JP2000230240A - 擁壁用積みブロック - Google Patents

擁壁用積みブロック

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JP2000230240A
JP2000230240A JP11033154A JP3315499A JP2000230240A JP 2000230240 A JP2000230240 A JP 2000230240A JP 11033154 A JP11033154 A JP 11033154A JP 3315499 A JP3315499 A JP 3315499A JP 2000230240 A JP2000230240 A JP 2000230240A
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元保 糸井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低い型枠コストで擁壁面に面精度の良好な種
々の形状のレリーフ模様を形成できる積みブロックを得
る。 【解決手段】 水平断面形状が上下方向に略一定の圧縮
コンクリートで成形された控側ブロック4と、表面にレ
リーフ模様を有する流し込みコンクリートで成形された
前面ブロック5と、控側ブロックの前面と前面ブロック
の背面とを連結する嵌合対とを備えている。好ましい構
造は、控側ブロック4の前板1の側辺に突出側辺6を設
け、前面ブロック5の左右側辺の背面側に上下方向の嵌
合溝8を設け、突出側辺6と嵌合溝8とを嵌合させる。
前面ブロック5を薄い板状とし、控側ブロック4を大型
とする。控側ブロックは少ない型枠で成形でき、全体の
型枠コストを大幅に低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、左右に並べかつ
上方に積み重ねることによって擁壁を構築するコンクリ
ートブロックに関するもので、特に擁壁面に種々のレリ
ーフ模様を形成するのに好適なコンクリートブロックに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】擁壁を構築するコンクリートブロックと
して、法張りブロック、間知ブロック、箱型ブロック、
L形ブロックなどの種々のブロックが用いられている。
箱型ブロックの代表的な形状は矩形筒状で、上段のブロ
ックを若干後退させて積み上げるか、前面板を同一面に
して積み上げることにより、所望の勾配を有する擁壁や
垂直な擁壁面を有する擁壁を構築している。箱型ブロッ
クはブロック内部及び隣接するブロック相互の間の空所
に砕石や栗石、場合によっては土砂やコンクリート廃材
を充填して積重するのが普通である。このためブロック
相互の間に若干のずれが許容され、そのずれによって地
震エネルギーが吸収されるので、大きな地震でも崩壊し
難いという特徴がある。
【0003】一方ブロックを形成するコンクリート材料
として、圧縮コンクリートと流し込みコンクリートとが
知られている。流し込みコンクリートはセメントと砂と
骨材とに十分に水を加えて練り合わせることによって流
動性を付与した材料であり、圧縮コンクリートは、低水
量コンクリート又はゼロスランプのコンクリートとも呼
ばれる、水分の少ない流動性の小さなぱさぱさな状態の
コンクリート材料である。圧縮コンクリートは型枠に投
入してバイブレータで激しい振動を加えることによって
密に充填する。
【0004】圧縮コンクリートは流動性がないため、材
料を型枠内で充填した後すぐに脱型することが可能で、
型枠を短いサイクルで繰り返し使用できる。圧縮コンク
リートで成形したブロックは、流し込みコンクリートで
成形したブロックより強度は大きいが、寸法誤差が大き
く成形面が汚いという欠点がある。また流動性が低いた
め上下方向(材料の充填方向)の型枠の断面積が大きく
変化するような製品を成形することは困難で、たとえば
擁壁用箱型ブロックの前面板を下にして成形するという
ようなことは全く不可能である。
【0005】生産性の点では、圧縮コンクリートは1個
の型枠と10人程度の作業者で一日100個程度のブロ
ックを成形することも可能であるが、流し込みコンクリ
ートの場合には、コンクリートがある程度固まるまで型
枠内に保持しなければならないので、型枠を一日2回使
用するのが限度である。従って一日100個のブロック
を製造しようとすると、型枠が50個必要となり、必要
な作業者の数も多くなる。
【0006】近時、擁壁面が無機的になるのを避けるた
めに、ブロックの表面に種々のレリーフ模様を設けるこ
