JP4175940B2 - VoIP電話システムおよびVoIP電話システムにおける通信制御方法 - Google Patents

VoIP電話システムおよびVoIP電話システムにおける通信制御方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、VoIP(Voice over Internet Protocol)電話システムおよびVoIP電話システムにおける通信制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インターネットやイントラネットのようなIP(Internet Protocol)ネットワークを利用して音声信号を送る技術であるVoIPを用いて中継交換を行ない、電話通信サービスを行なうようにするIP電話が提供されている。
【0003】
このIP電話においては、発信側と受信側とはそれぞれに割り当てられたIPアドレスを用いて、電話音声をIPパケットにより伝送することにより、通話が可能となるものであり、安価な通話料で通話が可能となるため、普及が拡大している。
【0004】
そして、例えば特許文献1(特開2000−32057号公報)や特許文献2(特開2001−285358号公報)などに記載されているように、このIP電話においても、従来からの電話と同様に、話中に着信があった場合に、予め設定された転送先に転送する機能などをIP電話機に設けることが提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−32057号公報。
【0006】
【特許文献2】
特開2001−285358号公報。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のIP電話サービスを用いた電話通信においても、例えば企業向けのボタン電話システムと同様のサービスを提供できるVoIP電話システムが考えられている。図20は、このVoIP電話システムを用いた通信網の概要を説明するための図である。
【0008】
図20において、1Aおよび1Bは、それぞれVoIP電話システムを示すもので、それぞれ一つのLAN(Local Area Network)を形成している。そして、各VoIP電話システム1A,1Bは、例えばインターネットなどのIPネットワーク2を通じて接続される。この場合、例えば、VoIP電話システム1Aは東京本社用のシステムとし、VoIP電話システム1Bは大阪支社用のシステムとすることができる。
【0009】
VoIP電話システム1A,1Bのそれぞれは、ケーブルや無線による接続方式で構成されるLAN11AおよびLAN11Bのそれぞれに対して、主装置12Aおよび12Bと、複数のVoIP用電話端末(以下、説明の簡単のため、単に電話端末という場合もある)13A1,13A2,・・・,13Anおよび複数の電話端末13B1,13B2,・・・,13Bmと、ルーター14Aおよび14Bが接続されて構成されている。
【0010】
ルーター14Aおよびルーター14Bは、一つのVoIP電話システムと、他のVoIP電話システムとを、IPネットワーク2を通じて接続するときに用いられる。
【0011】
この例の場合、例えば、それぞれのVoIP電話システム1A,1Bに対しては、IPネットワーク2内におけるシステム番号が付与されると共に、それぞれのVoIP電話システム1A,1B内の電話端末13A1〜13nおよび13B1〜13Bmに対しては、予め端末番号(例えば内線番号)が付与されており、主装置12A,12Bは、他のVoIP電話システムについての呼制御用のアドレスを前記システム番号に対応して記憶していると共に、それぞれのVoIP電話システム1A,1B内における電話端末の呼制御用のアドレスを、前記端末番号(内線番号)に対応して記憶している。
【0012】
後述するように、呼制御のためのメッセージ、この例では、SIP(Session Initiation Protocol)標準のメッセージが、主装置を介して、各VoIP電話システム1A,1B内の電話端末間において、やり取りされることにより、各VoIP電話システム内の電話端末間において、音声通話路を形成することが可能となる。
【0013】
ルーターを超えて、他のVoIP電話システム内の電話端末との間で通信を行なう場合には、ルーターをそれぞれ介して、主装置間においても呼制御メッセージのやり取りが行なわれ、ルーターを介した音声通話路を形成することが可能になる。
【0014】
図21および図22は、一つのVoIP電話システム内の電話端末間での発信から通話までの処理を説明するための経路説明図およびシーケンス図である。この図21および図22の例は、VoIP電話システム1Aにおける或る電話端末Xから、他の或る電話端末Yに対して発信した場合である。なお、図21および図22において、二重線の実線矢印は、音声データの伝送を示し、その他の一重線の実線矢印は、SIP標準の呼制御メッセージの伝送を示している。
【0015】
図22のシーケンス図に示すように、発信端末である電話端末X(以下、発信端末Xという)が電話端末Yを着信端末(以下、着信端末Yという)として指定した発信(発信)を行なうと、その発信メッセージは、主装置12Aで受信される。この発信メッセージには、発信端末Xのメディア待ち受け用IPアドレスとポート番号(メディア待ち受け用IPアドレスとポート番号の情報は、メディア待ち受け用アドレス情報である)およびメディア種別(この場合には音声データであることを示す情報である。以下同様)の情報とが含まれている。これらのデータは、SDP(Session Description Protocol)に従ったものとされている。以下、同様である。
【0016】
主装置12Aは、この発信メッセージを受信すると、着信端末Yに対して、この発信メッセージを転送する。着信端末Yは、使用中でなければ、発信要求受付メッセージを主装置12Aに返す。着信端末Yは、発信メッセージに含まれる情報により、発信端末Xのメディア待ち受け用IPアドレスとポート番号およびメディア種別を認識する。そして、着信端末Yは、自分のメディア待ち受け用IPアドレスとポート番号およびメディア種別の情報を含む応答メッセージを主装置12Aに返す。
【0017】
主装置12Aは、この応答を受信すると、着信端末Yのメディア待ち受け用IPアドレスとポート番号およびメディア種別の情報を含む応答メッセージを、発信端末Xに転送する。この応答メッセージを受信することにより、発信端末Xは、着信端末Yのメディア待ち受け用IPアドレスとポート番号、メディア種別を認識する。
【0018】
以上により、発信端末Xと、着信端末Yとは、それぞれ相手方のメディア待ち受け用IPアドレスとポート番号を認識することになる。したがって、その後、発信端末Xと、着信端末Yとは、それら認識した相手方のメディア待ち受け用IPアドレスとポート番号により、送信相手を特定した音声データパケットをLAN11Aを通じて直接的にやり取りすることにより、音声通話が可能となる。
【0019】
また、異なるVoIP電話システムに含まれる電話端末同士の通話は、ルーターを介することにより、ほぼ同様に行なわれる。図23は、その場合の発信から通話までの処理を説明するための経路説明図である。この図23の例は、VoIP電話システム1Aの或る電話端末Xが発信端末であり、VoIP電話システム1Bの或る電話端末Zが着信端末である場合である。
【0020】
なお、図21、図22と同様に、図23においても、二重線の実線矢印は、音声データの伝送を示し、その他の一重線の実線矢印は、SIP(SessionInitiation Protocol)標準のメッセージを示している。
【0021】
この場合には、発信端末Xからの着信端末Zを指定した発信メッセージは、主装置12A−ルーター14A−ルーター14B−主装置12Bを介して着信端末Zに送られて、発信端末Xのメディア待ち受け用IPアドレスとポート番号およびメディア種類の情報が、着信端末Zに認識される。
【0022】
また、着信端末Zからの応答メッセージは、主装置12B−ルーター14B−ルーター14A−主装置12Aを介して発信端末Xに送られて、着信端末Zのメディア待ち受け用IPアドレスとポート番号およびメディア種類の情報が、発信端末Xに認識される。
【0023】
以上のようにして、発信端末Xと、着信端末Yあるいは着信端末Zとは、それぞれ相手方のメディア待ち受け用IPアドレスとポート番号を認識し、それら認識した相手方のメディア待ち受け用IPアドレスとポート番号により、送信相手を特定して、ルーター14Aおよび14Bを通じて、音声データパケットをやり取りすることにより、音声通話が可能となる。
【0024】
ところで、この種のVoIP電話システムでは、ビジネスボタン電話機能として良く用いられる一斉音声呼び出し機能などの付加機能を備えることが、使い勝手の点で重要である。この一斉音声呼び出し機能は、一斉音声呼び出しの特番により指定されるグループを構成するVoIP用電話端末のすべてに、共通の音声データを一斉に伝送するようにするものであり、同一内容の音声メッセージを複数の端末の使用者に一斉に伝えることができる。
【0025】
従来のボタン電話システムの場合には、主装置が、制御メッセージを解析して、通話路を切り替え制御する構成であったので、一斉音声呼び出し機能は、主装置が集中的に管理することにより実現できた。しかしながら、VoIP電話システムの場合には、通話路は、主装置の管理下になく、前述したように、パケットヘッダに宛先アドレス情報(送信先アドレス情報)として含まれる、メディア待ち受け用IPアドレスとポート番号により、電話端末間でパケットの送受がなされるようになっている。
【0026】
このようにVoIP電話システムにおいては、従来のボタン電話システムの主装置のように、制御メッセージを解析して通話路を切り替え制御する構成ではないため、ビジネスボタン電話機能として良く用いられる一斉音声呼び出し機能を実現する場合には、VoIP用電話端末自身にその機能を持たせるか、発信者が、一斉音声呼び出し対象のすべての電話端末に対して、順次に送るようにする必要がある。
【0027】
しかしながら、すべてのVoIP用電話端末に一斉音声呼び出し機能を設けるのでは、VoIP用電話端末が高価格となり、好ましくない。
【0028】
この発明は、以上の点にかんがみ、VoIP用電話端末に一斉音声呼び出し機能を設けなくとも、上述のような問題点を回避できるVoIPシステムを提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、この発明においては、
IP(Internet protocol)ネットワークからなるローカルエリアネットワークに接続される複数個のVoIP(Voice over Internet Protocol)電話端末と、
