JP3234557B2 - 擁壁用コンクリートブロック及びそのブロックによる擁壁 - Google Patents

擁壁用コンクリートブロック及びそのブロックによる擁壁

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JP3234557B2 JP35081197A JP35081197A JP3234557B2 JP 3234557 B2 JP3234557 B2 JP 3234557B2 JP 35081197 A JP35081197 A JP 35081197A JP 35081197 A JP35081197 A JP 35081197A JP 3234557 B2 JP3234557 B2 JP 3234557B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、著しく強度の高い
ばかりでなく階段状となる擁壁を構築することができる
コンクリートブロック、及びそのコンクリートブロック
により構築する擁壁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、道路用や軌道用の法面、
ダム用として、若しくは宅地造成等において、コンクリ
ートブロックによって擁壁が広汎に構築されている。従
来の擁壁用のコンクリートブロックは、例えば実開平3
−13346号公報に記載されているように、前後方向
に並列するように設けてある前面部と控部との間に胴部
を設けた平面から見てH字状である。上記コンクリート
ブロックを利用して擁壁を構築するには、上下に積み重
ねるコンクリートブロックを、前面部の横幅の1/2だ
け位置をずらせることにより基礎から上方に向って布積
みし、各コンクリートブロックの前面部と控部との連続
する空間部に間詰めコンクリートを打設して養生硬化さ
せるのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来のコ
ンクリートブロックでは、前後方向の寸法が短いし、充
分な量の間詰めコンクリートを充填できないので、法面
からの土圧に充分対応することができない。特に、法面
が高い場合には下部のコンクリートブロックに大きな土
圧が作用するし、地盤のずれや土砂崩れ等の自然現象に
よっても極端に大きな土圧が作用するので、擁壁が崩壊
して大事故になる。そのため、著しく強度の高い擁壁を
構築する場合、前後方向に対向するようにコンクリート
ブロックを並設して布積みし、コンクリートブロックの
対向間隔内部に鉄筋コンクリート層を設けて高強度の擁
壁を法面に沿って構築している。しかし、上記した擁壁
であっても、前後に対向するコンクリートブロック相互
が連結されていないので、強力な土圧に耐えられないこ
とがある。したがって、著しく大きな法面からの土圧に
耐えることができ、しかもきわめて簡単に、安全に構築
することができる擁壁が要望されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記従来から
の欠点と要望とに鑑み提案されたもので、請求項1に記
載の発明は、前後方向に間隔を配して設置する前側ブロ
ック体及び後側ブロック体と、前記前側ブロック体及び
後側ブロック体の上縁間及び下縁間に配置する連結ブロ
ック体とを有して全体として井桁状に積み上げる擁壁用
コンクリートブロックであって、前記前側ブロック体の
上縁及び下縁に前側嵌合部を設けるとともに、前記後側
ブロック体の上縁及び下縁に後側嵌合部を設け、前記連
結ブロック体の前端側の下面側と長さの途中位置及び後
端側の上面側に係合部を設け、連結ブロック体の前記係
合部を前側ブロック体及び後側ブロック体の各嵌合部に
嵌着して井桁状であって階段状に組合せ可能にしてなる
ことを特徴とする擁壁用コンクリートブロックに関する
ものである。
【0005】また本発明の請求項2に記載された発明
は、前後方向に間隔を配して設置する前側ブロック体及
び後側ブロック体と、前記前側ブロック体及び後側ブロ