とが行われているが、圧縮コンクリートは流動性が悪く
面が汚いためにレリーフ模様を有するブロックの成形に
は適さない。
【0007】薄い板状の法張りブロックにおいては、表
面のレリーフ模様を成形する型板上にモルタルを流し、
その上に成形枠を載せてバイブレータでモルタルを型板
上に拡げた後、圧縮コンクリートを成形枠内に充填して
成形枠を脱型し、型板上で表面のモルタルを固化させる
という成形方法が実用化されている。この方法によれ
ば、前面が仕上げ面の良好な流し込みコンクリートで作
られ、裏側が生産性の高い圧縮コンクリートで作られた
法張りブロックを得ることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】箱型ブロックのような
積みブロックを圧縮コンクリートで成形すると、生産性
を非常に高くできるが、擁壁面が汚くなり、擁壁面にレ
リーフ模様を形成することも困難である。また前述した
法張りブロックを成形するような方法を用いて擁壁面を
流し込みコンクリートで成形し、控側を圧縮コンクリー
トで成形したブロックを得ることはできない。なぜなら
この方法を利用するには、箱型ブロックの擁壁面を下に
して成形しなければならず、ブロックの中空部分を水平
方向に配置した中子型によって成形しなければならない
が、流動性のない圧縮コンクリートを中子型の下方に充
填することは不可能だからである。
【0009】この発明は、積み重ねることによって擁壁
が構築され、擁壁としての強度は主として箱型の控の部
分で受け持たれているという積みブロックの特性に鑑
み、生産性が高くかつ低い型枠コストで擁壁面に面精度
の良好な種々の形状のレリーフ模様を形成できる積みブ
ロックを得ることを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の擁壁用積
みブロックは、水平断面形状が上下方向に略一定の圧縮
コンクリートで成形された控側ブロック4と、表面にレ
リーフ模様を有する流し込みコンクリートで成形された
前面ブロック5と、控側ブロックの前面と前面ブロック
の背面とを連結する嵌合対とを備えていることを特徴と
するものである。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1記載の擁
壁用積みブロックにおいて、控側ブロック4の水平断面
形状が前板1の側辺に若干左右に突出する突出側辺6を
有する矩形枠形状であり、前面ブロック5がその左右側
辺の背面側に左右方向に凹んだ上下方向の嵌合溝8を備
え、控側ブロックの前板の突出側辺6と前面ブロックの
嵌合溝8とが嵌合対を形成していることを特徴とするも
のである。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項1記載の擁
壁用積みブロックにおいて、控側ブロック4が前面に奥
広がりの水平断面形状を有する上下方向の嵌合スリット
24を備え、前面ブロック5が背面に先端側が膨出した
水平断面形状の上下方向の嵌合突条25を備え、嵌合ス
リット24と嵌合突条25とが嵌合対を形成しているこ
とを特徴とするものである。
【0013】
【作用】控側ブロックは水平断面が上下方向に略同一で
あるため、材料が流動性のない圧縮コンクリートであっ
ても、ブロックの上下方向を型枠の上下方向(材料の充
填方向)としてやれば、矩形枠断面の控側ブロックやT
字形断面の控側ブロックを支障なく成形できる。前面ブ
ロック5を薄い板状とし、控側ブロック4を大型とする
ことによって、前面ブロックを成形するための型枠コス
トを低減してやれば、控側ブロックは少ない型枠で成形
することができるから、全体の型枠コストを大幅に低減
できる。また擁壁の背後にかかる土圧は、圧縮コンクリ
ートで成形された強度の大きい控側ブロック4で主に受
け持たれるので、擁壁強度を合理的に付与することがで
きる。構築される擁壁が合理的な強度を有すること、型
枠構造が簡単であること、及び施工が容易である点で請
求項2の構造が特に有利である。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は本発明の第1実施例を示し
たものである。本実施例の擁壁用積みブロックは、高さ
の等しい前板1、両側板2、2及び背板3で形成された
箱型の控側ブロック4と、矩形平板状の前面ブロック5
とを後述する嵌合対を用いて組み立ててなるものであ
る。控側ブロックの前板1はその両側辺に左右の側板2
より更に外側に突出した突出側辺6、6を有している。
控側ブロック4は、材料の充填方向がブロックの上下方
向となる型枠に圧縮コンクリートを投入して成形された
