JP2004076344A - 擁壁用ブロック、擁壁及びその構築方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】起立した表面板2と、表面板2より奥へ離間して起立した控板3と、表面板2の左右方向途中部と控板3の左右方向途中部とを連結する繋ぎ板4とを含み、表面板2の左右の側端部16、17がそれぞれ外側方へ突出形成された突出部18と内側方へ切欠形成された切欠部19とから構成される擁壁用ブロック1であって、複数の擁壁用ブロック1が左右に並べられる際に、密に隣り合う表面板2の高さが左右に略揃った状態で一方の表面板2の突出部18と他方の表面板の切欠部19とが嵌合するよう、突出部18と切欠部19とを形成する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路周辺、公園、運動場、宅地等の切土又は盛土等の傾斜地又は崖地の擁壁、河川、湖沼、用水等の水辺の堤防等の土砂の崩落を防止する擁壁等の各種擁壁に用いる擁壁用ブロック、その擁壁及びその構築方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は先に、表面板と控板との幅寸法が等しくかつ控板が表面板より高さが低く、水平面に対して起立した表面板と控板とが対峙し、一対の繋ぎ板で表面板と控板との左右方向途中部を連結する擁壁用ブロックを提案した(実用新案第2510846号、特許第2858079号)。そして、前記擁壁用ブロックを具体化し広く施工している。
【0003】
図14に示すように、本出願人が実用新案及び特許を具体化した擁壁用ブロック61は、表面板62の幅が約2000mm、高さが約1000mm、コンクリートの厚さが100〜120mm、重量が約1300kgである。この擁壁用ブロック61の控板63の幅寸法は表面板62よりわずかに短く、控板63の高さは表面板62の略半分であり、下部端面65、66が略同じ高さの表面板62と控板63が対峙し、一対の繋ぎ板64で表面板62と控板63との左右方向途中部が連結されている。擁壁用ブロック61は、施工時に表面板62が正面側に凸状に並ぶ部分又はコーナ部を形成する部分において、隣り合う擁壁用ブロック61が、その一方が上下反転されて、左右に並べられることで、180度未満〜略90度までの範囲で表面板62同士の角度とすることができる。
また、擁壁用ブロックでは、表面板の高さが約500mm、控板の高さが表面板の高さの4/5で、コンクリートの厚さが100〜120mmあり、重量が約900kgであるものも実施化している。
【0004】
また、擁壁用ブロック61を左右に並べた擁壁は、まず最下段となる擁壁用ブロック61を左右に並べて据付け、その表面板62と控板63との間の空所67に砕石、栗石等の粗粒状充填材69を充填する。続いて、二段目以降の擁壁用ブロック61を下段の擁壁用ブロック61の粗粒状充填材69の上部に積み上げて据付け、同様に粗粒状充填材69を充填する。この充填された粗粒状充填材69間にはインターロッキング効果が働き、左右に並べられた擁壁用ブロック61同士や上下に積み上げられた擁壁用ブロック61同士を安定化している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記擁壁用ブロック61を左右に並べた擁壁の一部に、粗粒状充填材69間のインターロッキング効果より大きい力が働いた場合に、擁壁用ブロック61が前後、左右又は上下方向にずれることがあった。
また、擁壁用ブロック61に隣接する擁壁用ブロック61が上下反転して設置されている擁壁の部分は、擁壁用ブロック61同士で接して重なり合う部分があるため、施工中に反転された擁壁用ブロック61が予想外にすべって動くことがあった。
この擁壁用ブロック61が上下反転して設置されている擁壁部分の施工方法を以下に示す。
▲1▼まず、図15(a)に示すように、上下反転されていない擁壁用ブロック61が並べられる。
▲2▼次に、図15(b)に示すように、▲1▼で並べた擁壁用ブロック61の隣に、間をおいて擁壁用ブロック61が並べられる。
▲3▼次に、図15(c)に示すように、上下反転された擁壁用ブロック61が、既に並べられている2つの擁壁用ブロック61の間に並べられる。
この施工の順をとる理由は、上下反転された擁壁用ブロック61の控板3の一方端を擁壁用ブロック61の控板3に重ね合わせて先に並べると、控板3の他方端は浮いた状態となるので、不安定となるからである。しかし、このような施工方法を採ると、間をおいて並べられた擁壁用ブロック61の位置調整を何度も行う必要があった。
【0006】
また、擁壁を施工する場所によっては、略長方形の表面板62が右若しくは左肩上がりとなるように擁壁用ブロック61が設置される場合がある。その場合、図16(a)に示すように、隣り合う擁壁用ブロック61の表面板62同士が、表面板62の側端面70の一隅同士で接し合い、表面板62同士の間には三角形の隙間71が形成される。この隙間71から、内部に裏込されている粗粒状充填材69がこぼれ出すおそれがあった。
【0007】