前記ローカルエリアネットワークに接続され、呼に関連する制御系メッセージを授受し、前記VoIP用電話端末間の通信を制御するための主装置手段と、
前記ローカルエリアネットワークに接続され、前記VoIP用電話端末間における音声データの授受を中継するための音声データ伝送中継手段と、
を備え、前記VoIP用電話端末の複数個からなる1または複数のグループの情報が、各グループに付与された呼出番号と対応付けられて、前記主装置手段に記憶され、前記グループの呼出番号を伴う一斉音声呼び出し発信要求に基づいて、前記呼出番号により指定されるグループ内の複数個の前記VoIP用電話端末に同一内容の音声情報を共通に提供する機能を備えるVoIP電話システムであって、
前記主装置手段は、
前記一斉音声呼び出し発信要求があったときに、
前記音声データ伝送中継手段に対して、前記発信要求があったことと、着信側における前記音声データの授受のためのアドレス情報を含まずに前記発信要求側における前記音声データの送受のためのアドレス情報を伝える手段と、
前記発信要求側に対して、前記音声データ伝送中継手段から取得した前記発信要求側用の当該音声データ伝送中継手段における前記音声データの授受のためのアドレス情報を伝える手段と、
前記呼出番号により指定されるグループに含まれるVoIP用電話端末のすべてに、前記音声データ伝送中継手段から取得した、当該音声データ伝送中継装置から前記VoIP用電話端末にマルチキャストパケットにより音声データを送信するときの送信先アドレス情報を含む前記一斉音声呼び出し開始要求を、マルチキャストパケットにより伝える手段と
を備え、
前記音声データ伝送中継手段は、
前記主装置手段から、前記発信要求側における前記音声データの送受のためのアドレス情報と着信側における前記音声データの授受のためのアドレス情報とを受信したときに、前記発信要求側との間および前記着信側との間に、通話音声の通話路を形成することにより、前記発信要求側と前記着信側との間に通話路を形成すると共に、
前記主装置手段から、前記一斉音声呼び出し発信要求があったことと、前記着信側における前記音声データの授受のためのアドレス情報を含まずに前記発信要求側における前記音声データの送受のためのアドレス情報を受信したときに、
前記発信要求側用の当該音声データ伝送中継手段における前記音声データの授受のためのアドレス情報と、当該音声データ伝送中継装置が送信するときの送信先アドレス情報とを前記主装置手段に伝える手段と、
前記一斉音声呼び出し発信要求をした前記発信要求側からのユニキャストパケットの音声データを受信したときには、当該受信した音声データを、前記送信先アドレス情報を含むマルチキャストパケットに変換して前記グループ内のすべての端末に対して転送する
ことを特徴とするVoIP電話システムを提供する。
【0030】
【作用】
上述の構成のこの発明においては、音声データ伝送中継手段が主装置手段とは別個に設けられ、VoIP用電話端末同士で、直接に音声データパケットのやり取りをするのではなく、この音声データ伝送中継手段を介してやり取りすることにより、音声データの伝送がなされる。
【0031】
したがって、主装置手段からの制御の下に、この音声データ伝送中継手段を用いることにより、一斉音声呼び出し機能が実現できる。
【0032】
すなわち、あるVoIP用電話端末から、一斉音声呼び出し発信要求があると、主装置手段は、記憶している一斉音声呼び出しのグループの情報から、その発信要求に含まれる呼出番号で指定されるグループに含まれるVoIP用電話端末を認識する。
【0033】
そして、一斉音声呼び出し発信要求を受けた主装置手段は、音声データ伝送中継手段に対して、前記発信要求があったことと、発信端末における前記音声データの送受のためのアドレス情報を伝える。
【0034】
これを受けて、音声データ伝送中継手段は、主装置手段に、発信端末用の当該音声データ伝送中継手段における前記音声データの授受のためのアドレス情報と、当該音声データ伝送中継装置が送信するときの送信先アドレス情報とを主装置手段に伝える。これを受けた主装置手段は、発信端末用の当該音声データ伝送中継手段における前記音声データの授受のためのアドレス情報を発信端末に通知する。
【0035】
これにより、発信端末は、一斉音声呼び出しの音声データの宛先アドレスとして、音声データ伝送中継手段のアドレス情報を認識する。
【0036】
主装置手段は、また、音声データ伝送中継手段から受信した当該音声データ伝送中継装置が送信するときの送信先アドレス情報を伴って、呼出番号で指定されたグループの各VoIP用電話端末のすべての一斉音声呼び出し開始要求を送る。これを受けた各VoIP用電話端末は、マルチキャストパケットとして送られてくる一斉音声呼び出しの音声データの宛先アドレス(送信先アドレス)を知り、例えば、当該宛先アドレスのマルチキャストパケットを取り込んで、スピーカで再生する状態にする。
【0037】
その後、発信端末から、ユニキャストパケットにより前記一斉音声呼び出しの音声データのパケットがIPネットワークを通じて音声データ伝送中継手段に送られてくると、音声データ伝送中継手段は、そのパケットを前記送信先アドレスのマルチキャストパケットに変換して、IPネットワークに送出する。
【0038】
すると、前記グループ内の各VoIP用電話端末では、当該マルチキャストパケットを受信して、例えばスピーカで再生する。以上により、一斉音声呼び出しの機能が実現される。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、この発明によるVoIPシステムの実施の形態を、図を参照しながら説明する。
【0040】
図1は、この発明によるVoIP電話システムの実施形態を用いた通信網の概要を説明するための図である。この図1の実施形態は、前述した図20の構成にこの発明を適用した場合である。図1に示すように、この実施形態においては、ハードウエア的には、VoIP電話システム1A,1Bは、図20の構成に加えて、LAN11A,11Bに対して音声データ伝送中継手段としてのメディアスイッチ15A、15Bが接続されて構成される。
【0041】
この実施形態においては、主装置12A,12Bとメディアスイッチ15A,15Bとの間では、制御メッセージは、ユニキャストパケットによるローカルなメッセージとしてやり取りを行なう。これにより、主装置12A,12Bは、メディアスイッチ15A,15Bに対して、発信側と着信側とにおける前記音声データの送受のためのアドレス情報としてのメディア待ち受け用アドレス情報(IPアドレスおよびポート番号)を伝え、また、主装置12A,12Bは、メディアスイッチ15A,15Bから、当該メディアスイッチ15A,15Bのそれぞれにおける音声データの伝送のためのアドレス情報としてのメディア待ち受け用アドレス情報(IPアドレスおよびポート番号)を受け取る。
【0042】
そして、主装置12A,12Bは、発信側の電話端末と着信側の電話端末とに対して、取得したメディアスイッチ15A,15Bにおける音声データの伝送のためのアドレス情報を伝える。主装置12A,12Bと、電話端末との間の制御メッセージのやり取りは、この例では、前述と同様に、SIP標準のメッセージとして行なわれる。
【0043】
[VoIP用電話端末のハードウエア構成例]
この実施の形態のVoIP電話システムにおけるVoIP用電話端末13A1〜13Anおよび13B1〜13Bmは、全く同一のハードウエア構成を備える。図2に、VoIP用電話端末13A1のハードウエア構成例を、その代表として示す。この実施の形態のVoIP用電話端末は、図2に示すように、端末本体100と、ハンドセットHSとからなる。ハンドセットHSは、図示を省略したが、送話器を構成するマイクロホンと、送話アンプと、受話器を構成するスピーカと、受話アンプとを備えている。
【0044】
端末本体100は、コンピュータにより構成されており、CPU(Central Processing Unit)110に対して、システムバス111を介して、ROM(Read Only Memory)112と、RAM(Random Access Memory)113と、ディスプレイコントローラ114と、操作入力インターフェイス(図ではインターフェイスはI/Fと記載する。以下同じ)116と、LANインターフェイス118と、パケット分解/生成部119と、音声データ入出力インターフェイス120とが接続されている。
【0045】
ディスプレイコントローラ114には、ディスプレイ115が接続されており、このディスプレイ115の表示画面には、CPU110の制御にしたがった表示が行われる。
【0046】
また、操作入力インターフェイス116には、テンキー、カーソルキーやその他の操作キーを含む操作入力部117が接続されている。CPU110は、操作入力インターフェイス116を介して操作入力部117を通じて使用者がいずれの入力キーを操作したかを認識し、その認識結果に基づいて、キー入力操作に応じた処理をROM112のプログラムに従って実行する。
【0047】
ROM112には、VoIP用電話端末としての発信時や着信時の処理シーケンスを実行するプログラム、保留、転送の要求入力を受け付け、保留、転送時の処理を実行するためのプログラムなどが記憶されている。
【0048】
RAM113は、主としてROM112のプログラムがCPU110によって実行される際にワークエリアとして使用される。
【0049】
LANインターフェイス118は、IPネットワークを構成するLAN11Aを通じて送られてくるパケット化データを取り込み、また、LAN11Aにパケット化データを送出するための機能を備える。
【0050】
パケット分解/生成部119は、LANインターフェイス118により取り込んだパケット化データを分解して、制御データや音声データを得る機能と、送信する制御データや音声データをパケット化して送出するパケット化データを生成する機能を有する。このパケット分解/生成部119は、パケット化データを分解したり、生成したりするためのバッファメモリを備える。
【0051】
なお、このパケット分解/生成部119のパケット分解処理機能や生成処理機能は、CPU110と、ROM112とにより、ソフトウエアとして実現することもできる。
【0052】
音声データ入出力インターフェイス120は、パケット分解されて得られた音声データをアナログ音声信号に変換してハンドセットHSに供給し、また、ハンドセットHSから入力されるアナログ音声信号をデジタル信号に変換して取り込む機能を備える。
【0053】
[主装置のハードウエア構成例]