ック体の上縁間及び下縁間に配置する連結ブロック体と
を有して全体として井桁状に積み上げる擁壁用コンクリ
ートブロックであって、前記前側ブロック体の上縁及び
下縁に前側嵌合部を設けるとともに、前記後側ブロック
体の上縁及び下縁に後側嵌合部を設け、前記連結ブロッ
ク体の前端側の上下面及び後端側の上下面に係合部を設
け、連結ブロック体の前記係合部を前側ブロック体及び
後側ブロック体の各嵌合部に嵌着して井桁状に組合せ可
能にしてなることを特徴とする擁壁用コンクリートブロ
ックに関するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を、図
面に基づいて詳細に説明する。本発明の構築用コンクリ
ートブロック1は、コンクリートからなる前側ブロック
体2と、後側ブロック体3と、両ブロック体2、3を井
桁状に連結する連結ブロック体4とを有する。
【0007】前記前側ブロック体2は横長な長方形状で
厚手の板状であり、側端縁から横幅の1/4に位置する
上縁部分に、上縁から下方に向かって窪む前側上嵌合部
21を左右に設ける。前記前側上嵌合部21は、上縁に
開口する凹部22と、前記凹部22の背面から連通状に
連続して前側ブロック体2の後面に開口する溝部23か
らなる。
【0008】また、前記前側ブロック体2の下縁部分に
も、側端縁から横幅の1/4の位置に下縁から上方に向
かって窪む前側下嵌合部24を左右に設ける。前記前側
下嵌合部24は、下縁に開口する凹部25と、前記凹部
25を横切って前側ブロック体2の厚さ方向に沿い、前
後面に開口する溝部26とからなる。前記各凹部22、
25及び溝部23、26は、底面から開口縁に向って次
第に幅広になるように対向する側面が緩く傾斜する。
【0009】図面の実施の形態によれば、前側ブロック
体2の内部左右には上下の前側上嵌合部21と前側下嵌
合部24とを連結する連通孔27を設けてあるが、必ず
しも連通孔27を設ける必要がない。また、前側ブロッ
ク体2の上縁には左右方向に嵌合凸部28を、下縁には
嵌合凸部28が嵌入することができる嵌合凹部29をそ
れぞれ設け、上下に布積み作業する時に嵌合凸部28が
嵌合凹部29に嵌合して正確な位置決めすることがで
き、また構築された擁壁においては積み上げ強度の向上
とを図ることができる。
【0010】本発明の前記前側ブロック体2は、擁壁と
して構築した状態では擁壁表面を構成するので、表面を
鉄平石模様、自然石模様、御影石模様等に装飾したり、
あるいは植生を可能にするために土壌の受部を設けた
り、植物の種を埋め込んだ土嚢の収納部を形成すること
ができる。
【0011】前記後側ブロック体3も前側ブロック体2
と同一寸法の横長な長方形状で厚手の板状であり、側端
縁から横幅の1/4に位置する上縁部分に、上縁から下
方に向かって窪む後側上嵌合部31を左右に設ける。前
記後側上嵌合部31は、前記前側上嵌合部21と同様に
上縁に開口する凹部32と、前記凹部32を横切って後
側ブロック体3の厚さ方向に沿い、前後面に開口する溝
部33からなる。
【0012】また、前記後側ブロック体3の下縁部分に
も、側端縁から横幅の1/4の位置に下縁から上方に向
かって窪む後側下嵌合部34を左右に設ける。前記後側
下嵌合部34も、前記後側上嵌合部31と同様に下縁に
開口する凹部35と、前記凹部35の前面から連続して
後側ブロック体3の前面に開口する溝部36とからな
る。しかも、前記各凹部32、35及び溝部33、36
は、底面から開口縁に向って幅広になるように対向する
側面が緩く傾斜する。
【0013】更に、前記前側ブロック体2と同様に後側
ブロック体3の内部左右には上下の後側上嵌合部31と
後側下嵌合部34とを連結する連通孔37を設けてあ
り、しかも後側ブロック体3の上縁には左右方向に嵌合
凸部38を、下縁には嵌合凸部38が嵌入することがで
きる嵌合凹部39をそれぞれ設け、上下に布積み作業す
る時に嵌合凸部38が嵌合凹部39に嵌合して正確な位
置決めすることができ、また構築された擁壁においては
積み上げ強度の向上を図ることができる。