そこで、本発明の擁壁用ブロックの第一の目的は、隣り合う擁壁用ブロック同士を嵌合させることで、上下方向のずれを防止できることにある。第二の目的は、隣り合う擁壁用ブロック同士を連結して略一体化させることで、前後方向及び左右方向のずれを防止できることにある。第三の目的は、表面板同士を正面側に凸状及び表面板同士の内角が90°未満に左右に並べることができるようにすることにある。第四の目的は、擁壁用ブロックの重さを従来より略半分以下とすることで、重機が小さくても施工ができ、山間部や都市部でも扱いやすくなり、手間及びコストを軽減することにある。
また、本発明の擁壁の目的は、施工場所、施工目的に合った擁壁の形状とすることができ、本発明の構築方法を用いることで、施工中に擁壁用ブロックを安定させるので、施工の手間及びコストを軽減することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る擁壁用ブロックは、以下の(1−1)(1−2)(1−3)(1−4)又は(1−5)の特徴を備える。
【0009】
(1−1)起立した表面板と、表面板より奥へ離間して起立した控板と、表面板の左右方向途中部と控板の左右方向途中部とを連結する繋ぎ板とを含み、表面板の左右の側端部がそれぞれ外側方へ突出形成された突出部と内側方へ切欠形成された切欠部とから構成される擁壁用ブロックであって、複数の擁壁用ブロックが左右に並べられる際に、密に隣り合う表面板の高さが左右に略揃った状態で一方の表面板の突出部と他方の表面板の切欠部とが嵌合するよう、突出部と切欠部とが形成された擁壁用ブロック。
【0010】
上記(1−1)において、控板の上面レベルは表面板の上面レベルの1/2以下であり、隣り合う擁壁用ブロックが、その一方が上下反転されて左右に並べられる際にも、密に隣り合う表面板の高さが左右に略揃った状態で一方の表面板の突出部と他方の表面板の切欠部とが嵌合するよう、突出部と切欠部とが形成されることが好ましい。
【0011】
また、表面板の左右のいずれか一方の側端部が上半分を占める突出部と下半分を占める切欠部とから構成され、他方の側端部が上半分を占める切欠部と下半分を占める突出部とから構成されることが好ましい。
【0012】
さらに、突出部に連結ピンを挿入する垂直軸穴が形成され、隣り合う表面板の一方の垂直軸穴と他方の垂直軸穴とを上下に連続させて連結ピンを挿入することにより、隣り合う表面板の側端部同士を相対回動可能に且つ相対前後動及び相対左右動不能に連結できるようにすることが好ましい。
【0013】
繋ぎ板の表面板側の連結部分には、特に限定されないが、表面板と繋ぎ板の結合を補強するための補強部が、繋ぎ板の上面レベルの上方へ突出して、表面板に連結されて形成されていることが好ましい。
【0014】
(1−2)起立した表面板と、表面板より奥へ離間して起立した控板と、表面板の左右方向途中部と控板の左右方向途中部とを連結する繋ぎ板とを含む擁壁用ブロックであって、複数の擁壁用ブロックが左右に並べられる際に、密に隣り合う表面板の側端部同士が相対回動可能に且つ相対前後動及び相対左右動不能に連結されるよう、表面板の左右の側端部に回動連結機構が設けられた擁壁用ブロック。
【0015】
上記(1−2)において、回動連結機構は、表面板の左右の側端部がそれぞれ外側方へ突出形成された突出部と内側方へ切欠形成された切欠部とから構成されることと、突出部に連結ピンを挿入する垂直軸穴が形成されることからなり、隣り合う表面板の一方の垂直軸穴と他方の垂直軸穴とを上下に連続させて連結ピンを挿入することにより、連結がなされることが好ましい。
【0016】
(1−3)起立した表面板と、表面板より奥へ離間して起立した控板と、表面板の左右方向途中部と控板の左右方向途中部とを連結する繋ぎ板とを含む擁壁用ブロックであって、複数の擁壁用ブロックが左右に並べられる際に、密に隣り合う表面板の内角が180°未満且つ120°〜170°の範囲で設定可能な下限値以上となることを許容するよう、控板の側端部が表面板の側端部より内側方へ短縮された擁壁用ブロック。
【0017】
(1−4)起立した表面板と、表面板より奥へ離間して起立した控板と、表面板の左右方向途中部と控板の左右方向途中部とを連結する繋ぎ板とを含み、控板の上面レベルと繋ぎ板の上面レベルは表面板の上面レベルの1/2以下である擁壁用ブロックであって、隣り合う擁壁用ブロックが、その一方が上下反転されて左右に並べられる際にも、密に隣り合う表面板の内角が90°未満且つ60°〜80°の範囲で設定可能な下限値以上となることを許容するよう、控板の側端部が表面板の側端部より内側方へ短縮された擁壁用ブロック。
【0018】
繋ぎ板の補強部の上面レベルは、特に限定されないが、表面板の上面レベル以下であることが好ましい。
【0019】
(1−5)起立した表面板と、表面板より奥へ離間して起立した控板と、表面板の左右方向途中部と控板の左右方向途中部とを連結する繋ぎ板とを含み、表面板の左右方向の長さが1280〜2570mmである擁壁用ブロックであって、表面板の高さが、300〜600mmであり、表面板と、控板と、繋ぎ板のそれぞれの厚さが、50〜110mmであり、擁壁用ブロックの重さが、250〜550kgである擁壁用ブロック。
【0020】
本発明に係る擁壁は、以下の(2−1)又は(2−2)の特徴を備える。
【0021】
