JP4175779B2 - 不正乗車防止システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、不正乗車防止システムに係り、特に鉄道駅の無人化を志向して設置される駅務機器や駅設備を遠隔制御/遠隔監視する駅務遠隔監視システムを用いた不正乗車防止システムの工夫に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の鉄道業界では、鉄道会社の多くが人的資源の節約や駅員の労働条件の改善等の観点より、鉄道駅の無人化や1駅当たりの駅員数の削減を行ったり、こういった計画を立てたりするようになってきている。この対策として、鉄道会社では、自動券売機、自動改札機、自動精算機等の駅務機器を導入したり、これらの駅務機器を遠隔制御する駅務遠隔監視システムを採用したりしている。
【0003】
駅務遠隔監視システムは、例えば、1つの監視センタ(有人駅又は保守センタ等)に設置したセンタ監視装置から複数の被監視駅(無人駅等)に設置したローカル監視装置を通して、映像・音声の制御や、駅務機器(券売機、精算機、改札機等)の遠隔操作を行い、無人駅であっても有人駅とほぼ同等のサービスを提供するものである(例えば、特開2000−217162号公報参照)。
【0004】
こういった自動の駅務機器やその駅務遠隔監視システムにより、駅の無人化や駅員数の削減が可能となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述した鉄道駅の無人化に伴い、もちろんごく一部ではあるが正規運賃を支払っていない乗客が、自動改札を強行突破したり、ホームから線路に飛び降りたり、ホームのフェンス(柵)を乗り越えたりすることにより、ホームの外に出て不正乗車を行なうことが可能となった。このような乗客の不正乗車が行われると、鉄道会社側にとっては適正運賃収入を得られず、乗客側にとっても自動改札機の強行突破の際に扉に挟まれてけがをしたり、線路内に飛び降りてけがをしたりする等の安全面からの不都合も想定される。しかも、乗客が不正乗車しようと線路内に立ち入ることで電車運行に支障をきたす恐れも予想される。
【0006】
前述した従来例の駅務遠隔監視システムは、上記のような駅の無人化による乗客の不正乗車に関する問題に関してその具体的な対策を必ずしも意識したものではなかった。
【0007】
本発明は、このような従来の事情を考慮に入れてなされたもので、駅が無人化された場合であっても乗客の不正乗車を効率よく防止できる不正乗車防止システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、駅務遠隔監視システム(例えば、特開2000−217162号公報で提案されている駅務遠隔監視システム)を用いて、不正乗車を行っている乗客を発見したときに不正乗車をしないようお願いする放送を流すと共に、正規運賃を支払うように誘導することにより不正乗車を防止し、また、この種の放送では不正乗車を防止できない乗客に対しては不正乗車している瞬間の乗客の映像を録画し、その映像をデータベース化することにより不正乗車の常習者発見を容易に行なうものである。
【0010】
具体的に、本発明は、複数の駅設備を遠隔制御する駅務遠隔監視システムにおいて、1)不正乗車する乗客を発見する手段、2)不正乗車した乗客を発見したときに不正乗車しないようにお願いする放送手段、3)不正乗車した瞬間の乗客の映像を保存する手段、4)不正乗車した乗客の映像をデータベース化して保存する手段、5)常習者の発見を容易に行なうよう支援する手段の組み合わせで構成されるものである。以下、1)〜5)の各手段を順次説明する。
【0011】
1)不正乗車する乗客を発見する手段
不正乗車を意識的にする方法としては、例えば、1a)自動改札機に乗車券や定期券等を投入せず、閉まっている自動改札機の扉を強行に突破する、1b)ホームから立ち入り禁止の線路内に飛び降りて駅近辺の踏切や線路の柵を越えて線路外に出る、1c)ホームから柵を乗り越えてホーム外に出る等が考えられる。そこで、こういった不正乗車のための下車を試みる乗客を発見する方法として、次のような手段を採用する。
【0012】
1d)自動改札機の扉部に圧力センサを取り付け、この圧力センサにより、閉まっている扉を乗客が強行に突破しようとした場合、その乗客の体が扉を押す力の圧力を検知し、その測定値が予め設定された基準値(しきい値)を超えたときに乗客の強行突破が行われたと判定し、その旨のセンサ信号を出力する。
【0013】
