JP4175670B2 - 固体相核酸の単離 - Google Patents

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Description

発明の技術分野
本発明は核酸の単離に関し、更に詳しくは、固体相細胞分離段階と固体相DNA単離段階とを組み合わせた、DNAを細胞から単離する方法に関する。
従来の技術
核酸の単離は、多くの生化学的および診断操作において重要な段階である。例えば、しばしば見られる複合混合物から核酸の分離は、例えば検出、クローニング、配列決定、増幅、ハイブリッド形成、cDNA合成等のその他の研究および工程を行う前に頻繁に必要である。多量の細胞性又はその他の混入材料、例えばタンパク質又は炭水化物、がかかる複合混合物に存在すると、分子生物学に使用する反応および技法の多くをしばしば妨害する。更に、DNAはRNA産物に混入し得、そして逆もあり得る。従って、核酸を細胞、組織等のような複合混合物から単離する方法が、予備的観点からだけでなく、DNA又はRNAの鑑定に依存する今日使用されている多くの方法、例えば微生物感染、法科学、組織および血液型判定、遺伝子変異の検出等、において要求されている。
DNA又はRNA鑑定の使用は、異なる細胞又は細胞型を区別する手段、又はDNA突然変異を含む同じ細胞型の変種を区別する手段として、今日広く受け入れられている。このように、HLA判定は、抗体を使用して特徴的な表面抗原を確認することにより、更に普通に実施されるが、かかる抗原をコードするDNAを確認することによっても行い得る。微生物感染又は混入は、微生物の細胞を例えば形態学的に又は生化学的に特徴づける特徴を検出することに依存するよりもむしろ、標的生体を検出するために核酸を分析することにより確認し得る。遺伝子変異は同様の手段で確認し得る。
一般にDNA又はRNAは、低レベルの非特異的結合を確実にするのに十分な厳格な条件下で、1種又はそれ以上のオリゴヌクレオチドへのハイブリッド形成によって確認される。通常、ハイブリッド形成用のヌクレオチドはプライマーとして対で、現在入手できるいろいろな形態のイン ビトロ増幅で、主としてポリメラーゼ鎖反応(PCR)だけでなく、リガーゼ増幅反応(LAR)、自己保存配列複製(3SR)およびQ−ベータレプリカーゼ増幅系にも使用される。増幅後にDNAは、例えばサンガー(Sanger)法により、更に特徴づけられる。増幅および配列決定は組み合わせてもよい。
上述したように、全ての方法は一般に、核酸を材料、例えば使用するハイブリッド形成および増幅技術を妨害し得るタンパク質、から分離するために初期の核酸単離段階を必要とする。
核酸の単離にある範囲の方法が知られているが、一般的には、それらの方法は、複雑な一連の抽出および洗浄工程に頼り、実施するのに時間がかかりそして労力がいる。
核酸を、血液又は血液生成物又は組織のような複合出発材料から単離するための古典的方法は、生物学的材料を、界面活性剤又はカオトロープを用いる、多分タンパク質分解酵素の存在下での溶解、次いで有機溶媒、例えばフェノールおよび/又はクロロホルム、を用いた数回の抽出、エタノール沈殿、遠心分離および核酸の透析を含む。かかる方法は実施するのは面倒で時間がかかるだけでなく、必要とする比較的多い段階が分解、サンプルの損失、又はいくつかのサンプルを同時に処理する場合は交互汚染の危険性を増大させる。
核酸の単離方法の改良が絶えず探求され、そして更に最近は、固体相の使用に依存する他の方法が提案された。例えばUS−A−5,234,809には、核酸が、グアニジウム塩のようなカオトロープ剤の存在下でシリカ粒子の形の固体相に結合され、これによりサンプルの残部から分離される方法が記載されている。WO91/12079は、核酸が固体相の表面上に沈殿により捕獲される方法が記載されている。一般的に云うと、アルコールおよび塩が沈殿剤として使用される。
発明が解決しようとする課題
かかる方法は核酸単離工程の速度を高めるが、実施が迅速で且つ簡単であり、損失のない良好な収量を可能にし、そして特に核酸を基本とする細胞検出操作において核酸を標的細胞から単離するための予備的第1段階として、核酸を細胞混合物から又は核酸が低濃度で存在し得る環境から単離するのに容易な方法に対する要求がまだある。本発明はこの要求に向けたものである。特に、ハイブリッド形成に基づく技術、例えばPCRおよび微生物検出のためのその他の核酸に基づく方法は、サンプル中の細胞を高感度で検出するが、サンプルの調製、即ち標的細胞の濃度および核酸精製は、該方法の高感度性および再現性を達成するために決定的因子である。現在、細胞は普通まずサンプルから、濾過、遠心分離又は固体相に付いた抗体への親和性結合により単離される。このようにして細胞を濃縮した後、次にDNAは濃縮された細胞から、しばしば上述の古典的フェノール/クロロホルム抽出法により精製されるが、不利益を伴う。
課題を解決するための手段
