JP4175780B2 - マイクロレンズ付き基板、およびそれを用いた光学機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロレンズ付き基板に係る技術、特に複数のマイクロレンズが配列された基板を、マイクロレンズ側を内側にして貼り合せる場合に、さまざまな基板材料が利用可能でマイクロレンズの間隔やアライメントの精度を高めることができるマイクロレンズ付き基板、およびそれを用いたマイクロレンズ,ビームエキスパンダ,光コネクタなどの光学機器に関する。本発明は、CCD、液晶パネル、光ディスクヘッドなどの光学部品に適用可能である。
【0002】
【従来の技術】
光ディスクの分野において、SIL(ソリッドイマージョンレンズ)の利用が検討されるのに伴い、複数のマイクロレンズを貼り合わせて高NA(高開口数)にした光ピックアップヘッドに関する特許が出願されている。
特開2000−131508号公報(ソニー)ではマイクロレンズとその支持部を1体に作成した複数のレンズを支持部を介して貼りあわせた高NAマイクロレンズが記載されている。
【0003】
特開2000−067456号公報(ニコン)では、スライダにSIL(ソリッドイマージョンレンズ)を一体形成し、そのスライダに対物レンズを貼り合わせて1つの光ヘッドとしている。
特開2000−76695号公報(TDK)では、スペーサを介して対物レンズの形成された基板とソリッドイマージョンレンズSILの形成された基板を貼り合わせている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、光記録の記録密度を向上するためにソリッドイマージョンレンズSILの利用が検討されている。ソリッドイマージョンレンズSILは半球形状と超半球形状の2種類があり、通常の対物レンズと組み合わせて用いられ、ソリッドイマージョンレンズSILの底面が対物レンズの焦点位置と一致するように配置される。ソリッドイマージョンレンズSILの屈折率をnとすると、対物レンズの開口率がn倍(半球形状)またはn2倍(超半球形状)になるため、スポットサイズを大幅に小さくすることができる。
【0005】
ソリッドイマージョンレンズSILを利用する際、対物レンズと光軸、間隔を正確に合わせる必要があるため、対物レンズとソリッドイマージョンレンズSILを別々に動かすアクチュエータを用いたり、予め対物レンズとソリッドイマージョンレンズSILを精度よくアライメントした状態で一体に固定しておき、使用中は光軸、面間隔がぶれないようにすることが検討されている。
【0006】
図14は、上述した特開2000−76695号公報(TDK)に開示された光ヘッドを示す図である。ここでは対物レンズ12、ソリッドイマージョンレンズSIL22、スペーサ31を別々に作成して貼り合わせている。この例では、半導体プロセスを用いて、1枚の基板に多数のレンズを並べて、まとめて貼り合わせた後、ダイシングする作製方法を示している。なお、23はテーパ部、24はレール部、32は貫通孔である。
【0007】
図15は、上述した特開2000−131508号公報(ソニー)に開示された光ヘッドに使用されるソリッドイマージョンレンズSIL一体型対物レンズ1を示す図である。この特許では、レンズ部分52とスペーサを兼ねる支持部51を一体形成した第1のレンズ50と、レンズ部分62とスペーサを兼ねる支持部61を一体形成した第2のレンズ60とを図示の如く貼り合わせている。53は磁気コイルである。対物レンズとソリッドイマージョンレンズSILを半導体に用いられるフォトリソグラフィ、ドライエッチングなどのプロセスを用いて1枚の基板に多数形成し、まとめて貼り合わせてからダイシングすることで生産性を高めている。
しかしながら、多数のマイクロレンズを並べた基板を貼りあわせる際はその貼り合わせ方法が問題となる。
【0008】
どちらの方法においても、スペーサを使ってレンズ間隔の精度を高めているので、スペーサとマイクロレンズ付き基板の間隔は0であることが望ましい。
特開2000−76695号公報(TDK)では、対物レンズ12とスペーサ31の間、ソリッドイマージョンレンズSIL22とスペーサ31間の接着方法として陽極接合をあげている。この方法では貼り合わされる面の間の隙間をほぼ0にできるが、この方法では貼り合わせる材料が可動性のイオンを多く含むパイレックスなどの一部のガラス材料に限られてしまう。
【0009】