1e)線路内へ飛び降りた乗客を発見する方法としては、線路内に既知の転落検知マットを設け、そのマットにより圧力を検知し、その測定値が予め設定された基準値(しきい値)を超えたときに乗客が線路内へ飛び降りたと判定し、その旨のセンサ信号を出力する。その他の方法として、踏切等で用いる既知の障害物検知センサをホームの端に設置し、このセンサで人が線路方向を歩くのを検知し、その旨のセンサ信号を出力する。
【0014】
1f)ホームから柵を乗り越える乗客を発見する方法としては、柵の上に圧力センサや振動センサを設置し、これらのセンサにより圧力や振動を検知し、その測定値が予め設定された基準値(しきい値)を超えたときに乗客がホームから柵を乗り越えようとしていると判定し、その旨のセンサ信号を出力する。
【0015】
以上のセンサ類から出力されたセンサ信号を駅務遠隔監視システムの制御部で取り込むことにより、不正乗車する乗客を発見することができる。
【0016】
2)不正乗車した乗客を発見したときに不正乗車しないようお願いする放送手段
上記1)の各手段で不正乗車した乗客を発見した場合、駅務遠隔制御システムの制御部により、その放送設備を通じて不正乗車の状況に応じた放送を行い、不正乗車をしようとする乗客に対し注意を促す。例えば、自動改札機を強行突破した乗客に対しては、「乗車券が自動改札機に挿入されていません。運賃をお支払い頂くため、自動券売機のインターホンで係員を呼び出して下さい」等の放送を行なう。なお、本放送にて運賃を支払う乗客に対しては、駅務遠隔監視システムのインターホンと自動券売機や自動精算機等を用いて運賃を徴収することができる。
【0017】
3)不正乗車した瞬間の乗客の映像を保存する手段
駅務遠隔監視システムでは、自動改札機などの駅務端末近傍やホーム等にカメラが設置されているので、そのカメラにより不正乗車しようとする乗客の顔等の様子を保存することができる。
【0018】
こういった駅では、通常、複数のカメラで監視しているため、上記1)のセンサ類と連動して、乗客に最も近いカメラ映像に映像切り替え機を通して切り替え、その後VTRでの録画やハードディスク・ドライブ(HDD)への書き込みを開始しようとすると、不正乗車を行っている瞬間の映像を保存することができない場合が多い。
【0019】
そこで、保存用の映像信号については、例えば映像遅延装置を導入し、その映像遅延装置によりカメラ映像のフレームを5秒位遅延させることで、不正乗車の瞬間を逃さずに保存することが可能となる。
【0020】
4)不正乗車した乗客の映像をデータベース化して保存する手段
上記3)で保存した映像の内、乗客の顔等の特徴がよくわかる1フレームの映像上に駅名や日時等の情報を付加して駅務遠隔監視システムのハードディスク・ドライブ(HDD)にデータベースとして保存する。
【0021】
5)常習者の発見を容易に行なう手段
上記4)のデータベースを利用すれば、駅名や日時等の情報を付加して保存してあるため、こういった情報を元に不正乗車の常習者や不正乗車の傾向等を把握する。
【0022】
本発明は、上記のような着想を元に完成されたものである。
【0023】
すなわち、本発明に係る不正乗車防止システムは、鉄道の駅部でその不正乗車をしようとする乗客を検知する不正乗車検知手段と、この不正乗車検知手段により前記不正乗車をしようとする乗客が検知されたときに前記駅部に配置された放送設備による放送を通して前記不正乗車をしようとする乗客に対しその不正乗車の状況に合わせて注意を促す放送手段とを備え、前記不正乗車検知手段は、前記駅部の自動改札機を強行突破しようとする乗客を検知する手段と、前記駅部の線路内に飛び降りて駅外へ出ようとする乗客を検知する手段と、前記駅部のホームから柵を乗り越えて駅外へ出ようとする乗客を検知する手段とを備えたことを特徴とする。
【0024】
また、本発明に係る不正乗車防止システムは、鉄道の駅部でその不正乗車をしようとする乗客を検知する不正乗車検知手段と、この不正乗車検知手段により不正乗車をしようとする乗客が検知されたときに前記駅部に配置された監視カメラで得られる映像から前記不正乗車が行われた瞬間の乗客の映像を含めて保存する映像保存手段とを備え、前記不正乗車検知手段は、前記駅部の自動改札機を強行突破しようとする乗客を検知する手段と、前記駅部の線路内に飛び降りて駅外へ出ようとする乗客を検知する手段と、前記駅部のホームから柵を乗り越えて駅外へ出ようとする乗客を検知する手段とを備えたことを特徴とする。
【0025】