【0014】本発明の前記連結ブロック体4は、コンク
リートからなる太い角柱の棒状で、前端の下側に前側下
係合部42を設けるとともに前端側の近傍で長さの途中
位置に前側上係合部41を設け、また後端側の近傍で長
さの途中位置に後側下係合部44を設けるとともに後端
に後側上係合部43を設ける。そして、前側上係合部4
1と後側上係合部43との間隔と、前側下係合部42と
後側下係合部44との間隔とは同一であるから、前側下
係合部42と前側上係合部41との間隔と、後側下係合
部44と後側上係合部43との間隔も同一である。した
がって、1本の連結ブロック体4において、前側上係合
部41と後側上係合部43との一対は、前側下係合部4
2と後側下係合部44との一対より後方に位置してい
る。
【0015】前記前側上係合部41は前側ブロック体2
の前側下嵌合部24に、前側下係合部42は前側ブロッ
ク体2の前側上嵌合部21に合致して嵌着することがで
きる形状で、また後側上係合部43は後側ブロック体3
の後側下嵌合部34に、後側下係合部44は後側ブロッ
ク体3の後側上嵌合部31に合致して嵌着することがで
きる形状である。
【0016】そして、前記連結ブロック体4の下面の前
側下係合部42と後側下係合部44との間には、下方に
突出する補強部45を設け、補強部45の前端部と前側
下係合部42の後面との間、及び補強部45の後端部と
後側下係合部44の前面との間に、それぞれ係合切欠部
46を設ける。
【0017】本発明のコンクリートブロック1は、前記
前側ブロック体2、後側ブロック体3及び連結ブロック
体4からなり、これらのブロック体を組合せるには、図
12で示すように、後側ブロック体3の前方に連結ブロ
ック体4の前側下係合部42と後側下係合部44との間
隔長さ分だけの間隔を配して前側ブロック体2を配置
し、前後に配置された前側ブロック体2と後側ブロック
体3との上縁間に連結ブロック体4を設置して、前側ブ
ロック体2の前側上嵌合部21に連結ブロック体4の前
側下係合部42を、後側ブロック体3の後側上嵌合部3
1に連結ブロック体4の後側下係合部44をそれぞれ上
から嵌着する。
【0018】したがって、前後に対向して並列する前側
ブロック体2と後側ブロック体3とは、左右の連結ブロ
ック体4によって連結されることになり、前側上嵌合部
21に前側下係合部42が、後側上嵌合部31に後側下
係合部44が強固に嵌着するので、前側ブロック体2、
後側ブロック体3が著しく強く連結される。また、連結
ブロック体4の前側の係合切欠部46が前側上嵌合部2
1の溝部23に噛合するとともに、連結ブロック体4の
後側の係合切欠部46が後側上嵌合部31の溝部33に
噛合するので、前側ブロック体2と後側ブロック体3と
の連結強度を更に高めることになり、前側ブロック体
2、後側ブロック体3が前後方向、左右方向に傾動した
り微動することがない。
【0019】そして、前記前側ブロック体2、後側ブロ
ック体3及び連結ブロック体4が前記の方法により一体
状にして組み合わされると、前側ブロック体2の上面に
前側上係合部41が、後側ブロック体3の上面に後側上
係合部43が突出する。したがって、組み合わされた前
側ブロック体2と後側ブロック体3との上に、布積みす
る前側ブロック体2及び後側ブロック体3を設置する
と、上層の前側ブロック体2の前側下嵌合部24に連結
ブロック体4の前側上係合部41が嵌着するとともに、
後側ブロック体3の後側下嵌合部34に連結ブロック体
4の後側上係合部43が嵌着する。このため、上下に積
み重ねられる前側ブロック体2及び後側ブロック体3
を、下側の連結ブロック体4が強固に連結することがで
き、実質的には1本の連結ブロック体4が前後と上下の
ブロック体を一体状に連結することになる。しかも、上
側の前後一対のブロック体と下側の前後一対のブロック
体とは、前側下係合部42と前側上係合部41との間隔
だけ前後に位置が相違し、下側の一対のブロック体が上
側の一対のブロック体より前側に位置する。
【0020】前記した前側ブロック体2、後側ブロック
体3及び連結ブロック体4により擁壁101を構築する
