JP2000023899A - ダストコントロール用品 - Google Patents

ダストコントロール用品

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JP2000023899A
JP2000023899A JP10200194A JP20019498A JP2000023899A JP 2000023899 A JP2000023899 A JP 2000023899A JP 10200194 A JP10200194 A JP 10200194A JP 20019498 A JP20019498 A JP 20019498A JP 2000023899 A JP2000023899 A JP 2000023899A
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Toshiyoshi Fujioka
利義 藤岡
Seiji Ochi
清治 越智
Yoshihisa Fujiwara
佳久 藤原
Yuji Nagahama
勇二 永浜
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工糸の凝集によるダスト除去機能の低下を
防止して耐用性を向上でき、更には、ブラッシング機能
も向上できる、ダストコントロール用品を提供するこ
と。 【解決手段】 加工糸によりダスト除去部が構成されて
いるダストコントロール用品において、芯部21とそれ
を取り巻く鞘部22とからなり、鞘部22が低融点材料
でできている、芯鞘構造糸2が、パイル原糸1と撚り合
わされており、且つ、鞘部22が溶融して芯鞘構造糸2
がパイル原糸1に接着している、糸を、上記加工糸とし
て用いたことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加工糸によりダス
ト除去部が構成されているマット、モップ等であって、
レンタル用のダストコントロール用品に関するものであ
る。
【0002】
【従来技術及びその課題】ダストコントロール用品のダ
スト除去部を構成する加工糸としては、それを構成する
繊維内に多くの空隙を有するものが好ましい。何故な
ら、ダストや水分は空隙内に保持されるため、空隙が多
いとダスト除去機能が高くなるからである。このような
空隙を加工糸に多く持たせるためには、1本1本の繊維
が捲縮性を有している必要があり、また、撚り合わせて
なる繊維束が空隙を維持している必要がある。
【0003】ところで、空隙を多く有した従来の加工糸
を用いたレンタル用のダストコントロール用品において
は、回収→洗浄・乾燥→再利用というサイクルの洗浄・
乾燥処理において、加工糸が、単繊維同士の絡み合いや
繊維束の収縮によって、空隙を少なくする方向に凝集す
る。加工糸が凝集すると、加工糸の太さが低下し、加工
糸が長さ方向に収縮し、そのため、ダスト除去機能が低
下する。また、長さ方向の収縮は、マットやモップの製
品外観の変形の原因となり、見かけ上見苦しく、安全性
の点でも問題が生じることとなる。従って、このような
加工糸の形態変化は、ダストコントロール用品の品質や
寿命を低下させ、その結果、耐用回数を低下させる。
【0004】本発明は、加工糸の凝集によるダスト除去
機能の低下と、加工糸の長さ方向の収縮及びそれに伴う
外観の変形とを防止して耐用性を向上でき、更には、ブ
ラッシング機能も向上できる、ダストコントロール用品
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
加工糸によりダスト除去部が構成されているダストコン
トロール用品において、芯部とそれを取り巻く鞘部とか
らなり、鞘部が低融点材料でできている、芯鞘構造糸
が、パイル原糸と撚り合わされており、且つ、鞘部が溶
融して芯鞘構造糸がパイル原糸に接着している、糸を、
上記加工糸として用いたことを特徴としている。
【0006】上記加工糸は、下撚りしたパイル原糸と共
に芯鞘構造糸を上撚りし、加熱加湿条件下で鞘部を溶融
して製造する。芯鞘構造糸の形態は、フィラメントタイ
プでもスパンタイプでもよい。また、芯鞘構造糸1本の
フィラメント構成は製品に影響を及ぼさない。何故な
ら、芯鞘構造糸は、熱処理後、単繊維同士が相互に接着
し、見かけ上、1本の繊維として機能するからである。
例えば、図1は加熱加湿処理する直前の状態の加工糸の
一部分解斜視部分図であり、下撚りした2本のパイル原