また、本発明に係る不正乗車防止システムは、鉄道の駅部でその不正乗車をしようとする乗客を検知する不正乗車検知手段と、この不正乗車検知手段により前記不正乗車をしようとする乗客が検知されたときに前記駅部に配置された監視カメラで得られる映像から前記不正乗車をしようとする乗客の映像をデータベース化して保存するデータベース手段とを備え、前記不正乗車検知手段は、前記駅部の自動改札機を強行突破しようとする乗客を検知する手段と、前記駅部の線路内に飛び降りて駅外へ出ようとする乗客を検知する手段と、前記駅部のホームから柵を乗り越えて駅外へ出ようとする乗客を検知する手段とを備えたことを特徴とする。
【0026】
また、本発明に係る不正乗車防止システムは、鉄道の駅部でその不正乗車をしようとする乗客を検知する不正乗車検知手段と、この不正乗車検知手段で検知された信号に基づいて前記乗客の不正乗車を防止するように前記駅部の設備を遠隔監視するための駅務遠隔監視システムを制御する制御手段とを備え、前記不正乗車検知手段は、前記駅部の自動改札機を強行突破しようとする乗客を検知する手段と、前記駅部の線路内に飛び降りて駅外へ出ようとする乗客を検知する手段と、前記駅部のホームから柵を乗り越えて駅外へ出ようとする乗客を検知する手段とを備えたことを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る不正乗車防止システムの実施の形態を図面を参照して具体的に説明する。
【0030】
図1は、本発明の一実施形態に係る不正乗車防止システムの概要を説明するものである。図1において、不正乗車防止システム1は、無人駅等の駅部に配置されるもので、本発明の不正乗車検知手段を成す不正乗車検知システム10と、本発明の放送手段、映像保存手段、及びデータベース手段を含む駅務遠隔監視システム20とを備える。これら両システム10、20の構成例を図2に示す。
【0031】
不正乗車検知システム10は、駅部の改集札口に設置された自動改札機扉11に設けられた圧力センサ11aと、駅部のホームに面した線路内に設置された圧力センサ12aを有する転落検知マット12と、駅部のホーム端部の線路をその幅方向に挟む両側に設置された電波センサ13aを有する障害物検知機13と、駅部とその外部とを隔てる柵14の上に設置された圧力センサ14a及び振動センサ14bとを備える。
【0032】
自動改札機扉11に設けられた圧力センサ11aは、閉まっている扉を乗客が強行に突破しようとした場合、その乗客の体が扉を押す力の圧力を検知し、その測定値が予め設定された基準値(しきい値)を超えたときに乗客の強行突破が行われたと判定し、そのセンサ信号S1を駅務遠隔監視システム20に出力する。
【0033】
転落検知マット12は、例えば既知の転落防止マットを適用したもので、その圧力センサ12aの測定値が予め設定された基準値(しきい値)を超えたときに乗客が線路内へ飛び降りたと判定し、そのセンサ信号S2を駅務遠隔監視システム20に出力する。
【0034】
障害物検知機13は、例えば踏切等で用いる既知の障害物検知センサを適用したもので、その電波センサ13aにより人が線路方向を歩くのを検知したときにそのセンサ信号S3を駅務遠隔監視システム20に出力する。
【0035】
柵14の上に設置された圧力センサ14a及び振動センサ14bは、その測定値が予め設定された基準値(しきい値)を超えたときに乗客がホームから柵を乗り越えようとしていると判定し、そのセンサ信号S4、S5を駅務遠隔監視システム20に出力する。
【0036】
駅務遠隔監視システム20は、例えば特開2000−217162号公報で提案されている1つのセンタ駅(有人駅)から複数のローカル駅(無人駅)の駅務機器/駅機器を遠隔監視するシステムを適用したもので、その構成要素の内、図2中では本例の不正乗車防止システム1を構成する要素のみを選別して例示してある。
【0037】
すなわち、この駅務遠隔監視システム20は、不正乗車検知システム10からのセンサ信号S1〜S5を元に乗客の不正乗車防止に関する制御信号S11〜S13を生成・出力する制御部21のほか、制御部21からの制御信号S11を元に駅構内の所定場所に配置された複数のカメラN1〜Nnで得られた映像C1〜Cnをその各カメラN1〜Nnの出力側に個別に置かれた各分配機M1〜Mnを介して切り替える第1の映像切替機22と、この第1の映像切替機22で切り替えられた映像C1〜Cnを映すモニタ23とを備える。
【0038】
