JP4174337B2 - 擁壁用ブロック、擁壁コーナ及びその構築方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路周辺、公園、運動場、宅地等の切土又は盛土等の擁壁、河川、湖沼、用水等の水辺の土砂の崩落を防止する擁壁等に用いる擁壁用ブロック、擁壁及びその構築方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、直立擁壁の特に擁壁コーナを形成する擁壁用ブロックとして、図9(a)に示すように、設計された擁壁の角度にあわせて平面L形に曲がった表面板を備えた擁壁用ブロック60を使用することが一般的であった。
【0003】
また、直立擁壁を形成する擁壁用ブロックとして、図9(b)(c)に示すように、同一の製造型枠で製造することができる曲がっていない表面板を備えた板状又は側面L形の擁壁用ブロック61を使用することも行われている。このような直立擁壁の左右の端部62を形成する擁壁用ブロック61及び擁壁コーナ63を形成する2つの擁壁用ブロック61においては、その収まりをよくするため、現状では現場でコンクリートを打設する。例えば、端部62では、図9(b)に示すように、擁壁用ブロック61の表面板の端より奥方に延びるコンクリート64の壁を形成する。また、擁壁コーナ63では、図9(c)に示すように、2つの擁壁用ブロック61の近接し合う表面板の片端同士をコンクリート65で固定する。
【0004】
これらの擁壁用ブロック61を用いた擁壁の構築方法は、まず重機等を用いて擁壁用ブロック61を吊り上げて据付け、擁壁用ブロック61が端部62である場合は、さらに、現場にて擁壁用ブロック61の片端部から奥方に向けて型枠を組み、そこへコンクリートを流し込み、コンクリートが硬化してから型枠を取り外してコンクリート64を打設する。また、擁壁用ブロック61が擁壁コーナ63の片側の擁壁用ブロック61である場合には、据付けられた擁壁用ブロック61の隣に新たな擁壁用ブロック61を、設計された擁壁コーナ63の角度となるように、同様に吊り上げて両表面板の片端同士が近接するように据付ける。その両表面板の近接部分に型枠を組み、そこへコンクリートを流し込み、端部62と同様にコンクリートが硬化してから型枠を取り外してコンクリート65を打設する。そして、コンクリート64、65の打設が完了してから、擁壁用ブロック61の背面に盛土、砕石、栗石等の充填材を充填する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図9(a)に示すような擁壁用ブロック60を用いる擁壁コーナの場合、設計された角度毎に、その角度に曲がっている表面板を備えた擁壁用ブロック60を用意する必要があり、その擁壁用ブロック60を製造するための製造型枠もそれぞれ表面板が異なった角度に曲がったものを用意する必要があった。しかし、擁壁コーナとして擁壁用ブロック60の据付けには、擁壁コーナに対してコンクリートの打設を必要としないので、簡便であった。
【0006】
また、図9(b)(c)に示すような擁壁コーナ63は、2つの擁壁用ブロック61を隣り合わせて並べる時に、設計された擁壁コーナ63の角度に合わせて据付ければよいので種々の角度の擁壁コーナ63に同一の擁壁用ブロック61を用いて形成できる。また、使用している擁壁用ブロック61は同一のものであるので、多種類の製造型枠を用意する必要がなく、同一の製造型枠を用いて擁壁用ブロック61を製造することができる。しかし、現場で擁壁用ブロック61を据付ける際に、2つの擁壁用ブロック61の角度合わせが難しかったり、据付け後に前後左右にずれたりするため、時間がかかるという問題があった。さらに、端部62及び擁壁コーナ63の収まりをよくするためコンクリートの打設が必要であるので、擁壁用ブロック61を据付けた後で、現場にて、型枠を組んでコンクリートを流し込み、コンクリートの硬化後、型枠を取り外すという作業が必要になる。さらに、擁壁用ブロック61の背面の盛土等は、コンクリートの打設が終了してからしかできないので、擁壁の構築期間が長いという問題があった。
