JP3647534B2 - プレキャストコンクリート基礎部材、その連結構造及びプレキャストコンクリート基礎部材の製造用型枠並びに基礎構築方法 - Google Patents

プレキャストコンクリート基礎部材、その連結構造及びプレキャストコンクリート基礎部材の製造用型枠並びに基礎構築方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレキャストコンクリート基礎部材、その連結構造及びプレキャストコンクリート基礎部材の製造用型枠並びに基礎構築方法に関する。
【0002】
【背景技術及び発明が解決しようとする課題】
建築物を安定した状態で載置するためには、まず地盤に基礎部を安定かつ的確に構築する必要がある。従来、住宅用の基礎部は、まず建物構築部分の地盤を連続的に掘削して根切り部を形成し、この根切り部に玉砂利を敷いて型枠を組み、支持手段を介してこの型枠を立設支持させ、そして、この型枠内にコンクリートを打設し、養生して固化させた後、型枠を取り外し表面をモルタル処理して構築されていた。
【0003】
そして、この従来の基礎構築作業において、型枠を根切り部に沿って連続して立設する作業は、手間のかかるもので工期の長期化につながり、コストを上昇させるものであった。また、コンクリートを養生する作業も、数日を必要とするもので、工期を長引かせる原因となっており、さらに、型枠の取り外しやモルタル処理も手間のかかる作業であった。
【0004】
そこで、建築現場における基礎部構築作業をより簡略化かつ迅速化するために、工場段階において予め製造されたプレキャストコンクリート(以下PCという)基礎を根切り部に設置する構築形式が考えられた。
【0005】
このPC基礎部材の一例として例えば本出願人が先に出願した特開平6−272263号公報、特開平6−235223号公報等に開示されたものが挙げられる。
【0006】
このPC基礎部材を接合して連結するときの状態を図9に示す。同図において、PC基礎部材400は、ほぼ矩形の板状に形成された立上り部402の両端部に接続部404が設けられてなり、この接続部404の側面には複筋406が立上り方向に沿って延びた状態で2つ突設されている。そして、PC基礎部材400、400同士を連設するときには、接続部404を対向させて接合し、この2つの複筋406(対向させれば計4つ)に上下2つの補強用鉄筋408、408をそれぞれ連結し、この補強用鉄筋408と上記複筋406とを針金等で結び、型枠410、410を接続部404、404に取り付けることで補強用鉄筋408と複筋406とを包むようにしてコンクリート充填空間412を形成し、そのコンクリート充填空間412内にコンクリートを打設して接合することで、隣接するPC基礎部材400、400同士が一体化して強固に連設されるようになっていた。
【0007】
しかしながら、上記のような縦方向に長い複筋406を用いた場合、図9に示すように、1つの接続部404において、PC基礎部材400内部の配筋網414の上下一対の横筋に対して、直交して互いに独立に2つの複筋406、406が連結されているために、隣接する複筋406同士を補強用鉄筋408にて連結し、コンクリート充填空間412にコンクリートを充填して固化した後の連結構造にあっては、図9に示す矢印Z方向の力の伝達性が弱く、さらに連結強度を高めることが望まれていた。
【0008】
また、上下2つの補強用鉄筋408、408を上下にそれぞれ取り付けなければならないので、施工作業に手間が掛かっていた。
【0009】
さらに、一つの接続部404に対して、図9のような複筋406・406が2ピース必要で、部品点数が多いという問題があった。
【0010】
尚、上記の課題を解決する技術を、日本特許情報機構(JAPIO)の先行技術調査(パトリス)の利用により、以下の検索式で昭和55年以降の特許出願、実用新案登録出願を調査した。
【0011】
検索式:E02D 27/01 101C+E02D 27/01 101D その結果、特許81件、実用新案登録出願67件を抽出した。しかし、上記課題を解決するための技術は発見できなかった。
【0012】
本発明は、上記した技術の問題点を解決することを課題としてなされたものであって、その目的とするところは、プレキャストコンクリート基礎部材同士を接続するにあたり、接続部における配筋の連結を強固にすると共に、作業の簡略化を図ることのできるプレキャストコンクリート基礎部材、その連結構造及びプレキャストコンクリート基礎部材の製造用型枠並びに基礎構築方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための手段を、本願の各請求項の各構成要件に対して、本願の実施の形態の符号を対応させて説明すると、
請求項1に記載の発明に係るプレキャストコンクリート基礎部材は、基礎部材本体(12)と、その端部の接続部(20)と、を有する少なくとも2つのプレキャストコンクリート基礎部材(10)同士を相互に接続し、対向配置される前記接続部の間に形成されるコンクリート充填空間(50)にコンクリートを打設して一体化されるプレキャストコンクリート基礎部材であって、前記接続部は、前記基礎部材本体の端部を基端とし、該基端より突出形成されて前記コンクリート充填空間を仕切る接続片(30)を有し、前記接続片は、前記コンクリート充填空間へ突設され、該接続片が突出する方向に沿って延びる配筋(32)を有することを特徴とする。
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、配筋は接続片が突出する方向に延在形成された状態で突設されているので、配筋の突出領域は、接続片が突出する方向の力の伝達性が強化される。
