JP4175609B2 - 清酒製造方法、もろみ、および清酒 - Google Patents

清酒製造方法、もろみ、および清酒 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は清酒製造方法、もろみ、および清酒に係り、特に、製麹工程を効率化することによって、清酒製造工程全体の省力化、作業効率の向上、および製造コスト低減を可能にするとともに、従来にない新規なる清酒を提供することのできる清酒製造方法、もろみ、および清酒に関する。
【0002】
【従来の技術】
清酒は従来、蒸米、米麹、および水を主な原料とし、麹を製造する工程である製麹工程により製造された麹の作用によって蒸米を糖化させて米糖化液を得(糖化工程)、米糖化液に酵母を作用させアルコール発酵させてもろみを得(発酵工程)、もろみを濾す等して固液分離(固液分離工程)することによって、主として製造されている。清酒製造工程においては通常、糖化工程と発酵工程が並行して行われる。
【0003】
係る清酒製造工程の中で、特に製麹工程には従来、連続40〜50時間ほどの時間が必要とされており、そのため製麹工程においては、その作業開始から足掛け3日間、しかも夜間作業を含む重労働が強いられてきた。これは、伝統的な清酒の風味が維持された清酒を、現在の酒税法に適合する範囲内で製造しようとする場合、麹菌により分泌される酵素の活性やバランスが、製麹工程開始から40〜50時間経過した時点で最適になる、という経験的事実によるものである。
【0004】
したがって従来の清酒製造工程では、一の麹室において製麹工程の完了する40〜50時間の間をおいて、新たな製麹工程が開始される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一方、近年は清酒の消費が低迷しており、清酒の多様化が求められている。そのため清酒の差別化を目的として、原料米や酵母などの開発が盛んに行われているが、麹菌の開発に関しては種麹メーカーに依存しており、製麹法は現在、ほぼ完成された理論に基づいた方法を踏襲している現状にある。
【0006】
しかし糖化工程を担う麹は、酵母による発酵工程に供される糖化液の組成を左右する重要な因子であり、ひいてはこれが、製造される清酒の成分、香気成分、あるいは糖組成に影響する。したがって上記清酒の多様化を図るためには、製麹法の再検討は大いに意義を有するものと考えられる。
【0007】
しかも、製麹に要する重労働の軽減化を図る方向で新たな製麹法を確立することができれば、同時に清酒製造に係る作業の効率化、製造コストの低減化をも図ることができる。
【0008】
本発明の課題はこれら従来技術の現状に鑑み、製麹工程を効率化することによって、清酒製造工程全体の省力化、作業効率の向上、および製造コスト低減を可能にするとともに、従来にない新規なる清酒を得ることのできる清酒製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本願発明者が鋭意検討した結果、製麹時間を大幅に短縮することにより、香味等に従来の清酒にはない特徴を有する清酒を製造することができることを見出し、本発明に至った。すなわち、本願において特許請求される発明または少なくとも開示される発明は以下のとおりである。
【0010】
(1) 蒸米、麹を製造する工程である製麹工程により製造される米麹、および水を主原料とし、該米麹により該蒸米を糖化させて米糖化液を得る糖化工程と、該米糖化液を酵母により発酵させてもろみを得る発酵工程と、該もろみを搾り清酒を得る固液分離工程とを含む清酒製造方法において、該製麹工程を、これに要する時間を20時間以上24時間以内とし、麹を通気可能な状態に置き、麹の品温を33℃以上40℃以下とし、かつ麹歩合を80%以上とすることにより、該もろみは、酵素力価測定による麹1g当たりのグルコアミラーゼ力価が低減されていることを特徴とする、清酒製造方法。
【0013】
(2) (1)に記載の清酒製造方法において得られ、かつ用いられるもろみであって、酵素力価測定による該もろみにおける麹1g当たりのグルコアミラーゼ力価が低減されていることを特徴とする、清酒製造用もろみ。
【0014】