糸1と共に1本の芯鞘構造糸2を上撚りした状態を示し
ている。ここでの芯鞘構造糸2は例えば16本のフィラ
メント20からなっており、1本のフィラメント20は
芯部21とそれを取り巻く鞘部22とからなっている。
【0007】芯鞘構造糸を構成する繊維としては、熱に
よる収縮、繰り返し洗浄による収縮等が少なく、形態安
定性に優れている材質が、好ましく、例えば、ポリエス
テルが特に好ましいが、ポリアミド、ポリプロピレン等
も用いることができる。
【0008】芯鞘構造糸の芯部としては、寸法の安定化
のため、通常の繊維として使用される程度の物理的特性
を有するものを使用する。鞘部としては、芯部に例えば
ポリエステルを用いた場合には、低融点である変成ポリ
エステルを用いる。また、鞘部としては、パイル原糸の
繊維と同種のものが好ましく用いられる。何故なら、そ
の場合には、鞘部が溶融した際のパイル原糸との接着強
度が最も高くなるからである。しかし、両者は必ずしも
同種でなくてもよい。何故なら、芯鞘構造糸とパイル原
糸とは、応力が加わった状態での接着となるために、相
互に入り組んだ構造となり、即ち構造接着となるからで
ある。芯鞘構造糸として、市販されているものとして
は、例えば、商品名「ベルカップル」(鐘紡株式会社
製)、商品名「メルティ」(ユニチカ株式会社製)、商
品名「キャスベン」(ユニチカ株式会社製)がある。
【0009】パイル原糸としては、ダストコントロール
用品に通常用いられる捲縮性繊維であれば、殆どのもの
を使用でき、その材質としては、例えば、ポリエステ
ル、ポリアミド、ビニロン、アクリル、レーヨン、コッ
トン等を使用でき、その形状としては、スパンタイプ、
フィラメントタイプのいずれも使用できる。
【0010】請求項1記載の発明においては、パイル原
糸を構成する捲縮性繊維間に、芯鞘構造糸によって橋か
け状態が設定されるので、繊維間の凝集が防止され、ま
た、カットパイルとした場合には加工糸先端の収束持続
性が向上する。また、芯鞘構造糸の芯部が低収縮性であ
るので、加工糸の長さ方向の収縮が防止される。更に、
芯部の太い1本のフィラメントからなる芯鞘構造糸を1
本用いた場合には、その芯部の剛性により、加工糸の剛
性が向上し、ひいてはダスト除去部のブラッシング機能
が向上し、マルチフィラメントからなる芯鞘構造糸を用
いた場合には、芯部同士が鞘部を介して接着されるの
で、芯鞘構造糸更には加工糸の剛性が向上し、ひいては
ダスト除去部のブラッシング機能が向上する。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、鞘部の融点が、湿熱条件下で90℃以上2
00℃以下であるものである。鞘部の融点の下限値が9
0℃より低いと、洗浄・乾燥処理を繰り返すことによ
り、鞘部の軟化再溶融により鞘部とパイル原糸との接着
強度が低下する。また、上限値が200℃より高いと、
鞘部を溶融させてパイル原糸と接着させる際にパイル原
糸が変質する。
【0012】
【発明の実施の形態】(実施形態1) [加工糸の製造]2本のパイル原糸と1本の芯鞘構造糸
とを合わせて上撚りし、加湿条件下で加熱処理して、加
工糸を得た。具体的には、次の通りである。 ・パイル原糸…・捲縮性を有するポリエステルフィラメント糸 …・トータルデニール:1800デニール ・単糸デニール:3デニール ・撚り数…・下撚り:190回/m ・製法…上記ポリエステルフィラメント糸の1800デニール を下撚りして、パイル原糸とした。 ・芯鞘構造糸…・商品名「ベルカップル」(鐘紡株式会社製) …・250デニール(16フィラメント) ・マルチフィラメントタイプ ・上撚り:220回/m ・加熱加湿条件…・170℃×10分間
【0013】[マットの製造]上記加工糸を基布にタフ
トしてダスト除去部となるパイル部を構成し、基布の裏
面に接着剤を塗布した後、ゴム基材を接合してマットを
得た。具体的には、次の通りである。 ・基布…・ポリエステル不織布:120g/m2 ・パイル部…・上記加工糸:1800+1800+250デニール ・タフト密度…・ゲージ:5/32(5インチ当り32コ) ・ステッチ:7(1インチ当り7コ) ・パイル長:10mm ・パイル形状:カットパイル ・接着剤…・NBRラテックス:200g/m2 ・ゴム基材…・NBRラバー:1.5mm厚 ・接合処理…・170℃で10分間、4kg/cm2の圧力で、加圧加熱した 。 ・マットの大きさ…・75cm×90cm