【0007】
そこで、本発明の擁壁用ブロックの目的は、擁壁コーナの角度毎に違う擁壁用ブロックであっても、その違いを長さのみとすることができるので、擁壁用ブロックの製造が容易になる。また、2つの擁壁用ブロックを設計された擁壁コーナの角度に合わせて据付けやすいので、左右に簡便に並べることができ、充填材を充填する際の型枠をなくすことができ、構築時間を短縮できるようにすることにある。
また、本発明の擁壁コーナ及びその構築方法の目的は、設計された擁壁コーナの角度として、据付けやすく、擁壁用ブロックが安定し、擁壁コーナに型枠を必要とする充填材の充填がないので、構築時間を短縮することにある。
また、本発明の擁壁用ブロックの製造型枠の目的は、種々の擁壁コーナの角度に対応できる擁壁用ブロックを、共通の製造型枠で、簡便に製造できるようにすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)表側の直立した表面を有する起立した表面板と、表面板の裏面の左右方向途中部から表面板の上面レベルの約1/2の上面レベルをもって後方へ向かった後に左右方向の片側へ湾曲して延出する湾曲控板とを含み、前記表面板と前記湾曲控板とが内部に補強用鉄筋が埋め込まれているコンクリートで一体的にプレキャストされてなる擁壁用ブロックであって、前記湾曲控板の上面を、隣りに上下反転されて並べられる同様の擁壁用ブロックの湾曲控板が略合致するように重ね合わされる面とした擁壁用ブロック。
【0009】
上記手段(1)において、湾曲控板の表面板からの延出基端の位置及び枚数としては、特に限定されないが、次の▲1▼▲2▼を例示できる。
▲1▼ 表面板の裏面の左右方向中央部から延出する1枚の湾曲控板である態様。
▲2▼ 表面板の裏面の左右方向中央部の直ぐ左右部から並んで延出する2枚の湾曲控板である態様。
【0010】
また、湾曲控板の平面形状としては、特に限定されないが、次の▲1▼▲2▼を例示できる。
▲1▼ 表面板の左右端の片端を中心とする平面円弧状。
▲2▼ 表面板の左右端の片端を中心とする平面折れ線状。
【0011】
また、湾曲控板の延出長は、特に限定されないが、表面板の左右端の片端を中心とする中心角で表して75°〜170°であることが好ましい。さらに、湾曲控板の上面に、特に限定されないが、連結ピンを嵌入する溝を備えることが、連結ピンを用いて擁壁用ブロック同士を連結させて安定化させるために好ましい。
【0012】
(2)起立した表面板と、表面板の裏面の左右方向途中部から表面板の上面レベルの約1/2の上面レベルをもって後方へ向かった後に左右方向の片側へ湾曲して延出する湾曲控板とを含む擁壁用ブロックを用い、2つの擁壁用ブロックを、その一方を上下反転せず他方を上下反転し、両表面板の左右端の片端同士が近接し、両表面板の高さが左右に略揃い、かつ、両表面板が180°未満の内角をなして擁壁コーナを形成するように、角度を付けて左右に並べ、角度を付けたことにより、一方の湾曲控板の上にその湾曲同士が略合致するように他方の湾曲控板を重ね合わせ、両湾曲控板と両表面板との間に囲まれた空所を形成し、空所に充填材を充填してなる擁壁コーナ。
【0013】
上記手段(2)において、湾曲控板の上面に、連結ピンを嵌入する溝を備え、少なくとも2つの連結ピンのそれぞれが、上下に相対峙した一方の湾曲控板の溝と他方の湾曲控板の溝との両方に嵌入することにより、2つの湾曲控板が溝の幅方向に相対動不能に連結できるようにすることが好ましい。