(2−1)起立した表面板と、該表面板より奥へ離間して起立した控板と、該表面板の左右方向途中部と控板の左右方向途中部とを連結する繋ぎ板とを含む擁壁用ブロックを用いて構築された擁壁であって、複数の該擁壁用ブロックが左右に並べられており、密に隣り合う該表面板の内角が180°未満且つ120°〜170°の範囲で設定可能な下限値以上である擁壁。
【0022】
(2−2)起立した表面板と、該表面板より奥へ離間して起立した控板と、該表面板の左右方向途中部と控板の左右方向途中部とを連結する繋ぎ板とを含み、控板の上面レベルと繋ぎ板の上面レベルは表面板の上面レベルの1/2以下である擁壁用ブロック用いて構築する擁壁であって、隣り合う擁壁用ブロックが、その一方が上下反転されて左右に並べられており、密に隣り合う表面板の内角が90°未満且つ60°〜80°の範囲で設定可能な下限値以上である擁壁。
【0023】
本発明に係る擁壁の構築方法は、以下の(3−1)又は(3−2)の特徴を備える。
【0024】
(3−1)上記(1−1)記載の擁壁用ブロックであって、表面板の左右のいずれか一方の側端部が上半分を占める突出部と下半分を占める切欠部とから構成され、他方の側端部が上半分を占める切欠部と下半分を占める突出部とから構成される擁壁用ブロックを用いる擁壁の構築方法であって、隣り合う擁壁用ブロックのそれぞれの表面板の隣り合う側端部において、一方の側端部の上半分を占める突出部が、他方の側端部の下半分を占める突出部に乗せられて、擁壁用ブロックが並べられる擁壁の構築方法。
【0025】
(3−2)上記(1−1)記載の擁壁用ブロックであって、突出部に連結ピンを挿入する垂直軸穴が形成され、隣り合う表面板の一方の垂直軸穴と他方の垂直軸穴とを上下に連続させて連結ピンを挿入することにより、隣り合う表面板の側端部同士を相対回動可能に且つ相対前後動及び相対左右動不能に連結できるようした擁壁用ブロックを用いる擁壁の構築方法であって、上下反転されていない前記擁壁用ブロックの隣に上下反転された前記擁壁用ブロック1を並べて、前記連結ピンで連結された後に、他方の隣に上下反転された前記擁壁用ブロックが並べられる擁壁の構築方法。
【0026】
上記各手段(1−1)〜(1−5)、(2−1)(2−2)、(3−1)(3−2)における構成要素の態様を、下に例示する。
「擁壁用ブロック」の材質は、内部に補強用鉄筋が埋め込まれているコンクリートであることが好ましい。また、特に限定されないが、擁壁用ブロックを構成している表面板、控板及び繋ぎ板は、一体成形されていることが好ましい。
「切欠部」と「突出部」の形状は、特に限定されないが、擁壁用ブロックが、左右に並べられて及び上下反転されて、密に隣り合う擁壁用ブロックの各々の切欠部と突出部とが嵌合するためには、切欠部と突出部とが略同一形状であることが好ましい。また、切欠部の幅と突出部の幅は、特に限定されないが、実施形態で述べるように、表面板の厚さ以上あることが好ましく、略同一であることが好ましい。
【0027】
「連結ピン」の材質は、特に限定されず、樹脂、金属、木材等を例示できる。「垂直軸穴」は、連結ピンを挿入することで隣り合う擁壁用ブロックが多少の余裕を持ちながら相対回動可能に連結される位置に設けられていることが好ましい。
【0028】
擁壁用ブロックの「内角」は、隣り合う擁壁用ブロックの表面板がなす角度であって、その隣り合う擁壁用ブロックの表面板に対して、控板が位置している側の角度を意味する。
【0029】
また「充填材」は、特に限定されないが、単位体積重量が大きくかつ水の影響を受けにくいものが好ましく、砕石、栗石、コンクリートガラ、粗粒状鉱滓等の粗粒状充填材や、粉状鉱滓、土等等の粉状充填材を例示できる。コンクリートガラとしては、他の場所で発生した廃棄コンクリートや、現場の古いコンクリート擁壁等を破砕したものを使用でき、廃棄物の再利用及び環境保護に役立つ。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した二つの実施形態について、図面に基づいて説明する。なお、各実施形態において以下に挙げる各部の寸法は例示であり、適宜変更できる。
[第一実施形態]
図1に、本発明の擁壁用ブロック1を具体化したものを示す。擁壁用ブロック1は、起立した表面板2と、表面板2より奥へ離間して起立した控板3と、表面板2の左右方向途中部と控板3の左右方向途中部とを連結する一対の繋ぎ板4、4とが、内部に補強用鉄筋が埋め込まれているコンクリートで一体的にプレキャストされてなる。
【0031】
表面板2は、幅約2000mm、高さ約500mm、厚さ約90mmの長方形板であり、その前表面10には例えば石垣模様、溝模様等の模様が設けられている。なお、表面板2の前表面10から向かって左側の側端部を、左側端部16とし、右側の側端部を右側端部17とする。
【0032】
左側端部16には、上半分を占める突出部18と下半分を占める切欠部19とが形成され、右側端部17には、上半分を占める切欠部19と下半分を占める突出部18とが形成されている。これらの突出部18は、外側方へ突出形成された略長方形(幅145mm、高さ250mm、厚さ90mm)であり、切欠部19は、内側方へ切欠形成され突出部18と略同形状の略長方形(長さ145mm、高さ250mm、厚さ90mm)である。
左右の突出部18と切欠部19の側端面の上部及び下部には、水抜きのスリット形成用の浅い凹部28が形成されている。
【0033】