次に、この実施形態のシステムにおける主装置12A,12Bのハードウエア構成例を説明する。主装置12Aと12Bとは全く同一の構成であるので、図3に、主装置12Aの構成を代表として示す。
【0054】
この実施形態の主装置は、例えばパーソナルコンピュータにより構成されるもので、図3に示すように、CPU210に対して、システムバス211を介してROM212と、RAM213と、LANインターフェイス214と、パケット処理部215と、プロトコル処理部216と、サービス処理部217と、メディア制御部218と、管理メモリ部219とが接続されている。
【0055】
ROM212には、呼に関連する制御のための処理シーケンスを実行するためのプログラムなどの主装置が実行する処理プログラムが記憶されている。RAM213は、主としてROM212のプログラムがCPU210によって実行される際にワークエリアとして使用される。
【0056】
また、LANインターフェイス214は、LAN11Aを通じて送られてくるパケット化データを取り込み、また、LAN11Aにパケット化データを送出するための機能を備える。
【0057】
パケット処理部215は、LANインターフェイス214により取り込んだパケット中の制御のためのメッセージデータを解読するために、受信したパケットを分解し、また、送信する制御のためのデータをパケット化する機能を有する。パケット処理部215は、パケット化データを分解/生成したり、パケットの送受信処理したりするために一時保存するためのバッファメモリを備える。
【0058】
プロトコル処理部216は、授受するパケットのプロトコルを管理する。サービス処理部217は、一斉音声呼び出しなどのサービス処理をするために用いられる。メディア制御部218は、音声通話路の制御のための処理を行なう。プロトコル処理部216、サービス処理部217およびメディア処理部218は、ROM212に記憶されるプログラムとしてソフトウエア的に構成される場合もある。
【0059】
管理メモリ部219には、自VoIP電話システムに割り当てられたシステム番号や、他のVoIP電話システムに割り当てられたシステム番号とIPアドレスとの対応関係、それぞれのVoIP電話システム1A,1B内におけるVoIP用電話端末の呼制御用のアドレスを、前記端末番号(内線番号)に対応して記憶している。
【0060】
また、管理メモリ部219には、一斉音声呼び出しが行なわれる単位となる複数個のVoIP用電話端末からなるグループの情報が登録されて記憶されている。各グループにどのVoIP用電話端末が含まれるかは、ユーザにより予め設定される。また、各グループには一斉音声呼び出しのための呼出番号が付与されていて、その呼出番号と共に、各グループの情報(グループに含まれる電話端末の情報など)が管理メモリ部219に記憶されている。そして、グループとしては、ルーター14Aを経由して通信が行なわれる他のVoIP電話システムのグループも登録可能である。
【0061】
なお、この実施形態においては、自VoIP電話システム内のグループであるか、他のVoIP電話システム内のグループであるかは、一斉音声呼び出しの呼出番号により、識別可能とされている。また、この実施形態では、例えば、一斉音声呼び出し発信要求に複数個のグループの呼出番号を含めることにより、複数個のグループを呼び出すようにすることも可能とされている。
【0062】
[メディアスイッチのハードウエア構成例]
次に、この実施形態のシステムにおけるメディアスイッチ15A,15Bのハードウエア構成例を説明する。メディアスイッチ15Aと15Bとは全く同一の構成であるので、図4に、メディアスイッチ15Aの構成を代表として示す。
【0063】
この実施形態のメディアスイッチは、例えばパーソナルコンピュータにより構成されるもので、図4に示すように、CPU310に対して、システムバス311を介してROM312と、RAM313と、LANインターフェイス314と、パケット処理部315と、音声データパケットアドレス変換部316とが接続されている。
【0064】
ROM312には、音声通話路生成、一斉音声呼び出し機能のための処理シーケンスを実行するためのプログラムなどのメディアスイッチ15Aが実行する処理プログラムが記憶されている。RAM313は、主としてROM312のプログラムがCPU310によって実行される際にワークエリアとして使用される。
【0065】
また、LANインターフェイス314は、LAN11Aを通じて送られてくるパケット化データを取り込み、また、LAN11Aにパケット化データを送出するための機能を備える。
【0066】
パケット処理部315は、LANインターフェイス314により取り込んだパケット中の制御のためのメッセージデータを解読するために、受信したパケットを分解し、また、送信する制御のためのデータをパケット化する機能を有する。パケット処理部315は、パケット化データを分解/生成したり、パケットの送受信処理したりするために一時保存するためのバッファメモリを備える。
【0067】
音声データパケットアドレス変換部316は、発信端末や着信端末のメディア待ち受け用IPアドレスおよびポート番号や、その際に用いる自身のメディア待ち受け用IPアドレスおよびポート番号を記憶保持して、それらのアドレス情報を用いて、パケットの相手先アドレスを変換する処理を行なう。すなわち、音声データパケットは、メディアスイッチ宛てに送られてくるので、メディアスイッチは、その受信したパケットの宛先アドレスを、最終的に到達すべき電話端末のメディア待ち受け用アドレスおよびポート番号に変換して、LAN11Aに送り出すようにする。
【0068】
[実施形態のVoIP電話システムにおける通常の通話時の処理]
次に、以上のように構成されたVoIP電話システムにおける通話時の処理を以下に説明する。先ず、一つのVoIP電話システム内における通話時の処理動作を説明し、後で、ルーターを用いた他のVoIP電話システムの電話端末との間における通話時の処理について説明する。
【0069】
[1]一つのVoIP電話システム内における通話時の処理動作
一つのVoIP電話システム内における通話、保留、転送の処理シーケンス図を、図5に示す。また、その際の主装置12Aあるいは12Bでの処理のフローチャートを図6に示す。また、その際のメディアスイッチ15Aあるいは15Bでの処理のフローチャートを図7に示す。
【0070】
図6のフローチャートの各処理ステップの動作は、主装置のCPU210がROM212のプログラムに従って実行するものであり、また、図7のフローチャートの各処理ステップの動作は、メディアスイッチのCPU310がROM312のプログラムに従って実行するものである。
【0071】
以下に説明する例は、VoIP電話システム1Aの電話端末Xが、当該VoIP電話システム1A内の他の電話端末Yに対して発信を行なって、両者の間で通話を行なうようにした場合である。
【0072】
なお、図5においても、二重線の実線矢印は、音声データの伝送を示し、その他の一重線の実線矢印は、SIP標準の呼制御メッセージの伝送を示している。また、点線の矢印は、ユニキャストパケットによるローカルなメッセージの伝送を示している。
【0073】
図5から判るように、主装置12Aとメディアスイッチ15Aとの間では、ユニキャストパケットによるローカルなメッセージとして制御のためのデータがやり取りされ、主装置12Aと電話端末X,Y,Zとの間では、SIP標準のメッセージにより、制御のためのデータがやり取りされるものである。
【0074】
[メディアスイッチを用いた通話]
図5のシーケンス図、図6のフローチャート(主装置12Aの動作)および図7のフローチャート(メディアスイッチ15Aの動作)を参照して、この実施形態のVoIP電話システム1Aにおける通話路形成までの処理について説明する。
【0075】
この場合、先ず、図5に示すように、発信端末Xからの着信端末Yへの発信メッセージは、主装置12Aに送られる。主装置12Aは、この発信メッセージを受け取ったことを判別すると(図6のステップS101)、発信メッセージに含まれる着番号を解析して、着信先を決定し(この場合には、電話端末Yを着信端末として決定する)、発信端末Xに発信要求受付メッセージを返す(ステップS102)。
【0076】
また、発信メッセージを受け取った主装置12Aは、メディア情報設定取得要求をメディアスイッチ15Aに送る(ステップS103)。このメディア情報設定取得要求は、前述したように、ユニキャストパケットによるローカルなメッセージであり、これには、発信端末Xのメディア待ち受け用IPアドレスとポート番号およびメディア種別の情報が含まれる。
【0077】
メディアスイッチ15Aは、このメディア情報設定取得要求を受信したことを判別したときには(図7のステップS201)、前記発信端末Xのメディア待ち受け用IPアドレスとポート番号およびメディア種別の情報を取得し、記憶する(ステップS202)。
【0078】
メディア種別の情報は、この例では、音声データであることを示す情報となるので、メディアスイッチ15Aは、このメディア情報設定取得要求を受信することにより、発信端末Xの音声データの待ち受け用IPアドレスとポート番号を知る。
【0079】
次に、メディアスイッチ15Aは、メディア取得情報を主装置12Aに返す(ステップS203)。このメディア取得情報には、発信端末X用の当該メディアスイッチ15Aにおけるメディア待ち受け用IPアドレスとポート番号と、相手端末(ここでは着信端末Y)用の当該メディアスイッチ15Aにおけるメディア待ち受け用IPアドレスとポート番号とを含む。
【0080】
主装置12Aは、このメディアスイッチ15Aからのメディア取得情報を受信する(ステップS104)。次に、主装置12Aは、着信端末Yへ発信メッセージを送る(ステップS105)。このときの着信端末Yへの発信メッセージには、メディアスイッチ15Aから受信した着信端末Y用の当該メディアスイッチ15Aにおけるメディア待ち受け用IPアドレスとポート番号およびメディア種別の情報が含まれる。
【0081】
したがって、着信端末Yは、この発信メッセージから、発信端末Xに対する音声データの宛先アドレスとして、自端末Y用の当該メディアスイッチ15Aにおけるメディア待ち受け用IPアドレスとポート番号を認識することができる。そして、着信端末Yは、発信要求を受け付けることができる状態であれば、発信要求受付メッセージを主装置12Aに返す。
【0082】
主装置12Aは、着信端末Yからの発信要求受付を受信したかどうか判別し(ステップS106)、発信要求受付を受信しなかった場合には、発信要求受付失敗のシーケンスに移行する。ここでは、発信要求受付失敗のシーケンスについては記述を省略する。
【0083】