一方、特開2000−131508号公報(ソニー)の方法では、特に貼り合わせ方法を示していない。単純に接着剤を用いて貼りあわせる場合、スペーサ部分に接着剤を塗って、基板を重ね合わせると考えられるが、そうするとスペーサの間に接着剤の層が形成されるため、接着層の厚さのバラツキによって目的の面間隔が得られなくなる。また、強く力を加えて、スペーサ部分の接着剤をできるだけ押し出した場合は、押し出された接着剤がレンズ部分に付着する可能性が生じる。また、光軸方向のアライメントも、接着剤が流動するため、困難と考えられる。
【0010】
本発明は、上述した問題点に対応するため、マイクロレンズ付き基板に係る技術、特に複数のマイクロレンズが配列された基板を、マイクロレンズ側を内側にして貼り合せる場合に、さまざまな基板材料が利用可能で、なおかつマイクロレンズの間隔やアライメントの精度を高めることができるマイクロレンズ付き基板、およびそれを用いたマイクロレンズ,ビームエキスパンダ,光コネクタなどの光学機器を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、マイクロレンズ付き基板(図1の100)に、基板間隔を制限し、かつ、重ね合わせ時に接触する部分のうち少なくとも一つが、マイクロレンズを取り囲むように配置されたスペーサ(図1の102)と、接着剤を流し込むための、2つの側面間でつながっている溝(図1の103)を形成し、接着剤を塗布しない状態で、他のマイクロレンズ(図2の201)が形成された基板(図2の200)を重ね合わせ、その後、基板の重ね合わせ部分に対して接着剤を流し込むことを特徴とする。
【0012】
さらに詳しくは、請求項1記載の発明は、マイクロレンズ(図1の101)が形成された面を備え、他のマイクロレンズ(図2の201)が形成された基板(図2の200)と貼り合わせるマイクロレンズ付き基板(図1の100)であって、前記面にスペーサ(図1の102)と接着剤を流し込み前記2枚の基板を固定するための溝パターン(図1の103)が形成され、前記他のマイクロレンズ(図2の201)が形成された基板(図2の200)と貼りあわせたときに一の側面と他の側面が溝パターンでつながっていることを特徴としている。
【0013】
請求項2記載の発明は、さらに前記スペーサが前記マイクロレンズと前記他のマイクロレンズが形成された基板との間隔を規制することを特徴とし、請求項3記載の発明は、さらに位置合せ用のアライメントマークが形成されていることを特徴としている。
【0019】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載のマイクロレンズ付き基板において、マイクロレンズと逆側の面に磁気コイルを形成したことを特徴とし、請求項5記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載のマイクロレンズ付き基板において、マイクロレンズと逆側の面に1/4波長板を形成したことを特徴とし、請求項6記載の発明は、マイクロレンズと逆側の面にホログラムを形成したことを特徴とし、請求項7記載の発明は、マイクロレンズと逆側の面に45°の傾斜を持つミラーを形成したことを特徴としている。
【0020】
請求項8記載の光記録装置の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載のマイクロレンズ付き基板を用いたことを特徴としている。
【0024】
本発明によると、接着剤は、毛細管現象により重ね合わされた基板の隙間に浸透していく。その際、レンズを取り囲むスペーサ部分は、2枚の基板がほぼ接触しているため、他に比べて早く接着剤が流れ込むので、マイクロレンズ部分に接着剤が流れ込む前に、マイクロレンズ周辺が密閉されてしまう。密閉された後は、マイクロレンズ周辺に接着剤が流れ込むことができなくなるので、マイクロレンズ周辺を中空に保ったま、溝部分を接着剤で埋めこみ、2枚の基板を貼りあわせることができる。基板に接着剤が付着していない状態で重ね合わせているので、スペーサ部分に入り込む接着剤の量が少なく、接着剤の厚みによる基板間隔のバラツキは発生しにくい。また、アライメントも容易になる。
【0025】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
以下、実施例に基づいて本発明の実施形態を説明する。
この実施例は、2枚のマイクロレンズを組み合わせてNA=0.8程度のマイクロレンズを作成した例である。
【0026】
まず、基板の形状について説明する。