本発明者は、この問題に対して新規な方法を提案し、該方法は細胞単離と核酸精製とを、細胞吸着と核酸精製の両方に同じ固体相を用いることにより、単一の“段階”に一体化する。これは、第1段階として細胞を固体支持体に結合することにより達成される。次に同じ固体支持体を、結合された細胞を溶解する条件下で使用すると、次に核酸を該支持体に結合させることが可能となる。
このようにして、核酸はサンプルから、45分未満しか時間がかからない実施が簡単で迅速な操作により、増幅又はその他の下流の加工に適した形態で単離し得る。
本発明は、一つの観点では、細胞のサンプルから核酸を単離する方法を提供し、該方法は、
(a)該サンプル中の細胞を固体支持体に結合させて細胞を該サンプルから分離し;
(b)分離された細胞を溶解し;そして
(c)該溶解した細胞から放出された核酸を同じ該固体支持体に結合させる、
ことを含む。
核酸はDNA、RNA又は天然の若しくは合成のそれらの変形物、並びにそれらの組み合わせであり得る。しかしながら、好ましくは、核酸はDNAであり、それは一本鎖又は二本鎖でも、或いはその他の形体、例えば線状又は円形状であってもよい。
“細胞”の用語は、本願では全ての原始核(原始細菌を含む)細胞および成熟核細胞、並びにウイルスおよびミコプラズマのようなその他の生存可能な実在物、小器官のような細胞下位(sub)成分を含む。従って、代表的な“細胞”には、全ての型の哺乳動物および非哺乳動物の細胞、植物細胞、プロトプラスト、バクテリア(細菌)、原生動物およびウイルスが含まれる。
従って、サンプルは、かかる細胞内に核酸を含むあらゆる材料であることができ、例えば食物および関連製品、臨床的および環境的材料を含む。このように、サンプルは生物学的サンプルであることができ、全ての原始核細胞又は成熟核細胞、ウイルス、バクテリオファージ、ミコプラズマ、プロトプラストおよび小器官を含めて、あらゆる生存可能な又は細胞性の材料を含んでもよい。従って、かかる生物学的材料は、全ての型の哺乳動物および非哺乳動物の細胞、植物細胞、青緑藻類を含む藻類、菌類、バクテリア、原生動物等を包含し得る。代表的なサンプルには、全血および血漿又は軟膜のような血液誘導生成物、尿、糞、脳脊髄流体又はその他の体液、組織、細胞培養物、細胞懸濁液等、並びに土壌、水、又は食物サンプルのような環境サンプルが含まれる。
サンプルはまた、相対的に純粋な又は部分的に精製された出発材料、例えば他の細胞分離工程で得られた半−純粋調製物、を含んでもよい。
細胞の固体支持体への結合は、あらゆる公知の又は便利な方法で達成し得る。例えば、細胞の支持体への非特異的結合は、固体支持体と条件、例えば固体支持体の表面の化学的又は物理的性質(例えば疎水性又は帯電)、単離媒体のpH又は組成等、を適当に選択することにより達成し得る。標的細胞の性質は役割を果たし得、そして、例えばある種の疎水性細胞は非特異的に疎水性表面に容易に結合するが、親水性細胞は親水性表面により多く結合し得ることが示された。B−リンパ球のような負に帯電した細胞はまた、弱く正に帯電した表面への高度な非特異的結合性を有することが観察された。従って、所望の細胞型を結合するために適当に帯電した表面を有する固体支持体を使用できる。適当な緩衝剤(バッファ)を、細胞分離段階用の媒体として使用して、単に固体支持体およびサンプルを適当な媒体中で接触させることにより、細胞結合に適当な状態を達成し得る。便利には、適当な荷電、浸透圧重量モル濃度等の緩衝剤をサンプルに、固体支持体との接触前に、接触と同時に、又は接触後に添加することができる。
有利には、細胞の非特異的結合は、本発明に従って沈殿剤を使用して、例えば細胞を該支持体とアルコールおよび塩の存在下で接触させることにより、例えばサンプルにアルコールと塩とを含む緩衝剤を添加することにより、細胞を該支持体上に沈殿させることにより、達成できる。アルコールと塩とを沈殿のような分離および精製工程に使用することは普通であり、かかる工程に使用されるあらゆる適当なアルコール又は塩を本発明に従って使用し得る。従って、便利にはアルコールはいかなるアルカノールであってもよく、イソプロパノールおよびエタノールのような低級アルカノールが適当であることが見いだされた。その他の適当なアルコールには、メタノールおよびn−ブタノールが含まれる。
上記の塩はいかなる便利な源から供給されてもよく、例えば塩化ナトリウム又は塩化カリウム、又は酢酸ナトリウム又は酢酸カリウム、或いは酢酸アンモニウムから供給し得る。アルコールおよび塩の適当な濃度は、装置の詳細および使用した試薬に従って決定し得る。一般的に云うと、サンプルに0.5から3容量のアルコール、例えば1容量のアルコールの添加が適当であることが見いだされた。便利には、アルコールは50−100%(w/w)の濃度で使用できる。例えば0.1から10.0M、更に特に0.1から7.0M、例えば0.1から3.0M、の塩濃度の使用が適当であることが見いだされ、そして該塩は、アルコール溶液中に上記の濃度で便利に含まれ得る。従って、いわゆる“細胞−結合バッファ”は、アルコールと塩とを所望の濃度で含むものに使用できる。或いは、該塩およびアルコールは別々に添加してもよい。
