JP4175702B2 - ダストコントロール用品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、加工糸によりダスト除去部が構成されているマット、モップ等であって、レンタル用のダストコントロール用品に関するものである。
【0002】
【従来技術及びその課題】
ダストコントロール用品のダスト除去部を構成する加工糸としては、それを構成する繊維内に多くの空隙を有するものが好ましい。何故なら、ダストや水分は空隙内に保持されるため、空隙が多いとダスト除去機能が高くなるからである。このような空隙を加工糸に多く持たせるためには、1本1本の繊維が捲縮性を有している必要があり、また、撚り合わせてなる繊維束が空隙を維持している必要がある。
【0003】
ところで、空隙を多く有した従来の加工糸を用いたレンタル用のダストコントロール用品においては、回収→洗浄・乾燥→再利用というサイクルの洗浄・乾燥処理において、加工糸が、単繊維同士の絡み合いや繊維束の収縮によって、空隙を少なくする方向に凝集する。加工糸が凝集すると、加工糸の太さが低下し、加工糸が長さ方向に収縮し、そのため、ダスト除去機能が低下する。また、長さ方向の収縮は、マットやモップの製品外観の変形の原因となり、見かけ上見苦しく、安全性の点でも問題が生じることとなる。従って、このような加工糸の形態変化は、ダストコントロール用品の品質や寿命を低下させ、その結果、耐用回数を低下させる。
【0004】
本発明は、加工糸の凝集によるダスト除去機能の低下と、加工糸の長さ方向の収縮及びそれに伴う外観の変形とを防止して耐用性を向上でき、更には、ブラッシング機能も向上できる、ダストコントロール用品を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、加工糸によりダスト除去部が構成されているダストコントロール用品において、芯部とそれを取り巻く鞘部とからなり且つ鞘部が低融点材料でできている、芯鞘構造糸と、パイル原糸とが、撚り合わされており、且つ、鞘部が溶融して芯鞘構造糸がパイル原糸に接着している、糸を、上記加工糸として用いたことを特徴としている。
【0006】
上記加工糸は、下撚りしたパイル原糸と共に芯鞘構造糸を上撚りし、加熱加湿条件下で鞘部を溶融して製造する。芯鞘構造糸の形態は、フィラメントタイプでもスパンタイプでもよい。また、芯鞘構造糸1本のフィラメント構成は製品に影響を及ぼさない。何故なら、芯鞘構造糸は、熱処理後、単繊維同士が相互に接着し、見かけ上、1本の繊維として機能するからである。例えば、図1は加熱加湿処理する直前の状態の加工糸の一部分解斜視部分図であり、下撚りした2本のパイル原糸1と共に1本の芯鞘構造糸2を上撚りした状態を示している。ここでの芯鞘構造糸2は例えば16本のフィラメント20からなっており、1本のフィラメント20は芯部21とそれを取り巻く鞘部22とからなっている。
【0007】
芯鞘構造糸を構成する繊維としては、熱による収縮、繰り返し洗浄による収縮等が少なく、形態安定性に優れている材質が、好ましく、例えば、ポリエステルが特に好ましいが、ポリアミド、ポリプロピレン等も用いることができる。
【0008】
芯鞘構造糸の芯部としては、寸法の安定化のため、通常の繊維として使用される程度の物理的特性を有するものを使用する。鞘部としては、芯部に例えばポリエステルを用いた場合には、低融点である変成ポリエステルを用いる。また、鞘部としては、パイル原糸の繊維と同種のものが好ましく用いられる。何故なら、その場合には、鞘部が溶融した際のパイル原糸との接着強度が最も高くなるからである。しかし、両者は必ずしも同種でなくてもよい。何故なら、芯鞘構造糸とパイル原糸とは、応力が加わった状態での接着となるために、相互に入り組んだ構造となり、即ち構造接着となるからである。芯鞘構造糸として、市販されているものとしては、例えば、商品名「ベルカップル」(鐘紡株式会社製)、商品名「メルティ」(ユニチカ株式会社製)、商品名「キャスベン」(ユニチカ株式会社製)がある。
【0009】
パイル原糸としては、ダストコントロール用品に通常用いられる捲縮性繊維であれば、殆どのものを使用でき、その材質としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ビニロン、アクリル、レーヨン、コットン等を使用でき、その形状としては、スパンタイプ、フィラメントタイプのいずれも使用できる。
【0010】