【0015】
これにより、隣接する各接続片同士の接続時に前記配筋を用いれば、接続時の連結強度を高めることができる。
【0016】
請求項2に記載の発明に係るプレキャストコンクリート基礎部材は、請求項1において、前記配筋は、高さ方向で異なる位置にそれぞれ設置され、異なる位置の該各配筋を高さ方向で連結する連結配筋(33)が前記接続片の内部に埋設されていることを特徴とする。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、高さ方向に異なる位置に設置される配筋が、接続片の内部にて連結されることで、従来の複筋の利点である立上り方向での耐剪断力を損なうことなく、接続片が突出する方向での強度、耐引張応力性が強化されると共に、隣接する接続部同士が連結した状態での連結強度をさらに高めることが可能となる。
【0018】
また、このように配筋を一体的に形成することで、上記強度を確保しながらも、部材点数を減じることができる。
【0019】
請求項3に記載の発明に係る連結構造は、基礎部材本体と、その端部の接続部と、を有する少なくとも2つのプレキャストコンクリート基礎部材同士を相互に接続し、対向配置される前記接続部の間に形成されるコンクリート充填空間にコンクリートを打設して一体化したプレキャストコンクリート基礎部材同士の連結構造であって、各前記プレキャストコンクリート基礎部材の各前記接続部は、前記基礎部材本体の端部を基端とし、該基端より突出形成されて前記コンクリート充填空間を仕切る接続片をそれぞれ有し、前記各接続部の接続片は、前記コンクリート充填空間へ突設され、該接続片が突出する方向に沿って延びる配筋を、それぞれ有し、隣合う前記各配筋同士が、前記接続片が突出する方向に伸びる補強用鉄筋(60)にて連結され、前記コンクリート充填空間にコンクリート充填したことを特徴とする。
【0020】
請求項3に記載の発明によれば、相隣接して配置される2つのPC基礎部材同士を接続部にて連結すると、一方のPC基礎部材の接続部に形成された配筋と、他方のPC基礎部材の接続部に形成された配筋と、が、接続片が突出する方向である横方向の一直線上に存在することとなる。
【0021】
この各配筋を補強用鉄筋にて連結すれば、従来の縦方向に延びる複筋に比べて横方向に対する力の伝達が強化されて、接続部分での連結状態は強化され、一方及び他方のPC基礎部材同士の連結をさらに強固にすることができる。
【0022】
請求項4に記載の発明に係る連結構造は、請求項3記載のプレキャストコンクリート基礎部材同士の連結構造において、前記配筋は、前記接続片の高さ方向で異なる位置に複数設置され、前記補強用鉄筋(60)は、隣接する各々の前記接続片のほぼ同一高さ位置する前記隣合う各配筋を連結する横筋(62)と、前記横筋に連結されて、前記高さ方向で異なる位置に設置され各配筋を連結する縦筋(64)と、を有することを特徴とする。
【0023】
請求項4に記載の発明によれば、補強用鉄筋の縦筋により、立上り方向の耐剪断力を強めると共に、隣合う各配筋同士が連結された高さ方向に異なる位置の配筋同士をさらに連結することで、接続部同士の連結状態にあっては、従来のような横筋のみの場合に比べて連結強度もさらに高まる。
【0024】
また、従来のように複数の補強用鉄筋を用いることなく、縦筋と横筋との連結により一体的に形成され、かつ、補強用鉄筋を配筋上に設置すると共に一義的に強固な連結構造を形成ならしめる状態となるので、施工作業の簡略化を図りながらも強固な連結状態を確保できる。
【0025】
さらに、補強用鉄筋を各配筋に連結させる際には、隣合う各配筋は棚として使用できるので、補強用鉄筋の縦筋を調整することで、補強用鉄筋の連結位置が正確に出る。
【0026】
請求項5に記載の発明に係るプレキャストコンクリート基礎部材の製造用型枠は、請求項1に記載のプレキャストコンクリート基礎部材を製造するための製造用型枠であって、流し込まれたコンクリートを所定形状に保持する箱体状の型枠(100)と、前記型枠の長手外側面に沿ってそれぞれ移動可能な複数の移動手段(140)と、を含み、前記型枠は、1つの前記移動手段に連結され、前記型枠内にて前記基端を規定する基端規定用型部(112)と、他の前記移動手段に連結されると共に前記基端規定用型部と対向して配設され、前記基端より突出する接続片の先端面を規定する先端面規定用型部(110)と、を有することことを特徴とする。
【0027】
請求項5に記載の発明によれば、移動手段の移動により、基端面規定用型部と、先端面規定用型部と、を各々独立に移動できるので、接続片の長さを自由に選択変更できる。
【0028】
尚、先端面規定用型部を両端に設けることで、プレキャストコンクリート基礎部材長さをも自由に選択でき、所望の長さのプレキャストコンクリート基礎部材を製造できる。
【0029】
請求項6に記載の発明に係る基礎構築方法は、請求項1に記載のプレキャストコンクリート基礎部材を用いた基礎構築方法であって、建築物構築領域に、少なくとも前記基礎部材本体の端部に位置する接続部同士を突き合わせた状態でプレキャストコンクリート基礎部材同士を配設する工程と、隣接する前記各接続部の前記コンクリート充填空間へ突設され、前記接続片が突出する方向に沿って延びる各配筋同士を前記接続片が突出する方向に連結配筋し、コンクリート充填空間にコンクリートを打設する工程と、
を含むことを特徴とする。
【0030】