【0014】
また、2つの擁壁用ブロックの両表面板の左右端の片端同士が近接している隙間は、特に限定されないが、化粧ブロックが隙間を埋めるように設けられていることが好ましい。この化粧ブロックは、特に限定されないが、前記隙間から、擁壁コーナの奥方の空所へ向かって突出し、空所に充填される充填材によって固定される突出部を備えていることが好ましい。化粧ブロックの材質は、特に限定されず、樹脂、金属、木材、コンクリート等を例示でき、突出部の材質は、化粧ブロック主要部の材質と同じであっても、異なっていてもよい。
【0015】
(3)起立した表面板と、表面板の裏面の左右方向途中部から表面板の上面レベルの約1/2の上面レベルをもって後方へ向かった後に左右方向の片側へ湾曲して延出する湾曲控板とを含む擁壁用ブロックを用い、2つの擁壁用ブロックを、その一方を上下反転せず他方を上下反転し、両表面板の左右端の片端同士が近接し、両表面板の高さが左右に略揃い、かつ、両表面板が180°未満の内角をなして擁壁コーナを形成するように、角度を付けて左右に並べ、角度を付けたことにより、一方の湾曲控板の上にその湾曲同士が略合致するように他方の湾曲控板を重ね合わせ、両湾曲控板と両表面板との間に囲まれた空所を形成する工程と、空所に充填材を充填する工程とからなる擁壁コーナの構築方法。
【0016】
(4)上記手段(1)記載の擁壁用ブロックの製造型枠であって、同一の製造型枠を用いて、異なった延出長の前記湾曲控板を備えた擁壁用ブロックを製造できるように、延出端型枠部を挿入して所望の延出長を決める湾曲控板型枠部を備え、延出端型枠部を挿入する位置を延出長方向に変更可能に構成した擁壁用ブロックの製造型枠。擁壁用ブロックを製造する際の製造型枠の向きは、特に限定されず、表面板及び湾曲控板の上面が上方向き若しくは下方向き又は表面板の表面が上方向き若しくは下方向き等を例示できる。
【0017】
上記手段(4)において、「変更可能」とは、連続的に変更可能である場合と段階的に変更可能である場合があり、それぞれの場合の延出端型枠部を固定する態様として、特に限定されないが、次の▲1▼▲2▼の態様を例示できる。
▲1▼ 連続的に変更可能である場合
湾曲控板型枠部の延出長方向に延びて設けられたスリットに、延出端型枠部を固定する態様。
▲2▼ 段階的に変更可能である場合
湾曲控板型枠部の延出長方向に間隔を置いて設けられた穴に、延出端型枠部を固定する態様。
【0018】
上記各手段(1)、(2)、(3)、(4)における構成要素の態様を、下に例示する。
「擁壁用ブロック」の材質は、内部に補強用鉄筋が埋設されているコンクリートであることが好ましい。また、擁壁用ブロックを構成している表面板と湾曲控板とは、特に限定されないが、一体成形されていることが好ましい。擁壁用ブロックの大きさは、特に限定されないが、例えば、表面板の左右方向の長さは500mm〜3000mmであることが好ましく、表面板の高さは300mm〜2000mmであることが好ましく、表面板と湾曲控板の厚さは50mm〜300mmであることが好ましく、擁壁用ブロックの重さは100kg〜1000kgであることが好ましい。
【0019】
「連結ピン」の材質は、特に限定されず、樹脂、金属、木材等を例示できる。連結ピンの形状は、特に限定されないが、使用時に向きを考慮しなくてよいので、上下及び左右方向にそれぞれ対称であることが好ましい。「溝」は、多少の余裕を持って連結ピンが嵌入できる形状であることが好ましく。少なくとも2つの連結ピンは、両湾曲控板と両表面板との間に囲まれた空所に充填材を充填するときの圧力で、両湾曲控板が動かないような位置で、略均一に離間した位置に設置することが好ましい。
【0020】