【0014】(実施形態2) [加工糸の製造]2本のパイル原糸と3本の芯鞘構造糸
とを合わせて上撚りし、加湿条件下で加熱処理して、加
工糸を得た。具体的には、次の通りである。 ・パイル原糸…・綿状コットンを紡績紡糸してなる糸:1800デニール ・撚り数…・下撚り:190回/m ・製法…綿状コットンからなる上記糸を下撚りして、パイル原 糸とした。 ・芯鞘構造糸…・商品名「ベルカップル」(鐘紡株式会社製) …・75デニール(24本) ・上撚り:220回/m ・加熱加湿条件…・170℃×10分間
【0015】[マットの製造]上記加工糸を基布にタフ
トしてダスト除去部となるパイル部を構成し、基布の裏
面に接着剤を塗布した後、ゴム基材を接合してマットを
得た。具体的には、次の通りである。 ・基布…・ポリエステル不織布:150g/m2 ・パイル部…・上記加工糸:1800+1800+225デニール ・タフト密度…・ゲージ:5/32(5インチ当り32コ) ・ステッチ:8(1インチ当り8コ) ・パイル長:10mm ・パイル形状:カットパイル ・接着剤…・NBRラテックス:200g/m2 ・ゴム基材…・NBRラバー:1.7mm厚 ・接合処理…・170℃で10分間、4kg/cm2の圧力で、加圧加熱した 。 ・マットの大きさ…・75cm×90cm
【0016】(実施形態3) [加工糸の製造]実施形態2と同じである。
【0017】[モップの製造]キャンバス部に、架橋剤
が配合された接着剤を浸漬塗布し、このキャンバス部
に、上記加工糸をモップ形状に縫製したものを、熱処理
して接合させてダスト除去部となるパイル部を構成し
て、モップを得た。具体的には、次の通りである。 ・キャンバス部…・ポリエステル平織布:200g/m2 ・モップ形状…・長さ:30cm ・幅:18cm ・目付量:60g ・パイル部…・タフト密度…・ゲージ:5/16(5インチ当り16コ) ・ステッチ:8(1インチ当り8コ) ・パイル長:30mm ・パイル形状:カットパイル ・架橋剤…・n−メトキシメチロール化メラミン ・接着剤…・NBRラテックス:150g/m2(固型分) ・上記架橋剤を10%配合 ・熱処理…・170℃で15分間
【0018】(比較形態1)実施形態1において、芯鞘
構造糸を使用せず、その他は同様にして、マットを得
た。
【0019】(比較形態2)実施形態1において、芯鞘
構造糸の代わりに、溶融し得る糸(融着糸)を使用し、
その他は同様にして、マットを得た。 ・融着糸…・商品名「フロールM」(ユニチカ株式会社製) …・200デニール ・24フィラメント
【0020】(比較形態3)実施形態2において、芯鞘
構造糸を使用せず、その他は同様にして、マットを得
た。
【0021】(比較形態4)実施形態3において、芯鞘
構造糸を使用せず、その他は同様にして、モップを得
た。
【0022】(比較テスト) [加工糸収縮防止性能テスト]実施形態1及び比較形態
1,2の加工糸を、1mの長さに切断し、97℃×30
分間、湯槽中に浸漬した後、乾燥し、寸法収縮率を測定
した。表1はその結果を示す。
【0023】
【表1】
【0024】[製品性能テスト] ・実施形態1,2及び比較形態1,3のマットについ
て、通行人数2000人/日の場所に3日間敷設後、洗
浄・乾燥処理及び再生加工処理を行う、というサイクル
を20回行った後、マット全体の寸法収縮率及び変形度
を求めた。表2はその結果を示す。なお、変形度は、マ
ット外周部分に発生した凹凸の内の、大きな凸部の大き
さ及び個数で示した。また、洗浄・乾燥処理は、被洗物
30kgに対応する回転ドラム式洗浄機乾燥機を用いて
次の条件で行った。
【0025】
【表2】
【0026】・実施形態3及び比較形態4のモップにつ
いて、約200坪の広さの事務所にて3日間実使用に供
し、洗浄・再生加工・乾燥処理を行った後、モップ全体
の寸法収縮率及び変形度を求めた。表3はその結果を示
す。なお、変形度は、モップのキャンバス部分に発生し
た凹凸の内の、大きな凸部の大きさ及び個数で示した。
また、洗浄・再生加工・乾燥処理は、次の条件で行っ
た。 ・洗浄条件…・洗浄:60℃,15分間,pH11 ・漂白:60℃,10分間,塩素投入量200ppm ・染色:50℃,10分間,pH10 ・再生加工(油剤エマルジョン加工)条件 …・50℃,10分間,pH5,油剤量15%owf ・乾燥条件…・90℃,40分間
【0027】
【表3】
【0028】[考察]実施形態においては、洗浄(浸
漬)・乾燥処理にて熱が加えられた後においてもパイル