図1および図2は、マイクロレンズ付き基板の形状を説明するための図である。どちらも中心にマイクロレンズ101,201、その周辺にスペーサパターン102,202が配置された構造が基板上に多数並べられている。マイクロレンズ101の直径は200μm、102は160μmで高さはどちらも35μm、基板の材質は石英である。図1(a)と図2(a)は、マイクロレンズ付き基板の平面図を示している。図1(b)と図2(b)はそのうち一つを取出したもので、それぞれの断面を図1(c)と図2(c)に示した。図2(b)の斜線部分が2枚のレンズの接触部分であり、そのうち接触部分203がマイクロレンズを取り囲む形になっている。スペーサの隙間部分(溝部分)103は接着剤を流し込むための溝である。
【0027】
マイクロレンズを取り囲むスペーサ接触部分の形状は、ここでは正方形にしたが、他の形状でもかまわない。特に、四角形のような角がある形状では、その角付近から接着剤がマイクロレンズ側に浸入しやすいので、そのような場合は角を削って8角形にしたり、円形にするのが有効である。また、溝部分(溝パターン)103は、基板を重ねた後から接着剤を流し込めるようにするため、少なくても重ね合わせた際に基板周辺部分の2個所(接着剤の入り口と出口)とつながっている必要がある。図1(a)の場合は1つ1つのマイクロレンズ周辺に設けた溝は全てつながっているので、図の上下左右どちらから接着剤を流した場合でも全体に流し込むことができる。
【0028】
このマイクロレンズ付き基板の作成には、レジストリフロー法を用いた。具体的には、ガラス基板上に円柱状のレジストパターン作成した後、そのパターンを加熱し、リフローさせてレンズ形状のレジストパターンを作成し、更に異方性ドライエッチングでレジストの形状を基板に転写して作成した。周辺のスペーサパターンも同時に形成している。ここでは基板材料としてガラスを用いたが、貼り合わせには接着剤を使うので、樹脂材料など、接着剤で貼り合わせ可能なものならどのようなものでも利用できる。
【0029】
次に、本発明のマイクロレンズ付き基板の製造プロセスについて説明する。
まず、図1(a)のパターンが形成された基板100に、図2(a)のパターンが形成された基板200を重ねる。図3(a)に基板を重ね合わせた状態、図3(b)にそのマイクロレンズの一つを示した。ここで2枚の基板に形成されたマイクロレンズの光軸を合わせる必要があるので、重ね合わせた状態で基板100と基板200を相対的に移動させて光軸合わせを行っている。
【0030】
光軸合わせは、それぞれの基板のマイクロレンズの位置を見ながら行うことも可能であるが、基板100と200の重なる位置にアライメントマーク(図示せず)を形成しておき、それを用いて位置合せを行えばより精度よく合わせるできる。図3(b)に重ね合わされたレンズの1つを示した。図に示したように、ここまでの工程では接着剤が塗布されていないので、対向するスペーサの間隔はほぼ0になっており、レンズの面間隔をスペーサの高さと正確に合わせることができる。
【0031】
次に、接着剤を溝に流し込む。図3(c)は重ね合わせた基板に対して接着剤を塗布した状態を示している。図3(c)では明示していないが、基板200は基板100に対して移動しないように固定されている。図3(c)のように重ね合わせた基板の1辺に接着剤301を塗布すると、接着剤301は毛細管現象により、基板の間に流れ込んでいく。毛細管現象による接着剤の流れ込みは、隙間が狭い部分ほど早いので、スペーサの接触部分付近では早く、溝部分103では遅くなる。
【0032】
図4(a)〜(g)は、マイクロレンズ周辺での流れ込みの様子を示す図である。マイクロレンズ周辺に流れ込んだ接着剤301は、まず、マイクロレンズを囲んだスペーサ401を順次伝わって流れていく(図4(a)〜(d)参照)。この時、同時にスペーサの内側406にも流れていくが、この部分は間隔が広いため、流れ込む速度はスペーサ部を流れる接着剤に比べて遅くなる。
【0033】
また、図4(e)に示すように、完全にスペーサの接触部分に接着剤が行き渡ると、マイクロレンズ周辺の空気の行き場がなくなるため、スペーサの内側へは接着剤が流れ込めなくなる。その結果、図4(e)〜(g)に示すように、マイクロレンズ周辺を中空に保ったまま、接着剤を貼り合わせ部分全体に行き渡らせることができる。
【0034】
基板のそりなどによって、大きい隙間ができている場合は、重ね合わせた基板に対して基板同士を押し付ける方向に力を加えて密着させた状態で、接着剤を流し込めばよい。
【0035】