また「充填材」は、特に限定されないが、単位体積重量が大きくかつ水の影響を受けにくいものが好ましく、コンクリートや、砕石、栗石、コンクリートガラ、粗粒状鉱滓等の粗粒状充填材や、粉状鉱滓、土等等の粉状充填材を例示できる。コンクリートガラとしては、他の場所で発生した廃棄コンクリートや、現場の古いコンクリート擁壁等を破砕したものを使用でき、廃棄物の再利用及び環境保護に役立つ。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施形態について、図面に基づいて説明する。なお、各実施形態において以下に挙げる各部の寸法は例示であり、適宜変更できる。
【0022】
図1〜図4に、本発明の実施形態の擁壁用ブロック1を用いた直立擁壁の擁壁コーナ2を示す。この擁壁コーナ2は、2つの擁壁用ブロック1を、その一方の擁壁用ブロック1aを上下反転せず、他方の擁壁用ブロック1bを上下反転して、その表面板10同士を135°の角度を付けて左右に並べて形成されている。この擁壁コーナ2の表側(下記する表面板10の表面12と化粧ブロック5の表面)には、図1に示すような、例えば石垣模様、溝模様等の模様が設けられているが、その他の図においては、図示を省略する。また、化粧ブロック5は、図1〜図3のみ記載し図4以降は省略する。また、擁壁コーナ2の左右につづく擁壁を形成する擁壁用ブロック1cは、擁壁用ブロック1a、1bと同じであってもよいし、異なった形状であってもよい。
【0023】
本実施形態で使用する擁壁用ブロック1は、起立した表面板10と、表面板10の裏面13の左右方向中央部14から後方へ向かった後に左右方向の片側である左端11aへ湾曲して延出する湾曲控板15とを含み、内部に補強用鉄筋が埋め込まれているコンクリートで一体的にプレキャストされてなる。
【0024】
表面板10は、左右方向の長さが約1500mm、高さが約1000mm、厚さが約150mmの長方形板である。なお、下記する表面板10の表面12から向かって左側の端を、左端11aとし、右側の端を右端11bとする。
【0025】
湾曲控板15は、表面板10の裏面13の左右方向途中部であり略半分の位置である左右方向中央部14から延出する高さは表面板10の半分の約500mm、厚さ約150mmの1枚の湾曲した帯状板であり、表面板10と湾曲控板15をあわせた擁壁用ブロック1の重さは約600kgである。この湾曲控板15の平面形状は、表面板10の左右端11の片端である左端11aを中心とする約135°の平面円弧状である。また、湾曲控板15の下面17は、表面板10の下面10bと同じレベルに合わせられているので、湾曲控板15の上面レベルは表面板10の上面10aレベルに対して略1/2の高さレベルにある。
【0026】
また、湾曲控板15には、湾曲控板15の上面16の湾曲に沿って略中央部に溝18を備えている。この溝18の断面は、図3に示すように、上面16に向けて開口の台形になっており、溝18にわずかな余裕をもって連結ピン20が嵌入できる大きさである。連結ピン20は、樹脂製であり、溝18と同じ断面において、上下に向かい合う2辺が約20mm、その他の辺が約30mm、高さが約60mmの六角形であり、幅が約40mmの六角柱である。
【0027】
次に、上記擁壁用ブロック1を用いる本実施形態の擁壁コーナ2は、擁壁用ブロック1の設置面の下部に基礎が施された現場地盤(図示略)の上に、直立擁壁の擁壁コーナ2として構築されている。擁壁コーナ2は、右側の擁壁用ブロック1aを並べてから左側の上下反転された擁壁用ブロック1bを並べるという順で、両表面板10が135°の角度を付けて左右に並べて据付けられている。また、擁壁コーナ2と擁壁用ブロック1の背面側の現地地盤との間には、盛土8がされている。
【0028】