) ()の清酒製造用もろみを原料とすることを特徴とする、清酒。
【0015】
(1)の清酒製造方法により製造される清酒であって、該清酒の成分が、製成酒において、アルコール8.0容量%以上16.0容量%以下、日本酒度−40以上−20以下、酸度2.5以上3.5以下、アミノ酸度1.2以上3.5以下、およびエキス8.0重量%以上12.0重量%以下であることを特徴とする、清酒。
【0016】
(1)の清酒製造方法により製造される清酒であって、該清酒における酢酸イソアミル含量が、製成酒において、7.0ppm以上15ppm以下であることを特徴とする、清酒。
【0017】
) 前記もろみは三段仕込みにより製造されるものであり、前記清酒における糖組成が製成酒において、グルコース含量よりも、マルトース、イソマルトース、およびマルトトリオースの合計含量が多いことを特徴とする、(3)ないし(5)のいずれかに記載の清酒。
【0018】
) 前記清酒における糖組成が、製成酒において、グルコース含量1000ppm以上5000ppm以下、または、マルトース、イソマルトース、およびマルトトリオースの各含量合計が10000ppm以上70000ppm以下の、少なくともいずれかであることを特徴とする、(3)ないし(5)のいずれかに記載の清酒。
【0019】
すなわち本発明の清酒製造方法においては、従来40〜50時間を要した製麹工程を大幅に短縮し、これを27時間以内、あるいは24時間以内とすることを特徴とする。製麹時間の短縮により、通常製麹工程において行われる盛、仲仕事、仕舞仕事といった手入れ作業等の途中の作業は、実施しない。製麹時間の短縮は、麹菌の産生する酵素の組成変化や酵素活性不充分を招くため、これをもって従来と同等の成分組成を有する清酒を製造することはできないが、その反面、新規なる酵素組成を製麹工程により得ることができるため、米の分解による生成成分の組成を変化させることができ、糖化と発酵のバランスをとることによって、従来存在しなかった新規なる成分組成、香味成分粗組成、あるいは糖組成を有する、新規なる清酒を製造することができる。
【0020】
製麹時間を27時間以内とした場合、製麹工程は従来と比較してその所要時間が約半分にまで短縮され、従来2晩を含む足掛け3日間を要した重労働は、1晩を含む最長で足掛け2日間の作業にまで軽減され、工程の省力化、製造コストの低減化を実現することができる。さらに製麹時間を24時間以内に短縮する場合、一の麹室を使用しての製麹工程は最長24時間を一つのサイクルとして工程管理することが可能となり、製麹工程に蒸米を供するための蒸米工程等を含めて作業の効率化、生産性の向上を実現することができる。
【0021】
従来の製麹工程においては、麹を床の上に堆積させ、その上に布を掛けて、始めの24時間ほどは密閉状態または半密閉状態として空気が堆積した麹内を流通しない状態とし、その後随時手入れを行うが、本発明の清酒製造方法においては、麹は当初から通気可能な状態に置かれる。すなわち床上に堆積させた麹内を空気が自由に流通できるような状態に置かれる。これにより、麹菌繁殖に伴う麹品温上昇の抑制を図ることができるとともに、製麹の進行する空間における二酸化炭素濃度上昇の抑制、および麹菌の生育や活動を促進するための酸素の補給を図ることができる。
【0022】
係る製麹環境は、従来の製麹工程がもたらす産生酵素組成とは異なる酵素組成および酵素量で、酵素を産生させることを可能とする。また、製麹工程における手入れ作業等を不要とする、あるいは軽減することにより、蒸米調整後ほとんど作業を行わずに製麹工程を実施することができ、工程開始の日の翌日には工程を終了することができ、製麹工程を大幅に省力化し、製造コストを削減することができる。
【0023】
また本発明の清酒製造方法に係る製麹工程では、麹品温を従来よりもやや高めに制御し、たとえば従来は30〜33℃であった麹品温を35〜38℃に制御し、かつ上記通気可能な状態に麹をおくことによって、従来の製麹工程がもたらす産生酵素組成とは異なる酵素組成および酵素量で、酵素を産生させることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
【構成】
以下、本発明をより詳細に説明する。