ステップS106で、着信端末Yからの発信要求受付を受信したと判別したときには、着信端末Yからは、当該着信端末Yのメディア待ち受け用IPアドレスとポート番号およびメディア種別の情報を含む応答メッセージが送られてくるので、主装置12Aは、それを受信する(ステップS107)。
【0084】
そして、主装置12Aは、受信した着信端末Yのメディア待ち受け用IPアドレスとポート番号およびメディア種別を含むメディア情報設定を、メディアスイッチ15Aに送る(ステップS108)。
【0085】
メディアスイッチ15Aでは、主装置12Aからのメディア情報設定を受信したかどうかを監視し(図7のステップS204)、メディア情報設定を予め定めた所定時間受信しないと判別したときには(ステップS205)、発信要求が失敗に終わったと認識して、それまでの呼設定に関する情報をリセットし(ステップS206)、ステップS201に戻る。
【0086】
また、メディアスイッチ15Aは、ステップS204で、メディア情報設定を受信したと判別したときには、相手端末としての前記着信端末Yのメディア待ち受け用IPアドレスとポート番号およびメディア種別の情報を取得し、記憶する(ステップS207)。
【0087】
メディア種別の情報は、この例では、音声データであることを示す情報であるので、メディアスイッチ15Aは、このメディア情報設定を受信することにより、着信端末Yの音声データの待ち受け用IPアドレスとポート番号を知る。
【0088】
前記メディア情報設定をメディアスイッチ15Aに送信した主装置12Aは、また、発信端末X用のメディアスイッチ15Aの待ち受け用IPアドレスとポート番号およびメディア種別の情報を含む応答メッセージを発信端末Xに転送する(図6のステップS109)。
【0089】
以上のようにして、主装置12Aからは、メディアスイッチ15Aには、発信端末Xおよび着信端末Yのメディア待ち受け用IPアドレスおよびポート番号が通知されると共に、発信端末Xおよび着信端末Yには、それぞれの端末用のメディアスイッチ15Aにおけるメディア待ち受け用IPアドレスおよびポート番号が通知される。
【0090】
発信端末Xおよび着信端末Yは、通話用の音声データパケットを、それぞれの端末用のメディアスイッチにおけるメディア待ち受け用IPアドレスおよびポート番号を宛先として送信する。このことにより、両端末X,Y間で音声通話がなされる。
【0091】
このとき、メディアスイッチ15Aは、発信端末Xから受け取った音声データパケットの送信先アドレスは、音声データパケットアドレス変換部316において、着信端末Yのメディア待ち受け用IPアドレスおよびポート番号に変換して、LAN11Aに送出し、着信端末Yに向けて送信する(図7のステップS208)。
【0092】
メディアスイッチ15Aは、また、着信端末Yから受け取った音声データパケットの送信先アドレスは、音声データパケットアドレス変換部316において、発信端末Xのメディア待ち受け用IPアドレスおよびポート番号に変換して、LAN11Aに送出し、発信端末Xに向けて送信する(ステップS208)。
【0093】
そして、主装置12Aは、上述したような通話状態において、発信端末Xあるいは着信端末Yのいずれかから終話要求があったかどうか判別し(図6のステップS110)、終話要求があったときには、終話処理を行ない(ステップS111)、この処理ルーチンを終了する。
【0094】
終話処理には、主装置12Aからメディアスイッチ15Aに対して終話による接続解除要求を送る処理が含まれる。メディアスイッチ15Aは、この接続解除要求を受信したと判別したときには(図7のステップS209)、メディアスイッチ15A内に記憶した音声データパケットアドレス変換のためのデータをリセットして(ステップS210)、処理ルーチンを終了する。
【0095】
以上のようにして、この実施形態では、音声データは、発信端末Xと着信端末Yとで、直接にやり取りするのではなく、メディアスイッチ15Aを介してやり取りする。この場合の発信から接続までの流れを説明したものを図8に示す。この図8においても、一重線の実線矢印は、SIP標準の呼制御のためのメッセージであり、点線で示したものは、ユニキャストパケットによるローカルなメッセージである。そして、音声データは、二重線の実線矢印で、その伝送路を示した。
【0096】
[2]二つのVoIP電話システム間における通話時の処理動作
上述の実施形態の説明は、同じ一つのVoIP電話システム内の複数の電話端末についての通話についてであるが、ルーターを用いた他のVoIP電話システム内の電話端末との間における通話については、次のようにして処理される。
【0097】
以下に説明する例は、VoIP電話システム1A内の発信端末Xが、VoIP電話システム1Bに含まれる端末Zを着信端末Yとして、発信要求処理した場合の例である。
【0098】
図9および図10は、この場合のシーケンスの要部を示すもので、図面サイズの都合上、2図に分けたものである。図9は、VoIP電話システム1A側での処理シーケンスを示し、図10は、VoIP電話システム1B側の処理シーケンスを示しており、図9と図10とは、丸で囲んだ英記号A,B,C,Dの部分で接続されるものである。
【0099】
なお、この図9および図10においても、一重線の実線矢印は、SIP標準の呼制御のためのメッセージであり、点線で示したものは、ユニキャストパケットによるローカルなメッセージである。そして、音声データは、二重線の実線矢印で、その伝送路を示した。ここで、音声データは、ユニキャストパケットにより伝送される。
【0100】
なお、このVoIP電話システム間の通話時の処理の主要な部分は、VoIP電話システム内での通話時の処理シーケンスとほぼ同様であるので、主装置12A,12Bおよびメディアスイッチ15A,15Bが行なう処理のフローチャートは省略する。
【0101】
図9に示すように、この例においては、VoIP電話システム1A内の発信端末Xは、VoIP電話システム1B内の電話端末Zを着信端末として指定した発信メッセージを主装置12Aに送る。この発信メッセージには、着番号の情報、発信端末Xのメディア待ち受け用アドレス情報(IPアドレスとポート番号)およびメディア種別の情報が含まれる。
【0102】
主装置12Aは、この発信メッセージを受け取ると、それに含まれる着番号を解析して、着信先を決定する。そして、主装置12Aは、発信端末Xに対して発信受付メッセージを返す。
【0103】
また、主装置12Aは、メディアスイッチ15Aにメディア情報設定取得要求を送る。このメディア情報設定取得要求には、発信端末Xのメディア待ち受け用IPアドレスとポート番号の情報が含まれる。
【0104】
メディアスイッチ15Aは、主装置12Aからのメディア情報設定取得要求を受信すると、それに含まれる発信端末Xのメディア待ち受け用IPアドレスとポート番号の情報を取得して記憶する。そして、メディアスイッチ15Aは、メディア取得情報を主装置12Aに返す。
【0105】
このメディア取得情報には、発信端末X用のメディアスイッチ15Aのメディア待ち受け用IPアドレスとポート番号の情報と、着信相手用のメディアスイッチ15Aのメディア待ち受け用IPアドレスとポート番号の情報とが含まれる。着信相手は、VoIP電話システム1Bに含まれる電話端末Zであるので、この着信相手用のアドレス情報は、システム1B用のメディア待ち受け用アドレス情報として主装置12Aで認識されることになる。
【0106】
このメディア取得情報を受け取った主装置12Aは、電話端末Zを着信先とする発信メッセージを、VoIP電話システム1Bの主装置15Bに宛てて、ルーター14Aおよび14Bを通じて送る。この発信メッセージには、VoIP電話システム1B用のメディアスイッチ15Aのメディア待ち受け用アドレス情報(IPアドレスとポート番号)およびメディア種別情報が含まれる。
【0107】
図10に示すように、この端末Zへの発信メッセージを受け取った主装置12Bは、当該VoIP電話システム1B内のメディアスイッチ15Bに対してメディア情報設定取得要求を送る。このメディア情報設定取得要求には、メディアスイッチ15Aのメディア待ち受け用IPアドレスとポート番号の情報が含まれる。
【0108】
メディアスイッチ15Bは、このメディア情報設定取得要求を受信すると、それに含まれるメディアスイッチ15Aのメディア待ち受け用IPアドレスとポート番号の情報を取得して記憶する。そして、メディアスイッチ15Bは、メディア取得情報を主装置12Bに返す。
【0109】
このメディア取得情報には、メディアスイッチ15A用のメディアスイッチ15Bのメディア待ち受け用IPアドレスとポート番号の情報と、着信相手用のメディアスイッチ15Bのメディア待ち受け用IPアドレスとポート番号の情報とが含まれる。着信相手は、電話端末Zであるので、この着信相手用のアドレス情報は、着信端末Z用のメディア待ち受け用IPアドレスとポート番号の情報として主装置12Bで認識されることになる。
【0110】
このメディア取得情報を受け取った主装置15Bは、着信端末Zに対して発信メッセージを転送する。この発信メッセージには、着信端末Z用のメディアスイッチ15Bのメディア待ち受け用IPアドレスとポート番号の情報およびメディア種別情報が含まれる。
【0111】
したがって、着信端末Zは、この発信メッセージから、発信端末Xに対する音声データの宛先アドレスとして、当該メディアスイッチ15Bにおけるメディア待ち受け用IPアドレスとポート番号を認識することができる。そして、着信端末Zは、発信要求を受け付けることができる状態であれば、発信要求受付メッセージを主装置12Bに返す。
【0112】
また、着信端末Zは、当該着信端末Zのメディア待ち受け用IPアドレスとポート番号の情報およびメディア種別情報を含む応答メッセージを主装置12Bに返す。主装置12Bは、受信した着信端末Zのメディア待ち受け用IPアドレスとポート番号の情報およびメディア種別情報を含むメディア情報設定を、メディアスイッチ15Bに送る。メディアスイッチ15Bは、このメディア情報設定を受信することにより、着信端末Zの音声データの待ち受け用アドレス情報を知り、それを記憶する。
【0113】
メディア情報設定をメディアスイッチ15Bに送信した主装置12Bは、メディアスイッチ15Bのメディア待ち受け用IPアドレスとポート番号の情報およびメディア種別情報を含む応答メッセージを、ルーター14Bおよび14Aを通じて、VoIP電話システム1Aの主装置12Aに転送する。
【0114】
この応答メッセージを受信した主装置12Aは、受信したメディアスイッチ15Bのメディア待ち受け用アドレス情報を含むメディア情報設定をメディアスイッチ15Aに送る。メディアスイッチ15Aは、このメディアスイッチ15Bのメディア待ち受け用アドレス情報を、着信端末Zに対するメディア待ち受け用アドレス情報として記憶する。