この擁壁コーナ2は、2つの擁壁用ブロック1a、1bの表面板10同士を角度を付けて左右に並べる際、両表面板10の左端11a同士が近接し、両表面板10の高さが左右に略揃い、かつ、両表面板10が約135°の内角をなして擁壁コーナ2を形成している。この約135°の角度を付けたことにより、一方の擁壁用ブロック1aの湾曲控板15の上にその湾曲同士が略合致するように、他方の上下反転された擁壁用ブロック1bの湾曲控板15を重ね合わせている。この際、2つの連結ピン20のそれぞれが、一方の湾曲控板15の溝18と上下に相対峙した他方の湾曲控板15の溝18との両方に嵌入することにより、2つの湾曲控板15が、溝の幅方向に相対動不能に連結している。この際、一方の擁壁用ブロック1a、1bの表面板10の裏面13に、他方の擁壁用ブロック1b、1aの湾曲控板15の延出端19が略接した位置となっている。
【0029】
また、この擁壁コーナ2は、両湾曲控板15と両表面板10との間に囲まれた空所3を形成し、この空所3には、充填材としてコンクリート9が充填されている。
【0030】
この擁壁コーナ2の、両表面板10の左端11a同士が近接しているコーナ部4の隙間には、樹脂製の化粧ブロック5がコーナ部4を埋めるように設けられている。化粧ブロック5は、表面板10の高さと略同長であって、表面板10の表面12と重なり合う部分を備え、両表面板10の左端11aに目地シール6を介して接し合う形状である。また、両表面板10の左端11a同士が最も近接している部分を通り抜け、奥方の空所3に向けて、化粧ブロック5から突出部として4本の鉄筋7が略水平に突出している。そのため擁壁コーナ2を構築した際には、この鉄筋7が空所3に充填されている充填材としてのコンクリートによって固定されるので、化粧ブロック5は擁壁コーナ2に対して安定する。
【0031】
次に、図5に、上記擁壁用ブロック1を製造する本実施形態の製造型枠22に示す。表面板10を成形する空間を形成する表面板型枠部23と、表面板型枠部23の左右方向中央部に接合され、湾曲控板15を成形する空間を形成する湾曲控板型枠部24とからなる。表面板型枠部23と湾曲控板型枠部24の接合部位は、表面板10を成形する空間と、湾曲控板15を形成する空間とが連通している。湾曲控板型枠部24は、湾曲控板型枠部24に挿入して所望の延出長を決めるつばを備えた延出端型枠部25と、湾曲控板15の上面16の溝18を形成するための蓋型枠部27とを備える。湾曲控板型枠部24の上面には、製造される表面板10の左端11aを中心とする中心角で75°〜170°の範囲を所定角度(例えば、図5のように、5°刻みで19箇所)に1対のボルトを止めるための穴28が、延出長方向に設けられている。
延出端型枠部25は、湾曲控板15の延出長に応じた位置の一対の穴28に、延出端型枠部25のつば部分の穴25bが連通するように、湾曲控板型枠部24の内側にゴムパッキン25aを介して接するように挿入される。そして、延出端型枠部25は、ボルトで穴28に止められ設置される。そのため、どの穴28に延出端型枠部25を止めるかで、段階的に延出長を調整することができる。
また、蓋型枠部27は、湾曲控板15の上面に溝18を設けることができるように、溝18の形状で突出した溝形部29を備えており、湾曲控板型枠部24の上面に取り付けることができる。この蓋型枠部27は、湾曲控板15の延出長によって、異なった長さのものが用意されている。
【0032】
上記擁壁用ブロック1を製造する際には、湾曲控板型枠部24に5°刻みで穴28が設けられている場合には、延出端型枠部25を表面板10側から13番目の穴28の135°の位置に設置し、蓋型枠部27を設置してから、コンクリートを流し込み、コンクリートが硬化後、製造型枠22を分解してはずす。
【0033】