また、この駅務遠隔監視システム20は、上記の各分配機M1〜Mnからの映像C1〜Cnを所定時間分(例えば5秒ぐらい)遅延させ、その遅延映像C1d〜CNdを出力する映像遅延装置24と、この遅延映像装置24からの遅延映像C1d〜Cndを制御部21からの制御信号S11を元に切り替える第2の映像切替機25と、この第2の映像切替機25で切り替えられた遅延映像C1d〜CNdを録画/保存するVTR/HDD26と、このVTR/HDD26で録画/保存された映像C1d〜Cndの内、乗客の顔等の特徴がよくわかる1フレームの映像上に駅名や日時等の付帯情報を付加して保存するHDD等のデータベース(DB)27とを備える。
【0039】
さらに、この駅務遠隔監視システム20は、制御部21からの制御信号S12を元に乗客の不正乗車状況に合わせて注意を促す放送を行なう放送設備28と、制御部21からの制御信号S13を元に第1の映像切替機22からの映像C1〜Cnを図示しない車両側に送信する無線系29とを備える。
【0040】
ここで、駅務遠隔監視システム20の制御部21による処理を中心にして、本例の全体動作を図3〜図8に基づいて説明する。
【0041】
まず、不正乗車した乗客を発見したときに不正乗車しないようにお願いする場合を図3及び図4に基づいて説明する。
【0042】
この場合、制御部21は図3に示す処理を実行する。すなわち、この図3に示すように、制御部21は、不正乗車検知システム10からのセンサ信号S1〜S5の入力有りか否かを判断する(ステップSt11)。この判断でNO(入力無し)の場合は同処理を繰り返し行い、YES(入力有り)の場合は次処理に移行する。この次処理で、センサ信号S1〜S5に応じ、例えば図4に示すようにセンサ信号S1〜S5と不正乗車しようとする乗客に対し注意を促すための放送内容との対応関係を予め設定した参照テーブルT1を元にして、放送設備28による放送内容を制御するための制御信号S12を生成し(ステップSt12)、その制御信号S12を放送設備28に出力する(ステップSt13)。
【0043】
これにより、不正乗車検知システム10により不正乗車した乗客が検知されると、そのセンサ信号S1〜S5を受けた駅務遠隔制御システム20の制御部21により、その放送設備28を通じて不正乗車の状況に応じた放送が行われ、不正乗車をしようとする乗客に対し注意が促される。
【0044】
例えば、自動改札機扉11を強行突破した乗客に対しては、自動改札機扉11の圧力センサ11aからのセンサ信号S1に対応した放送内容、すなわち自動改札機扉11の強行突破に対し注意を促すため、「乗車券が自動改札機に挿入されていません。運賃をお支払い頂くため、自動券売機のインターホンで係員を呼び出して下さい」等の内容が放送設備28を通じて放送される。
【0045】
これと同様に、ホームから立入禁止の線路内に飛び降りて駅近辺の踏切や柵14を乗り越えて線路外に出ようとする乗客に対しては、転落検知マスト12の圧力センサ12aからのセンサ信号S2、或いは障害物検知機13の電波センサ13aからのセンサ信号S3に対応した内容が放送設備28を通じて放送され、注意が促される。
【0046】
また、ホームから柵14を乗り越えてホーム外に出ようとする乗客に対しては、柵14上の圧力センサ14a及び振動センサ14bからのセンサ信号S4、S5に対応した内容が放送設備28を通じて放送され、注意が促される。
【0047】
次に、不正乗車した瞬間の乗客の映像を保存する場合を図5〜図8に基づいて説明する。この場合、制御部21は図5に示す処理を実行する。すなわち、この図5に示すように、制御部21は、不正乗車検知システム10からのセンサ信号S1〜S5の入力有りか否かを判断する(ステップSt21)。この判断でNO(入力無し)の場合は同処理を繰り返し行い、YES(入力有り)の場合は次処理に移行する。この次処理で、センサ信号S1〜S5に応じ、例えば図6に示すようにセンサ信号S1〜S5とカメラ映像C1〜Cnとの対応関係を予め設定した参照テーブルT2を元にして、カメラ映像C1〜Cnの切り替えとその録画を制御するための制御信号S11を生成し(ステップSt22)、その制御信号S11を第1及び第2の映像切替機22、25、及びVTR/HDD26に出力する(ステップSt23)。
【0048】
例えば、図7に示すように、カメラN1の映像がモニタ23上に映されているときに、不正乗車検知システム10により例えばカメラN2の付近(図7の例では転落検知マット12付近)で不正乗車しようとしている乗客が検知されたとすると、第1の映像切替機22は、制御部21からの制御信号S11により、カメラN1の映像C1(図7中のフレーム画像11〜14)からカメラN2の映像C2(図7中のフレーム画像21〜24)に切り替える。この切り替えは、不正乗車検知システム10からのセンサ信号S1〜S5の出力に応じたタイミング、すなわち図7中の例ではカメラN1の映像C1のフレーム画像12とカメラN2の映像C2のフレーム画像22の撮像タイミングで行われる。