突出部18には、円柱状の垂直軸穴26(左側端部16からは中心が70mm、右側端部17からは中心が75mmの位置、直径30mm、長さ約250mm)が、上下方向に貫通するように形成されている。そのため、隣り合う擁壁用ブロック1の左右の側端部16、17同士を嵌合した際に、隣り合う表面板2の一方の垂直軸穴26と他方の垂直軸穴26とを上下に連続させて樹脂製の円柱状の連結ピン25(直径25mm、長さ500mmの円柱状)を挿入することができる。
【0034】
控板3は、幅約1560mm、高さは表面板2の半分の約250mm、厚さ約90mmの長方形板である。一対の繋ぎ板4,4は、それぞれ前後長さ約1000mm、高さ約250mm(但し、表面板2に結合する前部分のみは高さ約450mmに増加した補強部4a,4aとなっている)、厚さ約80mmの板である。擁壁用ブロック1の重さは約430kgである。
【0035】
控板3及び繋ぎ板4,4の各下端面は、表面板2の下部端面15と同じレベルに合わせられているので、控板3及び繋ぎ板4,4(補強部4a,4aを除く)の各上面レベルは表面板2の上端面に対して略1/2の高さレベルにある。また、両繋ぎ板4,4は左右に約1000mmの相互間隔をおいて平行に対峙しており、その中央位置と表面板2の左右方向中央位置と控板3の左右方向中央位置とは前後に合わせられている。従って、各繋ぎ板4,4の外側面に対し、表面板2は、左側端部16を左の外側方へ約545mm突出させ(突出部2a)、右側端部17を右の外側方へ約400mm突出しており(突出部2b)、控板3は近い方の側端面までが約200mm突出している(突出部3a)。そのため、控板3の左右方向の幅は表面板2の側端部16、17よりそれぞれが内側方へ短縮された形状となっている。
【0036】
本実施形態の場合、表面板2と控板3との間の空所5は、表面板2と控板3と一対の繋ぎ板4、4とで囲まれた平面四角形(本例では略正方形)の中央空所6と、各繋ぎ板4,4の外側方において前記表面板2の突出部2a、2bと前記控板3の突出部3aと各繋ぎ板4,4とで囲まれた平面コ字形の側部凹所7とからなる。このような中央空所6を備えた擁壁用ブロック1は箱型(あるいは容器型又はビン型)擁壁用ブロックと言われている。
【0037】
次に、上記擁壁用ブロック1を用いる本実施形態の擁壁を説明すると、図2〜図4に示すように、法面8の直ぐ前方における現場地盤9に開口前後幅1500〜2000mm、底前後幅1000〜1500mm、深さ200〜500mmの溝30が掘削され、該溝30の中に、粗粒状基礎材40を締固めてなる基礎31が設けられている。粗粒状基礎材40には、例えば単粒度砕石(S−40以上)が用いられている。
【0038】
この基礎31の上には、最下段(一段目)を構成する複数の擁壁用ブロック1が表面板2が左右にフラットに並べて据付けられている。密に隣り合う擁壁用ブロック1の表面板2の高さが左右に略揃った状態で、左右に並べられる。擁壁用ブロック1が左右に並べられる際、擁壁用ブロック1のそれぞれの表面板2の隣り合う側端部16、17において、一方の側端部16の上半分を占める突出部18が、他方の側端部17の下半分を占める突出部18に乗せられるという構築方法で、突出部18と切欠部19とが嵌合する。この嵌合部分では、連結ピン25が左右の側端部16、17の2つの垂直軸穴26に挿入されることで、隣り合う擁壁用ブロック1は略一体化されている。また、この嵌合部分には、密に隣り合う擁壁用ブロック1間にわずかな隙間が形成される。この隙間があることで隣り合う擁壁用ブロック1が多少の余裕を持って相対回動可能に且つ相対前後動及び相対左右動不能に連結されている。
また、隣り合う擁壁用ブロック1の浅い凹部28の同士間にはスリットが形成され、擁壁の内部に過剰に貯まる水を正面側へ抜くことができる。
【0039】
左右に1段に並べられた擁壁用ブロック1の表面板2と控板3との間の空所5(前記のとおり中央空所6及び側部凹所7)と、控板3よりさらに奥となり法面8との間の擁壁背後部52と、表面板2より高さが低く設定されている控板3及び繋ぎ板4との上部で、擁壁擁ブロック1を積み上げたときに下段と上段との控板3同士及び繋ぎ板4同士の間の開放部53とに、表面板2と同一レベルまで、粗粒状充填材40(一部のみ図示)が充填・裏込めされて締め固められている。
【0040】
この最下段の粗粒状充填材40の上には、二段目及び三段目を構成する複数の擁壁用ブロック1が最下段と同様にして据付けられるとともに、粗粒状充填材40が充填されている。また、四段目以降があるときは、同様に擁壁用ブロック1の据付け及び粗粒状充填材40の充填が繰り返される。そして、このタイプの擁壁はほとんどの場合に傾斜壁(寺勾配も含む)であるから、相対的に下段の擁壁用ブロック1の表面板2に対して相対的に上段の擁壁用ブロック1の表面板2は後方に位置するように据付けられる。勿論、垂直壁の場合は、上下の表面板2が面一に合わせられる。また、擁壁は、それぞれの空所を占める粗粒状充填材40同士にインターロッキング効果があるため柔軟な一体化(融合)をして構築され、擁壁と法面8とをより一体化して安定している。
【0041】
以上のように構築された本発明の擁壁用ブロック1を使用した本実施形態の擁壁によれば、次の(1)〜(7)ような作用効果が得られる。
【0042】
(1)上下方向のずれを防止