以上のように構築された本発明の擁壁用ブロック1を使用した本実施形態の擁壁コーナ2及びその構築方法によれば、次の(1)〜(4)のような作用効果が得られる。
【0034】
(1)擁壁用ブロック1の製造の容易化
異なった角度の擁壁コーナに対応する擁壁用ブロック1は、その表面板10の形状は同じで、湾曲控板15の平面形状において、表面板10の左端11aを中心とする平面円弧状の角度の変更のみで対応できるので、製造時においては、湾曲控板15の延出長を変更するという違いのみになるので、製造が容易になる。また、本実施形態の製造型枠22は、延出端型枠部25を挿入する位置を延出長方向に変更可能に構成しているので、種々の湾曲控板15の延出長を備えた擁壁用ブロック1の製造を、共通の製造型枠を用いてでき、多種類の製造型枠22を用意する必要がなく、経済的である。
(2)擁壁用ブロック1の設置が容易
設計された擁壁コーナ2の角度にあった2つの擁壁用ブロック1を使用するので、一方の湾曲控板15の延出端19を他方の表面板10の裏面13に接し合わせれば、設計された角度となった擁壁コーナ2とすることができ、擁壁用ブロック1の設置が容易である。
(2)構築期間の短縮
空所3の充填材として、コンクリート9を使用する場合、現場でコンクリートを打設する型枠が要らないので、型枠を設置したり、はずしたりする作業が必要なくなり、コンクリート9の硬化が完全でなくても次の作業に取り掛かることができ、さらに、コンクリート9は、表面側に見える部分が存在しないので、表面の仕上げに配慮する必要がなく、施工が進めやすい。また、背面の盛土も早く作業に取り掛かれるので、擁壁コーナの構築期間の短縮になる。
(3)擁壁コーナの一体化
2つの擁壁用ブロック1の両湾曲控板15と両表面板10との間に囲まれた空所3が形成され、この空所3に、充填材が充填されるので、2つの擁壁用ブロック1同士を略一体化させることができ、擁壁用ブロック1の前後方向及び左右方向のずれを防止することができ、安定し、見栄えのいい擁壁コーナを施工できる。また、溝18に連結ピン20を嵌入させて両湾曲控板15を連結することで、2つの擁壁用ブロック1同士をより強固に略一体化させることができ、溝18の幅方向に相対動不能とすることができる。
(4)コーナ部4の見栄えがよい
空所3に向けて突出した鉄筋7のある化粧ブロック5を使用することで、空所3に充填材として使用するコンクリート9と共に、化粧ブロック5を固定することができるので、コーナ部4が安定し、収まりがよく、見栄えもよい。
【0035】
次に、図6の擁壁コーナ31は、実施形態の変更例を示している。この変更例の擁壁コーナ31は、2つの擁壁用ブロック1の代わりに2つの擁壁用ブロック30を用いて擁壁用ブロック30の表面板10同士を90°の角度を付けて左右に並べて形成されていることが主として実施形態と異なっている。
【0036】
図6に示すように、変更例の擁壁用ブロック30は、擁壁用ブロック1とは湾曲控板15の平面形状が異なっている。擁壁用ブロック30の湾曲控板15の平面形状は、表面板10の左右端11の片端である左端11aを中心とする約90°の平面円弧状である。そのため、2つの擁壁用ブロック30の一方の上下反転しない擁壁用ブロック30aと他方の上下反転した擁壁用ブロック30bとの表面板10の裏面13に、擁壁用ブロック30b又は擁壁用ブロック30aの湾曲控板15の延出端19が略接し合った位置で、連結ピン20を用いて連結することで、擁壁コーナ31が形成される。
【0037】
擁壁用ブロック30を用いた変更例によれば、実施形態で得られる効果に加えて、以下の(5)の効果が得られる。
(5)擁壁コーナの設計角度の自由度の増加