【0115】
応答メッセージを受信した主装置12Aは、また、メディアスイッチ15Aから受信していた発信端末X用のメディアスイッチ15Aのメディア待ち受け用アドレス情報およびメディア種別情報を、発信端末Xに送る。発信端末Xは、この発信端末X用のメディアスイッチ15Aのメディア待ち受け用アドレス情報を、着信端末Zからの音声データパケットを受け取るためのアドレス情報として認識する。
【0116】
以上のようにして、呼制御メッセージの授受がなされることにより、メディアスイッチ15A,15Bを通じて、発信端末Xと着信端末Zとの間で音声データパケットがやり取りされて、通話が行なわれる。
【0117】
すなわち、発信端末Xからは、呼制御メッセージの授受により主装置12Aから通知されたメディアスイッチ15Aの発信端末X用のメディア待ち受け用IPアドレスおよびポート番号を宛先アドレスとして音声データパケットが送出される。したがって、この発信端末Xからの音声データパケットは、メディアスイッチ15Aで受信される。
【0118】
この音声データパケットを受信したメディアスイッチ15Aは、宛先アドレスを、メディアスイッチ15Bのメディアスイッチ15A用のメディア待ち受け用IPアドレスとポート番号の情報に変換してルーター14Aを通じてIPネットワーク2に送出する。したがって、このメディアスイッチ15Aからの音声データパケットは、VoIP電話システム1Bのルーター14Bを通じてメディアスイッチ15Bで受信される。
【0119】
メディアスイッチ15Bは、受け取った音声データパケットの宛先アドレスを、着信端末Zのメディア待ち受け用IPアドレスとポート番号の情報に変換して送出する。したがって、着信端末Zに当該音声データパケットが到達する。
【0120】
逆に、着信端末Zからは、呼制御メッセージの授受により主装置12Bから通知されたメディアスイッチ15Bの着信端末Z用のメディア待ち受け用IPアドレスおよびポート番号を宛先アドレスとして音声データパケットが送出される。したがって、この着信端末Zからの音声データパケットは、メディアスイッチ15Bで受信される。
【0121】
この音声データパケットを受信したメディアスイッチ15Bは、宛先アドレスを、メディアスイッチ15Aのメディアスイッチ15B用のメディア待ち受け用IPアドレスとポート番号に変換してルーター14Bを通じてIPネットワーク2に送出する。したがって、このメディアスイッチ15Bからの音声データパケットは、VoIP電話システム1Aのルーター14Aを通じてメディアスイッチ15Aで受信される。
【0122】
メディアスイッチ15Aは、受け取った音声データパケットの宛先アドレスを、発信端末Xのメディア待ち受け用アドレス情報に変換して送出する。したがって、発信端末Xに当該音声データパケットが到達する。
【0123】
以上の発信端末Xからの着信端末Zへの発信から、通話路形成までにおける呼制御メッセージと、その経路および通話路の状態を図11に示す。この図11においても、二重線の矢印は、音声通路を示し、点線はユニキャストパケットによるローカルなメッセージの伝送路を示し、実線矢印は、制御系メッセージの伝送路を示している。
【0124】
[一斉音声呼び出し機能の説明]
以上のようにメディアスイッチを設けたことにより、この実施形態では、VoIP用電話端末に一斉音声呼び出し機能を設けなくても、一斉音声呼び出し(以下、一斉音声呼び出しをページングと称する)機能を実現できる。以下、その処理動作について説明する。
【0125】
図12は、ページングが一つのVoIP電話システム内のグループでのみ行なわれる場合(以下、システム内ページングと称する)のシーケンス例を示す図である。また、図13〜図15は、ページングが一つのVoIP電話システム内のみならず、他のVoIP電話システムのグループにも渡って行なわれる場合(システム間ページングと称する)のシーケンス例を示す図である。
【0126】
そして、図16および図17は、ページング処理の際の主装置12Aあるいは12Bの処理を説明するためのフローチャートである。また、図18および図19は、ページング処理の際のメディアスイッチ15Aあるいは15Bの処理を説明するためのフローチャートである。
【0127】
[1]システム内ページングの処理
図12の例は、VoIP電話システム1Aにおいて、3個の電話端末A,B,Cがページングのグループを構成しており、このページングのグループを指定したページング特番への発信が、端末Aからなされた場合である。
【0128】
すなわち、図12に示すように、先ず、電話端末Aから3個の電話端末A,B,Cのグループを指定するページング特番への発信メッセージが主装置12Aに対して送られる。
【0129】
主装置12Aは、このページング特番への発信メッセージを受け取ると(図16のステップS121)、ページングサービスを起動し、発信端末Aに発信受付メッセージを返す(ステップS122)。そして、主装置12Aは、ページング特番により指定されるグループが、当該VoIP電話システム1A内のみでなく、ルーター14Aを超える他のVoIP電話システムのグループを含むものであるかどうかを判別する(ステップS123)。
【0130】
ステップS123において、ページング特番により指定されるグループが、当該VoIP電話システム1A内のみであると判別したときには、主装置12Aは、自システム1A内のメディアスイッチ15A(図のフローチャートにおける自メディアスイッチが対応)に、ページングのメディア情報設定取得要求を送る。この場合には、システム内ページングのメディア情報設定取得要求を送る(ステップS124)。このメディア情報設定取得要求には、発信端末Aのメディア待ち受け用IPアドレスとポート番号の情報、メディア種別の情報を含む。
【0131】
メディアスイッチ15Aは、この主装置12Aからのメディア情報設定取得要求を受け取ると(図18のステップS221)、当該メディア情報設定取得要求に含まれる発信端末Aのメディア待ち受け用IPアドレスとポート番号の情報、メディア種別の情報を取得して記憶する(ステップS222)。
【0132】
そして、ページング特番により示されるグループは、ルーターを超えるグループを含むかどうかを、メディア情報設定取得要求がシステム内ページングのものか、システム間ページングのものかにより判別する(ステップS223)。そして、この場合には、このステップS223では、メディア情報設定取得要求がシステム内ページングのものであることから、ステップS224に進み、メディアスイッチ15Aは、システム内ページングのメディア取得情報を主装置12Aに返す。このメディア取得情報には、発信要求側、すなわち、この例では、発信端末A用のメディアスイッチ15Aのメディア待ち受け用IPアドレスとポート番号の情報およびメディア種別と、メディアスイッチ15Aが送信する送信元マルチキャストアドレス情報とが含まれる。
【0133】
主装置12Aでは、メディアスイッチ15Aからのこのシステム内ページングのメディア取得情報を受信し(図16のステップS125)、それに含まれる前記発信端末A用のメディアスイッチ15Aのメディア待ち受け用IPアドレスおよびポート番号の情報、メディア種別情報を含めたページング応答メッセージを発信端末Aに送る(ステップS126)。これにより、発信端末Aは、ページングのために発信する音声データパケットの宛先としてメディアスイッチ15Aのメディア待ち受け用IPアドレスおよびポート番号の情報を用いるように認識する。
【0134】
次に、主装置12Aは、メディア取得情報に含まれるメディアスイッチ15Aが送信する送信元マルチキャストアドレス情報を含むページング開始要求を、ページング特番により指定されるグループの各端末A,B,Cに対してマルチキャストパケットによって送る(ステップS127)。この場合のマルチキャストパケットの宛先アドレスは、ページング特番のそれぞれに対応して予め定められているものであり、それぞれのグループの端末のみが当該マルチキャストパケットを取得することができる。
【0135】
このページング開始要求を受け取ることにより、ページング特番により指定されるグループの各端末A,B,Cは、一斉音声呼び出しにより送られてくるマルチキャストパケットの送信先アドレス情報を知り、当該送信先アドレス情報(宛先アドレス情報)のマルチキャストパケットを受信取得することができる。そして、各端末A,B,Cでは、一斉音声呼び出しの音声データパケットを受けて、その音声をスピーカから放音するように準備を行なう。
【0136】
そして、発信端末Aは、一斉音声呼び出しの音声データをユニキャストパケットによりメディアスイッチ15Aに対して送る。メディアスイッチ15Aは、その発信端末Aからのユニキャストパケットの音声データの受信を判別すると(図18のステップS225)、当該受信した音声データのユニキャストパケットを、ステップS224で通知した送信先アドレス情報を含むマルチキャストパケットに変更して、LAN11Aに送出する。
【0137】
端末A,B,Cは、前記送信先アドレス情報を確認して、前記マルチキャストパケットの一斉音声呼び出しの音声データを受信し、スピーカにより放音する。これにより、一斉音声呼び出しが行なわれる。
【0138】
そして、主装置12Aは、例えば発信端末Aからこの一斉音声呼び出しの終了要求を受け取ると(ステップS128)、メディアスイッチ15Aにそれに基づく要求をするなど、必要な終了処理をして(ステップS129)、当該処理ルーチンを終了する。メディアスイッチ15Aは、当該ページング処理終了のための要求を主装置12Aから受け取ると(ステップS227)、必要な終了処理をして(ステップS228)、当該処理ルーチンを終了する。
【0139】
上述のようにして、この実施形態においては、メディアスイッチを用いるとともに、マルチキャストパケットを用いることで、システム内ページング処理ができる。次に、一つのVoIP電話システムを超えて、他のVoIP電話システムの電話端末をも含めたページングについて説明する。
【0140】
[2]システム間ページングの処理
ところで、ルーターは、ユニキャストパケットは、これを通じて他のVoIP電話システムに送出するようにするが、マルチキャストパケットは、ルーターを伝送することはできない。
【0141】
上述したように、ページング開始要求およびページングの音声データは、マルチキャストパケットにより伝送されるため、このままでは、システム間ページングは実現できない。そこで、この実施形態では、システム間では、マルチキャストパケットではなく、ユニキャストパケットを用いることにより、システム間ページングを実現する。
【0142】