請求項6に記載の発明によれば、プレキャストコンクリート基礎部材の接続部同士を突き合わせて、各配筋を接続片が突出する方向で連結配筋することで、コンクリート固化後の連結構造における連結強度を高めながらも、施工作業の簡略化を図ることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態の一例について図面を参照して具体的に説明する。
【0032】
<基礎構造について>
先ず、本発明の特徴的な構成であるプレキャストコンクリート(以下PCという)基礎部材10に先立って、建築物構築領域に構築される基礎構造全体の概略について図2を用いて説明する。図2は、本実施の形態に係る基礎構造の全体斜視図である。同図において、地盤を布掘りして形成された根切り部2のコーナー部及び所定位置にPC底盤4が設置され、このPC底盤4間にPC基礎部材10が架設されている。
【0033】
PC底盤4は、図示しない補強用鉄筋を内部に有して強化されたコンクリート板である。したがって、このPC底盤4には予め補強用の鉄筋が内蔵されているので、建築現場でこの補強用の鉄筋をこのPC底盤4上に配設する作業を省略できる。また、このPC底盤4は、上面が滑らかな平面となっており、PC基礎部材10を架設するときにこの上面に墨出しを行えるようになっている。
【0034】
PC基礎部材10は、図2に示すように、基礎部材本体としての立上り部12及び接続部20を含み構成される。
【0035】
立上り部12は、鉛直方向に直立して上端面12aに建物を載置して支持するもので、所定の長さ及び厚さで直方体の板状に形成されて、内部には例えば図4に示すような複数の鉄筋を組んでなる配筋網34がコンクリートにて埋設された状態で構成されている(詳細は後述する)。また、立上り部12の下端領域の両側面側には、フーティング部用溝14が形成されている。
【0036】
そして、このPC基礎部材10には、二種類があり、図2に示すように、立上り部12の両端部に接続部20が形成されたものと、立上り部12の一方の端部に接続部20が形成され、他方の端部には他のPC基礎部材10と直角に結合するため、図11に示すように、軸に直角に突出する凸状の接続部20´が形成されたものとがある。尚、この接続部20´を他の箇所又は両端に形成しても良く、要は少なくとも凸状の接続部を有していれば良い。また、このPC基礎部材10の表面は、仕上げされた状態となっている。
【0037】
<PC基礎部材の接続部について>
ここで、本発明の特徴的な構成である接続部について、図1〜図4を用いて説明する。図1は、本発明に係るPC基礎部材の実施の形態の一例を示す斜視図である。本例において、PC基礎部材10は、接続部20の内側面に特徴を有する。
【0038】
接続部20は、PC基礎部材10本体の両端又は一端部に形成されたもので、図1に示すように、PC基礎部材10本体である立上り部12の端部としての厚肉部22と、接続片30と、を含み構成され、接続する2つのPC基礎部材10の隣接する厚肉部22間にコンクリート型枠40を取り付け、このコンクリート型枠40と接続片30の間に補強用鉄筋60を配設してコンクリートを打設することにより接続一体化されるようになっている。
【0039】
厚肉部22は、接続片30から長手方向中央よりに形成され、長手方向の距離は型枠40を面接触させるに十分な間隔を有すると共に、コンクリート充填空間50を形成せしめる型枠40を接続片30に対して離間配置して保持する機能を有し、接続片30・型枠40の間における接続片30が突出する基端面24に凹部26が形成されている。そして、厚肉部22から、さらに長手側中央方向に向けて徐々に肉厚を薄くしていき、厚肉部22の表面と立上り部12の表面とが斜面によって斜めに連続する形状になっている。
【0040】
また、厚肉部22には、型枠固定用孔23が複数例えば2つ形成されており、後述する型枠40の孔42及び型枠固定用孔23にボルト80を挿通させることで、型枠40及びPC基礎部材10との固定を図っている。尚、この型枠40を予め工場段階で取り付けていても良い。
凹部26は、コンクリート充填空間50の内側面に面して凹設され、コンクリート充填時に凹部26内にコンクリートが流入し、固化することで固化コンクリートと接続部20との密着接合性を強化するためのもので、複数例えば4個(図1の符号26−1・26−2・26−3・26−4)配設されている。
【0041】
接続片30は、基礎部材本体としての立上り部12の端部である厚肉部22の基端面24を基端とし、該基端より突出形成されてコンクリート充填空間50を仕切る機能を有し、配筋32を含み構成され、この接続片30の角は面取りが施されている。
【0042】
尚、凸状の接続部20´は、図11に示すように、接続部20同様の凹所26が複数例えば4個形成され、少なくとも2つの凹所26より配筋21が直交した状態で突設している。この配筋21を予め形成しておくことで、断面L字状の接合領域にあっては、配筋21と後述する配筋32とを強固に連結できると共に、現場作業の簡略化を図れる。
【0043】
配筋32は、コンクリート充填空間50へ突設されると共に、該接続片30が突出する方向に沿って延在形成され、図1に示すように、高さ方向で異なる位置にて複数例えば2段、すなわち、上方にて突出する配筋32−1と、下方にて突出する配筋32−2と、を含み構成される。
【0044】
詳述すると、図3及び図4に示すように、PC基礎部材10本体の内部には主筋としての配筋網34が埋設されており、配筋網34と溶接等にて結合させた状態で複筋としての配筋32が接続片30内に埋設されて、この配筋32の2つの端部が接続片30から突出して配筋32−1・32−2としている。
【0045】