【0049】
これにより、モニタ23上では、映像C1のフレーム画像11の後、そのフレーム画像12から同時相の映像C2のフレーム画像22に切り替わり、以後、フレーム画像23、24と表示されていく。従って、モニタ23上で、不正乗車の瞬間の乗客の映像、すなわち図7中の例ではカメラN2の映像C2のフレーム画像22から見ることが可能となり、無人駅であっても、不正乗車に対し容易に且つ迅速に対応することが可能となる。
【0050】
また、不正乗車の状況に応じて、駅務遠隔監視システム20の制御部21の制御信号S13により、モニタ23の映像C1〜Cnが無線系29を通じて車両側に無線で送信され、車両側のモニタ(図示しない)上でも同様の映像C1〜Cnが表示されることになる。これにより、車両の車掌や乗務員がその不正乗車の状況を把握できることから、無人駅であっても、不正乗車に対し容易に且つ迅速に対応することが可能となる。
【0051】
これと並行して、第2の映像切替機25も、制御部21からの制御信号S11により、カメラN1の遅延映像C1d(図7中のフレーム画像10〜13)からカメラN2の遅延映像C2d(図7中のフレーム画像20〜23)に切り替える。この切り替えは、不正乗車検知システム10からのセンサ信号S1〜S5の出力に応じたタイミング、すなわち図7中の例ではカメラN1の遅延映像C1dのフレーム画像11とカメラN2の遅延映像C2dのフレーム画像21の撮像タイミングで行われる。
【0052】
これにより、VTR/HDD26には、遅延映像C1dのフレーム画像10の後、そのフレーム画像11から同時相の遅延映像C2dのフレーム画像21に切り替わり、以後、フレーム画像22、23と記録/保存されていく。従って、VTR/HDD26には、不正乗車の瞬間の乗客の映像、すなわち図7中の例ではカメラN2の映像C2のフレーム画像22の前のフレーム画像21から記録/保存することが可能となり、全体の状況をより容易に把握することができる。
【0053】
図8は、上記のVTR/HDD26に記録/保存された乗客の映像の内、データベース27として保存されるデータの一例を説明するものである。この例では、データベース27には、制御部21による制御の元で、VTR/HDD26で録画/保存された映像C1d〜Cndの内、不正乗車の乗客Xの顔等の特徴がよくわかる1フレーム画像上にその付帯情報として駅名と日時を記録したデータD1、D2、…、Dnが保存されることになる。
【0054】
従って、本例によれば、無人化された鉄道駅であっても、不正乗車検知システム10により、その不正乗車を行っている乗客を容易に発見できる。加えて、不正乗車検知システム10による不正乗車の乗客検知に連動して駅務遠隔監視システム20により、不正乗車をしないようにお願いする旨の放送を流すことができ、これにより、正規運賃を支払うように誘導したりする等、乗客の不正乗車をより有効に防止することが可能となる。
【0055】
また、本例によれば、不正乗車検知システム10による不正乗車の乗客検知に連動して駅務遠隔監視システム20により、不正乗車している瞬間の映像を録画したり、データベース化したりすることにより、常習者の発見をより容易に行なう等、乗客の不正乗車をより有効に防止することが可能となる。この場合は、特に放送で不正乗車が防止できない場合に有効である。
【0056】
なお、本例の構成のほか、本発明の趣旨に逸脱しない範囲内で種々に変形して実施することが可能であることは言うまでもない。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、無人化された鉄道駅であっても、その不正乗車を行っている乗客を容易に発見できることはもちろんのこと、その発見時に連動して不正乗車をしないようにお願いする旨の放送を流すことができ、これにより、正規運賃を支払うように誘導したりする等、乗客の不正乗車をより有効に防止することが可能となる。
【0058】
また、本発明によれば、無人化された鉄道駅であっても、その不正乗車を行っている乗客を容易に発見できることはもちろんのこと、不正乗車している瞬間の映像を録画したり、データベース化したりすることにより、常習者の発見をより容易に行なう等、乗客の不正乗車をより有効に防止することが可能となる。この場合は、特に放送で不正乗車が防止できない場合に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る不正乗車防止システムの概要を説明する図。