システム間ページングの処理について、図13〜図15のシーケンス図の例を参照しながら説明する。この図13〜図15の例においては、ページング特番により指定されるグループが、VoIP電話システム1Aの端末A,B,Cからなるグループと、VoIP電話システム1Bの端末D,Eからなるグループである場合である。この図13〜図15は、図面サイズの都合上、3図に分けたもので、図13および図14は、VoIP電話システム1A側での処理シーケンスを示し、図15は、VoIP電話システム1B側での処理シーケンスを示している。
【0143】
この場合には、主装置12Aは、ステップS123でページング特番を解析した結果、ページング特番で指定されるグループは、自VoIP電話システム1A内のグループのみでなく、ルーター14Aを超える他のVoIP電話システム1Bのグループを含むものであるシステム間ページングであると判別するので、主装置12Aは、メディアスイッチ15Aに対して、システム間ページングのメディア情報設定取得要求を送る(図17のステップS131)。
【0144】
このメディア情報設定取得要求には、発信端末Aのメディア待ち受け用IPアドレスとポート番号の情報、メディア種別の情報を含むのは、前述のシステム内ページングの場合と同様である。
【0145】
メディアスイッチ15Aは、この主装置12Aからのシステム間ページングのメディア情報設定取得要求を受け取ると(図18のステップS221)、当該メディア情報設定取得要求に含まれる発信端末Aのメディア待ち受け用IPアドレスとポート番号の情報、メディア種別の情報を取得して記憶する(ステップS222)。
【0146】
そして、メディアスイッチ15Aは、ページング特番により示されるグループは、ルーターを超えるグループを含むかどうかを、メディア情報設定取得要求がシステム内ページングのものか、システム間ページングのものかにより判別し(ステップS223)、メディア情報設定取得要求がシステム間ページングのものであることから、図19のステップS231に進み、メディアスイッチ15Aは、システム間ページングのメディア取得情報を主装置12Aに返す。
【0147】
このシステム間ページングのメディア取得情報には、発信要求側、すなわち、この例では、発信端末A用のメディアスイッチ15Aのメディア待ち受け用IPアドレスとポート番号の情報およびメディア種別と、メディアスイッチ15Aが送信する送信元マルチキャストアドレス情報と、他のVoIP電話システム、この例では、VoIP電話システム1Bのメディアスイッチ15B用の、自メディアスイッチ15Aのメディア待ち受け用アドレス情報およびメディア種別が含まれる。
【0148】
主装置12Aでは、メディアスイッチ15Aからのこのシステム間ページングのメディア取得情報を受信する(図17のステップS132)。
【0149】
また、主装置12Aは、発信端末Aからのページング特番により指定されるVoIP電話システム1B内のグループを指定するページング特番により、ルーター14Aおよび14Bを通じて、ページング特番発信をVoIP電話システム1Bの主装置12Bに送る(ステップS133)。
【0150】
VoIP電話システム1Bの主装置12Bは、この主装置1Aからのページング特番発信を、自システム1B内のグループのみを指定するページング特番発信要求として受信する。したがって、主装置12Bは、図16のステップS121でページング特番発信要求を受信したのと同様の動作をその後行なう。
【0151】
すなわち、図15のシーケンス図に示すように、主装置12Bは、主装置12Aからの当該ページング特番への発信メッセージを、ルーター14Aおよび14Bを通じて受け取ると、ページングサービスを起動し、発信要求側である主装置12Aに発信受付メッセージを返す。主装置12Aは、この主装置12Bからの発信受付メッセージをルーター14Bおよび14Aを通じて受信する(図17のステップS134)。
【0152】
そして、主装置12Bは、ページング特番により指定されるグループが、当該VoIP電話システム1B内のグループのみであるときには、システム内ページングのメディア情報設定取得要求をメディアスイッチ15Bに送る。このメディア情報設定取得要求には、この場合、発信要求側としてのシステム1Aのメディアスイッチ15Aのメディア待ち受け用アドレス情報とメディア種別の情報を含む。
【0153】
このメディア情報設定取得要求を受けたメディアスイッチ15Bは、メディア取得情報を主装置12Bに返す。このときのメディア取得情報には、発信要求側用の、すなわち、この例では、メディアスイッチ15A用のメディアスイッチ15Bのメディア待ち受け用アドレス情報と、メディアスイッチ15Bが送信する送信先マルチキャストアドレス情報とが含まれ、これらが主装置12Bに通知される。
【0154】
主装置12Bは、このメディア取得情報を受信すると、取得したメディアスイッチ15A用のメディアスイッチ15Bのメディア待ち受け用アドレス情報およびメディア種別を含む応答を、主装置12Aに送るので、主装置12Aは、この応答をルーター14Bおよび14Aを通じて受信する(ステップS135)。
【0155】
そして、この主装置12Bからの応答を受信した主装置12Aは、自メディアスイッチ15Aにメディア情報設定を送る。このメディア情報設定には、メディアスイッチ15A用のメディアスイッチ15Bのメディア待ち受け用アドレス情報が含まれる(ステップS136)。
【0156】
メディアスイッチ15Aは、このメディア情報設定を受信したと判別したときには(図19のステップS232)、他のシステム1Bのメディアスイッチ15Bのメディア待ち受け用アドレス情報を取得して記憶する(ステップS233)。メディアスイッチ15Aは、これにより、システム間でやり取りする際のメディアスイッチ15Bのメディア待ち受け用アドレス情報を取得する。
【0157】
次に、主装置12Bからの応答を受信した主装置12Aは、また、発信要求側、すなわち、発信端末Aに、ステップS132でメディア取得情報に含んで受信した自メディアスイッチ15Aのメディア待ち受け用アドレス情報およびメディア種別を含む応答を転送する(ステップS137)。
【0158】
発信端末Aは、この応答を受けて、ページング発信する音声データの宛先アドレスとして、メディアスイッチ15Aのメディア待ち受け用アドレス情報を認識する。
【0159】
そして、主装置12Aは、ページング特番により指定された自システム1A内の、端末A,B,Cからなるグループを指定するアドレス情報を送信先アドレスとするマルチキャストパケットにより、ページング開始要求をLAN11Aに送出する(ステップS138)。このページング開始要求には、ステップS132でメディアスイッチ15Aから受信した、メディアスイッチ15Aが送信する送信先のマルチキャストアドレス情報が含まれる。
【0160】
端末A,B,Cは、このページング開始要求のマルチキャストパケットを自分宛てのパケットとして受信し、当該ページング開始要求に含まれる送信先のマルチキャストアドレス情報を有するマルチキャストパケットをページングのパケットとして受信する状態になる。そして、その後、送られてくるページングの音声をスピーカから放音する準備をする。
【0161】
このとき、このページング開始要求のマルチキャストパケットは、ルーター14Aを超えて他のVoIP電話システムへは伝送されない。そのため、主装置12Aは、VoIP電話システム1Bの主装置12Bに宛てて、ユニキャストパケットにより、同様にメディアスイッチ15Aが送信する送信先のマルチキャストアドレス情報を含むページング開始要求を、ルーター14Aおよびルーター14Bを通じて送る(ステップS138)。
【0162】
VoIP電話システム1Bの主装置12Bは、この主装置12Aからのユニキャストパケットによるページング開始要求を受信すると、ページング特番により指定されたシステム1B内の、端末D,Eからなるグループを指定するアドレス情報を送信先アドレスとするマルチキャストパケットにより、ページング開始要求をLAN11Bに送出する。このページング開始要求には、メディアスイッチ12Bが送信する送信先マルチキャストアドレス情報を含む。
【0163】
端末D,Eは、このページング開始要求のマルチキャストパケットを自分宛てのパケットとして受信し、当該ページング開始要求に含まれる送信先のマルチキャストアドレス情報を有するマルチキャストパケットをページングのパケットとして受信する状態になる。そして、その後送られてくるページングの音声をスピーカから放音する準備をする。
【0164】
以上の状態において、発信端末Aから、ページングの音声データのユニキャストパケットが、宛先をメディアスイッチ15Aの前記メディア待ち受け用アドレス情報として発信される。
【0165】
すると、メディアスイッチ15Aは、受信した音声データのパケットを、前述のようにして、自システム内のグループの端末A,B,Cに対して通知した送信先マルチキャストアドレス情報を宛先アドレス情報とするマルチキャストパケットに変換して、LAN11Aに送出する(ステップS235)。
【0166】
したがって、端末A,B,Cは、このページング音声データのマルチキャストパケットを自分宛てのパケットとして受信し、それぞれのスピーカにより放音する。
【0167】
しかし、マルチキャストパケットは、ルーター14Aを超えては伝送されないので、このページング音声データのマルチキャストパケットは、VoIP電話システム1B側には送られない。そこで、メディアスイッチ15Aは、発信端末Aから受け取った音声データパケットを、ルーター14A,14Bを介して伝送可能なユニキャストパケットにより、システム1Bのメディアスイッチ15Bに宛てて送信する(ステップS235)。
【0168】
システム1Bのメディアスイッチ15Bは、発信要求側からの、このユニキャストパケットを受信すると(前述の図18のステップS225参照)、受信した音声データのパケットを、当該システム1B内のグループの端末D,Eに対して通知した送信先マルチキャストアドレス情報を宛先アドレス情報とするマルチキャストパケットに変換して、LAN11Bに送出する(図18のステップS226参照)。
【0169】
したがって、端末D,Eは、このページング音声データのマルチキャストパケットを自分宛てのパケットとして受信し、それぞれのスピーカにより放音する。以上のようにして、システム間ページングが行なわれる。
【0170】
そして、主装置12Aは、例えば発信端末Aからこの一斉音声呼び出しの終了要求を受け取ると(ステップS139)、メディアスイッチ15Aにそれに基づく要求をするとともに、主装置12Bに終了要求を転送するなど、必要な終了処理をして(ステップS140)、当該処理ルーチンを終了する。
【0171】