請求項1記載の発明においては、パイル原糸を構成する捲縮性繊維間に、芯鞘構造糸によって橋かけ状態が設定されるので、繊維間の凝集が防止され、また、カットパイルとした場合には加工糸先端の収束持続性が向上する。また、芯鞘構造糸の芯部が低収縮性であるので、加工糸の長さ方向の収縮が防止される。更に、芯部の太い1本のフィラメントからなる芯鞘構造糸を1本用いた場合には、その芯部の剛性により、加工糸の剛性が向上し、ひいてはダスト除去部のブラッシング機能が向上し、マルチフィラメントからなる芯鞘構造糸を用いた場合には、芯部同士が鞘部を介して接着されるので、芯鞘構造糸更には加工糸の剛性が向上し、ひいてはダスト除去部のブラッシング機能が向上する。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、芯鞘構造糸がマルチフィラメントからなっており、各鞘部が溶融しているものである。
なお、鞘部の融点は、湿熱条件下で90℃以上200℃以下であるのが、好ましい。
鞘部の融点の下限値が90℃より低いと、洗浄・乾燥処理を繰り返すことにより、鞘部の軟化再溶融により鞘部とパイル原糸との接着強度が低下する。また、上限値が200℃より高いと、鞘部を溶融させてパイル原糸と接着させる際にパイル原糸が変質する。
【0012】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
[加工糸の製造]
2本のパイル原糸と1本の芯鞘構造糸とを合わせて上撚りし、加湿条件下で加熱処理して、加工糸を得た。具体的には、次の通りである。
【0013】
[マットの製造]
上記加工糸を基布にタフトしてダスト除去部となるパイル部を構成し、基布の裏面に接着剤を塗布した後、ゴム基材を接合してマットを得た。具体的には、次の通りである。
【0014】
(実施形態2)
[加工糸の製造]
2本のパイル原糸と3本の芯鞘構造糸とを合わせて上撚りし、加湿条件下で加熱処理して、加工糸を得た。具体的には、次の通りである。
【0015】
[マットの製造]
上記加工糸を基布にタフトしてダスト除去部となるパイル部を構成し、基布の裏面に接着剤を塗布した後、ゴム基材を接合してマットを得た。具体的には、次の通りである。
【0016】
(実施形態3)
[加工糸の製造]
実施形態2と同じである。
【0017】
[モップの製造]
キャンバス部に、架橋剤が配合された接着剤を浸漬塗布し、このキャンバス部に、上記加工糸をモップ形状に縫製したものを、熱処理して接合させてダスト除去部となるパイル部を構成して、モップを得た。具体的には、次の通りである。
【0018】
(比較形態1)
実施形態1において、芯鞘構造糸を使用せず、その他は同様にして、マットを得た。
【0019】
(比較形態2)
実施形態1において、芯鞘構造糸の代わりに、溶融し得る糸(融着糸)を使用し、その他は同様にして、マットを得た。
【0020】
(比較形態3)
実施形態2において、芯鞘構造糸を使用せず、その他は同様にして、マットを得た。
【0021】
(比較形態4)
実施形態3において、芯鞘構造糸を使用せず、その他は同様にして、モップを得た。
【0022】
(比較テスト)
[加工糸収縮防止性能テスト]
実施形態1及び比較形態1,2の加工糸を、1mの長さに切断し、97℃×30分間、湯槽中に浸漬した後、乾燥し、寸法収縮率を測定した。表1はその結果を示す。
【0023】
【表1】
【0024】
[製品性能テスト]
・実施形態1,2及び比較形態1,3のマットについて、通行人数2000人/日の場所に3日間敷設後、洗浄・乾燥処理及び再生加工処理を行う、というサイクルを20回行った後、マット全体の寸法収縮率及び変形度を求めた。表2はその結果を示す。なお、変形度は、マット外周部分に発生した凹凸の内の、大きな凸部の大きさ及び個数で示した。また、洗浄・乾燥処理は、被洗物30kgに対応する回転ドラム式洗浄機乾燥機を用いて次の条件で行った。
【0025】
【表2】
【0026】
・実施形態3及び比較形態4のモップについて、約200坪の広さの事務所にて3日間実使用に供し、洗浄・再生加工・乾燥処理を行った後、モップ全体の寸法収縮率及び変形度を求めた。表3はその結果を示す。なお、変形度は、モップのキャンバス部分に発生した凹凸の内の、大きな凸部の大きさ及び個数で示した。また、洗浄・再生加工・乾燥処理は、次の条件で行った。
【0027】
【表3】
【0028】
[考察]