隣り合う擁壁用ブロック1の表面板2の側端部16、17を嵌合して、左右に並べられることで、密に隣り合う擁壁用ブロック1同士を略一体化させることができるので、施工時においても、施工後においても、擁壁用ブロック1の上下方向のずれを防止することができる。
さらに、隣り合う擁壁用ブロック1の嵌合部分の一方の突出部18が他方の突出部18に乗せられて、擁壁用ブロック1が左右に並べられるという構築方法であるので、施工時においても、擁壁用ブロック1の上下方向のずれを防止することができる。
(2)前後方向及び左右方向のずれを防止
隣り合う擁壁用ブロック1の各々の側端部16、17を嵌合した際に、隣り合う表面板2の一方の垂直軸穴26と他方の垂直軸穴26とを上下に連続させて連結ピン25を挿入することにより、隣り合う表面板2の側端部同士(16と17)を相対回動可能に且つ相対前後動及び相対左右動不能に連結できるので、隣り合う擁壁用ブロック1同士をより強固に略一体化させることができ、擁壁用ブロック1の前後方向のずれを防止することができる。
(3)施工時の手間の削減
施工時において、隣り合う擁壁用ブロック1同士を略一体化させながら、左右に並べることができるので、密に隣り合う擁壁用ブロック1同士のずれが少なくなり、施工時の手間が省け、見栄えのいい擁壁を施工できる。
さらに、隣り合う擁壁用ブロック1の一方の突出部18が他方の突出部18に乗せられて、擁壁用ブロック1が施工される場合には、隣り合う擁壁用ブロック1の位置を合わせやすいので、施工時に何度も位置を合わせるという手間が省け、見栄えのいい擁壁を施工することができる。
(4)正面側に凸状の擁壁が可能
隣り合う擁壁用ブロック1を連結させている連結ピン25を軸として、擁壁用ブロック1が、回転され、表面板2同士の内角が180°未満且つ160°の下限値以上となるように正面側に凸状に、左右に並べられることができ、特に、隣り合う擁壁用ブロック1の控板3同士を接し合うように並べられた場合には、表面板2同士の内角が約160°となる。
(5)コーナ部分の見栄えがよい。
擁壁のコーナ部及び2つの隣り合う擁壁用ブロック1が正面側に凸状に角度をもっている場合の、隣り合う擁壁用ブロック1の接し合うコーナ部分が、図16(b)の従来例に示すような、隣り合う表面板62の側端面70が向かい合うコーナ部分に空間が生じて略平面M字型のような形状になるのではなく、本発明の場合は、嵌合部分が存在するため、コーナ部に空間が生じず略平面L字型となっているので、コーナが安定して修まりがよく、見栄えもよい。
(6)コストの軽減が可能
擁壁用ブロック1の表面板2、控板3及び繋ぎ板4の高さを従来より略半分とすることで、表面板2、控板3及び繋ぎ板4に作用する粗粒状充填材40からの内圧が小さくなるので、コンクリートの厚さを従来より薄くすることができ、擁壁用ブロックの重さが従来より略半分以下と軽くなり、施工の手間が減り、重機が小さくても施工ができ、運搬も容易で、山間部や都市部でも扱いやすくなり、手間及びコストを軽減することができる。
(7)現地地盤の変形による擁壁変形の防止
現地地盤の変形により、擁壁に地震のような巨大に力が加わったときは、粗粒状充填材40の間に滑りが生じて擁壁が変形する。しかし、外力が消失した後は、粗粒状充填材40が変形後の安定した状態でかみ合うので、粗粒状充填材40同士のインターロッキング効果の限界以上の力がかかったときでも擁壁が直ちに崩壊してしまうという事態は避けられる。さらに、粗粒状充填材40同士のインターロック効果のみならず、密に隣り合う擁壁用ブロックが連結されていることで、1つ1つの擁壁用ブロックのずれによる擁壁の変形を防止することができる。
【0043】
次に、図5及び図6の擁壁の並べ方は、第一実施形態の変更例1及び変更例2を示している。この変更例1及び変更例2は、擁壁用ブロック1の左右方向の並べ方のみが第一実施形態と異なっている。
【0044】
まず、図5に示すように、変更例1の擁壁用ブロック1は、前表面10が正面側に凸状になるように、隣り合う擁壁用ブロック1を相対回動可能に且つ相対前後動及び相対左右動不能に連結させている。この際、直線状に並んで密に隣り合う擁壁用ブロック1を連結させている連結ピン25を軸として、隣り合う擁壁用ブロック1の控板3同士が接し合うまで、一方の擁壁用ブロック1を例えば約20°回転し、その結果、隣り合う表面板2の内角が約160°となる正面側に凸状の擁壁が形成される。
【0045】
次に、図6に示すように、変更例2の擁壁用ブロック1は、擁壁用ブロック1に対して、隣り合う擁壁用ブロック1の略長方形の表面板2が右肩上がりとなるように擁壁用ブロック1が設置されている。そして、右側に隣り合う擁壁用ブロック1の表面板2の傾きが徐々に増加して、全体として1段の擁壁が緩やかな曲線を描くように擁壁用ブロック1が並べられている。そのため、表面板2の高さがそろって嵌合している側端部16、17の垂直軸穴26同士は連続せず、連結ピン25は使用していないことだけが第一実施形態と異なっている。
【0046】
肩上がりに擁壁用ブロック1が並べられる場合、隣り合う擁壁用ブロック1の側端部16、17とで囲まれた隙間41が高さ方向で、表面板2の略半分の高さの2つに分断された略三角形形状となっているので、1つの隙間41が従来の略半分となり、粗粒状充填材40より小さい隙間41となるので、粗粒状充填材40のこぼれ出しを防止できる。