配筋網34は、上下一対の横筋38・38と、該横筋38・38間に架設される複数の縦筋36と、により形成される。
【0046】
配筋32は、コンクリート充填空間50へと突設される断面略コ字状の上下一対の配筋32−1・32−2と、配筋32−1・32−2を高さ方向で連結する連結配筋33・33と、が一体的に形成され、連結配筋33・33は、上下両端にて各々横筋38・38に連結された状態で、接続片30の内部に埋設されている。
【0047】
また、補強用鉄筋60は、図1に示すように、少なくとも配筋32が延在形成される方向に沿って延びる部分を有し、かつ、端部が屈曲した2本の横筋62−1・62−2と、真っ直ぐな2本の縦筋64・64と、が直角に組まれて固定されたものである。
【0048】
そして、隣接するPC基礎部材10同士の接続時にあっては、図1及び図3に示すように、補強用鉄筋60は横筋62−1が上方の一方の配筋32−1及び他方の配筋32−1と連結し、横筋62−2が下方の一方の配筋32−2及び他方の配筋32−2と連結する。すなわち、隣合う各配筋32−1、32−1同士及び各配筋32−2・32−2同士を補強用鉄筋60にて連結し、コンクリート充填空間50にコンクリートが充填されることで、PC基礎部材10、10同士が連結される。
【0049】
コンクリート充填空間50は、少なくとも2つのPC基礎部材10・10同士を相互に接続し、対向配置される接続片30と型枠40との間に形成される。そして、コンクリート充填空間50にコンクリートを打設してPC基礎部材10・10同士が一体化される。
【0050】
この配筋32及び補強用鉄筋60により、2つのPC基礎部材10・10が接続されるので、コンクリート固化後には、コンクリート充填空間50内にあっては、該固化されたコンクリート内に配筋32と補強用鉄筋60とが連結された状態になる。
【0051】
この時、従来の図9に示す縦長の複筋406に比べて、断面略コ字状に横長に形成される配筋32により、図3に示すA方向での強度と力の伝達が強化される。尚、縦筋64は、配筋32の近傍位置にて立上り方向の耐剪断力を強めると共に、横方向にて各配筋32を連結する横筋62同士を縦方向で連結することで、図3に示すA方向での力の伝達がさらに強化されるので、連結強度もさらに高まる。
【0052】
また、縦筋64が下方の横筋62−2より下方へ突出されていることにより、補強用鉄筋60の上下の各横筋62−1・62−2が、隣合う各配筋32の所定位置に納めることができ、補強用鉄筋60を、寸法を確保するための治具として兼用できる。
【0053】
さらに、上下の各配筋32−1・32−2は、接続片30内部にて連結配筋33にて連結一体化された構造であるので、配筋網34に対して強固に連結できる。すなわち、従来は、図9に示すように、配筋網414に対して各々独立に複筋406が連結されていたためにZ方向での強度は比較的弱いものであった。これに対し本発明では、断面略コ字状の配筋32−1・32−2が横方向に延設しながらも、上下にて一体形成されていることから、従来の複筋の利点である立上り方向での耐剪断力を損なうことなく、横方向の連結強度をさらに高めることが可能となる。
【0054】
さらにまた、このコンクリートは、固化すると凹部26にしっかりとくい込んで固定され、隣接するPC基礎部材10・10同士の接続領域における剪断力に対して大きな強度を有するようになる。こうして、隣接するPC基礎部材10・10同士は、しっかりと連結されることとなる。
【0055】
上記のようなPC基礎部材10・10同士が一体化すると、隣接する各PC基礎部材10・10は、接続片30が突出する方向に延在形成される配筋32をそれぞれ有することとなり、隣合う各配筋32同士を連結した状態でコンクリート充填空間50にコンクリートが充填されることとなり、強固に連結されることとなる。
【0056】
<製造用型枠について>
次に上記PC基礎部材10を製造する製造用型枠について図5及び図6を用いて説明する。図5は、本実施の形態に係るPC基礎部材10の製造用の型枠100を示す斜視図である。図6は、PC基礎部材の製造用型枠を示す斜視図である。図6は、図5の製造用型枠100の一部を示す断面図である。尚、本例のPC基礎部材10を製造する製造用型枠100は、立上り部12の両側端に接続部20を有する場合を示す。
【0057】
PC基礎部材製造用型枠は、図5及び図6に示すように、型枠100と、複数の移動手段140、を含み構成される。
【0058】
型枠100は、図5に示すように、一方向に長い箱体状に形成され、流し込まれたコンクリートを所定形状に保持する機能を有し、流し込まれたコンクリートの底面及び側面を表面処理した状態で規定できるよう滑らかな内表面をなしている。
【0059】
移動手段140は、型枠100の長手外側面102に沿った複数の局所領域にて各々独立にスライド移動できる機能を有し、複数例えば一側面8個他側面8個形成される(図5の型枠100の一側面102における符号140−1・140−2・140−3・140−4・140−5・140−6・140−7・140−8)。
【0060】
詳述すると、移動手段140の(140−1・140−2・140−7・140−8)にあっては、型枠100の長手外側面102に沿って敷設されるレール部材142と、前記レール部材142の上を走行自在に配置されて型枠100の長手外側面102の一端から他端の間を往復できる台車144と、この台車144の回転軸を軸支すると共に、型枠100の上方にて型枠100を跨いで架設される支持板146(146−1・146−2・146−7・146−8)と、を含み構成される。