実施形態においては、洗浄(浸漬)・乾燥処理にて熱が加えられた後においてもパイル部の加工糸の長さ方向の収縮が殆ど見られず、結果として、該パイル部を備えたダストコントロール用品の、パイル部の収縮による変形が防止され、耐用性が向上した。これは、芯鞘構造糸の鞘部が、加工糸の長さ方向に平行に且つパイル原糸に対して略垂直に位置し、パイル原糸を強固に接着したために、加工糸の凝集が防止され、加工糸の長さ方向の収縮が防止されたことによる、と考えられる。
【0029】
また、実使用テストにおいて、実施形態では、加工糸の先端の開きが認められず、外観も良好な状態が保たれたが、比較形態では、加工糸の先端の開きが著しく、外観も損なわれたものであった。
【0030】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、ダスト除去部を構成する加工糸の長さ方向の収縮を防止できるので、ダスト除去機能の低下を防止でき、従って、耐用性を向上できる。
【0031】
また、芯部の太い芯鞘構造糸を用いることにより、又は芯鞘構造糸を複数本用いることにより、加工糸の剛性を高めてブラッシング機能を向上できる。
【0032】
請求項2記載の発明によれば、芯部同士を鞘部を介して接着できるので、芯鞘構造糸更には加工糸の剛性を向上でき、ひいてはダスト除去部のブラッシング機能を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 2本のパイル原糸と1本の芯鞘構造糸とからなる加工糸であって、加熱加湿処理する直前の状態の加工糸の一部分解斜視部分図である。
【符号の説明】
1 パイル原糸
2 芯鞘構造糸
21 芯部
22 鞘部
Claims (2)
- 加工糸によりダスト除去部が構成されているダストコントロール用品において、
芯部とそれを取り巻く鞘部とからなり且つ鞘部が低融点材料でできている、芯鞘構造糸と、パイル原糸とが、撚り合わされており、且つ、鞘部が溶融して芯鞘構造糸がパイル原糸に接着している、糸を、上記加工糸として用いたことを特徴とするダストコントロール用品。 - 芯鞘構造糸がマルチフィラメントからなっており、各鞘部が溶融している、請求項1記載のダストコントロール用品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP20019498A JP4175702B2 (ja) | 1998-07-15 | 1998-07-15 | ダストコントロール用品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP20019498A JP4175702B2 (ja) | 1998-07-15 | 1998-07-15 | ダストコントロール用品 |
Publications (2)
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JP2000023899A JP2000023899A (ja) | 2000-01-25 |
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Family
ID=16420374
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20019498A Expired - Lifetime JP4175702B2 (ja) | 1998-07-15 | 1998-07-15 | ダストコントロール用品 |
Country Status (1)
Country | Link |
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FR2822854A1 (fr) * | 2001-03-27 | 2002-10-04 | Matex Manufacture Textile D Ar | Fil destine plus particulierement a la realisation de tissus d'entretien ou de franges de tetes de balais a franges pour le nettoyage des sols |
KR101402066B1 (ko) | 2012-10-31 | 2014-06-02 | 이규환 | 나선형 코일사와 그 섬유원단, 및 그의 제조방법 |
-
1998
- 1998-07-15 JP JP20019498A patent/JP4175702B2/ja not_active Expired - Lifetime
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