図1は、本発明の清酒製造方法を示すフロー図である。図において本方法は、蒸米1、麹を製造する工程である製麹工程P1により製造される米麹10(以下、単に「麹10」ともいう。また、以下、米麹となった蒸米を麹米ともいう。)、および水5を主原料とし、該米麹1の有する糖化作用により該蒸米1を糖化させて米糖化液20を得る糖化工程P2と、該米糖化液20を酵母3の有する発酵作用により発酵させてもろみ30を得る発酵工程P3と、固液混合状態である該もろみ30を搾り清酒40を得る固液分離工程P4と、から主として構成される清酒製造方法において、該製麹工程P1に要する時間を27時間以内とするように、構成される。
【0025】
本発明において前記蒸米1は、麹米を含む。したがって本発明の清酒製造方法においては、主原料の蒸米としては、麹米ではない蒸米と麹米とを含む場合の他、蒸米のすべてが麹米である場合をも含むものとする。
【0026】
図において、該製麹工程P1では、製造過程にある麹10内を空気が自由に流通できるような状態に置くことによって麹10を通気可能な状態に置くようにすることができ、また、該製麹工程P1に要する時間は、27時間以内よりもさらに短く24時間以内とするように、あるいは15時間以上27時間以内とするように、あるいは20時間以上24時間以内とするように、本発明の清酒製造方法は構成することができる。
【0027】
【作用】
図1において、本発明の製造方法は係る構成をとることにより、蒸米1はその一部が、麹を製造する工程である製麹工程P1に供給されて米麹10が27時間以内、または15時間以上27時間以内、または20時間以上24時間以内に製造され、糖化工程P2においては、該蒸米1、該米麹10、および水5が主原料として、該米麹1の有する糖化作用により該蒸米1が糖化されて米糖化液20が得られ、次いで発酵工程P3においては、該米糖化液20は、清酒製造工程に供給される酵母3の有する発酵作用により発酵させられてもろみ30が得られ、次いで固液分離工程P4においては、固液混合状態である該もろみ30は搾られて、清酒40が得られる。該糖化工程P2および発酵工程P3は、従来の清酒製造工程と同様、並行複発酵により進行する。
【0028】
図において該製麹工程P1では、製造過程にある麹10はその中を空気が自由に流通できるような状態に置かれ、すなわち通気可能な状態に置かれるようにすることができ、このようにした場合、該麹10は空気と接触した状態で製造がなされる。
【0029】
通気可能な状態は、床上に堆積させた製造中の麹内を空気が自由に流通できるような状態であればよく、たとえば、堆積させた麹に掛けた布と麹との間に、適宜の隙間を開けることによって、通気可能な状態とすることもできる。
【0030】
係る従来とは異なる製麹工程P1の構成、作用により、新規なる酵素組成の麹が得られる。これにより、米の分解による生成成分の組成を変化させることができ、糖化と発酵のバランスをとることによって、従来存在しなかった新規なる成分組成、香味成分組成、あるいは糖組成を有する新規なる清酒を得ることができる。
【0031】
製麹時間を27時間以内とした場合、製麹工程は従来と比較してその所要時間が約半分にまで短縮され、工程を省力化し、製造コストを低減することができる。さらに製麹時間を24時間以内に短縮する場合、一の麹室を使用しての製麹工程は最長24時間を一つのサイクルとして工程管理することが可能となり、製麹工程に蒸米を供するための蒸米工程等を含めて作業の効率化、生産性の向上を実現することができる。
【0032】
本発明の清酒製造方法では、製麹工程における麹の品温を高めに制御して、麹菌の生育、活動を促進させることができる。制御する品温としては、30℃以上の温度を用いることができ、望ましくは33℃以上40℃以下、より望ましくは35℃以上38℃以下であるが、本発明の清酒製造方法はこれらの数値条件により限定されるものではない。
【0033】
本発明の清酒製造方法では、上述のような製麹工程を行い、併せてその後の糖化工程、発酵工程が実際に進められるもろみの仕込みにおいて、総米量に対する麹米の配合比率である麹歩合を調整することにより、原料利用率やアルコール収量を向上させることができる。本発明において麹歩合は適宜設定することができるが、通常の清酒製造で用いられる麹歩合(23%程度)より相当多く70%以上とすることが望ましく、より望ましくは80%以上とすることである。