ものであり、表面が粗く寸法精度は低い。
【0015】一方、前面ブロック5は、高さが控側ブロ
ックの前板1の高さと同じで、幅が左右の突出側辺6を
含む前板の幅より広く、その両側辺から一旦背面側に延
びたあと内側に屈曲する鉤部7を備えている。前面ブロ
ック5の両側辺部と鉤部7とで形成された嵌合溝8、8
は、前記突出側辺6をちょうど収納できる大きさであ
る。前面ブロックの表面にはレリーフ模様が形成されて
おり、鉤部7の外周面には上下方向の連結凹所9が形成
されている。前面ブロック5はレリーフ模様を成形する
化粧板を底面に配置した型枠に流し込みコンクリートを
流し込んで成形され、表面は滑らかである。突出側辺6
と嵌合溝8とにより、控側ブロック4と前面ブロック5
とを連結する嵌合対が形成される。
【0016】本実施例の擁壁用積みブロックは、据付け
状態の控側ブロックの突出側辺6、6に上方より前面ブ
ロックの鉤部7、7を嵌挿した状態で使用され、控側ブ
ロックの粗い前面を滑らかな表面の前面ブロックが覆い
隠しており、きれいな擁壁面を有しかつ地震で崩れ難い
擁壁を構築することができる。
【0017】図2は上記実施例の擁壁用積みブロックの
据付状態を示したものである。地表面にコンクリートを
打設して水平な基礎を形成し、その上に控側ブロック4
をその前板の突出側辺6に前面ブロック5を上方から嵌
挿しながら並べていく。前面ブロックの鉤部7はその外
周面で隣接する鉤部に当接して、対向する連結凹所9に
よって連結孔11が形成される。この連結孔にコンクリ
ートを流し込んだあと、控側ブロックの内部や隣接部、
更に後方に割栗石12を充填する。このような作業を繰
返してブロックを上下左右に積み上げて擁壁を形成す
る。なお、同図の想像線で示すように、控側ブロックの
背板3を左右の側板2、2より更に外側に延在させて突
条19、19を形成することができる。この突条19、
19の突出量は、前方の突出側辺6、6の突出量より大
きく、前方の突出側辺6、6に鉤部7、7の肉厚を加え
た長さより小さくする。この突条19、19は、控側ブ
ロックの隣接部に充填された割栗石12を介して、隣接
する控側ブロックの前方移動を防止している。
【0018】図3ないし図7は前面ブロックのレリーフ
模様の例を示した図である。図3は上部にレンガを積み
重ね、下部にドームの半分を突出させた形状の立体模様
である。図4は城の石垣に似せた模様、図5はレンガを
積み上げた壁の模様、図6は大型の窓枠をあらわした模
様、図7は上部にレンガを積み重ねた模様があり、下部
にアーチ形の庇を有する模様があるものである。
【0019】図8及び図9は本発明の第2実施例を示し
た図である。控側ブロックの基本的形状や使用するコン
クリートの種類は第1実施例のものと同じであり、前面
ブロックに使用するコンクリートの種類も第1実施例と
同様である。前面ブロック5のレリーフ模様は、上下2
列横4列に小窓を配置した窓枠模様である。また、前面
ブロックの鉤部7、7はその後部が段差を介して若干下
がって設けられている。このように前面ブロックの鉤部
7、7に段差を設けてやれば、下段の控側ブロックに嵌
挿された下段の前面ブロックの上辺によって、上段の控
側ブロックの前方移動が阻止される。
【0020】図9は第2実施例の擁壁用積みブロックで
構築した擁壁の側面図である。地表面にコンクリート製
の基礎18を設け、その上に控側ブロック4をその前板
の突出側辺6に前面ブロック5を上方から嵌挿しながら
並べていく。隣接する鉤部の連結凹所9で形成された連
結孔に生コンクリートを流し込み、控側ブロックの内部
や隣接部、後方に割栗石12を充填する。以下、前面ブ
ロックを垂直面上に位置させながら、上方にいくに従っ
て側板の短い控側ブロックを積み重ね、連結孔に生コン
クリートを流し込み、控側ブロックの内部や隣接部、後
方に割栗石12を充填して擁壁を構築する。最後に最上
段の控側ブロックに笠木21及び柵22を設けて完成す
る。
【0021】図10及び図11は本発明の第3実施例を
示したものである。前面ブロックと控側ブロックの基本
的な形状及び使用するコンクリートの種類は第1実施例
のものと同一である。以下相違点についてのみ説明す
る。図10のレリーフ模様はレンガを積み重ねたような
模様であり、前面ブロックの側辺と鉤部7との連接部上
面に浅い切欠16が設けられており、切欠の中央に種子
を入れるための長穴17が設けられている。
【0022】図11は、前記第1ないし3実施例の擁壁
用積みブロックを適宜組み合わせて構築した擁壁を示し
たものである。地表面にコンクリート製の基礎18を設