また、基板の平面度が高く、スペーサが完全に密着している場合は当然接着剤がレンズ周辺の空間406に流れ込むことはできない。この場合でも接着剤はスペーサの間に流れ込むので基板を貼りあわせることができる。いずれにしろ、このような構成にすることで、レンズ周辺に接着剤を付着させることなく基板間に接着剤を行き渡らせることができる。
【0036】
接着剤が全体に行き渡ったら接着剤を硬化させる。接着剤の硬化の仕方は、接着剤として、UV硬化型樹脂を用いる場合は紫外線を照射すればよいし、熱硬化型を用いる場合は加熱すればよい。本発明の方法は、接着剤が全体に行き渡るまでは硬化しないような接着剤であれば、如何なる接着剤をも利用することができる。
【0037】
このようにしてレンズ付き基板を貼り合わせる場合。レンズ部分が密閉されるので、レンズ周辺部分には貼り合わせを行った場所の雰囲気が封じ込められることになる。雰囲気中に水分おおく含まれる場合などは、レンズを使用する環境の温度によってレンズ表面にくもりを生じる可能性がある。そのような場合は、周辺の雰囲気をN2などの不活性ガスにするなど雰囲気を制御した環境で貼り合わせを行えばよい。
【0038】
図3(b)には、この実施例のようにして作成したマイクロレンズに、光を入射した際の光路も示してある。ソリッドイマージョンレンズSILとして利用する場合は、基板200の底面に焦点を結ばせる必要があるが、この実施例の場合はNAが1より小さいので、焦点位置を基板200の底面から10μmほど離した位置に結ばせている。このような構成では、ソリッドイマージョンレンズSILを利用した場合ほど高いNAは得られないが、焦点位置と基板200の間隔をある程度広くできる。そのため、このマイクロレンズは次世代の光ディスクとして検討されている青色レーザーを利用した20GB程度の光ディスクに利用できる可能性がある。
【0039】
以上、本発明の方法を用いることにより、マイクロレンズ付き基板を貼りあわせて利用する際に、光軸のアライメント中は接着剤の影響を受けないのでアライメントが容易で、更に、スペーサの隙間には微量の接着剤しか入らないので、レンズの面間隔を高精度に合わせることが可能で、なおかつ基板の材料としてさまざまなものが利用可能することができるようになる。また、この方法でマイクロレンズを高精度に組み合わせることで、光ディスク書き込みヘッドなどにも利用可能な高いNAをもつマイクロレンズを作成することが可能になる。
【0040】
(実施例2)
実施例2では、本発明の方法を用いて作成した光ディスク用対物レンズについて説明する。
図5は、本発明の方法で作成した小型、高NAマイクロレンズを示す図である。対物レンズ501は基板として石英を用い、大きさは直径200μm、高さ35μmとした。このレンズも実施例1と同様に、フォトレジストでレンズ状のパターンを作成してドライエッチングで基板に転写したが、ここでは、マスクに同心円状の透過率分布を与えたグレイスケールマスクを用いた。そうすることにより、リフローの工程無しにレンズ形状のレジストパターンが得られ、また、マスクに与える透過率分布を調整することで非球面形状のマイクロレンズも作成できる。この実施例では、非球面形状にして対物レンズ502単独でNA=0.45が得られるように設計した。
【0041】
もう一つのレンズ502は超半球形状のソリッドイマージョンレンズ(SIL)である。ここでは材料として光学ガラスSF−2(屈折率1.647)を用いた。従って、この構成では全体でNA=1.22が得られる。
【0042】
ソリッドイマージョンレンズSILを用いる場合は、ソリッドイマージョンレンズSILの底面と記録層の間隔を記録再生に用いるレーザーの波長程度に押さえる必要があるが、この対物レンズはマイクロレンズを用いているため、周辺のスペーサ部分を合わせてもハードディスクのヘッドと同程度の大きさである。従って、ハードディスクと同じような浮上ヘッドとして利用することが可能であり、ソリッドイマージョンレンズSILをもちいた光記録装置を作成するのに非常に有効である。
【0043】
また、本発明の方法で作成した高NAマイクロレンズは、基板の両面が平坦なので、例えば、図6〜図9に示すように他の部品と容易に組み合わせることが可能となる。
図6は、基板側の面に円形の溝を形成し、磁気コイル801を取り付けた構成例である。このようにすれば、本発明の高NAマイクロレンズを光磁気ディスク用の小型の対物レンズとして利用することができる。
【0044】
図7は、光源側の面に1/4波長板901を取り付けた構成例であり、902はレーザーダイオード、903はコリメーターレンズ、904は偏光ビームスプリッタ、905はフォトダイオードを示している。このようにすれば、検出部分(検出光学系)906の部品点数を1つ減らせるので、光学系全体を小型化できる。