本発明にしたがって細胞用の沈殿剤としてのアルコールの使用は、該方法を臨床的診断操作に使用するのに有利である。何故なら、アルコールを臨床的サンプルの保存に使用するのが普通であるからである。このように、患者のサンプルを簡単にアルコール含有細胞結合剤バッファに添加すると、サンプルは保存されそして核酸の精製の準備ができる。
塩/アルコールを用いた沈殿の代替法として、他の沈殿剤、例えばポリエチレングリコール(PEGs)又はその他の同様な性質をもつ高分子量ポリマーを、単独で又は塩および/又はアルコールと組み合わせて使用できる。かかるポリマーの濃度は系の詳細、例えばポリマーおよび細胞の種類、に依存して変化し得るが、一般に1から50%(w/v)、例えば2−30%の濃度が使用できる。
食細胞活性を有する細胞は、それらが粒状固体相、例えばビーズ、を“結合”又は“飲み込む”能力をもつために捕らえられ、それにより容易に集めることができる。この場合、細胞含有サンプルを適当な条件下で、単に固体相と接触させるか又は固体相を用いてインキュベートすればよい。この種の細胞捕獲は特異的結合に依らない。
固体支持体は、細胞の非特異的結合を助ける部分、例えば細胞に非特異的に結合されるタンパク質又はタンパク質フラグメント(断片)又はポリペプチド、を有していてもよい。従って、例えば、抗体で被覆された又は抗体を有する固体支持体は、細胞表面のFc受容体を介して細胞を非特異的に結合するであろう。抗体およびその他のタンパク質又はポリペプチドを不動化するための技術は、当業界でよく知られている。
最後に、上述したように、荷電した、疎水性又は親水性表面を有する固体支持体への非特異的な細胞結合は、バッファをしばしば塩と組み合わせて使用して、結合に適するpH条件を達成することにより、達成し得る。バッファの詳細および条件は、細胞、固体支持体の種類等により変化するであろう。
いろいろな成分を混合しそして単に適当な時間だけ静置して、細胞を支持体に結合させるだけでよい。次に支持体を溶液から便利な手段で取り出すことができる。該手段は勿論、支持体の性質によるであろうが、支持体をサンプルの上澄み液から引き出す全ての形態を含み、或いは反対に、例えば遠心分離、デカンテーション、ピペット採取等を含む。
この工程中の条件は厳密でなく、例えばサンプルを単に“細胞結合性バッファ”と固体相の存在下で混合し、そしてそれを室温で例えば5ないし30分間、例えば分離する20分前に静置するのが便利であることが見いだされた。上記の通り、反応時間は厳密でなく、5分ほどの時間でもしばしば充分である。しかしながら、便利であるなら、より長い時間、例えば20分から3時間、又は一晩さえも使用できる。混合は、あらゆる便利な手段で行うことができ、例えば撹拌又はうず巻生成(vortexing)による簡単な掻き混ぜを含む。また、所望により、より高いまたはより低い温度が使用できるが、それらの温度は必要でない。
“細胞結合用”組成物中のその他の任意の成分には、細胞を損なわないかぎり、高分子量ポリマー、例えばPEGs等、弱い帯電していない界面活性剤、例えばTriton X−100、NP−40外、DNAおよびその他の酵素が含まれる。
好ましい“細胞結合用”組成物には、例えば下記のものが含まれる:
イソプロパノール、0.75Mの酢酸アンモニウム
75%エタノール、0.75Mの酢酸アンモニウム。
本発明によると細胞の非特異的結合が好ましいが、核酸を含む所望の細胞を選択的に捕獲するように変性された固体支持体を使用することも可能である。従って、例えば抗体、又は所望の細胞型に特異性のその他の結合タンパク質、例えばレクチン、を有する支持体を使用し得る。これは核酸の単離にある程度の選択性をもたらす。何故なら、複合混合物内の所望の標的源から核酸のみを分離できるからである。従って、例えばかかる支持体を使用して、サンプルから所望の標的細胞型等を分離しそして取り出すことができる。
かかる選択的細胞捕獲マトリックスの製造は当業界でよく知られており、そして文献に記載されている。
固体支持体は、固定、分離等用に現在広く使用され又は提案されている公知の支持体又はマトリックスのいずれであってもよい。これらは粒子、シート、ゲル、フィルター、膜、繊維、毛細管、或いは微滴定値(ミクロタイター)ストリップ、チューブ、プレート又は穴(ウェル)等の形をとることができる。
支持体は、ガラス、シリカ、ラテックス又はポリマー材料から作ると便利である。好ましいのは、細胞の結合、従って核酸の結合のために、高表面積を与える材料である。かかる材料は一般に不規則な表面をもち、そして例えば多孔性又は粒状、例えば粒子、繊維、ウェブ、焼結体又は篩であることができる。粒状材料、例えばビーズは、結合能力が大きいために一般に好ましく、特にポリマーのビーズが好ましい。
本発明で使用する粒状固体支持体は、球状ビーズを含むのが便利であろう。ビーズの大きさは厳密でないが、例えば少なくとも1μm、そして好ましくは少なくとも2μmのオーダーの直径であり、そして最大直径が好ましくは10μm以下、更に好ましくは6μm以下であり得る。例えば、直径2.8μmのビーズおよび4.5μmのビーズがよく作用することが示された。