け、右側に第1段目の控側ブロック4を据え付け、その
突出側辺に図10の前面ブロックを嵌挿する。次にその
左側に、上辺に庇部15を有し下部がレンガ模様の前面
ブロックを嵌挿した控側ブロックを配置し、更にその左
側に図10の前面ブロックを嵌挿した控側ブロックを配
置する。鉤部の連結凹所によって形成された連結孔にコ
ンクリートを流し込み、控側ブロックの隣接部や後方に
割栗石12を充填し、控側ブロックの内部に擁壁構築時
に発生した土を埋め戻す。次に第1段目の右側の控側ブ
ロックの上に側板の長さが短い控側ブロックを積み上げ
て、その突出側辺に図10の前面ブロックを嵌挿し、第
1段目の中央の控側ブロックの上に図8のレリーフ模様
の前面ブロックを嵌挿した控側ブロックを積み上げる。
更にその左側に図10の前面ブロックを嵌挿した控側ブ
ロックを配置する。同様にして第3段目を据え付け、そ
の控側ブロックの上に側板の長さが短い控側ブロックを
積み上げて、右側の控側ブロックに図10の前面ブロッ
クを嵌挿し、中央の控側ブロックに図3のレリーフ模様
の前面ブロックを嵌挿し、左側の控側ブロックに図10
の前面ブロックを嵌挿してヨーロッパ風の住居模様を形
成する。
【0023】図12は本発明の第4実施例を示したもの
である。前面ブロックと控側ブロックの基本的な形状及
び使用するコンクリートの種類は第1実施例のものと同
一である。以下相違点についてのみ説明する。前面ブロ
ック5のレリーフ模様は天然石を埋め込んだような擬石
模様であり、擬石と擬石との間の目地部に不定形の水平
孔13を多数設けている。一方、控側ブロック4の前板
1には角孔14が縦3列横4列に配置されている。本実
施例の擁壁用積みブロックは、基礎の上に控側ブロック
4を据え付けたあと、控側ブロックの内部に据付工事で
発生した土を埋め戻し、前面ブロック5を嵌挿したあと
に前面ブロックの水平孔13から種子を入れた袋を押し
込んで植物を根付かせるものであり、擁壁の緑化と据付
工事で発生した土の再利用を図るものである。
【0024】図13は本発明の第5実施例を示したもの
である。本実施例の擁壁用積みブロックの控側ブロック
は、高さの等しい両側板2と背板3とをコ字形に連結し
たもの((a)、(b)、(d)及び(e))と偏平な
角筒形のもの(c)である。これらは材料の充填方向が
ブロックの上下方向と同じ方向の型枠に圧縮コンクリー
トを投入して成形されたものである。図13(a)及び
(b)の控側ブロックは、側板2の先端内側に係止突条
23を設けたもので、対向する係止突条の対向面によっ
て嵌合スリット24が形成されている。一方、図13の
すべての前面ブロック5はレリーフ模様を成形する化粧
板を底面に配置した型枠に流し込みコンクリートを打ち
込んで成形したものであり、そのうちの(a)及び
(b)のものは控側ブロックの側板2と同じ高さで、幅
の広い矩形平板状をしており、背面中央には、先端側が
膨出した断面形状の上下方向の嵌合突条25を有してい
る。嵌合突条25の膨出部は、図13(a)に示す平面
T形や図13(b)に示す円柱形がある。本実施例の擁
壁用積みブロックは所定間隔を隔てて横方向に控側ブロ
ック4を据え付けたあと、その嵌合スリット24に上方
から前面ブロックの嵌合突条25を挿入して両者を一体
にして使用する。
【0025】図13(c)の擁壁用積みブロックの控側
ブロックは前板1から突出した虫眼鏡形の嵌合突条25
を備えており、前面ブロック5はその背面中央に上下方
向の嵌合スリット24を有するC形部材26を備えてい
る。控側ブロック4を据え付けたあと、嵌合突条25に
嵌合スリット24を外挿して両者を一体にして使用す
る。
【0026】図13(d)の前面ブロックは平面視で円
弧形の2つの単位ブロック27によって形成されてお
り、各単位ブロックの背面中央には先端側が膨出した嵌
合突条25が設けられている。一方、控側ブロック4は
背板3で連結された両側板2の前端部を肉厚として、そ
の端面に上下方向の奥広がりの嵌合スリット24を備え
ている。嵌合スリット24の上方から嵌合突条25を挿
入して、各側板2に各単位ブロック27を装着する。図
13(e)の控側ブロック4は、高さの等しい両側板2
と背板3とからなるコ字形であり、側板の先端には外側
に付いた係止突起23が形成されている。一方、前面ブ
ロック5は平面視でヘ字形をしており、両側辺に鉤部7
が設けられている。控側ブロック4を据え付けたあと、
係止突条25の上方から鉤部7の嵌合溝8を外挿して擁
壁用積みブロックを組み立てる。
【0027】図14は本発明の第6実施例を示したもの
である。同図の(b)及び(c)と同図の(d)及び