【0047】
[第二実施形態]
図7及び図8に擁壁の一部を示すように、第二実施形態は、第一実施形態で示した擁壁用ブロック1と同様の擁壁用ブロック1を用いて、その擁壁用ブロック1の並べ方のみが第一実施形態の変更例1と同様に正面側に凸となるようになっており、隣り合う擁壁用ブロック1の表面板2の内角が約145°となっていることだけが異なっている。なお、並べられている擁壁用ブロック1は、説明時の区別のため、各々をA、B、Cで示す。
【0048】
この擁壁の一部は、3つ(A、B、C)の擁壁用ブロック1で形成されており、真中の擁壁用ブロック1(B)だけが、上下反転された状態のもので、両隣の擁壁用ブロック1(A、C)が反転されていない状態のものである。隣り合う擁壁用ブロック1(AとB,BとC)が上下反転されていても左右に並べられる際に、一方の表面板2の突出部18と他方の表面板2の切欠部19とが嵌合することができ、表面板2の高さが左右に略揃った状態である。
また、上下反転しあっている隣り合う擁壁用ブロック1(AとB,BとC)の控板3同士が上下に重なり合う状態になっている。
【0049】
この擁壁部分の施工方法は、以下に示す。
▲1▼ まず、図8(a)に示すように、上下反転されていない擁壁用ブロック1(C)が並べられる。
▲2▼ 次に、図8(b)に示すように、擁壁用ブロック1(C)の側端部17の突出部18に、隣に上下反転された擁壁用ブロック1(B)の側端部17の突出部18が乗せられて嵌合され、隣り合う擁壁用ブロック1同士を連結ピン25で多少の余裕をもたせながら連結する。連結ピン25を軸として、擁壁用ブロック1(B)を35°回転して、上下反転しあっている隣り合う擁壁用ブロック1(CとB)の控板3同士を上下に重なり合わせる。
▲3▼ 次に、図8(c)に示すように、上下反転された擁壁用ブロック1(B)側端部16の突出部18に、擁壁用ブロック1(A)の側端部16の突出部18が乗せられて隣り合う擁壁用ブロック1同士を連結ピン25で多少の余裕をもたせながら連結する。連結ピン25を軸として、擁壁用ブロック1(A)を35°回転して、上下反転しあっている隣り合う擁壁用ブロック1(BとA)の控板3同士を上下に重なり合わせて、並べられる。
【0050】
次に、図9及び図10の擁壁は、第二実施形態の変更例3を示している。この変更例3は、擁壁用ブロック1が正面側へコーナー部となるように並べられることだけが第二実施形態と異なっている。なお、並べられている擁壁用ブロック1は、説明時の区別のため、各々をD、E、F、Gで示す。
【0051】
本変更例のに示す擁壁の一部は、4つ(D、E、F、G)の擁壁用ブロック1で形成された擁壁のコーナー部であり、擁壁用ブロック1(F)だけが、上下反転された状態のもので、擁壁用ブロック1(D、E、G)が反転されていない状態のものである。隣り合う擁壁用ブロック1(DとE、FとG)は、連結ピン25を用いて、略直線に左右に並べられている。隣り合う擁壁用ブロック1(EとF)は、左右の側端部16、17の嵌合部分の連結ピン25を軸として、直線に並べた位置関係から、一方の擁壁用ブロック1を約103°回転した擁壁のコーナー部を形成している。この際、隣り合う表面板2の内角が約77°で、コーナー部では、擁壁用ブロック1(F)の突出部18に擁壁用ブロック1(E)の突出部18が乗せられている。また、擁壁用ブロック1(F)の控板3及び繋ぎ板4は、擁壁用ブロック1(E)の控板3及び繋ぎ板4が下になるようにして重なり合う状態になる。擁壁用ブロック1(E)の控板3の左側端部34は、隣り合う擁壁用ブロック1(F)の表面板2の後ろ表面11に一部が接し、反転した擁壁用ブロック1(F)の控板3の左側端部34は、隣り合う擁壁用ブロック1(E)の表面板2の後ろ表面11に一部が接している。
【0052】
この擁壁用ブロック1の繋ぎ板4の補強部4aの長さ(250mm)は、表面板2の内角の略1/2の角度となるように、軸となる連結ピン25の中心から控板3側に引いた線(図10に1点鎖線で示す)と繋ぎ板4とが交差する部分までの、繋ぎ板4の前側端部37からの長さ(約260mm)より短くなっている。
【0053】
以上のように構築された本実施形態の擁壁によれば、第一実施形態より得られる効果に加え、次の(9)〜(12)のような作用効果が得られる。
【0054】
(9)上下反転して設置したの際の高さが不変
控板3と繋ぎ板4の主要部分との上面レベルが表面板2の上面レベルの1/2の高さで形成され、表面板2、控板3及び繋ぎ板4の下部端面は同一平面状に設置されているので、上下反転して左右に並べられている擁壁用ブロック1同士の表面板2の高さが、左右に略揃った状態で変動がなく、反転した擁壁用ブロック1の控板3と繋ぎ板2とが、両隣若しくは隣の擁壁用ブロック1の控板3と繋ぎ板2の上に重ねることができ、その際にも、重なり合った控板3と繋ぎ板2の高さは、表面板2の高さを超えないように並べられることができる。
(10)上下反転して設置したの際に上下方向、前後方向及び左右方向のずれを防止
密に隣り合う擁壁用ブロック1のどちらか一方を反転しても、隣り合う表面板2の左側端部16同士又は右側端部17同士を嵌合して、左右に並べることができ、密に隣り合う擁壁用ブロック1同士を略一体化させることができるので、擁壁用ブロック1の上下方向のずれを防止することができる。また、連結ピン25を用いて隣り合う擁壁用ブロック1の前後方向及び左右方向のずれを防止することができる。