には、図13で示すように、地盤に構築したコンクリー
トの基礎102上に、法面に沿って最下段の後側ブロッ
ク体3を横方向に設置するとともに、後側ブロック体3
の前側に、連結ブロック体4の前側下係合部42と後側
下係合部44との間隔の長さ分の間隔を配して前側ブロ
ック体2を横方向に設置し、前記のように前側ブロック
体2と後側ブロック体3との上縁間に、前後に位置する
前側上嵌合部21と後側上嵌合部31ごとに連結ブロッ
ク体4を配置して前側下係合部42を前側上嵌合部21
に、また後側下係合部44を後側上嵌合部31に嵌着す
る。したがって、前後一対の前側ブロック体2と後側ブ
ロック体3とは、左右で2本の連結ブロック体4により
連結されることになる。尚、最下段に位置させる前側ブ
ロック体2の前側下嵌合部24及び後側ブロック体3の
後側下嵌合部34は、設けても良いし設けなくても良
い。
【0021】そして、下から2番目の後側ブロック体3
を、前記連結ブロック体4の後端上面に、最下段の後側
ブロック体3の横幅の1/2の長さだけ位置をずらせて
設置し、下から2番目の前側ブロック体2も、最下段の
前側ブロック体2の横幅の1/2の長さだけ位置をずら
せて連結ブロック体4の前面側の上面にそれぞれ設置
し、前記のとおり、連結ブロック体4の前側上係合部4
1に下から2番目の前側ブロック体2の前側下嵌合部2
4を、後側上係合部43に下から2番目の後側ブロック
体3の後側下嵌合部34を嵌着する。
【0022】このようにして、下から上方に向かいブロ
ック体を順に布積みすると、前記前側ブロック体2と後
側ブロック体3及び連結ブロック体4が井桁状に組み合
わされ、しかも前側ブロック体2の後面と後側ブロック
体3の前面との間隔が生じることになる。したがって、
この間隔内に、捨てコンクリートを充填して養生硬化さ
せてもよいが、礫、石、砂利、砂等の充填材103を充
満状に詰めると、構築現場ではクレーン等で各ブロック
体を積み上げるだけで擁壁を構築することができ、現場
でコンクリートを打設する必要がない。また、必要であ
れば基礎102から縦方向に鉄筋104を直立させ、最
下段の前側ブロック体2の連通孔27や後側ブロック体
3の連通孔37に挿通して間詰めコンクリート等を充填
すると、擁壁の基礎が著しく強固なものとなる。
【0023】このようにして構築された擁壁101は、
前側ブロック体2、後側ブロック体3及び連結ブロック
体4が強固に組み合わされているので、法面からの土圧
を確実に受け止めることができる。また、上側のブロッ
ク体は、下側のブロック体より、連結ブロック体の前側
下係合部42と前側上係合部41との間隔だけ後方に位
置することになる。したがって、擁壁101の全体にお
いては、下から上に向い階段状となる。尚、擁壁101
としては、図13に示すように直立状に積み上げること
ができるし、また法面に沿って傾斜させて階段状に積み
上げることもできる。
【0024】図14に示す本発明の他の実施の形態は、
前側ブロック体2と後側ブロック体3の対向する間隔
を、擁壁101の下方の一部を広くして、上方を下方よ
り狭くした構成である。即ち、前側ブロック体2、後側
ブロック体3及び連結ブロック体4によって擁壁101
の下側3段を前記のとおり積み上げ、その上側を、連結
ブロック体4より短尺な連結ブロック体を使用して、前
側ブロック体2と後側ブロック体3の対向する間隔を狭
くした構成である。
【0025】具体的構成としては、前側ブロック体2と
後側ブロック体3との構成は前記実施の形態と同一であ
るが、下から3段目の前側ブロック体2と後側ブロック
体3との上縁に設ける第2連結ブロック体5として、図
15に記載の構成材を使用する。前記第2連結ブロック
体5は、前端側の長さの途中位置に前側上係合部41を
設けるとともに前端に前側下係合部42を設け、また後
端側の長さの途中位置に後側下係合部44を設けた点で
は前記連結ブロック体4の構成と同一であるが、後側上
係合部43を後側下係合部44の上側に設けた構成が相
違する。したがって、前側上係合部41は前側下係合部