部の加工糸の長さ方向の収縮が殆ど見られず、結果とし
て、該パイル部を備えたダストコントロール用品の、パ
イル部の収縮による変形が防止され、耐用性が向上し
た。これは、芯鞘構造糸の鞘部が、加工糸の長さ方向に
平行に且つパイル原糸に対して略垂直に位置し、パイル
原糸を強固に接着したために、加工糸の凝集が防止さ
れ、加工糸の長さ方向の収縮が防止されたことによる、
と考えられる。
【0029】また、実使用テストにおいて、実施形態で
は、加工糸の先端の開きが認められず、外観も良好な状
態が保たれたが、比較形態では、加工糸の先端の開きが
著しく、外観も損なわれたものであった。
【0030】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、ダスト除
去部を構成する加工糸の長さ方向の収縮を防止できるの
で、ダスト除去機能の低下を防止でき、従って、耐用性
を向上できる。
【0031】また、芯部の太い芯鞘構造糸を用いること
により、又は芯鞘構造糸を複数本用いることにより、加
工糸の剛性を高めてブラッシング機能を向上できる。
【0032】請求項2記載の発明によれば、実使用時に
おける洗浄・乾燥処理を経ても、加工糸の長さ方向の収
縮を確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 2本のパイル原糸と1本の芯鞘構造糸とから
なる加工糸であって、加熱加湿処理する直前の状態の加
工糸の一部分解斜視部分図である。
【符号の説明】
1 パイル原糸 2 芯鞘構造糸 21 芯部 22 鞘部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤原 佳久 大阪府吹田市豊津町1番33号 株式会社ダ スキン内 (72)発明者 永浜 勇二 大阪府吹田市豊津町1番33号 株式会社ダ スキン内 Fターム(参考) 3B074 AA02 AA08 AB04 AC00 4L036 MA04 MA05 MA15 MA33 MA35 MA39 PA47 UA08 UA25

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工糸によりダスト除去部が構成されて
    いるダストコントロール用品において、 芯部とそれを取り巻く鞘部とからなり、鞘部が低融点材
    料でできている、芯鞘構造糸が、パイル原糸と撚り合わ
    されており、且つ、鞘部が溶融して芯鞘構造糸がパイル
    原糸に接着している、糸を、上記加工糸として用いたこ
    とを特徴とするダストコントロール用品。
  2. 【請求項2】 鞘部の融点が、湿熱条件下で90℃以上
    200℃以下である請求項1記載のダストコントロール
    用品。
JP20019498A 1998-07-15 1998-07-15 ダストコントロール用品 Expired - Lifetime JP4175702B2 (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2822854A1 (fr) * 2001-03-27 2002-10-04 Matex Manufacture Textile D Ar Fil destine plus particulierement a la realisation de tissus d'entretien ou de franges de tetes de balais a franges pour le nettoyage des sols
KR101402066B1 (ko) 2012-10-31 2014-06-02 이규환 나선형 코일사와 그 섬유원단, 및 그의 제조방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2822854A1 (fr) * 2001-03-27 2002-10-04 Matex Manufacture Textile D Ar Fil destine plus particulierement a la realisation de tissus d'entretien ou de franges de tetes de balais a franges pour le nettoyage des sols
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