(11)施工時の手間の削減
上下反転された擁壁用ブロック1の両隣に上下反転してない擁壁用ブロック1となるような擁壁を施工する際、それぞれの隣り合う擁壁用ブロック1同士は、連結ピン25で連結しながら並べられ、安定して施工できるので、一方側から順に擁壁用ブロック1を設置することができ、施工時の手間が削減できる。
(12)正面側に鋭角状の擁壁が可能
隣り合う擁壁用ブロック1が反転しあっている場合には、連結させている連結ピン25を軸として回転させて、表面板2同士の内角が90°未満且つ77°の下限値以上となるように、隣り合う擁壁用ブロック1が正面側に鋭角状に並べられることができる。特に、擁壁用ブロック1の控板3の一部が反転しあっている隣り合う擁壁用ブロック1の表面板2の後ろ表面11に接するようにした場合には、表面板2同士の内角が約77°となるように、擁壁用ブロック1を並べることができる。
【0055】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更して具体化することもできる。
(1)図11に示すように、擁壁用ブロックとして、繋ぎ板が1枚のみで構成されていること。
(2)表面板の同一側端部の切欠部と突出部の形状が略同一ではないこと。
(3)図12に示すように、擁壁用ブロック1を用いて、隣り合う表面板2の内角が180°以上である凹状の擁壁を形成すること。
(4)図13に示すように、第二実施形態の変更例3の擁壁と類似の変更例として、4つ(H、I、J、K)の擁壁用ブロック1で形成された擁壁のコーナー部である。擁壁用ブロック1(J)だけが、上下反転された状態のもので、擁壁用ブロック1(H、I、K)が反転されていない状態のものである。これは、擁壁用ブロック1(I)の突出部18に上下反転された擁壁用ブロック1(J)の突出部18が乗せられていることが第二実施形態の変更例3とは異なっており、擁壁用ブロック1(I)の控板3の右側端部35は、隣り合う擁壁用ブロック1(J)の表面板2の後ろ表面11に一部が接し、反転した擁壁用ブロック1(J)の控板3の右側端部35は、隣り合う擁壁用ブロック1(I)の表面板2の後ろ表面11に一部が接している。この際、擁壁用ブロック1(I、J)のコーナー部においては、隣り合う表面板2の内角が約83°となる。
【0056】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1〜4記載の擁壁用ブロックによれば、隣り合う擁壁用ブロック同士を嵌合させることで、上下方向のずれを防止でき、ブロックの隙間から充填材がこぼれ出にくくし、請求項5又は6記載の擁壁用ブロックによれば、隣り合う擁壁用ブロック同士を連結して略一体化させることで、前後方向及び左右方向のずれを防止できるという優れた効果を奏する。
【0057】
また、請求項7又は8記載の擁壁用ブロックによれば、表面板同士を正面側に凸状及び表面板同士の内角が90°未満に並べることができ、請求項9記載の擁壁用ブロックによれば、擁壁用ブロックの重さを従来より略半分以下とすることができるので、重機が小さくても施工ができ、山間部や都市部でも扱いやすくなり、手間及びコストを軽減するという優れた効果を奏する。
【0058】
さらに、請求項10又は11記載の擁壁によれば、施工場所、施工目的に合った擁壁の形状とすることができ、請求項12又は13記載の擁壁の構築方法によれば、施工中に擁壁用ブロックを安定させるので、施工の手間及びコストを軽減することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態の擁壁用ブロックの斜視図である。
【図2】同第一実施形態の擁壁用ブロックを用いた擁壁の斜視図である。
【図3】同第一実施形態の擁壁用ブロックを用いた擁壁の断面図である。
【図4】同第一実施形態の擁壁の部分斜視図である。
【図5】同第一実施形態の変更例1の擁壁の部分斜視図である。
【図6】同第一実施形態の変更例2の擁壁の部分正面図である。
【図7】同第二実施形態の擁壁の部分斜視図である。
【図8】同第二実施形態の擁壁の施工方法の部分背面図である。
【図9】同第二実施形態の変更例3の擁壁の部分斜視図である。
【図10】同第二実施形態の変更例3の擁壁の部分平面図である。
【図11】本発明の変更例(1)の擁壁用ブロックの斜視図である。
【図12】同変更例(3)の擁壁用ブロックの平面図である。
【図13】同変更例(4)の擁壁用ブロックの部分斜視図である。
【図14】従来例に係る擁壁用ブロックの斜視図である。
【図15】従来例に係る擁壁用ブロックを用いる擁壁の施工方法の部分背面図である。
【図16】従来例に係る擁壁用ブロックの(a)擁壁の部分正面図、(b)擁壁の部分平面図である。
【符号の説明】
1 擁壁用ブロック
2 表面板
3 控板
4 繋ぎ板
10 前表面
16 左側端部
17 右側端部
18 突出部
19 切欠部
25 連結ピン
26 垂直軸穴
Claims (13)