42の後側に位置するが、後側上係合部43と後側した
係合部44との上下位置は同一であるから、両上係合部
41、43の間隔が、両下係合部42、44の間隔より
短くなる。
【0026】したがって、3段目の前側ブロック体2と
後側ブロック体3との各前側上嵌合部21、後側上嵌合
部31間を第2連結ブロック体5で連結してから、下か
ら4段目の前側ブロック体2の前側下嵌合部24に第2
連結ブロック体5の前側上係合部41を嵌着するととも
に下から4段目の後側ブロック体3の後側下嵌合部34
に後側上係合部43を嵌着すると、下から4段目の前側
ブロック体2と後側ブロック体3との対向する間隔が、
第2連結ブロック体5の前側上係合部41と後側係合部
43との長さに等しくなるために狭くなる。
【0027】そして、下から4段目以上の擁壁部分にお
いては、前記第2連結ブロック体5の前側上係合部41
と後側上係合部43との間隔と同一の間隔で、前側上係
合部41と後側上係合部43、及び前側下係合部42と
後側下係合部44とを設けるとともに、上下の各係合部
の位置を前後にずらせた第3連結ブロック体6を使用し
て各ブロック体により擁壁を構築すると、第3連結ブロ
ック体6の前後の係合部の間隔となるので奥行き幅が狭
くなる。したがって、例えば擁壁101があまり高くな
くて上方部分に作用する土圧が弱い場合、若しくは硬質
地盤で極端な土圧が上方に作用しない法面等に利用する
ことができる。
【0028】以上本発明を図面に示す実施の形態に基づ
いて説明したが、本発明は前記実施の形態に限定される
ものではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しな
い限りどのようにでも実施することができる。
【0029】
【発明の効果】以上要するに、本発明は、前後方向に間
隔を配して設置する前側ブロック体及び後側ブロック体
と、前記前側ブロック体及び後側ブロック体の上縁間及
び下縁間に配置する連結ブロック体とを有して全体とし
て井桁状に積み上げる擁壁用コンクリートブロックであ
って、前記前側ブロック体の上縁及び下縁に前側嵌合部
を設けるとともに、前記後側ブロック体の上縁及び下縁
に後側嵌合部を設け、前記連結ブロック体の前端側の下
面側と長さの途中位置及び後端側の上面側に係合部を設
け、連結ブロック体の前記係合部を前側ブロック体及び
後側ブロック体の各嵌合部に嵌着して井桁状であって階
段状に組合せ可能にしてなることを特徴とする擁壁用コ
ンクリートブロック、及びこのコンクリートブロックを
使用した擁壁に関するものである。
【0030】したがって、前側ブロック体と後側ブロッ
ク体との対向する間隔を連結ブロック体の寸法によりど
のような長さにでも設定することができ、構築現場の法
面等の状況によって必要な長さの連結ブロック体を使用
すればよい。そして、それぞれの前側ブロック体と後側
ブロック体とが連結ブロック体によって強固に結合して
一体状に組み合わされているので、きわめて強固な法面
からの土圧に対しても耐えることができ、崩壊する事故
を著しく低減することができる。また、現場ではクレー
ン等で前側ブロック体、後側ブロック体及び連結ブロッ
ク体を吊り上げて構築作業することができるばかりでな
く、現場でほとんどコンクリートを打設する必要がない
ので、作業期間の短縮と安全性をもたらせることができ
る。
【0031】しかも、前側ブロック体と後側ブロック体
との対向間隔に礫や土砂等を充満するとクッション材の
作用をするので、法面からの不安定な土圧に対して、法
面側の全面で受け止めることができ、特に土圧の変化に
よる伸縮作用で表面側にクラック等が発生することがな
いし、現場でコンクリートの打設作業を全く行う必要が
ない。また、上下若しくは左右に隣り合う前側ブロック
体や後側ブロック体には微細な隙間が発生しているの
で、法面からしみ出す地下水がそれらの隙間を通過して
前側ブロック体と後側ブロック体との対向間隔を流れる
ので地下水の処理としても有効である。
【0032】更に、上下のブロック体が階段状になって