単一分散粒子、即ち、サイズが実質的に均一の粒子(例えば、直径標準偏りが5%未満のサイズ)は、非常に均一な反応の再現性を与えるという利点がある。US−A−4336173に記載された技法で製造した単一分散ポリマー粒子が特に適している。
本発明の方法に使用するのに適した非磁性ポリマービーズは、デゥノ パーチクル エーエス(Dyno Particle AS)(リレストローム、ノルウェー)およびキアゲン、ファーマシア アンド セロテク(Qiagen,Pharmacia and Serotec)から入取可能である。
しかしながら、操作および分離を助けるために、磁性ビーズが好ましい。本願で使用する“磁性”の用語は、支持体が、磁場に置かれた場合、磁気モーメントを有することができ、従って磁場の作用下で移動可能であることを意味する。言い換えると、磁性粒子を含む支持体が、磁気凝集により容易に取り出せ、それは、細胞結合段階と核酸結合段階の後に迅速で、簡単で且つ効率的な分離方法を与え、そして細胞を崩壊するか又は核酸を分解し得る剪断力を発生する遠心分離のような伝統的技法よりも遥かに過酷でない方法である。
従って、本発明の方法を使用して、細胞が付いた磁性粒子を、例えば永久磁石を使用して磁場をかけることにより、適当な表面上に取り出すことができる。通常は、サンプル混合物を含む容器の側部に磁力をかけて粒子を容器の壁に凝集させ、そしてサンプルの残部を注ぎ出せば充分である。
特に好ましいのは、超磁性粒子、例えばSintefによるEP−A−106873に記載されたものである。何故なら、反応中の粒子の磁気凝集および凝塊が避けられ、従って均一な核酸の抽出が確保されるからである。デュナル エーエス(Dynal AS)(オスロ、ノルウェー)からDYNABEADSとして販売されている、公知の磁気粒子が、本発明に使用するのに特に適する。
本発明に使用するための機能化された被覆粒子は、米国特許第4,336,173、同第4,459,378および同第4,654、267に従って、ビーズを変性することにより製造し得る。従って、ビーズ又はその他の支持体は、いろいろな種類の機能化された表面を有するように、例えば正に又は負に帯電した、親水性又は疎水性を有するように製造できる。
異なる細胞はいろいろな表面および支持体に対して異なる非特異的結合度を示すので、細胞結合条件を最適にしそして最適な支持体領域を決定するために、例えば所定の系についての粒子濃度を決定するために、単位容積当たりの固体支持体の量(例えば粒子の数)を“滴定”するのが有利であろう。
細胞結合に続いて、分離された又は支持体−結合された細胞は溶解されて、それらの核酸を放出する。細胞溶解の方法は当業界でよく知られそして文献に広く記載されており、公知の方法のいずれも使用できる。異なる細胞には異なる方法がより適当かもしれないが、例えば、下記の方法のいずれかが使用できる:例えばSDS、LiDS又はサルコシル(sarkosyl)を適当なバッファ中に使用した界面活性剤溶解;グアニジウムヒドロクロリド(GHCl)、チオシアン酸グアニジウム(GTC)、ヨウ化ナトリウム(NaI)、過塩素酸塩等のようなカオトロープの使用;フレンチプレスによる機械的崩壊、超音波処理、ガラスビーズ又はアルミナを用いた粉砕又は液体窒素中での粉砕、のような機械的崩壊;酵素溶解、例えばリソチーム、プロテナーゼ、プロナーゼ又はセルラーゼ、或いは市販のその他の溶解酵素;バクテリオファージ又はウィルス感染による細胞の溶解;凍結乾燥;浸透圧ショック;マイクロウェーブ処理;例えば加熱又は煮沸、或いは例えばドライアイス若しくは液体窒素による冷凍、および解凍のような温度処理;アルカリ溶解。上記のように、かかる方法のすべては標準的溶解技法であり、当業界でよく知られており、かかる方法のいずれも又は組み合わせも使用できる。
便利には、溶解を、本発明に従って、カオトロープおよび/又は界面活性剤を使用して達成し得る。例えば細菌(バクテリア)細胞の場合、カオトロープと界面活性剤との組み合わせが特に有効であることが見いだされた。従って、例示の適当な溶解剤には、GTC又はGHClのようなカオトロープ、およびSDS又はサルコシル(Sarkosyl)のような界面活性剤が含まれる。溶解剤は単純な水溶液に供給するか、あるいはバッファ溶液に含ませて、いわゆる“溶解バッファ”を形成してもよい。あらゆる適当なバッファを使用でき、例えばトリス、ビシン(Bicine)、トリシン(Tricine)およびリン酸塩バッファが含まれる。或いは、溶解剤は別個に加えてもよい。溶解剤の適当な濃度および量は、系の詳細、細胞の性質等により変わり、そして適当に決定し得るが、例えば2Mから7Mの濃度の、GTC、GHCl、NaI又は過塩素酸塩のようなカオトロープ、0.1Mから1Mの濃度の、NaOHのようなアルカリ剤、および0.1から50%(w/v)、例えば0.5から15%の濃度の界面活性剤を使用し得る。従って、適当な代表的溶解バッファの例には、4MのGTC、1%(w/v)のサルコシルが含まれる。