【0061】
一方、移動手段140の(140−3・140−4・140−5・140−6)にあっては、支持板148を、上記支持板146に比して短く形成し、型枠100の中央領域の長手側面に沿って形成される後述するフーティング部溝形成用型部120を隣接する複数の各支持板148にて支持している。
【0062】
尚、レール部材142は、図5に示すように、型枠100の両長手外側面102・102に沿って一対に敷設してもよいし、一方の側面102にのみに設けた構成としてもよい。さらに、レール部材142上に、図示しないモジュール間隔にて目盛りを付しておいても良い。さらにまた、レール部材142の剛性強度を増して型枠100と一体的に構成しても良い。この場合、型枠100を構成する板等を薄く形成することができる。
【0063】
型枠100は、図5に示すように、基端規定用型部112、先端面規定用型部110、外側面規定用型部116、フーティング部溝形成用型部120、を含み構成される。
【0064】
先端面規定用型部110は、移動手段140例えば140−1・140−8の支持板146−1・146−8に固定されると共に型枠100の内方側にて基端規定用型部112と対向して配設され、前記基端面24より突出する接続片30の先端面30a(図1)を規定する機能を有する。
【0065】
基端規定用型部112は、移動手段140例えば140−2・140−7に連結され、型枠100内方側にて基端面24(図1)を規定する機能を有し、凹部規定用型部114、内側面規定用型部115、を含み構成される。
【0066】
凹部規定用型部114は、図5及び図6に示すように、基端規定用型部112の規定面より突出して、凹部26(図1)を規定する機能を有し、複数例えば4個突設される。このように、基端規定用型部112の面112は、凹凸状に形成されているので、この型部112を用いると、PC基礎部材10の接続部20の内側面に凹部26が形成される。
【0067】
内側面規定用型部115は、PC基礎部材10の端部形状に対応するよう、型枠100の両端部内側にて設けられ、基端規定用型部112より直角に延設され、型枠100の内側で型枠100の底面100aより所定間隔浮かせた状態で取り付けられるもので、接続片30の内側面(図1の符号30b)を規定する機能を有し、内側面規定用型部115により、PC基礎部材10の端部に接続片30が形成されるようになっている。
【0068】
外側面規定用型部116は、PC基礎部材10において、厚肉部22が側方に突出することで形成されるテーパ面22a(図1)を規定するものである。
【0069】
尚、図示しない上部型枠を型枠100の上方に設け、型枠100の底面100aと対向位置に配置されて流し込まれたコンクリートの上面を規定している。尚、上部型枠は、中間領域の内側を密閉し、端部領域の内側を開口させた状態で配置される。
【0070】
また、上記PC基礎部材10には、フーティング部用溝14が形成されており、このフーティング部用溝14は、図5に示すフーティング部溝形成用型部120を型枠100の底面上及び底面上のコンクリート打設側に設置することによって形成される。
【0071】
型枠100は、上記のように構成されており、これらによってPC基礎部材10の各輪郭が規定される。
【0072】
次に上記製造用型枠100を用いたPC基礎部材10の製造方法を図5及び図6を用いて説明する。
【0073】
図5及び図6に示すように、型枠100において、製造しようとするPC基礎部材10の長さ例えばLに対応させて、型枠100の両端の先端面規定用型部110・110間の距離をLに設定する。この時、先端面規定用型部110・110は、各々移動手段140−1・140−8により一対のレール部材142・142上をスライド移動できるので所望の長さに容易に調整できる。尚、レール部材142に図示しないモジュール間隔にて目盛りを付しておけば、調整がさらに容易となる。
【0074】
さらに、製造しようとするPC基礎部材10の接続部20の長さ例えばlに対応させて、型枠100の一端側の先端面規定用型部110と一端側の基端規定用型部112間の距離、及び他端側の先端面規定用型部110と他端側の基端規定用型部112間の距離をそれぞれlに設定する。この時、各先端面規定用型部110及び各基端規定用型部112は、各々移動手段140−1・140−2・140−7・140−8により一対のレール部材142・142上をスライド移動できるので所望の長さに容易に調節できる。
【0075】
したがって、移動手段により各型部を自在に移動させることで、PC基礎部材10の長さ及び接続部20の長さを自在に調節でき、建物の種々のプランに対応できる。
【0076】
また、図6に示すように、配筋32、配筋網34を型枠100内に挿入し、型枠100内の端部領域に図示しない上部型枠を取り付ける。
【0077】
こうして、PC基礎部材製造用の型枠が構成されるので、次に、コンクリートを充填する。具体的には、いずれかの端部領域の開口部130(図6)からコンクリートを充填することとなる。そうすると、一方の端部領域の開口部130からから注入されたコンクリートは、他方の端部領域の開口部130によってエア抜きがされて、型枠100内に充填される。したがって、型枠との間に空気溜りができることなく、良好なPC基礎部材10が製造される。こうして製造されたPC基礎部材10が図1及び図2である。
【0078】
<基礎構築方法について>
次に、PC基礎部材10を用いた基礎構築方法について図2及び図8を用いて説明する。
【0079】