メディアスイッチ15Aは、当該ページング処理終了のための要求を主装置12Aから受け取ると(ステップS227)、必要な終了処理をして(ステップS228)、当該処理ルーチンを終了する。
【0172】
また、終了要求を受信した主装置12Bは、主装置12Aと同様にして、メディアスイッチ15Bに、それに基づく要求をするなど、必要な終了処理をして、当該処理ルーチンを終了する。また、メディアスイッチ15Bにおいても、当該ページング処理終了のための要求を主装置12Bから受け取ると、必要な終了処理をして、当該処理ルーチンを終了する。
【0173】
上述のようにして、この実施形態においては、メディアスイッチを用いるとともに、マルチキャストパケットを用いることで、システム内ページング処理ができる。
【0174】
[他の実施形態]
上述の実施形態においては、主装置とメディアスイッチとは、別個に設けるようにしたが、主装置内にメディアスイッチの機能部を設けるようにしても良い。すなわち、その場合には、主装置内には、主装置の主たる機能である呼に関連する制御系メッセージを授受し、VoIP用電話端末間およびVoIP電話システム間の通信を制御する通信制御手段と、音声データ伝送中継手段としてのメディアスイッチの音声データパケットアドレス変換部の機能とが、少なくとも設けられるものである。
【0175】
なお、上述の実施形態の説明では、ページングのグループは、複数個のVoIP用電話端末から構成されるようにしたが、一つのVoIP用電話端末によりグループが構成されていてもよい。また、ページング特番により指定されるグループの数は、一つに限らず、複数のグループであっても良い。上述のシステム間ページングは、2つのグループが指定される場合の一例である。
【0176】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、音声データ伝送中継手段を設けて、この音声データ伝送中継手段を介して音声データのやり取りをすることにより、各VoIP用電話端末に一斉音声呼び出しの付加機能を設けなくても、当該一斉音声呼び出しの付加機能を実現することができる。
【0177】
また、この発明によれば、VoIP電話システム間では、ユニキャストパケットで伝送することにより、VoIP電話システム間においても一斉音声呼び出しの機能を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるVoIP電話システムの実施形態の構成例を説明するための図である。
【図2】実施形態に用いるVoIP用電話端末の構成例を示す図である。
【図3】実施形態に用いる主装置の構成例を示す図である。
【図4】実施形態に用いる音声データ伝送路制御手段(メディアスイッチ)の構成例を示す図である。
【図5】実施形態のVoIP電話システムにおいて、発信から通話路生成までのシーケンスを説明するための図である。
【図6】実施形態のVoIP電話システムの主装置の処理動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】実施形態のVoIP電話システムのメディアスイッチの処理動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】実施形態のVoIP電話システムにおいて、通話路およびその生成用の制御メッセージの伝送路を説明するための図である。
【図9】実施形態のVoIP電話システムを用いて、他のVoIP電話システム内の電話端末に発呼して通話する際のシーケンスの一部を説明するための図である。
【図10】実施形態のVoIP電話システムを用いて、他のVoIP電話システム内の電話端末に発呼して通話する際のシーケンスの一部を説明するための図である。
【図11】実施形態のVoIP電話システムを用いて、他のVoIP電話システム内の電話端末との通話を行なうときの通話路および制御メッセージの伝送路を説明するための図である。
【図12】実施形態のVoIP電話システムを用いて、システム内一斉音声呼び出しを行なう場合のシーケンスを説明するための図である。
【図13】実施形態のVoIP電話システムを用いて、システム内一斉音声呼び出しを行なう場合のシーケンスの一部を説明するための図である。
【図14】実施形態のVoIP電話システムを用いて、システム内一斉音声呼び出しを行なう場合のシーケンスの一部を説明するための図である。
【図15】実施形態のVoIP電話システムを用いて、システム内一斉音声呼び出しを行なう場合のシーケンスの一部を説明するための図である。
【図16】実施形態のVoIP電話システムにおける主装置の、一斉音声呼び出しの処理動作を説明するためのフローチャートの一部である。
【図17】実施形態のVoIP電話システムにおける主装置の、一斉音声呼び出しの処理動作を説明するためのフローチャートの一部である。
【図18】実施形態のVoIP電話システムにおけるメディアスイッチの、一斉音声呼び出しの処理動作を説明するためのフローチャートの一部である。
【図19】実施形態のVoIP電話システムにおけるメディアスイッチの、一斉音声呼び出しの処理動作を説明するためのフローチャートの一部である。
【図20】VoIP電話システムとして考えられる構成を示す図である。
【図21】図24のVoIP電話システムを用いて通話を行なう場合の通話路および制御メッセージの伝送路を説明するための図である。
【図22】図24のVoIP電話システムを用いて通話を行なう場合のシーケンス例を示す図である。
【図23】図24のVoIP電話システムを用いて、他のVoIP電話システム内の電話端末との通話を行なうときの通話路および制御メッセージの伝送路を説明するための図である。
【符号の説明】
1A,1B VoIP電話システム
11A,11B LAN(IPネットワーク)
12A,12B 主装置
13A1〜13An、13B1〜13Bm VoIP用電話端末
14A,14B ルーター
15A,15B メディアスイッチ(音声データ伝送中継手段)

Claims (6)

  1. IP(Internet protocol)ネットワークからなるローカルエリアネットワークに接続される複数個のVoIP(Voice over Internet Protocol)電話端末と、
    前記ローカルエリアネットワークに接続され、呼に関連する制御系メッセージを授受し、前記VoIP用電話端末間の通信を制御するための主装置手段と、
    前記ローカルエリアネットワークに接続され、前記VoIP用電話端末間における音声データの授受を中継するための音声データ伝送中継手段と、
    を備え、前記VoIP用電話端末の複数個からなる1または複数のグループの情報が、各グループに付与された呼出番号と対応付けられて、前記主装置手段に記憶され、前記グループの呼出番号を伴う一斉音声呼び出し発信要求に基づいて、前記呼出番号により指定されるグループ内の複数個の前記VoIP用電話端末に同一内容の音声情報を共通に提供する機能を備えるVoIP電話システムであって、
    前記主装置手段は、
    前記一斉音声呼び出し発信要求があったときに、
    前記音声データ伝送中継手段に対して、前記発信要求があったことと、着信側における前記音声データの授受のためのアドレス情報を含まずに前記発信要求側における前記音声データの送受のためのアドレス情報を伝える手段と、
    前記発信要求側に対して、前記音声データ伝送中継手段から取得した前記発信要求側用の当該音声データ伝送中継手段における前記音声データの授受のためのアドレス情報を伝える手段と、
    前記呼出番号により指定されるグループに含まれるVoIP用電話端末のすべてに、前記音声データ伝送中継手段から取得した、当該音声データ伝送中継装置から前記VoIP用電話端末にマルチキャストパケットにより音声データを送信するときの送信先アドレス情報を含む前記一斉音声呼び出し開始要求を、マルチキャストパケットにより伝える手段と
    を備え、
    前記音声データ伝送中継手段は、
    前記主装置手段から、前記発信要求側における前記音声データの送受のためのアドレス情報と着信側における前記音声データの授受のためのアドレス情報とを受信したときに、前記発信要求側との間および前記着信側との間に、通話音声の通話路を形成することにより、前記発信要求側と前記着信側との間に通話路を形成すると共に、
    前記主装置手段から、前記一斉音声呼び出し発信要求があったことと、前記着信側における前記音声データの授受のためのアドレス情報を含まずに前記発信要求側における前記音声データの送受のためのアドレス情報を受信したときに、
    前記発信要求側用の当該音声データ伝送中継手段における前記音声データの授受のためのアドレス情報と、当該音声データ伝送中継装置が送信するときの送信先アドレス情報とを前記主装置手段に伝える手段と、
    前記一斉音声呼び出し発信要求をした前記発信要求側からのユニキャストパケットの音声データを受信したときには、当該受信した音声データを、前記送信先アドレス情報を含むマルチキャストパケットに変換して前記グループ内のすべての端末に対して転送する
    ことを特徴とするVoIP電話システム。
  2. 請求項1に記載のVoIP電話システムにおいて、
    前記一斉音声呼び出し発信が、呼び出し対象の前記グループとして、ルーターを介して通信される他のVoIP電話システムに含まれるグループを含むときには、
    前記主装置手段は、
    当該主装置手段が含まれる自VoIP電話システムの前記音声データ伝送中継手段に対して、呼び出し対象の前記グループとして前記他のVoIP電話システムに含まれるグループを含む旨を、前記発信要求側における前記音声データの送受のためのアドレス情報と共に伝えると共に、前記音声データ伝送中継手段から、前記他のVoIP電話システム用の前記音声データ伝送中継手段における音声データの授受のためのアドレス情報を取得し、当該取得した前記他のVoIP電話システム用の前記音声データ伝送中継手段における音声データの授受のためのアドレス情報を伴って、前記他のVoIP電話システムの主装置手段に対して、前記一斉音声呼び出し発信要求を転送し、
    前記他のVoIP電話システムの音声データ伝送中継手段の音声データの授受のためのアドレス情報を前記他のVoIP電話システムの前記主装置手段から受信して、当該受信した前記他のVoIP電話システムの音声データ伝送中継手段の音声データの授受のためのアドレス情報を、自VoIP電話システム内の前記音声データ伝送中継手段に通知し、
    さらに、前記他のVoIP電話システムの主装置手段に対して、前記一斉音声呼び出し開始要求をユニキャストパケットにより転送し、
    前記自VoIP電話システム内の音声データ伝送中継手段は、