図8は、図7の光源側の面の1/4波長板901上にさらに集光機能を持った偏光ホログラム1001を貼り付けた構成例である。このようにすれば、更に光学系を小型化できる。偏光ホログラムとは、特定の偏光方向の光が入射した場合のみ、光を回折したり、集光したりする機能を持ったホログラムである。この例では、マイクロレンズを通って記録面に集光される時は回折されず、記録面から戻ってくる光のみが回折される。
【0045】
図9は、光源側の面に45°ミラー1101を集積して取り付けた構成例である。このようにすれば、側面から光を入射させることができるので、ピックアップ全体の高さを低く抑えることができる。
以上のように、本発明の方法で作成したマイクロレンズは、高いNAを持ち、更に小型、軽量で、容易に他の部品と組み合わせることができるので、光ディスク装置の高密度化、小型化に利用することが可能である。
【0046】
(実施例3)
実施例3では、対物レンズの間に他の部品を挿んで貼りあわせた場合について説明する。
貼り合わせ方法自体は、実施例1と同じである。但しマイクロレンズ付き基板に取り付けられたスペーサと間に挿む基板の接触部分が、マイクロレンズを取り囲む形状になっている必要がある。また、間に挿む基板にもアライメントマーク(図示せず)を形成しておけば、アライメントが容易になる。
【0047】
図10は、偏光板1201と1/4波長板1202が取り付けられた基板1200をマイクロレンズ付き基板で挿んだ光学部品を示す図である。この両側に光ファイバ1203、1204を配置した場合、1203から出た光はマイクロレンズ1205で平行光に変換された後、偏光板1201、1/4波長板1202を透過し、マイクロレンズ1206で集光されて光ファイバ1204に入射する。
【0048】
この場合、何らかの要因でファイバ1204に入った光が、反射されてマイクロレンズ1206に戻った場合でも、1/4波長板により偏光板1201を通らない偏光に変換されてしまうので、光が逆戻りできない。このような構成は光通信などに使われるアイソレータとして利用できる。この場合も、レンズ周辺部分が空洞になっていることにより、開口数NAを大きくすることができるので、全長を短くして、小型のアイソレータを作成することが可能である。
【0049】
図11は、グレーティングパターン1301が形成された基板1300をマイクロレンズ付き基板の間に挿んだ構成例である。このような構成では、特定の波長の光のみを透過させるような機能を持たせることができる。またこれらのマイクロレンズを利用することにより、アイソレータや波長分離機能を持った、小型の光ファイバのコネクタを作成することが可能になる。
【0050】
また、図12、13では、アパーチャ1401を形成した基板1400をマイクロレンズの間に挿んでいる。このアパーチャ1401は、ガラス基板の表面に酸化クロムなどの遮光膜を成膜した後、フォトリソグラフィで円形の開口を形成したものである。図12はビームエキスパンダ、図13は光ピックアップ用の対物レンズとして用いることができる。このような構成では、迷光を効果的に除去できる。
【0051】
以上のように、本発明の方法では、マイクロレンズの間に、さまざまな機能を持つ光学部品を挿んでおくことにより、複数の機能を持った微小な光学部品を作成することが可能になる。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、次のような効果を有する。すなわち、
(a)請求項1〜2に記載のマイクロレンズ付き基板を用いることにより、マイクロレンズ周辺を空洞にしたまま、レンズ間隔を正確に合わせて貼り合わせることが可能になる。
【0053】
(b)請求項3に記載のマイクロレンズ付き基板を用いることにより、2枚の基板の間隔だけでなく、位置もより正確に合わせることが可能になる。
【0058】
(c)請求項4に記載のマイクロレンズつき基板を用いることにより、非常に小型の光磁気ディスクヘッドを作成することが可能になる。
(d)請求項5 , 6,7に記載のマイクロレンズ付き基板により、光ピックアップの部品点数が減らせるので、用の光学系を小型化することが可能になる。
(e)請求項8に記載の光記録装置により、光記録装置を小型化できるので、光記録装置を用いたパソコンなどのシステム全体を小型化することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1および図2は、マイクロレンズ付き基板の形状を説明するための図である。実施例1で用いるマイクロレンズ付き基板を説明する図である(1枚目の基板)。