【0034】
本発明の清酒製造方法に係る製麹工程により得られる麹は、その産生する酵素の酵素力価が、従来と比較して顕著に低いことを特徴とする。特に製麹工程を24時間で終了する場合、アルコール発酵を律速する酵素であるグルコアミラーゼの力価は、キッコーマン株式会社製分析キットを用いた酵素力価測定により該麹1g当たり、0.10U以下である。また製造されるもろみ中においても、同分析キットを用いた酵素力価測定による該もろみにおける麹1g当たり、最終的に0.01U以上0.25U以下である。係る酵素力価の低さが、従来の清酒製造工程における糖化工程、発酵工程におけるものとは異なる糖化反応、発酵反応を可能ならしめ、最終製品である清酒の成分、香気成分、あるいは糖組成が従来のものとは顕著に異なる、新しい型の清酒を製造することができる。
【0035】
すなわち本発明の清酒製造方法によれば、製造される清酒の成分を、製成酒において、アルコール8.0容量%以上16.0容量%以下、日本酒度−40以上−20以下、酸度2.5以上3.5以下、アミノ酸度1.2以上3.5以下、およびエキス8.0重量%以上12.0重量%以下とすることができ、従来の清酒と比較してアルコール分および日本酒度が低く、一方酸度、アミノ酸度、およびエキスが高い、従来にない新規な成分組成、香味上の特徴を有する清酒を製造することができる。
【0036】
また本発明の清酒製造方法によれば、製成酒における香気成分組成において、吟醸香の主体の一つである酢酸イソアミル含量を7.0ppm以上15ppm以下とすることができ、従来の清酒と比較して顕著に酢酸イソアミル含量を高めることができ、従来にない新規な香気成分組成を有する清酒を製造することができる。
【0037】
また本発明の清酒製造方法によれば、前記清酒における糖組成を製成酒において、グルコース含量よりも、マルトース、イソマルトース、およびマルトトリオースといった単糖以外の糖類の合計含量が多い糖組成とすることができ、三段仕込みにおいては従来、グルコース含量の方が単糖以外の糖類含量の合計よりも多い糖組成であるところ、これとは逆転した糖組成を有する、従来にない新規な味を有する清酒を製造することができる。
【0038】
前記清酒における糖組成は、製成酒において、グルコース含量を1000ppm以上5000ppm以下とすることができる。また、マルトース、イソマルトース、およびマルトトリオースの各含量合計を10000ppm以上70000ppm以下とすることができる。あるいはグルコース含量を5000ppm以下、および、マルトース、イソマルトース、ならびにマルトトリオースの各含量合計を10000ppm以上とすることができる。三段仕込みにおいては従来、グルコース含量の方が単糖以外の糖類含量の合計よりも顕著に多い糖組成であるところ、これとは逆転した糖組成を有する、従来にない新規な味を有する清酒を製造することができる。
【0039】
本発明で用いる麹は、蒸米上に麹菌を接種し、各種酵素を、本発明の清酒製造に充分であるように生産させたものである。清酒製造用として公知の麹菌はすべて本発明に用いることができ、係る麹菌の種類によって本発明が限定されるものではない。
【0040】
本発明においては、原料の配合において麹の使用割合を有意に変えることにより、エキスの調整、発酵の調整が可能であるが、好ましい麹の比率は全体の白米量に換算して8割以上である。
【0041】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0042】
製麹工程の実施例
<実施例1>
白米100kgを洗米、浸漬、水切り、蒸しを行った。製麹は、早期出麹を目標に、蒸し後約45℃で室に入れ、手入れをしながら冷却し、約37℃で種麹を種菌した。種麹は、アキタコンノ特別もろみ用吟香を白米100kgあたり150g使用した。種菌した蒸米は通気性のある棚板上に布を敷いてその上に堆積させ、種菌した蒸米の上には製造過程中の麹が通気状態となるように軽く布をかけた。以下、このような製麹中の通気性を確保する処理を「開放処理」ともいい、開放処理がされた状態を「開放状態」ともいう。室温は33〜35℃として23時間放置し、麹菌を増殖させた。出麹は24時間で行い、麹を得た。