    前記一斉音声呼び出し発信要求をした前記発信要求側からのユニキャストパケットの音声データを受信したときに、前記指定された前記自VoIP電話システム内の前記VoIP用電話端末に対しては、前記受信した音声データを前記マルチキャストパケットで転送すると共に、前記他のVoIP電話システムの前記音声データ伝送中継手段にはユニキャストパケットで送るようにした
    ことを特徴とするVoIP電話システム。
  3. IPネットワークからなるローカルエリアネットワークに接続される複数個のVoIP用電話端末と、
    前記ローカルエリアネットワークに接続され、前記VoIP用電話端末と相手端末との間における通信を制御するための主装置と、
    を備え、前記VoIP用電話端末の複数個からなる1または複数のグループの情報が、各グループに付与された呼出番号と対応付けられて、前記主装置に記憶され、前記グループの呼出番号を伴う一斉音声呼び出し発信要求に基づいて、前記呼出番号により指定されるグループ内の複数個の前記VoIP用電話端末に同一内容の音声情報を共通に提供する機能を備えるVoIP電話システムであって、
    前記主装置は、
    呼に関連する制御系メッセージを授受する通信制御手段と、
    前記VoIP用電話端末と、前記相手端末との間における音声データの伝送路を形成するための音声データ伝送中継手段と、
    を備え、
    前記通信制御手段は、
    前記一斉音声呼び出し発信要求があったときに、
    前記音声データ伝送中継手段に対して、前記発信要求があったことと、着信側における前記音声データの授受のためのアドレス情報を含まずに前記発信要求側における前記音声データの送受のためのアドレス情報を伝える手段と、
    前記発信要求側に対して、前記音声データ伝送中継手段から取得した当該発信要求側用の前記音声データ伝送中継手段における前記音声データの授受のためのアドレス情報を伝える手段と、
    前記呼出番号により指定されるグループに含まれるVoIP用電話端末のすべてに、前記音声データ伝送中継手段から取得した、当該音声データ伝送中継装置から前記VoIP用電話端末にマルチキャストパケットにより音声データを送信するときの送信先アドレス情報を含む前記一斉音声呼び出し開始要求を、マルチキャストパケットにより伝える手段と
    を備え、
    前記音声データ伝送中継手段は、
    前記通信制御手段から、前記発信要求側における前記音声データの送受のためのアドレス情報と着信側における前記音声データの授受のためのアドレス情報とを受信したときに、前記発信要求側との間および前記着信側との間に、通話音声の通話路を形成することにより、前記発信要求側と前記着信側との間に通話路を形成する手段と、
    前記通信制御手段から、前記一斉音声呼び出し発信要求があったことと、前記着信側における前記音声データの授受のためのアドレス情報を含まずに前記発信要求側における前記音声データの送受のためのアドレス情報を受信したときに、
    前記発信要求側用の当該音声データ伝送中継手段における前記音声データの授受のためのアドレス情報と、当該音声データ伝送中継装置が送信するときの送信先アドレス情報とを前記通信制御手段に伝える手段と、
    前記一斉音声呼び出し発信要求をした前記発信要求側からのユニキャストパケットの音声データを受信したときには、当該受信した音声データを、前記送信先アドレス情報を含むマルチキャストパケットに変換して前記グループ内のすべての端末に対して転送する
    ことを特徴とするVoIP電話システム。
  4. 請求項3に記載のVoIP電話システムにおいて、
    前記一斉音声呼び出し発信が、呼び出し対象の前記グループとして、ルーターを介して通信される他のVoIP電話システムに含まれるグループを含むときには、
    前記通信制御手段は、
    当該通信制御手段が含まれる自VoIP電話システムの前記音声データ伝送中継手段に対して、呼び出し対象の前記グループとして前記他のVoIP電話システムに含まれるグループを含む旨を、前記発信要求側における前記音声データの送受のためのアドレス情報と共に伝えると共に、前記音声データ伝送中継手段から、前記他のVoIP電話システム用の前記音声データ伝送中継手段における音声データの授受のためのアドレス情報を取得し、当該取得した前記他のVoIP電話システム用の前記音声データ伝送中継手段における音声データの授受のためのアドレス情報を伴って、前記他のVoIP電話システムの主装置手段に対して、前記一斉音声呼び出し発信要求を転送し、
    前記他のVoIP電話システムの音声データ伝送中継手段の音声データの授受のためのアドレス情報を前記他のVoIP電話システムの前記主装置手段から受信して、当該受信した前記他のVoIP電話システムの音声データ伝送中継手段の音声データの授受のためのアドレス情報を、前記自VoIP電話システム内の前記音声データ伝送中継手段に通知し、
    さらに、前記他のVoIP電話システムの主装置手段に対して、前記一斉音声呼び出し開始要求をユニキャストパケットにより転送し、
    前記自VoIP電話システム内の音声データ伝送中継手段は、
    前記一斉音声呼び出し発信要求をした前記発信要求側からのユニキャストパケットの音声データを受信したときに、前記指定された前記自VoIP電話システム内の前記VoIP用電話端末に対しては、前記受信した音声データを前記マルチキャストパケットで転送すると共に、前記他のVoIP電話システムの前記音声データ伝送中継手段にはユニキャストパケットで送るようにした
    ことを特徴とするVoIP電話システム。
  5. IPネットワークを通じて、呼に関する制御系メッセージを授受し、前記IPネットワークに接続されるVoIP用電話端末間の通信を制御するための通信制御手段とは別個に、前記VoIP用電話端末間の音声データの中継をするための音声データ伝送中継手段を設けると共に、前記VoIP用電話端末の複数個からなる1または複数のグループの情報を、各グループに付与された呼出番号と対応付けて、前記通信制御手段に記憶し、前記グループの呼出番号を伴う一斉音声呼び出し発信要求に基づいて、前記呼出番号により指定されるグループ内の複数個の前記VoIP用電話端末に同一内容の音声情報を共通に提供するようにするVoIP電話システムにおける通信制御方法であって、
    前記通信制御手段が、前記音声データ伝送中継手段に対して、前記発信要求側における前記音声データの送受のためのアドレス情報と着信側における前記音声データの授受のためのアドレス情報とを伝えたときに、前記音声データ伝送中継手段が、前記発信要求側との間および前記着信側との間に、通話音声の通話路を形成することにより、前記発信要求側と前記着信側との間に通話路を形成する工程を備えると共に、
    前記一斉音声呼び出し発信要求があったときに、前記通信制御手段が、前記音声データ伝送中継手段に対して、前記発信要求があったことと、前記着信側における前記音声データの授受のためのアドレス情報を含まずに発信要求側における前記音声データの送受のためのアドレス情報を伝える第1の工程と、
    前記第1の工程で送られてきた情報を受けた前記音声データ伝送中継手段が、前記発信要求側用の当該音声データ伝送中継手段における前記音声データの授受のためのアドレス情報と、当該音声データ伝送中継装置が送信するときの送信先アドレス情報とを前記通信制御手段に伝える第2の工程と、
    前記第2の工程で送られてきた情報を受けた前記通信制御手段が、前記発信要求側に対して、前記音声データ伝送中継手段から取得した前記発信要求側用の当該音声データ伝送中継手段における前記音声データの授受のためのアドレス情報を伝える第3の工程と、
    前記第2の工程で送られてきた情報を受けた前記通信制御手段が、前記呼出番号により指定されるグループに含まれるVoIP用電話端末のすべてに、前記音声データ伝送中継手段から取得した、当該音声データ伝送中継装置から前記VoIP用電話端末にマルチキャストパケットにより音声データを送信するときの送信先アドレス情報を含む前記一斉音声呼び出し開始要求を、マルチキャストパケットにより伝える第4の工程と、
    前記第2の工程を終了した後、前記音声データ伝送中継手段が、前記一斉音声呼び出し発信要求をした前記発信要求側からのユニキャストパケットの音声データを受信したときには、当該受信した音声データを、前記送信先アドレス情報を含むマルチキャストパケットに変換して前記グループ内のすべての端末に対して転送する第5の工程と、
    を備えることを特徴とするVoIP電話システムにおける通信制御方法。
  6. 請求項5に記載のVoIP電話システムにおける通信制御方法において、
    前記通信制御手段は、
    当該通信制御手段が含まれる自VoIP電話システムの前記音声データ伝送中継手段に対して、呼び出し対象の前記グループとして前記他のVoIP電話システムに含まれるグループを含む旨を、前記発信要求側における前記音声データの送受のためのアドレス情報と共に伝える工程と、
    前記音声データ伝送中継手段から、前記他のVoIP電話システム用の前記音声データ伝送中継手段における音声データの授受のためのアドレス情報を取得し、当該取得した前記他のVoIP電話システム用の前記音声データ伝送中継手段における音声データの授受のためのアドレス情報を伴って、前記他のVoIP電話システムの主装置手段に対して、前記一斉音声呼び出し発信要求を転送する工程と、
    前記他のVoIP電話システムの音声データ伝送中継手段の音声データの授受のためのアドレス情報を前記他のVoIP電話システムの前記主装置手段から受信して、当該受信した前記他のVoIP電話システムの音声データ伝送中継手段の音声データの授受のためのアドレス情報を、前記自VoIP電話システム内の前記音声データ伝送中継手段に通知する工程と、
    前記他のVoIP電話システムの主装置手段に対して、前記一斉音声呼び出し開始要求をユニキャストパケットにより伝える工程と、
    を備え、
    前記自VoIP電話システム内の音声データ伝送中継手段は、
    前記一斉音声呼び出し発信要求をした前記発信要求側からのユニキャストパケットの音声データを受信したときに、前記指定された前記自VoIP電話システム内の前記VoIP用電話端末に対しては、前記受信した音声データを前記マルチキャストパケットで転送すると共に、前記他のVoIP電話システムの前記音声データ伝送中継手段にはユニキャストパケットで送るようにする工程を備える
    ことを特徴とするVoIP電話システムにおける通信制御方法。
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