- 起立した表面板と、該表面板より奥へ離間して起立した控板と、該表面板の左右方向途中部と該控板の左右方向途中部とを連結する繋ぎ板とを含み、該表面板の左右の側端部がそれぞれ外側方へ突出形成された突出部と内側方へ切欠形成された切欠部とから構成される擁壁用ブロックであって、複数の該擁壁用ブロックが左右に並べられる際に、密に隣り合う該表面板の高さが左右に略揃った状態で一方の該表面板の該突出部と他方の該表面板の該切欠部とが嵌合するよう、該突出部と該切欠部とが形成された擁壁用ブロック。
- 前記控板の上面レベルは前記表面板の上面レベルの1/2以下であり、隣り合う前記擁壁用ブロックが、その一方が上下反転されて左右に並べられる際にも、密に隣り合う前記表面板の高さが左右に略揃った状態で一方の前記表面板の前記突出部と他方の前記表面板の前記切欠部とが嵌合するよう、前記突出部と前記切欠部とが形成された請求項1記載の擁壁用ブロック。
- 前記表面板の左右のいずれか一方の側端部が上半分を占める前記突出部と下半分を占める前記切欠部とから構成され、他方の側端部が上半分を占める前記切欠部と下半分を占める前記突出部とから構成された請求項1又は2記載の擁壁用ブロック。
- 前記突出部に連結ピンを挿入する垂直軸穴が形成され、隣り合う表面板の一方の垂直軸穴と他方の垂直軸穴とを上下に連続させて連結ピンを挿入することにより、隣り合う表面板の側端部同士を相対回動可能に且つ相対前後動及び相対左右動不能に連結できるようにした請求項1、2又は3記載の擁壁用ブロック。
- 起立した表面板と、該表面板より奥へ離間して起立した控板と、該表面板の左右方向途中部と該控板の左右方向途中部とを連結する繋ぎ板とを含む擁壁用ブロックであって、複数の該擁壁用ブロックが左右に並べられる際に、密に隣り合う該表面板の側端部同士が相対回動可能に且つ相対前後動及び相対左右動不能に連結されるよう、該表面板の左右の該側端部に回動連結機構が設けられた擁壁用ブロック。
- 前記回動連結機構は、前記表面板の左右の前記側端部がそれぞれ外側方へ突出形成された突出部と内側方へ切欠形成された切欠部とから構成されることと、該突出部に連結ピンを挿入する垂直軸穴が形成されることからなり、隣り合う前記表面板の一方の該垂直軸穴と他方の該垂直軸穴とを上下に連続させて該連結ピンを挿入することにより、連結がなされる請求項5記載の擁壁用ブロック。
- 起立した表面板と、該表面板より奥へ離間して起立した控板と、該表面板の左右方向途中部と該控板の左右方向途中部とを連結する繋ぎ板とを含む擁壁用ブロックであって、複数の擁壁用ブロックが左右に並べられる際に、密に隣り合う表面板の内角が180°未満且つ120°〜170°の範囲で設定可能な下限値以上となることを許容するよう、該控板の側端部が該表面板の側端部より内側方へ短縮された擁壁用ブロック。
- 起立した表面板と、該表面板より奥へ離間して起立した控板と、該表面板の左右方向途中部と該控板の左右方向途中部とを連結する繋ぎ板とを含み、該控板の上面レベルと該繋ぎ板の上面レベルは該表面板の上面レベルの1/2以下である擁壁用ブロックであって、隣り合う擁壁用ブロックが、その一方が上下反転されて左右に並べられる際にも、密に隣り合う表面板の内角が90°未満且つ60°〜80°の範囲で設定可能な下限値以上となることを許容するよう、該控板の側端部が該表面板の側端部より内側方へ短縮された擁壁用ブロック。
- 起立した表面板と、該表面板より奥へ離間して起立した控板と、該表面板の左右方向途中部と該控板の左右方向途中部とを連結する繋ぎ板とを含み、該表面板の幅寸法が1280〜2570mmである擁壁用ブロックであって、該表面板の高さが、300〜600mmであり、該表面板と、該控板と、該繋ぎ板のそれぞれの厚さが、50〜110mmであり、該擁壁用ブロックの重さが、250〜550kgである擁壁用ブロック。
- 起立した表面板と、該表面板より奥へ離間して起立した控板と、該表面板の左右方向途中部と該控板の左右方向途中部とを連結する繋ぎ板とを含む擁壁用ブロックを用いて構築された擁壁であって、複数の該擁壁用ブロックが左右に並べられており、密に隣り合う該表面板の内角が180°未満且つ120°〜170°の範囲で設定可能な下限値以上である擁壁。
- 起立した表面板と、該表面板より奥へ離間して起立した控板と、該表面板の左右方向途中部と該控板の左右方向途中部とを連結する繋ぎ板とを含み、該控板の上面レベルと該繋ぎ板の上面レベルは該表面板の上面レベルの1/2以下である擁壁用ブロックを用いて構築された擁壁であって、隣り合う該擁壁用ブロックが、その一方が上下反転されて左右に並べられており、密に隣り合う該表面板の内角が90°未満且つ60°〜80°の範囲で設定可能な下限値以上である擁壁。
- 請求項3記載の擁壁用ブロックを用いる擁壁の構築方法であって、隣り合う前記擁壁用ブロックのそれぞれの前記表面板の隣り合う前記側端部において、一方の前記側端部の上半分を占める前記突出部が、他方の前記側端部の下半分を占める前記突出部に乗せられて、該擁壁用ブロックが並べられる擁壁の構築方法。
- 請求項4記載の擁壁用ブロックを用いる擁壁の構築方法であって、上下反転されていない前記擁壁用ブロックの隣に上下反転された前記擁壁用ブロック1を並べて、前記連結ピンで連結された後に、他方の隣に上下反転された前記擁壁用ブロックが並べられる擁壁の構築方法。
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