュラウドの上流側端面の別の構成を示す図。
【図7】 第2の実施形態の人工心臓ポンプの構成を示す軸方向の断面図。
【図8】 第2の実施形態の人工心臓ポンプの停止時と駆動時の状態を示す図。
【図9】 スパイラルグルーブ軸受を構成するコーンの下流側端面の形状を示す図。
【図10】 第2の実施形態の人工心臓ポンプの別の構成を示す軸方向の断面図。
【図11】 スパイラルグルーブ軸受を構成する固定軸の上流側先端端面の形状を示す図。
【図12】 第3の実施形態の人工心臓ポンプの停止時と駆動時の状態を示す図。
【図13】 第4の実施形態の人工心臓ポンプの構成を示す軸方向の断面図。
【図14】 第4の実施形態の人工心臓ポンプにおけるシュラウドの上流側端面及び下流側端面の構成を示す図。
【図15】 第5の実施形態の人工心臓ポンプのシュラウドの上流側端面に設けられたアンバランス除去用の穴の構成を示す図。
【図16】 第5の実施形態の人工心臓ポンプにおけるシュラウドの上流側端面及び下流側端面の構成を示す図。
【図17】 従来の人工心臓ポンプの構成を示す軸方向の断面図。
【符号の説明】
1 ハウジング
2 ディフューザ
3 固定軸
4 回転軸
5 インペラ
6 シュラウド
7 整流板
8 コーン

Claims (20)

  1. ハウジングと、該ハウジング内の中心位置に固定された固定軸と、当該固定軸に嵌合した回転軸と、当該回転軸の外壁面に接合された複数のインペラと、その内壁面に当該インペラの外周側が接合された円筒状のシュラウドと、前記ハウジング内の前記シュラウドと対面する位置に内含されるとともに前記シュラウド外壁面に対して垂直な磁界を発生するモータステータと、前記シュラウド内に内含されるとともに前記シュラウドの外壁面に対して垂直な磁界を発生する異方性永久磁石と、を備えるとともに、前記ハウジングの内壁面の径が前記シュラウドと対面する位置において太い人工心臓ポンプにおいて、
    前記シュラウドの下流側端面の内径側に、下流側に突起したリング状の突起部を備え、
    前記回転軸が回転しているとき、前記ハウジングの内壁面の径太い部分が前記突起部によって覆われることを特徴とする人工心臓ポンプ。
  2. 前記ハウジングの内壁面の径が細く且つ前記シュラウドの下流側端面付近の部分において、前記突起部の外径より太い円筒状の切欠部を設け、
    前記回転軸の回転が停止しているとき、前記切欠部に前記突起部が挿入されることを特徴とする請求項1に記載の人工心臓ポンプ。
  3. ハウジングと、該ハウジング内の中心位置に固定された固定軸と、当該固定軸に嵌合した回転軸と、当該回転軸の外壁面に接合された複数のインペラと、その内壁面に当該インペラの外周側が接合された円筒状のシュラウドと、前記ハウジング内の前記シュラウドと対面する位置に内含されるとともに前記シュラウド外壁面に対して垂直な磁界を発生するモータステータと、前記シュラウド内に内含されるとともに前記シュラウドの外壁面に対して垂直な磁界を発生する異方性永久磁石と、を備えるとともに、前記ハウジングの内壁面の径が前記シュラウドと対面する位置において太い人工心臓ポンプにおいて、
    前記回転軸が、前記固定軸の上流側先端部分を覆うとともに、
    前記回転軸の上流側先端部分内部に内含されるとともに血流の方向に磁界を発生する第1永久磁石と、
    該第1永久磁石と反発する磁界を発生する第2永久磁石と、
    当該第2永久磁石を内含し、その下流側端面が前記回転軸の上流側先端端面に面するとともに、前記ハウジングないの中心位置に固定されたコーンと、
    を備え、
    前記第1永久磁石と前記第2永久磁石によって前記回転軸と前記コーンとが接触するのを防ぐスラスト軸受形成されていることを特徴とする人工心臓ポンプ。
  4. 前記回転軸の上流側先端部分に、前記固定軸の外壁面と前記回転軸の内壁面との間の隙間に流れ込む血液を排出する排出口を備えることを特徴とする請求項3に記載の人工心臓ポンプ。
  5. 前記固定軸の上流側先端端面に、先端部分が前記排出口に挿入される尖頭状に突起したピボットを備えることを特徴とする請求項4に記載の人工心臓ポンプ。