本発明の方法を実施するために、単離された支持体結合細胞は、サンプルの残部から便利に取り出すか又は分離することができ、それにより細胞を濃縮又は濃厚にすることができる。このように、細胞結合段階は、小容量中で初期のサンプルよりも細胞を濃厚化又は濃縮するのに役立つ。次に溶解は、所望の溶解剤を含む適当な溶解バッファを添加するか、又は分離した細胞を所望の溶解条件に付すことにより便利に達成できる。例えば、適当な溶解剤を含む溶解バッファを単に添加する場合、分離された細胞を溶解バッファの存在下で適当な期間インキュベートして、溶解を起こさせてもよい。異なる溶解系には異なるインキュベーション条件が適当であり、それらは当業界で知られている。例えば、界面活性剤および/又はカオトロープ含有溶解バッファについては、インキュベーションは室温又はそれ以上、例えば37℃又は65℃、で起こり得る。同様に、インキュベーションの時間は数分、例えば5又は10分、から数時間、例えば1から2時間、に変化し得る。GTC/サルコシル溶解バッファおよび細菌細胞の場合、例えば65℃で10−20分のインキュベーションが適当であることが見いだされたが、これは勿論、必要に応じて変えられる。例えばプロテナーゼK等を用いたような酵素溶解の場合、より長い処理時間、例えば一晩、が必要とされるであろう。
溶解の後に、放出された核酸は、溶解した細胞が結合している同じ支持体に結合される。この核酸結合は、核酸を固体支持体に結合するために当業界で知られたあらゆる方法で達成し得る。便利には、核酸は支持体に非特異的に、即ち配列と関係なく、結合される。従って、例えば放出された核酸は、核酸用のいずれかの公知の沈殿剤、例えばアルコール、アルコール/塩の組み合わせ、ポリエチレングリコール(PEGs)等、を用いて支持体上に沈殿させ得る。この方法による核酸のビーズ上への沈殿は、例えばWO91/12079に記載されている。従って、塩を、支持体および溶解した放出核酸に添加し、次いでアルコールを添加すると、核酸を沈殿させるであろう。或いは、塩とアルコールとを一緒に添加するか、又は塩を省略できる。細胞結合段階に関連して上述したように、あらゆる適当なアルコール又は塩を使用でき、そして適当な量又は濃度は容易に決定できる。
別の非特異的核酸結合技術には、デュナル エーエスによるWO96/18731に記載されたように界面活性剤の使用(いわゆる“DNAディレクト”法)、およびアクゾ エヌ.ヴイ.(Akzo N.V.)によるEP−A−0389063に記載されたようにカオトロープと核酸結合性固体相、例えばシリカ粒子、との使用が含まれる。
核酸の支持体へのイオン結合は、帯電した表面を有する固体支持体、例えばポリアミンで被覆した支持体、を使用することにより達成し得る。
本発明の方法で使用される支持体はまた、核酸の特異的又は非特異的結合を助ける機能基、例えばDNA結合タンパク質、例えばロイシンジッパー又はヒストン又は挿入色素(例えば臭化エチジウム又はホエスト(Hoechst)42945)、を有することができ、それらのタンパク質又は色素は、支持体上に被覆することができる。
同様に、支持体に結合パートナー(相手)を設けて、核酸の選択的捕獲を助けてもよい。例えば、相補的DNA又はRNA配列、又はDNA結合タンパク質を使用するか、又はウィルス核酸に結合するウィルスタンパク質を使用できる。かかるタンパク質の固体支持体への付着は、当業界でよく知られた技術を用いて達成できる。
本発明による核酸の便利な沈殿方法は、沈殿剤、例えばアルコール、を、支持体および溶解した細胞を含む混合物に添加することによる。このように、適当な容量のアルコール、例えば100%又は96%エタノール、を単に該混合物に添加し、そして放出された核酸が支持体に結合されるのに充分な時間インキュベートすることができる。この段階のインキュベーション条件は厳密でなく、単に室温で5−10分間インキュベートすることを含むだけである。しかしながら、時間の長さは変えることができ、温度は選択により上昇させてもよい。
必要ではないが、本発明の単離方法に1回又はそれ以上の洗浄段階を、例えば核酸結合段階の後に導入すると便利であろう。あらゆる慣用の洗浄用バッファ又はその他の媒体を使用できる。一般的にいうと、低い又は中程度のイオン強度のバッファ、例えばpH8.0/10mMNaClで10mMトリス−HClが好ましい。その他の標準的洗浄媒体、例えばアルコールを含む媒体、を使用でき、所望により、例えば70%エタノールを用いて洗浄できる。
磁性粒子の使用は、単に粒子を凝集させ、核酸結合媒体を除去し、洗浄媒体を添加し、そして粒子を必要な回数だけ再凝集させることによる、容易な洗浄段階を可能にする。
核酸単離工程および望ましいかもしれない任意の洗浄段階の後に、結合した核酸を有する支持体を移すことができ、例えば再懸濁させるか又は適当な媒体、例えば水又は低イオン強度のバッファ、に浸漬することができる。支持体および望ましい引き続く処理の性質に依存して、核酸を支持体から放すのが望ましいか又は望ましくないであろう。