【0043】
麹の酵素力評価には、キッコーマン社製分析キットを用い、麹1gあたりの酵素力価(U)を測定した。麹菌量および糖化力は定法により測定した。糖化力は、酵素力価と同様キッコーマン社製分析キットを用いて測定した値により得た。
【0044】
<実施例2>
製麹工程において、上記開放処理を施さないで、従来と同様製麹過程中の麹を布で覆い密閉した(以下、「密閉処理」ともいい、密閉処理がされた状態を「密閉状態」ともいう。)他は、実施例1と同様の工程で麹を得た。
【0045】
<比較例1>
製麹工程において、蒸米を調製し種麹を種菌した後、当初24時間は密閉状態で麹の堆積を行い、その後は随時手入れを行いながら延べ約48時間で出麹した他は、実施例1と同様の工程で麹を得た。
【0046】
<製麹法と酵素力価>
表1は、実施例1、2、および比較例1について、麹に対する密閉処理の有無による産生酵素組成等を比較した表である。
【0047】
【表1】
Figure 0004175609
【0048】
表1に示すように、本発明の清酒製造方法を用いた実施例1および2により製造された麹は、従来の清酒製造方法である比較例1と比較して、α−アミラーゼを始めとして顕著に酵素力価が低かった。また、実施例1と2を比較すると、α−アミラーゼを始めとして実施例1の方が明らかに酵素力価が高く、製麹工程において上記開放処理を行うことにより、麹の酵素力価を向上させることが可能であることが示された。
【0049】
<実施例3>
製麹時間を23時間とし、麹品温を35℃に制御し、堆積させる麹の層の厚さ160mmとした他は、実施例1と同様の工程で麹を得た。
【0050】
<実施例4>
製麹時間を23時間とし、麹品温を30℃に制御し、堆積させる麹の層の厚さ160mmとした他は、実施例1と同様の工程で麹を得た。
【0051】
<実施例5>
製麹時間を23時間とし、麹品温を35℃に制御し、堆積させる麹の層の厚さ80mmとした他は、実施例1と同様の工程で麹を得た。
【0052】
<実施例6>
製麹時間を23時間とし、麹品温を35℃に制御し、堆積させる麹の層の厚さ240mmとした他は、実施例1と同様の工程で麹を得た。
【0053】
<品温と麹菌量>
表2は、実施例3および4について、製麹工程における麹品温による生成麹菌量の相違を示す表である。
【0054】
【表2】
Figure 0004175609
【0055】
表2に示すように、製麹工程における麹品温を35℃に制御する方が、30℃に制御するよりも多くの麹菌を得ることができ、したがって35℃においてより麹による米の糖化を促進できることが示された。
【0056】
<麹の堆積量と麹菌量>
表3は、実施例3、5および6について、製麹工程における麹の堆積厚さによる生成麹菌量の相違を示す表である。
【0057】
【表3】
Figure 0004175609
【0058】
表3に示すように、製麹工程における麹の堆積厚さを160mmにすることにより、80mmまたは240mmとする場合よりも多くの麹菌を得ることができ、したがって麹堆積厚さ160mmにおいてより麹による米の糖化を促進できることが示された。
【0059】
以上より、製麹工程を短時間で行う本発明の清酒製造方法においては、密閉処理(開放処理)の有無、麹の品温、麹の堆積厚さを制御することにより麹菌に生成させる酵素量を調整することが可能であることが示された。
【0060】
さらに、清酒製造原料利用を促進するための醸造上望ましい酵素量を得るためには、蒸米の調製と種麹の種菌後、製麹工程において製造過程中の麹には密閉処理を行わず、麹品温を約35℃程度を目安として維持し、堆積させる麹の厚さを約160mm程度を目安として工程を進めることとすることができる。しかし本発明は、これらの数値条件に限定されるものではない。
【0061】
清酒製造実施例
<実施例7>
a.材料と配合
原料米は華吹雪60%精白米を使用し、総米100kgを以下の配合で3段に分けて仕込み用のタンクに仕込んだ。すなわち、添仕込みは麹米16kg、水20L、乳酸60ml、酵母500mlとした。仲仕込みは麹米28kg、水36Lとした。留仕込みは麹米56kg、水74Lとした。すなわち、総米量に占める麹米の割合を示す麹歩合は100%とした。総水量は130Lとした。酒母は添仕込み時に培養酵母500mlを添加し酵母仕込みで行った。酵母は青森県所有のまほろば「華」酵母を用いた。