  6. 前記回転軸の回転数が所定回転数より低いとき、前記ピボットの外壁面が前記排出口の内壁面と接触して、前記回転軸が前記固定軸に支持されることを特徴とする請求項5に記載の人工心臓ポンプ。
  7. 前記固定軸の上流側先端端面に、スパイラルグルーブ軸受として働く溝が形成されることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の人工心臓ポンプ。
  8. 前記コーンの下流側端面に、スパイラルグルーブ軸受として働く溝が形成されることを特徴とする請求項3〜請求項7のいずれかに記載の人工心臓ポンプ。
  9. 前記固定軸又は前記コーンにおける前記溝が放射状に設けられることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の人工心臓ポンプ。
  10. その外周側が前記インペラの上流側の前記ハウジングの内壁面に接合されるとともに、前記血流を整流する静翼として働く複数の整流板を備え、
    前記コーンの外壁面に当該整流板の内周側が接合されることで、前記コーンが前記整流板を介して前記ハウジングに支持されることを特徴とする請求項3〜請求項9のいずれかに記載の人工心臓ポンプ。
  11. 前記シュラウドの下流側端面の内径側に、下流側に突起したリング状の突起部を備え、
    前記回転軸が回転しているとき、前記ハウジングの内壁面の径が太い部分が前記突起部によって覆われることを特徴とする請求項3〜請求項10のいずれかに記載の人工心臓ポンプ。
  12. 前記ハウジングの内壁面の径が細く且つ前記シュラウドの下流側端面付近の部分において、前記突起部の外径より太い円筒状の切欠部を設け、
    前記回転軸の回転が停止しているとき、前記切欠部に前記突起部が挿入されることを特徴とする請求項11に記載の人工心臓ポンプ。
  13. 前記シュラウドの上流側端面に、内壁面から外壁面に向かって放射状に構成される複数の逆流量低減溝を備えることを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれかに記載の人工心臓ポンプ。
  14. ハウジングと、該ハウジング内の中心位置に固定された固定軸と、当該固定軸に嵌合した回転軸と、当該回転軸の外壁面に接合された複数のインペラと、その内壁面に当該インペラの外周側が接合された円筒状のシュラウドと、前記ハウジング内の前記シュラウドと対面する位置に内含されるとともに前記シュラウド外壁面に対して垂直な磁界を発生するモータステータと、前記シュラウド内に内含されるとともに前記シュラウドの外壁面に対して垂直な磁界を発生する異方性永久磁石と、を備えるとともに、前記ハウジングの内壁面の径が前記シュラウドと対面する位置において太い人工心臓ポンプにおいて、
    前記シュラウドの上流側端面に、内壁面から外壁面に向かって放射状に構成される複数の逆流量低減溝を備えることを特徴とする人工心臓ポンプ。
  15. 前記シュラウドの上流側端面に、周方向に沿って等間隔に形成される複数のアンバランス除去用穴を備え、
    前記回転軸及び前記インペラ及び前記シュラウドより成るロータのバランスを確認したときに回転の中心の偏心が確認されると、複数の前記アンバランス除去用穴において、偏心が確認された中心より最も遠くに位置する前記アンバランス除去用穴に比重の大きい第1材料を埋め込むとともに、当該第1材料が埋め込まれた前記アンバランス除去用穴以外の前記アンバランス除去用穴に該第1材料より比重の軽い第2材料を埋め込むことを特徴とする請求項1〜請求項14のいずれかに記載の人工心臓ポンプ。
  16. 前記シュラウドの上流側端面に、周方向に沿って形成されるアンバランス除去用溝を備え、
    前記回転軸及び前記インペラ及び前記シュラウドより成るロータのバランスを確認したときに回転の中心の偏心が確認されると、前記アンバランス除去用溝において、偏心が確認された中心より最も遠くに位置する部分に比重の大きい第1材料を埋め込むとともに、当該第1材料が埋め込まれた部分以外の部分に該第1材料より比重の軽い第2材料を埋め込むことを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれかに記載の人工心臓ポンプ。