磁性又は非磁性ビーズのような粒状固体支持体の場合、多くの場合該支持体は、核酸を支持体から溶離することなく、例えばPCR又はその他の増幅に直接使用できる。また、多くのDNA検出又は確認法に、溶離は必要でない。何故なら、DNAがビーズ表面にランダムに接触しておりそして水素結合又はイオン力又はその他の力によって多くの点で結合されていても、DNAは一般にオリゴヌクレオチドとのハイブリッド形成および増幅に使用するのに充分な長さがあるからである。
しかしながら、所望により、核酸の溶離を公知の手段を使用して、例えば加熱により、例えば65℃に5から10分間加熱し、次いで支持体を媒体から取り除いて核酸を溶液に残すことにより、容易に達成できる。かかる加熱はPCR中で、サイクリングプログラムに先立って、DNA変性段階によって自動的に得られる。
RNAをDNAから除くのが望ましいなら、この除去は、DNA分離段階の前にRNAを、例えばリポヌクレアーゼ(RNAase)又はNaOHのようなアルカリを添加して、破壊することにより達成できる。
本発明の利点は、実施が迅速で簡単であり、そして細胞結合、溶解および核酸結合段階の適当な組み合わせを用いて、単離された核酸を確実に且つ簡単に短時間で、多くの場合1時間以内、或いは45分よりも短時間で生成する方法を与えることである。方法が簡単であるので、サンプルの高生産を可能にする。それに付随して、細胞結合段階は細胞を濃厚化又は濃縮し、それにより核酸単離工程を改良する。
本発明は、特に粒子が、とりわけ磁性粒子が、支持体として使用された場合、有利に自動化することができる。
上記のように、本発明の方法は、核酸に基づく検出操作に使用する核酸を製造するための予備的第1段階として特に有用である。
従って、本発明の別の側面は、核酸に基づく標的細胞検出法に使用する核酸の製造への、前に規定した核酸単離法の使用である。
他から見ると、本発明のこの側面は、サンプル中の標的細胞の存在又は非存在を検出する方法を提供し、該方法は下記を含む:
(a)該サンプル中の細胞を固体支持体に結合させて、細胞を該サンプルから分離し;
(b)分離した細胞を溶解し;
(c)該溶解した細胞から放出された核酸を同じ該固体支持体に結合させ;そして
(d)結合された該核酸内の標的細胞に特有の核酸の存在又は非存在を検出する。
上述したように、有利なことは、結合された核酸を、検出段階を実施する前に支持体から溶離又は取り出す必要がないことである。しかしこれは所望により行ってもよい。核酸を溶離するか否かは、核酸結合段階に使用した特定の方法にも依存するであろう。従って、ある種の核酸結合操作は他の操作よりも一層強く核酸を結合するであろう。例えば界面活性剤を使用するDNA結合(例えばDNAディレクトによる)の場合、核酸は、溶離バッファ又はその他の適当な媒体が導入された時に固体支持体から溶離するであろう。アルコールのような沈殿剤又はカオトロープによる核酸の結合は一層強く結合されたままであり、バッファ媒体中に置いた場合に溶離せず、溶離するのに加熱が必要であろう。
従って、支持体結合核酸は、特に該支持体が粒状であれば、単に該支持体を検出段階に適当な媒体中に再懸濁させるか又は該支持体に該媒体を添加することにより、核酸に基づく検出操作に直接使用し得る。核酸を媒体中に溶離してもよく、或いは上述のように、核酸を溶離する必要はない。
多くのいろいろな核酸検出技術が知られそして文献に記載されており、これらの技術のいずれも本発明に使用し得る。最も簡単な方法では、核酸はプローブへのハイブリッド形成により検出され、非常に多くのかかるハイブリッド形成プロトコルが記載された(例えば、Sambrook外、1989年、分子クローニング(Molecular Cloning):A Laboratory Manual、第2版、コールド スプリング ハーバー出版、コールド スプリング ハーバー、ニューヨーク、参照)。最も普通には、検出は、文献に記載された方法のいずれかを使用した、in situハイブリッド形成段階、および/又はイン ビトロ増幅段階を含むであろう。従って、上述のように、LAR、3SRおよびQ−ベーターレプリカーゼ系のような技術を使用できる。しかしながら、PCRおよびそのいろいろな変更、例えば巣形成(nested)プライマーの使用、は一般に選択される方法であろう(例えばAbramsonおよびMyers、1993年、Current Opinion in Biotechnology、4:41−47を、核酸増幅技術の検討用に参照されたい)。
その他の検討方法は、配列決定の方法、例えばSyv nenおよびS derlund、1990年、Genomics、8:684−692に記載されたミニ配列決定方法、に基づくことができる。
PCRのような増幅技術において、DNA二重鎖を溶かすための第1段階に必要な加熱は、結合されたDNAを支持体から放すであろう。従って、PCRのような引き続く検出段階の場合、支持体結合核酸を直接反応ミックスに添加でき、核酸は検出工程の第1段階で溶離するであろう。本発明に従って得られた単離された支持体結合核酸サンプル全体又はアリコートを検出段階で使用できる。