設計された擁壁コーナの角度に使用できる擁壁用ブロックを製造するために、擁壁用ブロック1、30の湾曲控板15の平面形状において、表面板10の左端11aを中心とする平面円弧状の角度を変更することは、湾曲控板15の長さを変更するという違いのみなので、設計の角度にあった擁壁用ブロックを共通な製造型枠を用いて簡便に製造できるので、擁壁コーナの構築現場の状況に合った設計をすることができ、設計の自由度が増加する。
【0038】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更して具体化することもできる。
(1)図7(a)に示すように、湾曲控板15が、表面板10の裏面13の左右方向中央部から延出する1枚の湾曲控板15であり、湾曲控板15の平面形状が、表面板10の左端11aを中心とする一定の中心角(30°)の刻みで折れ曲がっている平面折れ線状であること。
(2)図7(b)に示すように、湾曲控板15が、表面板10の裏面13の左右方向中央部の直ぐ左右部から並んで延出する延出する2枚の湾曲控板15であること。
(3)図8に示すように、湾曲控板15が表面板10の右端11bへ湾曲して延出していること。このような擁壁用ブロックは、2つの擁壁用ブロックを角度を付けて左右に並べる順が、左側の擁壁用ブロックを並べてから右側の上下反転された擁壁用ブロックを並べるという順である場合に、安定して擁壁を構築できる。
(4)湾曲控板15の上面及び下面に溝18を設けること。
(5)2つの擁壁用ブロックで構築された擁壁コーナの複数組を積み上げて使用すること。
【0039】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1〜7記載の擁壁用ブロックによれば、擁壁コーナの角度毎に違う擁壁用ブロックであっても、その違いを長さのみとすることができるので、擁壁用ブロックの製造が容易になる。また、2つの擁壁用ブロックを設計された擁壁コーナの角度に合わせて据付けやすいので、左右に簡便に並べることができ、充填材を充填する際の型枠をなくすことができ、構築時間を短縮できるようにするという優れた効果を奏する。
【0040】
また、請求項8又は9記載の擁壁コーナ及び請求項10記載の擁壁コーナの構築方法によれば、設計された擁壁コーナの角度として、据付けやすく、擁壁用ブロックが安定し、擁壁コーナに型枠を必要とする充填材の充填がないので、構築時間を短縮するという優れた効果を奏する。
また、請求項11記載の擁壁用ブロックの製造型枠によれば、種々の擁壁コーナの角度に対応できる擁壁用ブロックを、共通の製造型枠で、簡便に製造できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の擁壁用ブロックを用いた擁壁コーナの斜視図である。
【図2】同実施形態の擁壁コーナを示し、(a)は部分平面図、(b)はb−b線断面図である。
【図3】同実施形態の擁壁コーナの擁壁用ブロックの部分断面の斜視図である。
【図4】同実施形態の擁壁コーナの擁壁用ブロックを示し、(a)は分解斜視図、(b)は斜視図である。
【図5】同実施形態の擁壁用ブロックの製造型枠の部分分解の斜視図である。
【図6】同実施形態の変更例の擁壁コーナの擁壁用ブロックの斜視図である。
【図7】同実施形態の擁壁用ブロックの変更例を示し、(a)は変更例(1)の平面図、(b)は変更例(2)の平面図である。
【図8】同実施形態の擁壁用ブロックの変更例(3)の斜視図である。
【図9】従来例に係る擁壁コーナの部分を示し、(a)は曲がった擁壁用ブロックの平面図、(b)は端部の擁壁用ブロックの平面図、(c)は擁壁コーナの擁壁用ブロックの平面図である。
【符号の説明】
1 擁壁用ブロック
2 擁壁コーナ
5 コーナ用化粧ブロック
10 表面板
11 左右端
13 裏面
15 湾曲控板
18 溝
19 延出端
20 連結ピン
22 製造型枠