予め工場段階でPC基礎部材10を製造し、建築現場へ輸送する。尚、PC基礎部材10は、予め工場段階で表面が処理された状態となっている。
【0080】
建築現場において、図2に示すように、地盤を布堀りして根切り部2を形成し、この根切り部2のコーナー部及び所定位置にPC底盤4を設置する。
【0081】
ここで、このPC底盤4を根切り部2に設置するときには、このPC底盤4の設置位置に捨てコンクリート又はモルタルの山を載置し、この捨てコンクリートの山を潰すようにしてPC底盤4を載置する。そして、このPC底盤4を掛矢等で叩いて所定の高さで上面が水平になるように調整作業を行う。なお、この作業は、水糸や水準器やレーザー光線による水準位置等を用いて水平レベルおよび高さを確認しながら行う。こうして全てのPC底盤4を所定の同じ高さで水平に設置する。
【0082】
次にPC基礎部材10をPC底盤4間に架設する。この時、既にPC底盤4は所定の高さで水平に設置されているので、PC基礎部材10は、ただPC底盤4間に掛け渡して設置するだけで所定の高さで水平になる。従って、PC底盤4の上面にPC基礎部材10の設置位置の墨出しを行い、設置位置だけを確認しながら載置するだけでこのPC基礎部材10の設置作業は完了する。よって、このPC基礎部材10は、接続部20の下端面を架設部としてPC底盤4に載置できる。
【0083】
そして、既設のPC基礎部材10に隣接させて次設のPC基礎部材10を設置し、両者を図示しない治具にて仮固定する。この隣接するPC基礎部材10の拡大斜視図を図1に示す。
【0084】
次いで、図1に示すように、接続する2つのPC基礎部材10・10の隣接する厚肉部22間に型枠40を取り付け、この型枠40と接続片30との間に補強用鉄筋60を配設する。尚、この型枠40を予め工場段階で接続片30に取り付けておくこともできる。
【0085】
その後、補強用鉄筋60は横筋62−1が上方の一方の配筋32−1及び他方の配筋32−1と連結し、横筋62−2が下方の一方の配筋32−2及び他方の配筋32−2と連結する。
【0086】
この時、PC基礎部材10は、接続部20を対向させて連設され、かつ型枠40、40が取り付けられているので、接続片20・20及び型枠40・40によってコンクリート充填空間50が形成される。
【0087】
次に、こうして補強用鉄筋60が取り付けられたコンクリート充填空間50内にコンクリートを打設する。そうすると、コンクリート充填空間50がコンクリートに満たされると共に、接続部20の内側に形成された凹部26にもコンクリートが流入して、上記コンクリート充填空間50がコンクリートにて埋められる。
【0088】
この配筋32及び補強用鉄筋60により、2つのPC基礎部材10・10が接続されるので、コンクリート固化後には、コンクリート充填空間50内にあっては、該固化されたコンクリート内に配筋32と補強用鉄筋60とが連結された状態になる。
【0089】
この時、従来の図9に示す縦長の複筋406に比べて、断面略コ字状に横長に形成される配筋32により、図3に示すA方向での連結強度が強化される。
【0090】
こうすることで、コンクリート充填空間50内にコンクリートが流入して固化された後には、PC基礎部材10の接続部分での連結強度が強化され、耐剪断力が高まり、一方及び他方のPC基礎部材10・10同士の連結を従来に比べて強固にすることができる。
【0091】
また、コンクリートを養生すると、このコンクリートは凹部26にくい込んだ状態で固化することとなるので、PC基礎部材10の接続部20同士の接続領域(コンクリート充填空間50)における剪断力に対して大きな強度を有し、PC基礎部材10は、しっかりと連結される。この凹部26が形成されていることで、この接続部20にコンクリートを打設すると、コンクリートが凹部26に入り込んでくいつくので、接合されたPC基礎部材10同士がしっかり固定されることとなる。
【0092】
その場合、接続部20にて形成されるコンクリート充填空間50内に打設されたコンクリートが固化すると、PC基礎部材10の接続領域において、剪断力のみならず、横方向への引っ張り力に対しても大きな強度を有する基礎構造となる。
【0093】
さらに、図10に示すように、立上り部12の下端領域(フーティング形成空間)のPC底盤4、4間にベース筋70を設置し、かつ、ベース筋70に沿って側枠72、72を地盤上に取り付けた後、該側枠72、72間にコンクリート74を充填させ、養生し固化する作業を行って、フーティング部を地盤上に形成しても良い。この時、PC基礎部材10の下部には予め工場段階でフーティング部用溝14が形成されているので、フーティング部を形成するコンクリートとの強固な連結が図れ、基礎の強度が増す。
【0094】
また、地盤が弱くPC底盤4で接地圧が不足する場合には、PC底盤4、4間に立上り部12を支持するPC製の受台を配設しても良い。
【0095】
以上のように本実施の形態によれば、以下の効果を有する。
(1)従来の図9に示す縦長の複筋406に比べて、断面略コ字状に横長に形成される配筋32により、図3に示すA方向での力の伝達性が強化される。
【0096】
(2)相隣接して配置される2つのPC基礎部材同士を接続部にて連結すると、一方のPC基礎部材の接続部に形成された配筋と、他方のPC基礎部材の接続部に形成された配筋と、が、接続片が突出する方向である横方向の一直線上に存在することとなる。この各配筋を補強用鉄筋にて連結すれば、従来の縦方向に延びる複筋に比べて横方向に対する耐引張応力性が強化されて、接続部分での連結状態は強化され、一方及び他方のPC基礎部材同士の連結をさらに強固にすることができる。
【0097】