PCR又はその他の検出段階の結果は多くの手段によって検出又は視覚化され、それらは当業界で記述されている。例えば、PCR又はその他の増幅生成物を、公知の技術を用いて、電気泳動ゲル、例えば臭化エチジウム混入アガロースゲル上で操作することができる。或いは、巣形成プライマー技法の変形であるDIANA系を使用できる。DIANA(固定増幅核酸の検出)系において、プライマーの内部、第2対はそれぞれ、増幅されたDNAを捕獲するための固定手段、およびラベル又は認識を可能にするラベルの取り付け手段を有する。これは、バックグラウンドシグナルの減少および増幅されたDNAを検出するための迅速且つ簡単な検出手段という二重の利益を与える。
増幅された核酸も検出でき、或いは、今日利用可能な多くのいろいろな配列決定技術、例えば標準配列決定、固体相配列決定、サイクリック配列決定、自動配列決定およびミニ配列決定、を用いて、結果を確認できる。
分離された細胞は、有利なことには、本発明に従って“細胞結合”バッファ、例えば塩/アルコールバッファ、中に少なくとも1週間室温に保持することができ、その後の核酸検出段階における感度に検出可能な損失はないことが見いだされた。かかる安定性は現場の事態において有利である。
本発明の方法を実施するために必要ないろいろな反応体および成分は、キットの形で便利に供給できる。かかるキットは本発明の別の側面を代表する。
その最も簡単な例として、本発明のこの側面は、サンプルから核酸を単離するためのキットを提供し、該キットは下記を含む:
(a)固体支持体;
(b)任意に、細胞を該固体支持体に結合するための手段;
(c)該細胞を溶解する手段;
(d)該溶解した細胞から放出された核酸を同じ該固体支持体に結合させる手段。
いろいろな手段(a)、(b)、(c)および(d)は、本発明の方法に関連して前に記載しそして論じた通りである。
別の任意の成分は(e)該結合された核酸中の標的細胞に特有の核酸の存在および非存在を検出する手段である。前に論じたように、かかる手段は、ハイブリッド形成および/又は増幅に基づく検出技法に使用するための適当なプローブ又はプライマーオリゴヌクレオチド配列を含み得る。
かかるキットに任意に更に含まれるものは、バッファ、塩、ポリマー、酵素等であり得る。
本発明は、図面を参照した下記の非限定的な例に更に詳しく記述されるであろう。該図面において:
図1は、5シアノバクテリア種の細胞から本発明に従って得たDNAのPCR増幅産物の分離のEtBr−染色アガロースゲル電気泳動の結果を示す。レーン1−7は、例1に記載するサンプル1−7に対応する。
例1
材料
サンプル1;Planktothrix rubescens NIVA−CYA 1、
サンプル2;Planktothrix agardhii NIVA−CYA 29、
サンプル3;Planktothrix rubescens NIVA−CYA 55、
サンプル4;Planktothrix mougeotii NIVA−CYA 56/1、
サンプル5;Planktothrix agardhii NIVA−CYA 116、
サンプル6;細胞およびDNA精製試薬の負の対照物、
サンプル7;PCR試薬の負の対照物。
細胞およびDNA単離プロトコル
約105の細胞を含む0.5mlの水を、マイクロ遠心分離管中で20μlのビーズ(1μg/ml)および0.5mlの細胞結合バッファ(イソプロパノール、0.75MのNH4Ac)と混合した。混合物を室温で20分間インキュベートし、次に該管をMPC−E磁石(Dynal A.S.)内に2分間置いた。上澄液を注意深く取り出した。50μlの4M GTC、1%サルコシルを加え、65℃で10分間インキュベートした。次に200μlの96%EtOHを加え、インキュベーションを室温で5分間継続した。ビーズは磁石を有する管壁に引きつけられ、上澄液を取り出した。複合物を500μlの70%EtOHで2回洗った。エタノール全部を取り除き、50μlの水を加えた。残留するエタノールを取り除くために、該管を、蓋を開けて65℃で10分間保温した。
PCR増幅
RuBisCoのラージ(大きい)サブユニット(Rbcl)をコードする遺伝子およびスモール(小さい)サブユニット(Rbcs)をコードする遺伝子の間の領域を増幅した。増幅はGeneAmp 2400 PCRシステム(Perkin Elmer)を使用して、10ピコモル(pmol)のプライマー(Cw)5’CGTAGCTTCCGGTGGTATCCACGT3’および(DF)5’GGGCARYTTCCACAKNGTCCA3’、200μMのdNTP、10mMのトリスーHCl(pH8.8)1.5mMのMgCl2、50mMのKCl、0.1%Triton X−100、1U ダイナツィーム(DynaZyme)熱安定性DNAポリメラーゼ(Finnzymes Oy)および5μlのビーズ/DNA溶液を含む50μl容量中で行った。使用したPCRプログラムは、94℃で4分間の初期変性段階、次にパラメータ;94℃で30秒、40℃で30秒そして72℃で2分間を2サイクル、次に94℃で30秒、60℃で30秒そして72℃で2分間を4サイクルのパラメータのサイクルを有する。最後に、7分間の延長段階を含んだ。DNA配列決定により増幅された断片は、RuBisCoラージサブユニット(Rbcl)とスモールサブユニット(Rbcs)の間の領域であることが証明された。