Claims (11)
- 表側の直立した表面を有する起立した表面板と、前記表面板の裏面の左右方向途中部から前記表面板の上面レベルの約1/2の上面レベルをもって後方へ向かった後に左右方向の片側へ湾曲して延出する湾曲控板とを含み、前記表面板と前記湾曲控板とが内部に補強用鉄筋が埋め込まれているコンクリートで一体的にプレキャストされてなる擁壁用ブロックであって、前記湾曲控板の上面を、隣りに上下反転されて並べられる同様の擁壁用ブロックの湾曲控板が略合致するように重ね合わされる面とした擁壁用ブロック。
- 前記湾曲控板が、前記表面板の裏面の左右方向中央部から延出する1枚の湾曲控板である請求項1記載の擁壁用ブロック。
- 前記湾曲控板が、前記表面板の裏面の左右方向中央部の直ぐ左右部から並んで延出する2枚の湾曲控板である請求項1記載の擁壁用ブロック。
- 前記湾曲控板の平面形状が、前記表面板の左右端の片端を中心とする平面円弧状である請求項1、2又は3記載の擁壁用ブロック。
- 前記湾曲控板の平面形状が、前記表面板の左右端の片端を中心とする平面折れ線状である請求項1、2又は3記載の擁壁用ブロック。
- 前記湾曲控板の延出長が、前記表面板の左右端の片端を中心とする中心角で表して75°〜170°である請求項4又は5記載の擁壁用ブロック。
- 前記湾曲控板の上面及び下面のうち少なくとも上面に、連結ピンを嵌入する溝を備える請求項1〜6のいずれか一項に記載の擁壁用ブロック。
- 起立した表面板と、前記表面板の裏面の左右方向途中部から前記表面板の上面レベルの約1/2の上面レベルをもって後方へ向かった後に左右方向の片側へ湾曲して延出する湾曲控板とを含む擁壁用ブロックを用い、
2つの前記擁壁用ブロックを、その一方を上下反転せず他方を上下反転し、両表面板の左右端の片端同士が近接し、両表面板の高さが左右に略揃い、かつ、両表面板が180°未満の内角をなして擁壁コーナを形成するように、角度を付けて左右に並べ、
前記角度を付けたことにより、一方の湾曲控板の上にその湾曲同士が略合致するように他方の湾曲控板を重ね合わせ、両湾曲控板と両表面板との間に囲まれた空所を形成し、
前記空所に充填材を充填してなる擁壁コーナ。 - 前記擁壁用ブロックの前記湾曲控板の上面に、連結ピンを嵌入する溝を備え、少なくとも2つの前記連結ピンのそれぞれが、上下に相対峙した前記一方の湾曲控板の前記溝と前記他方の湾曲控板の溝との両方に嵌入することにより、2つの前記湾曲控板が前記溝の幅方向に相対動不能に連結できるようにした請求項8記載の擁壁コーナ。
- 起立した表面板と、前記表面板の裏面の左右方向途中部から前記表面板の上面レベルの約1/2の上面レベルをもって後方へ向かった後に左右方向の片側へ湾曲して延出する湾曲控板とを含む擁壁用ブロックを用い、
2つの前記擁壁用ブロックを、その一方を上下反転せず他方を上下反転し、両表面板の左右端の片端同士が近接し、両表面板の高さが左右に略揃い、かつ、両表面板が180°未満の内角をなして擁壁コーナを形成するように、角度を付けて左右に並べ、
前記角度を付けたことにより、一方の湾曲控板の上にその湾曲同士が略合致するように他方の湾曲控板を重ね合わせ、両湾曲控板と両表面板との間に囲まれた空所を形成する工程と、前記空所に充填材を充填する工程とからなる擁壁コーナの構築方法。 - 請求項1記載の擁壁用ブロックの製造型枠であって、同一の製造型枠を用いて、異なった延出長の前記湾曲控板を備えた擁壁用ブロックを製造できるように、延出端型枠部を挿入して所望の前記延出長を決める湾曲控板型枠部を備え、前記延出端型枠部を挿入する位置を前記延出長方向に変更可能に構成した擁壁用ブロックの製造型枠。
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