(3)補強用鉄筋60の縦筋64により、立上り方向の耐剪断力を強めると共に、隣合う各配筋32同士が連結された高さ方向に異なる位置の配筋32−1・32−2同士をさらに連結することで、接続部同士の連結状態にあっては、従来のような横筋のみの場合に比べて連結強度もさらに高まる。また、従来のように複数の補強用鉄筋を用いることなく、縦筋と横筋との連結により一体的に形成され、かつ、補強用鉄筋を配筋上に設置すると共に一義的に強固な連結構造を形成ならしめる状態となるので、施工作業の簡略化を図りながらも強固な連結状態を確保できる。さらに、補強用鉄筋を各配筋に連結させる際には、隣合う各配筋は棚として使用できるので、補強用鉄筋の縦筋を調整することで、補強用鉄筋の連結位置が正確に出る。
【0098】
(4)配筋32は、断面略コ字状の配筋32−1・32−2が横方向に延設しながらも、上下にて一体形成されていることから、従来の複筋の利点である立上り方向での耐剪断力を損なうことなく、横方向の連結強度をさらに高めることが可能となる。
【0099】
(5)接続部のコンクリート充填空間に臨む内側面に凹部が形成されているので、このPC基礎部材を、接続部を対向配置した状態で連設して、コンクリート充填空間を形成すれば、該空間内にコンクリートを打設したときに開口する凹部にコンクリートが流入する。そして、コンクリートが固化すると、このコンクリートは凹部にくい込んでしっかり固定され、耐剪断力が増して隣接するPC基礎部材同士がしっかりと固定される。
【0100】
(6)移動手段により各型部を自在に移動させることで、PC基礎部材10の長さ及び接続部20の長さを自在に調節でき、建物の種々のプランに対応できる。
【0101】
(7)プレキャストコンクリート基礎部材の接続部同士を突き合わせて、各配筋を接続片が突出する方向で連結配筋することで、コンクリート固化後の連結構造における連結強度を高めながらも、施工作業の簡略化を図ることができる。
【0102】
(8)凹部形成用型部を例えば複数形成すれば、内側面を基準として凹凸が形成されるので、PC基礎部材同士を接続してコンクリート充填空間内にコンクリートを打設したときに、凹凸とコンクリートとが噛み合って強固に一体化される。
【0103】
尚、本発明に係る装置と方法はそのいくつかの特定の実施の形態に従って説明してきたが、当業者は本発明の主旨及び範囲から逸脱することなく本発明の本文に記述した実施の形態に対して種々の変形が可能である。例えば、図7に示すような断面略T字状の接続構造にも適用できる。
【0104】
同図において、PC基礎部材は、建物の壁の下を支持して外側基礎となるPC基礎部材200と、外側基礎の内側に構築されて建物の床を支持する内側基礎となるPC基礎部材250と、からなる。そして、各PC基礎部材200・250は、端部に接続片210・260が形成されている。
【0105】
ここで、接続片210・260には、複筋としての配筋212・262が突設されており、各PC基礎部材200・200を結合するときには、配筋212・212に補強用鉄筋220を取り付け、PC基礎部材200・250を結合するときには、補強用鉄筋220と配筋230とを補強用鉄筋230にて連結する。その後、図示しない型枠を図7の点線Fに沿うように上記実施の形態同様取付固定して、コンクリート充填空間を形成し、コンクリートを打設する。
【0106】
さらに、上記のような断面略T字状の接続構造に限らず、断面略十字状、断面略L字状等の接続構造にも、本発明のPC基礎部材10を適用できる。また、接続部を図11に示すような形状にしたPC基礎部材であっても良い。
【0107】
また、図8に示すように、接続部が断面略コ字状に形成されたPC基礎部材300にも適用できる。同図において、PC基礎部材300は、接続部310に断面略コ字状の一対の接続片312・314を有し、接続片312側に配筋320が突設されている。尚、接続片312・314のうちいずれか一方又は両方に配筋320を設けたものであっても良い。
【0108】
さらにまた、凹部の形状は、上記実施の形態のような矩形のものに限定されず、円形等のいかなる形状であっても良い。
【0109】
しかも、配筋は、2段突出するものに限らず、接続部内に上下複数段及び左右複数列に亘って形成しても良い。
【0110】
また、接続部が横断面コ字状であるものに限らず、少なくとも基礎部材本体としての立上り部の一端又は両端の基端部より突出される接続片によって仕切られるコンクリート充填空間内を形成するものにあっても、配筋を形成してもよい。
【0111】
尚、上記接続部の変形に応じて型枠も変形できることは言うまでもない。
【0112】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、コンクリート充填固化後の連結構造における連結強度を高めることができる。
【0113】
請求項2の発明によれば、従来の複筋の利点である立上り方向での耐剪断力を損なうことなく、隣接する接続部同士が連結した状態での連結強度をさらに高めることができる。
【0114】
請求項3の発明によれば、接続部分での連結状態は強化され、一方及び他方のPC基礎部材同士の連結をさらに強固にすることができる。
【0115】
請求項4の発明によれば、立上り方向の耐剪断力を強めると共に、接続部同士の連結状態にあっては、連結強度もさらに高まる。
【0116】
請求項5の発明によれば、移動手段の移動により、基端面規定用型部と、先端面規定用型部と、を各々独立に移動できるので、接続片の長さを自由に選択変更できる。
【0117】