いるので体裁が良好であり、特に擁壁を構築する山岳等
における景観にマッチできるばかりでなく、前後のブロ
ック体の間隔内に土砂等を充填すると、上側の前側ブロ
ック体の下端と下側の前側ブロック体の上端との間に土
砂等が臨んで植物を植え付けることができ、擁壁表面を
植生可能となって、ブロックによる擁壁において著しく
価値の高い技術を提供するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すコンクリート
ブロックを分解した斜視図である。
【図2】前側ブロック体の実施の形態を示す右部分を断
面とした正面図である。
【図3】前側ブロック体の背面図である。
【図4】前側ブロック体の平面図である。
【図5】図4におけるA〜A線の断面図である。
【図6】後側ブロック体の実施の形態を示す右部分を断
面とした正面図である。
【図7】後側ブロック体の平面図である。
【図8】図7におけるB〜B線の断面図である。
【図9】連結ブロック体の実施の形態を示す斜視図であ
る。
【図10】連結ブロック体の側面図である。
【図11】連結ブロック体の平面図である。
【図12】前側ブロック体と後側ブロック体と連結ブロ
ック体とを一体状に組合せた状態の一部縦断側面図であ
る。
【図13】擁壁として構築した状態の縦断側面図であ
る。
【図14】擁壁の第2の実施の形態の縦断側面図であ
る。
【図15】第2連結ブロック体の斜視図である。
【符号の説明】
1 コンクリートブロック 2 前側ブロック体 3 後側ブロック体 4 連結ブロック体 5 第2連結ブロック体 6 第3連結ブロック体 21 前側上嵌合部 22 凹部 23 溝部 24 前側下嵌合部 25 凹部 26 溝部 27 連通孔 28 嵌合凸部 29 嵌合凹部 31 後側上嵌合部 32 凹部 33 溝部 34 後側下嵌合部 35 凹部 36 溝部 37 連通孔 38 嵌合凸部 39 嵌合凹部 41 前側上係合部 42 前側下係合部 43 後側上係合部 44 後側下係合部 45 補強部 46 係合切欠部 101 擁壁 102 基礎 103 充填材

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前後方向に間隔を配して設置する前側ブ
    ロック体及び後側ブロック体と、前記前側ブロック体及
    び後側ブロック体の上縁間及び下縁間に配置する連結ブ
    ロック体とを有して全体として井桁状に積み上げる擁壁
    用コンクリートブロックであって、 前記前側ブロック体の上縁及び下縁に前側嵌合部を設け
    るとともに、前記後側ブロック体の上縁及び下縁に後側
    嵌合部を設け、 前記連結ブロック体の前端側の下面側と長さの途中位置
    及び後端側の上面側に係合部を設け、 連結ブロック体の前記係合部を前側ブロック体及び後側
    ブロック体の各嵌合部に嵌着して井桁状であって階段状
    に組合せ可能にしてなることを特徴とする擁壁用コンク
    リートブロック。
  2. 【請求項2】 上縁及び下縁に前側嵌合部を設けた前側
    ブロック体と、上縁及び下縁に後側嵌合部を設けた後側
    ブロック体とを、前後方向に間隔を配して設置し、前記
    前側ブロック体及び後側ブロック体の上縁間に、前端側
    及び後端側に位置が異なる係合部を設けた連結ブロック
    体を直交状に配置し、連結ブロック体の各係合部を前側
    ブロックの嵌合部及び後側ブロック体の嵌合部に嵌着し
    て井桁状であって階段状に組合せるとともに、前側ブロ
    ック体と後側ブロック体との対向する間隔の内部に充填
    材を充満してなることを特徴とするコンクリートブロッ
    クの擁壁。
  3. 【請求項3】 前側ブロック体と後側ブロック体との対
    向する間隔の内部に充填材として礫、石、砂、土砂等を
    充満状に充填してなる請求項2に記載のコンクリートブ
    ロックの擁壁。
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