【図2】実施例1で用いるマイクロレンズ付き基板を説明する図である(2枚目の基板)。
【図3】実施例1のプロセスを説明するための図である。
【図4】マイクロレンズ周辺での流れ込みの様子を示す図である。
【図5】本発明の方法で作成した小型、高NAマイクロレンズを示す図である。
【図6】基板側の面に円形の溝を形成し、磁気コイルを取り付けた構成例である。
【図7】光源側の面に1/4波長板を取り付けた構成例である。
【図8】図7の光源側の面の1/4波長板上にさらに集光機能を持った偏光ホログラムを貼り付けた構成例である。
【図9】光源側の面に45°ミラーを集積して取り付けた構成例である。
【図10】偏光板と1/4波長板が取り付けられた基板をマイクロレンズ付き基板で挿んだ光学部品(光アイソレータ)を示す図である。
【図11】グレーティングパターンが形成された基板をマイクロレンズ付き基板の間に挿んだ構成例である。
【図12】アパーチャと組み合わせたビームエキスパンダ構成例である。
【図13】アパーチャと組み合わせた光ピックアップ対物レンズの構成例である。
【図14】特開2000−76695号公報に開示された光ヘッドを示す図である。
【図15】特開2000−131508号公報に開示されたソリッドイマージョンレンズSIL一体型対物レンズを示す図である。
【符号の説明】
100,200:マイクロレンズ付き基板
101,201:マイクロレンズ
102,202:スペーサ
103:溝部分(溝パターン)
203:マイクロレンズを囲むスペーサの重なり部分
301:接着剤
401:マイクロレンズを囲むスペーサ
402,403,404,405:スペーサ
406:スペーサとマイクロレンズの隙間
501:対物レンズ
502:超半球型ソリッドイマージョンレンズ
801:磁気コイル
901:1/4波長板
902:レーザーダイオード
903:コリメーターレンズ
904:偏光ビームスプリッタ
905:フォトダイオード
906:光ピックアップの検出光学系
1001:偏光ホログラム
1101:45°ミラー
1200:基板
1201:偏光板
1202:1/4波長板
1203,1204:光ファイバ
1205,1206:マイクロレンズ
1300:基板
1301:グレーティング
1400:基板
1401:アパーチャ
Claims (8)
- マイクロレンズが形成された面を備え、他のマイクロレンズが形成された基板と貼り合わせるマイクロレンズ付き基板であって、
前記面に、スペーサと、接着剤を流し込み前記2枚の基板を固定するための溝パターンが形成され、
前記他のマイクロレンズが形成された基板と貼りあわせたときに一の側面と他の側面が溝パターンでつながっていることを特徴とするマイクロレンズ付き基板。 - 請求項1に記載のマイクロレンズ付き基板において、前記スペーサは前記マイクロレンズと前記他のマイクロレンズが形成された基板との間隔を規制することを特徴とするマイクロレンズ付き基板。
- 請求項1または2に記載のマイクロレンズ付き基板において、位置合せ用のアライメントマークが形成されていることを特徴とするマイクロレンズ付き基板。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のマイクロレンズ付き基板において、前記マイクロレンズと逆側の面に磁気コイルを形成したことを特徴とするマイクロレンズ付き基板。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のマイクロレンズ付き基板において、前記マイクロレンズと逆側の面に1/4波長板を形成したことを特徴とするマイクロレンズ付き基板。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のマイクロレンズ付き基板において、前記マイクロレンズと逆側の面にホログラムを形成したことを特徴とするマイクロレンズ付き基板。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のマイクロレンズ付き基板において、前記マイクロレンズと逆側の面に45°の傾斜を持つミラーを形成したことを特徴とするマイクロレンズ付き基板。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のマイクロレンズ付き基板を用いたことを特徴とする光記録装置。
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