請求項6の発明によれば、コンクリート固化後の連結構造における連結強度を高めながらも、施工作業の簡略化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るプレキャストコンクリート基礎部材の実施の形態の一例を示す斜視図である。
【図2】 図1のプレキャストコンクリート基礎部材を用いた基礎構造全体を示す斜視図である。
【図3】 図1のプレキャストコンクリート基礎部材同士を接続した接続構造を示す断面図である。
【図4】 図1のプレキャストコンクリート基礎部材の内部配筋状態を示す斜視図である。
【図5】 図1のプレキャストコンクリート基礎部材の製造用型枠を示す斜視図である。
【図6】 図5の製造用型枠の一部を示す断面図である。
【図7】 図1のプレキャストコンクリート基礎部材を用いた他の接続構造を示す平面図である。
【図8】 本発明に係るプレキャストコンクリート基礎部材の他の実施の形態の一例を示す斜視図である。
【図9】 従来のプレキャストコンクリート基礎部材同士の接続構造を示す斜視図である。
【図10】 図1のプレキャストコンクリート基礎部材を用いて、現場にてフーティング部を形成した場合の例を示す斜視図である。
【図11】 本発明に係るプレキャストコンクリート基礎部材の実施の形態の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
10、200、300、400 PC(プレキャストコンクリート)基礎部材
12、402 立上り部
14 フーティング部用溝
20、404 接続部
26 凹部
30 接続片
32−1、32−2 配筋
33 連結配筋
34、414 配筋網
50、412 コンクリート充填空間
60 補強用鉄筋
64 縦筋
100 型枠
102 長手外側面
110 先端面規定用型部
112 基端規定用型部
140 移動手段
406 複筋
408 補強用鉄筋

Claims (6)

  1. 基礎部材本体と、その端部の接続部と、を有する少なくとも2つのプレキャストコンクリート基礎部材同士を相互に接続し、対向配置される前記接続部の間に形成されるコンクリート充填空間にコンクリートを打設して一体化されるプレキャストコンクリート基礎部材であって、
    前記接続部は、前記基礎部材本体の端部を基端とし、該基端より突出形成されて前記コンクリート充填空間を仕切る接続片を有し、
    前記接続片は、前記コンクリート充填空間へ突設され、該接続片が突出する方向に沿って延びる配筋を有することを特徴とするプレキャストコンクリート基礎部材
  2. 請求項1記載のプレキャストコンクリート基礎部材において、
    前記配筋は、高さ方向で異なる位置にそれぞれ設置され、異なる位置の該各配筋を高さ方向で連結する連結配筋が前記接続片の内部に埋設されていることを特徴とするプレキャストコンクリート基礎部材
  3. 基礎部材本体と、その端部の接続部と、を有する少なくとも2つのプレキャストコンクリート基礎部材同士を相互に接続し、対向配置される前記接続部の間に形成されるコンクリート充填空間にコンクリートを打設して一体化したプレキャストコンクリート基礎部材同士の連結構造であって、
    各前記プレキャストコンクリート基礎部材の各前記接続部は、前記基礎部材本体の端部を基端とし、該基端より突出形成されて前記コンクリート充填空間を仕切る接続片をそれぞれ有し、
    前記各接続部の接続片は、前記コンクリート充填空間へ突設され、該接続片が突出する方向に沿って延びる配筋を、それぞれ有し、
    隣合う前記各配筋同士が、前記接続片が突出する方向に伸びる補強用鉄筋にて連結され、前記コンクリート充填空間にコンクリート充填したことを特徴とするプレキャストコンクリート基礎部材同士の連結構造。
  4. 請求項3記載のプレキャストコンクリート基礎部材同士の連結構造において、
    前記配筋は、前記接続片の高さ方向で異なる位置に複数設置され、
    前記補強用鉄筋は、
    隣接する各々の前記接続片のほぼ同一高さ位置する前記隣合う各配筋を連結する横筋と、
    前記横筋に連結されて、前記高さ方向で異なる位置に設置され各配筋を連結する縦筋と、
    を有することを特徴とするプレキャストコンクリート基礎部材同士の連結構造。
  5. 請求項1に記載のプレキャストコンクリート基礎部材を製造するための製造用型枠であって、
    流し込まれたコンクリートを所定形状に保持する箱体状の型枠と、
    前記型枠の長手外側面に沿ってそれぞれ移動可能な複数の移動手段と、
    を含み、
    前記型枠は、
    1つの前記移動手段に連結され、前記型枠内にて前記基端を規定する基端規定用型部と、
    他の前記移動手段に連結されると共に前記基端規定用型部と対向して配設され、前記基端より突出する接続片の先端面を規定する先端面規定用型部と、
    を有することを特徴とするプレキャストコンクリート基礎部材の製造用型枠。
  6. 請求項1に記載のプレキャストコンクリート基礎部材を用いた基礎構築方法であって、
    建築物構築領域に、少なくとも前記基礎部材本体の端部に位置する接続部同士を突き合わせた状態でプレキャストコンクリート基礎部材同士を配設する工程と、
    隣接する前記各接続部の前記コンクリート充填空間へ突設され、前記接続片が突出する方向に沿って延びる各配筋同士を前記接続片が突出する方向に連結配筋し、コンクリート充填空間にコンクリートを打設する工程と、
    を含むことを特徴とする基礎構築方法。
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