【図2】不正乗車防止システムの全体構成を示す概略ブロック図。
【図3】不正乗車の乗客に対し放送を流す場合の処理例を説明する概略フローチャート。
【図4】不正乗車の状況と放送内容とを対応づける参照テーブルの一例を示す図。
【図5】不正乗車の乗客に対しその映像を記録/保存する場合の処理例を説明する概略フローチャート。
【図6】不正乗車の状況とカメラ映像とを対応づける参照テーブルの一例を示す図。
【図7】不正乗車した瞬間の映像を保存する映像説明図。
【図8】データベース保存の一例を説明する図。
【符号の説明】
1 不正乗車防止システム
10 不正乗車検知システム
11 自動改札機扉
11a 圧力センサ(自動改札機扉)
12 転落検知マット
12a 圧力センサ(転落検知マット)
13 障害物検知機
13a 電波センサ
14 柵
14a 圧力センサ
14b 振動センサ
20 駅務遠隔監視システム
21 制御部
22 第1の映像切替機
23 モニタ
24 映像遅延装置
25 第2の映像切替機
26 VTR/HDD
27 データベース(DB)
28 放送設備
29 無線系
N1〜Nn カメラ
M1〜Mn 分配機
C1〜Cn 映像
C1d〜Cnd 遅延映像
S1〜S5 センサ信号
S11〜S13 制御信号
Claims (4)
- 鉄道の駅部でその不正乗車をしようとする乗客を検知する不正乗車検知手段と、
前記不正乗車検知手段により前記不正乗車をしようとする乗客が検知されたときに前記駅部に配置された放送設備による放送を通して前記不正乗車をしようとする乗客に対しその不正乗車の状況に合わせて注意を促す放送手段とを備え、
前記不正乗車検知手段は、前記駅部の自動改札機を強行突破しようとする乗客を検知する手段と、前記駅部の線路内に飛び降りて駅外へ出ようとする乗客を検知する手段と、前記駅部のホームから柵を乗り越えて駅外へ出ようとする乗客を検知する手段とを備えたことを特徴とする不正乗車防止システム。 - 鉄道の駅部でその不正乗車をしようとする乗客を検知する不正乗車検知手段と、
前記不正乗車検知手段により不正乗車をしようとする乗客が検知されたときに前記駅部に配置された監視カメラで得られる映像から前記不正乗車が行われた瞬間の乗客の映像を含めて保存する映像保存手段とを備え、
前記不正乗車検知手段は、前記駅部の自動改札機を強行突破しようとする乗客を検知する手段と、前記駅部の線路内に飛び降りて駅外へ出ようとする乗客を検知する手段と、前記駅部のホームから柵を乗り越えて駅外へ出ようとする乗客を検知する手段とを備えたことを特徴とする不正乗車防止システム。 - 鉄道の駅部でその不正乗車をしようとする乗客を検知する不正乗車検知手段と、
前記不正乗車検知手段により前記不正乗車をしようとする乗客が検知されたときに前記駅部に配置された監視カメラで得られる映像から前記不正乗車をしようとする乗客の映像をデータベース化して保存するデータベース手段とを備え、
前記不正乗車検知手段は、前記駅部の自動改札機を強行突破しようとする乗客を検知する手段と、前記駅部の線路内に飛び降りて駅外へ出ようとする乗客を検知する手段と、前記駅部のホームから柵を乗り越えて駅外へ出ようとする乗客を検知する手段とを備えたことを特徴とする不正乗車防止システム。 - 鉄道の駅部でその不正乗車をしようとする乗客を検知する不正乗車検知手段と、
前記不正乗車検知手段で検知された信号に基づいて前記乗客の不正乗車を防止するように前記駅部の設備を遠隔監視するための駅務遠隔監視システムを制御する制御手段とを備え、
前記不正乗車検知手段は、前記駅部の自動改札機を強行突破しようとする乗客を検知する手段と、前記駅部の線路内に飛び降りて駅外へ出ようとする乗客を検知する手段と、前記駅部のホームから柵を乗り越えて駅外へ出ようとする乗客を検知する手段とを備えたことを特徴とする不正乗車防止システム。
Priority Applications (1)
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JP2001043920A JP4175779B2 (ja) | 2001-02-20 | 2001-02-20 | 不正乗車防止システム |
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