  17. 前記シュラウドの下流側端面に、周方向に沿って等間隔に形成される複数のアンバランス除去用穴を備え、
    前記回転軸及び前記インペラ及び前記シュラウドより成るロータのバランスを確認したときに回転の中心の偏心が確認されると、複数の前記アンバランス除去用穴において、偏心が確認された中心より最も遠くに位置する前記アンバランス除去用穴に比重の大きい第1材料を埋め込むとともに、当該第1材料が埋め込まれた前記アンバランス除去用穴以外の前記アンバランス除去用穴に該第1材料より比重の軽い第2材料を埋め込むことを特徴とする請求項1〜請求項16のいずれかに記載の人工心臓ポンプ。
  18. 前記シュラウドの下流側端面に、周方向に沿って形成されるアンバランス除去用溝を備え、
    前記回転軸及び前記インペラ及び前記シュラウドより成るロータのバランスを確認したときに回転の中心の偏心が確認されると、前記アンバランス除去用溝において、偏心が確認された中心より最も遠くに位置する部分に比重の大きい第1材料を埋め込むとともに、当該第1材料が埋め込まれた部分以外の部分に該第1材料より比重の軽い第2材料を埋め込むことを特徴とする請求項1〜請求項16のいずれかに記載の人工心臓ポンプ。
  19. ハウジングと、該ハウジング内の中心位置に固定された固定軸と、当該固定軸に嵌合した回転軸と、当該回転軸の外壁面に接合された複数のインペラと、その内壁面に当該インペラの外周側が接合された円筒状のシュラウドと、前記ハウジング内の前記シュラウドと対面する位置に内含されるとともに前記シュラウド外壁面に対して垂直な磁界を発生するモータステータと、前記シュラウド内に内含されるとともに前記シュラウドの外壁面に対して垂直な磁界を発生する異方性永久磁石と、を備えるとともに、前記ハウジングの内壁面の径が前記シュラウドと対面する位置において太い人工心臓ポンプにおいて、
    前記シュラウドの上流側端面及び下流側端面の少なくとも一方に、周方向に沿って等間隔に形成される複数のアンバランス除去用穴を備え、
    前記回転軸及び前記インペラ及び前記シュラウドより成るロータのバランスを確認したときに回転の中心の偏心が確認されると、複数の前記アンバランス除去用穴において、偏心が確認された中心より最も遠くに位置する前記アンバランス除去用穴に比重の大きい第1材料を埋め込むとともに、当該第1材料が埋め込まれた前記アンバランス除去用穴以外の前記アンバランス除去用穴に該第1材料より比重の軽い第2材料を埋め込むことを特徴とする人工心臓ポンプ。
  20. ハウジングと、該ハウジング内の中心位置に固定された固定軸と、当該固定軸に嵌合した回転軸と、当該回転軸の外壁面に接合された複数のインペラと、その内壁面に当該インペラの外周側が接合された円筒状のシュラウドと、前記ハウジング内の前記シュラウドと対面する位置に内含されるとともに前記シュラウド外壁面に対して垂直な磁界を発生するモータステータと、前記シュラウド内に内含されるとともに前記シュラウドの外壁面に対して垂直な磁界を発生する異方性永久磁石と、を備えるとともに、前記ハウジングの内壁面の径が前記シュラウドと対面する位置において太い人工心臓ポンプにおいて、
    前記シュラウドの上流側端面及び下流側端面の少なくとも一方に、周方向に沿って形成されるアンバランス除去用溝を備え、
    前記回転軸及び前記インペラ及び前記シュラウドより成るロータのバランスを確認したときに回転の中心の偏心が確認されると、前記アンバランス除去用溝において、偏心が確認された中心より最も遠くに位置する部分に比重の大きい第1材料を埋め込むとともに、当該第1材料が埋め込まれた部分以外の部分に該第1材料より比重の軽い第2材料を埋め込ことを特徴とする人工心臓ポンプ。
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