【0062】
b.製麹工程
実施例1と同様に行った。すなわち、白米100kgを洗米、浸漬、水切り、蒸しを行った。製麹は、早期出麹を目標に、蒸し後約45℃で室に入れ、手入れをしながら冷却し、約37℃で種麹を種菌した。種麹は、アキタコンノ特別もろみ用吟香を白米100kgあたり150g使用した。種菌した蒸米は通気性のある棚板上に布を敷いてその上に堆積させ、種菌した蒸米の上には製造過程中の麹が通気状態となるように軽く布をかけた。室温は33〜35℃として23時間放置し、麹菌を増殖させた。27時間後に出麹した。
【0063】
c.仕込み
上述の通り麹歩合100%として、水、乳酸、酵母とともに仕込み用のタンクに仕込んだ。品温は留仕込みで8℃、最高温度12℃とし、以後発酵経過を観察しながら上槽時期を決定した。上槽は網袋を引き上げ、固形分を分離して製成酒とした。
【0064】
d.成分分析
製成酒の酸度、アミノ酸度は定法によって分析した。経時的なアルコール濃度はアルコメイト(理研計器(株)製 AL−2型)を用いて分析した。またグルコース濃度は、ABLE社製GlucoJr.を用いて分析した。麹の酵素力評価には、キッコーマン社製分析キットを用いた。香気成分はヘッドスペースガスクロマトグラフ法で、糖および糖アルコールは高速液体クロマトグラフを用い、ポストカラム法でパルスドアンメトリーにより検出した。
【0065】
<比較例2>
製麹工程を比較例1と同様に行った他は実施例7と同様の工程により、製成酒を得た。
【0066】
<もろみ中の酵素量の比較>
表4は、実施例7と比較例2において得られたもろみ中の酵素量を比較した表である。
【0067】
【表4】
Figure 0004175609
【0068】
表4に示すように、もろみ全体の酵素量で比較すると、本発明の清酒製造法の工程により製造される麹を用いて製造したもろみは、グルコアミラーゼや酸性カルボキシペプチダーゼの比率が低い、特色のある酵素バランスとすることができた。また、糖化力が低くプロテアーゼの比率が高いなど、従来の清酒製造におけるもろみとは異なる特色のある酵素バランスとすることができた。
【0069】
<製成酒の成分等>
表5に、実施例7と比較例2による製成酒の各成分含有量を示す。
表6に、実施例7による製成酒と一般的純米酒における香気成分の含有量を示す。なおここで一般的純米酒とは、平成12年度の青森県における市販純米酒の平均値(平成11年度青森県工業試験場報告資料)に近い、一のメーカー(A社)において通常の製造方法で製造された一の市販純米酒であり、その成分値は、アルコール分15.3、日本酒度+3、エキス分4.6、酸度1.5である。
表7に、実施例7による製成酒と上記一般的純米酒における糖組成を示す。
【0070】
【表5】
Figure 0004175609
【0071】
【表6】
Figure 0004175609
【0072】
【表7】
Figure 0004175609
【0073】
表5〜7に示したように、実施例7による製成酒は比較例2による製成酒と比較して、アルコール分がやや低く製成酒の段階で割り水をすることなしに市販酒のアルコール分の規格(15〜16%)をやや下回り、日本酒度が顕著に低くて強い甘口であり、酸度、アミノ酸度およびエキスがともに高くて複雑な呈味の構成であり、特徴的な甘みと酸味が程良く調和した、従来の清酒にはない酒質の製成酒が得られた。
【0074】
また香気成分では、一般的純米酒よりも実施例7による製成酒の方が吟醸香の主成分の一つである酢酸イソアミルが非常に多く、吟醸香等、香りが高かった。
【0075】
また糖組成では、一般的純米酒よりも実施例7による製成酒の方がグルコースが極端に少なく、一方マルトース等のオリゴ糖類が逆に多く、またグルコース含量よりもオリゴ糖類含量の方が多かった。これらオリゴ糖類は清酒のこく味やまるみに影響するとされるが、本発明による製成酒は、係る特徴的な糖組成および日本酒度の極端な低さ(甘口の強さ)等により、従来の清酒にはない独特の呈味が得られた。