(e)は、それぞれ同一のブロックを視点を変えて示し
たものである。本実施例の擁壁用積みブロックは、流し
込みコンクリートで成形された前面ブロック5と圧縮コ
ンクリートで成形された控側ブロック4とをボルトナッ
ト又はピンで連結する構造のものである。図14(a)
の控側ブロックは等しい高さの側板2を背板3で連結し
た平面視でコ字形をしており、側板2の前縁に沿って一
定間隔でボルト挿通孔28が設けられている。一方、前
面ブロック5の背面には上下方向に延びる2条の畝29
で形成された嵌合溝8が2箇所設けられており、畝29
には一定間隔で円孔31が設けられている。円孔及びボ
ルト挿通孔にボルトを通してナットで締め付けることに
より擁壁用積みブロックが組み立てられる。
【0028】図14の(b)及び(c)で示す擁壁用積
みブロックは、その前面ブロックの背面に平面視で屋根
形の傾斜板32を設け、その突合わせ部の上方と下方に
中心孔を有する円柱形突起33を設けたものである。控
側ブロック4は、背板3とその中央から垂直に延びる1
枚の側板2と背板及び側板の下方に設けた底板34とを
有しており、側板2の前辺中間に中心孔を有する円柱形
突起35を設けたものである。前面ブロックは控側ブロ
ックより背丈が高く、傾斜板は円柱形突起側へと幅狭に
なっている。控側ブロック4の高さは前面ブロック5の
突合わせ部の高さと同一である。擁壁用積みブロックを
組み立てるときは、円柱形突起33、35を鉛直線上に
配置し、上下に連通した中心孔にステンレスパイプ36
を挿入すればよい。
【0029】図14(d)及び(e)で示す擁壁用積み
ブロックの控側ブロックは、背丈の高さの等しい両側板
2と背板3とからなる平面コ字形をしており、側板2の
先端に中心孔を有する上方と下方の円柱形突起35が設
けられており、前面ブロック5の背面の中間高さに中心
孔を有する円柱形突起33が左右の離れた位置に設けら
れている。擁壁用積みブロックを組み立てるときは、円
柱形突起33、35を鉛直線上に配置し、その中心孔に
ステンレスパイプ36を落し込んで前面ブロックと控側
ブロックとを連結する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の分解斜視図
【図2】擁壁用積みブロックの据付状態を示す平面図
【図3】下部に半ドーム型の庇を有するレンガ模様の前
面ブロックの側面図
【図4】石垣模様の前面ブロックの斜視図
【図5】積みレンガ模様の前面ブロックの斜視図
【図6】大型の窓枠模様を有する前面ブロックの斜視図
【図7】下部にアーチ形の庇を有するレンガ模様の前面
ブロックの斜視図
【図8】第2実施例の前面ブロックの斜視図
【図9】第2実施例の擁壁用積みブロックで構築された
擁壁の側面図
【図10】第3実施例の前面ブロックの斜視図
【図11】第1ないし第3実施例の擁壁用積みブロック
で構築された擁壁の正面図
【図12】第4実施例の擁壁用積みブロックの分解斜視
【図13】第5実施例の平面図
【図14】第6実施例の平面及び側面を示す図
【符号の説明】
1 前板 4 控側ブロック 5 前面ブロック 6 突出側辺 8 嵌合溝 24 嵌合スリット 25 嵌合突条

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平断面形状が上下方向に略一定の圧縮
    コンクリートで成形された控側ブロック(4)と、表面に
    レリーフ模様を有する流し込みコンクリートで成形され
    た前面ブロック(5)と、控側ブロックの前面と前面ブロ
    ックの背面とを連結する嵌合対とを備えている、擁壁用
    積みブロック。
  2. 【請求項2】 控側ブロック(4)の水平断面形状が前板
    (1)の側辺に若干左右に突出する突出側辺(6)を有する矩
    形枠形状であり、前面ブロック(5)がその左右側辺の背
    面側に左右方向に凹んだ上下方向の嵌合溝(8)を備え、
    控側ブロックの前板の突出側辺(6)と前面ブロックの嵌
    合溝(8)とが嵌合対を形成している、請求項1記載の擁
    壁用積みブロック。
  3. 【請求項3】 控側ブロック(4)が前面に奥広がりの水
    平断面形状を有する上下方向の嵌合スリット(24)を備
    え、前面ブロック(5)が背面に先端側が膨出した水平断
    面形状の上下方向の嵌合突条(25)を備え、嵌合スリット
    (24)と嵌合突条(25)とが嵌合対を形成している、請求項
    1記載の擁壁用積みブロック。
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