ゲル
サンプル1−7のそれぞれからの増幅生産物の10μを1.5%EtBr染色アラロースゲル上で100ボルトで30分間操作した。分子量標準はφX174HaeIII消化DNAであった。結果を表1に示す。
結果
図1は、サンプル1−5の全てからの細胞が検出できたことを示す。EtBr染色アラロースゲルで視覚化された、得られたPCR結果に基づいて、検出限界は10−100細胞/mlであると見積もられた。

Claims (19)

  1. 成熟核細胞又は原始核細胞のサンプルから核酸を単離する方法において、
    (a)固体支持体を供給し、そしてそれを細胞サンプルと混合し、そして該サンプル中の細胞を該固体支持体に結合させて、該細胞を該サンプルから分離し;
    (b)該分離した細胞を溶解し;
    (c)該溶解した細胞から放出された核酸を同じ該固体支持体に結合させ;そして
    (d)該固体支持体から核酸を溶出するか;又は
    (e)該支持体に結合した核酸を、核酸に基づく検出操作に直接使用する
    ことを含む、上記の方法。
  2. 上記の核酸がDNAである、請求の範囲1に記載の方法。
  3. 上記の(a)段階で、細胞が沈殿剤を使用して固体支持体上に沈殿される、請求の範囲1又は2に記載の方法。
  4. 上記沈殿剤がアルコールと水を含む、請求の範囲3に記載の方法。
  5. 上記の(a)段階で、細胞が固体支持体上に又は固体支持体内に設けられた細胞結合部分により該固体支持体に結合される、請求の範囲1又は2に記載の方法。
  6. 上記細胞結合部分が標的細胞を選択的に結合する、請求の範囲5に記載の方法。
  7. 上記固体支持体が粒状物である、請求の範囲1ないし6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 上記固体支持体が磁性ビーズを含む、請求の範囲7に記載の方法。
  9. 上記段階(b)において、細胞が界面活性剤およびカオトロープを用いて溶解される、請求の範囲1ないし8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 上記段階(b)において、細胞が界面活性剤又はカオトロープを用いて溶解される、請求の範囲1ないし8のいずれか1項に記載の方法。
  11. 上記段階(c)において、核酸が固体支持体に非特異的に結合される、請求の範囲1ないし10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 上記核酸が沈殿剤を用いて固体支持体上に沈殿される、請求の範囲11に記載の方法。
  13. 上記沈殿剤がアルコール、及び任意に塩、および/又は界面活性剤を含む、請求の範囲12に記載の方法。
  14. 上記段階(c)で、核酸が、核酸の選択的捕獲を助けるために上記支持体上に設けられた結合パートナーにより該支持体に結合される、請求の範囲1ないし10のいずれか1項に記載の方法。
  15. 上記支持体に結合された細胞がサンプルの残部から分離され、それにより該細胞を濃縮する、請求の範囲1ないし14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 上記固体支持体が粒子の形状であり、そして段階(a)で該サンプルが該粒子状支持体と混合され、そして適当な時間静置されて、該細胞が該支持体に結合され、その後該支持体が該サンプルの残部から取り除かれる、請求の範囲1ないし15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 請求の範囲1ないし16のいずれか1項に規定された核酸単離方法の、核酸に基づく標的細胞検出方法に使用する核酸の製造への使用。
  18. サンプル中の標的成熟核細胞又は原始核細胞の存在又は非存在を検出する方法であって、下記段階を含む方法:
    (a)固体支持体を供給し、そしてそれを細胞サンプルと混合し、そして該サンプル中の細胞を固体支持体に結合させて、該細胞を該サンプルから分離し;
    (b)分離した細胞を溶解し;
    (c)該溶解した細胞から放出された核酸を同じ該固体支持体に結合させ;そして
    (d)上記の結合された核酸内の上記標的細胞に特有の核酸の存在又は非存在を検出する。
  19. 上記検出段階(d)がin situハイブリッド形成、および/又はイン ビトロ増幅および/又は核酸配列決定を含む、請求の範囲18に記載の方法。
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