【0076】
本発明の製成酒についての官能的な評価は、香りが高くさわやかな風味と旨さが調和したものであった。また、割水の影響を調べたところ、アルコール分11%までの割水では特に水っぽさを感じることがなく、低アルコール清酒としての可能性も充分に認められた。さらに、もろみを固液分離せずに製品とする濁り酒の製造においても、本発明の製造方法は従来にない新規な濁り酒を提供することができるものである。
【0077】
すなわち本発明の清酒製造方法によれば、各成分組成、香気成分組成、糖組成において、従来の清酒では達成することのできなかった構成が得られ、従来とは異なる特徴的な清酒を醸造することが可能となることが示された。
【0078】
【発明の効果】
本発明の清酒製造方法、もろみ、および清酒は上述のように構成されているため、製麹工程を時間短縮化、効率化することによって、清酒製造工程全体の省力化、作業効率の向上、および製造コスト低減を可能にすることができる上、従来にない新規なる清酒を得ることができる。
【0079】
すなわち、各成分組成、香気成分組成、糖組成において、従来の清酒では達成することのできなかった特徴的な構成が得られ、従来とは異なる特徴的な呈味、香気、酒質を有する清酒を醸造することができる。また、もろみを固液分離せずに製品とすることにより、新規な濁り酒を提供することができる。
【0080】
また、本発明の清酒は製成酒におけるアルコール分が従来のものよりも低く、割水によるアルコール分低減限界が低いため、低アルコール清酒を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の本発明の清酒製造方法を示すフロー図である。
【符号の説明】
1…蒸米、 3…酵母、 5…水、 10…米麹、 20…米糖化液、 30…もろみ、 40…清酒、 P1…製麹工程、P2…糖化工程、P3…発酵工程、P4…固液分離工程

Claims (7)

  1. 蒸米、麹を製造する工程である製麹工程により製造される米麹、および水を主原料とし、該米麹により該蒸米を糖化させて米糖化液を得る糖化工程と、該米糖化液を酵母により発酵させてもろみを得る発酵工程と、該もろみを搾り清酒を得る固液分離工程とを含む清酒製造方法において、該製麹工程を、これに要する時間を20時間以上24時間以内とし、麹を通気可能な状態に置き、麹の品温を33℃以上40℃以下とし、かつ麹歩合を80%以上とすることにより、該もろみは、酵素力価測定による麹1g当たりのグルコアミラーゼ力価が低減されていることを特徴とする、清酒製造方法。
  2. 請求項1に記載の清酒製造方法において得られ、かつ用いられるもろみであって、酵素力価測定による該もろみにおける麹1g当たりのグルコアミラーゼ力価が低減されていることを特徴とする、清酒製造用もろみ。
  3. 請求項2に記載の清酒製造用もろみを原料とすることを特徴とする、清酒。
  4. 請求項1に記載の清酒製造方法により製造される清酒であって、該清酒の成分が、製成酒において、アルコール8.0容量%以上16.0容量%以下、日本酒度−40以上−20以下、酸度2.5以上3.5以下、アミノ酸度1.2以上3.5以下、およびエキス8.0重量%以上12.0重量%以下であることを特徴とする、清酒。
  5. 請求項1に記載の清酒製造方法により製造される清酒であって、該清酒における酢酸イソアミル含量が、製成酒において、7.0ppm以上15ppm以下であることを特徴とする、清酒。
  6. 前記もろみは三段仕込みにより製造されるものであり、前記清酒における糖組成が製成酒において、グルコース含量よりも、マルトース、イソマルトース、およびマルトトリオースの合計含量が多いことを特徴とする、請求項3ないし5のいずれかに記載の清酒。
  7. 前記清酒における糖組成が、製成酒において、グルコース含量1000ppm以上5000ppm以下、または、マルトース、イソマルトース、およびマルトトリオースの各含量合計が10000ppm以上70000ppm以下の、少なくともいずれかであることを特徴とする、請求項3ないし5のいずれかに記載の清酒。
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